JP2007233208A - 光学素子、投射型投影装置および光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子、投射型投影装置および光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶のプレチルト角を考慮して簡単かつ正確に光学補償を行うことができる光学素子を提供すること。
【解決手段】本発明では、6面体における向かい合う3組の面のうち2組の面がそれぞれ平行であり、残る1組の面が平行ではない第1の部品と、第1の部品に対して鏡面対称となる第2の部品とを有し、第1の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかと、第2の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかとを接着し、その接着した面と各々向かい合う第1の部品の面と第2の部品の面とを平行にした光学補償素子14を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直配向方式の液晶表示素子を用いた投射型投影装置に適用されるものに関して、主にコントラスト、明るさを向上させるために、光束の位相差制御を行う光学素子、投射型投影装置および光学素子の製造方法に関するものである。
従来より、照明装置と、照明装置によって照明される光変調素子と、光変調素子の像を結像させる投影レンズとを備えた投射型画像表示装置が提案されている。これらの中には、光源として放電ランプを用い、画像変調素子としては透過型液晶素子やDMD(Digital Micromirror Device)が多く用いられており、デバイス、光学系とも、さまざまな改良を重ねてきた。さらに近年では、より高解像度な反射型液晶素子を用いた投射型画像表示装置も実用化されている。
投射型画像表示装置では、白色光を出射する光源を有し、光源からの白色光をダイクロイックミラーで、赤、緑、青の3色に色分離し、それぞれの色に対応して光変調素子を照明する。そして、光変調素子で変調された後クロスプリズムなどの色合成手段で合成され、投影レンズによりスクリーン上に投影される。
図7に投射型画像表示装置の概略構造を示す。この投射型画像表示装置において、ランプ1の発光部はリフレクタの焦点位置に配置されており、ランプ1から出射した光はリフレクタで反射することによりほぼ平行な光となり第1のインテグレータレンズ、および第2のインテグレータレンズ3に入射する。これらのレンズは、後に液晶表示装置に入射する光の照度を均一化する効果をもつ。インテグレータレンズを出射した光束は偏光ビームスプリッタ4に入射し、ここで所定の偏光方向の光に偏光される。偏光ビームスプリッタ4を出射した光はコンデンサーレンズ5に入射し集光される。
コンデンサーレンズ5を出射した白色光はダイクロイックミラー6によって分離される。例えば、ダイクロイックミラー6では赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長大域の光は反射する。透過した赤色波長帯域の光は反射ミラー8、フィールドレンズ9を透過した後、反射型偏光子10に入射し、反射型光変調素子(液晶変調素子)11Rを照明する。
一方、ダイクロイックミラー6で反射した光は、再度ダイクロイックミラー7に入射する。ここで、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。分離した光束はフィールドレンズ9、反射型偏光子10にそれぞれ入射し、反射型液晶表示装置11B、11Gを照明する。
反射型液晶表示装置11R、11G、11Bで光変調された各色光は再度反射型偏光子10に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射して色合成プリズム12に入射する。色合成プリズム12では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されており、各色の光束は合成されて投影レンズ13に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す。
