JP2004253494A - 通信用光制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の第一の解決課題は、飽和光出力が高く、光システム内で使用するために外部信号により調整可能な安定化された利得を有する半導体光増幅器とその製法を確立することである。本発明の第二の解決課題は、装置構成が簡単で小型、高効率な全光波長変換器を実現することである。
【解決手段】本発明における上記課題を解決する手段は以下の通りである。まず、レーザ共振器構造を含む半導体光増幅器において、レーザ共振器構造と半導体光増幅構造とが共有する光導波路を複数の出力ポートを有する多モード干渉光導波路とすることにより、レーザ発振光と光増幅信号光とを位置的に分離した。また、半導体光増幅器の光信号が通過しないレーザ共振導波路の領域に光学利得または光学損失を外部信号により制御する部位を設け、レーザしきい値利得を変化させることによりレーザ発振光と完全に独立に光増幅率制御を可能とした。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にディジタルデータの伝送に使用可能な集積光デバイスまたは集積光電子デバイスの分野に関する。本発明は特に、その中を通過する信号によって搬送される平均光出力レベルの等化を達成するために、光システム内で使用するための調整可能な安定化利得を有する半導体光増幅器に関する。また、本発明は光レベルでの波長変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の光ファイバによる高速信号の伝送線路では波長多重化された信号が搬送される。通信ネットワーク内には、伝送機能の他に、情報をネットワークの所与の入力点から所与の出力点に移送するためのルーティング機能、構成機能、または再構成機能が存在する。信号はすべて同じ光路をたどるとは限らない。特に、信号は異なる減衰を受けることがある。したがって、光通信システムへの入力において、信号は必ずしもすべて同じ光出力レベルを有するとは限らない。
【0003】
一般に、光通信システムの機能は、入力時の条件、すなわち、特に入力時の信号の光出力レベルに依存する。これは、これらのシステムの出力応答が、入力時の信号の光出力レベルに応じて変化することがあるためである。したがって、本発明の目的は、通信システムへの入力における信号の光出力レベルを等化する機能を有する光システムを製造することである。
【0004】
この実現法として、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier、エルビウムドープファイバ増幅器)と呼ぶエルビウムをドープした光ファイバ増幅器をその飽和定格で使用する手法がある。通信で使用される周波数範囲(100MHzを超える)では、信号がオン状態からオフ状態に移行する時に、増幅器の利得は安定な状態を保つ。その結果、EDFAは信号の平均光出力に反応し、その飽和定格で使用することが可能である。現在、EDFAは、1.55μmの波長付近にあるウィンドウ内での伝送に使用されている。EDFAが飽和定格で動作している時、すなわち、入力信号の搬送波の光出力レベルがこの増幅器の飽和光出力より大きいかそれに等しい時、出力信号の搬送波の光出力は一定である。しかし、このEDFAは、高価であるためチャネル毎にEDFAを使用することは経済的に困難である。また、EDFAは一般に10cmオーダの大きさであり、小型化の面で不利な点がある。
【0005】
コストと小型のサイズというこれらの2つの問題を解決するために、考えられている解決策は、直線定格で動作する以下「SOA」(Semiconductor Optical Amplifier、半導体光増幅器)と呼ぶ半導体光増幅器を使用する形態である。良く知られているように、このSOAの場合は、増幅器の飽和定格で使用すると利得の非直線性により、増幅された信号のオンレベルとオフレベルの間のコントラストが低減してしまう本質的問題がある。したがって、出力信号の波形歪を回避するために直線定格でSOAを使用する必要があるが、この場合、入力信号出力を、飽和出力よりもはるかに低く設定する必要があるため、当初の目的である光出力レベルの等価機能は期待できない。
【0006】
