JP3027965B2 - 光合分波装置 - Google Patents
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Description
り、特に、光導波路を用いて光波をその波長によって合
波または分波する光合分波装置に関する。
バを使って、電話信号を波長l.3[μm]帯で伝送す
ると共に、CATVや各種情報信号を波長l.55[μ
m]帯で同時に伝送する方式が提案され、実現に向けて
研究開発が進んでいる。
て合波または分波する素子であり、例えば、前記の加入
者系システムの光送受信モジュールにおいて、波長1.
3[μm]帯の光信号と波長1,55[μm]帯の光信
号を合波または分波するために使われる。
ら個別素子型、ファイバ型、導波路型等が知られてい
る。
回折格子,干渉膜フィルタ等を介して光波をその波長に
よって空間的に分ける素子と、ミラーやレンズ等の光路
を変換する素子を組み合わせた構成である。
小型化が難しく、組み立てや調整のコストが高い、熱的
・機械的衝撃に対する信頼性を得ることが難しい等の課
題がある。
光ファイバを融着して作られる光分岐器や方向性結合器
を組み合わせた構成、または光ファイバ中にグレーティ
ングミラーを形成した構成である。
い、合分波波長の設定が難しい等の課題がある。
基板上に形成された光導波路によって光方向性結合器や
マッハツェンダ干渉計等が構成されており、波長選択の
設計の自由度が大きく、電子回路ICと同様の微細加工
技術を用いることにより、小型で均一性の良いものが安
価に製造できるという利点がある。
は、例えば電子情報通信学会論文誌C−I,Vol.J
73−C−I,No.5,pp354−359,199
0に、方向性結合器型およびマッハツェンダ干渉計型が
掲載されている。
備えた従来の導波路型光合分波装置50の一例の平面図
である。
3及び第2の光導波路54が基板51中央付近で互いに
近接して方向性結合器52を構成しており、この方向性
結合器の結合長(方向性結合器52における各光導波路
53,54の近接部分の長さ)が、ある波長λ1に対し
ては最小完全結合長(一方の光導波路から入射した場合
にその光出力が他方の光導波路へ完全に移行する最小の
結合長)の奇数倍と等しくなり、別の波長λ2に対して
は最小完全結合長の偶数倍になる様に調整されている。
波長λ1の光信号は第2の光導波路54から出射し、第
2の光導波路54に入射した波長λ2の光信号も第2の
光導波路54から出射するので、合波が実現される。
λ1の光信号は第2の光導波路54から出射し、第1の
光導波路53に入射した波長λ2の光信号は第1の光導
波路53から出射するので、分波も実現される。
干渉計型の従来の導波路型光合分波装置60の平面図で
ある。
3および第2の光導波路64が基板61中央付近の2カ
所で互いに近接して第1の3dBカップラ65および第
2の3dBカップラ66を構成しており、各光導波路6
3,64における第1及び第2の3dBカップラ65,
66の間に挟まれた部分に所定の光路長差が生じるよう
に設定されている。
λ1の整数倍になり、別の波長λ2に対してはλ2の半整
数倍になるように調整されている。
波長λ1の光信号は第2の光導波路64から出射し、第
2の光導波路64に入射した波長λ2の光信号も第2の
光導波路64から出射するので、合波が実現される。
λ1の光信号は第2の光導波路14から出射し、第1の
光導波路13に入射した波長λ2の光信号は第1の光導
波路13から出射するので、分波も実現される。
示す従来の方向性結合器型光合分波装置50には、以下
の問題点がある。
が波長の変化に対して非常に敏感であるため通過波長帯
域が狭くなり、通過波長帯域内に多くの波長を収容する
ことができない点である。
が結合部分の素子パラメータに対して非常に敏感なた
め、結合部分の製作許容誤差が小さくなり、波長間のク
ロストークが低い素子を安定に製作することが難しいこ
とである。
渉計型光合分波装置には、次のような問題点がある。
6として使われている方向性結合器の分岐比に波長依存
性が有るため、広い波長域で動作する合分波器の設計が
難しいということである。
5,66間を結合が生じない程度離した導波路で結ぶた
め、方向性結合器型に比べて導波路の長さがほぼ2倍と
なり、方向性結合器型に比べて素子が大型化するという
