JP6686443B2 - 波長板、偏光変換素子、およびプロジェクター - Google Patents

波長板、偏光変換素子、およびプロジェクター Download PDF

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Description

本発明は、波長板、偏光変換素子、およびプロジェクターに関する。
従来、光源から射出された光を変調する光変調装置として液晶表示素子を用いたプロジェクターが知られている。このプロジェクターにおいては、光源から射出された偏光状態がランダムな光(ランダム光)を偏光変換素子によって第1の直線偏光および第2の直線偏光のいずれか一方に揃えることにより光の利用効率を高めることが行われている。
偏光変換素子は、入射する光を第1の直線偏光と第2の直線偏光とに分離する偏光ビームスプリッター(PBS)プリズムと、第1の直線偏光および第2の直線偏光のいずれか一方を他方に変換する1/2波長板とを備える。
偏光変換素子は、光源から射出された光束が集光する部分で高温になるため、偏光変換素子の劣化を低減させるように構成されたプロジェクター(投射型表示装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているプロジェクターは、1/2波長板がPBSプリズムに接着され、偏光変換素子の光が照射される面に沿って偏光分離方向と直交した方向に偏光変換素子を変位させる駆動機構を備えている。
そして、特許文献1に記載されているプロジェクターは、駆動機構により偏光変換素子を変位させ、輝度集中部が分散されるように構成されている。
特開2013−20222号公報
しかしながら特許文献1の技術では、輝度集中部が分散されるとはいうものの、近年、求められている光源の高輝度化に応えるには不充分と考えられる。また、高品質の画像を投写するために、1/2波長板は、可視光領域において偏光変換効率が高い状態を維持することが望まれるが、係る課題につては特許文献1には一切、記載されていない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る波長板は、光学軸方位角がθ1の第1波長板と、前記第1波長板の光射出側にプラズマ重合膜を介して接合され、光学軸方位角がθ2の第2波長板と、前記第2波長板の光射出側に空隙を有して配置され、光学軸方位角がθ3の第3波長板と、前記第3波長板の光射出側にプラズマ重合膜を介して接合され、光学軸方位角がθ4の第4波長板と、を備え、前記θ1と前記θ2との差、および前記θ3と前記θ4との差がそれぞれ90°で、前記θ2と前記θ3との差が45°であることを特徴とする。
この構成によれば、第1波長板と第2波長板、および第3波長板と第4波長板とでそれぞれが位相差180°を有するように形成することで、広範囲の波長領域において偏光変換効率を高めた1/2波長板を形成することが可能となる。
また、波長板は、上述したように光入射側の第1波長板と第2波長板、および光射出側の第3波長板と第4波長板とがそれぞれプラズマ重合膜により接合されているので、接着材による接合に比べ、耐熱性および耐光性を高めることができる。また、光学軸方位角が異なる4枚を用いることによって、高温下で互いに異なる方向に反る恐れがあるが、第2波長板と第3波長板との間には空隙が設けられているので、第1波長板と第2波長板との剥がれや、第3波長板と第4波長板との剥がれを抑えると共に、表面積が増えることによる放熱性を高めることができる。
したがって、広範囲の波長領域において偏光変換効率を高めると共に、耐熱性および耐光性を高めた波長板を提供することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に係る波長板において、前記第1波長板、前記第2波長板、前記第3波長板、および前記第4波長板は、無機結晶材料で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1〜第4波長板は、無機結晶材料、例えば水晶やサファイア等で形成されているので、より耐熱性および耐光性を高めた波長板を提供することができる。
[適用例3]本適用例に係る偏光変換素子は、光が入射する光入射面および光を射出する光射出面を有し、前記光入射面に所定の角度を有して順次接合された複数の透光性基材と、前記複数の透光性基材の間に交互に設けられた偏光分離膜および反射膜と、上記記載の波長板と、を備え、前記偏光分離膜は、前記光入射面から入射した光を第1の直線偏光と第2の直線偏光とに分離し、前記第1の直線偏光を透過させ、かつ前記第2の直線偏光を反射し、前記反射膜は、前記偏光分離膜で反射した前記第2の直線偏光を前記光射出面に向けて反射し、前記波長板は、前記第1の直線偏光および前記第2の直線偏光のいずれか一方を他方に変換することを特徴とする。
