JPWO2005003852A1 - 干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータ - Google Patents

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Abstract

広帯域でスイッチング可能であると共に、高消光比で製造トレランスが大きい干渉計型光スイッチ及びそれを用いた光スイッチモジュールを提供する。光合分波手段として出力の位相差が波長依存性を持つ位相生成カプラ(111)を用い、位相生成カプラ(111)から出力される光の位相差φ1(λ)と、光路長差付与部(131)の光路長差に起因する位相差φΔL(λ)と、方向性結合器(153)から出力される光の位相差φ2(λ)との総和2π{φ1(λ)+φΔL(λ)+φ2(λ)}が波長によらず一定になるように設定することで、波長無依存の干渉計型光スイッチを実現する。

Description

本発明は、光通信システムや光信号処理等に用いられる干渉計型光スイッチ及び可変光アッテネータに関するものであり、詳細には、広い波長帯域で切り替え動作が可能な導波路型光回路に関する。
インターネットの爆発的な普及により、通信回線の大容量化が米国を中心として急速に進められている。この大容量化のキー技術は、波長分割多重(WDM)システムである。WDMシステムは1本の光ファイバに複数の波長の異なる信号光を同時に伝搬させ、通信容量を飛躍的に拡大するものである。現在敷設されている光通信システムは、個別にノード間を結ぶポイントツーポイントシステム(Point to point system)であるが、今後は更に高機能な光クロスコネクト(Cross connect)システムや光アドドロップ多重(Optical Add/drop multiplexing;OADM)システムの開発が進められている。光クロスコネクトシステムは、例えば、電話局などのノード部分で伝送路の切り替えを行うシステムであり、光アドドロップ多重システムは、多重化された信号光から特定の波長を抜き取り、別の伝送路に分けたり、特定の波長に新たな信号を加えて送り出したりするシステムである。従って、これらのシステムには信号光の合分波機能の他に、光信号のまま光路の切り替え機能を可能とする空間分割型光スイッチが必要とされており、今後の光通信網を担う重要な部品の1つである。
このような商用通信システムに用いる光スイッチには小型、低コスト、低消費電力、高速制御性などの特性が求められている。また透過率の波長依存性や偏波依存性が小さく、広い波長帯域で切り替え可能な光スイッチが要求されている。
様々な光部品が研究開発されている中、基板上の光導波路を基本とした導波路型光部品は量産性、集積性、信頼性に優れた光部品として注目されている。導波路型光スイッチはフォトリソグラフィ技術及び微細加工技術によって、光波長以下の高精度で再現性良く量産でき、更にスイッチを構成する基本素子が小型なため大規模化にも適しており、最も有望な形態の光スイッチと考えられている。また、特にシリコン基板上に形成された石英系光導波路は低損失であり、信頼性、拡張性も高いことから、今後の光通信システムの構成部品として期待されている。
従来の導波路型光スイッチの基本構成要素として、マッハツェンダ干渉計が用いられている。マッハツェンダ干渉計は2つのカプラと、それら2つのカプラに挟まれたアーム導波路から構成されている。アーム導波路上の薄膜ヒータを駆動することにより、光路を切り替えることができる。
(従来技術の第1例)
従来の導波路型光部品における光スイッチは、光合分波手段と光路長差付与部より構成された干渉計型光スイッチである。代表的な干渉計型光スイッチは2入力2出力のマッハツェンダ干渉計であり、光スイッチの基本素子として多く用いられている(文献1:M.Okuno et al.,”Low−loss and high extinction ratio silica−based 1xN thermo−optic switches,”OECC/I00C 2001 Conference Incorporating ACOFT,pp.39−41,5 July 2001)。
FIG.37は、従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの平面図である。このマッハツェンダ干渉計型光スイッチは、2つの方向性結合器151、152と、これら2つの方向性結合器151、152に挟まれた光路長差付与部131と、光路長差付与部に形成された位相シフタ141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。例えば、方向性結合器151、152として分岐比がr=0.5の3dB方向性結合器が用いられ、位相シフタ141として薄膜ヒータが用いられている。そして2つの方向性結合器151、152を結んでいる2本の光導波路(光路長差付与部)の光学的な光路長差ΔLは、信号光の波長をλs(=1.5μm)とすると、ΔL=0.5λs(=0.75μm)やΔL=0・λs=0になるよう設定されている。なお、ΔLは図37の光路長差付与部において、下側の導波路に対する上側の導波路の相対的な光路長差であり、導波路の実効屈折率を含む光学的な光路長差である。一般に初期状態でΔLが0.5λsに設定されている素子は非対称型マッハツェンダ干渉計光スイッチと呼ばれ、タップスイッチやゲートスイッチとして用いられている。一方、ΔLが0に設定されている素子は対称型マッハツェンダ干渉計光スイッチと呼ばれ、2分岐スイッチとして用いられている。
FIG.38は、FIG.37に示すマッハツェンダ干渉計型光スイッチのB−B線の矢視断面図である。シリコン基板161上には石英系ガラスで形成されたクラッドガラス層164、167が設けられている。このクラッドガラス層164、167の中層には石英系ガラスで形成されたコアガラス部165が設けられ、光導波路が形成されている。また、上部クラッドガラス層167の表面には位相シフタ(薄膜ヒータ)141が形成されている。つまり、上記導波路型光部品は光導波路及び薄膜ヒータ等によって形成されている。
次に、FIG.37に示したマッハツェンダ干渉計型光スイッチのスイッチング動作を説明する。
まず、非対称型スイッチングの場合を説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、入力導波路101から入力した信号光は出力導波路103から出力され、入力導波路102から入力した信号光は出力導波路104から出力される。薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長{0.5λs・k(kは0以外の整数)}相当分変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.5λs−0.5λs=0となる。この位相シフタ(薄膜ヒータ)141がON状態の時、スイッチはクロス状態にあり、入力導波路101から入力した信号光は出力導波路104から出力され、入力導波路102から入力した信号光は出力導波路103から出力される。このように、薄膜ヒータによる加熱の有無により、光路長差付与部131の光学的な光路長を変化させることにより、光路の切り替えを行うことができる。
次に、対称型スイッチの場合を説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはクロス状態にあり、信号光はクロスポート(101⇒104、もしくは102⇒103)から出力される。薄膜ヒータ141を通電し、光学的光路長差をΔL+δΔL=0.5λsにしたON状態では、スイッチはバー状態に切り替わり、信号光はスルーポート(101⇒103、もしくは102⇒104)から出力される。
対称型を用いた2分岐スイッチでは、光を入力導波路101から入力したとすると、信号光は、OFF状態ではクロスポート(出力導波路104)から出力され、スルーポート(出力導波路103)からは出力されない。逆にON状態では、信号光は、スルーポート(出力導波路103)から出力され、クロスポート(出力導波路104)からは出力されない。このように、2分岐スイッチは初期のOFF状態でクロスポートから出力されるようにしており、薄膜ヒータの加熱により出力をスルーポートに切り替えている。
非対称型を用いたタップスイッチは2分岐スイッチとは逆のスイッチング動作をし、初期のOFF状態でスルーポートから出力されるようにしており、薄膜ヒータの加熱により出力をクロスポートに切り替えている。また、非対称型を用いたゲートスイッチはタップスイッチのクロスポートのみを使用する。初期のOFF状態ではクロスポートからは出力されず、薄膜ヒータの加熱によりON状態にすると、信号光はクロスポートから出力される。対称型と非対称型のどちらも光スイッチの基本素子として用いられる。しかし、特に非対称型の場合は第1と第2の方向性結合器151と152の分岐比が等しければ、高消光比を維持できるという特徴があるので、光結合器の製造誤差に対して強いという利点がある。
これら干渉計型光スイッチは1×1型スイッチや、光通信システムに障害が発生したときに現用系から予備系への切り替えに用いられる1×2型光スイッチとして利用されている。また、単独で用いられるだけでなく、消光比を高めるように、マッハツェンダ干渉計型光スイッチの一方の出力に、同じ構成のマッハツェンダ干渉計型光スイッチを従属に接続する構成も報告されている(文献2:T.Goh et al.,”High−extinction ratio and low−loss silica−based 8x8 thermooptic matrix switch,”IEEE Photonics technology Letters 1998,Vol.,10,pp.358−360)。
また、薄膜ヒータ通電時の消費電力を低減するため、位相シフタの両端に断熱溝構造を設ける構成も報告されている(文献3:S.Sohma et al.,”Low switching power silica−based super high delta thermo−optics switch with heat insulating grooves、”Electronics Letters 2002、Vol.38、No.3,pp.127−128)。
また、上記マッハツェンダ干渉計型光スイッチを基本構成素子とし、それらを複数組み合わせることによりN×Nマトリクス光スイッチ(文献4:T.Goh et al.,”Low−loss and high−extinction−ratio silica−based strictly nonblocking 16x16 thermooptic matrix switch,”IEEE Photonics Technology Letters 1998,Vol.10,No.6,pp.810−812)、1×Nタップ型光スイッチ(文献1)、1×Nツリー型光スイッチ(文献5:T.Watanabe et al.,”Silica−based PLC 1×128 thermo−optic switch,”27th European Conference on Optical Communication 2001,ECOC’01.,Vol.2,pp.134−135)、ROADM(Reconfigurable OADM)スイッチなど、M×N大規模光スイッチを構成することもできる。
(従来技術の第2例)
FIG.39に従来の波長無依存光スイッチ(Wavelength insensitive Switch;WINS)を示す。WINSは第1の基本回路190に、第1の基本回路190に対して点対称となる第2の基本回路が接続された構成をしている。ここで、第1の基本回路190は、2つの方向性結合器151、152と、これら2つの方向性結合器151、152に挟まれた光路長差付与部134より構成された波長無依存カプラ(Wavelength Insensitive Coupler;WINC)である。
方向性結合器151(154)の分岐比はr=0.8、方向性結合器152(153)の分岐比はr=0.3、光路長差付与部134の光学的光路長差はΔL(=−ΔL)=0.32μmであり、第1の基本回路190と、それに対し点対称となる第2の基本回路に挟まれた二本の導波路は光路長差付与部135を形成し、その光学的光路長差はΔL=0に設定されている。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部135の光導波路上には位相シフタ(薄膜ヒータ)142が形成されており、この薄膜ヒータを通電することで切り替え動作を行うことができる。
この回路は、従来の対称型マッハツェンダ干渉計スイッチ(FIG.37)の方向性結合器151、152をそれぞれWINCに置き換えた回路であると見なすことができる。従来の方向性結合器の分岐比は波長依存性を持つので3dBカプラ、すなわち分岐比0.5のカプラとして機能する波長範囲は限られている。対称型マッハツェンダ干渉計スイッチの消光比が高くなるのは、方向性結合器151と152の合計が完全結合長になる時であるので、方向性結合器151と152の分岐比がそれぞれ0.5よりも小さく、もしくは大きくなれば消光比は劣化する。それに対し、FIG.39の回路はWINCを用いているので、波長によらず分岐比を概ね0.5にすることができる。WINSは光結合器の分岐比の波長依存性が小さいWINCを用いるので、従来の対称型マッハツェンダ干渉計スイッチよりも広い波長帯域でスイッチングが可能である。しかし、実際には製造誤差等により、広い波長帯域にわたりWINCの分岐比を0.5に保つのは困難であり、分岐比の偏差により波長特性は劣化する。
そこで、WINSを構成する2つのWINCの分岐比を調整できるようWINCの光路長差付与部134と136に微調整用位相シフタ(薄膜ヒータ)141、143を形成した(FIG.40)。WINSは対称型であるので、薄膜ヒータを駆動しない初期状態では、WINSはクロス状態にあり、入力導波路101から入力した信号光は出力導波路104から出力される。ここで、光路長差付与部の薄膜ヒータ141、142及び143へ通電し、熱光学効果により光学的な光路長をそれぞれδΔL、δΔL、δΔLだけ変化させるとWINSはバー状態となり、入力導波路101から入力した信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104への出力は阻止された。その透過率の波長依存性を測定した結果、1.2〜1.7μmの広い波長領域で消光比−20dB以上が得られた。
(従来技術の第3例)
干渉計型光スイッチは、出力強度を0と1にすることにより切り替え動作を行うが、出力強度を0から1の間に設定することにより、光信号の強度を減衰させる可変光アッテネータとして用いることができる。例として、従来の非対称型マッハツェンダ干渉計の波長特性を示し、干渉型光スイッチと可変光アッテネータの相違点を説明する。FIG.41Aは従来技術の第1例で説明した非対称型マッハツェンダ干渉計スイッチの透過率の波長依存性を示す。ON状態が出力強度1、OFF状態が出力強度0に対応し、OFF状態の透過率が小さいほど消光比は高くなる。初期のOFF状態では光路長差付与部131(FIG.37)の光学的光路長差はΔL=0.5λsであり、ON状態では光路長差付与部131(FIG.37)の光学的光路長差はΔL+δΔL=0.5λs−0.5λs=0である。
FIG.41Bに、従来の可変光アッテネータにおいて中心波長λcでの光の透過率を−30dB、−20dB、−10dBに設定した時の透過率の波長依存性を示す。位相シフタ(薄膜ヒータ)により光路長差付与部131の光学的光路長差を変化させ、透過率を適切な値に設定することにより、光強度を任意に減衰させることができる。
(従来技術の課題)
しかしながら、従来の干渉計型光スイッチもしくは可変光アッテネータには次のような課題があった。
従来技術の第1例で説明した従来の対称型マッハツェンダ干渉計スイッチの消光比が高くなるのは、2つの方向性結合器の合計が完全結合長になる時であるので、2つの方向性結合器の分岐比が0.5なら高消光比が得られる。しかし、作製誤差により方向性結合器の分岐比が例えばr1=r2=0.4となれば高消光比となる条件を満たさないので、消光比は大きく劣化する。さらに、ある波長では分岐比が0.5であったとしても、波長依存性により方向性結合器の分岐比は波長により変化するので、透過率に波長依存性が生じる。このように、光結合器の製造誤差と波長依存性により従来の対称型マッハツェンダ干渉計スイッチを広い帯域で使用することはできなかった。
一方、非対称型マッハツェンダ干渉計スイッチの消光比が高くなるのは、2つの方向性結合器の分岐比が等しくなる時であるので、作製誤差により例えばr1=r2=0.4となったとしても高消光比を維持できる。同様に、波長依存性により分岐比が波長により変化しても高消光比を維持できる。しかし、マッハツェンダ干渉計スイッチを非対称型とするには光路長差付与部の光学的光路長差を0.5λcに設定する必要があった。光路長差を有限の値に設定すると原理的に波長依存性が生じ、透過率が波長により変化する。非対称型は光結合器の製造誤差と波長依存性に対する耐性が強いという利点があるが、従来の技術では波長依存無く光路長差を有限の値に設定することは不可能であった。
そのため、いずれのマッハツェンダ干渉計型光スイッチを用いても、FIG.41Aに示すような波長依存性を持つ。FIG.41Aでは、信号光波長λsを1.5μmに設定した時の、1.45〜1.65μmの波長帯域を示すが、λsでは消光比が良好であるが、波長が信号光波長から離れるに伴い、ON状態とOFF状態の透過率の差である消光比が劣化する。もし、消光比の目標値が−30dB以下であるとすれば、従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチで目標値を達成できるのは信号光波長λsを中心に広くとも60nm程度である。そのため、例えば中心波長1.55μmでは消光比は−25dB程度に劣化する。このように、従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチでは、十分な消光比を確保できる波長帯域は限られており、広い波長帯域を用いる波長分割多重伝送システム等に適用することはできなかった。
従来技術の第2例で説明したWINSは光結合器の分岐比の波長依存性を小さくできるので、従来技術の第1例の光スイッチよりも波長依存性が軽減できる。しかし、WINSは対称型マッハツェンダ干渉計スイッチに基づいているため、高い消光比を得るには2つのWINCの分岐比を0.5にする必要がある。WINCを用いることにより波長依存性を小さくできるが、全波長帯域で分岐比を0.5に保つことはできない。そのため、例えば、ある波長で分岐比r1=r2=0.45になったとすれば消光比が大きく劣化する。また、FIG.40で示したようにWINCの光路長差付与部にも位相シフタを形成し、光路長差を微調整すれば、波長依存性を改善することができる。しかし、3つの位相シフタを同時に駆動する必要がある。したがって、(1)スイッチング時の消費電力が従来の数倍も増し、(2)調整箇所が増すことにより制御時間が増し、(3)スイッチング動作の制御アルゴリズムが複雑になり、(4)位相シフタの数が増加したことにより電気配線量が従来の何倍も増大するなどの多くの問題が発生し、低消費電力、高速制御性など、商用システムに必要とされる特性を満たさなかった。
従来技術の第3例で説明した可変光アッテネータは中心波長のみで所望の減衰量が得られ、それ以外の波長では減衰量を設定することはできなかった。
なお、本発明に関連する文献として文献1〜5を上記したが、同様な従来技術についての記述のある他の参考文献として下記のものを紹介する。
文献6:K.Jinguji et al.,“Two−port optical wavelength circuits composed of cascaded Mach−Zehnder interferometers with point−symmetrical configurations.”,Journal of Lightwave Technology 1996,Vol.14,No.10,pp.2301−2310.