近年、投射型画像投影装置においては、コントラスト特性や視野角特性を改善するために、位相差素子を用いた光学補償技術が用いられている。ここでは、垂直配向液晶における黒輝度補正の概念を説明する。垂直配向液晶における無電圧印加状態(黒状態)では、液晶分子は垂直に配光しており、この場合、液晶表示装置に垂直に入射した光束は複屈折を生じない。そのため、反射型偏光子に入射し所定の直線偏光とされた光束の偏光は乱れることなく、再び反射型偏光子に入射、透過し、スクリーンに光が漏れることはない。
しかし、液晶表示装置に所定の角度を持って入射した光に対しては複屈折を生じるため、直線偏光として反射型液晶表示装置に入射した光束は楕円偏光となり、その結果、再び反射型偏光子に入射した光の一部がスクリーンに到達し、コントラスト悪化の原因となる。
さらに、横電界による液晶分子の配光乱れの抑制や、液晶分子の応答速度の改善のため、液晶分子を液晶変調素子面に対し所定の角度(プレチルト角)傾けることが提案されており、その場合は、液晶表示装置に垂直に入射した光束場合も複屈折により偏光状態が乱され、コントラスト悪化の原因となる。
そこで、以上に述べた偏光の乱れを補償し、最適な偏光状態を実現する方法として、種々方式が提案されており、例えば、複屈折を有する単結晶を用いる方法、水晶やサファイヤなどを用いる方法、高分子フィルム等の複屈折を有する有機材料などを用いる方法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−42314号公報
しかし、単結晶を用いる方法の場合、特に液晶のプレチルト角度までをも考慮して補償しようとすると、結晶軸に対して所定の角度で切り出す必要が生じ、材料(単結晶)の切り出し、研磨等に非常に高い精度が必要となり実用的ではない。また、高分子系のフィルムを用いて液晶分子のプレチルト角度をも含めて補償しようとすると、2軸の位相差フィルムや、複数枚の位相差フィルムを組みあせて作る必要があり、こちらも高い精度が必要となり、かつ耐熱性や耐光性にも弱いといった問題点が生じる。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、液晶に対して負の1軸性位相差特性を有する光学素子において、面内に垂直な方向に光学軸をもつ位相差層を、液晶分子のプレチルトと対応した方向に傾斜させた対向面をもつ一対の透明体で挟持してなる光学素子である。
本発明の光学素子は、液晶の位相差を打ち消すための位相差層を、液晶分子のプレチルトと対応した方向に傾斜させた対向面をもつ一対の透明体で挟持した構成のため、位相差層の正確な光学軸を容易に設定することが可能となる。
この光学素子を実現するため、本発明では、6面体における向かい合う3組の面のうち2組の面がそれぞれ平行であり、残る1組の面が平行ではない第1の部品と、第1の部品に対して鏡面対称となる第2の部品とを有し、第1の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかと、第2の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかとを接着し、その接着した面と各々向かい合う第1の部品の面と第2の部品の面とを平行にしたものである。
これにより、光学素子としては直方体をなし、この直方体の面に対して第1の部品と第2の部品とを接着した面の角度を正確に設定できるようになり、この接着した面に位相差層を設けることで位相差層の光学軸を液晶分子のプレチルトと対応した方向に正確かつ容易に設定できるようになる。
ここで、位相差層としては、無機材料の積層構造や、複屈折を有する単結晶や、高分子フィルムを用いることができる。
このような本発明の光学素子は、超高圧水銀ランプ等の光源、光源からの光に照明され照明された光を変調する光変調素子(透過型、反射型)、所定の偏光状態を実現する偏光子(透過型の場合には入射側と出射側とで異なる偏光子、反射型の場合には入射側および出射側で同じ偏光子)、投影レンズを備えた投射型投影装置において、偏光子と光変調素子との間に配置する光学補償素子として適用することができる。
また、この光学素子を製造するには、各々の傾斜面を貼り合わせることで1つの直方体が構成される2つのプリズムを用い、少なくとも一方のプリズムの傾斜面に位相差層を形成する工程と、2つのプリズムにおける傾斜面を貼り合わせて第1の直方体を構成する工程と、第1の直方体の面のうち傾斜面と向かい合う面に沿って所定の角度を付けて第2の直方体を切り出す工程とによって実現する。これにより、直方体の面に対して所定の角度を備えた位相差層を簡単に製造できるようになる。
