JP3175499B2 - 導波路型光合分波器 - Google Patents

導波路型光合分波器

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JP3175499B2 JP25706094A JP25706094A JP3175499B2 JP 3175499 B2 JP3175499 B2 JP 3175499B2 JP 25706094 A JP25706094 A JP 25706094A JP 25706094 A JP25706094 A JP 25706094A JP 3175499 B2 JP3175499 B2 JP 3175499B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの帯域の光を合分
波するマッハツエンダ型の導波路型光合分波器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】
(従来例1)マッハツエンダ干渉計の原理を応用した導
波路型マッハツエンダ干渉計型光合分波器(以下、光合
分波器という)は、従来、図4(a) のように構成されて
いる。即ち、この光合分波器は、光の強度の結合率がκ
(λ)である2つの方向性結合器28,29と長さがΔ
2 だけ異なる導波路30と導波路31からなる位相差
付与部32とで構成されている。導波路の一端である入
力ポート25から波長λ1 の光及び波長λ2 の光を入射
させると、導波路の他端である透過ポート27から波長
λ1 の光が取り出され、導波路の他端である結合ポート
26から波長λ2 の光が取り出されるようになってい
る。
【0003】波長λ1 の光及び波長λ2 の光の合分波に
必要な位相差付与部の条件は、導波路の等価屈折率neff
(λ)を考慮した光路長差neff(λ)・ΔL2 が、任意
の整数をN2 としたとき、 neff(λ)・ΔL2 =(N2 ±0.5)・λ1 =N2 ・λ2 (5) の関係で与えられることである。式(5) から判るよう
に、波長λ1 、波長λ2 は任意に得られるのではなく、 {λ1 /neff(λ1 )}/|λ1 /neff(λ1 )−λ2 /neff(λ2 )| =2・N2 (6) を満たす波長の組み合わせのみに制約される。なお、式
(6) では導波路の等価屈折率neff(λ)の波長依存性を
考慮した。
【0004】式(5) は、 ΔL2 =(N2 ±0.5)・λ1 /neff(λ1 )=N2 ・λ2 /neff(λ2 ) (7) と書き換えられ、各ポートでの通過波長と阻止波長は、
式(7) のΔL2 を定めることにより高精度に設定でき
る。
【0005】この光合分波器において、入力ポート25
から結合ポート26への光の結合率をP2-3 、入力ポー
ト25から透過ポート27への光の透過率をP2-4 とす
ると、 P2-3 =4・{1−κ(λ)}・κ(λ)・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL2 /λ} (8) P2-4 ={1−2・κ(λ)}2 +4・κ(λ)・ {1−κ(λ)}・ sin2 {neff(λ)・π・ΔL2 /λ} (9) で与えられる。なお、ここでは導波路の伝搬損失、散乱
損失は無視している。式(5) から式(9) のκ(λ)に注
目すると、ポート26から取り出される光である波長λ
2 の光の強度の結合率κ(λ2 )を0.5に設定するこ
とにより、低損失でクロストークが0の光合分波器を構
成できることがわかる。
【0006】この設計方法により波長λ1 =1.31μ
m、波長λ2 =1.53μmとして設計した光合分波器
の特性を図3(b) に示す。
【0007】(参照文献1:電子情報通信学会論文誌C-
I Vol.J73-C-I No.5 pp.354-359 1990年 5月) (従来例2) (従来例1)で説明した光合分波器の通過波長帯域及び
阻止波長帯域は狭く、実用化するためには帯域の拡大が
必要であった。そこで図5に示すような光合分波器が開
発された。(参照文献2:T.Kominato et al;Optical
multi/demultiplexer with a modified Mach-Zender in
terferometer configuration; OEC′94,Technical di
gest pp.174-175 ,July 12-15,1994 ) この(従来例2)の光合分波器の要点は(従来例1)の
方向性結合器をマッハツエンダ干渉計型光合分波器で置
き換え、さらに置き換えたマッハツエンダ干渉計型光合
分波器(以下、ドーターMZ合分波器と略する)の合分
波特性により(従来例1)の波長λ1 に加えて波長λ3
を透過するようにしたことにある。構造は図5(a) に示
す様に、長さがΔL1 だけ異なる導波路42と導波路4
3からなる位相差付与部44と結合率がκ(λ)である
方向性結合器38,39で構成されるドーターMZ合分
波器と、長さがΔL1 だけ異なる導波路48と導波路4
9からなる位相差付与部50と結合率がκ(λ)である
方向性結合器40,41で構成されるドーターMZ合分
波器が、上下反対に配置され、その2つのドーターMZ
合分波器を長さがΔL2 だけ異なる導波路45と46で
結ぶ構造である。
【0008】この光合分波器において、入力ポート35
から透過ポート37への光の透過率をP2-3 、入力ポー
ト35から結合ポート36への光の結合率をP2-4 とす
ると、 P2-4 ={1−2・Pc(λ)}2 +4・Pc(λ)・ {1−Pc(λ)}・ sin2 {neff(λ)・π・ΔL2 /λ} (10) P2-3 =4・{1−Pc(λ)}・Pc(λ)・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL2 /λ} (11) Pc(λ)=4・{1−κ(λ)}・κ(λ)・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL1 /λ} (13) ここで、ΔL2 は(従来例1)と同様に式(5) ,(6) ,
(7) から定められる。
【0009】ここで、方向性結合器の結合率κ(λ)と
ドーターMZ合分波器の位相差付与部の導波路長差ΔL
1 は、 neff(λ)・ΔL1 =(N1 ±0.5)・λ2 /2=N1 ・λ3 /2 (14) κ(λ2 )=0.5 (15) により与えられる。ここでN1 は整数であり、λ3 は波
長λ1 に近い波長である。
【0010】以上の様な設計方法により波長λ1 =1.