ことである。
を改善し、通過波長帯域が広く、製造許容誤差を大きく
採ることができ、広い波長域に渡って動作可能且つ小型
化可能である光合分波装置を提供することを目的とす
る。
の基板に形成された光波が伝搬される第1の光導波路及
び第2の光導波路とを備え、これら第1及び第2の光導
波路の双方の一部分を所定の長さだけ互いに近接させて
光方向性結合器を形成し、第1の光導波路の分波の際の
上流側の端部から入射された光波を、第2の光導波路の
下流側の端部から取り出される第1の波長λ1の光波
と、第1の光導波路の下流側の端部から取り出される第
2の波長λ2の光波とに分波する光合分波装置を示して
いる。
波路の長さLで表される各近接部分を,光波の伝搬方向
の上流側領域と下流側領域とにそれぞれ二等分し、第1
の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬定数を,第2
の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬定数よりも,
伝搬される光波の波長λに対応する所定の伝搬定数差2
Δ(λ)だけ高く設定すると共に、第2の光導波路の近
接部分の下流側領域の伝搬定数を,第1の光導波路の近
接部分の下流側領域の伝搬定数よりも伝搬定数差2Δ
(λ)だけ高く設定している。
係数を波長λの関数κ(λ)とし、x,yを下記の式
(1)と定義した場合、x−y座標上で、式(1)に基
づいて波長λの変化により描かれる曲線が,下記の式
(2)に表される楕円と点(x(λ1),y(λ1))で
接し且つ下記の式(3)に表される円と点(x
(λ2),y(λ2))で交差する条件を満たして、伝搬
定数差Δ(λ),結合係数κ(λ)及び長さLを、設定
している。
る方向性結合器がクロス状態(一方の光導波路から入射
した光波が他方の光導波路から出射する状態)又はバー
状態(一方の光導波路から入射した光波が同一の光導波
路から出射する状態)になるための条件を示したダイア
グラムである。
態、●印および実線がクロス状態を示している。
では、図3に示すダイヤグラムにおいて、第1の波長帯
が点21、第2の波長帯が点22になるように設計され
ている。
長が)が点23、第2の波長帯が点24になるように設
計されている。
直線27上を、本発明では式(1)に基づいた曲線28
上を移動する。
ス状態を表す楕円弧25に点23で接しているので、第
1の波長帯付近の広い波長でクロス状態に近い状態が実
現できる。
は、第1の光導波路の上流側端部から入射された光波
が、第2の光導波路及び第1の光導波路の下流側端部か
らそれぞれ第1の波長の光波と第2の波長の光波とに分
波されて射出され、合波の際には、第1の光導波路及び
第2の光導波路の各下流側端部から第2の波長の光波と
第1の波長の光波とがそれぞれ入射され、第1の光導波
路の上流側端部から合波された光波が射出される。
と共に、x−y座標上で、式(1)に基づいて波長λの
変化により描かれる曲線が,波長λ=λ1のとき,x≒
0.8,y≒1となり且つ下記の式(3)に表される円
と点(x(λ2),y(λ2))で交差する条件を満たし
て、前記伝搬定数差Δ(λ),結合係数κ(λ)及び長
さLを、設定しても良い。
を、シリコン(Si)又はガラスの基板と石英系ガラス
導波路とする構成、ニオブ酸リシウム(LiNbO3)
の基板とチタン(Ti)拡散光導波路又はプロトン交換
光導波路とする構成、ガラスの基板とイオン交換光導波
路とする構成、半導体の基板とこの半導体よりも屈折率
が高い半導体光導波路とする構成としても良い。
生じさせるために、各光導波路の所定箇所の屈折率を高
くする構成、各光導波路の所定箇所の幅を広くする構成
としても良く、屈折率の増加を図るべく所定箇所を加熱
するヒータを装備する構成としても良い。
を参照して説明する。図1(A)は本発明による光合分
波装置の実施の形態を示す平面図,図1(B)は図1
(A)をA−A線に沿った断面図,図1(C)は図1
(B)のB−B線に沿った屈折率分布を表した図であ
る。
1と、この基板11に形成された光波が伝搬される第1
の光導波路13及び第2の光導波路14とを備え、これ
ら第1及び第2の光導波路13,14の双方の一部分を
所定の長さ(結合長)Lだけ互いに数ミクロンの距離ま
