JP2007279199A - 偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法 - Google Patents

偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法 Download PDF

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明広 木下
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Abstract

【課題】透光性板材間を接着する接着剤の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止するこ
とができる偏光変換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の膜形成面2c上に形成された偏光分離膜4と、第2の膜形成面2d上
に形成され、偏光分離膜4の応力によって発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する反
り矯正膜11とを備えた第1の透光性板材2と、第1の透光性板材2と交互に貼り合わさ
れ、第3の膜形成面3c上に形成された反射膜6と、第4の膜形成面3d上に形成され、
反射膜6の応力によって膜形成面側において発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する
反り矯正膜12とを備えた第2の透光性板材3と、偏光分離膜4を透過した偏光光の光路
上又は反射膜6により反射された偏光光の光路上のいずれか一方に配置された偏光光を変
換する偏光変換部材5とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源から出射される光を1種類の直線偏光光に変換する偏光変換素子と、そ
の製造方法に関するものである。
従来から液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられる液晶ライトバルブを照明す
る照明装置としては、2枚のレンズ板を用いた所謂フライアイインテグレータを使用した
ものがある。そして、このような照明装置における照明効率をさらに向上させたものとし
て2枚のレンズ板のうち、出射側に配置したレンズ板の出射面側に偏光ビームスプリッタ
アレイと1/2波長板とにより構成したPS変換素子アレイを配置して、光源光の利用効
率を高めるようにした偏光照明装置並びにその偏光照明装置を使用した投射型表示装置が
提案されている(特許文献1)。
図6は、従来のPS変換素子アレイの構造を示した図であり、この図6に示す従来のP
S変換素子アレイ50は断面が平行四辺形のプリズム51と52との側面同士を、複数個
光学接着剤にて接合して構成したものである。プリズム52の一方の側面には偏光分離膜
54が形成され、プリズム51の一方の側面には反射膜55が形成されている。このよう
にプリズム51と52とを交互にその側面同士を接合することにより、偏光分離膜54と
反射膜55とが交互に配置される。さらに、直線偏光光を一種類にするため、プリズム5
1の側面である直線偏光光の出射面51aに、1/2波長板53を備えている。このよう
なPS変換素子アレイ50では、P偏光光LpとS偏光光Lsから成る入射光Loが偏光
分離膜54に入射すると、S偏光光Lsは偏光分離膜54、反射膜55にて順次反射する
ことにより出射面側から出射する一方、L偏光光Lpは1/2波長板53を透過する際に
S偏光光Lsに変換されて出射される。この結果、偏光変換素子に入射したランダムな偏
光方向を有する光束は全てS偏光光Lsとなって出射される。
ここで、上記したPS変換素子アレイの製造方法を簡単に説明すると、先ず、ガラス板
材における一方の主面に偏光分離膜を形成し、他方の主面に反射膜を形成した第1の透光
性板材と、両主面に何も形成されていないガラス板材からなる第2の透光性板材を用意す
る。
次に、第1の透光性板材と第2の透光性板材とを交互に積層することになるが、このと
きに積層する第1及び第2の透光性板材間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように
面方向の位置を順次ずらして接着剤を介して階段状に積層して積層体を形成する。この後
、積層体を略45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面により複数の積
層分割体に切断し、切断した積層分割体の両端の突出部が平坦になるよう切断した後、そ
の積層分割体の出射面側の一部に1/2波長板を貼付するようにしていた。このようなP
S変換素子アレイの製造方法は特許文献2等に開示されている。
特開平8−304739号公報 特許第3486516号公報
ところで、液晶プロジェクタ等の照明装置に使用するPS変換素子アレイ50は、比較
的光源の近傍に配置されることから高温になるため、通常、1/2波長板53を熱に強い
水晶基板を用いるようにしていた。しかしながら、Zカットの水晶基板を用いてシングル
モードの1/2波長板を構成した場合、屈折率の変動が急峻な切断角を使用しているため
入射光線の入射角変化に対する位相変化が大きくなることが知られている。このため、P
S変換素子アレイ50を構成する1/2波長板53に入射する入射光は、1/2波長板5
