JP2002189109A - クロスダイクロイックプリズムならびにその製造方法 - Google Patents

クロスダイクロイックプリズムならびにその製造方法

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JP2002189109A
JP2002189109A JP2000346371A JP2000346371A JP2002189109A JP 2002189109 A JP2002189109 A JP 2002189109A JP 2000346371 A JP2000346371 A JP 2000346371A JP 2000346371 A JP2000346371 A JP 2000346371A JP 2002189109 A JP2002189109 A JP 2002189109A
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dichroic
dichroic film
film
light reflecting
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Takuya Shinpo
卓也 新保
Masaaki Sato
正聡 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内部の接着剤層の劣化が生じないようなクロス
ダイクロイックプリズムならびにその作製方法を提供す
る。 【解決手段】略X字状に交差する第1ダイクロイック膜
と第2のダイクロイック膜とを有するクロスダイクロイ
ックプリズムであって、直交する四角形状の側面を備え
た直角二等辺三角柱プリズムであり、前記各側面で互い
に接合された4つの直角二等辺三角柱プリズムと、前記
プリズムの側面に沿って略X字状に交差するように形成
された前記第1ダイクロイック膜と前記第2ダイクロイ
ック膜とを備え、前記ダイクロイック膜のうち相対的に
膜厚が小さい方のダイクロイック膜は、前記交差位置に
おいて分割されることなく連続して形成されていること
を特徴とするクロスダイクロイックプリズム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルカラー投射型
表示装置において、複数の液晶ライトバルブを射出した
変調光の色合成光学系として使用するクロスダイクロイ
ックプリズムならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記クロスダイクロイックプリズムの製
造方法として特開平10−311907、特開平11−
352440及び特開平11−84114公報記載の方
法が知られている。これら公開公報に記載の方法を簡単
に説明する。
【0003】クロスダイクロイックプリズムは断面形状
が略一致した直角二等辺三角形状プリズム4個を所定の
側面にダイクロイック膜を形成し、直角部を合わせる構
成にて接着剤を用いて接合した複合プリズムであり、内
部に配置されたダイクロイック膜は、互いに直交してX
型を形成する。
【0004】作製方法は前記公報によれば、以下の工程
からなる。まず、前記の4つのプリズムのうち、第1プ
リズムと第2プリズムからなる第1接合部材、第3プリ
ズムと第4プリズムとからなる第2接合部材をまず形成
する第1工程。この工程は、第1プリズムと第3プリズ
ムの一側面に第1のダイクロイック膜であるB(青)光
反射特性を有するダイクロイック膜をまず形成し、第1
(3)プリズムのB光反射第1ダイクロイック膜形成側
面と第2(4)プリズムの一側面とを、直角部を合わせ
る構成にて、且つ、接着しない側面とが平面になるよう
に接着する工程からなる。なお、この工程は前記の各プ
リズムの略2倍の断面形状を有するプリズムを前もって
用意し、当該プリズムの一つの直角頂角と対応する斜面
に前記第1のダイクロイック膜を形成し、当該ダイクロ
イック面と他のプリズムの斜面とを接着剤にて接合して
接合プリズムを作製する。そして、この接合プリズムを
前記第1ダイクロイック膜を垂直2等分する断面にて切
断する事により第1接合部材ならびに第2接合部材を作
製する方法であってもよい。
【0005】次に、前記2つの接合部材の、前記平面部
を再度均一平面になるように光学研磨する第2工程。光
学研磨を施された2つの接合部材の一方の平面全面に第