一方、SOAにおける上記課題を克服し、飽和光出力を増大するために、GC−SOA(Gain−Clamped Semiconductor Optical Amplifier、利得クランプ型半導体光増幅器)と呼ぶレーザ発振により利得を安定させた半導体光増幅器が知られている。図1(a)に代表的なGC−SOAの素子断面構造を示す。図示の二種が代表的であるが、まずDBR−LD型は通常のDBR−LDの両端面を無反射コートした構造である。この場合、レーザ発振光と増幅された信号光とが同じ導波路端面から射出されるため、これらの分離のためには波長フィルタが必要となる。また、波長多重通信を考えた場合、レーザ発振光を使用波長帯から大きく外れた波長域に設定する必要がある。これに対し、VCSEL型は従来の導波路型SOAに面発光レーザ共振器を作りこんだ構造である。この場合、レーザ発振光と増幅された信号光の射出方向は90°ずれているため完全な空間分離が実現されている。図1(b)はGC−SOAの動作原理を表わす。図はSOAの活性領域に注入されるキャリア密度と発生する光学利得の関係を表わしている。光学利得はキャリア密度の増大に伴い飽和しながら増大してゆく。SOA導波路内に作りこまれたレーザ共振器がレーザ発振を引き起こすと、光学利得はしきい値利得Gthの値に固定される。レーザ発振器の動作では、レーザのしきい値を超えるキャリアが供給されている限り、キャビティ内の利得は一定である。したがって、増幅器の利得もGthの値に安定化される。また、SOAへ入射される光強度が変化した場合や、別の波長を有する新たな波長信号が入力された場合でも、レーザ発振条件が保たれる限りGthの値を保つ。これが利得クランプの原理である。しかし、DBR−LD型、VCSEL型いずれにおいてもこの利得値Gthは外部からの信号により変化することができないことが、本構造の最大の欠点である。これを解決する手法として、DBR−LD型GC−SOAにおいて、活性領域の電極を分割して注入電流を調整する手法が提案されているが、同時に同じ領域を通過するSOA信号も変調されてしまうため、ダイナミックレンジや制御効率など制御性に問題がある。
【0007】
尚、DBR−LD型、VCSEL型のSOAに関する公知文献として、それぞれ”Clamped gain travelling wave semiconductor optical amplifier for wavelength division multiplexing applications” Doussiere, P.; Jourdan, A.; Soulage, G.; Garabedian, P.; Graver, C.; Fillion, T.; Derouin, E.; Leclerc, D., Semiconductor Laser Conference, 14th IEEE International , 1994, Page: 185 −186、および”A single−chip linear optical amplifier”, Francis, D.A.; DiJaili, S.P.; Walker, J.D., Optical Fiber Communication Conference and Exhibit, 2001. OFC 2001 , Volume: 4 , 2001 Page: PD13 −P1−3 vol.4が揚げられる。また、DBR−LD型GC−SOAの分割電極への注入電流を調整して、利得を変化させる手法の公知文献として特開2000−151028が揚げられる。
【0008】
一方、将来の光ネットワーク構成を考えた場合、ある波長をもつ高速信号光を別の波長に変化する波長変換技術が必要である。容易に考えられるように、OE−3R−EO変換を行なうことでこれは実現できるが、装置構成の複雑化、低コスト化の観点で実用的ではない。このため、光信号のままで波長だけを入れ替える全光波長変換の実現が重要である。従来の全光波長変換技術として、波長可変光源とSOA内に複数存在する光信号間の相互利得変調効果(XGM:Cross Gain Modulation)や相互位相変調効果(XPM:Cross phase Modulation)を用いた構造が提案されているが、波長変換効率や変換光の波形歪などの観点で実用には至っていないのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の解決課題は、飽和光出力が高く、光システム内で使用するために外部信号により利得が調整可能で且つ入力信号や動作条件に対して利得が安定化された半導体光増幅器とその製法を確立することである。
【0010】
本発明の第二の解決課題は、装置構成が簡単で小型、高効率な全光波長変換器を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明における上記課題を解決する手段は以下の通りである。まず、レーザ共振器構造を含む半導体光増幅器において、レーザ共振器構造と半導体光増幅構造とが共有する光導波路を考案した。このレーザ/光増幅器共有導波路構造に複数の出力ポートを有する多モード干渉光導波路を採用することにより、レーザ発振光と光増幅信号光とを位置的に分離可能であることを見出した。また、半導体光増幅器の光信号が通過しないレーザ共振導波路の領域に光学利得または光学損失を外部電気信号により制御する部位を設け、レーザしきい値利得を変化させることによりレーザ発振光と完全に独立に光増幅率制御を可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