この構成によれば、偏光変換素子は、上述した波長板を備えるので、高耐熱性および高耐光性を有し、入射する光を広範囲の波長領域において効率よく第1の直線偏光または第2の直線偏光に揃えて射出することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に係る偏光変換素子において、前記第1波長板は、前記光射出面から離間して配置されていることが好ましい。
この構成によれば、偏光変換素子は、第2波長板と第3波長板との間に加え、第1波長板と光射出面との間にも空隙が設けられる。これによって、波長板の放熱性をさらに高めることができるので、さらに耐熱性を高めた偏光変換素子の提供が可能となる。
[適用例5]上記適用例に係る偏光変換素子において、前記偏光分離膜は、プラズマ重合膜を介して前記透光性基材に接合されていることが好ましい。
この構成によれば、偏光変換素子は、光が通過する偏光分離膜がプラズマ重合膜を介して透光性基材に接合されているので、さらに高耐熱性および高耐光性が可能となる。
また、反射膜が接着材を介して透光性基材に接合されるように偏光変換素子を構成しても、この接着材には光が照射されないので、高耐熱性および高耐光性を維持しつつ、偏光変換素子の製造の簡素化が可能となる。
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を前記第1の直線偏光または前記第2の直線偏光に変換する上記記載の偏光変換素子と、前記偏光変換素子から射出された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクターは、上述した偏光変換素子を備えるので、画質が良好な画像を長期に亘って投写することが可能となる。
本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式図。 本実施形態の第2レンズアレイおよび偏光変換ユニットの断面図。 本実施形態の偏光変換素子の斜視図。 本実施形態の波長板の構成を説明するための斜視図。 本実施形態の波長板の分解斜視図。 本実施形態の波長板を分解した状態の側面図。 本実施形態の波長板の変換効率を説明するためのグラフ。
以下、本施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、変調した光をスクリーン等の投写面に拡大投写する。なお、以下に示す各図は、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせたものである。
〔プロジェクターの主な構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクター300の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター300は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体300A、および外装筐体内に収容される光学ユニット3、制御部(図示省略)を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体300Aの内には、さらに、光学ユニット3等を冷却する冷却装置や制御部等に電力を供給する電源装置等が配置されている。
外装筐体300Aは、詳細な説明は省略するが、複数の部材で構成され、外気を取り込む吸気口や、外装筐体300A内部の温まった空気を外部に排気する排気口等が設けられている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター300の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
光学ユニット3は、光源装置30を備え、制御部による制御の下、光源装置30から射出された光束を光学的に処理して投写する。
光学ユニット3は、図1に示すように、光源装置30に加え、インテグレーター照明光学系31、色分離光学系32、リレー光学系33、電気光学装置34、投写光学装置としての投写レンズ35、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体36を備える。
光源装置30は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源301、およびリフレクター302等を備える。光源装置30は、光源301から射出された光をリフレクター302にて反射し、インテグレーター照明光学系31に向けて射出する。
インテグレーター照明光学系31は、第1レンズアレイ311、第2レンズアレイ312、偏光変換ユニット1、および重畳レンズ314を備える。