3の板面に対して直交する方向から入射光を入射する必要がある。
しかしながら、従来のPS変換素子アレイ50においては、1/2波長板53に入射さ
れる入射光の入射角変化が大きくなり、1/2波長板53の入射角依存性に影響を与える
という欠点があった。
以下、従来のPS変換素子アレイ50において1/2波長板53に入射される入射光の
入射角変化が大きくなる要因について説明する。
図7はガラス基板に薄膜を形成した時にガラス基板に作用する膜応力を説明するための
図である。
この図7(a)に示すようなガラス基板61の一方の主表面61aに、例えば偏光分離
膜等の光学膜(薄膜)62を成膜した場合、ガラス基板61と光学膜62との熱膨張係数
の違い等の影響により、ガラス基板61の主表面61a側に応力が発生する。このとき、
ガラス基板61の主表面61a側に発生する応力が引張応力である場合は、図7(b)に
示すようにガラス基板61の主表面61a側に凹状の反りが発生する。一方、ガラス基板
61の主表面61a側に発生する応力が圧縮応力である場合は、図7(c)に示すように
ガラス基板61の主表面61b側に凸状の反りが発生する。
このため、図6に示したように一方の主面に偏光分離膜54を形成し、他方の主面に反
射膜55を形成したプリズム52では、ベースとなるガラス板と偏光分離膜54、或いは
ガラス板と反射膜55との熱膨張率差に起因して発生する偏光分離膜54の応力、或いは
反射膜55の応力によってガラス板に反りが発生する。
図8は、偏光分離膜54側に反りが発生したプリズム52と、反りの無いプリズム51
とを交互に階段状に積層して接着剤56によって接合した状態を示した図である。
一方のプリズム52に反りが発生すると、プリズム51とプリズム52とを接着した時
に、接着剤56の厚みが一定にならず接合面に沿った接着剤56に厚みむらが発生する。
このように接着剤56の厚みがプリズム52間の接合面全体に渡って均一でない場合には
、厚みの異なる箇所を光が通過する際に屈折を起こし、厚みが均一な箇所を通過してきた
正規の出射光との間に角度が形成されることになる。この結果、従来のPS変換素子アレ
イ50においては、1/2波長板53に入射される入射光の入射角変化が大きくなり1/
2波長板53の入射角依存性の影響により光量の低下を招くという欠点があった。
また従来のPS変換素子アレイ50においては、夫々のPS変換素子アレイから出射さ
れる出射光の傾きにバラツキが生じるため、光学ヘッド内の部品を配置する際には、光軸
調整を行うことが必要になり、光学ヘッドの組み立て作業が煩雑になるという欠点があっ
た。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、透光性板材間を接着する接
着剤の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止することができる偏光変換素子とその製造
方法を提供することを目的とする。また、光学ヘッドに用いた場合において、光軸の調整
を容易に行うことができ、組み立て作業が簡単な偏光変換素子とその製造方法を提供する
ことを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る偏光変換素子は、光入射面と該光入射面に平行
な光出射面とを有し、光入射面及び光出射面と所定の角度をなすように形成された第1及
び第2の膜形成面と、第1の膜形成面上に形成された偏光分離膜と、第2の膜形成面上に
形成され、偏光分離膜の応力によって発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する第1の
反り矯正膜と、を備えた第1の透光性板材と、第1の透光性板材と交互に貼り合わされ、
第1の透光性板材の各光入射面及び各光出射面と夫々同一平面に形成された光入射面及び
光出射面を夫々有し、光入射面及び光出射面と所定の角度をなすように形成された第3の
及び第4の膜形成面と、第3の膜形成面上に形成された反射膜と、第4の膜形成面上に形
成され、反射膜の応力によって膜形成面側において発生する凹状、或いは凸状の反りを矯
正する第2の反り矯正膜と、を備えた第2の透光性板材と、偏光分離膜を透過した偏光光
の光路上又は反射膜により反射された偏光光の光路上のいずれか一方に配置された偏光光
を変換する偏光変換部材とを備えるようにした。
本発明においては、第1の透光性板材では第1の膜形成面上に成膜した偏光分離膜の応
力をキャンセルする第1の反り矯正膜を第2の膜形成面上に成膜すると共に、第2の透光
性板材では第3の膜形成面上に成膜した反射膜の応力をキャンセルする第2の反り矯正膜
を第4の膜形成面上に成膜したことで、第1及び第2の透光性板材の反りをなくすことが
できるので、接着剤により第1及び第2の透光性板材を交互に貼り合わせた場合でも接着
剤の膜厚の均一化を図ることができる。これにより、本発明の偏光変換素子では、第1及
び第2の透光性板材間を接着する接着剤の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止するこ
とができる。また、出射面からは傾きのない出射光が出射されることから、光学ヘッドに
用いた場合においても光軸調整が容易で組み立て作業を簡単に行うことができる。
また本発明は、光入射面と該光入射面に平行な光出射面とを有し、光入射面及び光出射
面と所定の角度をなすように形成された第1及び第2の膜形成面と、第1の膜形成面上に