初めに、多モード干渉光導波路の採用によるレーザ発振光と光増幅信号光の位置的分離の原理について説明する。図2(a)は、本発明によるGC−SOAの素子上面図である。素子は2×2の入出力ポートを有する多モード干渉導波路(以下MMI)を有する。また、この導波路は電流注入等により光学利得を有する。入出力導波路は受動導波路であり、各ポートを図示のように#1〜#4と呼ぶことにする。MMI長(Lmmi)を適切な値に設定することにより、ポート#1からの入力光のエネルギーの殆ど全てが#4に結像するように、またポート#2からの入力光のエネルギーの殆ど全てが#3に結像するように設計できる。一例として、Lmmi=3N・Lπ(LπはMMIの1次、2次横モード間のビート長、Nは整数)と設定することで上述のポート#1とポート#4の光結合およびポート#2とポート#3の光結合が同時に実現できる。図に示すように、#2および#3には分布反射(DBR)鏡を形成するための回折格子が設けられている。また、#1〜#4全ポートの導波路端面には無反射コーティングが施されている。この素子構成において、活性多モード干渉光導波路に通電等の手段によりレーザ発振を起こすと発振光はポート#2および#3から射出される。この状態で、ポート#1から光信号を入力すると、光利得を得た増幅光はポート#4から出力される。この結果レーザ発振と増幅光は位置的に分離されたことになる。活性多モード干渉光導波路内の光学利得はレーザ発振により、固定化されており、本構造は利得クランプ型の半導体光増幅器の機能を有する。この結果、従来のDBR−LD型利得クランプ型の半導体光増幅器のレーザ発振光、信号光の位置的分離が実現されるが、MMIの作製寸法誤差や動作波長依存性から、僅かながら信号光にレーザ発振光が混入することが考えられる。図2(b)に示す構造はこの解決を図ったもので、増幅された信号光の出力ポートである#4に、DBRレーザと同じ周期の回折格子が形成されている。この、#4ポートの回折格子は、DBRレーザの発振光が#4にわずかに混入した場合、信号除去フィルタとして作用する。#2〜#4ポートの回折格子は同時形成されるため、同一の波長透過特性を有するため、本実施の形態の効用は単にフィルタ回路が内蔵されただけでなく、動作波長とフィルタ波長の合わせ込みが自動的に達成されている点である。
【0013】
続いて、半導体光増幅器の光信号が通過しないレーザ共振導波路の領域に光学利得または光学損失を外部信号により制御する部位を設け、レーザしきい値利得を変化させることにより光増幅率を独立制御する手法について説明する。図3(a)は、図2の構造に増幅利得調整用の制御導波路を設けたGC−SOAの素子上面図である。図示の様に、制御端子はポート#2の導波路中に形成されている。一例として、この制御端子に電圧Vcを印加することにより電界吸収効果により制御導波路の光損失を増大させる。この結果、レーザ発振に必要なしきい値利得を増大させ、結果的に増幅利得は増大する。本構造の最大の特徴は、光増幅信号がこの増幅利得調整用の制御導波路を通過しないことである。このため、わずかな電気信号で広いダイナミックレンジ制御が実現できる。
【0014】
ここでは、電界吸収効果を用いた制御導波路の例を記したが、電流注入によるプラズマ損失の制御を用いても同様の効果が実現できる。また、図3(b)に示すように制御導波路を設けずに、#2、#3のDBR導波路に電流や電圧を印加しても構わない。
<実施の形態2>
図4は図3の具体的な素子構造である。作製法は以下の通りである。まず、(100)n型InP基板101上に有機金属気相成長法を用いてn−InPバッファ層0.5μmを成長した後、n−InGaAsP(組成波長1.15μm)下ガイド層0.05μm、アンドープInGaAsP(組成波長1.56μm)0.05μmおよびアンドープInGaAsP(組成波長1.15μm)上ガイド層0.05μmからなる活性層102、p−InPクラッド層0.2μmを順次成長する。続いて、公知の手法により、後に活性MMI導波路となる領域の活性層102を残して、アンドープInGaAsP(組成波長1.4μm)ガイド層103、p−InPクラッド層0.05μmおよびアンドープInGaAsP(組成波長1.3μm)回折格子層0.05μm104を順次バットジョイント成長する。