JP2012098472A - 光変調器 - Google Patents

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健 都築
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真司 美野
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【課題】小型で低光損失な光導波路の折り返し回路を提供し、素子の小型化・低損失化を実現すると共に、機械的信頼性を高めた光変調器を提供する。
【解決手段】ニオブ酸リチウム材料からなるLN変調器と、ガラス材料からなり、前記LN変調器への光信号の入出力のために前記LN変調器と突き合わせ接続された第1及び第2のPLCとを含む光変調器であって、前記第1のPLCの光導波回路は、一方の端面にファイバブロックを介して接続された少なくとも2本のファイバと、他方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路とを接続し、前記第2のPLCの光導波回路は、一方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路どうしを接続する折り返し光導波路であり、該折り返し光導波路は、前記第2のPLC上に実装された半導体光導波回路に形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光変調器に関し、より詳細には、PLCと他の導波路型光素子とが付き合わせ接続されて構成された光素子チップをパッケージに収納した光変調器に関する。
ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)基板上にチタン(Ti)拡散を用いて光導波路を形成したLN変調器は、光通信システムの重要なデバイスであり、例えば、40Gbit/s用のDQPSK変調器、100Gbit/s用偏波多重QPSK変調器等に適用されている。しかしながら、LN変調器は、光の伝搬損失、光導波路の許容曲げ半径が石英系光波回路と比べて大きく、可変カプラ、折返し回路、偏波合成回路等の複雑な光回路の構成に不向きであるという欠点を有する。LN変調器の欠点を補うために、LN変調器とPLCを組み合わせた光変調器(以下「PLC−LN変調器」という。)を構成する従来例も報告されている。ここで、「PLC(Planar Lightwave Circuit)」とは、Si基板上にSiO2系ガラスを主成分とする光導波路を形成した光回路を言う。
図1、従来のLN変調器とPLCを組み合わせた光変調器の構成を示す。光変調器100は、位相シフタの部分にのみLN変調器120を用い、光導波路の引き回しのために、LN変調器120の両端に接続された第1のPLC110及び第2のPLC130を用いている(例えば、特許文献1及び2参照)。第1のPLC110及び第2のPLC130に、それぞれ光ファイバ102,103を接続し、筐体101に収納している。このような構成により、LN変調器の優れた特性はそのままで、PLCの優れたパッシブ回路の特徴を生かすことができる。例えば、回路全体を小型にしたり、全体の損失を低減したりすることができ、上述のLN変調器の欠点を補うことができる。
図2に、従来の光変調器の他の構成を示す。光変調器200は、位相シフタの部分にLN変調器220を用い、光導波路の引き回しのために、LN変調器220の両端に接続された第1のPLC210及び第2のPLC230を用いている(例えば、特許文献3参照)。PLC230において光導波路をU字型に折り返し、光信号がLN変調器220を2回通る構成になっている。通常、2つの光変調器を使用して実現する機能を、1つの光変調器内に集積することにより、素子の小型化を図ることができる。また、光ファイバ202,203を筐体201の一辺に設置することができ、システムに収納する際の利便性を向上している。
この構成によれば、高周波電気配線を適切に施すことにより、DQPSK変調器とRZ変調器の2つの光変調器を、1つの素子上に集積したRZ−DQPSK変調器を実現することができる。同様にして、RZ集積−偏波多重QPSK変調器なども実現されている。図2の構成で作製された40Gbit/s RZ−DQPSK変調器の光挿入損失は、6dB程度であり、DQPSK変調器とRZ変調器を別々のLN変調器で構成した場合の光挿入損失11dBに比べて大幅な改善が実現できている。
特開2003−195239号公報 特開2003−121806号公報 特開2009−204753号公報
