JP2004151411A - 光結合装置およびその製造方法、映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コアとクラッドをそれぞれガラス材により構成し、半導体レーザ光に対する欠陥を防止し経時変化の少ない安定した光結合を実現する。
【解決手段】幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコア12と前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッド13とにより光導波路11を構成し、コア12の屈折率を1.60〜1.65とし、クラッド13の屈折率を1.45〜1.55として所定の全反射条件が得られるようにすることで、光の反射、散乱、吸収の少ない特性に優れた光導波路11を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコア12と前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッド13とにより光導波路11を構成し、コア12の屈折率を1.60〜1.65とし、クラッド13の屈折率を1.45〜1.55として所定の全反射条件が得られるようにすることで、光の反射、散乱、吸収の少ない特性に優れた光導波路11を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザや光ファイバ等の光学素子を光学的に接続する光結合装置とその製造方法、映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体レーザと光ファイバを光学的に結合させるための光結合装置は、光導波路を用いて光結合する方法が取られている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】
特開平7−63935号公報(第1頁、図1)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1は、薄膜で導波路を形成するもので、この導波路では受光部のコア断面積を大きくできないことから高出力レーザの導波路としては不向きであった。
【0004】
この発明の目的は、コアとクラッドをそれぞれガラス材により形成し、経時変化の少ない安定した光結合を実現する光結合装置とその製造方法、映像表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、この発明の光結合装置では、互いに異なった構造の光学素子を低損失で光結合させるためのものにあって、少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアと、前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドと、を備え、光の伝播方向と直行する方向の前記コア断面形状を、光の入射部は横長で光の放出部が光ファイバのコア部直径に対して内接または外接する正方形とし、前記クラッドと接する4面がそれぞれ所定のテ−パ形状としたことを特徴とする。
【0006】
また、この発明の光結合装置の製造方法では、コア材と第1のクラッド材を光学研磨面を接合し、前記接合された前記コア材をテーパ状に研磨し、前記研磨された面上に光学的に研磨された第2のクラッド部材を接合し、前記第1および第2のクラッド部材と前記コアとの接合面に直行する方向に所定の間隔で切り出して薄膜化し、前記薄膜の一方の切り出し面を光学研磨し、光学研磨された第3のクラッドを接合し、前記薄膜の他の切り出し面をテーパ状に光学的に研磨し、光学研磨された第4のクラッドを接合したことを特徴とする。
【0007】
この発明の映像表示装置では、それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、前記複数の光結合装置の各出力光を空間変調する複数の空間変調素子と、前記複数の空間変調素子によりそれぞれ空間変調されたR,G,B光を合成する合成手段と、前記合成手段の出力光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の映像表示装置では、それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、前記複数の光結合装置の出力光を1つにまとめ、巨視的に見て白色光となるようにする白色光生成手段と、前記白色光生成手段の出力光を空間変調する空間変調素子と、前記空間変調素子により空間変調された光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明による光結合装置の一実施の形態について説明するための斜視図である。
