JP5323646B2 - ハイブリッド集積光モジュール - Google Patents
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Description
この構成によれば、半導体導波路を有する第1の導波路デバイスの端面が第1の基板の端面から突き出ているので、第1の導波路デバイスの端面と第2の導波路デバイスの端面を接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路と第2の導波路デバイスの導波路とのギャップ調整(Z方向距離の調整)が可能になる。これにより、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1を図1および図2に基づいて説明する。図1は、ハイブリッド集積光モジュール1の基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1は、第1の導波路デバイスとしての半導体導波路デバイス2と、第2の導波路デバイスとしての平面光波回路チップ3とを一体化した光モジュールである。
平面光波回路チップ(以下、「PLCチップ」という。)3は、第2の基板としてのPLC基板6と、PLC基板6上に形成された光導波路7とを備えている。PLC基板6は、シリコンや石英などの基板である。PLCチップ3は、PLC基板6上に光ファイバ製造技術と半導体微細加工技術などを組み合わせて、石英系(シリカ系)やポリマー系の材料で形成された光導波路7を有する。
なお、PLCチップ3に代えて、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)基板に形成したLN導波路からなる光導波路を有するLNチップを第2の導波路デバイスとして用いてもよい。
火炎堆積(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)法により、シリコン基板などのPLC基板6上に、下部クラッド層およびコア層となるシリカ材料(SiO2系のガラス粒子)を堆積し、加熱してガラス膜を溶融透明化する。この後、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングで所望の光導波路を形成し、再びFHD法により上部クラッドを形成する。図1では、PLC基板6上に、下部クラッド層31および上部クラッド層32からなるクラッド層が形成され、このクラッド層内にコア層として光導波路7が形成されている。
また、ハイブリッド集積光モジュール1では、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、UV硬化接着剤8でそれぞれ接着されている。
なお、半導体チップ2として、端面から光が入射する導波路型の半導体受光素子を用いてもよい。この場合、その半導体受光素子の光入射端面(端面2a)がSiベンチ5の端面5aから突き出るようにする。
上記光集積回路モジュール1の製造方法を、図3に基づいて説明する。
(工程1)まず、半導体チップ2およびSiベンチ5を用意する(図3(a)参照)。
(工程3)次に、Siベンチ5およびPLCチップ3のPLC基板6をそれぞれ別のステージ(図示省略)上に固定し、Siベンチ5とPLC基板6をZ方向に相対移動させて、半導体チップ2の端面(PLCチップ3側へ突き出た端面)2aをPLCチップ3の端面3aに接触させる(図3(c)参照)。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
(工程5)次に、半導体チップ2の半導体導波路4(図1参照)とPLCチップ3の光導波路7(図1参照)のアクティブ調芯を行う(図3(e)参照)。
このアクティブ調芯では、半導体導波路4と光導波路7に実際に光を通し、その透過光を受光素子(図示省略)で受光し、透過光の強度が最大になるように、半導体導波路4と光導波路7のX方向(水平方向)およびY方向(垂直方向)の位置合わせを行う。
これにより、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、それぞれUV硬化接着剤8により接着される。こうして、半導体導波路4と光導波路7とが一定の距離(ギャップ)Dだけ離れて結合された状態で、半導体チップ2とPLCチップ3とが一体化したハイブリッド集積光モジュール1が作製される。
(1)半導体導波路4を有する半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4と光導波路7とのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。これにより、半導体チップ2とPLCチップ3とを一体化する際に、そのギャップ調整を、Siベンチ5の端面5aの形状に影響されずに、予め設定された距離Dに精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1を実現することができる。
(3)半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光の、Siベンチ5によるケラレが発生しない。図4は、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから引っ込んでいる従来のハイブリッド集積光モジュールにおいて、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部によりケラレる様子を示している。このようなSiベンチ5によるケラレの発生を、本実施形態により防止することができる。
なお、ここで「ケラレ」とは、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部に遮断されて余分な結合損失を生じる状態を指す。
次に、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Aを図5および図6に基づいて説明する。図5は、ハイブリッド集積光モジュール1Aの基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1Aは、第1の導波路デバイスとしての半導体チップ2Aと、第2の導波路デバイスとしての2つのPLCチップ3A、3Bとを一体化した光モジュールである。