しかしながら、図2の構造においても光導波路の最小曲げ半径は、曲げ損失を増大させないために2mm程度必要である。従って、U字型の折り返し回路を形成するためには、PLC230は、長さ10mm、幅6mm程度の大きさが必要とされている。一方、LN変調器220は、LN基板からの収率を高めるために、幅3〜4mm程度に抑えることが好ましい。従って、LN変調器220の幅に較べて、PLC230の幅が大きく、光変調器全体の小型化を図れないという問題があった。
また、熱膨張率の違いから、筐体201の底面にLN変調器220は固定されているが、PLC210、230はLN変調器のみに固定され、筐体201の底面からは浮いた状態になっている。このため小さな接着面積で大きなPLCを支える不安定な構造になっており、振動・衝撃に対する耐性が低く、信頼性が低いという問題があった。
さらに、PLC−LN変調器は、低い光挿入損失を実現できるものの、より一層の低損失化を求められていた。
本発明の目的は、小型で低光損失な光導波路の折り返し回路を提供し、素子の小型化・低損失化を実現すると共に、機械的信頼性を高めた光変調器を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ニオブ酸リチウム材料からなるLN変調器と、ガラス材料からなり、前記LN変調器への光信号の入出力のために前記LN変調器と突き合わせ接続された第1及び第2のPLCとを含む光変調器であって、前記第1のPLCの光導波回路は、一方の端面にファイバブロックを介して接続された少なくとも2本のファイバと、他方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路とを接続し、前記第2のPLCの光導波回路は、一方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路どうしを接続する折り返し光導波路であり、該折り返し光導波路は、前記第2のPLC上に実装された半導体光導波回路に形成されていることを特徴とする。
第1の態様において、前記半導体光導波回路に形成された前記折り返し光導波路の一部に、半導体光増幅器(SOA)が形成することができる。また、前記半導体光導波回路に形成された前記折り返し光導波路を、反射型の多モード干渉(MMI)結合器により構成することもできる。さらに、MMI結合器をSOAとして機能するようにしてもよい。
上述したように、本発明によれば、第2のPLC上に、半導体光導波回路を実装し、折り返し光導波路を形成したことにより、小型で低光損失な光導波路の折り返し回路を実現でき、光変調器の小型化を図ることができる。
また、折り返し光導波路の一部に、SOAを形成することにより、光変調器の低損失化を実現することができる。
従来のLN変調器とPLCを組み合わせた光変調器の構成を示す上面図である。 従来の光変調器の他の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる光変調器の構成を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる光変調器の構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる光変調器の構成を示す上面図である。 MMI結合器の動作原理を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態にかかる光変調器の構成を示す上面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる光変調器の構成を示す上面図であり、図4は、側面図である。光変調器300は、位相シフタの部分にニオブ酸リチウム材料からなるLN変調器320を用い、LN変調器320への光信号の入出力には、ガラス材料からなる第1のPLC310及び第2のPLC330を用いる。LN変調器320は、筐体301の凸部301Aに固定されており、第1のPLC310及び第2のPLC330は、LN変調器320の両端に突き合わせ接続されている。従って、LN変調器320は筐体301に固定されているが、第1のPLC310及び第2のPLC330は、筐体301の底面から浮いた状態になっている。
第1のPLC310は、Si基板311上にSiO2系ガラスを主成分とする光導波回路312が形成されている。一方の端面は、ファイバブロック304を介して、第1の光ファイバ302及び第2のファイバ303と接続され、他方の端面は、LN変調器320に接続されている。光導波回路は、これら光ファイバの心線とLN変調器に形成された光導波路とを接続している。
第2のPLC330は、Si基板331上にSiO2系ガラスを主成分とする光導波回路332が形成されている。一方の端面において、光導波回路332のコアとLN変調器320のコアとが突き合わされて接続され、LN変調器320の光導波路どうしを接続している。さらに、Si基板331上の一部を、光導波路のコア層よりも下層まで除去し、他の光素子333を搭載できるようにしている。