図1において、11は幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化ざせたガラス材で形成されたコア12とこのコア12の光の伝播方向を除く周囲にガラス材で形成されたスクラッド13とにより構成した光導波路である。コア12の屈折率は1.60〜1.65であり、クラッド3の屈折率は1.45〜1.55であり、所定の臨界角条件を満足させている。
【0010】
また、コア12の半導体レーザ14の光を受光する入射面15の断面形状は、半導体レーザ14の活性層幅が例えば150μm〜500μm、活性層厚が例えば0.1μm〜数μmに近似した長方形で、光を放出する側の出射面16の断面形状は光ファイバ17のコア18の直径が例えば10μm〜30μmに内接する正方形とし、それぞれコア12とクラッド13が接する4面がテ−パ形状を形成する構造となっている。
【0011】
図2は、図1の光導波路の側面図を示すとともに、光導波路11と半導体レーザ14と光ファイバ17の接続関係を示す側断面図である。
図2において、基台21にロウ材等で固定された半導体レーザ14の誘導放出口22と光導波路11のコア12の光入射面15を突き合わせ、さらに光ファイバ17のコア部18と光導波路11の光射出面16を突き合わせることにより、半導体レーザ22からの誘導放出される光エネルギーを反射、散乱、吸収しない効率の良い特性の優れた構造になっている。また、図中の矢印は、光の進行方向を示している。
【0012】
このように、コアがガラス材で形成されているため入射された光の伝播を阻害する欠陥がなく半導体レーザ15から発射されるレーザ光の光エネルギーをロスなく光ファイバ17に伝播することができる。
【0013】
次に、この発明の光導波装置の製造方法について図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は光導波路11の完成品を示し、中央のコア12は屈折率が例えば1.60〜1.65の範囲のガラス材で形成し、また、周囲のクラッド13は、屈折率が例えば1.45〜1.55の範囲の同じガラス材で形成する。そして、コア12とクラッド13のそれぞれが接する4面は、必要とする所定の寸法のテ−パを形成している。光導波路11の入射面31a側が、半導体レーザ14との接続面を示している。テ−パ長さ寸法Lは、入射した光が全反射条件で反射を繰り返し効率良く光射出面に出てくる値とし、例えば20mmとする。
【0014】
まず、図4(a)に示したように、ガラス材のコア部材121とクラッド部材131、例えば屈折率1.45〜1.55のガラス材を所定の寸法に準備し、コア部材121とクラッド部材131の接合面は、予め光学研磨仕上げ加工を施す。この光学研磨面を突き合わせ、2つのガラス材のうち低い方の転移点以下の温度と、圧力300Kg/cm2以上の低温・高圧接合を行う。
【0015】
次に、図4(b)に示したように、コア部材121とクラッド部材131が接合されたブロック41のうち、コア部材121の方を半導体レーザ14の活性層幅WL、例えば150μmと光ファイバ17のコア材18の直径の内接寸法また
【0016】
は、外接寸法Tc、例えば図は内接を示し20μmとなるような、テ−パ寸法に
光学研磨加工で仕上げ面42を形成する。
そして、図4(c)に示すように、同様の屈折率をもつクラッド部材132で、予め接合面を光学研磨した面43を、テ−パ加工したコア部材121の上に突き合わせ、前述した低温・高圧接合をする。さらに、一点鎖線で示した方向に砥石切断機やバンドソー切断機で厚みを例えば2mmに切断し、図5(d)に示すサンドイッチ構造の薄板44を作成する。さらに、図示した切断面51を光学研磨仕上げ加工する。仕上げ除去量は、サンドイッチ構造の薄板44の反りを考慮して0.2mm程度に抑える。
【0017】
そして、図5(e)では、サンドイッチ構造の薄板44と予め準備しておいた同様の屈折率をもつクラッド部材133で、光学研磨仕上げ加工がしてある面52と突き合わせ、同様の低温・高圧接合を実施し、接合ブロック53を得る。
【0018】
さらに、図6(f)に示したように、接合ブロック53のサンドイッチ構造薄板部44を半導体レーザ14の活性層厚TL、例えば5μmと光ファイバ17のコア18の直径の内接寸法もしくは外接寸法Tc、例えば図は内接寸法を示し20μmを構成するテ−パに光学研磨仕上げ加工を行う。
【0019】
最後に、同様の屈折率をもつクラッド部材12dのブロックで1面を光学研磨仕上げ加工した面21を図6(f)で説明した接合ブロック20の光学研磨面とを突き合わせて、同様の低温・高圧接合を実施し、出射面側から見た状態の図1に示した光導波路11を得ることができる。また、端面61,62も両面とも光学研磨仕上げ加工を施す。
【0020】
上記した製造方法では、コア部材とクラッド部材の接合は、それぞれの突合せ面を光学研磨仕上げ加工後、転移点Tg以下の温度と高加圧、例えば300Kg/cm2以上の圧力による低温・高圧接合により、コア部材とクラッド部材間の僅かな熱膨張係数差から発生するガラス材へのクラックの発生を防止でき、さらにコア部材を固体のまま接合するため溶融形成のような気泡、異物等の混入欠陥が生じることなく、半導体レーザの光エネルギーを効率良く伝達できる光結合装置が製作できる。