文献7:M.Okuno et al.,“Birefringence control of silica waveguides on Si and its application to a polarization−beam splitter/switch.”,Journal of Lightwave Technology 1994,Vo.12,No.4,pp.625−633.
文献8:T.Mizuno et al.,“Mach−Zehnder interferometer with a uniform wavelength period.”,Optics Letters 2004,Vol.29,No.5,pp.454−456
文献9:EP0382461
文献10:特許第3175499号公報
文献11:特許第3041825号公報
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたもので、広帯域でスイッチングが可能であると共に、高消光比で製造トレランスが大きい干渉計型光スイッチ及び可変光アッテネータを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明では、マッハツェンダ干渉計を構成するカプラ(光合分波手段)のうちの少なくとも一つに、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラを用いた。そして、この位相生成カプラとアーム導波路に起因する位相の総和が波長によらず一定になるように設定することを特徴とすることにより、マッハツェンダ干渉計の出力強度の波長無依存化を実現した。
ここで、光合分波手段の出力の位相差とは、光合分波手段の入力ポートのうち少なくとも1つに光を入力し、光合分波手段の出力ポートのうち少なくとも2つから光を出力した時の2つの出力ポート間に生じる出力光の位相差である。また、光合分波手段の入力ポートのうち少なくとも2つに光を入力し、光合分波手段の出力ポートのうち少なくとも1つから光を出力した時、入力ポートの違いにより同一出力ポートでも光の位相差が生じる。この場合は、1つの出力ポートに光を入力し、2つの入力ポートから光を出力したとみなせるので、いずれの場合も2つのポート間の出力の位相差を定義をすることができる。このように、異なる入力ポートもしくは出力ポートに光を入力、もしくは出力した時、ポート間に波長ごとに異なる位相差を生じさせることのできる光カプラが位相生成カプラである。
更に詳しくは、本発明に係る干渉計型光スイッチ及び可変光アッテネータは、第1の光合分波手段と、第1の光合分波手段に接続された2本の光導波路からなる光路長差付与部と、光路長差付与部に接続された第2の光合分波手段と、第1の光合分波手段に接続された1つあるいは複数の入力導波路と、第2の光合分波手段に接続された1つあるいは複数の出力導波路と、光路長差付与部に設けられた位相シフタとを備えた導波路型光回路からなり、第1の光合分波手段もしくは第2の光合分波手段のうち少なくとも一方は、出力の位相差が波長依存性を持つ位相生成カプラとすることにより、従来の干渉計型光スイッチでは実現できなかった新たな機能を有する干渉計型光スイッチ、及び可変光アッテネータを提供することができる。
また、位相生成カプラが光結合器と光路長差付与部との接続により構成されたものであることを特徴とすることにより、出力の位相差が波長依存性を有する光合分波手段を実現してもよい。さらに、光結合器の分岐比と光路長差付与部の光学的光路長差を適切に設定することにより、任意の位相差を生成することができる。
また、位相生成カプラが、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成されたものであることを特徴とすることにより、原理損失無く位相生成機能を有する位相生成カプラを実現してもよい。さらに、Nを大きくするほどパラメータ設定の自由度が増し、位相生成カプラの出力の位相差と適正位相との近似度、及び位相生成カプラの分岐比と適正分岐比との近似度が高まる。そのため、容易に、精度の良い位相を生成できる位相生成カプラを提供することができる。
また、光の波長をλ、第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、3つの位相差の総和
Figure 2005003852
が波長無依存になるように一定に設定されたことを特徴とすることにより、実効的に光路長差付与部の光学的光路長差を波長によらずに任意の値に設定してもよい。それにより出力の透過特性を波長無依存にすることができ、広帯域で使用できる干渉計型光スイッチや可変光減衰器などの光部品を提供することができる。
また、3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり概ね等しくなるよう設定してもよい。それにより、従来は原理的に不可能であった、波長無依存の非対称型マッハツェンダ干渉計スイッチを実現することができる。例えば、広い波長帯域で高消光比を有し、製造偏差に強い広帯域ゲートスイッチやタップスイッチを提供することができる。さらに、波長無依存の可変光アッテネータとして使用することもできる。
また、3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の分岐比の合計が概ね1になるよう設定されたことを特徴とすることができる。それにより、例えば波長無依存の対称型マッハツェンダ干渉計スイッチとして動作させてもよい。
また、第1の光合分波手段の出力の位相差と、第2の光合分波手段の出力の位相差との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とすることができる。
また、光の波長をλ、第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、導波路型光回路の出力強度が波長に対して一定になるよう3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とすることができる。そうすれば、広帯域にわたり出力強度が一定の干渉計型光スイッチ及び可変光アッテネータを提供することができる。
また、第1の光合分波手段もしくは第2の光合分波手段のうち一方が、位相差2πφc(定数)の光結合器であり、他方が2つの光結合器とその2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部より構成された位相差2πφ(λ)の位相生成カプラであり、
Figure 2005003852
を満たすように、光合分波手段を構成する2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とすることにより、広い波長帯域でスイッチング動作が可能な干渉計型光スイッチを提供することができる。
また、第1の光合分波手段及び第2の光合分波手段が、夫々2つの光結合器と2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部より構成された位相生成カプラであり、第1の光合分波手段の出力の位相差と第2の光合分波手段の出力の位相差との和が、
Figure 2005003852
を満たすように、第1の光合分波手段及び第2の光合分波手段を構成する2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とすることにより、広い波長帯域でスイッチング動作が可能な干渉計型光スイッチを提供することができる。
また、第1の光合分波手段及び第2の光合分波手段が、夫々N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれ、第1と第2の2本の光導波路(遅延線)からなるN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、第1の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,1、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,1、第2の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,2、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,2とすると、光学的光路長差の総和が(Σδl1,1>Σδl2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2)、もしくは、(Σδl2,1>Σδl1,1かつΣδl2,2>Σδl1,2)のいずれかを満たすよう設定し、位相生成カプラにより効率的に位相を生成してもよい。
また、第1の光合分波手段及び第2の光合分波手段が、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、第1の光合分波手段及び第2の光合分波手段のN+1個(Nは自然数)の光結合器の分岐比が等しい値に設定されたことを特徴としてもよい。光結合器が作製しやすくなれば歩留まりを向上させることができる。
また、光結合器として、近接した2本の光導波路からなる方向性結合器を用いれば、2本の光導波路の結合長や導波路間の間隔等を適切に設定することで、光結合器の分岐比を容易に任意の値に設定することができる。
また、位相シフタとして、光導波路上に設けられた薄膜ヒータを用いることにより、精度良く位相をシフトさせることができる。
また、位相シフタの近傍に断熱溝を形成することにより、位相シフトに必要な消費電力を抑えることができる。
また、導波路型光回路が、石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とすることにより、集積性、信頼性、安定性に優れた低損失導波路型光回路を提供することができる。
また、干渉計型光スイッチを多段に複数接続したことを特徴とすることにより、さらなる高消光比の干渉計型光スイッチや高機能干渉計型光スイッチを提供することができる。さらに、干渉計型光スイッチを複数接続することでN×Nマトリックススイッチ、1×Nツリースイッチ、1×Nタップスイッチ、M×NのDCスイッチ、ROADMスイッチなどの大規模干渉計型光スイッチを構成することができる。
また、第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうち一方が第2の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、第1の干渉計型光スイッチの入力導波路を干渉計型光スイッチの入力ポートとして用い、第2の干渉計型光スイッチの出力導波路を干渉計型光スイッチの第1出力ポートとして用い、第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうち他方が干渉計型光スイッチの第2出力ポートとして用いたことを特徴とすることにより、一定消費電力の1×2干渉計型光スイッチを実現してもよい。
また、第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうち一方が第2の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、他方が第3の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、第1の干渉計型光スイッチの入力導波路を干渉計型光スイッチの入力ポートとして用い、第2の干渉計型光スイッチの出力導波路を干渉計型光スイッチの第1出力ポートとして用い、第3の干渉計型光スイッチの出力導波路を干渉計型光スイッチの第2出力ポートとして用いたことを特徴とすることにより、PI−LOSS(パス無依存損失)の1×2干渉計型光スイッチを実現してもよい。
また、干渉計型光スイッチを少なくとも一つ用い、M(M:自然数)入力N(N:自然数)出力の光スイッチを構成したことを特徴とすることにより、N×Nマトリックススイッチ、1×Nツリースイッチ、1×Nタップスイッチ、M×NのDCスイッチ、ROADMスイッチなどの大規模光スイッチを提供することができる。
また、干渉計型光スイッチの光導波路上に複屈折率調整手段が設けられている、もしくは複屈折率の調整が行われたことを特徴とする偏波無依存、あるいは偏光ビームスイッチなどの偏光依存の干渉計型光スイッチを提供することができる。
また、導波路型光回路の出力強度が最大となる状態と最小となる状態を切り替えるのが干渉計型光スイッチであるが、その出力強度を可変にし、最大と最小の間の任意の値に設定することにより、可変光アッテネータとして機能させることができる。この場合、出力強度が広い波長帯域で一定となる広帯域可変光アッテネータを提供することができる。
また、導波路型光回路を内部に有する筐体と、筐体に保持され、導波路型光回路に信号の入出力を行う光ファイバとを有することを特徴とすることにより、光クロスコネクト(OXC)システムや光アドドロップ多重(OADM)システムなどの光通信システムに使用できる導波路型光回路の光モジュールを提供できる。
本発明では、マッハツェンダ干渉計の第1の光合分波手段もしくは第2の光合分波手段のうち少なくとも一方に、出力の位相差が波長依存性を持つ位相生成カプラを用いる。それにより、従来技術では実現できなかった新たな機能を有する干渉計型光スイッチ及び可変光アッテネータを実現している。
位相生成カプラを備えた本発明のマッハツェンダ干渉計型光スイッチにおいて、クロスポート(101⇒104)の光強度Pcは次式
Figure 2005003852
で表すことができる。ただし、φΔL(λ)はマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差に起因する位相差、Φ(λ)は位相生成カプラにより生成される出力の位相差である。また簡単のため、第1と第2の光合分波手段の分岐比が等しく、R(λ)であるとした。光強度を0にするには2π{φΔL(λ)+Φ(λ)}がπの奇数倍になるようにすればよい。しかし、従来のマッハツェンダ干渉計ではΔLを有限の値に設定すると物理的に光学的光路長差に波長依存性が発生するので、2π{φΔL(λ)}が波長によらず一定値になるよう設定することは不可能であった。一方、本発明では位相生成カプラを用いて適切な位相差を生成することにより、はじめて位相差2π{φΔL(λ)+Φ(λ)}を波長に依らずに任意の一定値に設定することを可能にした。適用する干渉計回路の用途により位相生成カプラの出力の位相差Φ(λ)を適宜設定することにより、広い波長帯域で動作可能な干渉計型光スイッチや可変光アッテネータを提供することができる。
また、本発明によれば、広い波長帯域でスイッチング動作が可能な干渉計型光スイッチ回路を実現できるので、この回路を光スイッチの基本素子として導入すれば、任意の波長帯域で動作する光クロスコネクトシステムや光アドドロップ多重システム用スイッチが実現できる。それにより、部品の共用が可能になり、システムを低コストで構築することができる。
本発明では干渉計を構成する光合分波手段のうち少なくとも一つに、出力の位相差が波長依存性を持つ位相生成カプラを用いることにより、はじめて波長依存性を発生させることなく光路長差付与部の光学的光路長差を有限の値に設定することを可能とした。それにより従来技術では実現できなかった広い帯域で高消光比を有し、かつ製造誤差に対する許容量の大きい干渉計型光スイッチ、及び広い帯域で動作可能な可変光アッテネータを実現した。
FIG.1は本発明の第1実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.2は本発明の第1実施形態における位相補正量の波長依存性を示す図である。
FIG.3は本発明の第1実施形態における干渉計型光スイッチのOFF状態における透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.4は本発明の第1実施形態で用いた位相生成カプラの模式図である。
FIG.5は本発明の第1実施形態で用いた位相生成カプラの位相差の波長依存性を示す図である。
FIG.6は本発明の第1実施形態で用いた位相生成カプラの分岐比の波長依存性を示す図である。
FIG.7は本発明の第1実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.8は本発明の第1実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.9は本発明の第1実施形態の第1変形における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.10は本発明の第1実施形態の第2変形における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.11は本発明の第2実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.12は本発明の第2実施形態における位相補正量の波長依存性を示す図である。
FIG.13は本発明の第2実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.14は本発明の第2実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.15は本発明の第3実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.16は本発明の第3実施形態における干渉計型光スイッチの断面図である。
FIG.17は本発明の第3実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.18は本発明の第4実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.19は本発明の第4実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.20本発明の第4実施形態の第1変形における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.21は本発明の第4実施形態の第1変形における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.22は本発明の第5実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.23は本発明の第5実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.24は本発明の第6実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.25は本発明の第6実施形態で用いた位相生成カプラの模式図である。
FIG.26は本発明の第6実施形態における干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.27は本発明の第7実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.28Aは本発明の第7実施形態における干渉計型光スイッチのOFF状態の透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.28Bは本発明の第7実施形態における干渉計型光スイッチのON状態の透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.29は本発明の第8実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.30Aは本発明の第8実施形態における干渉計型光スイッチのOFF状態の透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.30Bは本発明の第8実施形態における干渉計型光スイッチのON状態の透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.31は本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.32Aは本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチのOFF状態におけるTEモードの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.32Bは本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチのOFF状態におけるTMモードの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.33Aは本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチのON状態におけるTEモードの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.33Bは本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチのON状態におけるTMモードの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.34Aは本発明の干渉計型光スイッチを用いたN×Nスイッチの構成例を示す模式図である。
FIG.34Bは本発明の干渉計型光スイッチを用いた1×Nスイッチの構成例を示す模式図である。
FIGs.35A−35Eは導波路型光回路の作製工程を説明する模式図である。
FIG.36は本発明の干渉計型光スイッチを用いた光スイッチモジュールの模式図である。
FIG.37は従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの構成を示す模式図である。
FIG.38は従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの断面図である。
FIG.39は従来の波長無依存スイッチ(WINS)の構成を示す模式図である。
FIG.40は従来の波長無依存スイッチ(WINS)の構成を示す模式図である。
FIG.41Aは従来技術の第1例の非対称型マッハツェンダ干渉計スイッチの透過率の波長依存性を示す図である。
FIG.41Bは従来の可変光アッテネータにおいて中心波長λcでの光の透過率を−30dB、−20dB、−10dBに設定した時の透過率の波長依存性を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を詳細に説明する。
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。以下の実施形態では、平面光導波路を用い、光導波路としてはシリコン基板上に形成した石英系光導波路を使用した干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータについて説明する。これは平面光導波路が集積性に優れ、スイッチ規模の大規模化や作製費用の低コスト化に優れるためである。さらにこの組み合わせの光導波路が低損失で安定であり、しかも石英系光ファイバとの整合性に優れているためである。しかしながら本発明はこれらの組み合わせに限定されるものではない。また、導波路型光スイッチの説明は、一般的に広く用いられているマッハツェンダ干渉計型2×2基本構成素子を例に取りあげて説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他のスイッチに関しても同様に適応可能である。