このように、Si基板331上に石英系光導波路と、他の光素子とを搭載した素子チップを、PLCプラットフォームという。PLCプラットフォームは、材料の異なる光素子を光学的に結合させることができ、放熱性の良いSi基板上に素子を搭載できること、高周波電気配線をSi基板上に形成することができること、などの理由から半導体レーザ(LD)、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)、フォトダイオード(PD)などの能動素子をPLCと集積化することに適する。
第1の実施形態の光素子333は、半導体光導波回路であり、折り返し光導波路と、折り返し光導波路の一部にSOA334が形成されている。半導体光導波路は、屈折率が3.2程度とSiO2系ガラスの1.4程度に比べて大きく、光を強く閉じ込めることができる。このため、光導波路の曲げ半径を200μm程度まで小さくすることができ、小型の折り返し光導波路を形成することができる。
また、SOA334を備えることによって、光の伝播損失、PLC導波路と半導体光導波路との光結合を容易にするためのスポットサイズ変換器による光損失及び結合損失などを補償することができる。SOAは、光導波路のコアに相当する部分を活性層とし、電流を注入することにより、利得を得ることができる光増幅器である。例えば、InP基板上にInGaAs活性層を備えたSOAが知られている。
例えば、光導波路が半導体埋め込み構造により、スポットサイズ変換付きSOAを構成し、駆動電流を50mA流した時に、利得+10dBを得ることができる。さらに、光変調器300全体にわたる光損失を補償して、ロスレスの光変調器とすることもできる。例えば、PLCとして比屈折率差Δが1.5%の超高Δ導波路を用いると、結合損失は約5dBとなり、2箇所の接続点での光損失は10dB増えるが、SOAで20dBの利得を得ると、光変調器全体でロスレスとなる。LN変調器を用いる際には、通常1ch毎に光損失補償用のチャネルアンプの光増幅器が用いられており、同一の筐体301内にSOAを搭載して、ロスレスの光変調器を構成できることは、システムを構成する上で大きなメリットである。
PLCプラットフォームに搭載する光デバイスがLD、PDの場合には、PLCとの光の結合部が1箇所のみなので、光結合を容易に取ることができる。しかし、SOAなどの透過型の素子は、光の結合部が2箇所あるので、素子の両端面でPLCとの距離を制御する必要があるため、半導体素子の劈開精度により結合損失が増大するという問題があった。しかし、本実施形態によれば、折り返し光導波路を有することによって、光の結合部が2箇所あるものの、光導波回路332と光素子333とを一端面のみで接続できるため、光結合も容易に取ることができる。従って、光導波回路332と光素子333との距離を最短にして結合損失を低減でき、また調心箇所が1箇所で済むため実装コストを安くできるという利点がある。
なお本実施形態では、PLCとLN変調器とを3ピースで結合した、PLC−LN変調器の例を示したが、本効果はこの例に限定されるものではなく、Y分岐がLN変調器側にあってもよいし、第1のPLC310の光導波回路をLN変調器側に形成してもよい。
このようなPLCプラットフォームを用いた光ハイブリッド集積においては、SOAのような半導体素子の信頼性の劣化が懸念されるが、LN変調器は、筐体301を用いて、全体を気密封止することができるので、信頼性も確保されている。
(第2の実施形態)
図5に、本発明の第2の実施形態にかかる光変調器の構成を示す。光変調器400は、位相シフタの部分にLN変調器420を用い、LN変調器420の両端に第1のPLC410及び第2のPLC430が突き合わせ接続されている。第1の実施形態と比較すると、PLCプラットフォーム上の光素子433の構成が異なる。すなわち、第1の実施形態の折り返し光導波路に代えて、反射型の多モード干渉(MMI)結合器435が構成されている。SOAとMMI結合器部分とは、異なる光導波路上に形成されており、それぞれの構成要素を独立して最適化することが可能である。
ここでMMI結合器とは、光導波路に結合され、導波路幅を拡大した領域における干渉を利用して光の合分岐や光路の変更を行なう受動素子である。図6を参照して、MMI結合器の動作原理を説明する。MMI結合器10の入力ポート11から光信号が入力されると、導波路幅を拡大した領域(以下、MMI領域という)において、光の伝搬方向に沿って、屈折率分布の違いにより高次モードが励振され、各モードの伝播定数の違いから干渉が生じる。さらに、光の伝搬方向に沿って、再び結像するSelf-Imaging Effectを利用し、光の合分岐や出力方向の選択をすることができる。