【0021】
以上、図4〜図6に示す(a)〜(g)の各工程を経て図3に示す光導波路を得ることができる。なお、前述してきた光学研磨とは、加工面粗さがRmax≦λ/10(λ:光の波長)程度の平滑な面を指している。
【0022】
図7は、この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の一実施の形態を概略的に示したものである。
71R,71G,71Bは、R,G,Bの出射光を得る光結合装置である。この例では、各光結合装置71R,71G,71Bは、図2に示した構成を用いている。
すなわち、光結合装置71R,71G,71Bは、それぞれ半導体レーザ14、光導波路11、光ファイバ17を有する。光結合装置71R,71G,71Bは、それぞれR,G,Bの出力光が得られるように光ファイバ17に添加する希土類およびその濃度などが設定されている。
【0023】
各光結合装置71R,71G,71Bから出力されるR,G,B光は、それぞれの光に応じた液晶パネル72R,72G,72Bに入射され空間変調を受ける。空間変調を受けたR,G,B光は、ダイクロイックプリズムなどの合成手段73によって合成され、投射レンズ74に入射する。この入射光は、投射レンズ74によってスクリーン75に映像として表示させる。
【0024】
図8は、この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の他の実施の形態を概略的に示したものである。
光結合装置71R,71G,71Bから出力されるR,G,B光を1つにまとめて巨視的(全体的)に見た場合の白色光を作る。この白色光をカラーフィルタ付の液晶パネル81に入射し、投射レンズ34によってスクリーン75に映像として表示させる。
【0025】
上記したこの発明の各映像表示装置によれば、半導体レーザ光に対する欠陥を防止し経時変化の少ない安定した光結合装置を用いることで量産性に寄与することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光結合装置では、コアをガラス材で形成したことにより入射された光の伝播を阻害する欠陥がなく、光エネルギーロスの少ない伝播の実現が可能となる。
【0027】
また、この発明の光結合装置の製造方法では、低温・高圧接合により、合わせ込みの難しい、ガラス材の熱膨張係数の差を低温接合で回避することができる。さらに、この発明の映像表示装置では、光の反射、散乱、吸収の少ない導波特性に優れた光結合装置を用いることで経時変化の少ない安定した映像表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光結合装置のコア部領域について説明するための斜視図。
【図2】この発明による光結合装置と半導体レーザと光ファイバの関係を示す側面図
【図3】この発明による光結合装置の製造方法による完成品について説明するための斜視図。
【図4】この発明による光結合装置の製造方法の(a)〜(c)の工程について説明するための斜視図。
【図5】この発明による光結合装置の製造方法の(d),(e)の工程について説明するための斜視図。
【図6】この発明による光結合装置の製造方法の(f),(g)の工程について説明するための斜視図。
【図7】この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の一実施の形態について説明するための概略構成図。
【図8】この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の他の実施の形態について説明するための概略構成図。
【符号の説明】
11…光導波路
12…コア
13…クラッド
14…半導体レーザ
17…光ファイバ
71R,71G,71B…光結合装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザや光ファイバ等の光学素子を光学的に接続する光結合装置とその製造方法、映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体レーザと光ファイバを光学的に結合させるための光結合装置は、光導波路を用いて光結合する方法が取られている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】
特開平7−63935号公報(第1頁、図1)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1は、薄膜で導波路を形成するもので、この導波路では受光部のコア断面積を大きくできないことから高出力レーザの導波路としては不向きであった。
【0004】