(第1の実施形態)
FIG.1に本発明の第1実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。
本実施形態の干渉計型光スイッチは、出力の位相差が波長依存性を持つ光合分波手段(位相生成カプラ)111と、光合分波手段121と、光合分波手段111、121に挟まれた光路長差付与部131と、光路長差付与部131に形成された位相シフタ141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。
マッハツェンダ干渉計の透過特性は、FIG.41Aに示したように、信号光波長λsで高い消光比を有し、信号光波長から離れるほど消光比は劣化する。ここで、もし全ての波長領域を信号光波長にできれば、その波長領域全体で高い消光比を維持できる。信号光波長は光路長差付与部に位相差を与えることにより変化させることができ、その与える位相差の量により信号光波長が決まる。したがって、それぞれの波長に応じて適切な位相差を光路長差付与部に与えることができれば、全波長領域を信号光波長にできる。
この原理を数式により詳細に説明する。マッハツェンダ干渉計(FIG.37を参照)の入力導波路101から信号光を入力し、出力導波路104から出力される光強度Pcは、光路長差付与部131の光学的光路長差ΔLに起因する位相差をφΔ(λ)、λを波長とすると、
Figure 2005003852
と表される。ただし、本発明の各実施形態では、位相差は2πで規格化した値を用いるものとする。また、マッハツェンダ干渉計を構成する2つの光合分波手段の分岐比は一定値0.5としている。上記数式5から、従来のマッハツェンダ干渉計の出力強度は光路長差付与部131の光路長差に起因する位相差が波長により変化するため、原理的に波長依存性を有することが明らかである。
ここで、もし光路長差付与部131に生じる位相差が波長に対して一定になるように設定できれば、マッハツェンダ干渉計を波長無依存にできる。そこで、光合分波手段111から出力される光の位相差を利用して位相補償を行う。マッハツェンダ干渉計の第1の光合分波手段111に光を入力し、この光合分波手段111につながる2本の光導波路から出力される光の位相差をφ(λ)、マッハツェンダ干渉計の第2の光合分波手段121につながる2本の光導波路に光を入力し、この光合分波手段121から出力される光の位相差をφ(λ)とすると、上記の数式5は、
Figure 2005003852
と変形することができる。ここで、位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が波長無依存になるように設定すれば、出力強度を波長無依存にすることができる。以上が本発明で用いる波長無依存化の原理である。
具体的にマッハツェンダ干渉計型光スイッチに本発明の波長無依存化の原理を適用する場合を説明する。光スイッチとして動作させるには、OFF状態で出力強度が0となり、ON状態で出力強度が1となるようにすればよい。したがって、位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}がm・π(mは整数)となるように設定すれば、mが奇数の時はOFF状態、mが偶数の時はON状態となり、スイッチング動作が可能である。
次に、位相差の総和を一定にするための光合分波手段111による位相補正量Ψ(λ)を導出する。φΔ(λ)は−ΔL/λで与えられるため、位相補正量Ψ(λ)は、
Figure 2005003852
となる。ここで、例えばm=−1、ΔL=λc/2(λcは波長帯域の中心波長1.55μm)に設定した時の位相補正量Ψ(λ)の波長依存性をFIG.2に示す。このような位相補正量を光路長差付与部131に寄与させた時のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過特性の波長依存性をFIG.3に示す。光路長差付与部131の光路長差に起因する位相差の波長依存性が補償され、広い波長領域で高消光比が得られることがわかる。
実際のマッハツェンダ干渉計にFIG.2に示した位相補正量を与える方法として、出力の位相差が波長依存性を持つ光合分波手段を用いる場合を説明する。以降、このような光合分波手段を位相生成カプラ(Phase−generating coupler:PGC)と呼ぶことにする。出力の位相差が波長依存性を有する光合分波手段を実現する方法として様々な手段が考えられるが、例えば光結合器と光路長差付与部とを接続することにより位相生成カプラとして機能させることができる。本実施形態では、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成される光合分波手段を位相生成カプラとして使用した。それは、N+1個の光結合器の分岐比とN個の光路長差付与部の光路長差を調整することにより、この光合分波手段の分岐比と出力の位相差を任意に設定することができるからである。また、Nを大きくするほどパラメータ設定の自由度が増し、目的とする特性との近似度を高めることができる。さらに、この構成では原理損失が無いという特長がある。
FIG.1に示した本実施形態の干渉計型光スイッチは、位相生成カプラ111を1つ用いている。位相生成カプラ111に光を入力し、この位相生成カプラ111につながる2本の光導波路から出力される光の位相差をφ(λ)、光合分波手段121につながる2本の光導波路に光を入力し、この光合分波手段121から出力される光の位相差をφc(定数)とすると、
Figure 2005003852
となるように、位相生成カプラ111の出力の位相差の波長依存性を設定すればよい。
位相生成カプラ111の一例をFIG.4に示す。FIG.4に示す光合分波手段(位相生成カプラ)111は、2つの方向性結合器151、152と、この2つの方向性結合器151、152を結んでいる2本の光導波路から成る微小光路長差付与部132と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。
この光合分波手段111の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmで概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式8を満たすように、2つの方向性結合器151、152の分岐比と、1つの微小光路長差付与部152の光路長差を多重回帰近似により求めた。
上記の数式5、6は簡単のため第1と第2の光合分波手段の分岐比を一定値0.5として導出した。これは理想的な場合であるが、実際には光合分波手段の分岐比は波長依存性を有するので、それも考慮する必要がある。マッハツェンダ干渉計型光スイッチをクロス出力OFF状態で使用する場合、第1と第2の光合分波手段の分岐比が等しければ、先に説明した位相補償を行うことにより高消光比を得ることができる。したがって、第1と第2の光合分波手段の分岐比の波長依存性が概ね一致するように光合分波手段を設定した。
設計した位相生成カプラの入力導波路101から光を入力し、出力導波路103、104から出力される光の位相差の波長依存性φ(λ)と分岐比の波長依存性をそれぞれFIG.5、FIG.6に示す。また、FIG.5に位相生成カプラで補正する位相補正量Ψ(λ)、すなわち上記の数式8の右辺で表される所望の関数を同時に描いた。FIG.5、FIG.6では、数値例としてΔLを0.34λc(≒0.53μm)、mを−1、φcを−1/4に設定している。位相生成カプラは分岐比が概ね0.5の3dB光合分波手段として機能し、その出力の位相差φ(λ)は波長無依存化に必要な位相補正量Ψ(λ)に概ね一致することがわかる。
FIG.7に、この位相生成カプラ111を用いて作製した干渉計型光スイッチの平面図を示す。位相生成カプラ111を構成する方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.3、r=0.7とし、微小光路長差付与部131の光路長差をΔL=0.30λc(≒0.47μm)に設定した。また、マッハツェンダ干渉計131の光路長差をΔL=0.34λc(≒0.53μm)とし、方向性結合器153の分岐比はr=0.5に設定した。ただし、光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。干渉計型光スイッチの光合分波手段111と方向性結合器153を結んでいる2本の光導波路の間隔は250μmにした。位相シフタ(phase shifter)141としては薄膜ヒータを用い、幅を40μm、長さを4mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmになるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、そのスイッチング特性を評価した。ここでは作製した光導波路回路を基本構成素子とするゲートスイッチとして用いた場合のスイッチング動作について説明する。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路101から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。ここで薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.34λc−0.5λc=−0.16λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態にあり、入力導波路101から入力された信号光は出力導波路104から出力される。すなわち、入力ポートを101とし、出力ポートを104とした時、位相シフタがOFF状態では信号光は出力されず、位相シフタがON状態では信号光が出力され、ゲートスイッチとして機能した。入力ポートを102とした場合も同様のスイッチング動作を確認できた。
次に、FIG.8に、測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性も合わせて図示した。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、本実施形態の干渉計型光スイッチは1.45〜1.6μmの広い波長帯域で−40dB以下の高消光比が得られた。位相シフタをON状態にした時、本実施形態の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。
このように、本実施形態の干渉計型光スイッチは、従来と全く異なる原理を用いて広帯域にわたる高消光比を実現し、小型であり、1つの位相シフタのみで広帯域のスイッチング動作ができることを確認した。また、広い波長帯域でのスイッチング動作に対応しているため、光合分波手段の分岐比誤差や光路長差付与部の光路長差誤差に対する許容量が大きく、たとえ作製誤差が発生したとしても高消光比を維持することができる干渉計型光スイッチを実現できた。
以上、本実施形態で説明した干渉計型光スイッチでは、波長帯域が1.45〜1.65μmの範囲で高消光比が得られるように設計したが、位相補正量を最適に設計することにより、例えば1μm〜2μmなど、任意の波長帯域で高消光比が得られるようにすることができる。さらに、出力の位相差が波長依存性を持つ光合分波手段としてN+1個(Nは1以上の整数)の光合分波手段と、隣接する光合分波手段に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成されている光合分波手段を用いたが、もちろんその他の光合分波手段を用いても良い。また、本実施形態で説明した構成に限らず、例えば3個の光合分波手段と隣接する光合分波手段に挟まれた2個の光路長差付与部によって構成してもよいし、異なる光合分波手段を組み合わせて位相生成カプラを構成してもよい。さらに、光合分波手段は、本実施形態で使用した方向性結合器に限らず、マルチモード干渉カプラ等、その他の種類のものを用いても良いし、例えば位相生成カプラを構成する光合分波手段の一方を方向性結合器、他方をマルチモード干渉計カプラにするなど、複数種類の光合分波手段を用いても構わない。
そして、使用する光合分波手段の分岐比の波長依存性を考慮して位相特性を設定してもよい。また、光導波路の屈折率を局所的に変化させ、光学的な光路長差や光合分波手段の結合特性、位相特性を調整することもできる。また、本実施例では入力導波路を101、102としたが、103、104を入力導波路として使用し、101、102を出力導波路として使用しても同じ効果が得られた。また、mが−1になるように設計したが、mは+1でも良いし、その他の整数を用いてよい。
以上説明したように、本発明はここで説明した構成に限らず、回路全体として見た時に、設定した波長帯域や周波数帯域全域で回路を構成する光合分波手段の出力の位相差と光路長差付与部の光路長差に起因する位相差の総和が波長無依存になるように設定すれば、導波路の種類、導波路の形状、導波路材料、波長帯、光合分波手段の種類などによらずに広帯域で高消光比を維持できる干渉計型光スイッチを構成することができる。
(第1の実施形態の第1変形例)
本発明の第1の実施形態の第1変形例では、FIG.7に示す第1の実施形態における干渉計型光スイッチと同じ構成を用いる。
位相生成カプラ111の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmで概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式8を満たすように、2つの方向性結合器151、152の分岐比と、1つの微小光路長差付与部132の光路長差を多項式近似により求めた。その結果、方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.1、r=0.6とし、微小光路長差付与部132の光路長差をΔL=0.27・λc(≒0.38μm)とし、方向性結合器153の分岐比をr=0.5に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差はΔL=0.37・λc(≒0.53μm)とし、光合分波手段111と方向性結合器153を結んでいる2本の光導波路の間隔は250μmにした。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、その幅を40μm、その長さを4mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmとなるように作製した。このように本実施例では、従来の導波路に比べて比屈折率の高い導波路を用いた。なぜなら、導波路の比屈折率を高くすると、ファイバ結合損失等の過剰損失が増す反面、導波路の最小曲率半径を小さくすることができるため、回路が小型になるからである。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。本実施形態の干渉計型光スイッチをこのようにモジュール化することにより、このスイッチは光クロスコネクトシステムや光アドドロップ多重システムなどの光通信システムに容易に導入することができる。
次に、作製した干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。ここでは作製した光導波路回路を基本構成素子とするゲートスイッチとして用いた場合のスイッチング動作について説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路101から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。ここで、FIG.7には図示していないが、光路長差付与部131を構成する2本の遅延線のうち、上側の光導波路(第1光導波路)に形成された薄膜ヒータへ通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.30λc+0.50λc=0.80λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態となり、入力導波路101から入力された信号光は出力導波路104から出力され、ゲートスイッチとして機能することを確認した。本実施例ては上記のkの値を+1としたが、もちろん、kはその他の値であっても構わない。
FIG.9に、測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長特性も合わせて図示した。位相シフタがOFF状態の時、本実施形態の干渉計型光スイッチは従来型の光スイッチに比べて広い波長帯域で高消光比が得られた。位相シフタをON状態にした時、本実施形態の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。
(第1の実施形態の第2変形例)
本発明の第1の実施形態の第2変形例では、FIG.7に示す第1の実施形態における干渉計型光スイッチと同じ構成を用いた。
位相生成カプラ111の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmで概ね0.45となり、出力される光の位相差が上記の数式8を満たすように、2つの方向性結合器151、152の分岐比と、1つの微小光路長差付与部132の光路長差とを最小二乗曲線近似により求めた。その結果、方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.4、r=0.8とし、微小光路長差付与部132の光路長差をΔL=0.30λc(≒0.47μm)とし、方向性結合器153の分岐比をr=0.5に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差はΔL=0.32λc(≒0.50μm)とし、光合分波手段111と方向性結合器153を結んでいる2本の光導波路の間隔は500μmにした。ただし、光路長差は一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。位相シフタとしては薄膜ヒータを用い、幅を40μm、長さを8mmに設定した。マッハツェンダ干渉計の光路長差は最初ΔL=0μmに設定し、回路を作製した後、薄膜ヒータによる恒久的な局所加熱処理を行うことにより導波路の屈折率を変化させ、光学的な光路長差がΔL=0.32λc(≒0.50μm)になるように調整した。
このように、光学的光路長は導波路の屈折率を含めた導波路の光路長であり、屈折率の波長依存性も含む光路の長さである。そのため、導波路を形成した後も導波路の屈折率を変化させることにより光学的な光路長を変化させることができる。そのため、光路長差が0(零)の干渉計型光スイッチを作製しておき、作製工程で導波路の屈折率を変化させることにより光学的光路長差が設計値になるように調整することができる。その他、薄膜ヒータによる恒久的な局所加熱処理法を用いて作製誤差を解消することもできる。すなわち、作製誤差により光学的光路長差が設計値からずれた場合も、作製後に屈折率を調整することにより、光路長差を設計通りに補正することができる。なお、本実施形態で薄膜ヒータを用いたのは、光導波路上に既に位相シフタとして薄膜ヒータが形成されているためである。さらに、光導波路上に薄膜ヒータが装着されているため、屈折率を簡便に、精度良く調整することができる。もちろん、屈折率の調整方法は薄膜ヒータに限らず、レーザ等の光照射など、その他の手段を用いてもよい。また、本実施形態では局所加熱処理に位相シフタ用の薄膜ヒータを併用したが、恒久的な局所加熱処理専用の薄膜ヒータを設けて屈折率を調整してもよい。さらに、光合分波手段111を構成する方向性結合器151、152や微小光路長差付与部132の光導波路の屈折率を調整することで、光合分波手段111の特性を補正することもできる。
上記設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104には分散シフトファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。
次に、上記のようにして作製した干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。ここでは作製した光導波路回路を基本構成素子とするゲートスイッチとして用いた場合のスイッチング動作について説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路101から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。ここで薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると光路長差はΔL+δΔL=0.32λc−0.50λc=−0.18λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態となり、入力導波路101から入力された信号光は出力導波路104から出力され、ゲートスイッチとして機能することを確認した。
FIG.10に、測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長特性も合わせて図示した。位相シフタがOFF状態の時、本実施形態の干渉計型光スイッチは1.45〜1.63μmの広い波長帯域で−30dB以下の消光比を維持することができた。位相シフタをON状態にした時、本実施形態の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。本実施例では、第1の光合分波手段(位相生成カプラ111)の分岐比(0.45)と、第2の光合分波手段(方向性結合器153)の分岐比(0.5)が異なるように設計したが、従来型の光スイッチに比べて広い波長帯域で高消光比が得られた。このように第1と第2の光合分波手段が異なる分岐比であってもよいし、分岐比の波長依存性が異なっていても構わない。
(第2の実施形態)
FIG.11に本発明の第2実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。この干渉計型光スイッチの回路は、出力の位相差が波長依存性を持つ一対の光合分波手段(位相生成カプラ)111と112と、これら光合分波手段111、112に挟まれた光路長差付与部131と、この光路長差付与部131に形成された位相シフタ(薄膜ヒータ)141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。
本実施形態では、位相生成カプラを複数用いた場合の構成について説明する。前段の位相生成カプラ111に光を入力し、この位相生成カプラ111につながる2本の光導波路から出力される光の位相差をφ(λ)とし、次段の位相生成カプラ112につながる2本の光導波路に光を入力し、この位相生成カプラ112から出力される光の位相差をφ(λ)とし、mを整数とすると、
Figure 2005003852
となるように、位相生成カプラ111と112の出力の位相差の波長依存性を設定すればよい。
ここでは、位相生成カプラ111と112として、それぞれFIG.4に示す光合分波手段(位相生成カプラ)を用いた。FIG.4に示す光合分波手段(位相生成カプラ)は、2つの方向性結合器151、152と、これら2つの方向性結合器151、152を結んでいる2本の光導波路から成る微小光路長差付与部132と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。この光合分波手段の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmでそれぞれ概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式9を満たすように、それぞれの位相生成カプラを構成する2つの方向性結合器151、152の分岐比と、1つの微小光路長差付与部132の光路長差とを最小二乗曲線近似により求めた。