形成された偏光分離膜と、第2の膜形成面上に形成された反射膜と、第2の膜形成面上に
形成され、偏光分離膜の応力によって発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する反り矯
正膜と、を備えた第1の透光性板材と、接着剤により第1の透光性板材と交互に貼り合わ
され、第1の透光性板材の各光入射面及び各光出射面と夫々同一平面に形成された光入射
面及び光出射面を夫々有する複数の第2の透光性板材と、偏光分離膜を透過した偏光光の
光路上又は反射膜により反射された偏光光の光路上のいずれか一方に配置された偏光光を
変換する偏光変換部材とを備えるようにした。
本発明においては、第1の透光性板材では第1の膜形成面上に成膜した偏光分離膜の応
力と、第2の膜形成面上に成膜した反射膜の応力をキャンセルする反り矯正膜を成膜した
ことで、第1の透光性板材の反りをなくすことができるので、接着剤により第1及び第2
の透光性板材を交互に貼り合わせた場合でも接着剤の膜厚の均一化を図ることができる。
これにより、本発明の偏光変換素子では、第1及び第2の透光性板材間を接着する接着剤
の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止することができる。また、出射面からは傾きの
ない出射光が出射されることから、光学ヘッドに用いた場合においても光軸調整が容易で
組み立て作業を簡単に行うことができる。
また本発明に係る偏光変換素子は、反り矯正膜の屈折率が、透光性板材の屈折率と略同
等である。反り矯正膜の屈折率を透光性板材の屈折率と略同等にすると、透光性板材と反
り矯正膜との屈折率の違いによる光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。
また本発明に係る偏光変換素子は、反り矯正膜がSiO2膜であることを特徴とする。
反り矯正膜をSiO2膜により形成すると、透光性板材と反り矯正膜との屈折率をほぼ同
じにできるので透光性板材と反り矯正膜との屈折率の違いによる光学特性の劣化を最小限
に抑えることができる。
また本発明は、偏光変換素子の製造方法であって、平行平板である第1の透光性板材と
、平行平板である第2の透光性板材とを準備する準備工程と、第1の透光性板材における
一方の主面に偏光分離膜を形成すると共に、他方の主面に偏光分離膜の応力によって第1
の透光性板材に発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する反り矯正膜を形成する第1の
成膜工程と、第2の透光性板材における一方の主面に反射膜を形成すると共に、他方の主
面に反射膜の応力によって第2の透光性板材に発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正す
る反り矯正膜を形成する第2の成膜工程と、第1の透光性板材と第2の透光性板材との端
縁を結ぶ平面と第1及び第2の透光性板材との間の形成角度が略45度の傾斜角度となる
ように第1及び第2の透光性板材の面方向の位置を順次ずらして接着剤を介して階段状に
積層して積層体を形成する積層体形成工程と、積層体形成工程において一体化された積層
体を、略45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割
体に切断する第1の切断工程と、積層分割体の両端を切断する第2の切断工程と、両端を
切断した積層分割体の一部に偏光変換板を貼付する貼付工程とを有するようにした。
このような本発明では、一方の主面上に成膜した偏光分離膜の応力をキャンセルする第
1の反り矯正膜を他方の主面上に成膜した第1の透光性板材と、一方の主面上に成膜した
反射膜の応力をキャンセルする第2の反り矯正膜を他方の主面上に成膜した第2の透光性
板材とを用いて、上記の各工程を実施することにより、接着剤により第1及び第2の透光
性板材を交互に貼り合わせた場合でも接着剤の膜厚の均一化を図ることができる。これに
より、本発明では、第1及び第2の透光性板材間を接着する接着剤の膜厚のバラツキによ
る光量の低下を防止した偏光変換素子を製造することが可能になる。
また本発明は、偏光変換素子の製造方法であって、平行平板である第1の透光性板材と
、平行平板である第2の透光性板材とを準備する準備工程と、第1の透光性板材における
一方の主面に偏光分離膜を形成すると共に、第1の透光性板材における他方の主面に反射
膜と、偏光分離膜の応力によって第1の透光性板材に発生する凹状、或いは凸状の反りを
矯正する反り矯正膜を形成する成膜工程と、第1の透光性板材と第2の透光性板材との端
縁を結ぶ平面と第1及び第2の透光性板材との間の形成角度が略45度の傾斜角度となる
ように第1及び第2の透光性板材の面方向の位置を順次ずらして接着剤を介して階段状に
積層して積層体を形成する積層体形成工程と、積層体形成工程において一体化された積層
体を、略45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割
体に切断する第1の切断工程と、積層分割体の両端を切断する第2の切断工程と、両端を
切断した積層分割体の一部に偏光変換板を貼付する貼付工程とを有するようにした。
このような本発明では、一方の主面上成膜した偏光分離膜の応力と、他方の主面上に成
膜した反射膜の応力をキャンセルする反り矯正膜を成膜した第1の透光性板材と、第2の
透光性板材とを用いて、上記の各工程を実施することにより、接着剤により第1及び第2