2のダイクロイック膜であるR(赤)光反射ダイクロイ
ック膜を形成する第3工程。
【0006】前記2つの接合部材の平面同士を、前記第
1のダイクロイック膜が均一平面になるように接着剤に
て接合することにより第4工程からなる。
【0007】
【発明が解決すべき課題】しかし、上記の作製方法によ
るクロスダイクロイックプリズムには光学特性が向上し
ない問題や、機械的にプリズムを接着している接着剤の
性能劣化による付着力低下、光の吸収等の問題があっ
た。本発明者等は、上記クロスダイクロイックプリズム
の作製法を研究し、上記問題が前記第3工程において発
生していることを見いだした。
【0008】すなわち、前記第3工程は、前述のように
接着剤にてB光反射ダイクロイック膜を有するプリズム
を他のプリズムと接着一体化された接合プリズム部材に
たいして、R光反射ダイクロイック膜を真空蒸着等の物
理蒸着にて製膜する工程であるが、当該工程の際には、
前述の様に内部に接着剤層を有することから、低温蒸着
法を採用するが、物理的な輻射熱の作用を受け、蒸着を
行うに従って温度が上昇し、内部の接着剤層が劣化して
しまうことを見いだしたのである。
【0009】本発明は、これら問題を解決すべくなされ
たものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に第一の手段として、略X字状に交差する第1ダイクロ
イック膜と第2のダイクロイック膜とを有するクロスダ
イクロイックプリズムであって、直交する四角形状の側
面を備えた直角二等辺三角柱プリズムであり、前記各側
面で互いに接合された4つの直角二等辺三角柱プリズム
と、前記プリズムの側面に沿って略X字状に交差するよ
うに形成された前記第1ダイクロイック膜と前記第2ダ
イクロイック膜とを備え、前記ダイクロイック膜のうち
相対的に膜厚が小さい方のダイクロイック膜は、前記交
差位置において分割されることなく連続して形成されて
いることを特徴とするクロスダイクロイックプリズム
(請求項1)を提供する。
【0011】前記課題を解決するために第二の手段とし
て、略X字状に交差する2種類のダイクロイック膜を有
するクロスダイクロイックプリズムであって、直交する
四角形状の側面を備えた直角二等辺三角柱プリズムであ
り、前記各側面で互いに接合された4つの直角二等辺三
角柱プリズムと、前記プリズムの側面に沿って略X字状
に交差するように形成された前記2種類のダイクロイッ
ク膜とを備え、前記2種類のダイクロイック膜は、R
(赤色)光反射ダイクロイック膜とB(青色)光反射ダ
イクロイック膜とであり、前記B(青色)光反射ダイク
ロイック膜が、前記交差位置において分割されることな
く連続して形成されていることを特徴とするクロスダイ
クロイックプリズム(請求項2)を提供する。
【0012】前記課題を解決するために第三の手段とし
て、4つの直角二等辺三角柱プリズムが互いの側面で接
合されることによって形成されるクロスダイクロイック
プリズムの製造方法であって、直交する四角形状の側面
を備えた直角二等辺三角柱プリズムを4つ用意し、前記
4つの直角二等辺三角柱プリズムのうち2つの直角三角
柱プリズムについて、その各プリズムの一方の側面にR
(赤色)光反射ダイクロイック膜を形成する工程と、他
の残りの2つの直角二等辺三角柱プリズムの側面と、前
記2つの直角二等辺三角柱プリズムのR(赤色)光反射
ダイクロイック膜形成面とをそれぞれ接着剤を介して接
合して2組のプリズム対を作製する工程と、前記2組の
プリズム対の直角部に相対する斜面をそれぞれ光学研磨
する工程と、前記2組のプリズム対の一方のプリズム対
の光学研磨面にB(青色)光反射ダイクロイック膜を形
成する工程と、前記一方のプリズム対のB光反射ダイク
ロイック膜形成面と前記他方のプリズム対の研磨面とを
接着剤にて接合する工程と、を有するクロスダイクロイ
ックプリズムの製造方法(請求項3)を提供する。
【0013】前記課題を解決するために第四の手段とし
て、2つの直角二等辺三角柱プリズムを用意し、一方の
直角二等辺三角柱プリズムの直角と相対する斜面にR
(赤色)光反射ダイクロイック膜を形成する工程と、前
記R(赤色)光反射ダイクロイック膜形成斜面と他方の
直角二等辺三角柱プリズムの直角と相対する斜面とを接
着剤にて接合する工程と、前記接合プリズムをR(赤
色)光反射ダイクロイック膜を垂直二等分するように切