31μm、波長λ2 =1.53μm、波長λ3 =1.2
76μmとして設計した光合分波器の合分波特性を図5
(b)に実線で示す。比較のため図5(b) 中に点線で(従
来例1)の合分波特性も示した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(従来例2)では(従
来例1)よりも片方の帯域を拡大することに成功してい
る。しかし、導波路の幅あるいは屈折率を変えない限
り、条件式(7) で整数N2に対応して(λ1 ,λ2 )の
組み合わせが決まってしまう。また条件式(14)から整数
1 に対応して(λ2 ,λ3 )の組み合わせが決まって
しまう。さらに帯域を拡大するにはλ3 はλ1 に近い波
長という限定がある。よって、整数N2 とλ2 を決めれ
ば、他のすべての設計パラメータは選択の余地なく決ま
ってしまい、設計の自由度が少ないという問題があっ
た。
【0012】また、図5(b) からわかる様に(従来例
2)は1.3μm帯域においては(従来例1)よりも通
過及び阻止波長帯域が広いが、1.5μm帯域において
は逆に(従来例1)よりも通過及び阻止波長帯域が狭く
なっている。この様に片方の帯域を狭めることなしに、
もう一方の帯域を広げることができないという問題があ
った。
【0013】本発明の目的は、上記課題を解決し、片方
の帯域を狭めることなしにもう一方の帯域を拡大するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
要旨は、入力ポートであるポート1、ポート2、出力ポ
ートであるポート3、ポート4を有し、ポート1とポー
ト3を結ぶ導波路とポート2とポート4を結ぶ導波路の
合計2本の導波路が、波長λでの光の強度の結合率がκ
(λ)である2つの方向性結合器とその2つの方向性結
合器を結ぶ位相差付与部を形成し、その位相差付与部で
はポート1とポート3を結ぶ導波路の方がポート2とポ
ート4を結ぶ導波路よりも長さがΔL1 だけ長い構造を
した2つのマッハツエンダ干渉計型導波路型光合分波器
を有し、片方のマッハツエンダ干渉計型導波路型光合分
波器のポート4ともう一方のマッハツエンダ干渉計型導
波路型光合分波器のポート1を1本の導波路で結び、こ
の導波路よりもΔL2 だけ長い導波路で片方のマッハツ
エンダ干渉計型導波路型光合分波器のポート3ともう一
方のポート2を結んだ構成で、波長λ1 ,λ3 を含む帯
域の光を透過し、波長λ2 を含む帯域の光を結合する導
波路型光合分波器において、N1 ,N2 を整数、neff
(λ)を導波路の波長λの光に対する等価屈折率とした
とき、位相差付与部の導波路長差ΔL1 ,ΔL2 、方向
性結合器の波長λ2 の結合率κ(λ2 )が、次に示す条
件式、 ΔL1 =(N1 ±0.5)・λ3 /neff(λ3 ) (1) Pc(λ2 )=4・κ(λ2 )・{1−κ(λ2 )}・ cos2 {neff(λ2 )・π・ΔL1 /λ2 }=0.5 (2) 2・N2 = λ1 /neff(λ1 )/|λ1 /neff(λ1 )−λ2 /neff(λ2 )| (3) ΔL2 =(N±0.5)・λ1 /neff(λ1 )=N・λ2 /neff(λ2 ) (4) を満たすことにある。
【0015】また、請求項2記載の本発明の要旨は、条
件式(2) で示した波長の関数、 Pc(λ)= 4・κ(λ)・{1−κ(λ)}・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL1 /λ} の微分 dPc(λ)/ dλが波長λ2 、あるいはλ2 近傍
の波長で0となるように、方向性結合器の結合率κ
(λ)、導波路の等価屈折率neff(λ)及び位相差付与
部の導波路長差ΔL1 を選定してなることにある。
【0016】
【作用】本発明は、(従来例2)における条件式(14),
(15)の代わりに、上記条件式(1) ,(2) を用いることで
設計の自由度をましたことにある。
【0017】(従来例2)では、λ2 を決めれば、式(1
4)よりλ3 は1対1対応(正確に言えば、±の符号があ
るので1対2対応)で決まってしまう。
【0018】それに対して本発明では、条件式(1) ,
(2) を用いれば、λ2 とは無関係にλ3 を決めることが
できる。
【0019】(従来例2)は、条件式(15)でκ(λ2