の透光性板材を交互に貼り合わせた場合でも接着剤の膜厚の均一化を図ることができる。
これにより、本発明では、第1及び第2の透光性板材間を接着する接着剤の膜厚のバラツ
キによる光量の低下を防止した偏光変換素子を製造することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る偏光変換素子の構造を示した図である。
図1に示す偏光変換素子であるPS変換素子アレイ1は、断面が平行四辺形の第1の透
光性板材2と、断面が平行四辺形の第2の透光性板材3との側面同士を複数個、光学接着
剤13により交互に貼り合わるようにして構成したものである。
第1の透光性板材2は、光の入射面2aと、入射面2aにほぼ平行な光の出射面2bと
を有する。また入射面2a及び出射面2bと所定角度(例えば45°)をなすように形成
された、ほぼ平行な第1及び第2の膜形成面2c、2dのうち、第1の膜形成面2cに偏
光分離膜4が形成され、第2の膜形成面2dに偏光分離膜4の応力によって発生する凹状
、或いは凸状の反りを矯正する反り矯正膜(第1の反り矯正膜)11が形成されている。
第2の透光性板材3は、第1の透光性板材2の入射面2a及び出射面2bとそれぞれ同
一平面に形成された入射面3a及び出射面3bを夫々有し、入射面3a及び出射面3bと
所定角度(例えば45°)をなすように形成された、略平行な第3の及び第4の膜形成面
3c、3dのうち、第3の膜形成面3cに反射膜6が形成され、第4の膜形成面3dに反
射膜6の応力によって発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する反り矯正膜(第2の反
り矯正膜)12が形成されている。さらに第2の透光性板材3の出射面3bには直線偏光
光を一種類にするため、偏光変換部材として1/2波長板5が設けられている。
偏光分離膜4は、S偏光光とP偏光光のいずれか一方を選択的に透過させ、他方を選択
的に反射する性質を有する膜である。偏光分離膜4については後述する。
反射膜6は、偏光分離膜4で反射された直線偏光成分(S偏光光またはP偏光光)を反
射するような誘電体多層膜で構成されたものが好ましい。なお、反射膜6はアルミニウム
を蒸着することによって形成するようにしてもよい。
誘電体多層膜で反射膜6を形成した場合には、特定の直線偏光成分(たとえばS偏光)
を約98%程度の反射率で反射することができる。一方、アルミニウム膜では、反射率は
高々92%程度である。従って、誘電体多層膜で反射膜6を形成するようにすれば、PS
変換素子アレイ1から出射される光量を高めることができる。さらに、誘電体多層膜は、
アルミニウム膜よりも光の吸収が少ないので、発熱も少ないという利点もある。なお、特
定の直線偏光成分の反射率を向上させるには、反射膜6を構成する誘電体多層膜(通常は
2種類の膜が交互に積層された構造である)を構成するそれぞれの膜の厚さ、あるいは膜
の材料を最適化すれば良い。
反り矯正膜11は、第1の膜形成面2cに成膜した偏光分離膜4の応力により、第1の
透光性板材2に反りが発生しないように、偏光分離膜4の応力を相殺して応力の均衡(バ
ランス)を図るようにしている。また反り矯正膜12は、第3の膜形成面3cに成膜した
反射膜6の応力により、第2の透光性板材3に反りが発生しないように、反射膜6の応力
を相殺して応力の均衡を図るようにしている。
透光性板材の反りδは下記の式(1)で示す如く膜厚Dとの関係式で表すことができるの
で、反り矯正膜11の膜厚で矯正量を任意に調整することができる。
σ=Es×B2×δ/3(1−νs)×D×L2 ・・・(1)
σ:膜応力、Es:基板のヤング率、B:基板の厚さ、δ:基板先端の変位量(反り量
)、νs:基板のポアソン比、L:基板の長さ、D:薄膜の厚さ
またこの場合の反り矯正膜11は第1の透光性板材2、反り矯正膜12は第2の透光性
板材3の光学特性を夫々妨げないように、第1及び第2の透光性板材2、3とほぼ同等の
屈折率を有する膜材料により構成した。例えば第1及び第2の透光性板材2、3として白
板ガラス(屈折率=62)を用いる場合は、屈折率が白板ガラスに近いSiO2膜(屈折
率=1.46)を用いて反り矯正膜11、12を形成するようにした。
なお、第1及び第2の透光性板材2、3としては、白板ガラス以外にも屈折率が1.4
6のSiO2基板や、屈折率が61のBK7(ボロシリケートクラウンガラス)等を用い
ることが可能である。
また、偏光分離膜4又は反射膜6の膜材料が圧縮応力でなく引張応力を有する場合は、
反り矯正膜11、12を引張応力の膜材料、例えばAl23膜(屈折率=1.62)或い
はMgF2膜(屈折率=1.38)等を用いることも可能である。
なお、本実施形態では偏光分離膜4を透過した偏光光の光路上に1/2波長板5を設け
るようにしているが、反射膜6により反射された偏光光の光路上、即ち第1の透光性板材
2の出射面2bに1/2波長板5を設けるようにしてもよい。
第1、第2の透光性板材2、3としては板ガラスが用いられる。なお、ガラス以外の透
光性の板状材料を用いることも可能である。
このように構成されるPS変換素子アレイ1では、P偏光光LpとS偏光光Lsから成
る入射光Loが偏光分離膜4に入射すると、S偏光光Lsは偏光分離膜4、反射膜6にて
順次反射することにより出射面側から出射する一方、L偏光光Lpは1/2波長板5を透
過する際にS偏光光Lsに変換されて出射される。この結果、偏光変換素子に入射したラ