断して2組のプリズム対を作製する工程と、前記2組の
プリズム対の切断面を光学研磨する工程と、前記2組の
プリズム対のうち一方のプリズム対の光学研磨面にB
(青色)光反射ダイクロイック膜を形成する工程と、前
記一方のプリズム対のB(青色)光反射ダイクロイック
膜形成面と他方のプリズム対の研磨面とを接着剤にて接
合する工程と、を有するクロスダイクロイックプリズム
の製造方法(請求項4)を提供する。
【0014】前記課題を解決するために第五の手段とし
て、略X字状に交差する2種類のダイクロイック膜を有
するクロスダイクロイックプリズムの製造方法であっ
て、2つの直角二等辺三角柱プリズムを用意し、一方の
直角二等辺三角柱プリズムの直角と相対する斜面に前記
2種類のダイクロイック膜のうち相対的に膜厚が大きい
一方のダイクロイック膜を形成する工程と、前記一方の
ダイクロイック膜形成斜面と他方のプリズムの直角と相
対する斜面とを接着剤にて接合する工程と、前記接合プ
リズムをダイクロイック膜を垂直二等分するように切断
して2つのプリズム対を形成する工程と、前記2組のプ
リズム対の切断面をそれぞれ光学研磨する工程と、前記
2組のプリズム対のうち一方のプリズム対の光学研磨面
に他方のダイクロイック膜を形成する工程と、前記一方
のプリズム対の他方ダイクロイック膜形成面と他方のプ
リズム対の研磨面とを接着剤にて接合する工程と、を有
するクロスダイクロイックプリズムの製造方法(請求項
5)を提供する。
【0015】前記課題を解決するための第六の手段とし
て、請求項1又は2記載のクロスダイクロイックプリズ
ムを備えた投射型表示装置(請求項6)を提供する。前
記課題を解決するための第七の手段として、請求項3〜
5のいずれか記載のクロスダイクロイックプリズムの製
造方法を用いて製造されたクロスダイクロイックプリズ
ムを備えた投射型表示装置(請求項7)を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】(ダイクロイックプリズム製造方
法の第1の実施の形態)本発明の実施形態を工程毎に図
1〜図9を用いて説明する。 (第1工程)断面形状が略同じの直角二等辺三角形状プ
リズム4個(101〜104)を用意する。このうちの
2個(101,102)は略同じ長さであり、他の2個
(103,104)の略同じ長さのそれに比して長さを
長くしておく。そして、個々のプリズムの直角をなす頂
角を挟む2側面は精度よく直角をなすように作製し、こ
れら側面ならびに頂角と相対する斜面とは精度よく光学
研磨を施しておく。
【0017】(第2工程)前工程による4個のプリズム
のうち長いプリズム1個(101、102)と短いプリ
ズム1個(103,104)とを対とし、それぞれ2つ
のプリズム対(101と103、102と104)を形
成する。前記長いプリズム(101、102)の直角を
挟む側面の一つにR(赤)光反射、B(青)光並びにG
(緑)光透過特性を有するダイクロイック膜(111R
−1ならびに111R−2)を物理蒸着法にて形成する
(図2)。このダイクロイック膜形成の場合に、ダイク
ロイック膜が他の側面の一部に回り込んで形成されてし
まってもかまわない。
【0018】ここで、ダイクロイック膜111R−1
(111R−2)について言及する。本実施形態におけ
るR光反射ダイクロイック膜111R−1(111R−
2)の膜構成を表1に示す。
【0019】長いプリズム(101、102)の直角を
挟む一方の側面上に低屈折率膜としてSiO2(屈折率
1.45)、高屈折率膜としてTa25(屈折率2.1
5)を表1に示す構成にて合計総数25層を積層する。
【0020】25層全体の物理的な膜厚は、2982n
mである。このダイクロイック膜に対して45度で入射
した場合のS偏光における反射率特性を図3に示す。縦
軸は、反射率(パーセント)、横軸は波長(nm)を示
す。
【0021】この特性図からR光波長領域(580nm
〜700nm)において高反射率特性を有し、B光、G
光波長領域(400nm〜580nm)においては、高
透過率を有していることが理解できる。
【0022】
【表1】
【0023】図4は前記2つのプリズム対を基準面40
1−1を有する接合用治具(401)上に配置し、接合
する様子を示している。前記プリズム101(102)
のR光反射ダイクロイック膜を形成しない頂角を挟む側