を0.5に限定しているが、本発明はその限定をなくし
て、その代わりに、条件式(2) を導入することにより、
λ3をλ2 との1対1対応から解放したものである。
【0020】請求項2記載の本発明は、次に示す条件式
(18)を用いて設計することにより、片方の帯域を狭める
ことなしに逆に少し広げて、もう一方の帯域を拡大した
ことにある。
【0021】 Pc(λ)=4・{1−κ(λ)}・κ(λ)・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL1 /λ} dPc(λ2 )/ dλ=0 (18) 波長λの光が結合ポートに分波されるためには、 neff(λ)・ΔL1 =N1 ・λ (19) Pc(λ)={1−κ(λ)}・4・κ(λ)・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL1 /λ}=0.5 (20) という条件を満たす必要がある。波長λ2 は条件式(5)
及び(2) により式(19),(20)を満たすので分波される。
帯域を広げるには、λ2 の付近の波長でも式(19),(20)
を満たした状態に近づけることが必要である。そこで、
本発明は、波長の関数Pc(λ)の変化率( dPc(λ)/
dλ)をλ2 の付近で最も小さくなるように設計したも
のである。
【0022】図6乃至図15に本発明の作用を説明する
ための図を示す。なお、以後の説明では、光合分波器の
位相差付与部では、導波路長差だけ考慮にいれることに
する(即ち、位相差付与部60において導波路58の長
さをΔL1 、導波路59の長さを0とみなす。この様に
しても理論上問題はない)。
【0023】図6は光合分波器の入力ポート53aから
電界振幅がE0 、位相が0の光を入射した場合の、出力
光の電界振幅と位相について説明する図である。ここ
で、結合ポート55から出力される光の電界振幅を
1 、位相をθ1 、透過ポート54から出力される光の
電界振幅をE2 、位相をθ2 と書くことにする。そのと
きθ1 ,θ2 は、方向性結合器56,57の結合率κ
(λ)、位相差付与部60の導波路長差ΔL1 、導波路
の伝搬定数β(λ)を用いて、次の式で表すことができ
る。
【0024】
【数1】
【0025】図6で出力された光と共役な関係の光を逆
方向に入射した場合の様子を図7に示す。これは、即ち
電界振幅がE1 、位相が−θ1 である光を結合ポート5
5から、電界振幅がE2 ,位相が−θ2 である光を透過
ポート54から同時に入射した場合、入力ポート53a
から電界振幅がE0 の光が出射されることを意味してい
る。つまり、入力ポート53aから光を入れた場合に結
合ポート55、透過ポート54から出射される光と共役
な関係の光を結合ポート55、透過ポート54から入射
すれば、入力ポート53aに光は戻るということであ
る。なお、ここで位相は相対的な関係だけ考えればよい
ことを図9の説明のところで述べる。
【0026】図8は図6と同じ光合分波器の入力ポート
53bから電界振幅がE0 、位相が0の光を入射した場
合の、出力光の電界振幅と位相について説明する図であ
る。ここで、ポート54から出力される光の電界振幅を
1 、位相をφ1 、ポート55から出力される光の電界
振幅をE2 、位相をφ2 とする。そのときφ1 、φ
2は、方向性結合器の結合率κ(λ)、位相差付与部の
導波路長差ΔL、導波路の伝搬定数β(λ)を用いて、
次の式で表すことができる。
【0027】
【数2】
【0028】図8で出力された光と共役な関係の光と、
ポート55とポート54間での位相差と電界振幅が同じ
である光を逆方向に入射した場合の様子を図9に示す。
これは、即ち図9で電界振幅がE1 、位相がポート54
よりもφ1 −φ2 だけ進んだ光をポート55から、電界
振幅がE2 、位相がポート55よりもφ1 −φ2 だけ遅
れた光をポート54から同時に入射した場合、入力ポー
ト53bから光が出射されることを意味している。つま
り、入力ポート53bから光を入れた場合、出射された
光とポート55とポート54での位相差が逆で、電界振
幅が同じ光を逆に入射すれば、入力ポート53bに光が
戻るということである。
【0029】次に、図6乃至図9で説明した考え方を用
いて、本発明の動作を説明する。
【0030】図10に示す様に、説明のために本発明で