回折格子層104に干渉露光法により周期235nmの回折格子を公知の手法により形成し、後に分布反射導波路となる領域近傍の回折格子層104を除いて、除去する。その後、p−InPクラッド層105、p−InGaAsキャップ層を順次成長する。続いて、図4に示すような、2×2のMMI導波路106を含む導波路構造に加工した後、高抵抗InP電流阻止層107を導波路の両脇に形成する。ここで。MMI導波路幅Wmmiは7.0μm、MMI導波路長Lmmiは820μmとした。この場合、ビート長Lπは136.6μmであり、Lmmi=3×2×Lπの関係を満たしている。この結果、ポート#1と#4、およびポート#2と#3の導波モードは互いに鏡像を形成する。その後、活性MMIへ電流を印加するための活性MMI電極108、増幅器利得を制御するための利得制御電極109、裏面電極110を形成する。図示の構造に切り出した後、素子の両端面に無反射コーティング膜を形成し素子は完成する。GC−SOAの効果を確かめるために、同一ウェハ上に回折格子構造の無い素子および、MMIでない通常の単一横モード構造を有する従来型SOAを作製し比較評価した。
【0015】
完成した素子の活性MMI電極108に一定電流200mAを流した状態で、TEモード光に対して種々の評価を行なった。出力ポート#2、#3から射出されるレーザ発振光の波長は約1520nmであった。出力ポート#1、#4間のチップ利得の測定は、波長1550nmで行なった。図5はチップ利得の増幅器出力依存性を示す図である。リファレンスとしてDBR反射鏡を持たない、通常SOAと、活性MMI導波路を有するSOAを測定したところ、図5に示すような従来型SOAに特長的な利得曲線が得られた。図から判るように活性MMI導波路を有するSOAの飽和光出力は従来型SOAより高い。この理由は、活性MMI導波路内では、通常の単一横モード構造にくらべモード体積が大きいため、単位体積当たりの光学利得が低減するためであり、本発明の新たな作用である。次に、利得クランプ構造のチップ利得を利得制御端子の電圧Vを変えながら測定を行なった。例えば、V=0Vの場合の利得曲線は、図中のA1−B1−Cとなる。同様にV=−2Vの利得曲線は、図中のA4−B4−Cとなる。図に示すようにVを0V〜−2Vまで変化することにより12dBの利得ダイナミックレンジを得た。また、偏波依存性を測定したところTE−TMモード間の利得差はほぼ±0.5dB以内であることがわかった。これは、活性MMI導波路の光閉じ込め係数がTE−TMモード間でほぼ等しいことに起因している。
<実施の形態3>
図6は、実施の形態2の素子構造を利用して波長変換素子を実現した例である。作製法は以下の通りである。まず、(100)n型InP基板201上に有機金属気相成長法を用いてn−InPバッファ層0.5μmを成長した後、n−InGaAsP(組成波長1.15μm)下ガイド層0.05μm、アンドープInGaAlAs(組成波長1.60μm)6nmを量子井戸層、アンドープInGaAlAs(組成波長1.30μm)8nmを障壁層に持つ10周期の多重量子井戸およびアンドープInGaAsP(組成波長1.15μm)上ガイド層0.05μmの複数層から構成される活性層202、p−InPクラッド層0.2μmを順次成長する。続いて、公知の手法により、後に活性MMI導波路となる領域の活性層202を残して、アンドープInGaAsP(組成波長1.4μm)ガイド層203、p−InPクラッド層0.05μmおよびアンドープInGaAsP(組成波長1.3μm)回折格子層0.05μm204を順次バットジョイント成長する。回折格子層204に干渉露光法により周期242nmの回折格子を公知の手法により形成し、後に分布反射導波路となる領域近傍の回折格子層204を除いて、除去する。その後、p−InPクラッド層205、p−InGaAsキャップ層を順次成長する。続いて、図4に示すような、2×2のMMI導波路206を含む導波路構造に加工した後、高抵抗InP電流阻止層を導波路の両脇に形成する。ここで。MMI導波路幅Wmmiは7.0μm、MMI導波路長Lmmiは410μmとした。この場合、ビート長Lπは136.6μmであり、Lmmi=3×1×Lπの関係を満たしている。この結果、ポート#1と#4、およびポート#2と#3の導波モードは互いに鏡像を形成する。その後、活性MMIへ電流を印加するための活性MMI電極208、増幅器利得を制御するための利得制御電極209、波長可変動作を実現するためのDBR電極212、裏面電極210を形成する。図示の構造に切り出した後、素子の両端面に無反射コーティング膜211を形成し素子は完成した。DBR電極212に通電しない状態でのレーザの発振波長は1562nmであった。
【0016】