したがって、本発明によれば、コントラストが高く、高輝度な投影型液晶表示装置を実現することが可能となる。また、光学補償のために位相差層として、無機材料の積層構造を用いることにより、耐熱性、耐光性、量産性に優れた光学補償素子を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
<反射型液晶(例えば、SXRD(Silicon Crystal Reflective Display)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon))の例>
図1は、本実施形態に係る投射型投影装置を説明する模式図である。ランプ1の発光部はリフレクタの焦点位置に配置されており、ランプ1から出射した光はリフレクタで反射することによりほぼ平行な光となり第1のインテグレータレンズ2、および第2のインテグレータレンズ3に入射する。これらのレンズは、後に液晶表示装置に入射する光の照度を均一化する効果をもつ。インテグレータレンズを出射した光束は偏光ビームスプリッタ4に入射し、ここで所定の偏光方向の光に偏光される。
偏光ビームスプリッタ4を出射した光はコンデンサーレンズ5に入射し集光される。コンデンサーレンズ5を出射した白色光はダイクロイックミラー6によって分離される。例えばダイクロイックミラー6では赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長大域の光は反射する。透過した赤色波長帯域の光は反射ミラー8、フィールドレンズ9を透過した後、反射型偏光子10に入射し、反射型光変調素子(液晶変調素子)11Rを照明する。
一方、ダイクロイックミラー6で反射した光は、再度ダイクロイックミラー7に入射する。ここで、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。分離した光束はフィールドレンズ9、反射型偏光子10にそれぞれ入射し、反射型液晶変調素子11B、11Gを照明する。
反射型液晶変調素子11R、11G、11Bで光変調された各色光は再度反射型偏光子10に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射して色合成プリズム12に入射する。色合成プリズム12では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されており、各色の光束は合成されて投影レンズ13に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す。
ここで、反射型液晶変調素子11と反射型偏光子10との間に複屈折を有する光学素子がない場合、例え黒表示時であっても、液晶分子のわずかな位相差によって偏光状態が変わり楕円偏光成分が生じる。そのため、コントラストの低下といった問題が生ずることになる。
そこで、本実施形態においては、反射型液晶変調素子11と反射型偏光子10との間に光学補償素子(本発明に係る光学素子)14を配置することにより液晶分子によって生じた位相差を打ち消す。
本実施形態で利用する光学補償素子は、図2にあるように、6面体の中にあり、1つ以上の辺が完全に接することがなく向かい合う3組の面において、2組の面がそれぞれ平行であり、残る一組の面が平行ではない部品Aと、部品Aに対して鏡面対称な部品Bとを有し、部品Aの向かいある面が平行ではない面のいずれかと、部品Bの向かい合う面が平行ではない面のいずれかとが接着され、接着された面と各々向かい合う部品Aの面と部品Bの面とが平行となるものを用いている。
図2(a)に示す例では、部品Aのa〜fの面のうち、aとb、cとdは平行、eとfが非平行となっている。また、部品Bは部品Aに対して鏡面対称な形状となっている。これら部品A、Bの傾斜面を図2(b)に示すように貼り合わせると、図2(c)に示すような直方体の光学補償素子が構成される。
部品Aと部品Bとの間には接着面に垂直な方向を光学軸とする負の1軸性特定を有する位相差層Sを備えている(図2(d)参照)。この位相差層Sの材料として、サファイヤなどの単結晶を用いる場合や、有機材料からなる複屈折性フィルムなどを用いることが考えられる。また、無機材料の積層構造からも負の1軸性特性を有する位相差層Sを実現することが可能であり、耐熱性、耐光性、量産性等を考慮した場合、この方法が最も望ましい。無機材料の積層構造としては、例えば酸化シリコンと酸化チタンとを交互に複数層重ねたものを用いている。