ある光合分波器を3つの領域に分け、入射ポートから光
を入射した場合の各領域での光の動きについて、図11
乃至図15で説明する。
【0031】図11は領域1での光の電界振幅と位相を
説明するための図である。電界振幅E0 の光を入力ポー
ト61から入射したときの、結合した光の電界振幅をE
1 、位相をθ1 、透過した光の電界振幅をE2 、位相を
θ2 とすれば、請求項に示した条件式(2) から、波長λ
2 の光の場合は、E1 =E2 であり、条件式(1) から、
波長λ3 の光の場合は、E1 =0,E2 =E0 であるこ
とが分かる。
【0032】図12は領域1で出射された光が、領域2
に入射して、どのような位相変化をするか示したもので
ある。ここでは、位相に関しては、同時に入射される光
に対して、導波路71と導波路72間の差だけ考えれば
よい。よって、導波路71には電界振幅がE1 で、位相
がθ1 −θ2 の光が、導波路72には電界振幅がE2
位相が0の光が入射されるものとする。入射された光は
領域2で電界振幅は変化せず、位相のみ変化する。導波
路71から出射される光の位相は、θ1 −θ2+β
(λ)・ΔL2 、導波路72から出射される光の位相は
0である。ここで、条件式(3) ,(4) から、波長λ1
は、β(λ1 )・ΔL2 =(2・N2 ±1)・π、波長
λ2 では、β(λ2 )・ΔL2 =2・N2 ・πであるこ
とが分かる。図13は領域2で出射された波長λ1 の光
が、領域3に入射して、どのように透過ポートに出射さ
れるかを説明する図である。ここで、詳しい説明を省く
が、波長λ1 に対しては(φ2 −φ1 )−(θ1
θ2 )=−πが成り立つ。よって、
【0033】
【数3】
【0034】となる。
【0035】このように、波長λ1 に関しては、”導波
路74に入射される光よりも導波路75に入射される光
の方が、位相がθ1 −θ2 +(2・N2 ±1)・πだけ
進んでいる”ということは、”導波路74に入射される
光よりも導波路75に入射される光の方が、位相がφ1
−φ2 だけ遅れている”(2・πの整数倍の位相は0と
同じである)のと同じであることが分かる。よって、こ
の場合は導波路74に電界振幅がE1 、位相が−(φ1
−φ2 )の光が、導波路75に電界振幅がE2、位相が
0の光が入射されたことになるが、これは図9の場合と
同じである(図9を上下逆にしてみればよく分かる)。
従って、波長λ1 の光は透過ポートに出力されることが
分かる。
【0036】図14は領域2で出射された波長λ2 の光
が、領域3に入射して、どのように結合ポートに出射さ
れるかを説明する図である。
【0037】
【数4】
【0038】となり、ここで波長λ2 では、E1 =E2
であるから、図に示すように、”導波路74に電界振幅
がE1 、位相がθ1 −θ2 の光が、導波路75に電界振
幅がE2 、位相が0の光が入射される”ことは、”導波
路74に電界振幅E2 、位相が0の光が、導波路75に
電界振幅がE1 、位相が−(θ1 −θ2 )の光が入射さ
れる”のと同じとみなすことができ、図14に示すよう
に変換可能である。これは、図7の場合と同じである。
従って、波長λ2 の光は結合ポートに出力されることが
分かる。請求項2記載の本発明では、E1 ,E2 の波長
に対する変化率を波長λ2 で最小となるようにして、λ
2 に近い波長ではE1≒E2 とすることで帯域の狭まり
を防いでいる。図15は領域2で出射された波長λ3
光が、領域3に入射して、どのように透過ポートに出射
されるかを説明する図である。波長λ3 の光の場合は、
1 =0,E2 =E0 であるから、導波路75にのみ光
が入射されたのと同じである。領域3を経て導波路74
から出射される光の電界振幅をE1 、導波路75から出
射される光の電界振幅をE2 とすると、ここでも、条件
式(1) から、E1 =0,E2 =E0 であることが分か
る。従って、波長λ3 の光は透過ポートに出力されるこ
とになる。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図1乃至図3を参
照しながら説明する。図1は本実施例に係わる導波路型
光合分波器を示す図であり、同図(a) は平面図、同図
(b)はa−a′線断面図である。図2は、本発明(請求
項1)の実施例の導波路型光合分波器の損失波長特性を