面を基準面401−1上に配置、他方のプリズム103
(104)の頂角を挟む一側面を同様に基準面401−
1上に配置、互いに相対する側面同士を光学用接着剤に
て接合する。なお、基準面401−1には溝部401−
2が形成されており、前記両部材の接合部が当該溝部に
合致するような形態にて接合される。接着剤が垂れるこ
とがあっても当該溝部に垂れて基準面の保護と接合の不
具合を防ぐためである。さらに、前記接合の際には、長
さ方向の両側にて、長さの長いプリズム部材(101、
102)が、短いプリズム(103、104)の両側に
一部はみ出して接合することが必要である。この工程に
よって作製された接合部材106(105)の斜視図を
図5に示す。この接合部材は、断面形状が前記プリズム
部材の2倍の大きさの直角二等辺三角形形状を有し、頂
角は同様に直角であり、その頂角を二等分する構成にて
前記R光反射ダイクロイック膜が内部に配置され、同膜
は頂角と相対する斜面に垂直な面を構成する。なお、本
工程における接着剤は被接合部材たるプリズム部材が光
学用の透明ガラス部材であるがために紫外線硬化型接着
剤を使用するのがよい。硬化時間が他のものに比して早
いがためである。
【0024】(第4工程)前記工程によって接合された
2つの接合部材106,105の頂角と相対する斜面を
光学再研磨する。これは、前工程において、2つの接合
部材を作製する際に生じた当該接合部材の頂角と相対す
る斜面の平面性の不具合を直し、平面性を確保するため
におこなうものである。不具合は、プリズム101(1
02)の側面に形成するダイクロイック膜を形成する際
に、当該ダイクロイック膜形成面と頂角を挟んで構成さ
れる他の側面上に回り込んで形成されるダイクロイック
膜によって、基準面に配置される図4の工程によって
も、当該回り込んだ膜のために接合部材の頂角と相対す
る斜面の平面性が確保されないことによる。
【0025】(第5工程)前工程の研磨によって平面性
が確保された2つの接合部材のうち1つの接合部材10
6の頂角と相対する斜面全面にB光反射、R光ならびに
G光透過特性を有するダイクロイック膜111Bを形成
する。これによってR光反射ダイクロイック膜の平面性
が担保される。
【0026】ここで、B光反射ダイクロイック膜111
Bについて、さらに言及する。B光反射ダイクロイック
膜111Bの膜構成を表2に示す。接合部材106の頂
角と相対する斜面全面上に、低屈折率膜としてSiO2
(屈折率1.45)、高屈折率膜としてTa25(屈折
率2.15)を表2に示す構成にて合計総数25層を積
層する。
【0027】25層全体の物理的な膜厚は、1831n
mである。このダイクロイック膜に対して45度で入射
した場合のS偏光における反射率特性を図6に示す。縦
軸は、反射率(パーセント)、横軸は波長(nm)を示
す。
【0028】この特性図からB光波長領域(400nm
〜510nm)において高反射率特性を有し、G光、R
光波長領域(510nm〜700nm)においては、高
透過率を有していることが理解できる。
【0029】
【表2】
【0030】本工程におけるダイクロイック膜はR光反
射ダイクロイック膜と、紫外線硬化接着剤とから構成さ
れる接着剤層を有する接合プリズムに対して上記B光反
射ダイクロイック膜を物理蒸着にて蒸着し形成する必要
がある。接着剤層は有機材料から構成されており高温に
曝されることはできないことから、当該膜構成は低温蒸
着の方法にて形成する必要がある。しかし、蒸着の際に
は、電子銃等からの輻射熱等によって蒸着するに従って
徐々に温度が上昇することが知られている。前記の従来
法においては、第2工程において本実施形態とは異な
り、B光反射ダイクロイック膜を、重要な第5工程にお
いてはR光反射ダイクロイック膜を形成したが、本実施
形態のB光反射ダイクロイック膜の膜厚(1831n
m)と比して膜厚(2982nm)が約1.6倍厚くな
ることが理解できる。すなわち、その分蒸着に係る時間
が長くなることにより、プリズムの温度が上昇すること
になり、プリズム中の接着剤層がそのために劣化するの
である。本実施形態では、上記のようにB光反射ダイク
ロイック膜を第5工程で形成することから、膜厚が薄く
なり、その分蒸着時間が短くすむという効果があり、温
度の上昇を最小限に抑えることができ、プリズム中の有
機材料膜である接着剤層を劣化させることもない。
【0031】(第6工程)前工程による接合部材106