この発明の目的は、コアとクラッドをそれぞれガラス材により形成し、経時変化の少ない安定した光結合を実現する光結合装置とその製造方法、映像表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、この発明の光結合装置では、互いに異なった構造の光学素子を低損失で光結合させるためのものにあって、少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアと、前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドと、を備え、光の伝播方向と直行する方向の前記コア断面形状を、光の入射部は横長で光の放出部が光ファイバのコア部直径に対して内接または外接する正方形とし、前記クラッドと接する4面がそれぞれ所定のテ−パ形状としたことを特徴とする。
【0006】
また、この発明の光結合装置の製造方法では、コア材と第1のクラッド材を光学研磨面を接合し、前記接合された前記コア材をテーパ状に研磨し、前記研磨された面上に光学的に研磨された第2のクラッド部材を接合し、前記第1および第2のクラッド部材と前記コアとの接合面に直行する方向に所定の間隔で切り出して薄膜化し、前記薄膜の一方の切り出し面を光学研磨し、光学研磨された第3のクラッドを接合し、前記薄膜の他の切り出し面をテーパ状に光学的に研磨し、光学研磨された第4のクラッドを接合したことを特徴とする。
【0007】
この発明の映像表示装置では、それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、前記複数の光結合装置の各出力光を空間変調する複数の空間変調素子と、前記複数の空間変調素子によりそれぞれ空間変調されたR,G,B光を合成する合成手段と、前記合成手段の出力光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の映像表示装置では、それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、前記複数の光結合装置の出力光を1つにまとめ、巨視的に見て白色光となるようにする白色光生成手段と、前記白色光生成手段の出力光を空間変調する空間変調素子と、前記空間変調素子により空間変調された光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明による光結合装置の一実施の形態について説明するための斜視図である。
図1において、11は幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化ざせたガラス材で形成されたコア12とこのコア12の光の伝播方向を除く周囲にガラス材で形成されたスクラッド13とにより構成した光導波路である。コア12の屈折率は1.60〜1.65であり、クラッド3の屈折率は1.45〜1.55であり、所定の臨界角条件を満足させている。
【0010】
また、コア12の半導体レーザ14の光を受光する入射面15の断面形状は、半導体レーザ14の活性層幅が例えば150μm〜500μm、活性層厚が例えば0.1μm〜数μmに近似した長方形で、光を放出する側の出射面16の断面形状は光ファイバ17のコア18の直径が例えば10μm〜30μmに内接する正方形とし、それぞれコア12とクラッド13が接する4面がテ−パ形状を形成する構造となっている。
【0011】
図2は、図1の光導波路の側面図を示すとともに、光導波路11と半導体レーザ14と光ファイバ17の接続関係を示す側断面図である。
図2において、基台21にロウ材等で固定された半導体レーザ14の誘導放出口22と光導波路11のコア12の光入射面15を突き合わせ、さらに光ファイバ17のコア部18と光導波路11の光射出面16を突き合わせることにより、半導体レーザ22からの誘導放出される光エネルギーを反射、散乱、吸収しない効率の良い特性の優れた構造になっている。また、図中の矢印は、光の進行方向を示している。
【0012】
このように、コアがガラス材で形成されているため入射された光の伝播を阻害する欠陥がなく半導体レーザ15から発射されるレーザ光の光エネルギーをロスなく光ファイバ17に伝播することができる。
【0013】
次に、この発明の光導波装置の製造方法について図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は光導波路11の完成品を示し、中央のコア12は屈折率が例えば1.60〜1.65の範囲のガラス材で形成し、また、周囲のクラッド13は、屈折率が例えば1.45〜1.55の範囲の同じガラス材で形成する。そして、コア12とクラッド13のそれぞれが接する4面は、必要とする所定の寸法のテ−パを形成している。光導波路11の入射面31a側が、半導体レーザ14との接続面を示している。テ−パ長さ寸法Lは、入射した光が全反射条件で反射を繰り返し効率良く光射出面に出てくる値とし、例えば20mmとする。