で近接させて光方向性結合器12を形成し、第1の光導
波路13の分波の際の上流側の端部から入射された光波
を、第2の光導波路14の下流側の端部から取り出され
る第1の波長λ1の光波と、第1の光導波路13の下流
側の端部から取り出される第2の波長λ2の光波とに分
波する光合分波装置10を示している。
光導波路13,14の長さLで表される各近接部分即ち
光方向性結合器12を構成する部分を,分波の際の光波
の伝搬方向の上流側領域と下流側領域とにそれぞれ二等
分し、第1の光導波路13の近接部分の上流側領域15
の伝搬定数を,第2の光導波路14の近接部分の上流側
領域16の伝搬定数よりも,伝搬される光波の波長λに
対応する所定の伝搬定数差2Δ(λ)だけ高く設定する
と共に、第2の光導波路14の近接部分の下流側領域1
8の伝搬定数を,第1の光導波路13の近接部分の下流
側領域17の伝搬定数よりも伝搬定数差2Δ(λ)だけ
高く設定している。
間の結合係数をκ(λ)とし、x,yを次式(1)の如
く定義する。
上の上式(2)で表される楕円25と波長λの変化に伴
って移動するx−y座標上の点(x(λ),y(λ))
を結んだ曲線28とが接し、第1の光導波路13に入射
した光を第2の光導波路(クロスポート)14から取り
出したい第1の波長λ1のときに方向性結合器の状態が
この接点23にあり、第1の光導波路13に入射した光
を同じ光導波路(バーポート)13から取り出したい第
2の波長λ2のときに、方向性結合器の状態が上式
(3)で表される円26上の点24にある様に、伝搬定
数差Δ(λ),結合係数κ(λ)および結合長Lが設定
されている。なお、式(3)に示す自然数mは、基板1
1に対応する大きさであって、望ましくは1〜3の範囲
に設定することが望ましく、本実施形態ではm=1に設
定している。
おける上流側領域15は、図1(C)に示すように、第
2の光導波路14の上流側領域の屈折率よりδnだけ高
く設定され、同様に、第2の光導波路14の下流側領域
16の屈折率は、第1の光導波路13の下流側領域の屈
折率よりδnだけ高くなっている。なお、各光導波路1
3,14は、屈折率が均一に設定されており、第1の光
導波路13の上流側領域15及び第2の光導波路14の
下流側領域18のみが屈折率を高く設定されている。
部分における上流側領域では第1の光導波路13側のの
伝搬定数が第2の光導波路14の伝搬定数より2Δ
(λ)だけ高く、下流側領域では第2の光導波路14の
伝搬定数が第1の光導波路13の伝搬定数より2Δ
(λ)だけ高くなっている。
[μm]帯の光をクロスポートに、第2の波長λ2とし
て波長1.55[μm]帯の光をバーポートに出射する
方向性結合器型光合分波装置を例に、図7に示す従来例
および図1,図2に示す本発明の光合分波装置の動作を
図3を使って説明する。
装置50においては、クロス状態(第1の光導波路13
に入射した第1の波長λ1の光を第2の光導波路14か
ら取り出す状態)を与える条件は次式(4)で与えら
れ、バー状態(第1の光導波路13に入射した第2の波
長λ2の光を同じ第1の光導波路13から取り出す状
態)を与える条件は光合分波装置10と同様に前述の式
(3)で与えられる。
と同様である。
3,14間の伝搬定数差の半分、κ(λ)は第1と第2
の導波路間の結合係数、Lは結合長であり、Δ(λ),
κ(λ)は波長λに依存する。
ス状態を与える条件は前述の式(2)与えられ、バー状
態は前述の式(3)で与えられる。これらの式(1)〜
(4)の関係を図3に示す。図3における○(白丸)印
および破線の円弧26がバー状態、●(黒丸)印および
実線の楕円弧25がクロス状態を示している。
閉じ込めが弱くなるので結合係数κ(λ)は大きくな
る。したがって、図7に示す従来の方向性結合器型合分
波器では、波長1.3[μm]帯が点21、波長l.5
5[μm]帯が点22になるように設計されている。
態は直線27上を移動する。この場合、クロス状態およ
びバー状態になる波長はそれぞれ1.3[μm]帯と
1.55[μm]帯付近の一点だけなので、通過波長帯
域が狭く、製作許容誤差も小さい。
長λが大きくなると、結合係数κ(λ)が大きくなると
共に、伝搬定数差Δ(λ)が小さくなる。波長λの変化
による結合係数κ(λ)の変化の絶対値は、伝搬定数差
Δ(λ)の変化の絶対値に比べて十分大きいので、例え