示す図であり、同図(a) は入力ポート18から光を入力
した場合の結合ポート20での損失波長特性を、同図
(b) は入力ポート18から光を入力した場合の透過ポー
ト19での損失波長特性を示している。図3は、本発明
(請求項2)の実施例の導波路型光合分波器の損失波長
特性を示す図であり、同図(a) は入力ポート18から光
を入力した場合の結合ポート20での損失波長特性を、
同図(b) は入力ポート18から光を入力した場合の透過
ポート19での損失波長特性を示している。
【0040】本実施例の導波路型光合分波器は図1に示
すように、導波路2,3が直線状に伸びたり、曲げ半径
30mmで曲がったりすることにより形成されており、4
つの方向性結合器5,6,7,8とそれらを結ぶ位相差
付与部11,14,17により構成されている。同図
(b) に示すように、導波路2,3は、基板1上に形成さ
れたコア2a,3aをクラッド4で覆ったものである。
同図(b) に示すように方向性結合器5,6,7,8は、
導波路2,3が平行に間隔Gapで配置されたものであ
り、その平行部分の長さをLCで表すことにする。位相
差付与部11は導波路9を導波路10よりもΔL1 だけ
長くすることにより、位相差付与部14は導波路12を
導波路13よりもΔL2 だけ長くすることにより、位相
差付与部17は導波路16を導波路15よりもΔL1
け長くすることにより、位相差を与えている。
【0041】基板1とクラッド4の屈折率は1.45
8、コアの屈折率は1.4624、コアの高さ、幅とも
8μmである。材質は、基板1がSiO2 、クラッド4
がSiO2 −B2 5 −P2 3 、コアがSiO2 −T
iO2 である。
【0042】図1において、方向性結合器のGapを
3.5μm、平行部の長さLCを213μm、位相差付
与部11と17の導波路長差ΔL1 を1.293μm、
位相差付与部14の導波路長差ΔL2 を3.171μm
とした実施例の導波路型光合分波器の損失波長特性を図
2中に実線により示す。ここで前記した波長λ1
λ2,λ3 は、λ1 =1.31μm、λ2 =1.53μ
m、λ3 =1.25μmである。なお、図2中に比較の
ため破線により、(従来例2)の導波路型光合分波器の
損失波長特性を示している。従来の設計方法では実線の
ような特性は実現できない。例えば、ここで仮に目標
を、結合ポートでは波長λ=1.24〜1.32μmで
25dB以上(枠21の外側を分光曲線が通ればよい)、
波長λ=1.525〜1.535μmで0.05dB以下
(枠22の外側を分光曲線が通ればよい)、透過ポート
では波長λ=1.24〜1.32μmで0.1dB以下
(枠23の外側を分光曲線が通ればよい)、波長λ=
1.525μm〜1.535μmで20dB以上(枠24
の外側を分光曲線が通ればよい)と定めると、本発明で
は、実線の特性を実現できるので目標を達成できるが、
従来では達成できない。このように、本発明の導波路型
光合分波器は目標に応じた設計の自由度の点で優れてい
る。
【0043】図1において、方向性結合器のGapを
3.84μm、平行部の長さLCを27μm、位相差付
与部11と17の導波路長差ΔL1 を3.156μm、
位相差付与部14の導波路長差ΔL2 を2.115μm
とした実施例の導波路型光合分波器の損失波長特性を図
3中に実線により示す。また比較のために図3中に破線
で(従来例1)の導波路型光合分波器の損失波長特性を
示してある。従来では、図5(b) に示すように、また前
で述べたように、片方の帯域を広げるともう一方の帯域
は狭くなってしまうという問題があったが、本発明の導
波路型光合分波器は、図3に示すように、1.3μm帯
で帯域が広くなっているにもかかわらず、1.53μm
帯で帯域は狭くなっていない。むしろ、1.53μm帯
でも帯域が広くなっている。このように、分波する両方
の帯域を広くできる点で本発明の導波路型光合分波器は
優れている。
【0044】なお、実施例で用いた材料以外に、コアと
してはSiO2 −GeO2 がよく用いられる。
【0045】基板、クラッド、コア材料としては以上に
述べた以外にも、その他の誘電体材料、半導体材料、有
機材料を用いることができる。
【0046】
【発明の効果】
(1) 請求項1記載の本発明によれば、片方の帯域を狭め
ることなしに、もう一方の帯域を広げた導波路型光合分