の前記B光反射ダイクロイック膜111Bを形成した斜
面と接合部材105の斜面とを接着剤にて接着する。こ
の際に、前記2つの接合部材作製時に長い方のプリズム
の端をはみ出した構成にて接合部材を作製したそのはみ
出し部のR光反射ダイクロイック膜形成部を、平面性よ
く前もって作製された基準面202−1ならびに202
−2を有する第2接合治具202(図7)の上記基準面
に倣って配置する。図7に示すように、第2接合治具の
基準面202−1と202−2の間隔は接合部材の長い
方のプリズム部材の長さより短く、短いプリズム部材の
それより長くなっている。このために、前記2つの接合
部材はそのはみ出し部のR光反射ダイクロイック膜形成
部は基準面202−1ならびに202−2上に当該面に
倣った構成にて第2接合治具上に配置できる。
【0032】この状態を確保しつつ、互いに相対する接
合部材106のB光反射ダイクロイック膜形成面と接合
部材105の斜面平面部とを接着剤にて接合する。な
お、基準面202−1,202−2には図示のように溝
部(202−3、202−4(図示せず))が形成され
ており、前記接合部を当該溝部に合致させることによ
り、接着剤が垂れることがあっても基準面を損なうこと
はない。
【0033】図8に本実施形態において作製されたクロ
スダイクロイックプリズムの斜視図を、図1にその断面
構成図を示す。図1に示すように、B光反射ダイクロイ
ック膜が途中で分割されることなく連続して形成され、
さらに、R光反射ダイクロイック膜とは互いに直交して
略X字型に形成される。
【0034】そして、前実施形態と同様にB光反射ダイ
クロイック膜はR光反射ダイクロイック膜より膜厚が薄
く作製できることから、膜形成時の温度上昇を抑えるこ
とができ、内部に有する有機接着剤層を劣化させること
がない、透明度の良好なクロスダイクロイックプリズム
を提供することができる。
【0035】(ダイクロイックプリズム製造方法の第2
の実施形態) (第1工程)断面形状が略同じの直角2等辺三角柱であ
って長さが異なるプリズム201とプリズム202を用
意し(長さはプリズム201の方が長いとする)、両部
材とも側面、斜面を光学研磨しておく。 (第2工程)前記工程において用意されたプリズム20
1の斜面に前実施形態の第2工程と同じR光反射ダイク
ロイック膜211Rを形成する。 (第3工程)前工程によるプリズム201のR光反射ダ
イクロイック膜211R形成面と、プリズム202の斜
面とを、プリズム201の長さ方向の両側がはみ出るよ
うに接着剤にて接着する(図10参)。 (第3工程)前工程により接着されたプリズムを前記R
光反射ダイクロイック膜211R膜に対して垂直な面S
(図11参)にて、当該膜の略中央部通過するように切
断し、プリズム対203A、203Bを作製する(図1
2参)。さらに、この切断作製されたプリズム対の両切
断面Sを光学研磨する。 (第4工程)前記実施形態の第5工程と同じB光反射ダ
イクロイック膜をプリズム対の一方の前記光学研磨され
たS面に形成する。 (第5工程)プリズム対の前工程によるB光反射ダイク
ロイック膜形成面と、他方のプリズムの第3工程による
光学研磨面とを図7に示す方法により接着する。
【0036】こうして作製されたクロスダイクロイック
プリズムの断面形状は図1にしめすものと同様であっ
て、B光反射ダイクロイック膜が途中で分割されること
なく連続して形成され、さらに、R光反射ダイクロイッ
ク膜とは互いに直交して略X字型に形成される。
【0037】そして、前実施形態と同様にB光反射ダイ
クロイック膜はR光反射ダイクロイック膜より膜厚が薄
く作製できることから、膜形成時の温度上昇を抑えるこ
とができ、内部に有する有機接着剤層を劣化させること
がない、透明度の良好なクロスダイクロイックプリズム
を提供することができる。
【0038】(投射型表示装置の実施形態)図9に前実
施形態によるクロスダイクロイックプリズムを色合成光
学系に搭載した投射型表示装置の実施形態を記載する。
ランプと凹面鏡とから構成される光源301から射出さ
れた光源光はR光とG光反射ダイクロイックミラー30
3とB光反射ダイクロイックミラー302とをX型に配
置したクロスダイクロイックミラーに入射され、互いに
入射光軸に垂直であって反対方向に進行するR,G光
と、B光とに色分解される。B光は折り曲げミラー30
5によって反射され、進行方向を変えて偏光ビームスプ