本実施形態の光学補償素子は、液晶変調素子の画面表示サイズに合わせた大きさとなっており、例えば長手方向2cm、短手方向1.5cm、厚さ方向1.8mm〜2.5mmとなっている。また、位相差層Sの厚さは数μm〜数十μm(好ましくは1μm〜5μm)となっており、光学的に影響の発生しない程度の厚さになっている。ここで、光学補償素子は、液晶変調素子の防塵ガラスと兼用の構成にしてもよい。
以下に、本実施形態における光学補償素子により液晶変調素子によって生ずる複屈折を打ち消すことができ、コントラストの高い画像を表示することができる点について説明する。
本実施形態では液晶変調素子として垂直配向型液晶を利用している。液晶変調素子の面に対し垂直な方向に光学軸をもつ液晶を考えた場合、液晶変調素子面に対して垂直に入射する光線に対しては位相差を与えない。しかし、斜めから入射した光線に対しては位相差が生ずることになり、結果として黒表示時の光漏れを起こしコントラストの低下が生ずる。
斜めからの光線に対して生ずる位相差を消失させるためには、液晶と同一特性で逆符号の位相差素子を液晶変調素子と偏光子の間に配置すればよい。仮に液晶が液晶変調素子面に垂直な方向に光学軸を持ち、正の1軸特性の場合、配置する光学補償素子は光学軸を液晶変調素子面に垂直な方向に持つ負の1軸複屈折素子とすればよい。
しかし、一般的に垂直配向液晶では駆動電圧を印加した際に、所定の方向に液晶分子の駆動方向を導くために配向処理がなされており、電圧を印加していない状態においても、図3(b)に示すように、液晶分子の光学軸は液晶表示素子の垂線に対して傾き角度(プレチルト角)を持つ。
この場合、先に説明した負の1軸を有する光学補償素子の光学軸も液晶分子のプレチルト角度同等に傾ければ(図3(a)参照)、垂直入射・斜め入射を問わず位相差は生じない、もしくは位相差を非常に小さくできることになり(図4参照)、結果として表示される画像のコントラスト比を増加させることになる。
本実施形態の光学補償素子のようにブロック形状(直方体)になっていることで、外形面基準で簡単に取り付けできるとともに、位相差層の光学軸も正確に設定することが可能となる。
<透過型液晶(垂直配向)の例>
図5に透過型液晶を用いた投射型投影装置の模式図を示す。ランプ1の発光部はリフレクタの焦点位置に配置されており、ランプ1から出射した光はリフレクタで反射することによりほぼ平行な光となり第1フライアイレンズ23、および第2フライアイレンズ24に入射する。これらのレンズは、後に液晶表示装置に入射する光の照度を均一化する効果をもつ。フライアイレンズを出射した光束は偏光ビームスプリッタ25に入射し、ここで所定の偏光方向の光に偏光される。
偏光ビームスプリッタ25を出射した光はコンデンサーレンズ26に入射し集光される。コンデンサーレンズ26を出射した白色光はダイクロイックミラー27によって分離される。例えば、ダイクロイックミラー27では赤色波長帯域の光は反射し、緑色波長帯域、青色波長大域の光は透過する。反射した赤色波長帯域の光は反射ミラー29、フィールドレンズ30を透過した後、入射側偏光子35に入射し、透過型液晶変調素子31を照明する。
一方、ダイクロイックミラー27を透過した光は、再度ダイクロイックミラー28に入射する。ここで、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。分離した光束はフィールドレンズ30、入射側偏光子35にそれぞれ入射し、透過型液晶変調素子31を照明する。
透過型液晶変調素子31で光変調された各色光はそれぞれ出射側偏光子36に入射し、液晶変調素子の変調の度合いにより、一部が透過、一部が吸収され色合成プリズム33に入射する。色合成プリズム33では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されており、各色の光束は合成されて投影レンズ34に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す。
ここで、入射側偏光子35と透過型液晶変調素子31との間、もしくは透過型液晶変調素子31と出射側偏光子36との間に複屈折を有する光学補償素子がない場合、例え黒表示時であっても、液晶分子のわずかな位相差によって偏光状態が変わり楕円偏光成分が生じる。そのため、コントラストの低下といった問題が生ずることになる。