波長変換機能を評価するため、ポート#1に10Gbit/sで高速変調された波長1552nmの信号(図7(a))を印加した。ポート#1に結合した平均信号強度は+6dBmである。この状態で、ポート#2から射出されるレーザ発振光強度の時間変化を測定したところ、図7(b)に示すようにレーザの発振波長1562nmの信号光が10Gbit/sで高速変調されており、波長変換動作が達成されていることが判った。しかし、同図(b)に示すように波長変換光のオンレベルとオフレベルの比で表わされる消光比は3dB程度となっている。これは本素子構成では、レーザ部は入力光信号により直接的に強度変調されているが、バイアスに相当する活性MMI電極208へのレーザ電流と変調振幅に相当するポート#1への入力光信号の条件が最適化されていないためである。本発明では、新たに設けた利得制御電極209と活性MMI電極208へのレーザ電流を調整し、適正な値に設定することにより、同図(c)に示すような消光比が高く良好なアイ開口を示した波長変換光の波形を確認することができた。波長変換前後でのビットエラー試験を行なったところエラーペナルティのごく僅かな10Gbit/s変調を確認した。
【0017】
さらに、本発明ではDBR電極212に通電することにより、変換光の波長を波長可変幅内の任意の波長信号に変換することが可能となる。この場合は、Lmmiを410μmに設定した結果、DBRレーザのモードホップ間隔は約0.8nm(約100GHz)となるため、変換波長を所望のグリッド波長に設定することができるため、コンパクトな波長変換素子を実現することが可能となる。本実施の形態では波長可変幅は1562〜1552nmまで約10nmであった。尚、波長可変域に関しては、ス−パーストラクチャー回折格子やサンプルト回折格子を有するいわゆる改良型DBRレーザにより、数10nmの波長域をフル可変することも可能である。
【0018】
また、活性MMI導波路の長さを51μm、102μm、205μm程度にまで短縮するとDBRレーザ部の緩和振動周波数が向上するため、波長変換光の高速性を向上させることができる。この際、DBRレーザの縦モードホップが生じにくくなるため波長可変時のモード安定性も同時に向上することができる。
尚、上記構成では、#3ポートへの入力光の迷光成分を避ける目的で、#2を波長変換光の射出ポートとして用いたが、#3を用いて、適切なフィルタを用いて迷光成分を除去してもよいことは容易に類推できることを付記する。
<実施の形態4>
図8は、実施の形態2の素子構造を利用して光増幅器をモノリシック集積化した高速高感度の受光ダイオードを実現した例である。実施の形態2に示す光増幅器のポート#4に導波路型受光ダイオードがモノリシック集積された素子構造となっており、利得クランプ機構により、毎秒40ギガレベル以上の高速光信号が波形歪なしに増幅される構成である。
【0019】
受光ダイオードの集積に伴い、素子構造に以下の改良を施している。まず、光増幅器と受光ダイオード間の電気的なクロストークを低減する目的で基板には半絶縁の高抵抗InPを用いている。これに伴い、素子表面にp型、n型電極を形成した。また、光増幅器と受光ダイオード間の電気的なクロストークを低減する目的で分離溝315を設けた。
【0020】
素子の作製法は、InGaAs光吸収層316を持つ受光ダイオードを公知の光集積技術を用いてモノリシック化すること以外は実施の形態2に記した工程と同様である。また、ポート#4の受光ダイオード前段に設けた回折格子304は、DBRレーザ部と同時に形成されたものであり、レーザ発振光が受光ダイオードに漏れこむのを防ぐ迷光除去フィルタの役割を果たす。
【0021】
受光特性を評価するため、ポート#1に40Gbit/sで高速変調された波長1552nmの信号を印加し、ビット誤り率の入射信号強度依存性を測定した。図9に光増幅器の集積有無による実験結果の比較を示す。光増幅器集積素子において40Gbit/s時、最低受信感度―20dBmが得られた。これは、増幅器なしに比べ約10dBの改善が得られた。この集積素子を、受信用電気増幅ICと共にパッケージ化し、小型で高感度な光受信モジュールを得た。
【0022】
【発明の効果】
飽和光出力が高く、光システム内で使用するために外部信号により調整可能な安定化された利得を有する半導体光増幅器とその容易な製法が提供される。
【0023】
また、装置構成が簡単で小型、高効率な全光波長変換器とその容易な製法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の利得クランプ型半導体光増幅器の素子構造を表わす。半導体光増幅器の注入キャリアと光学利得の関係を模式的に表わす。
【図2】本発明の光増幅器の素子上面図を表わす。