ンダムな偏光方向を有する光束は全てS偏光光Lsとなって出射される。
また、PS変換素子アレイ1においては、第1の透光性板材2に第1の膜形成面2c上
に成膜した偏光分離膜4の応力をキャンセルする反り矯正膜11を第2の膜形成面2d上
に成膜すると共に、第2の透光性板材3では、第3の膜形成面3c上に成膜した反射膜6
の応力をキャンセルする反り矯正膜11を第4の膜形成面3d上に成膜したことで、第1
及び第2の透光性板材2、3の反りをなくすことができるので、光学接着剤13により第
1及び第2の透光性板材2、3を交互に貼り合わせた場合でも光学接着剤13の膜厚の均
一化を図ることができる。これにより、PS変換素子アレイ1では、第1及び第2の透光
性板材2、3間を接着する光学接着剤13の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止する
ことが可能になる。
またPS変換素子アレイ1の出射面2b、3bからは、傾きのない出射光が出射される
ことから、PS変換素子アレイ1を光学ヘッドに適用した場合においても光軸調整が容易
で組み立て作業を簡単に行うことができる。
ここで、本実施形態のPS変換素子アレイが適用される偏光照明装置の光学系について
説明しておく。図5は偏光照明装置の光学系の概略構成を示した図である。
図5に示す偏光照明装置101は、システム光軸Lに沿って配置した光源部102、第
1のレンズ板103、第2のレンズ板104から構成されている。光源部102から出射
された光は、第1のレンズ板103により第2のレンズ板104内に集光され、第2のレ
ンズ板104を通過する過程においてランダムな偏光光は偏光方向が揃った1種類の偏光
光に変換され、照明領域105に至るようになっている。
光源部102は、光源ランプ201と放物面リフレクター202とから構成されている
。光源ランプ201から放射されたランダムな偏光光は、放物面リフレクター202によ
って一方向に反射されて、略平行な光束となって第1のレンズ板103に入射される。こ
のとき、光源光軸Rはシステム光軸Lに対して一定の角度だけ傾斜させてある。
第1のレンズ板103は、矩形状の輪郭をした微小な矩形集光レンズ301が縦横に複
数配列した構成である。第1のレンズ板103に入射した光は、矩形集光レンズ301の
集光作用により、システム光軸Lと垂直な平面内に矩形集光レンズ301の数と同数の集
光像を形成する。なお、この複数の集光像は光源ランプの投写像に他ならないため、以下
では2次光源像と呼ぶ。
第2のレンズ板104は、集光レンズアレイ410、PS変換素子アレイ420、及び
出射側レンズ440から構成される複合積層体であり、第1のレンズ板103による2次
光源像が形成される位置の近傍におけるシステム光軸Lに対して垂直な平面内に配置され
ている。この第2のレンズ板104は、インデクレータ光学系の第2のレンズ板としての
機能、偏光分離素子としての機能、及び偏光変換素子としての機能を併せ持っている。
集光レンズアレイ410は、第1のレンズ板103とほぼ同様な構成となっている。即
ち、第1のレンズ板103を構成する矩形集光レンズ301と同数の集光レンズ411を
複数配列したものであり、第1のレンズ板103からの光を集光する作用がある。集光レ
ンズアレイ410は、インテグレータ光学系の第2のレンズ板に相当するものである。
PS変換素子アレイ420は、内部に偏光分離膜を備えた四角柱状のプリズム合成体か
らなる偏光ビームスプリッタ421と、同じく内部に反射膜を備えた四角柱状のプリズム
合成体からなる反射ミラー422とからなる対を基本構成単位とし、その対を平面的に複
数配列したものである。集光レンズアレイ410を構成する集光レンズ411に対して1
対の基本構成単位が対応するように規則的に配置されている。
ここで、第1のレンズ板103により形成される2次光源像が偏光ビームスプリッタ4
21の部分に位置するように、PS変換素子アレイ420を含む第2のレンズ板104が
配置されている。そのために、光源部102はその光源光軸Rがシステム光軸Lに対して
僅かに角度をなすように配置されている。
PS変換素子アレイ420に入射したランダムな偏光光は偏光ビームスプリッタ421
により偏光方向の異なるP偏光光とS偏光光の2種類の偏光光に分離される。P偏光光は
進行方向を変えずに偏光ビームスプリッタ421をそのまま通過する。これに対して、S
偏光光は偏光ビームスプリッタ421の偏光分離膜423で反射して進行方向を約90度
変え、隣接する反射ミラー422の反射面424で反射して進行方向を約90度変え、最
終的にはP偏光光とほぼ平行な角度で出射する。
PS変換素子アレイ420を構成する偏光ビームスプリッタ421の出射面には、λ/
2位相差膜431が規則的に配置され、反射ミラー422の出射面部分にはλ/2位相差
膜431は配置されていない。このようなλ/2位相差膜431の配置状態により、偏光
ビームスプリッタ421から出射されたP偏光光は、λ/2位相差膜431を通過する際
に偏光面の回転作用を受けS偏光光へと変換される。一方、反射ミラー422から出射さ
れたS偏光光はλ/2位相差膜431を通過しないので、偏光面の回転作用は一切受けず
、S偏光光のままλ/2位相差板430を通過する。つまり、PS変換素子アレイ420
に入射されるランダムな偏光光は、1種類の偏光光(この場合はS偏光光)に変換されて
出射されることになる。このようにしてS偏光光に揃えられた光束は、出射側レンズ44