ばある波長で方向性結合器の状態が点23にあるとする
と、波長が大きくなるに従って方向性結合器の状態は曲
線28上を点24の方向へ移動する。
って移動するx−y座標上の点(x(λ),y(λ))
を結んだ曲線28が、波長が1.3[μm]帯のときに
クロス状態を表す式(2)の楕円弧25と点23で接
し、波長が1.55[μm]帯のときにはバー状態を表
す式(3)の円弧26と点24で交差するように設計さ
れている。
範囲でクロス状態に近い状態が実現でき、製作許容誤差
も大きくできる。
基づいて波長λの変化により描かれる曲線28が,波長
λ=l.3[μm]帯のとき,x≒0.8,y≒1とな
り且つ波長λ=1.55[μm]帯のときには前述のバ
ー状態の式(3)に表される円と点24で交差する条件
を満たすように、伝搬定数差Δ(λ),結合係数κ
(λ)及び長さLを、設定しても良い。
(2)の楕円弧25は正確には接していないので、波長
1.3[μm]帯でクロス状態に近い状態となる波長幅
は点23で接する場合よりも若干狭くなるが、曲線28
はほぼy軸に平行なので、従来の光合分波装置50に比
べれば広い波長幅でクロス状態に近い状態を得ることが
でき、且つより設計が容易になるという利点がある。
ては、図2(A),(B)にそれぞれ平面図と断面図を
示す通り、第1の光導波路13Aの上流側領域15Aの
幅が第2の光導波路14Aの上流側領域16Aの幅より
δwだけ広く、第2の光導波路14Aの下流側領域18
Aの幅が第1の光導波路14の下流側領域17Aの幅よ
りδwだけ広くなっている。この幅の差δwを適宜に設
定することにより、各光導波路13A,14Aにおける
近接部分の伝搬定数に2Δ(λ)の差を設定することが
可能となり、上述の各光導波路13,14と同一の効果
を得ることが可能である。
断面図に示す様な埋め込み型であっても、図4(A)の
断面図に示す様な拡散型またはイオン交換型であって
も、図4(B)の断面図に示す様なリッジ型またはリブ
型であっても良い。
用される光の波長で透明であれば誘電体でも半導体で
も、結晶でもガラスでも構わない。
3,14(13A,14A)の各素材については、シリ
コン(Si)又はガラスの基板と石英系ガラス導波路と
する構成、ニオブ酸リシウム(LiNbO3)の基板と
チタン(Ti)拡散光導波路又はプロトン交換光導波路
とする構成、ガラスの基板とイオン交換光導波路とする
構成、半導体の基板とこの半導体よりも屈折率が高い半
導体光導波路とする構成としても良い。
4A)に伝搬定数差Δ(λ)を生じさせるために、各光
導波路の所定箇所の屈折率を高くする構成、各光導波路
の所定箇所の幅を広くする構成としても良く、屈折率の
増加を図るべく所定箇所を加熱するヒータを装備する構
成としても良い。
して詳細に説明する。
面基板11上に石英(SiO2)ガラスのクラッド層1
1aを介して、コア幅が約6[μm]、コアとクラッド
間の比屈折率差が約0.35%の埋め込み型石英光導波
路13,14が形成されている。
リコン基板11による光の損失を防ぐために、クラッド
層11aによって20[μm]程度離す必要がある。
付近で互いに近接して方向性結合器12を構成してお
り、結合部分(近接部分)の導波路間隔が5.9[μ
m]、結合長Lが13.2[mm]、各光導波路の上流
側領域15,16間および下流側領域17,18間の屈
折率差が7.9×10-5に設定されている。
流側領域15,及び第2の光導波路14の下流側領域1
8の屈折率を他の部分の屈折率より高くするには、各領
域15,18の部分に他の部分より多くの酸化ゲルマニ
ウム(GeO2)、酸化リン(P2O5)、酸化チタン
(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)等の屈折
率を上げるドーパントを添加するか、各領域15,18
を除く各光導波路の他の部分に酸化ホウ素(B2O3)、
フッ素(F)等の屈折率を下げるドーパントを添加すれ
ば良い。
な量の紫外線を照射して、屈折率を上げる方法もある。
13の上流側領域15,及び第2の光導波路14の下流
側領域18上にクロム(Cr)等の膜19を設置して電
流を流せばヒーターとして機能し、石英ガラスの熱光学
効果によって光導波路15,18の部分だけ屈折率を上
げることができる。
置は、波長1.31[μm]の光に対して、x≒0.