第1レンズアレイ311は、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有しており、光源装置30から射出された光を複数の部分光に分割する。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311と略同様の構成を有しており、重畳レンズ314とともに、部分光を後述する液晶パネル341の表面に略重畳させる。
偏光変換ユニット1は、偏光変換素子10を備え、第2レンズアレイ312から射出されたランダム光を液晶パネル341で利用可能な直線偏光に揃える。偏光変換ユニット1については後で詳細に説明する。
色分離光学系32は、2枚のダイクロイックミラー321,322、および反射ミラー323を備え、インテグレーター照明光学系31から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学系33は、入射側レンズ331、リレーレンズ333、および反射ミラー332,334を備え、色分離光学系32で分離されたR光をR光用の液晶パネル341Rまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学系33がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
電気光学装置34は、各色光用に設けられた透過型の液晶パネル341(R光用の液晶パネルを341R、G光用の液晶パネルを341G、B光用の液晶パネルを341Bとする)、各液晶パネル341の光入射側に配置された入射側偏光板342、各液晶パネル341の光射出側に配置された射出側偏光板343、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム344を備えている。液晶パネル341は、光変調装置に相当する。
液晶パネル341R,341G,341Bは、供給された画像信号に基づいて、色分離光学系32から射出された各色光を変調し、各色の画像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム344は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム344は、液晶パネル341R,341Bそれぞれにて変調されたR光およびB光を反射し、液晶パネル341Gにて変調されたG光を透過して、3色の画像光を合成する。
投写レンズ35は、複数のレンズ(図示省略)を備え、クロスダイクロイックプリズム344にて合成された光をスクリーン上に拡大投写する。
〔偏光変換ユニット〕
ここで偏光変換ユニット1について詳細に説明する。
図2は、第2レンズアレイ312および偏光変換ユニット1の断面図である。
偏光変換ユニット1は、図2に示すように、偏光変換素子10、遮光板19、および図示しない保持枠を備えている。
図3は、偏光変換素子10の斜視図である。
偏光変換素子10は、図2、図3に示すように、素子本体10A、波長板20、および両面粘着材181,182を有している。
素子本体10Aは、平面視矩形の板状に形成され、互いに平行な光入射面10iおよび光射出面10eを有している。
素子本体10Aは、光射出面10eに沿う方向に順次接合された複数の透光性基材110と、複数の透光性基材110の間に交互に設けられた偏光分離膜120および反射膜130とを有し、複数の透光性基材110が順次接合される方向における中心10cを挟んで対称に形成されている。なお、光源装置30から射出される光の方向を+Z方向、複数の透光性基材110が順次接合される方向をX方向、Z方向およびX方向に直交する方向をY方向とする。
素子本体10Aは、一方の面に成膜された偏光分離膜120および他方の面に成膜された反射膜130を有する板状の母材111と、偏光分離膜120および反射膜130が成膜されていない板状の母材112とが交互に接合され、切断等の加工により形成されたものが中心10cで接合されて形成される。
具体的に、母材111は、偏光分離膜120が分子接合するプラズマ重合膜150を介して母材112に接合され、反射膜130が紫外線硬化型の接着材160を介して母材112に接合される。プラズマ重合膜は、主材料がポリオルガノシロキサンである。プラズマ重合膜は、プラズマ重合法により形成されてシロキサン結合を含み、Si骨格と、このSi骨格に結合する有機基からなる脱離機とを含む。そして、エネルギーを付与して表面付近に存在する脱離基がSi骨格から脱離することにより、接着性を発現する。
そして、交互に接合された複数の母材111,112は、接合される端面に対して所定の角度で切断される。その結果、光入射面10iおよび光射出面10eが形成され、切断された母材111,112は、接合される端面が光射出面10eに所定の角度(本実施形態では45°)を有して透光性基材110として形成される。すなわち、複数の透光性基材110は、光入射面10iに所定の角度を有して順次接合される。そして、偏光分離膜120および反射膜130は、複数の透光性基材110の間に交互に配置される。