このように設計した位相生成カプラ111、112の位相差の合計の値をFIG.12に示す。また、位相生成カプラで補正する位相補正量Ψ(λ)、すなわち上記の数式9の右辺で表される所望の関数を同時に描いた。FIG.12では、数値例としてΔLを0.16λc(≒0.25μm)、mを−1に設定している。2つの位相生成カプラは分岐比がそれぞれ概ね0.5の3dB光合分波手段として機能し、位相差の合計φ(λ)+φ(λ)は波長無依存化に必要な位相補正量Ψ(λ)に概ね一致することがわかる。
FIG.13に実際に作製した干渉計型光スイッチの平面図を示す。位相生成カプラ111を構成する方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.4、r=0.1とし、微小光路長差付与部132は第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl11=502.32μm、l21=501.99μmに設定し、その光学的光路長差をΔL=l11−l21=0.21λc(=0.33μm)とした。もう一方の位相生成カプラ112を構成する方向性結合器153、154の分岐比をそれぞれr=0.2、r=0.3とし、微小光路長差付与部133は第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl12=463.94μm、l22=463.68μmに設定し、その光学的光路長差をΔL=l12−l22=0.17λc(=0.26μm)とした。さらに、本実施形態では2つの位相生成カプラを用い、それらの光路長差付与部において光学的光路長差の総和の長い方の光遅延線が片方(FIG.13の上側)に偏在するよう回路上に配置した。すなわち、Σδl1,1=l11、Σδl2,1=l21、Σδl1,2=l12、Σδl2,2=l22なので、Σδl1,1>Σδl2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2を満たす。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差をΔL=0.16λc(≒0.25μm)とし、光合分波手段111と112を結んでいる2本の光導波路の間隔は200μmにした。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、幅を40μm、長さを4mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。この干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。
ここでは作製した光導波路回路を基本構成素子とするゲートスイッチとして用いた場合のスイッチング動作について説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路101から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。ここで薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.16λc−0.5λc=−0.34λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態にあり、入力導波路101から入力された信号光は、出力導波路104から出力される。すなわち、入力ポートを101とし、出力ポートを104とした時に、位相シフタ141がOFF状態では信号光は出力されず、位相シフタ141がON状態では信号光が出力され、ゲートスイッチとして機能した。入力ポートを102とした場合も同様のスイッチング動作を確認できた。
次に、FIG.14に、本実施形態の干渉計型スイッチの測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性も合わせて図示した。位相シフタ141がOFF状態の時に、本実施形態の干渉計型光スイッチは1.45〜1.6μmの広い波長帯域で−40dB以下の高消光比が得られた。位相シフタをON状態にした時、本実施形態の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。
このように、本実施形態の干渉計型光スイッチは従来と全く異なる原理を用いて広帯域にわたる高消光比を実現し、1つの位相シフタのみで広帯域スイッチング動作が可能であることを確認した。また、広い波長帯域でのスイッチング動作に対応しているため、光合分波手段の分岐比誤差や光路長差付与部の光路長差誤差に対する許容量が大きく、そのため作製誤差が発生したとしても高消光比を維持することができる干渉計型光スイッチを実現できた。
本実施形態では2つの異なる位相生成カプラを用いているため、位相補償量と光合分波手段の分岐比の近似度が高まり、第1実施形態に比べて良好な特性が得られた。また、最も理想的なマッハツェンダ干渉計型光スイッチは、第1と第2光合分波手段の分岐比が波長に依らずに0.5になっている時である。本実施形態は第1と第2光合分波手段の位相差と分岐比を共に自由に設定できる構成であるため、限りなく理想的な干渉計型スイッチを実現することが可能である。
以上、本実施形態で説明した干渉計型光スイッチでは、波長帯域が1.45〜1.65μmの範囲で高消光比が得られるように設計したが、本発明はこれに限定されず、位相補正量を最適に設計することにより、例えば1μm〜2μmなどの、任意の波長帯域で高消光比が得られるようにすることができる。さらに、出力の位相差が波長依存性を持つ光合分波手段として、N+1個(Nは1以上の整数)の方向性結合器と、隣接する方向性結合器に挟まれたN個の微小光路長差付与部とによって構成されている光合分波手段を用いたが、もちろんその他の構成の光合分波手段を用いても良い。また、本実施形態で説明した構成に限らず、例えば4個の光合分波手段と隣接する光合分波手段に挟まれた3個の光路長差付与部とによって干渉計型光スイッチを構成してもよいし、異なる光合分波手段を組み合わせて位相生成カプラを構成してもよい。さらに、光合分波手段は、本実施形態で使用した方向性結合器に限らず、その他の種類のものを用いても良い。そして、使用する光合分波手段の分岐比の波長依存性を考慮して位相特性を設定してもよい。また、本実施形態の構成において、光導波路の屈折率を局所的に変化させることで、光学的な光路長差や光合分波手段の結合特性、位相特性を調整することもできる。また、本実施例では入力導波路を101、102としたが、103、104を入力導波路として使用し、101、102を出力導波路として使用しても同じ効果が得られる。また、本実施例では、上記の数式9のmが−1になるように設計したが、mは+1でも良いし、任意の整数を用いてよい。
以上説明したように、本発明は、ここで説明した構成に限らず、回路全体として見た時に、設定した波長帯域や周波数帯域全域で、回路を構成する光合分波手段の出力の位相差と、光路長差付与部の光路長差に起因する位相差の総和が波長に対して一定になるようにすれば、導波路の種類、導波路の形状、導波路材料、波長帯、光合分波手段の種類などによらずに、広帯域で高消光比を維持できる干渉計型光スイッチを構成することができる。
(第3の実施形態)
FIG.15に本発明の第3実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は、出力の位相差が波長依存性を持つ光合分波手段(位相生成カプラ)111と、方向性結合器153と、光合分波手段111および方向性結合器153に挟まれた光路長差付与部131と、光路長差付与部131に形成された位相シフタ141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。また、位相生成カプラ111として、2つの方向性結合器151、152と、2つの方向性結合器151、152を結んでいる2本の光導波路から成る微小光路長差付与部132とから構成されている光合分波手段を用いている。さらに、一対の位相シフタ141の側部近傍の基板上に3個の断熱溝168が形成されている。
FIG.16は、FIG.15に示す干渉計型光スイッチのA−A線矢視断面の構造を示す。シリコン基板161上には石英系ガラスで形成されたクラッドガラス層164、167が積層されている。このクラッドガラス層164、167の中層には石英系ガラスで形成されたコアガラス部165が配設され、これにより光導波路が形成されている。また、上部クラッドガラス層167の表面には位相シフタ(薄膜ヒータ)141が形成されており、位相シフタ141の両側には、断熱溝168が形成されている。また、この断熱溝168の構造は周辺のコア近傍における応力が均等になるような位置に配置されている。
位相生成カプラ111の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmで概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式8を満たすように、2つの方向性結合器151、152の分岐比と1つの微小光路長差付与部132の光路長差を非線形多項式近似により求めた。その結果、方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.1、r=0.6とし、微小光路長差付与部132の光路長差をΔL=0.27・λc(≒0.38μm)とし、方向性結合器153の分岐比をr=0.5に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差はΔL=0.37・λc(≒0.53μm)とし、光合分波手段111と方向性結合器153を結んでいる2本の光導波路の間隔は100μmにした。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、幅を40μm、長さを2mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μm、断熱溝168の幅は70μm、深さは35μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。この干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。
ここでは作製した光導波路回路を基本構成素子とするゲートスイッチとして用いた場合のスイッチング動作について説明する。位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより入力導波路101から信号光が入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。ここで薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.37λc−0.50λc=−0.13λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態にあり、入力導波路101から入力された信号光は出力導波路104から出力される。すなわち、入力ポートを101とし、出力ポートを104とした時、位相シフタ141がOFF状態では信号光は出力されず、位相シフタ141がON状態では信号光が出力され、ゲートスイッチとして機能した。入力ポートを102とした場合も同様のスイッチング動作を確認できた。また、本実施例では入力導波路を101、102としたが、103、104を入力導波路として使用し、101、102を出力導波路として使用しても同じ効果が得られた。さらに、本実施形態の光スイッチには断熱溝構造が形成されているため、スイッチングに要する位相シフタの消費電力を従来の1/10に抑えることができた。
次に、FIG.17に本実施形態の回路で測定した透過率の波長依存性を示す。本実施形態の光スイッチにおいても、位相シフタがOFF状態の時、1.3〜1.6μmの広い波長帯域で−30dB以下の高消光比が得られた。
以上、本実施形態の干渉計型光スイッチは、従来と全く異なる原理を用いて広帯域にわたる高消光比を実現し、小型であり、1つの位相シフタのみでの広帯域スイッチング動作ができることを確認した。また、広い波長帯域でのスイッチング動作に対応しているため、光合分波手段の分岐比誤差や光路長差付与部の光路長差誤差に対する許容量が大きく、作製誤差が発生したとしても高消光比を維持することができる干渉計型光スイッチを実現できた。さらに、本実施形態の干渉計型光スイッチは基板上に断熱溝構造を有するため、スイッチング電力を極めて小さく抑えることができた。もちろん、溝の形状、位置は任意であるし、溝に空気以外の任意の材料を含んでいても良く、本実施形態で示したように平面基板上に光回路以外の構造が形成されていても良い。
(第4の実施形態)
FIG.18に本発明の第4実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。 本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は、複数の干渉計型光スイッチを用いた多重干渉計構成の光スイッチである。このような多重干渉計構成を取ると、スイッチがOFF状態の時に複数の基本構成素子により漏れ光を阻止できるので、基本構成素子単体に比べて高い消光比が得られる。
本回路は、FIG.7に示した第1実施形態の干渉計型光スイッチを2台接続している。そして、前段(入力側)の干渉計型光スイッチ170の一方の出力(FIG.7の104に対応)が後段(出力側)の干渉計型光スイッチ171の一方の入力(FIG.7の102に対応)に接続されており、前段の干渉計型光スイッチ170の他方の出力(FIG.7の103に対応)は出力導波路103として使用されている。後段の干渉計型光スイッチ171の他方の入力(FIG.7の101に対応)は入力導波路101として使用されており、入力導波路101と出力導波路103の途中は互いに交差し、交差導波路155となっている。もちろん、入力導波路と出力導波路が互いに交差しないように回路をレイアウトすることもできる。また、前段の干渉計型光スイッチ170の一方の入力(FIG.7の101に対応)は入力導波路102として使用されており、後段の干渉計型光スイッチ171の一方の出力(FIG.7の103に対応)は出力導波路104として使用されている。
位相生成カプラの分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmで概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式8を満たすように、2つの方向性結合器151、152の分岐比と1つの微小光路長差付与部132の光路長差を共役勾配法により求めた。その結果、方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.3、r=0.7とし、微小光路長差付与部132の光路長差をΔL=0.30λc(≒0.47μm)とし、方向性結合器153の分岐比をr=0.5に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差はΔL=0.34λc(≒0.53μm)とし、光合分波手段111と方向性結合器153を結んでいる2本の光導波路の間隔は100μmにした。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、その幅を40μm、その長さを4mmに設定した。マッハツェンダ干渉計の光路長差は最初ΔL=0μmに設定して、回路を作製した後、薄膜ヒータ141による恒久的な局所加熱処理を行うことにより、光学的な光路長差がΔL=0.34λc(≒0.53μm)になるように調整した。
本実施形態では光路長差付与部131を構成する2組の光導波路にそれぞれ2つの薄膜ヒータ141を形成し、一方を局所加熱処理に用い、他方をスイッチング動作に用いたが、その両方を局所加熱処理に用いてもよいし、その両方をスイッチング動作に用いてもよい。もちろん、3つ以上の薄膜ヒータを形成してもよい。また、薄膜ヒータ141の形状は任意であるし、複数の薄膜ヒータの形状はそれぞれ異なっていても良い。さらにまた、光路長差付与部131を構成する2組の光導波路の薄膜ヒータ141を同時に用いて局所加熱処理やスイッチング動作を行っても良い。
上記設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μm、断熱溝の幅は70μm、深さは50μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104には分散シフトファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。この干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路102から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。この時、2つの基本構成素子170,171により出力導波路104への漏れ光が阻止されるため、高い消光比が得られた。ここで干渉計型光スイッチ170、171の薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL+δΔL=0.34λc−0.50λc=−0.16λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態にあり、入力導波路102から入力された信号光は出力導波路104から出力された。また、本実施例では入力導波路を101、102としたが、103、104を入力導波路として使用し、101、102を出力導波路として使用しても同じ効果が得られた。さらに、本実施形態の光スイッチには断熱溝構造が形成されているため、スイッチングに要する位相シフタの消費電力を従来の1/10に抑えることができた。
次に、FIG.19に、本実施形態の干渉計型光スイッチの測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性も合わせて図示した。位相シフタ141がOFF状態の時、本実施形態の干渉計型光スイッチは多重干渉計構成により、1.45〜1.63μmの広い波長帯域で−60dB以下の高消光比が得られた。位相シフタ141をON状態にした時、本実施形態の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。
以上説明したように、本発明の干渉計型光スイッチを複数、多段に用いることにより、1つの干渉計型光スイッチとして機能させることができた。本実施形態では、同じ干渉計型光スイッチを2つ組み合わせることにより二重干渉計構造を構成したが、もちろん2つの干渉計型光スイッチは異なる設計値を用いてもよい。また、本実施形態で示した二重干渉計構成に限らず、その他の構成を取ることができるし、任意の光導波路を互いに接続して任意の光導波路を入力導波路、出力導波路として用いても良い。さらに、3つ以上の同じ構造の干渉計型光スイッチを組み合わせてもよいし、異なる構造の干渉計型光スイッチを複数組み合わせても構わない。
以上述べたように、本実施形態の干渉計型光スイッチを用いることにより、広い波長帯域でスイッチング動作を行うことができた。また、本実施形態の干渉計型光スイッチは、広い波長帯域でのスイッチング動作に対応しているため、光合分波手段の分岐比誤差や光路長差付与部の光路長差誤差に対する許容量が大きく、そのため作製誤差が発生したとしても、高消光比を維持することができる干渉計型光スイッチを実現できた。
(第4の実施形態の第1変形例)
FIG.20に本発明の第4実施形態の第1変形例における干渉計型光スイッチの構成を示す。本変形例の回路は、FIG.13で示す第2実施形態で説明した干渉計型光スイッチを2台用いた多重干渉計構成の光スイッチである。このような多重干渉計構成を取ると、スイッチがOFF状態の時に複数の基本構成素子170,171により漏れ光を阻止できるので、基本構成素子単体に比べて、高い消光比が得られる。
本例の多重干渉計型光スイッチは、回路の中心に対し線対称になるようにFIG.13の基本構成素子が2台配置されている。そして、前段の干渉計型光スイッチ170の一方の出力(FIG.13の104に対応)が後段の干渉計型光スイッチ171の一方の入力(FIG.13の102に対応)に接続されており、前段の干渉計型光スイッチ170の他方の出力(FIG.13の103に対応)は出力導波路103として使用されている。後段の干渉計型光スイッチ171の他方の入力(FIG.13の101に対応)は入力導波路101として使用されており、入力導波路101と出力導波路103の途中は互いに交差して交差導波路155となっている、また、前段の干渉計型光スイッチ170の一方の入力(FIG.13の101に対応)は入力導波路102として使用されており、後段の干渉計型光スイッチ171の一方の出力(FIG.13の103に対応)は出力導波路104として使用されている。もちろん、前述の第4実施形態のように2台の基本構成素子170,171を同じ向きに配置しても良い。また、回路レイアウトは任意であり、同図のように2つの基本構成素子170,171を横に並べてもよいし、縦に並べてもかまわない。
本例の多重干渉計を構成する干渉計型光スイッチ170と171は、同じ設計値を用いた。位相生成カプラ111と112(FIG.13参照)の分岐比が波長領域の中心波長λc=1.55μmでそれぞれ概ね0.5となり、出力される光の位相差が上記の数式9を満たすように、それぞれの位相生成カプラを構成する2つの方向性結合器151,152、および153,154の分岐比と微小光路長差付与部132,133の光路長差を多重回帰近似により求めた。その結果、一方の位相生成カプラ111を構成する方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.3、r=0.1とし、微小光路長差付与部132の光路長差をΔL=0.19λc(≒0.29μm)に設定した。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。もう一方の位相生成カプラ112を構成する方向性結合器153、154の分岐比をそれぞれr=0.1、r=0.3とし、微小光路長差付与部133の光路長差をΔL=0.19λc(≒0.29μm)に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差はΔL=0.16λc(≒0.25μm)とし、光合分波手段111と112を結んでいる2本の光導波路の間隔は100μmにした。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、その幅を40μm、その長さを4mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μm、断熱溝168の幅は70μm、その深さは50μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。この干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、これにより信号光が入力導波路102から入力した場合に信号光は出力導波路103から出力され、出力導波路104からは出力されないようにしている。この時、2つの基本構成素子170,171により出力導波路104への漏れ光が阻止されるため、高い消光比が得られる。ここで干渉計型光スイッチ170、171の薄膜ヒータ141を通電し、熱光学効果により光学的な光路長を信号光の半波長相当分{0.5λc・k(kは0以外の整数)}変化させると、光路長差はΔL−δΔL=0.16λc−0.50λc=−0.34λcとなった。この時、位相シフタ(薄膜ヒータ)141はON状態でスイッチはクロス状態にあり、入力導波路102から入力された信号光は出力導波路104から出力された。また、本実施例では入力導波路を101、102としたが、103、104を入力導波路として使用し、101、102を出力導波路として使用しても同じ効果が得られた。さらに、本例の光スイッチには断熱溝構造が形成されているため、スイッチングに要する位相シフタの消費電力を従来の1/10に抑えることができた。