波器を容易に実現することができる。
【0047】(2) 請求項2記載の本発明によれば、片方
の帯域を狭めることなしに逆に少し広げて、もう一方の
帯域を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図であり、同図(a) は平
面図、同図(b) はa−a′断面図である。
【図2】本発明(請求項1)の実施例の光合分波器の損
失波長特性のグラフである。
【図3】本発明(請求項2)の実施例の光合分波器の損
失波長特性のグラフである。
【図4】従来例を示す図であり、同図(a) は従来の光合
分波器の平面図、同図(b) は損失波長特性のグラフであ
る。
【図5】従来例を示す図であり、同図(a) は従来の光合
分波器の平面図、同図(b) は損失波長特性のグラフであ
る。
【図6】本発明の作用を説明する図である。
【図7】本発明の作用を説明する図である。
【図8】本発明の作用を説明する図である。
【図9】本発明の作用を説明する図である。
【図10】本発明の作用を説明する図である。
【図11】本発明の作用を説明する図である。
【図12】本発明の作用を説明する図である。
【図13】本発明の作用を説明する図である。
【図14】本発明の作用を説明する図である。
【図15】本発明の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板 2、3 導波路 4 クラッド 5、6、7、8 方向性結合器 9、10、12、13、15、16 導波路 11、14、17 位相差付与部 18 入力ポート 19 透過ポート 20 結合ポート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力ポートであるポート1、ポート2、出
    力ポートであるポート3、ポート4を有し、ポート1と
    ポート3を結ぶ導波路とポート2とポート4を結ぶ導波
    路の合計2本の導波路が、波長λでの光の強度の結合率
    がκ(λ)である2つの方向性結合器とその2つの方向
    性結合器を結ぶ位相差付与部を形成し、その位相差付与
    部ではポート1とポート3を結ぶ導波路の方がポート2
    とポート4を結ぶ導波路よりも長さがΔL1 だけ長い構
    造をした2つのマッハツエンダ干渉計型導波路型光合分
    波器を有し、片方のマッハツエンダ干渉計型導波路型光
    合分波器のポート4ともう一方のマッハツエンダ干渉計
    型導波路型光合分波器のポート1を1本の導波路で結
    び、この導波路よりもΔL2 だけ長い導波路で片方のマ
    ッハツエンダ干渉計型導波路型光合分波器のポート3と
    もう一方のポート2を結んだ構成で、波長λ1 ,λ3
    含む帯域の光を透過し、波長λ2 を含む帯域の光を結合
    する導波路型光合分波器において、N1 ,N2 を整数、
    neff(λ)を導波路の波長λの光に対する等価屈折率と
    したとき、位相差付与部の導波路長差ΔL1 ,ΔL2
    方向性結合器の波長λ2 の結合率κ(λ2 )が、次に示
    す条件式、 ΔL1 =(N1 ±0.5)・λ3 /neff(λ3 ) (1) Pc(λ2 )=4・κ(λ2 )・{1−κ(λ2 )}・ cos2 {neff(λ2 )・π・ΔL1 /λ2 }=0.5 (2) 2・N2 = λ1 /neff(λ1 )/|λ1 /neff(λ1 )−λ2 /neff(λ2 )| (3) ΔL2 =(N±0.5)・λ1 /neff(λ1 )=N・λ2 /neff(λ2 ) (4) を満たすことを特徴とした導波路型光合分波器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の条件式(2) で示した波長
    の関数、 Pc(λ)= 4・κ(λ)・{1−κ(λ)}・ cos2 {neff(λ)・π・ΔL1 /λ} の微分 dPc(λ)/ dλが波長λ2 、あるいはλ2 近傍
    の波長で0となるように、方向性結合器の結合率κ
    (λ)、導波路の等価屈折率neff(λ)及び位相差付与
    部の導波路長差ΔL1 を選定してなることを特徴とした
    導波路型光合分波器。
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