リッタ307Bに入射される。前記R,G光は折り曲げ
ミラー304によって進行方向を変えて進行し、光軸上
に配置されたG光反射ダイクロイックミラー306に入
射され、そのまま進行するR光と、反射されて直角に進
行方向を変えて進行するG光とに色分解される。色分解
されたR,G,B光はそれぞれ各色光毎に配置された偏
光ビームスプリッタ307R,307G,307Bに入
射されて偏光分離作用を受け、偏光分離部によって反射
されたS偏光光は各偏光ビームスプリッタの射出面近傍
に配置された反射型ライトバルブ308R,308G,
308Bにそれぞれ入射される。
【0039】各ライトバルブの色信号によって変調され
た変調光を含む反射射出光は、各色光毎に配置された偏
光ビームスプリッタに入射され、変調光のみを透過光と
して検光し、R光、B光はぞれぞれλ/2板113R、
同113Bを経てS偏光に変換され、当該各色検光光を
本発明の製造方法の実施形態にて作製したクロスダイク
ロイックプリズムに入射させ、色合成を達成させて投射
レンズ310にて図示しないスクリーン上にフルカラー
を投射する。本実施形態における投射型表示装置におい
ては、クロスダイクロイックプリズム中に形成されたR
光反射ダイクロイック膜とB光反射ダイクロイック膜の
平面性が確保されている上に、内部に有する接着剤層の
劣化がないことから、当該接着剤層による光吸収がな
く、高輝度投射像が投射できることの他に、投射像にお
いて像ずれの発生はなく良好な投射像を得ることができ
る。
【0040】なお、本発明に係るクロスダイクロイック
プリズムを色合成光学系に使用する投射型表示装置は上
記の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置に限
定されるものではなく、例えば複数の透過型ライトバル
ブを射出した変調光の色合成手段として用いることによ
って同様な効果を奏する投射型表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイクロイック膜の断面構造を示
す構成図。
【図2】ダイクロイックプリズム作製法にかか第1なら
びに第2工程のプリズム部材を示す図。
【図3】R光反射ダイクロイック膜の光学特性を示す
図。
【図4】R光反射ダイクロイック膜を内部に有する2つ
のプリズム対を作製する方法を説明する図。
【図5】R光反射ダイクロイック膜を有する2つのプリ
ズム対の斜視構成図。
【図6】B光反射ダイクロイック膜の光学特性を示す
図。
【図7】2つのプリズム対を接着してクロスダイクロイ
ックプリズムを作製する方法を説明する図。
【図8】作製したクロスダイクロイックプリズムの斜視
図。
【図9】本発明に係るクロスダイクロイックプリズムを
色合成に使用する投射型表示装置の構成図。
【図10】第2の実施形態の第2工程を説明する図。
【図11】第2の実施形態の第3工程における切断面を
説明する図。
【図12】第2の実施形態における切断されたプリズム
対を説明する図。
【符号の説明】
101、102、103、104・・・クロスダイクロ
イックプリズムを構成するプリズム部材 106、105・・・プリズム対 111B・・・B光反射ダイクロイック膜 111R−1、111R−2・・・R光反射ダイクロイ
ック膜 113R、113B・・・λ/2板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略X字状に交差する第1ダイクロイック膜
    と第2のダイクロイック膜とを有するクロスダイクロイ
    ックプリズムであって、 直交する四角形状の側面を備えた直角二等辺三角柱プリ
    ズムであり、前記各側面で互いに接合された4つの直角
    二等辺三角柱プリズムと、前記プリズムの側面に沿って
    略X字状に交差するように形成された前記第1ダイクロ
    イック膜と前記第2ダイクロイック膜とを備え、 前記ダイクロイック膜のうち相対的に膜厚が小さい方の
    ダイクロイック膜は、前記交差位置において分割される
    ことなく連続して形成されていることを特徴とするクロ
    スダイクロイックプリズム。
  2. 【請求項2】略X字状に交差する2種類のダイクロイッ
    ク膜を有するクロスダイクロイックプリズムであって、 直交する四角形状の側面を備えた直角二等辺三角柱プリ