次にFIG.21に、本例の干渉計型光スイッチの測定した透過率の波長特性を示す。比較のために、FIG.37に示す従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの透過率の波長依存性も合わせて図示した。
位相シフタがOFF状態の時、本例の干渉計型光スイッチは多重干渉計構成により、1.45〜1.65μmの広い波長帯域で−60dB以下、1.45〜1.63μmの広い波長帯域で−80dB以下の高消光比が得られた。位相シフタをON状態にした時、本例の干渉計型光スイッチは広い波長帯域で良好な挿入損失が得られた。
以上で説明したように、本発明の干渉計型光スイッチを複数用いることにより、1つの干渉計型光スイッチとして機能させることができた。本例では、同じ干渉計型光スイッチを2つ組み合わせることにより二重干渉計構造を構成したが、もちろん2つの干渉計型光スイッチは異なる設計値を用いてもよい。また、本例で示した二重干渉計構成に限らず、例えば第1実施形態の干渉計型光スイッチと第2実施形態の干渉計型光スイッチを組み合わせて二重干渉計を構成するなど、その他の構成を取ることができる。さらに、複数の干渉計型光スイッチを接続する方法は本例に限定されず、任意の光導波路同士を互いに接続してもよく、任意の光導波路を入力導波路、出力導波路として用いても良い。さらに、3つ以上の干渉計型光スイッチを組み合わせることもできる。
本例では作製誤差に対するトレランスを増大させるために2つの位相生成カプラ111,112(FIG.13参照)を構成する方向性結合器151〜154の分岐比と微小光路長差付与部132,133の光路長差が同じ値になるように設計した。そして位相生成カプラ111,112をその中心に対し線対称になるようにしている。すなわち、r=r、r=r、ΔL=ΔLとした。こうすることにより、例えば方向性結合器151〜154の分岐比は2種類しか使用しないので、設計通りの特性を実現するには2種類の分岐比が作製できればよい。一方、第2実施形態では4種類の異なる設計値の方向性結合器を用いているので、設計通りの特性を実現するには4種類の分岐比を作製する必要がある。その反面、第2実施形態のように第1と第2光合分波手段111,112を異なる設計値にすると、位相差と分岐比の波長依存性の設計自由度が増すため、より近似度が高まるという特長がある。したがって、用途により、作製誤差に対する耐性と、設計の自由度のどちらを重視するかを選択すればよい。
さらに、多重干渉計構成同士で比較すると、本例は前述の第4実施形態に比べて回路サイズが大きくなっている反面、設計値の種類が少ないという利点がある。すなわち、第4実施形態では分岐比の異なる3種類の方向性結合器を用いたが、本例では2種類の分岐比しか使用しないので、より容易に作製することができる。さらにまた、本例では、線対称な干渉計型光スイッチの2つを線対称に配置して多重干渉計を構成している。本例はこのように非常に対称性の高い構成のため、例えば半波長板等を容易に挿入することができる。
本例では、2つの干渉計型光スイッチ170と171を同じ設計値にしたが、異なる設計値にしてもよい。例えば、本例では、2つの干渉計型光スイッチの最大消光波長を共に1.55μm近傍に設定しているため、1.55μmを中心に1.52〜1.57μmの最大消光波長範囲で−140dB以上の絶対値が非常に大きい最大消光比を実現している。しかし、干渉計型光スイッチ170の最大消光波長を例えば1.5μm近傍、干渉計型光スイッチ171の最大消光波長を例えば1.6μm近傍に設定すれば、最大消光比の絶対値は小さくなるが、最大消光波長を維持することのできる波長範囲を拡大することができる。もちろんここで説明したのは一例であり、多重干渉計を構成するそれぞれの基本構成素子を任意の特性になるように設定することができる。
(第5の実施形態)
FIG.22に本発明の第5実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は、位相生成カプラ111と、方向性結合器153と、光合分波手段111および方向性結合器153に挟まれた光路長差付与部131と、光路長差付与部131に形成された位相シフタ141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。
前述の第1乃至第4の各実施形態の干渉計型光スイッチでは、特に出力強度が0か1にスイッチングされるように上記の数式7を満たす場合について説明した。しかし、本発明の光スイッチは位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が波長無依存になるようにm・π(mは整数)以外の値になるように設定すれば、出力強度が0と1の間の異なる値を取るようにすることもできる。そのようにすれば、広帯域で使用できる出力強度可変の光スイッチ(広帯域可変光減衰器、所謂、可変光アッテネータ)が実現できる。
具体的に出力の透過率を0dB、−10dB、−20dB、−30dBにするためには、出力導波路104から出力される光信号のそれぞれの出力強度がPc=1.0、0.1、0.01、0.001となるように位相差の値を設定すればよい。光スイッチの出力強度は上記の数式6で表されるので、光合分波手段111と光路長差付与部131による総位相差{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}がそれぞれ−1.00、−0.60、−0.53、−0.51、−0.50となるよう設定すれば、出力の透過率がそれぞれ0dB、−10dB、−20dB、−30dBの広帯域光強度可変光スイッチにすることができる。
FIG.22に示す本実施形態の干渉計型光スイッチでは、位相生成カプラ111を構成する方向性結合器151、152の分岐比をそれぞれr=0.3、r=0.7とし、微小光路長差付与部132の光路長をΔL=0.30λc(≒0.47μm)に設定した。また、マッハツェンダ干渉計131の光路長をΔL=0.34λc(≒0.53μm)とし、方向性結合器153の分岐比はr=0.5に設定した。ただし、光路長差は一方の光導波路(同図では下側の光路)に対する他方の光導波路の相対的な光路長をあらわしている。干渉計型光スイッチの光合分波手段111と方向性結合器153とを結んでいる2本の光導波路の間隔は200μmにした。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、その幅を40μm、その長さを4mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。この干渉計型光スイッチモジュールのスイッチング特性を評価した。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、そのため信号光が入力導波路101から入力した場合に信号光は出力導波路104からは出力されない。この状態における透過率の波長依存性を最大消光時として、透過率の波長依存性をFIG.23に示した。ここで薄膜ヒータ141を通電し、電力を変えて、熱光学効果により光学的な光路長差をそれぞれΔL=0.35λc、0.37λc、0.44λc、0.84λcとすると、光合分波手段111と光路長差付与部131による総位相差{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}がそれぞれ−0.51、−0.53、−0.60、−1.00となり、それぞれの状態における透過率は−30dB、−20dB、−10dB、0dBとなった(FIG.23参照)。また、透過率の波長依存性は、FIG.23に示すように、広い波長帯域で波長無依存になった。FIG.41Bに示した従来の可変光アッテネータの波長特性と比べると本発明の効果は一目瞭然である。従来はある特定の1波長でしか光を減衰させることができなかったのに対し、本発明では、広い波長帯域にわたり光を一括で減衰させることができる。このように、光強度可変の広帯域光スイッチ(可変光アッテネータ)としてのスイッチング動作が確認できた。
なお、ここでは第1と第2の光合分波手段111,153の分岐比が0.5である理想的な場合を説明したが、実際には波長依存性や作製誤差が発生する。厳密に平坦化するには次のように第1と第2の光合分波手段111,153の分岐比も考慮して位相差を設定すればよい。第1と第2の光合分波手段111,153の分岐比をそれぞれR1(λ)、R2(λ)とすれば、出力強度Pc(λ)が波長に対して一定になるよう位相差の総和を設定すれば、出力強度は波長無依存になる。具体的には、位相差の総和が
Figure 2005003852
となるようにすればよい。もちろん、FIG.23の特性から明らかなように、位相差の総和が一定値になるように設定しただけでも充分広い帯域にわたり透過率は一定であり、良好な特性が得られる。
上記の例では入力導波路101に光信号を入力し、出力導波路104から光信号を取り出したが、出力導波路103から光信号を取り出しても良いし、入力導波路102に光信号を入力しても良い。また、出力導波路103、104に光信号を入力し、入力導波路101、102から光信号を取り出しても良い。また、FIG.22には図示していないが、光路長差付与部131を構成する2本の遅延線のうち、下側の光導波路(第2光導波路)にも位相シフタを形成し、光学的光路長差を変化させることにより、任意の光減衰量を設定してもよい。もちろん、本実施形態の光強度可変の干渉計型光スイッチに各実施形態で説明した特徴構成を取り入れることができる。例えば、第2実施形態で説明したようにFIG.13の第1と第2の光合分波手段111,112を位相生成カプラにしてもよいし、第3実施形態で説明したようにFIG.15の断熱溝構造を形成してもよいし、第4実施形態で説明したようにFIG.18の多重干渉計構成にし、各基本構成素子を互いに異なる条件に調整して全体の出力強度を波長に対して一定になるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の干渉計型光スイッチは、従来と全く異なる原理を用いて広帯域にわたり透過率が一定の光強度可変の光スイッチを実現できた。さらに1つの位相シフタのみでの広帯域スイッチング動作ができることを確認した。
(第6の実施形態)
FIG.24に本発明の第6実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は、出力の位相差が波長依存性を有する一対の光合分波手段(位相生成カプラ)111と112と、これら光合分波手段111と112に挟まれた光路長差付与部131と、光路長差付与部131に形成された位相シフタ141と、入力導波路101、102と、出力導波路103、104とから構成されている。光合分波手段111と112の出力の位相差を適切に設定することにより、広い波長帯域で良好なスイッチング特性を有する光スイッチが実現できる。
出力の位相差が波長依存性を有する光合分波手段を実現する方法として様々な手段が考えられるが、本実施形態では、N+1個の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部によって、それぞれ光合分波手段111と112を構成している。ただし、Nは自然数であって、FIG.24ではN=2の場合を示している。
FIG.25は本発明の第6実施形態で用いた位相生成カプラ(光合分波手段)の構成を示す。FIG.25の光合分波手段は、3個の光結合器123、124、125と、隣接する光結合器に挟まれた2個の光路長差付与部132、133とによって構成されている。光路長差付与部132は第1光導波路156と第2光導波路158の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl1a、l2aとすると、その光学的光路長差はδl=l1a−l2aである。光路長差付与部133は第1光導波路157と第2光導波路159の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl1b、l2bとすると、その光学的光路長差はδl=l1b−l2bである。
これまでに説明した第1乃至第5の実施形態でも位相生成カプラを実現する手段として本構成の光合分波手段を用いたが、それは原理的に損失無しで所望の出力の位相差と分岐比を持たせることができるからである。もちろん、本構成の光合分波手段以外の手段を用いても、出力の位相差に波長依存性を持たせることにより本発明による効果を得ることができる。例えば、光結合器と光路長差付与部を組み合わせて光合分波手段を構成しても良く、それがトランスバーサル型をはじめとするFIR(Finite Impulse Response)フィルタやリング型をはじめとするIIR(Infinite Impulse Response)フィルタであっても良い。
この干渉計型光スイッチを非対称型光スイッチとして動作させる場合の設計例を次に示す。マッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差に起因する位相差2πφΔL(λ)と、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラ111、112により生成される位相差2πφ(λ)および2πφ(λ)とを総合した位相がm・π(mは整数)となり、かつmが奇数の時に、非対称型スイッチになる。従来の非対称型マッハツェンダ干渉計スイッチでは、光路長差付与部に波長依存性がある。そのため、ある特定の波長でしか位相をm・π(m:奇数)に設定できなかったので、使用できる波長帯域が限られていた。一方、本発明の干渉計型スイッチでは、出力の位相差が波長依存性を有する光合分波手段(位相生成カプラ)111,112を用いることにより、波長帯域によらずに位相を一定値m・π(m:奇数)に設定することができる。さらに、非対称型なので、第1及び第2の光合分波手段111,112の分岐比が理想値0.5からずれたとしても、クロスポートで高い消光比が安定して得られる。もちろん、非対称型では分岐比が理想値からずれればON状態での損失となるが、それは対称型で分岐比が理想値からずれることによる消光比の劣化に比べれば無視できるほど小さい値である。
FIG.1を用いて説明した第1実施形態では簡単のため、第1と第2の光合分波手段111,112の分岐比が全波長帯域にわたり一定値0.5を取るものとして前述の数式6を得た。しかし実際には、使用する全ての波長帯域で光合分波手段の分岐比を一定値0.5にするのは容易ではなく、特に波長帯域が広いほど分岐比を一定に保つのが難しくなる。第1と第2の光合分波手段111,112の分岐比が等しく、R(λ)であるとすれば、入力導波路101から入力し、出力導波路104から出力される光強度Pcは次式
Figure 2005003852
で表すことができる。ただし、Φ(λ)は第1と第2の光合分波手段111,112の出力の位相差による位相であり、ここではΦ(λ)≡φ(λ)+φ(λ)とした。上記の数式10から、2π{φΔL(λ)+φ(λ)+φ(λ)}がm・π(mは整数)となり、かつmが奇数なら、第1と第2の光合分波手段111,112の分岐比R(λ)がいかなる値であっても、高い消光比を保つことができる。そのため、広い波長帯域にわたり、高消光比を容易に維持することができる。
すなわち、従来は光路長差付与部を有限の値に設定すると波長依存性が発生するのが常識であったため、広い波長帯域にわたりスイッチング動作が可能な非対称型マッハツェンダ干渉計型光スイッチは実現できなかった。それに対し、本発明の原理、すなわち光合分波手段の出力の位相差に波長依存性を持たせることにより、はじめて光路長差付与部の光学的光路長差を波長無依存、かつ任意の値に設定できるようになった。実施形態の一つとして本発明の原理を非対称マッハツェンダ干渉計型光スイッチに適用することにより、これまで不可能であった、広帯域にわたり高い消光比を有し、かつ製造偏差に強い干渉計型光スイッチをはじめて実現可能とした。
具体的な位相生成カプラの設計例を次に説明する。本実施形態では、位相生成カプラを実現する手段として、N+1個の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の微小光路長差付与部からなる光合分波手段を用いた。そして第1と第2の光合分波手段111と112とを構成するN+1個の光結合器を全て同一分岐比とし、さらにその値を極力小さくするという制約条件の下、位相生成カプラの分岐比が使用する波長帯の全域で概ね0.5となり、かつ出力の位相差Φ(λ)が位相補正量Ψ(λ)と一致するよう設計パラメータを最適化した。最適化した設計パラメータは、位相生成カプラを構成する光結合器151、152、153、251、252、253の分岐比と、微小光路長差付与部132,133,232,233の光学的光路長差、及びマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131の光学的光路長差ΔLである。従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの光路長差付与部の光学的光路長差が0・λcもしくは0.5・λcに設定されていたのに対し、本発明では光学的光路長差ΔLも含めて位相生成カプラの出力の位相差が適正位相になるよう最適化したことも特徴の一つである。
本実施形態では適用波長範囲を1.25〜1.65μmとし、また、1.3μmと1.55μmで使用することを考慮して、特に1.3μmと1.55μmで近似度が最も高くなるよう最適化した。光結合器151、152、153、251、252、253としては近接した2本の光導波路からなる方向性結合器を用いた。最適化の結果N=2となり、方向性結合器151、152、153、251、252、253の分岐比はr=0.1、微小光路長差付与部132と232の光学的光路長差はΔL=0.09・λc(≒0.13μm)、微小光路長差付与部133と233の光学的光路長差はΔL=0.05・λc(≒0.07μm)となった。また、マッハツェンダ干渉計の光学的光路長差はΔL=0.31・λc(≒0.45μm)、m=−1とし、光合分波手段111、112に挟まれた2本の光導波路の間隔は500μmにした。位相シフタ141としては薄膜ヒータを用い、その幅を80μm、その長さを3mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。
位相シフタ(薄膜ヒータ)141がOFF状態の時、スイッチはバー状態にあり、信号光はクロスポートからは出力されなかった。薄膜ヒータ141に通電し、光学的光路長差をΔL+δΔL=0.31λc−0.50λc=−0.19λcにしたON状態では、スイッチはクロス状態に切り替わり、信号光はクロスポートから出力された。
次に、FIG.26に、本実施形態の干渉計型光スイッチで測定した透過率の波長特性を示す。位相シフタ141がOFF状態の時、本実施形態の干渉計型光スイッチは1.25〜1.6μmの広い波長帯域で−30dB以下の高消光比が得られた。特に本実施形態では1.3μmと1.55μmで近似度が良くなるよう位相生成カプラ111,112の設計値を最適化しているので、1.3μmと1.55μmではさらに高消光比であり、−50dB以下を実現した。
以上述べたように、広帯域にわたり高消光比を維持することができる非対称マッハツェンダ干渉計を本発明によりはじめて作製し、良好なゲートスイッチを実現した。しかし、本発明はゲートスイッチに限らず任意の干渉計型光スイッチの広帯域化に適用でき、例えば広帯域タップスイッチに適用しても良い。また、上記では、最初のOFF状態で2π{φΔL(λ)+φ(λ)+φ(λ)}=(2m’+1)・π(m’は整数)となるように、位相生成カプラの位相差とマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差ΔLを設定したが、OFF状態で2π{φΔL(λ)+φ(λ)+φ(λ)}=2m’・π(m’は整数)となるよう設定することにより、広い波長帯域でスイッチング動作が可能な対称型マッハツェンダ干渉計を実現し、良好な2分岐スイッチとして動作した。
本実施形態では、位相生成カプラの最適化の際に、N+1個の光結合器(123,124,125)を全て同一分岐比とし、さらにその値を極力小さくするという制約条件を設定した。このような制約条件は必須ではないが、位相生成カプラを構成する光結合器の分岐比を全て一定にすれば、光結合器を作製しやすくなるという利点がある。また、その分岐比は0から1までの間の任意の値に設定できるが、その分岐比は0.1と、小さな値になるように最適化した。それは、分岐比が小さいほど方向性結合器が小型になり、製造誤差に強くなる、偏波依存性が小さくなるなどの利点が得られるからである。本実施形態の位相生成カプラ(FIG.25)はN=1の場合(FIG.4)に比べて光結合器(123,124,125)と光路長差付与部(132,133)がそれぞれ1つずつ多いので、若干回路サイズが大きくなる。しかし、方向性結合器(123,124,125)が小型のため、回路サイズの増大は僅かであった。
また、本実施形態ではN+1個の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラを用い、N=2に設定した。Nを大きくするほど設定可能なパラメータが増すので位相生成カプラの近似度を高めることができる。例えば、FIG.17(第3実施形態)とFIG.26(本実施形態)を比較すると、本実施形態の方が位相生成カプラの近似度が良好なため、消光比が30dB以上となる波長範囲が広くなっている。さらに詳しく説明すると、第3実施形態ではN=1に設定したので、位相生成カプラに3種類の設計値がある。一方、本実施形態ではN=2に設定したので、5種類の設計値があり、設計の自由度が高くなる。そのため、位相差の近似度を高めることができるし、N+1=3個の光結合器を同じ値に設定したとしても3種類の設計の自由度が残る。結果として全ての光結合器の分岐比が0.1となる設計値が得られ、製造誤差に強く、かつ偏波依存性が小さい干渉計型光スイッチを得た。