図6(a)に示したMMI結合器10は、2×2MMI結合器である。導波路のコア層の厚さ0.3μm、MMI結合器10のMMI領域の幅12μm、入力光信号の波長1.55μm、導波路の屈折率3.24、導波路側面に屈折率1.0の空気があるハイメサ導波路としたとき、MMI領域の長さに対するクロス出力ポート12およびバー出力ポート13の出力光強度の計算結果を、図6(c)に示す。
光の伝播方向に沿ったMMI領域の長さLの変化に伴い、クロス出力ポート12およびバー出力ポート13の出力光強度は、それぞれ変化する。L=198.5μmにおいて、クロス出力ポート12およびバー出力ポート13の出力光強度が等しくなり、2分岐のMMI結合器となることがわかる。また、L=397μmでは、クロス出力ポート12のみに出力され、入力ポート11から入力された光信号の出力方向が選択されていることがわかる。
図6(a)に示した2×2MMI結合器において、クロス出力ポート12にのみ結合する場合のMMI領域の長さの半分、すなわちL=397/2μmの位置に反射鏡を形成した構造を図6(b)に示す。入力ポート21から入力された光信号は、MMI領域で干渉し、反射鏡23で反射して、再び結像して出力ポート22から出力される。このようなMMI結合器20を用いることで、小型の折り返し導波路を作製することができる。
反射鏡23は、導波路端面をエッチングまたは劈開により形成し、金属反射膜またはHRコーティングを施すことにより作製することができる。また、光導波路は、ハイメサ構造だけではなく、リッジ構造、半導体埋め込み構造でも作製することできる。
(第3の実施形態)
図7に、本発明の第3の実施形態にかかる光変調器の構成を示す。光変調器500は、位相シフタの部分にLN変調器520を用い、LN変調器520の両端に第1のPLC510及び第2のPLC530が突き合わせ接続されている。第1,2の実施形態と比較すると、PLCプラットフォーム上の光素子533の構成が異なる。すなわち、反射型のMMI結合器が半導体光増幅器(SOA)534により構成されている。
MMI領域をSOAとして機能させることにより、光導波路をSOAとして機能させる場合と比べて大きな利得を得ることができる。また、SOAへの電流注入により導波路屈折率を変化させることができるため、MMI結合器の折り返し導波路としての特性を調整することもできる。
100,200,300,400,500 光変調器
101,201,301,401,501 筐体
102,202,302,402,502 第1の光ファイバ
103,203,303,403,503 第2のファイバ
110,210,310,410,510 第1のPLC
120,220,320,420,520 LN変調器
130,230,330,430,530 第2のPLC
304 ファイバブロック
331 Si基板
332 光導波回路
333,433,533 光素子
334,434,534 SOA
435 MMI

Claims (4)

  1. ニオブ酸リチウム材料からなるLN変調器と、ガラス材料からなり、前記LN変調器への光信号の入出力のために前記LN変調器と突き合わせ接続された第1及び第2のPLCとを含む光変調器であって、
    前記第1のPLCの光導波回路は、一方の端面にファイバブロックを介して接続された少なくとも2本のファイバと、他方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路とを接続し、
    前記第2のPLCの光導波回路は、一方の端面に突き合わせ接続された前記LN変調器の光導波路どうしを接続する折り返し光導波路であり、
    該折り返し光導波路は、前記第2のPLC上に実装された半導体光導波回路に形成されていることを特徴とする光変調器。
  2. 前記半導体光導波回路に形成された前記折り返し光導波路の一部に、半導体光増幅器(SOA)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記半導体光導波回路に形成された前記折り返し光導波路は、反射型の多モード干渉(MMI)結合器により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  4. 前記反射型の多モード干渉(MMI)結合器は、半導体光増幅器(SOA)として機能するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の光変調器。
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