遮光板19は、図2に示すように、第2レンズアレイ312と偏光変換素子10との間に配置され、第2レンズアレイ312から射出された光のうち、偏光変換素子10で有効に使用されない光を遮光する。具体的に、遮光板19は、平面視矩形状に形成され、光入射側から見て、偏光変換素子10の偏光分離膜120が設けられている領域に対応する領域に開口部191を有し、反射膜130が設けられている領域に向かう光を遮光する。
図示しない保持枠は、素子本体10Aおよび遮光板19の周縁部を保持する。
第2レンズアレイ312から射出され、遮光板19の開口部191を通過したランダム光は、偏光変換素子10の光入射面10iから偏光分離膜120に入射する。
偏光分離膜120は、入射した光を第1の直線偏光(P偏光)と第2の直線偏光(S偏光)とに分離し、P偏光を透過させ、かつ、S偏光を反射する。
反射膜130は、偏光分離膜120により反射されたS偏光を光射出面10eに向けて反射する。
波長板20は、偏光変換素子10の光射出面10e側に配置され、光射出側から見て、偏光分離膜120が設けられている領域に対応する領域に設けられている。波長板20は、図3に示すように、Y方向がX方向より長い短冊状に形成されている。波長板20は、1/2波長板として機能し、偏光分離膜120を透過し、光射出面10eから射出されたP偏光をS偏光に変換する。
このように、偏光変換素子10は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム光をS偏光に揃えて射出する。
〔波長板の構成〕
ここで、波長板20について詳細に説明する。
図4は、波長板20の構成を説明するための斜視図である。
波長板20は、図2、図4に示すように、光射出面10e側から順次配置される第1波長板21、第2波長板22、第3波長板23、および第4波長板24を有している。すなわち、第2波長板22は、第1波長板21の光射出側に配置され、第3波長板23は、第2波長板22の光射出側に配置される。そして、第4波長板24は、第3波長板23の光射出側に配置される。
第1波長板21〜第4波長板24は、無機結晶材料、本実施形態では水晶で形成されている。そして、第1波長板21と第2波長板22とは、プラズマ重合膜201を介して接合され、第3波長板23と第4波長板24とは、プラズマ重合膜202を介して接合されている。接合された第1波長板21と第2波長板22とを第1ユニット20Aとし、接合された第3波長板23と第4波長板24とを第2ユニット20Bとする。
波長板20は、図2に示すように、第1ユニット20A(第1波長板21)が光射出面10eから離間し、第1ユニット20A(第2波長板22)と第2ユニット20B(第3波長板23)とが離間して配置される。
具体的に、第1ユニット20Aは、図3に示すように、光射出面10eのY方向における両端部に配置された両面粘着材181を介して素子本体10Aに固定される。第2ユニット20Bは、第1ユニット20AのY方向における両端部および両面粘着材181に積層された両面粘着材182を介して素子本体10Aに固定される。その結果、波長板20は、図2に示すように、第1ユニット20A(第1波長板21)と光射出面10eとの間に空隙20Gaが設けられ、第1ユニット20Aと第2ユニット20Bとの間(第2波長板22と第3波長板23との間)に空隙20Gbが設けられて配置される。
図5は、波長板20の分解斜視図である。図6は、波長板20を分解した状態の側面図である。
第1波長板21〜第4波長板24は、互いに異なる光学軸方位角を有している。そして、第1波長板21〜第4波長板24は、全体として、偏光分離膜120から射出されたP偏光の位相を180°ずらし、偏光面を90°回転させたS偏光に変換するように、光学軸方位角、および位相差が設定されている。光学軸方位角とは、結晶光学軸Axと波長板20に入射するS偏光の偏光面とのなす角度である。
具体的に、第1波長板21〜第4波長板24は、第1波長板21の光学軸方位角θ1と第2波長板22の光学軸方位角θ2との差、および第3波長板23の光学軸方位角θ3と第4波長板24の光学軸方位角θ4との差がそれぞれ90°で、光学軸方位角θ2と光学軸方位角θ3との差が45°となるように設定されている。例えば、図5に示すように、θ1=22.5°、θ2=112.5°、θ3=67.5°、θ4=157.5°を例示することができる。
また、光学軸方位角θ1、θ2、θ3、θ4は、上述した角度に限らず以下に示す角度であってもよい。θ1=67.5°、θ2=157.5°、θ3=22.5°、θ4=112.5°、あるいは、θ1=157.5°、θ2=67.5°、θ3=112.5°、θ4=22.5°、あるいはθ1=112.5°、θ2=22.5°、θ3=157.5°、θ4=67.5°。また、光学軸方位角θ1、θ2、θ3、θ4の許容公差としては、設定角度に対して±2°程度である。