さらに、本実施形態では2つの位相生成カプラ111,112を用い、それらの光路長差付与部151,152,153,251,252,253において光学的光路長差の総和の長い方の光遅延線が片方(FIG.24の上側)に偏在するよう回路上に配置した。具体的に、FIG.24では、第1の光合分波手段111のN=2個の光路長差付与部132、133を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和Σδl1,1=l11a+l11b=678.26+551.79=1230.05、第2光導波路の光学的光路長差の総和Σδl2,1=l21a+l 1b=678.13+551.72=1229.85、そして第2の光合分波手段112のN=2個の光路長差付与部233、232を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和Σδl1,2=l12a+l12b=551.79+678.26=1230.05、第2光導波路の光学的光路長差の総和Σδl2,2=l22a+l22b=551.72+678.13=1229.85である。したがって、Σδl1,1>Σδl2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2を満たすので、位相生成カプラ111と112の光路長差付与部の総和が長いのは第1光導波路の方であり、FIG.24の上側に偏在していることがわかる。このようにすることで、位相生成カプラ111,112により効率的に位相を生じさせることができる。特に、本実施形態の干渉計型光スイッチの構成は、特殊な例であり、第1と第2光合分波手段として同じ設計値の位相生成カプラを用い、マッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131を中心に、互いに鏡像対称になるよう配置している。この時、φ(λ)=φ(λ)=Ψ(λ)/2を満たすよう位相差を設定すれば良い。第1実施形態では、一つの位相生成カプラの位相差φ(λ)のみを用いていたのに対し、本実施形態では一つの位相生成カプラにつき生成すべき位相差が半分で良いことになる。もちろん、第1と第2位相生成カプラの光路長差付与部の長い方を片側に偏在させるのは必須ではなく、互いに逆の方に偏在していても良い。なお、本発明の各実施形態で光路長差付与部の光路長差とは、第2導波路に対する第1導波路の相対的な光路長差を表しているので、第2導波路の方が第1導波路よりも長い場合、光路長差は負となる。Nが2以上の時でN個の光路長差付与部の符号が異なる場合も上記と同様に偏在を定義することができる。例えば、仮に微小光路長差付与部132と232の第2導波路の方が長く、光路長差の符号が負であったとすれば、第1の光合分波手段111の光路長差付与部132,133を構成する第1光導波路と第2光導波路、および第2の光合分波手段112の光路長差付与部233,232を構成する第1光導波路と第2光導波路の光学的光路長差の総和はそれぞれΣδl1,1=l11a+l11b=678.13+551.79=1229.92、Σδl2,1=l21a+l21b=678.26+551.72=1229.98、Σδl1,2=l12a+l12b=551.79+678.13、Σδl2,2=l22a+l22b=551.72+678.26となる。この場合はΣδl2,1>Σδl1,1かつΣδl2,2>Σδl1,2を満たし、第2導波路の方に偏在しているということができる。
(第7の実施形態)
FIG.27に本発明の第7実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の干渉計型光スイッチは1×2スイッチとして機能させることができる。さらに、本回路の基本要素である干渉計型光スイッチの光合分波手段として、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラを用いることにより、波長帯域によらずにスイッチング動作をさせることができる。
本光スイッチの回路は2つの干渉計型光スイッチ170,171を多段に接続することにより構成した。詳細には、同じ設計値を持つ第1と第2の2つの干渉計型光スイッチ170,171を用い、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の上のポートを、第2の干渉計型光スイッチ171の入力側の下のポートに接続した。また、第1の干渉計型光スイッチ170の入力側の上のポートを入力導波路101とし、第2の干渉計型光スイッチ171の出力側の上のポートを出力導波路103(第1出力ポート)とし、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の下のポートを出力導波路104(第2出力ポート)とした。
本実施形態では、2つの干渉計型光スイッチ170,171を同じ設計値としているので、第1の干渉計型スイッチ170のみを詳細に説明する。出力の位相差が波長依存性を有する光合分波手段を実現する方法として様々な手段が考えられるが、光結合器と光路長差付与部との接続により構成した光合分波手段により実現してもよい。本実施形態では、N+1(=2)個の光結合器151,152と153,154と、隣接する光結合器に挟まれたN(=1)個の光路長差付与部132と133によって光合分波手段(位相生成カプラ)111と112を構成した。光合分波手段111は、光結合器(方向性結合器151、152)と、隣接する光結合器に挟まれた光路長差付与部132とによって構成されている。光路長差付与部132は第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl11、l21とすると、その光学的光路長差はΔL=l11−l21である。光合分波手段112は、光結合器(方向性結合器153、154)と、隣接する光結合器に挟まれた光路長差付与部133とによって構成されている。光路長差付与部133は第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線からなり、それぞれの光学的光路長をl12、l22とすると、その光学的光路長差はΔL=l12−l22である。
次に、具体的な位相生成カプラの設計例を説明する。本実施形態では、位相生成カプラを実現する手段として、N+1個の光結合器と、隣接する光結合器に挟まれたN個の微小光路長差付与部からなる光合分波手段を用いた。そして第1と第2の光合分波手段111と112とを構成するそれぞれN+1=2個(合計4個)の光結合器の分岐比が全て同一(r=r=r=r=r)とする制約条件を設定した。光結合器としては近接した2本の光導波路からなる方向性結合器を用いた。本実施形態では適用波長範囲を1.45〜1.65μmとし、位相生成カプラの分岐比が使用する波長帯の全域で概ね0.5となり、かつ出力の位相差Φ(λ)=φ(λ)+φ(λ)が適正位相Ψ(λ)と一致するよう設計パラメータを最適化した。ここで適正位相とは、第1と第2の干渉計型光スイッチ170,171が非対称型マッハツェンダ干渉計型光スイッチとして機能するために必要な位相生成カプラの出力の位相差であり、上記の数式7のm(mは整数)を2m’+1(m’は整数)と置いた時の位相である。最適化した設計パラメータは、位相生成カプラを構成する光結合器の分岐比と微小光路長差付与部の光学的光路長差、及びマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差ΔLである。従来のマッハツェンダ干渉計型光スイッチの光路長差付与部の光学的光路長差ΔLが0・λcもしくは0.5・λcに設定されていたのに対し、本発明では光学的光路長差ΔLも含めて位相生成カプラの出力の位相差が適正位相になるよう最適化したことも特徴の一つである。
本実施形態では位相生成カプラの最適化の際、N+1個の光結合器を全て同一分岐比とする制約条件を設定した。このような制約条件は必須ではないが、位相生成カプラを構成する光結合器の分岐比を全て一定にすれば、光結合器を作製しやすくなるという利点がある。第2実施形態と対比させると、第2実施形態では位相生成カプラを構成する光結合器の分岐比には制約条件は課さず、設計値の自由度を多くしたので位相差の近似度は本実施形態よりもよかった。一方、本実施形態は作製のしやすさを考慮して設計した。このように、回路の用途に合わせて位相生成カプラを適切に設計すればよい。
さらに、本実施形態では2つの位相生成カプラを用い、それらの光路長差付与部において光学的光路長差の総和の長い方の光遅延線が片方(FIG.27の上側)に偏在する、すなわちΣδl1,1>Σδ2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2を満たすようよう回路上に配置した。
数値計算の結果N=1とし、方向性結合器151、152、153、154の分岐比はr=0.2、微小光路長差付与部132と133の光学的光路長差はΔL=ΔL=0.15・λc(≒0.23μm)に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光学的光路長差はΔL=0.28・λc(≒0.43μm)、m’=−1とし、光合分波手段111、112に挟まれた2本の光導波路の間隔は100μmにした。位相シフタとしては薄膜ヒータを用い、その幅を30μm、その長さを2mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。
作製した光モジュールの入力導波路101から光を入力し、出力ポートを出力導波路103(第1出力ポート)から104(第2出力ポート)に切り替える動作について説明する。初期状態では薄膜ヒータ(144)に通電し、干渉計型光スイッチ171の光学的光路長差をΔL+δΔL=0.28λc−0.50λc=−0.22λcにした。この状態では、前段の干渉計型光スイッチ170はバー状態、後段の干渉計型光スイッチ171はクロス状態となる。そのため、入力導波路101から入力した光は干渉計型光スイッチ170のスルーポートから完全に透過し、干渉計型光スイッチ171の出力導波路103(第1出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170の出力導波路104(第2出力ポート)からは光は出力されない。次に、薄膜ヒータ(144)をOFFに戻し、薄膜ヒータ(142)に通電して、干渉計型光スイッチ170の光学的光路長差をΔL+δΔL=0.28λc−0.50λc=−0.22λcにした。この状態では、前段の干渉計型光スイッチ170はクロス状態、後段の干渉計型光スイッチ171はバー状態となる。そのため、入力導波路101から入力した光は干渉計型光スイッチ170のクロスポートである出力導波路104(第2出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートにより光は遮断されるため、出力導波路103(第1出力ポート)からは光は出力されない。このように、本実施形態の干渉計型光スイッチでは、0.5Wの一定消費電力で2分岐スイッチとして動作させることができる。
FIG.28Aに本実施形態の干渉計型光スイッチの出力導波路103(第1出力ポート)から出力される初期の状態(OFF状態)における透過率の波長特性を示し、FIG.28Bに別の出力導波路104(第2出力ポート)から出力される切り替え後の状態(ON状態)における透過率の波長特性を示す。いずれの出力導波路から出力される場合でも1.45〜1.65μmの広い波長帯域で−30dB以下の高消光比が得られ、広い波長帯域で高消光比を有する一定消費電力の1×2スイッチを実現した。
本実施形態では、位相生成カプラを備えた干渉計型光スイッチを多段に接続し、一つの干渉計型光スイッチを構成した。そして、その干渉計型光スッチを一定消費電力の広帯域1×2スイッチとして機能させる例を示した。しかし、本実施形態の光スイッチはその他の用途に用いても良いし、本発明を適用した一定消費電力の光スイッチや1×2光スイッチの構成法は本実施形態で示した構成に限らず、任意の形態をとることができる。
(第8の実施形態)
FIG.29に本発明の第8実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の光スイッチはPI−Loss(Path Independent Loss;パス無依存損失)構成の1×2スイッチとして機能させることができる。さらに、本実施形態の回路の基本要素である干渉計型光スイッチの光合分波手段として、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラを用いることにより、波長帯域によらずにスイッチング動作をさせることができる。
本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は干渉計型光スイッチを多段に複数接続することにより構成した。詳細には、同じ設計値を持つ第1乃至第3の3つの干渉計型光スイッチ170,171,172を用い、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の上のポートを、第2の干渉計型光スイッチ171の入力側の下のポートに接続し、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の下のポートを、第3の干渉計型光スイッチ172の入力側の上のポートに接続している。また、第1の干渉計型光スイッチ170の入力側の上のポートを入力導波路101とし、第2の干渉計型光スイッチ171の出力側の上のポートを出力導波路103(第1出力ポート)とし、第3の干渉計型光スイッチ172の出力側の上のポートを出力導波路104(第2出力ポート)としている。
本実施形態では、3つの干渉計型光スイッチ170,171,172を同じ設計値としているので、第1の干渉計型スイッチ170のみを詳細に説明する。使用する波長帯全域で本実施形態の干渉計型光スイッチの出力強度が一定になるように、各位相生成カプラ111,112を構成する光結合器151〜154の分岐比と微小光路長差付与部132,133の光学的光路長差、及びマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131の光学的光路長差ΔLを最適化した。数値計算の結果、位相生成カプラ111及び112を構成する方向性結合器151、152及び153、154の分岐比をそれぞれr=0.2、r=0.2、r=0.2、r=0.2とし、微小光路長差付与部132及び133の光学的光路長差をΔL=0.15・λc(≒0.23μm)、ΔL=0.15・λc(≒0.23μm)に設定した。また、マッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131の光学的光路長差はΔL=0.28・λc(≒0.43μm)とし、光路長差付与部131の2本の光導波路の間隔は200μmにした。位相シフタ141,142としては薄膜ヒータを用い、その幅を50μm、その長さを3mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmとなるように作製した。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。
作製した光モジュールの入力導波路101から光を入力し、出力ポートを出力導波路103(第1出力ポート)から104(第2出力ポート)に切り替える動作について説明する。初期状態では薄膜ヒータ(144と146)に通電し、干渉計型光スイッチ171と172の光学的光路長差をΔL+δΔL=0.28λc−0.50λc=−0.22λcにした。この状態では、前段の干渉計型光スイッチ170はバー状態、後段の2つの干渉計型光スイッチ171はクロス状態となる。そのため、入力導波路101から入力した光は干渉計型光スイッチ170のスルーポートから完全に透過し、干渉計型光スイッチ171の出力導波路103(第1出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のクロスポートと干渉計型光スイッチ172のスルーポートにより光は遮断されるため、出力導波路104(第2出力ポート)からは光は出力されない。次に、薄膜ヒータ(144と146)をOFFに戻し、薄膜ヒータ(142)に通電して、干渉計型光スイッチ170の光学的光路長差をΔL+δΔL=0.28λc−0.50λc=−0.22λcにした。この状態では、前段の干渉計型光スイッチ170はクロス状態、後段の干渉計型光スイッチ171、172はバー状態となる。そのため、入力導波路101から入力した光は干渉計型光スイッチ170のクロスポートを透過し、干渉計型光スイッチ172の出力導波路104(第2出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートにより光は遮断されるため、出力導波路103(第1出力ポート)からは光は出力されない。
FIG.30Aに本実施形態の干渉計型光スイッチの出力導波路103(第1出力ポート)から出力される初期の状態(OFF状態)における透過率の波長特性を示し、FIG.30Bに別の出力導波路104(第2出力ポート)から出力される切り替え後の状態(ON状態)における透過率の波長特性を示す。いずれの出力導波路から出力される場合でも、1.45〜1.65μmの広い波長帯域で−45dB以下の高消光比が得られた。また、本実施形態の干渉計型光スイッチでは、出力ポートによらずに通過する光スイッチ素子が一定となるPI−Loss構成であるため、出力導波路103(第1出力ポート)、104(第2出力ポート)のいずれのポートから出力されても同じ特性となった。
本実施形態では位相生成カプラを備えた干渉計型光スイッチを多段に接続し、一つの干渉計型光スイッチを構成した。そして、その干渉計型光スイッチを、光路によらず同じ波長特性を有するPI−LOSSの広帯域1×2スイッチとして機能させる例を示した。しかし、本実施形態の光スイッチはその他の用途に用いても良いし、本発明を適用したPI−LOSSの光スイッチや1×2光スッチの構成法は本実施形態で示した構成に限らず、任意の形態をとることができる。
(第9の実施形態)
FIG.31に本発明の第9実施形態における干渉計型光スイッチの構成を示す。本実施形態の干渉計型光スイッチの光導波路上には複屈折率調整手段が設けられており、後に説明するように本実施形態のスイッチは偏光ビームスイッチとして機能させることができる。さらに、本実施形態の回路の基本要素である干渉計型光スイッチの光合分波手段として、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラを用いることにより、波長帯域によらずにスイッチング動作をさせることができる。
本実施形態の干渉計型光スイッチの回路は、2つの干渉計型光スイッチ170,171を多段に接続することにより構成した。詳細には、同じ設計値を持つ第1と第2の2つの干渉計型光スイッチ170,171を用い、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の上のポートを、第2の干渉計型光スイッチ171の入力側の下のポートに接続した。また、第1の干渉計型光スイッチ170の入力側の上のポートを入力導波路101とし、第2の干渉計型光スイッチ171の出力側の上のポートを出力導波路103(第1出力ポート)とし、第1の干渉計型光スイッチ170の出力側の下のポートを出力導波路104(第2出力ポート)とした。
本実施形態では、第1と第2の干渉計型光スイッチ170,171を同じ設計値としているので、第1の干渉計型スイッチ170のみを詳細に説明する。本実施形態では、位相生成カプラ111,112を実現する手段として、N+1(=2)個の光結合器151,152と153,154と、隣接する光結合器に挟まれたN(=1)個の微小光路長差付与部132と133からなる光合分波手段を用いた。光結合器151,152と153,154としては近接した2本の光導波路からなる方向性結合器を用いた。本実施形態では適用波長範囲を1.45〜1.65μmとし、位相生成カプラ111,112の分岐比が使用する波長帯の全域で概ね0.5となり、かつ出力の位相差Φ(λ)が適正位相Ψ(λ)と一致するよう設計パラメータを最適化した。最適化した設計パラメータは、位相生成カプラ111と112を構成する光結合器151,152と153,154の分岐比と微小光路長差付与部132と133の光学的光路長差、及びマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131の光学的光路長差ΔLである。数値計算の結果N=1とし、方向性結合器151、152、153、154の分岐比はr1=0.2、r2=0.2、r3=0.2、r4=0.2、微小光路長差付与部132と133の光学的光路長差はΔL=0.15・λc(≒0.23μm)、ΔL=0.15・λc(≒0.23μm)に設定した。また、位相シフタを駆動しない初期状態で干渉計型光スイッチ170をスルー状態とするためのマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部131の光学的光路長差の最適値は、ΔL=0.28・λc(≒0.43μm)となった。本実施形態では偏光ビームスイッチとして機能させやすくするため、初期状態で第1の干渉計型光スイッチ170と第2の干渉計型光スイッチ171とでマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差を互いに異なる設計値とした。具体的には後に説明するが、第1の干渉計型光スイッチ170の光路長差付与部131の第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線の光学的光路長差をΔL’=ΔL−0.5λc=−0.22λc(−0.34um)、第2の干渉計型光スイッチ171の光路長差付与部134の第1光導波路と第2光導波路の2本の光遅延線の光学的光路長差をΔL”=ΔL=0.28・λc(≒0.43μm)に設定した。第1と第2の2本の光導波路の間隔は200μmにした。位相シフタ141,142,143,144としては薄膜ヒータを用い、その幅を40μm、その長さを5mmに設定した。
上記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmとなるように作製した。
石英系光導波路回路を作製した後、複屈折率調整手段191により第1干渉計型光スイッチ170の光路長差付与部131の第1光導波路の複屈折率を調整し、TMモードの光学的光路長差がTEモードの光学的光路長差よりも0.5λc長くなるようにした。さらに詳細には、複屈折率調整によるTEモードとTMモードの光学的光路長差の変化分をそれぞれΔnLTE=ΔnL、ΔnLTM=ΔnL+0.5λcとしたので、ΔnLTM−ΔnLTE=0.5λcとなっている。したがって、初期状態のTEモードとTMモードの光学的光路長差をそれぞれ、ΔL’TE=ΔL’、ΔL’TM=ΔL’とすると、複屈折率調整によりΔL’TE=ΔL’+ΔnL、ΔL’TM=ΔL’+ΔnL+0.5λcとなった。複屈折率調整の過程で第1光導波路の光学的光路長が初期状態よりもΔnLだけ余分に長くなっている。そこで、第2光導波路の実効屈折率を調整することにより第2光導波路の光学的光路長差をΔnLだけ長くした。それにより、TEモードとTMモードの光学的光路長差をそれぞれΔL’TE=ΔL’(=−0.22λc)、ΔL’TM=ΔL’+0.5λc(=0.28λc)とした。
次に、第2干渉計型光スイッチ171の光路長差付与部134の第2光導波路の複屈折率を複屈折率調整手段194により調整し、TMモードの光学的光路長差がTEモードの光学的光路長差よりも0.5λc長くなるようにした。さらに詳細には、複屈折率調整によるTEモードとTMモードの光学的光路長差の変化分をそれぞれΔnLTE=ΔnL、ΔnLTM=ΔnL+0.5λcとしたので、ΔnLTM−ΔnLTE=0.5λcとなっている。したがって、初期状態のTEモードとTMモードの光学的光路長差をそれぞれ、ΔL”TE=ΔL”、ΔL”TM=ΔL”とすると、複屈折率調整によりΔL”TE=ΔL”−ΔnL、ΔL”TM=ΔL”−ΔnL−0.5λcとなった。ここで符号をマイナスとしたのは、光路長差を第2光導波路に対する第1光導波路の相対的光路長であらわしているからである。複屈折率調整の過程で第2光導波路の光学的光路長が初期状態よりもΔnLだけ余分に長くなっている。そこで、第1光導波路の実効屈折率を調整することにより第1光導波路の光学的光路長差をΔnLだけ長くした。それにより、TEモードとTMモードの光学的光路長差をそれぞれΔL”TE=ΔL”(=0.28・λc)、ΔL”TM=ΔL”−0.5λc(=−0.22λc)とした。
複屈折率調整手段191〜194として、例えば、レーザ照射等の光照射を用いる方法、薄膜ヒータを用いる方法、応力付与膜を装着する方法、導波路の形状を変化させる方法、導波路の材質を局所的に変化させる方法など多数の手法が知られており、任意の手段を用いることができる。