【図3】本発明の光増幅器の素子上面図を表わす。
【図4】本発明の光増幅器の鳥瞰構造図を表わす。
【図5】本発明の光増幅器の光学利得の増幅器の光出力依存性を表わす。
【図6】本発明の波長変換素子の素子鳥瞰図を表わす。
【図7】本発明の波長変換素子の光出力波形を表わす。
【図8】本発明による受光ダイオードと半導体光増幅器のモノリシック集積素子の鳥瞰構造図を表わす。
【図9】本発明による光受信機の性能を表わす。
【符号の説明】
101…n型InP基板、102…活性層、103…ガイド層、104…回折格子層、105…クラッド層、106…MMI導波路、107…電流阻止層、108…活性MMI電極、109…利得制御電極、110…裏面電極、111…無反射コーティング膜、
201…n型InP基板、202…活性層、203…ガイド層、204…回折格子層、205…クラッド層、206…MMI導波路、207…電流阻止層、208…活性MMI電極、209…利得制御電極、210…裏面電極、211…無反射コーティング膜、212…DBR電極、
301…n型InP基板、302…活性層、303…ガイド層、304…回折格子層、305…クラッド層、306…MMI導波路、307…電流阻止層、308…活性MMI電極、309…利得制御電極、310…裏面電極、311…無反射コーティング膜、313…n型バッファ層、314…受光ダイオード電極、315…分離溝、316…受光ダイオード光吸収層、317…表面n型電極、318…表面n型電極。

Claims (11)

  1. 光学利得を有する同一の光導波路をレーザ共振器構造と半導体光増幅構造とが共有する複合光導波路素子であって、前記レーザおよび光増幅器の光波の伝搬方向は共に半導体基板面内であり、且つ前記レーザと光増幅器それぞれの光信号の入出力端を別々に設けることにより、レーザ発振光、増幅信号光とが空間的に分離されていることを特徴とした通信用光制御装置。
  2. 半導体光増幅器の光信号が通過しないレーザ共振導波路の領域に光学利得または光学損失を外部信号により制御する部位を設け、レーザしきい値利得を変化させることにより光増幅率制御を可能とした請求項1に記載の通信用光制御装置。
  3. 半導体の電気光学効果を用いて外部信号によりレーザ発振光に対する光学損失を制御することを特徴とした請求項2に記載の通信用光制御装置。
  4. レーザ共振器構造と半導体光増幅構造とが共有する光導波路が複数の出力導波路を有する多モード干渉光導波路であることを特徴とした請求項1に記載の通信用光制御装置。
  5. レーザ共振器を構成するレーザ鏡が一対の分布ブラッグ反射(DBR)鏡で構成されることを特徴とした請求項1〜4に記載の通信用光制御装置。
  6. 半導体光増幅構造を構成する導波路の出射部にレーザ発振光を反射除去するための分布ブラッグ反射(DBR)鏡が形成されていることを特徴とした請求項5に記載の通信用光制御装置。
  7. 入力信号の光出力の大小に依存せず、一定の光出力をもつ光信号を供給できる請求項1〜6に記載の光増幅器装置を含む光システムであって、前記増幅装置の増幅率の調整を可能にするために、出力信号の搬送波の光出力に応答して、増幅器の制御入力に作用するように構成された調整手段をさらに含むことを特徴とする通信用光制御装置。
  8. 請求項6に記載の光増幅器装置に入力された光信号のデジタル情報が、DBRレーザ信号に重畳されることを利用した通信用光制御装置。
  9. レーザ共振導波路の領域に光学利得または光学損失を電気的外部信号により制御する部位を設け、レーザしきい値利得を変化させることにより波長変換光の生成波形を最適化することを特徴とした請求項8に記載の通信用光制御装置。
  10. DBRレーザのモードホップ間隔が、約25、50、100GHzのいずれかになるように利得導波路の長さを設定したことを特徴とした請求項8、9に記載の通信用光制御装置。
  11. 反射鏡の回折格子をスーパーストラクチャー回折格子または、サンプルド回折格子としたことを特徴とした請求項8に記載の通信用光制御装置。
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JP2012098472A (ja) * 2010-11-01 2012-05-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光変調器
CN112289884A (zh) * 2020-11-11 2021-01-29 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种激光冗余的光电集成电路

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