PLCチップ3Aは、第2の基板としてのPLC基板6Aと、PLC基板6A上に形成された光導波路7Aと、を備えている。また、PLCチップ3Bは、第2の基板としてのPLC基板6Bと、PLC基板6B上に形成された光導波路7Bとを備えている。
半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)は、光信号を電気信号に変換せず、直接光の状態で増幅する増幅器である。また、電界吸収(Electro-Absorption:EA)型変調器は、半導体の電界吸収効果を用いたデバイスで、導波路の一端より入射した連続光を、電気信号のオン/オフに対応して透過/吸収させることにより、光のオン/オフ信号に変換することができる。
そして、ハイブリッド集積光モジュール1Aでは、半導体チップ2AとPLCチップ3A、およびSiベンチ5AとPLC基板6Aが、UV硬化接着剤8Aでそれぞれ接着されている。また、半導体チップ2AとPLCチップ3B、およびSiベンチ5AとPLC基板6Bが、UV硬化接着剤8Bでそれぞれ接着されている。
この調整後、上記(工程5)と同様に、半導体チップ2Aの半導体導波路4AとPLCチップ3Aの光導波路7Aのアクティブ調芯、および半導体導波路4AとPLCチップ3Bの光導波路7Bのアクティブ調芯をそれぞれ行う。
こうして、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bがそれぞれ一定の距離Dだけ離れて結合されたハイブリッド集積光モジュール1Aが作製される。
次に、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Bを図7乃至図9に基づいて説明する。
図7はハイブリッド集積光モジュール1Bの基本構成を示す平面図である。図8は図7のA−A線に沿った断面図で、PLCチップ3Cの断面構造を示している。また、図9は図7のB−B線に沿った断面図で、半導体チップ2Bの半導体導波路部分の断面構造を示している。
なお、半導体チップ2Bは、半導体基板17上に形成された要素として、SOA18に代えて電界吸収(EA)型変調器を用いてもよい。
なお、本実施形態では、入力側の半導体導波路19、SOA18、出力側の半導体導波路20をそれぞれハイメサ構造の導波路としたが、折り返し部20aのみをハイメサ構造の導波路とし、折り返し部20aに接続された出力側の半導体導波路20、入力側の半導体導波路19及びSOA18を埋め込み構造の導波路としてもよい。この場合、SOA18の利得特性が向上する。
半導体導波路20は、埋め込み構造やローメサ構造でも良いが、本例のようにハイメサ構造とするのが好ましい。この場合、コア層26と、その両側の空気との屈折率差が、例えば40%以上と非常に大きくなっているため、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。
このような構成により、例えば、光導波路15から出射された光は、入力側の半導体導波路19に入射し、そのコア層26内を伝播し、SOA18の活性層28を通り、半導体導波路20のコア層26を伝播しながらその折り返し部20aで折り返され、半導体導波路20から光導波路16へ出射される。
そして、半導体導波路19のコア層26内を伝播した光が、SOA18の活性層28および半導体導波路20のコア層26を通るように、SOA18と半導体導波路19,20とが半導体基板17上に形成されている。SOA18は、例えば、注入電流をオン/オフさせることで、入射光をオン/オフさせる半導体ゲートとして用いられる。
(1)半導体チップ2Bの端面2dがシリコン基板5Bの端面5dから突き出ているので、端面2dをPLCチップ3Cの端面3eに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路19,20と光導波路15,16とのギャップ調整が可能になる。これにより、そのギャップ調整を、シリコン基板5Bの端面5dの形状に影響されずに、精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1Bを実現することができる。
本実施形態では、半導体基板17上に形成された出力側の半導体導波路20に折返し部20aを設けているので、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。従って、石英系の平面光波回路上で折り返し導波路を作製する場合に比べて、素子(半導体チップ2Bの)のサイズを大幅に小さくすることができ、よりコンパクトなハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
図10は、第4実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Cの概略構成を示している。
このハイブリッド集積光モジュール1Cは、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bにおいて、半導体基板17上に、要素として複数の半導体光増幅器(SOA)をアレイ状に配置している。本実施形態では、一例として4つの半導体光増幅器(SOA)181〜184が半導体基板17上にアレイ状に配置されている。なお、ハイブリッド集積光モジュール1Cは、N個のSOA181〜18Nが半導体基板17上にアレイ状に配置された構成であってもよい。
その他の構成は、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bと同様である。
次に、図1に示すハイブリッド集積光モジュール1にファイバアレイを付加したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dの製造方法を、図11に基づいて説明する。