この干渉計型光スイッチが作製されたチップをダイシングにより切り出し、シリコン基板161の下部には放熱板(図示しない)を配設し、入出力導波路101〜104にはシングルモードファイバ(図示しない)を接続し、薄膜ヒータ141には給電リード(図示しない)を接続して、2入力2出力光スイッチモジュールとした。
このように作製した光モジュールの入力導波路101から光を入力し、出力ポート103(第1出力ポート)と104(第2出力ポート)から出力される偏波を切り替える動作について説明する。初期のOFF状態では、第1干渉計型光スイッチ170の光路長差付与部の光学的光路長差はTEモードがΔL’TE=ΔL’(=−0.22λc)、TMモードがΔL’TM=ΔL’+0.5λc(=0.28λc)であり、第2干渉計型光スイッチ171の光路長差付与部の光学的光路長差はTEモードがΔL”TE=ΔL”(=0.28・λc)、TMモードがΔL”TM=ΔL”−0.5λc(=−0.22λc)である。
このOFF状態では、TEモードに対し、第1干渉計型光スイッチ170はクロス状態、第2干渉計型光スイッチ171はバー状態である。FIG.32Aは本実施形態の干渉計型光スイッチのOFF状態におけるTEモードの透過率の波長依存性を示す。入力導波路101から入力したTE光は干渉計型光スイッチ170のクロスポートから完全に透過し、出力導波路104(第2出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートにより遮断されるため、出力導波路103(第1出力ポート)からTE光は出力されない。
また、このOFF状態では、TMモードに対し、第1干渉計型光スイッチ170はバー状態、第2干渉計型光スイッチ171はクロス状態である。FIG.32BにOFF状態のTMモードの透過率の波長依存性を示す。入力導波路101から入力したTM光は干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートから透過し、出力導波路103(第1出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のクロスポートにより遮断されるため、出力導波路104(第2出力ポート)からTM光は出力されない。
次に、薄膜ヒータ141と143に通電して、ON状態とした。第1干渉計型光スイッチ170の光路長差付与部131の光学的光路長差はTEモードがΔL’TE=ΔL’+0.5λc(=0.28λc)、TMモードがΔL’TM=ΔL’+1.0λc(=0.78λc)であり、第2干渉計型光スイッチ171の光路長差付与部134の光学的光路長差はTEモードがΔL”TE=ΔL”+0.5λc(=0.78・λc)、TMモードがΔL”TM=ΔL”(=0.28λc)である。
このON状態では、TEモードに対し、第1干渉計型光スイッチ170はバー状態、第2干渉計型光スイッチ171はクロス状態である。FIG.33Aに本実施形態の干渉計型光スイッチのON状態のTEモードの透過率の波長依存性を示す。入力導波路101から入力したTE光は干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートから透過し、出力導波路103(第1出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のクロスポートにより遮断されるため、出力導波路104(第2出力ポート)からTE光は出力されない。
またこのON状態では、TMモードに対し、第1干渉計型光スイッチ170はクロス状態、第2干渉計型光スイッチ171はバー状態である。FIG.33BにON状態のTMモードの透過率の波長依存性を示す。入力導波路101から入力したTM光は干渉計型光スイッチ170のクロスポートから完全に透過し、出力導波路104(第2出力ポート)から出力される。一方、干渉計型光スイッチ170のスルーポートと干渉計型光スイッチ171のクロスポートにより遮断されるため、出力導波路103(第1出力ポート)からTM光は出力されない。
以上説明したように、本実施形態は、出力の位相差が波長依存性を有する位相生成カプラを備えた干渉計型光スイッチに複屈折率調整を行う一例である。本実施形態のようにTEモードとTMモードでマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差が半波長だけ異なるものにすることにより、偏光ビームスイッチとして機能させることができる。もちろん、本実施形態で説明した以外の形態を取ることもできる。また、複屈折率調整を行うことにより、TEモードとTMモードでマッハツェンダ干渉計の光路長差付与部の光学的光路長差がちょうど一致するようにして、偏光依存性の小さい干渉計型光スイッチとすることもできる。
(その他の実施形態)
本発明の各実施形態で説明した干渉計型光スイッチは、単体で光スイッチとして用いても良いし、それら光スイッチを複数組み合わせ、タップスイッチ、ゲートスイッチ、ダブルゲートスイッチや1×2スイッチ等の構成要素として用いても良い。また、本発明の干渉計型光スイッチを少なくとも一つ基本構成素子として用い、N×Nマトリックススイッチ(FIG.34A参照)、1×Nツリースイッチ(FIG.34B参照)、1×Nタップスイッチ、M個の1×NスイッチとN個のM×1カプラから構成されるDC(Delivery and−Coupling)スイッチ、ROADM(Reconfigurable OADM)スイッチなどのM×N大規模光スイッチを構成しても良い。また、例えば光スイッチとしての機能だけでなく、AWGと組み合わせて光アドドロップ多重(OADM)回路を構成しても良い。
なお、FIG.34A,FIG34Bにおいて、180−1a〜8aは入力導波路、181−1b〜8bは出力導波路、182は光スイッチの基本構成素子、183は光スイッチの基本構成素子の交差、184は1×2スイッチ、185はゲートスイッチである。
また、各実施形態では偏光ビームスイッチ、偏光ビームスプリッタ、偏光ビームカプラなどを含む干渉計型光スイッチや可変光アッテネータに適用した例を示したが、本発明は任意の回路に適用することができる。さらに、本発明を適用した干渉計型光スイッチと可変光アッテネータを組み合わせて一つの光回路として機能させることができる。また、本発明の各実施形態では光路長差付与部が一つであるマッハツェンダ干渉計に適用した例を示したが、光路長差付与部を2つ以上有する構成でも、同様の原理を適用することにより波長無依存の各種導波路光回路が得られる。例えば、ラティス型フィルタ、多光束干渉フィルタ、トランスバーサル型フィルタ、マイケルソン干渉計型フィルタ、ファブリペロー干渉計型フィルタ、リング共振器付フィルタなど各種導波路型光回路に本発明の原理を適用することができる。なお、各実施形態で説明した光学的光路長差は光路長差付与部を構成する光導波路の光学的な光路差であり、波長依存性を含めた光導波路の屈折率や複屈折率を考慮した光路差である。このように、光合分波手段の出力の位相差を用い、光路長差付与部の光路長差に起因する位相差を波長無依存に設定することにより、波長無依存の各種導波路光回路が得られる。もちろん本発明は波長依存性に限らず、周波数依存性を解消することもできる。
以上述べた各実施形態では、干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータをシリコン基板上に形成された石英系光導波路を用いて、FIGs.35A−35Eに示すような工程で作製した。すなわち、シリコン基板161上に火炎堆積法でSiOを主体にした下部クラッドガラススート162、SiOにGeOを添加したコアガラススート163を堆積した(FIG.35A)。その後、1000℃以上の高温でガラス透明化を行った。この時に、下部クラッドガラス層164、コアガラス165は設計した厚さとなるように、ガラスの堆積を行った(FIG.35B)。引き続き、フォトリソグラフィ技術を用いてコアガラス165上にエッチングマスク166を形成し(FIG.35C)、反応性イオンエッチングによってコアガラス165のパターン化を行った(FIG.35D)。エッチングマスク166を除去した後、上部クラッドガラス167を再度火炎堆積法で形成した。上部クラッドガラス167にはBやPなどのドーパントを添加してガラス転移温度を下げ、それぞれのコアガラス165とコアガラス165の狭い隙間にも上部クラッドガラス167が入り込むようにした(FIG.35E)。さらに、上部クラッドガラス167の表面に薄膜ヒータ(図示せず)とそれにつながる電気配線(図示せず)をパターン化した。
また、各実施形態で述べた光モジュールは、次のように組み立てた(FIG.36を参照)。すなわち、光モジュールは、熱伝導性の良い筐体701の内部にペルチェ保持板702を固定ネジ703で固定し、ペルチェ保持板702を掘削して作製した凹部にペルチェ素子と温度センサ(熱電対)(図示しない)をその近傍に配置する。ペルチェ素子及び温度センサの直上に、上記各実施形態に示した干渉計型光スイッチもしくは可変光アッテネータからなるチップ704が来るように配置する。チップ704の端部にはガラス板705を接着剤で接着し、ファイバ706を保持しているファイバブロック707と光結合するように接着している。ファイバ706は筐体701の縁に設けた凹部に断熱性弾性接着剤708で接着してあり、さらにファイバコード709を有するファイバブーツ710を筐体701に埋め込むように保持している。チップ704はペルチェ保持板に断熱性弾性接着剤708で接着されている。最後に、これらを被うように蓋をかぶせてネジ止めし、本発明の光モジュールを組み立てた。なお、蓋とネジ止め部は図示していない。なお、これはモジュール化の一例である。上記本発明の各実施形態では、入力導波路と出力導波路がチップ上の異なる端面から取り出されているが、もちろん同一端面に来るように回路をレイアウトしても構わない。そうすれば、1つのファイバブロックだけで入力導波路と出力導波路をファイバと接続することができる。
本発明の回路は異なる独立したチップとして作製する場合もあるが、それらをチップ間で直接接続することにより1つのチップにしてもよいし、複数チップ間で光を結合させ、光モジュールを形成してもよい。また、それぞれのチップごとに別々の光モジュールを作製し、光モジュール間をファイバで結合しても良い。さらに、1つの筐体内部に上記2つ以上のチップをそれぞれペルチェ保持板の上に保持させた光モジュールを作製しても良い。
また、本発明の干渉計型光スイッチもしくは可変光アッテネータの形態は、光導波路の種類、形状、材料、屈折率、作製法によらない。例えば、その導波路材料がポリイミド、シリコン、半導体、LiNbOなどであってもよいし、基板材質が石英などであってもよい。また、例えば、その製造方法が、スピンコート法、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法、イオン拡散法、イオンビーム直接描画法などであっても本発明は適用可能である。また、本発明の各実施形態では、正方形の光導波路を用いたが、長方形、多角形、円形など任意の形状を用いることができる。例えば、光導波路のコア幅を部分的に変え、屈折率を他の部分と異なる値にすることができる。また、光導波路に応力を付与し、屈折率の値を変化させることもできる。さらに、本回路は石英系光導波路を用いたが、異なる材料を透過するようにしても良い。例えば、光導波路中にシリコン樹脂などの材料を含んでも良いし、ポリイミド波長板を含んでも良い。また、各種温度補償法や偏波依存性低減法を適用してよい。
また、レーザ照射などの光照射法や薄膜ヒータなどによる局所加熱法などを用いて光導波路の屈折率を局所的に変化させ、光学的な光路長差や光合分波手段の結合特性、位相特性を調整することもできる。また、光のスイッチング動作には薄膜ヒータによる熱光学効果を用いたが、これに限らず、例えば、光照射を用いても良いし、電気光学効果、磁気光学効果などを用いても良い。もちろんその領域の形状は任意である。
さらに、平面型光導波路に限らず、例えば積層光導波路や光ファイバなどを用いて光導波路を構成してもよいし、平面光導波路と光ファイバなど、複数種類の光導波路を組み合わせて構成しても良い。また光導波路にグレーティングが形成されていても良いし、光導波路が途中で分割、分断されていてもよい。もちろん、本発明の干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータは光導波路に限定されず、光を空間中に伝搬させた空間光学系で干渉回路を構成してもよい。例えば、この空間光学系は半透明鏡、全反射鏡、多層膜などから構成されていてもよい。このように、空間光学系を用いても、回路を光導波路で構成した場合と同様の効果が実現できる。また、以上に述べた各実施形態における干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータは本発明の構成例の1つであり、これらの構成に限定されるものではない。
以上、各実施形態で用いたN+1個の光結合器と隣接する光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成される光合分波手段は、位相生成カプラの構成例であり、例えば多光束干渉フィルタ、トランスバーサル型フィルタ、マイケルソン干渉計型フィルタ、ファブリペロー干渉計型フィルタ、リング共振器付フィルタなど各種フィルタ構成を光合分波手段として用いてもよい。さらに、位相生成カプラを構成する光結合器や、光合分波手段として、本発明の各実施形態で述べた方向性結合器以外にもマルチモード干渉カプラ、可変カプラ、X分岐カプラ、Y分岐カプラなど任意の種類のものを用いることができるし、またそれらを組み合わせることもできる。さらにまた、上記光合分波手段に与えた結合率や光路長差付与部の光路長差の値や計算方法も1つの例である。それらは利用する形態に合わせて最適値を求めればよい。また、位相生成カプラの構成法や最適値が複数ある場合は、サイズ、製造トレランス、過剰損失などを考慮して最も好適な形態を選択してもよい。
さらになお、本発明の好適な実施形態とその変形例を例示して説明したが、本発明の実施形態は上記例示に限定されるものではなく、請求の範囲の各請求項に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。
産業上の利用の可能性
マルチメディア時代の到来と共に、大量の情報を効率よく扱えるネットワークの実現が大きな課題となってきている。各家庭とネットワークを光ファイバで結ぶアクセス系の光化を含めて、今後柔軟で効率的な構造を持つネットワークを構築していくには、光の波長多重(WDM)技術を取り入れていくことが必要不可欠である。元来、光部品は数THzの広大な帯域を有しており、現在のネットワークはそのごく一部を利用しているに過ぎない。波長多重によりこの帯域を分割して使用できれば、容量の拡大を初めとしマルチメディア通信に不可欠な多様な情報を大量にかつ容易に取り扱えるネットワークが実現できる。
近年では光スイッチを用いた光クロスコネクトシステムや光アドドロップ多重システムはWDM技術のキーデバイスであり、多くの需要が見込まれる。本発明の干渉計型光スイッチおよび可変光アッテネータはこれらの光システムだけでなく、光スイッチ素子として多くの分野で利用することができる。

Claims (104)

  1. 第1の光合分波手段と、前記第1の光合分波手段に接続された2本の光導波路からなる光路長差付与部と、前記光路長差付与部に接続された第2の光合分波手段と、前記第1の光合分波手段に接続された1つあるいは複数の入力導波路と、前記第2の光合分波手段に接続された1つあるいは複数の出力導波路と、前記光路長差付与部に設けられた位相シフタとを備えた導波路型光回路からなり、
    前記第1の光合分波手段もしくは前記第2の光合分波手段のうち少なくとも一方は、出力の位相差が波長依存性を持つ位相生成カプラであることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  2. 請求項1に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  3. 請求項2に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  4. 請求項2に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  5. 請求項2に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  6. 請求項1に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  7. 請求項1に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記位相生成カプラが光結合器と光路長差付与部との接続により構成されたものであることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  8. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  9. 請求項8に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  10. 請求項8に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  11. 請求項8に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  12. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  13. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記位相生成カプラが、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成されたものであることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  14. 請求項13に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  15. 請求項14に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  16. 請求項14に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  17. 請求項14に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  18. 請求項13に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  19. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段もしくは前記第2の光合分波手段のうち一方が、位相差2πφc(定数)の光結合器であり、他方が2つの光結合器と該2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部から構成された位相差2πφ(λ)の位相生成カプラであり、
    前記光路長差付与部の光学的光路長差をΔL、mを整数とすると
    Figure 2005003852
    を満たすように、前記位相生成カプラを構成する2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  20. 請求項19に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  21. 請求項19に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  22. 請求項19に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  23. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が、夫々2つの光結合器と前記2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部から構成された位相生成カプラであり、
    前記光路長差付与部の光学的光路長差をΔL、mを整数とすると、前記第1の光合分波手段の出力の位相差2πφ(λ)と前記第2の光合分波手段の出力の位相差2πφ(λ)との和が、
    Figure 2005003852
    を満たすように、前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段を構成する夫々の2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  24. 請求項23に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  25. 請求項23に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  26. 請求項23に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  27. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が夫々、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれて第1と第2の2本の光導波路(遅延線)からなるN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、
    前記第1の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,1、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,1、前記第2の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,2、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,2とすると、前記光学的光路長差の総和が(Σδl1,1>Σδl2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2)、もしくは、(Σδl2,1>Σδl1,1かつΣδl2,2>Σδl1,2)のいずれかを満たすことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  28. 請求項27に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  29. 請求項28に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  30. 請求項28に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  31. 請求項28に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  32. 請求項27に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  33. 請求項27に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比と前記第2の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比とが等しい値に設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  34. 請求項33に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であり、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定され、