【0014】
まず、図4(a)に示したように、ガラス材のコア部材121とクラッド部材131、例えば屈折率1.45〜1.55のガラス材を所定の寸法に準備し、コア部材121とクラッド部材131の接合面は、予め光学研磨仕上げ加工を施す。この光学研磨面を突き合わせ、2つのガラス材のうち低い方の転移点以下の温度と、圧力300Kg/cm2以上の低温・高圧接合を行う。
【0015】
次に、図4(b)に示したように、コア部材121とクラッド部材131が接合されたブロック41のうち、コア部材121の方を半導体レーザ14の活性層幅WL、例えば150μmと光ファイバ17のコア材18の直径の内接寸法また
【0016】
は、外接寸法Tc、例えば図は内接を示し20μmとなるような、テ−パ寸法に
光学研磨加工で仕上げ面42を形成する。
そして、図4(c)に示すように、同様の屈折率をもつクラッド部材132で、予め接合面を光学研磨した面43を、テ−パ加工したコア部材121の上に突き合わせ、前述した低温・高圧接合をする。さらに、一点鎖線で示した方向に砥石切断機やバンドソー切断機で厚みを例えば2mmに切断し、図5(d)に示すサンドイッチ構造の薄板44を作成する。さらに、図示した切断面51を光学研磨仕上げ加工する。仕上げ除去量は、サンドイッチ構造の薄板44の反りを考慮して0.2mm程度に抑える。
【0017】
そして、図5(e)では、サンドイッチ構造の薄板44と予め準備しておいた同様の屈折率をもつクラッド部材133で、光学研磨仕上げ加工がしてある面52と突き合わせ、同様の低温・高圧接合を実施し、接合ブロック53を得る。
【0018】
さらに、図6(f)に示したように、接合ブロック53のサンドイッチ構造薄板部44を半導体レーザ14の活性層厚TL、例えば5μmと光ファイバ17のコア18の直径の内接寸法もしくは外接寸法Tc、例えば図は内接寸法を示し20μmを構成するテ−パに光学研磨仕上げ加工を行う。
【0019】
最後に、同様の屈折率をもつクラッド部材12dのブロックで1面を光学研磨仕上げ加工した面21を図6(f)で説明した接合ブロック20の光学研磨面とを突き合わせて、同様の低温・高圧接合を実施し、出射面側から見た状態の図1に示した光導波路11を得ることができる。また、端面61,62も両面とも光学研磨仕上げ加工を施す。
【0020】
上記した製造方法では、コア部材とクラッド部材の接合は、それぞれの突合せ面を光学研磨仕上げ加工後、転移点Tg以下の温度と高加圧、例えば300Kg/cm2以上の圧力による低温・高圧接合により、コア部材とクラッド部材間の僅かな熱膨張係数差から発生するガラス材へのクラックの発生を防止でき、さらにコア部材を固体のまま接合するため溶融形成のような気泡、異物等の混入欠陥が生じることなく、半導体レーザの光エネルギーを効率良く伝達できる光結合装置が製作できる。
【0021】
以上、図4〜図6に示す(a)〜(g)の各工程を経て図3に示す光導波路を得ることができる。なお、前述してきた光学研磨とは、加工面粗さがRmax≦λ/10(λ:光の波長)程度の平滑な面を指している。
【0022】
図7は、この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の一実施の形態を概略的に示したものである。
71R,71G,71Bは、R,G,Bの出射光を得る光結合装置である。この例では、各光結合装置71R,71G,71Bは、図2に示した構成を用いている。
すなわち、光結合装置71R,71G,71Bは、それぞれ半導体レーザ14、光導波路11、光ファイバ17を有する。光結合装置71R,71G,71Bは、それぞれR,G,Bの出力光が得られるように光ファイバ17に添加する希土類およびその濃度などが設定されている。
【0023】
各光結合装置71R,71G,71Bから出力されるR,G,B光は、それぞれの光に応じた液晶パネル72R,72G,72Bに入射され空間変調を受ける。空間変調を受けたR,G,B光は、ダイクロイックプリズムなどの合成手段73によって合成され、投射レンズ74に入射する。この入射光は、投射レンズ74によってスクリーン75に映像として表示させる。
【0024】
図8は、この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の他の実施の形態を概略的に示したものである。
光結合装置71R,71G,71Bから出力されるR,G,B光を1つにまとめて巨視的(全体的)に見た場合の白色光を作る。この白色光をカラーフィルタ付の液晶パネル81に入射し、投射レンズ34によってスクリーン75に映像として表示させる。
【0025】
上記したこの発明の各映像表示装置によれば、半導体レーザ光に対する欠陥を防止し経時変化の少ない安定した光結合装置を用いることで量産性に寄与することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光結合装置では、コアをガラス材で形成したことにより入射された光の伝播を阻害する欠陥がなく、光エネルギーロスの少ない伝播の実現が可能となる。