(工程1)まず、図11(a)〜(c)に示すように、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aからPLC3側へ突き出し量Xだけ突き出るように、半導体チップ2をSiベンチ5上に接合するダイボンディング(ハンダ実装)を行う。
(工程2)上記(工程1)の前後或いはその工程と並行して、PLCチップ3を作製する(図11(d)参照)。
(工程4)その傾斜端面を研磨し、その傾斜端面にファイバアレイ41のフェルール42の傾斜端面を接合する(図11(e)参照)。
この接合を行う前には、PLCチップ3の光導波路(例えば、図1に示す光導波路7)とファイバアレイ41の光ファイバ42との調芯を行う。こうして、図11(e)に示すPLCモジュール43が作製される。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
(工程6)次に、Siベンチ5とPLCモジュール43をZ方向に相対移動させ、半導体チップ2を基準位置から戻す方向へ距離Dだけ移動させて、ギャップ調整を行う(図11(f)参照)。
(工程8)次に、半導体チップ2とPLCチップ3との間、およびSiベンチ5とPLC基板6の間にUV硬化接着剤8を充填し、UV硬化接着剤8にUV光を照射してUV硬化接着剤8を硬化させる(図3(g)参照)。
こうして、半導体チップ2の半導体導波路4とPLCチップ3の光導波路7とが一定の距離Dだけ離れて結合され、半導体チップ2とPLCモジュール43とが一体化したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dが作製される。
2,2A,2B,2C:半導体導波路デバイス(半導体チップ)
3,3A,3B,3C,3D:平面光波回路(PLCチップ)
4,4A,4B,15,16,151〜154,161〜164:半導体導波路
5,5A:シリコン(Si)ベンチ
5B:シリコン基板
6,6A,6B,6C:PLC基板
7:光導波路
8:UV硬化接着剤
Claims (7)
- 半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、
前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されており、
前記第2の導波路デバイスは、前記導波路としての光導波路が第2の基板上に一体的に形成された平面光波回路であり、
前記第1の導波路デバイスは、入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する半導体導波路素子を備え、前記第1の導波路デバイスの両端面が前記第1の基板の両端面からそれぞれ突き出ており、前記第1の導波路デバイスの両端に、それぞれ前記第2の基板上に形成された平面光波回路が光学的に結合されていることを特徴とするハイブリッド集積光モジュール。 - 半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、
前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されており、
前記第1の導波路デバイスは、前記第1の基板上に搭載された半導体基板と、該半導体基板上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する半導体導波路素子とを備え、
前記半導体導波路素子の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路および出力側の半導体導波路がそれぞれ接続されており、
前記入力側および出力側の半導体導波路の一方は、前記半導体基板上で折り返された折り返し部を有し、
前記入力側の半導体導波路の端部および前記出力側の半導体導波路の端部は、前記半導体基板の同じ一端面上に存在し、
前記半導体基板の前記一端面が前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とするハイブリッド集積光モジュール。 - 複数の前記半導体導波路素子がアレイ状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド集積光モジュール。
- 前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイス、および前記第1の基板と前記第2の基板が、UV硬化接着剤でそれぞれ接着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
- 前記半導体導波路素子は半導体光増幅器または電界吸収型変調器であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
- 前記第2の基板の、前記第1の基板と対向する側の端面とは反対側の端面に、前記第2の基板上の前記光導波路と結合した入出力用光ファイバが結合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
- 半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールの製造方法であって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から前記第2の導波路デバイス側へ突き出るように、前記第1の導波路デバイスを前記第1の基板上に実装する工程と、
前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記第1の導波路デバイスの前記第2の導波路デバイス側へ突き出た端面を前記第2の導波路デバイスの端面に接触させる工程と、
前記第1および第2の導波路デバイスの各端面を接触させた位置を基準位置とし、該基準位置から前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路との間の距離の調整を行う工程と、を備えることを特徴とするハイブリッド集積光モジュールの製造方法。
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