    前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  35. 請求項33に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であり、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定され、
    前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  36. 請求項33に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  37. 請求項7に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が夫々、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、
    前記第1の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比と前記第2の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比とが等しい値に設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  38. 請求項37に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  39. 請求項38に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  40. 請求項38に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  41. 請求項38に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  42. 請求項37に記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  43. 請求項1に記載の干渉計型光スイッチの出力強度を可変にして用いたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  44. 請求項43に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  45. 請求項44に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  46. 請求項44に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  47. 請求項44に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  48. 請求項43に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  49. 請求項43に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記位相生成カプラが光結合器と光路長差付与部との接続により構成されたものであることを特徴とする可変光アッテネータ。
  50. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  51. 請求項50に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  52. 請求項50に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  53. 請求項50に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  54. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  55. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記位相生成カプラが、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成されたものであることを特徴とする可変光アッテネータ。
  56. 請求項55に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  57. 請求項56に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  58. 請求項56に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  59. 請求項56に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  60. 請求項55に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  61. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段もしくは前記第2の光合分波手段のうち一方が、位相差2πφc(定数)の光結合器であり、他方が2つの光結合器と該2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部から構成された位相差2πφ(λ)の位相生成カプラであり、
    前記光路長差付与部の光学的光路長差をΔL、mを整数とすると
    Figure 2005003852
    を満たすように、前記位相生成カプラを構成する2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  62. 請求項61に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  63. 請求項61に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  64. 請求項61に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φc(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  65. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が、夫々2つの光結合器と前記2つの光結合器に挟まれた一つの光路長差付与部から構成された位相生成カプラであり、
    前記光路長差付与部の光学的光路長差をΔL、mを整数とすると、前記第1の光合分波手段の出力の位相差2πφ(λ)と前記第2の光合分波手段の出力の位相差2πφ(λ)との和が、
    Figure 2005003852
    を満たすように、前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段を構成する夫々の2つの光結合器の分岐比と、一つの光路長差付与部の光学的光路長差とが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  66. 請求項65に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  67. 請求項65に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段と第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差2πφΔ(λ)との総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  68. 請求項65に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  69. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が夫々、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれて第1と第2の2本の光導波路(遅延線)からなるN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、
    前記第1の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,1、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,1、前記第2の光合分波手段のN個の光路長差付与部を構成する第1光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl1,2、第2光導波路の光学的光路長差の総和をΣδl2,2とすると、前記光学的光路長差の総和が(Σδl1,1>Σδl2,1かつΣδl1,2>Σδl2,2)、もしくは、(Σδl2,1>Σδl1,1かつΣδl2,2>Σδl1,2)のいずれかを満たすことを特徴とする可変光アッテネータ。
  70. 請求項69に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  71. 請求項70に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  72. 請求項70に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  73. 請求項70に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  74. 請求項69に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  75. 請求項69に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比と前記第2の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比とが等しい値に設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  76. 請求項75に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であり、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定され、
    前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  77. 請求項75に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であり、
    光の波長をλ、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)とすると、
    2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定され、
    前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  78. 請求項75に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  79. 請求項49に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段及び前記第2の光合分波手段が夫々、N+1個(Nは自然数)の光結合器と、隣接する前記光結合器に挟まれたN個の光路長差付与部とによって構成された位相生成カプラであり、
    前記第1の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比と前記第2の光合分波手段のN+1個の光結合器の分岐比とが等しい値に設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  80. 請求項79に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段により出力される光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、波長無依存になるよう前記第1の光合分波手段の出力の位相差と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差と、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLとが設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  81. 請求項80に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記第1の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)と、前記第2の光合分波手段の出力の位相差φ(λ)との和が、ΔL/λ+m/2(mは整数)であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  82. 請求項80に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、(2m’+1)・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比が、全波長領域にわたり等しくなるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  83. 請求項80に記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が、2m’・π(m’は整数)に設定され、前記第1の光合分波手段の分岐比と前記第2の光合分波手段の分岐比の合計が1になるよう設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  84. 請求項79に記載の可変光アッテネータにおいて、
    光の波長をλ、前記第1の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)、前記光路長差付与部の光学的光路長差ΔLに起因する位相差を2πφΔ(λ)、前記第2の光合分波手段から出力する光の位相差を2πφ(λ)とすると、
    前記導波路型光回路の出力強度が波長λに対して一定になるように、前記3つの位相差の総和2π{φ(λ)+φΔ(λ)+φ(λ)}が設定されたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  85. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチを多段に複数接続したことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  86. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータを多段に複数接続したことを特徴とする可変光アッテネータ。
  87. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチを多段に複数接続した光回路を有し、
    第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうちの一方の出力導波路が第2の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、
    前記第1の干渉計型光スイッチの入力導波路を前記光回路の入力ポートとして用い、
    前記第2の干渉計型光スイッチの出力導波路を前記光回路の第1の出力ポートとして用い、
    前記第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうちの他方の出力導波路を前記光回路の第2の出力ポートとして用いたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  88. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータを多段に複数接続した光回路を有し、
    第1の可変光アッテネータの2つの出力導波路のうちの一方の出力導波路が第2の可変光アッテネータの入力導波路に接続され、
    前記第1の可変光アッテネータの入力導波路を前記光回路の入力ポートとして用い、
    前記第2の可変光アッテネータの出力導波路を前記光回路の第1の出力ポートとして用い、
    前記第1の可変光アッテネータの2つの出力導波路のうちの他方の出力導波路を前記光回路の第2の出力ポートとして用いたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  89. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチを多段に複数接続した光回路を有し、
    第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうちの一方の出力導波路が第2の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、
    前記第1の干渉計型光スイッチの2つの出力導波路のうちの他方の出力導波路が第3の干渉計型光スイッチの入力導波路に接続され、
    前記第1の干渉計型光スイッチの入力導波路を前記光回路の入力ポートとして用い、
    前記第2の干渉計型光スイッチの出力導波路を前記光回路の第1の出力ポートとして用い、
    前記第3の干渉計型光スイッチの出力導波路を前記光回路の第2の出力ポートとして用いたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  90. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータを多段に複数接続した光回路を有し、
    第1の可変光アッテネータの2つの出力導波路のうちの一方の出力導波路が第2の可変光アッテネータの入力導波路に接続され、
    前記第1の可変光アッテネータの2つの出力導波路のうちの他方の出力導波路が第3の可変光アッテネータの入力導波路に接続され、
    前記第1の可変光アッテネータの入力導波路を前記光回路の入力ポートとして用い、
    前記第2の可変光アッテネータの出力導波路を前記光回路の第1の出力ポートとして用い、
    前記第3の可変光アッテネータの出力導波路を前記光回路の第2の出力ポートとして用いたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  91. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチを少なくとも一つ用い、M(M:自然数)入力N(N:自然数)出力の光スイッチを構成したことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  92. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータを少なくとも一つ用い、M(M:自然数)入力N(N:自然数)出力の光スイッチを構成したことを特徴とする可変光アッテネータ。
  93. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記光結合器が、近接した2本の光導波路からなる方向性結合器であることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  94. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記光結合器が、近接した2本の光導波路からなる方向性結合器であることを特徴とする可変光アッテネータ。
  95. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記位相シフタが、光導波路上に設けられた薄膜ヒータであることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  96. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記位相シフタが、光導波路上に設けられた薄膜ヒータであることを特徴とする可変光アッテネータ。
  97. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記位相シフタが光導波路上に設けられた薄膜ヒータであり、該薄膜ヒータの近傍に断熱溝が形成されていることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  98. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記位相シフタが光導波路上に設けられた薄膜ヒータであり、該薄膜ヒータの近傍に断熱溝が形成されていることを特徴とする可変光アッテネータ。
  99. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記導波路型光回路が、石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  100. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記導波路型光回路が、石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする可変光アッテネータ。
  101. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチにおいて、
    前記干渉計型光スイッチの光導波路上に複屈折率調整手段が設けられている、もしくは複屈折率の調整が行われたことを特徴とする干渉計型光スイッチ。
  102. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータにおいて、
    前記可変光アッテネータの光導波路上に複屈折率調整手段が設けられている、もしくは複屈折率の調整が行われたことを特徴とする可変光アッテネータ。
  103. 請求項1から42のいずれかに記載の干渉計型光スイッチを内部に有する筐体と、前記筐体に保持されて前記干渉計型光スイッチに信号の入出力を行う光ファイバとを有することを特徴とする光モジュール。
  104. 請求項43から84のいずれかに記載の可変光アッテネータを内部に有する筐体と、前記筐体に保持されて前記可変光アッテネータに信号の入出力を行う光ファイバとを有することを特徴とする光モジュール。
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