0により照明領域105へと導かれ、照明領域105上で重畳結合されることになる。
従って、このような偏光照明装置の光学系に、本実施形態のPS変換素子アレイ1を適
用すれば、PS変換素子アレイ1の出射面からは傾きのない出射光が出射されることから
、光軸調整等が容易になり組み立て作業を簡単に行うことができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法を説明する。
図2は図1に示したPS変換素子アレイの製造方法を示した工程図である。
この場合は、先ず準備工程として第1の透光性板材2及び第2の透光性板材3のベース
となるガラス板材31を用意する。
次に、第1の成膜工程として、図2(a)に示すように、第1の透光性板材2を構成す
るガラス板材31における一方の主面31aに偏光分離膜4を成膜すると共に、他方の主
面31bに偏光分離膜4の応力をキャンセルする反り矯正膜11を成膜する。
次に、第2の成膜工程として、図2(a)に示すように、第2の透光性板材3を構成す
るガラス板材1における一方の主面31cに反射膜6を成膜すると共に、他方の主面31
dに反射膜6の応力をキャンセルする反り矯正膜12を成膜する。
次に、積層体形成工程として、図2(b)に示すような治具32を用いて、第1の透光
性板材2と第2の透光性板材3とを交互に積層するが、このときに積層する第1の透光性
板材2と第2の透光性板材3との端縁を結ぶ平面と、第1及び第2の透光性板材2、3と
の間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように第1及び第2の透光性板材2、3の面
方向位置を順次ずらして階段状に積層して積層体21を形成する。このとき第1及び第2
の透光性板材2、3との間に紫外線硬化型の光学接着剤13を塗布しておき、積層体21
を加圧して光学接着剤13を均一に展開させた状態で、図示しない紫外線照射装置から紫
外線を積層体21に照射し、光学接着剤13を硬化させて積層体21を貼り合わせるよう
にしている。
次に、第1の切断工程として、上記積層体形成工程において一体化した積層体21を治
具32から取り出し、図示しない固定板に積層体21の背面側の側面を剥離可能な接着剤
等により仮固定した後、図2(c)に点線で示した略45度の傾斜角度に沿った所定ピッ
チPの複数の平行な切断面34にて積層体21を切断して複数の積層分割体22に切断す
る。
次いで、第2の切断工程として、図2(d)に示すように切断した積層分割体22の両
端の鋭角状に突出した突出部23を点線で示した切断面で切断する。ここで、突出部23
の切断にはロータリー研削装置やダイシング装置等を用いて積層分割体の両端を切断する
。この後、両端を切断した積層分割体の一部に1/2波長板を貼付する貼付工程とを有す
るようにした。
このように第1の実施形態では、ガラス板材31の一方の主面31a上に成膜した偏光
分離膜4の応力をキャンセルする反り矯正膜11を他方の主面31b上に成膜した第1の
透光性板材2と、ガラス板材31の一方の主面31c上に成膜した反射膜6の応力をキャ
ンセルする反り矯正膜12を他方の主面31d上に成膜した第2の透光性板材3と、を用
いて、上記の各工程を実施するようにした。これにより、光学接着剤13により第1及び
第2の透光性板材2、3を交互に貼り合わせた場合でも光学接着剤13の膜厚の均一化を
図ることができ、第1及び第2の透光性板材2、3間を接着する光学接着剤13の膜厚の
バラツキによる光量の低下を防止したPS変換素子アレイ1を製造することが可能になる
次に、本発明の第2の実施形態の偏光変換素子について説明する。
図3は本発明の第2の実施形態に係るPS変換素子アレイの構造を示した図である。な
お、図1に示したPS変換素子アレイ1と同一部位には同一符号を付して説明は省略する

図3に示すPS変換素子アレイ40は、第1の膜形成面2c上に偏光分離膜4を成膜す
ると共に、第2の膜形成面2d上に反射膜6と、偏光分離膜4の応力によって発生する凹
状、或いは凸状の反りを矯正する反り矯正膜11とを備えた第1の透光性板材2と、第2
の透光性板材3とを光学接着剤13により交互に貼り合わせるようにした点が、図1に示
したPS変換素子アレイ1と異なる。
このように構成されるPS変換素子アレイ40においても、P偏光光LpとS偏光光L
stからなる入射光Loが偏光分離膜4に入射すると、S偏光光Lsは偏光分離膜4、反
射膜6にて順次反射することにより出射面側から出射する一方、L偏光光Lpは1/2波
長板5を透過する際にS偏光光Lsに変換されて出射される。この結果、偏光変換素子に
入射したランダムな偏光方向を有する光束は全てS偏光光Lsとなって出射される。
また、このようなPS変換素子アレイ40においては、第1の透光性板材2に第1の膜
形成面2c上に成膜した偏光分離膜4の応力と第2の膜形成面2d上に成膜した反射膜6
の応力をキャンセルする反り矯正膜11を成膜したことで、第1の透光性板材2の反りを
なくすことができるので、光学接着剤13により第1及び第2の透光性板材2、3を交互
に貼り合わせた場合でも光学接着剤13の膜厚の均一化を図ることができる。これにより
、第2の実施形態のPS偏光変換素子アレイでも、第1及び第2の透光性板材2、3間を
接着する光学接着剤13の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止することができる。
またPS変換素子アレイ1の出射面2b、3bからは、傾きのない出射光が出射される