    ズムであり、前記各側面で互いに接合された4つの直角
    二等辺三角柱プリズムと、前記プリズムの側面に沿って
    略X字状に交差するように形成された前記2種類のダイ
    クロイック膜とを備え、 前記2種類のダイクロイック膜は、R(赤色)光反射ダ
    イクロイック膜とB(青色)光反射ダイクロイック膜と
    であり、前記B(青色)光反射ダイクロイック膜が、前
    記交差位置において分割されることなく連続して形成さ
    れていることを特徴とするクロスダイクロイックプリズ
    ム。
  3. 【請求項3】4つの直角二等辺三角柱プリズムが互いの
    側面で接合されることによって形成されるクロスダイク
    ロイックプリズムの製造方法であって、 直交する四角形状の側面を備えた直角二等辺三角柱プリ
    ズムを4つ用意し、 前記4つの直角二等辺三角柱プリズムのうち2つの直角
    三角柱プリズムについて、その各プリズムの一方の側面
    にR(赤色)光反射ダイクロイック膜を形成する工程
    と、 他の残りの2つの直角二等辺三角柱プリズムの側面と、
    前記2つの直角二等辺三角柱プリズムのR(赤色)光反
    射ダイクロイック膜形成面とをそれぞれ接着剤を介して
    接合して2組のプリズム対を作製する工程と、 前記2組のプリズム対の直角部に相対する斜面をそれぞ
    れ光学研磨する工程と、 前記2組のプリズム対の一方のプリズム対の光学研磨面
    にB(青色)光反射ダイクロイック膜を形成する工程
    と、 前記一方のプリズム対のB光反射ダイクロイック膜形成
    面と前記他方のプリズム対の研磨面とを接着剤にて接合
    する工程と、を有するクロスダイクロイックプリズムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】2つの直角二等辺三角柱プリズムを用意
    し、一方の直角二等辺三角柱プリズムの直角と相対する
    斜面にR(赤色)光反射ダイクロイック膜を形成する工
    程と、 前記R(赤色)光反射ダイクロイック膜形成斜面と他方
    の直角二等辺三角柱プリズムの直角と相対する斜面とを
    接着剤にて接合する工程と、 前記接合プリズムをR(赤色)光反射ダイクロイック膜
    を垂直二等分するように切断して2組のプリズム対を作
    製する工程と、 前記2組のプリズム対の切断面を光学研磨する工程と、 前記2組のプリズム対のうち一方のプリズム対の光学研
    磨面にB(青色)光反射ダイクロイック膜を形成する工
    程と、 前記一方のプリズム対のB(青色)光反射ダイクロイッ
    ク膜形成面と他方のプリズム対の研磨面とを接着剤にて
    接合する工程と、を有するクロスダイクロイックプリズ
    ムの製造方法。
  5. 【請求項5】略X字状に交差する2種類のダイクロイッ
    ク膜を有するクロスダイクロイックプリズムの製造方法
    であって、 2つの直角二等辺三角柱プリズムを用意し、一方の直角
    二等辺三角柱プリズムの直角と相対する斜面に前記2種
    類のダイクロイック膜のうち相対的に膜厚が大きい一方
    のダイクロイック膜を形成する工程と、 前記一方のダイクロイック膜形成斜面と他方のプリズム
    の直角と相対する斜面とを接着剤にて接合する工程と、 前記接合プリズムをダイクロイック膜を垂直二等分する
    ように切断して2つのプリズム対を形成する工程と、 前記2組のプリズム対の切断面をそれぞれ光学研磨する
    工程と、 前記2組のプリズム対のうち一方のプリズム対の光学研
    磨面に他方のダイクロイック膜を形成する工程と、 前記一方のプリズム対の他方ダイクロイック膜形成面と
    他方のプリズム対の研磨面とを接着剤にて接合する工程
    と、を有するクロスダイクロイックプリズムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載のクロスダイクロイッ
    クプリズムを備えた投射型表示装置。
  7. 【請求項7】請求項3〜5のいずれか記載のクロスダイ
    クロイックプリズムの製造方法を用いて製造されたクロ
    スダイクロイックプリズムを備えた投射型表示装置。
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