8,y≒1を満足し、波長1.56[μm]の光に対し
て前述の式(1),(3)を満足しする。したがって、
波長1.3[μm]帯の広い波長域に渡ってクロス状態
に近い状態を実現できる。
ロスポートの出力特性の計算値を図6に実線31で示
す。
コアとクラッド間の比屈折率差が0.35%の埋め込み
石英光導波路53,54を用いて、結合部分の間隔が
6.5[μm]、結合長が8.9[mm]の図7に示す
方向性結合器型光合分波装置50を構成したときのクロ
スーポートの出力特性を図6に破線32で示す。
性31は、比較例の波長特性32に比べて1.3[μ
m]帯のより広い波長範囲でクロス状態に近い状態が得
られている。
するx−y座標上の点(x(λ),y(λ))を結んだ
曲線が、クロス状態を表す式(2)の楕円弧と接する条
件を満たして伝搬定数差Δ(λ),結合係数κ(λ)及
び結合長Lが設定されているため、接点付近の広い波長
域でクロス状態に近い状態が実現でき、従来の方向性結
合器型光合分波装置に比べて、通過波長帯域を広くする
ことが可能となり、これにより、通過波長帯域内に多数
の波長を収容できる。
緩和されるため、従来の方向性結合器型光合分波装置に
比べて、製作許容誤呉差を大きく採ることができ、生産
性の向上を図ることが可能である。
ストークが小さい光合分波装置を安定に製作することが
できる。
で構成されており、従来のマッハツェンダ干渉計型光合
分波装置のように、2段以上の方向性結合器(3dBカ
ップラ)を要する構成ではなく、このため、過分な長さ
の導波路を不要とするため、従来のマッハツェンダ干渉
計型光合分波装置に比べて、素子の小型化を図ることが
可能である。
波長λ1のときにx≒0.8,y≒1を満たす条件で伝
搬定数差Δ(λ),結合係数κ(λ)及び結合長Lを設
定した場合にあっても、λの変化により表されるx,y
の曲線が式(2)に基づくクロス状態を示す楕円と接触
に近い状態を形成することができ、クロス状態に近い状
態となる波長幅は幾分狭くなるが、上記発明とほぼ同様
の効果を得ることができると共に、より設計が容易にな
るという効果を有している。
の形態を示す平面図であり、図1(B)は図1(A)の
A−A線に沿った断面図であり、図1(C)は、図1
(B)のB−B線上における屈折率分布を示す線図であ
る。
(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のC−C線に
沿った断面図である。
を説明する線図である。
導波路の他の形態を示す断面図である。
であり、図5(B)は図5(A)のD−D線に沿った断
面図である。
を示す線図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 基板と、この基板に形成された光波が伝
搬される第1の光導波路及び第2の光導波路とを備え、 これら第1及び第2の光導波路の双方の一部分を所定の
長さだけ互いに近接させて光方向性結合器を形成すると
共に、 前記第1の光導波路の分波の際の上流側の端部から入射
された光波を、前記第2の光導波路の下流側の端部から
取り出される第1の波長λ1の光波と、前記第1の光導
波路の下流側の端部から取り出される第2の波長λ2の
光波とに分波する光合分波装置において、 前記第1及び第2の光導波路の長さLで表される各近接
部分を,光波の伝搬方向の上流側領域と下流側領域とに
それぞれ二等分し、 前記第1の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬定数
を,前記第2の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬
定数よりも,前記伝搬される光波の波長λに対応する所
定の伝搬定数差2Δ(λ)だけ高く設定すると共に、 前記第2の光導波路の近接部分の下流側領域の伝搬定数
を,前記第1の光導波路の近接部分の下流側領域の伝搬
定数よりも前記伝搬定数差2Δ(λ)だけ高く設定し、 前記第1及び第2の光導波路間の結合係数を前記波長λ