ことから、PS変換素子アレイ1を光学ヘッドに用いた場合においても光軸調整が容易で
組み立て作業を簡単に行うことができる。
次に、上記した第2の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法を説明する。
図4は図3に示したPS変換素子アレイの製造方法を示した工程図である。
この場合、先ず、準備工程として、第1の透光性板材2及び第2の透光性板材3のベー
スとなるガラス板材31を用意する。
次に、第1の成膜工程として、図4(a)に示すように、第1の透光性板材2を構成す
るガラス板材31の一方の主面31aに偏光分離膜4を成膜すると共に、他方の主面31
bに反射膜6と偏光分離膜4の応力をキャンセルする反り矯正膜11を成膜する。なお、
この場合は第2の透光性板材3を構成するガラス板材31の両主面には何も形成しない。
次に、積層体形成工程として、図4(b)に示すような治具32を用いて、第1の透光
性板材2と第2の透光性板材3とを交互に積層するが、このときに積層する第1の透光性
板材2と第2の透光性板材3との端縁を結ぶ平面と、第1及び第2の透光性板材2、3と
の間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように第1及び第2の透光性板材2、3の面
方向位置を順次ずらして階段状に積層して積層体21を形成する。このとき第1及び第2
の透光性板材2、3との間に紫外線硬化型の光学接着剤13を塗布しておき、積層体21
を加圧して光学接着剤13を均一に展開させた状態で、図示しない紫外線照射装置から紫
外線を積層体21に照射し、光学接着剤13を硬化させて積層体21を貼り合わせるよう
にしている。
次に、第1の切断工程として、上記積層体形成工程において一体化した積層体21を治
具32から取り出し、図示しない固定板に積層体21の背面側の側面を剥離可能な接着剤
等により仮固定した後、図4(c)に点線で示した略45度の傾斜角度に沿った所定ピッ
チPの複数の平行な切断面34にて積層体21を切断して複数の積層分割体22に切断す
る。
次いで、第2の切断工程として、図4(d)に示すように切断した積層分割体22の両
端の鋭角状に突出した突出部23を点線で示した切断面で切断する。ここで、突出部23
の切断にはロータリー研削装置やダイシング装置等を用いて積層分割体の両端を切断する

この後、両端を切断した積層分割体の一部に1/2波長板を貼付する貼付工程とを有す
るようにした。
このように第2の実施形態では、第1の透光性板材2にガラス板材31の一方の主面3
1a上に成膜した偏光分離膜4の応力と、他方の主面31b上を成膜した反射膜6の応力
をキャンセルするための反り矯正膜11を他方の主面31b上に成膜する。そして上記の
成膜した第1の透光性板材2と第2の透光性板材3とを用いて上記の各工程を実施するよ
うにした。これにより、光学接着剤13により第1及び第2の透光性板材2、3を交互に
貼り合わせた場合でも光学接着剤13の膜厚の均一化を図ることができ、第1及び第2の
透光性板材2、3間を接着する光学接着剤13の膜厚のバラツキによる光量の低下を防止
したPS偏光素子アレイ40を製造することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るPS変換素子アレイの構造を示した図。 第1の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法を示した工程図。 第2の実施形態に係るPS変換素子アレイの構造を示した図。 第1の実施形態に係る偏光変換素子の製造方法を示した工程図。 本実施形態のPS変換素子アレイが適用される偏光照明装置の光学系の概略構成を示した図。 従来のPS変換素子アレイの構造を示した図。 ガラス基板に薄膜を形成した時にガラス基板に作用する膜応力を説明するための図。 反りが発生したプリズムと反りの無いプリズム51とを交互に階段状に積層して接合した状態を示した図。
符号の説明
1…PS変換素子アレイ、2、3…透光性板材、4…偏光分離膜、5…1/2波長板、
6…反射膜、11、12…反り矯正膜、13…光学接着剤、21…積層体、22…積層分
割体、23…突出部、31…ガラス板材、32…治具、34…切断面、40…PS変換素
子アレイ、101…偏光照明装置、102…光源部、103…第1のレンズ板、104…
第2のレンズ板、105…照明領域、201…光源ランプ、202…放物面リフレクター
、301…矩形集光レンズ、410…集光レンズアレイ、411…集光レンズ、420…
PS変換素子アレイ、421…偏光ビームスプリッタ、422…反射ミラー、423…偏
光分離膜、424…反射面、430…位相差板、431…位相差膜、440…出射側レン

Claims (6)

  1. 光入射面と該光入射面に平行な光出射面とを有し、前記光入射面及び光出射面と所定の
    角度をなすように形成された第1及び第2の膜形成面と、前記第1の膜形成面上に形成さ
    れた偏光分離膜と、前記第2の膜形成面上に形成され、前記偏光分離膜の応力によって発
    生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する第1の反り矯正膜と、を備えた第1の透光性板
    材と、
    接着剤により前記第1の透光性板材と交互に貼り合わされ、第1の透光性板材の前記各