【0027】
また、この発明の光結合装置の製造方法では、低温・高圧接合により、合わせ込みの難しい、ガラス材の熱膨張係数の差を低温接合で回避することができる。さらに、この発明の映像表示装置では、光の反射、散乱、吸収の少ない導波特性に優れた光結合装置を用いることで経時変化の少ない安定した映像表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光結合装置のコア部領域について説明するための斜視図。
【図2】この発明による光結合装置と半導体レーザと光ファイバの関係を示す側面図
【図3】この発明による光結合装置の製造方法による完成品について説明するための斜視図。
【図4】この発明による光結合装置の製造方法の(a)〜(c)の工程について説明するための斜視図。
【図5】この発明による光結合装置の製造方法の(d),(e)の工程について説明するための斜視図。
【図6】この発明による光結合装置の製造方法の(f),(g)の工程について説明するための斜視図。
【図7】この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の一実施の形態について説明するための概略構成図。
【図8】この発明の光結合装置を用いた映像表示装置の他の実施の形態について説明するための概略構成図。
【符号の説明】
11…光導波路
12…コア
13…クラッド
14…半導体レーザ
17…光ファイバ
71R,71G,71B…光結合装置
Claims (6)
- 互いに異なった構造の光ファイバを低損失で光結合させるための光結合装置において、
少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアと、前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドと、を備え、
光の伝播方向と直行する方向の前記コア断面形状を、光の入射部は横長で光の放出部が光ファイバのコア部直径に対して内接または外接する正方形とし、前記クラッドと接する4面をそれぞれ所定のテ−パ形状としたことを特徴とする光結合装置。 - 前記コアと前記クラッドとが相互に接する4面は、それぞれのガラス材の有する転移点温度以下とし、所定値以上の圧力で接合した条件としたことを特徴とする請求項1記載の光結合装置。
- 前記コアの屈折率範囲は1.60〜1.65、前記クラッドの屈折率範囲は1.45〜1.55の組み合せで構成したことを特徴とする請求項1記載の光結合装置。
- コア材と第1のクラッド材の光学研磨面同士を接合し、
前記接合された前記コア材をテーパ状に研磨し、
前記研磨された面上に光学的に研磨された第2のクラッド部材を接合し、
前記第1および第2のクラッド部材と前記コアとの接合面に直行する方向に所定の間隔で切り出して薄膜化し、
前記薄膜の一方の切り出し面を光学研磨し、光学研磨された第3のクラッドを接合し、
前記薄膜の他の切り出し面をテーパ状に光学的に研磨し、光学研磨された第4のクラッドを接合したことを特徴とする光結合装置の製造方法。 - それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、
前記複数の光結合装置の各出力光を空間変調する複数の空間変調素子と、
前記複数の空間変調素子によりそれぞれ空間変調されたR,G,B光を合成する合成手段と、
前記合成手段の出力光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、
前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする映像表示装置。 - それぞれR,G,Bを出力する複数の光結合装置と、
前記複数の光結合装置の出力光を1つにまとめ、巨視的に見て白色光となるようにする白色光生成手段と、
前記白色光生成手段の出力光を空間変調する空間変調素子と、
前記空間変調素子により空間変調された光を所定の位置に結像させる光学素子と、を具備し、
前記複数の光結合装置のそれぞれは、発生したレーザ光を反射する反射面および出射面を有する半導体レーザと、該半導体レーザの出射面に対向する位置に配された少なくとも幅もしくは厚さを光の伝播方向に徐々に変化させたガラス材で形成されたコアおよび該前記コアを取り囲むようにガラス材で形成されたクラッドから構成された光導波路とにより構成したことを特徴とする映像表示装置。
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- 2002-10-31 JP JP2002317062A patent/JP2004151411A/ja active Pending
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