の関数κ(λ)とし、x,yを下記の式(1)と定義し
た場合、x−y座標上で、前記式(1)に基づいて前記
波長λの変化により描かれる曲線が,下記の式(2)に
表される楕円と点(x(λ1),y(λ1))で接し且つ
下記の式(3)に表される円と点(x(λ2),y
(λ2))で交差する条件を満たして、前記伝搬定数差
Δ(λ),結合係数κ(λ)及び長さLを、設定したこ
とを特徴とする光合分波装置。 【数1】 - 【請求項2】 基板と、この基板に形成された光波が伝
搬される第1の光導波路及び第2の光導波路とを備え、 これら第1及び第2の光導波路の双方の一部分を所定の
長さだけ互いに近接させて光方向性結合器を形成すると
共に、 前記第1の光導波路の分波の際の上流側の端部から入射
された光波を、前記第2の光導波路の下流側の端部から
取り出される第1の波長λ1の光波と、前記第1の光導
波路の下流側の端部から取り出される第2の波長λ2の
光波とに分波する光合分波装置において、 前記第1及び第2の光導波路の長さLで表される各近接
部分を,光波の伝搬方向の上流側領域と下流側領域とに
それぞれ二等分し、 前記第1の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬定数
を,前記第2の光導波路の近接部分の上流側領域の伝搬
定数よりも,前記伝搬される光波の波長λに対応する所
定の伝搬定数差2Δ(λ)だけ高く設定すると共に、 前記第2の光導波路の近接部分の下流側領域の伝搬定数
を,前記第1の光導波路の近接部分の下流側領域の伝搬
定数よりも前記伝搬定数差2Δ(λ)だけ高く設定し、 前記第1及び第2の光導波路間の結合係数を前記波長λ
の関数κ(λ)とし、x,yを下記の式(1)と定義し
た場合、 x−y座標上で、前記式(1)に基づいて前記波長λの
変化により描かれる曲線が,前記波長λ=λ1のとき,
x≒0.8,y≒1となり且つ下記の式(3)に表され
る円と点(x(λ2),y(λ2))で交差する条件を満
たして、前記伝搬定数差Δ(λ),結合係数κ(λ)及
び長さLを、設定したことを特徴とする光合分波装置。 【数2】 - 【請求項3】 前記基板をシリコン(Si)又はガラス
で構成し、前記第1及び第2の光導波路を石英系ガラス
導波路で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載
の光合分波装置。 - 【請求項4】 前記基板をニオブ酸リシウム(LiNb
O3)で構成し、前記第1及び第2の光導波路をチタン
(Ti)拡散光導波路又はプロトン交換光導波路によっ
て構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の光合
分波装置。 - 【請求項5】 前記基板をガラスで構成し、前記第1及
び第2の光導波路をイオン交換光導波路によって構成し
たことを特徴とする請求項1又は2記載の光合分波装
置。 - 【請求項6】 前記基板を半導体で構成し、前記第1又
は第2の光導波路を前記半導体よりも屈折率が高い半導
体光導波路によって構成したことを特徴とする請求項1
又は2記載の光合分波装置。 - 【請求項7】 前記第1の光導波路の近接部分の上流側
領域及び前記第2の光導波路の近接部分の下流側領域の
屈折率を高くすることにより、前記各伝搬定数を高く設
定したことを特徴とする請求項1又は2記載の光合分波
装置。 - 【請求項8】 前記第1の光導波路の近接部分の上流側
領域及び前記第2の光導波路の近接部分の下流側領域の
幅を広くすることにより、前記各伝搬定数を高く設定し
たことを特徴とする請求項1又は2記載の光合分波装
置。 - 【請求項9】 前記第1の光導波路の近接部分の上流側
領域及び前記第2の光導波路の近接部分の下流側領域を
それぞれ加熱するヒータを装備し、 当該ヒータによる加熱により、前記各屈折率を高くする
ことを特徴とする請求項7記載の光合分波装置。
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