第1波長板21〜第4波長板24は、結晶光学軸Axに対して平行な角度で切り出されるYカットで加工、すなわち、図6に示すように、主面法線と結晶光学軸Axとが成す切断角度βが90°に設定されている。
第1波長板21〜第4波長板24は、第1ユニット20Aの位相差Γ1、および第2ユニット20Bの位相差Γ2が180°を満足するように板厚が設定される。
波長λの光に対する位相差Γ1、Γ2は、以下の式(1)、式(2)で示される。
〔数1〕
Γ1=2π/λ×|ne−no|×|t1−t2|・・・(1)
〔数2〕
Γ2=2π/λ×|ne−no|×|t3−t4|・・・(2)
ここで、ne:異常光の屈折率、no:常光の屈折率、t1:第1波長板21の板厚、t2:第2波長板22の板厚、t3:第3波長板23の板厚、t4:第4波長板24の板厚とする。
式(1)、式(2)から、|t1−t2|、|t3−t4|それぞれは、以下の式で導かれる。
〔数3〕
|t1−t2|=λ/(2×|ne−no|)・・・(3)
〔数4〕
|t3−t4|=λ/(2×|ne−no|)・・・(4)
波長板20は、プロジェクター300が高品質の画像を投写するために、波長が約400nm〜約700nmの領域において、偏光変換効率が高くなることが求められる。そこで、波長λとして、520nmの光(G光)を用い、式(3)、(4)を満足するようにt1、t2、t3、t4を求めた。
その結果、例えば、t1=t3=0.2821mm、t2=t4=0.3103mmを得た。また、式(3)、(4)を満足していれば、t1≠t3、t2≠t4であってもよく、t1>t2かつt3>t4であってもよい。また、|t1−t2|、|t3−t4|の設定値に対する許容公差は、±5%程度である。
図7は、波長に対する波長板20の変換効率を説明するためのグラフであり、従来技術の2枚の水晶板で構成された波長板の特性と比較したグラフである。具体的に、図7は、入射角を0°、5°に変化させた場合の波長400nm〜700nmに対する変換効率のシミュレーション結果を示すグラフである。
図7に示すように、従来の波長板では、偏光変換効率が波長520nmにおいて略100%であるが、波長520nmから遠ざかる程に偏光変換効率は小さなものとなり、波長400nmにおいては約73%、波長700nmにおいては約83%となる。
一方、本実施形態の波長板20においては、波長が約460nm〜約600nmの領域で略100%となり、波長400nmにおいて約93%、波長700nmにおいて約97%となり、広範囲の波長領域において偏光変換効率が高いものとなる。
なお、第1波長板21〜第4波長板24は、人工水晶でも天然水晶でもよく、また、無機結晶材料であれば、水晶に限らず、例えば、サファイア等を用いることが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)波長板20は、上述した第1波長板21〜第4波長板24で構成されているので、広範囲の波長領域において偏光変換効率を高めた1/2波長板を形成することが可能となる。
また、波長板20は、第1波長板21と第2波長板22、および第3波長板23と第4波長板24とがそれぞれプラズマ重合膜により接合されているので、接着材による接合に比べ、耐熱性および耐光性を高めることができる。また、光学軸方位角が異なる4枚を用いることによって、高温下で互いに異なる方向に反る恐れがあるが、第2波長板22と第3波長板23との間には空隙20Gbが設けられているので、第1波長板21と第2波長板22との剥がれや、第3波長板23と第4波長板24との剥がれを抑えると共に、表面積が増えることによる放熱性を高めることができる。
したがって、広範囲の波長領域において偏光変換効率を高めると共に、耐熱性および耐光性を高めた波長板20を提供することが可能となる。
(2)第1波長板21〜第4波長板24は、無機結晶材料で形成されているので、より耐熱性および耐光性を高めた波長板20を提供することができる。
(3)偏光変換素子10は上述した波長板20を備えるので、高耐熱性および高耐光性を有し、入射する光を広範囲の波長領域において効率よくS偏光に揃えて射出することが可能となる。
(4)偏光変換素子10は、第2波長板22と第3波長板23との間に加え、第1波長板21と光射出面10eとの間にも空隙20Gaが設けられる。これによって、波長板20の放熱性をさらに高めることができるので、さらに耐熱性を高めた偏光変換素子10の提供が可能となる。
(5)偏光変換素子10は、光が通過する偏光分離膜120がプラズマ重合膜150を介して透光性基材110に接合されているので、さらに高耐熱性および高耐光性が可能となる。