    光入射面及び各光出射面と夫々同一平面に形成された光入射面及び光出射面を夫々有し、
    前記光入射面及び光出射面と所定の角度をなすように形成された第3の及び第4の膜形成
    面と、前記第3の膜形成面上に形成された反射膜と、前記第4の膜形成面上に形成され、
    前記反射膜の応力によって前記膜形成面側において発生する凹状、或いは凸状の反りを矯
    正する第2の反り矯正膜と、を備えた第2の透光性板材と、
    前記偏光分離膜を透過した偏光光の光路上又は前記反射膜により反射された偏光光の光
    路上のいずれか一方に配置された偏光光を変換する偏光変換部材と、
    を備えたことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 光入射面と該光入射面に平行な光出射面とを有し、前記光入射面及び光出射面と所定の
    角度をなすように形成された第1及び第2の膜形成面と、前記第1の膜形成面上に形成さ
    れた偏光分離膜と、前記第2の膜形成面上に形成された反射膜と、前記第2の膜形成面上
    に形成され、前記偏光分離膜の応力によって発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する
    反り矯正膜と、を備えた第1の透光性板材と、
    接着剤により前記第1の透光性板材と交互に貼り合わされ、前記第1の透光性板材の前
    記各光入射面及び各光出射面と夫々同一平面に形成された光入射面及び光出射面を夫々有
    する複数の第2の透光性板材と、
    前記偏光分離膜を透過した偏光光の光路上又は前記反射膜により反射された偏光光の光
    路上のいずれか一方に配置された偏光光を変換する偏光変換部材と、
    を備えたことを特徴とする偏光変換素子。
  3. 前記反り矯正膜の屈折率は、前記透光性板材の屈折率と略同等であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の偏光変換素子。
  4. 前記反り矯正膜は、SiO2膜であることを特徴とする請求項3に記載の偏光変換素子
  5. 偏光変換素子の製造方法であって、
    平行平板である第1の透光性板材と、平行平板である第2の透光性板材とを準備する準
    備工程と、
    前記第1の透光性板材における一方の主面に偏光分離膜を形成すると共に、他方の主面
    に前記偏光分離膜の応力によって前記第1の透光性板材に発生する凹状、或いは凸状の反
    りを矯正する反り矯正膜を形成する第1の成膜工程と、
    前記第2の透光性板材における一方の主面に反射膜を形成すると共に、他方の主面に前
    記反射膜の応力によって前記第2の透光性板材に発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正
    する反り矯正膜を形成する第2の成膜工程と、
    前記第1の透光性板材と前記第2の透光性板材との端縁を結ぶ平面と前記第1及び第2
    の透光性板材との間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように前記第1及び第2の透
    光性板材の面方向の位置を順次ずらして接着剤を介して階段状に積層して積層体を形成す
    る積層体形成工程と、
    前記積層体形成工程において一体化された積層体を、前記略45度の傾斜角度に沿った
    所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する第1の切断工程と、
    前記積層分割体の両端を切断する第2の切断工程と、
    両端を切断した前記積層分割体の一部に偏光変換板を貼付する貼付工程と、
    を有することを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  6. 偏光変換素子の製造方法であって、
    平行平板である第1の透光性板材と、平行平板である第2の透光性板材とを準備する準
    備工程と、
    前記第1の透光性板材における一方の主面に偏光分離膜を形成すると共に、第1の透光
    性板材における他方の主面に反射膜と、前記偏光分離膜の応力によって前記第1の透光性
    板材に発生する凹状、或いは凸状の反りを矯正する反り矯正膜を形成する成膜工程と、
    前記第1の透光性板材と前記第2の透光性板材との端縁を結ぶ平面と前記第1及び第2
    の透光性板材との間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように前記第1及び第2の透
    光性板材の面方向の位置を順次ずらして接着剤を介して階段状に積層して積層体を形成す
    る積層体形成工程と、
    前記積層体形成工程において一体化された積層体を、前記略45度の傾斜角度に沿った
    所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する第1の切断工程と、
    前記積層分割体の両端を切断する第2の切断工程と、
    両端を切断した前記積層分割体の一部に偏光変換板を貼付する貼付工程と、
    を有することを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
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