そこで、本実施形態においては、入射側偏光子35と透過側液晶変調素子31との間、もしくは透過型液晶変調素子31と出射側偏光子36との間に光学補償素子37を配置することにより液晶分子によって生じた位相差を打ち消す。
本実施形態で利用する光学補償素子は、図3にあるように、6面体の中にあり、1つ以上の辺が完全に接することがなく向かい合う3組の面において、2組の面がそれぞれ平行であり、残る一組の面が平行ではない部品Aと、部品Aに対して鏡面対称な部品Bとを有し、部品Aの向かいある面が平行ではない面のいずれかと、部品Bの向かい合う面が平行ではない面のいずれかとが接着され、接着された面と各々向かい合う部品Aの面と部品Bの面とが平行となるものを用いている。
部品Aと部品Bとの間には接着面に垂直な方向を光学軸とする負の1軸性位相差層を有する。負の1軸性位相差層の材料として、サファイヤなどの単結晶を用いる場合や、有機材料からなる複屈折性フィルムなどを用いることが考えられる。また更には無機材料の積層構造からも負の1軸性位相差層を実現することが可能であり、耐熱性、耐光性、量産性等を考慮した場合、この方法が最も望ましい。
以下に、本実施形態における光学補償素子により液晶変調素子によって生ずる複屈折を打ち消すことができ、コントラストの高い画像を表示することができる点について説明する。
本実施形態では液晶変調素子として垂直配向型液晶を利用している。液晶変調素子の面に対し垂直な方向に光学軸をもつ液晶を考えた場合、液晶変調素子面に対して垂直に入射する光線に対しては位相差を与えず等方的な光学素子として振舞う。しかし、斜めから入射した光線に対しては位相差が生ずることになり、結果として黒表示時の光漏れを起こしコントラストの低下が生ずる。
斜めからの光線に対して生ずる位相差を消失させるためには、液晶と同一特性で逆符号の位相差素子を液晶変調素子と偏光子の間に配置すればよい。仮に液晶が光学軸を液晶変調素子面に垂直な方向に光学軸を持ち、正の1軸特性の場合、配置する光学補償素子は光学軸を液晶変調素子面に垂直な方向に持つ負の1軸複屈折板にすればよい。
しかし、一般的に垂直配向液晶では駆動電圧を印加した際に、所定の方向に液晶分子の駆動方向を導くために配向処理がなされており、電圧を印加していない状態においても、液晶分子の光学軸は液晶表示素子の垂線に対して傾き角度(プレチルト角)を持つ。この場合、先に説明した負の1軸を有する光学補償素子の光学軸も液晶分子のプレチルト角度同等に傾ければ、垂直入射・斜め入射を問わず位相差を生じなくする、もしくは位相差を非常に小さくできることになり、結果として表示される画像のコントラスト比を増加させることになる。
<光学補償素子の製造方法>
図6は、本実施形態に係る光学補償素子の製造方法を説明する模式図である。先に示した本実施形態の光学補償素子を製造するため、先ず、図6(a)に示すような板状ガラスを研磨するか、2つのプリズムを用意する(図6(b)参照)。この2つのプリズムは各々傾斜面を貼り合わせることで1つの直方体が構成されるものである。ここでは、2つのプリズムを第1プリズムP1と第2プリズムP2とする。
次に、図6(c)に示すように、第1プリズムP1もしくは第2プリズムP2の少なくとも一方の傾斜面に位相差層Sを形成する。位相差層Sはスパッタや蒸着による無機材料の積層構造、複屈折を有する単結晶、高分子フィルムのうちいずれかが用いられる。本実施形態では、耐熱性、耐光性、量産性の観点から無機材料の積層構造を用いる。無機材料の積層構造としては、例えば酸化シリコンと酸化チタンとを交互に複数層重ねたものを用いている。
また、必要に応じて第1プリズムP1の傾斜面と対向する面や第2プリズムP2の傾斜面と対向する面に反射防止膜(ARコート)を形成しておく。なお、完成後の光学補償素子を液晶表示装置の防塵ガラスと兼用する場合には、反射防止膜は一方の面のみでよい。
次いで、図6(d)に示すように、第1プリズムP1の傾斜面と第2プリズムP2の傾斜面とを貼り合わせて第1直方体B1を構成する。この貼り合わせは、例えば紫外線照射硬化型接着剤を用いる。
その後、図6(e)に示すように、貼り合わせた第1直方体B1における面のうち、傾斜面と向かい合う面に沿って所定の角度を付けて直方体に切り出し、第2直方体B2を構成する。図6(e)に示す例では、第1直方体B1の上面に沿って45度の角度を付けて第2直方体B2に切り出している。この第2直方体B2が本実施形態の光学補償素子となる。