また、偏光変換素子10は、反射膜130が接着材160を介して透光性基材110に接合されているが、この接着材160には光が照射されないので、高耐熱性および高耐光性を維持しつつ、製造の簡素化が可能となる。
(6)プロジェクター300は、上述した偏光変換素子10を備えるので、画質が良好な画像を長期に亘って投写することが可能となる。
(7)第1波長板21〜第4波長板24は、切断角度βが90°であるため、人口水晶等を母材として形成された場合、1つの母材からより多くの枚数を取得することが可能となり、波長板20製造の簡素化や低コスト化が可能となる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態の波長板20は、第1ユニット20A(第1波長板21)が光射出面10eから離間して配置されているが、第1波長板21がプラズマ重合膜を介して光射出面10eに接合されるように構成してもよい。
前記実施形態の波長板20は、偏光分離膜120が設けられている領域に対応する領域に配置され、第1の直線偏光としてのP偏光を第2の直線偏光としてのS偏光に変換するように構成されているが、波長板20を反射膜130が設けられている領域に対応する領域に配置し、第2の直線偏光としてのS偏光を第1の直線偏光としてのP偏光に変換するように構成してもよい。
前記実施形態のプロジェクター300は、光変調装置として透過型の液晶パネル341を用いているが、反射型液晶パネルを利用したものであってもよい。
光源301は放電型のランプに限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード、レーザー等の固体光源で構成してもよい。
1…偏光変換ユニット、10…偏光変換素子、10e…光射出面、10i…光入射面、20…波長板、20Gb…空隙、21…第1波長板、22…第2波長板、23…第3波長板、24…第4波長板、35…投写レンズ(投写光学装置)、110…透光性基材、120…偏光分離膜、130…反射膜、150,201,202…プラズマ重合膜、160…接着材、181,182…両面粘着材、300…プロジェクター、301…光源、341,341B,341G,341R…液晶パネル(光変調装置)、θ1,θ2,θ3,θ4…光学軸方位角。

Claims (6)

  1. 無機結晶材料で形成され、光学軸方位角がθ1である第1波長板と、
    前記無機結晶材料で形成され、光学軸方位角がθ2である第2波長板と、
    前記無機結晶材料で形成され、光学軸方位角がθ3である第3波長板と、
    前記無機結晶材料で形成され、光学軸方位角がθ4である第4波長板と、
    を備え、
    前記第2波長板は、前記第1波長板の光射出側にプラズマ重合膜を介して接合され、
    前記第3波長板は、前記第2波長板の光射出側に空隙を有して配置され、
    前記第4波長板は、前記第3波長板の光射出側にプラズマ重合膜を介して接合され、
    前記θ1と前記θ2との差、および前記θ3と前記θ4との差がそれぞれ90°で、前記θ2と前記θ3との差が45°であることを特徴とする波長板。
  2. 請求項1に記載の波長板であって、
    前記第1波長板、前記第2波長板、前記第3波長板、および前記第4波長板は、水晶で形成されていることを特徴とする波長板。
  3. 光が入射する光入射面および光を射出する光射出面を有し、前記光入射面に所定の角度を有して順次接合された複数の透光性基材と、
    前記複数の透光性基材の間に交互に設けられた偏光分離膜および反射膜と、
    請求項1または請求項2に記載の波長板と、
    を備え、
    前記偏光分離膜は、前記光入射面から入射した光を第1の直線偏光と第2の直線偏光とに分離し、前記第1の直線偏光を透過させ、かつ前記第2の直線偏光を反射し、
    前記反射膜は、前記偏光分離膜で反射した前記第2の直線偏光を前記光射出面に向けて反射し、
    前記波長板は、前記第1の直線偏光および前記第2の直線偏光のいずれか一方を他方に変換することを特徴とする偏光変換素子。
  4. 請求項3に記載の偏光変換素子であって、
    前記第1波長板は、前記光射出面から離間して配置されていることを特徴とする偏光変換素子。
  5. 請求項3または請求項4に記載の偏光変換素子であって、
    前記偏光分離膜は、プラズマ重合膜を介して前記透光性基材に接合されていることを特徴とする偏光変換素子。
  6. 光源と、
    前記光源から射出された光を前記第1の直線偏光または前記第2の直線偏光に変換する請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子から射出された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
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