ここで、第1直方体B1として細長形状のものを用いると、1個の第1直方体B1から複数個の第2直方体B2を切り出すことができ、量産性を高めることができる(図6(f)参照)。このように切り出された第2直方体B1、すなわち本実施形態の光学補償素子では、第1プリズムP1および第2プリズムP2の傾斜面の角度と、第1直方体B1に対する第2直方体B2の切り出しの角度とによって、光学補償素子に構成される位相差層Sの光学軸(面内に垂直な方向の軸)が決定される。
つまり、この光学軸の角度として、光学補償素子を適用する液晶表示素子の液晶プレチルトと対応させることにより、直方体形状の光学補償素子の外周面を基準とした配置(取り付け)のみで液晶の位相差を精度良く打ち消すことができる光学補償が可能となる。また、第1プリズムP1および第2プリズムP2の傾斜面の角度や第2直方体B2の切り出しの角度によって正確に位相差層Sの光学軸を設定でき、外形は直方体でありながら光学軸を所望の角度に簡単かつ正確に設定することが可能となる。しかも、簡単な貼り合わせと切り出しのみで多くの光学補償素子を製造でき、高い量産性を実現できるようになる。
<その他の例>
上記説明した本実施形態の投射型投影装置では、白色光をもつ光源を用いているが、本発明はこれに限定されることはなく、LEDやレーザなどの単色光源、もしくはそれらの組みあわせでも適用可能である。また、偏光子として反射型偏光素子を用いているが、これに限定されることはなく、吸収型の偏光素子やPBS(偏光ビームスプリッタ)でも構わない。
本実施形態に係る投射型投影装置を説明する模式図である。 本実施形態に係る光学補償素子を説明する模式図である。 光学補償素子の光学軸を説明する模式図である。 液晶分子層と光学補償層との関係を説明する模式図である。 透過型液晶を用いた投射型投影装置を説明する模式図である。 本実施形態に係る光学補償素子の製造方法を説明する模式図である。 従来の投射型投影装置を説明する模式図である。
符号の説明
1…ランプ、2…インテグレータレンズ、3…インテグレータレンズ、4…偏光ビームスプリッタ、5…コンデンサーレンズ、6…ダイクロイックミラー、7…ダイクロイックミラー、10…反射型偏光子、11…反射型光変調素子、12…色合成プリズム、13…投影レンズ、14…光学補償素子

Claims (20)

  1. 液晶に対して負の1軸性位相差特性を有する光学素子において、
    面内に垂直な方向に光学軸をもつ位相差層を、液晶分子のプレチルトと対応した方向に傾斜させた対向面をもつ一対の透明体で挟持してなる
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 6面体における向かい合う3組の面のうち2組の面がそれぞれ平行であり、残る1組の面が平行ではない第1の部品と、
    前記第1の部品に対して鏡面対称となる第2の部品とを有し、
    前記第1の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかと、前記第2の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかとが接着され、その接着された面と各々向かい合う前記第1の部品の面と前記第2の部品の面とが平行となっている
    ことを特徴とする光学素子。
  3. 接着される前記第1の部品の面と前記第2の部品の面とのうち少なくとも一方の面に、入射する光線の位相差を変化させる位相差層が設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の光学素子。
  4. 前記位相差層は、面内に垂直な方向に光学軸を有する負の1軸性位相差特性を有する
    ことを特徴とする請求項3記載の光学素子。
  5. 前記位相差層は、無機材料の積層構造からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の光学素子。
  6. 前記位相差層は、複屈折を有する単結晶からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の光学素子。
  7. 前記位相差層は、高分子フィルムからなる
    ことを特徴とする請求項3記載の光学素子。
  8. 光源と、
    前記光源から出射された光束を所定の光路に収束させる照明光学系と、
    前記照明光学系によって集光された光束を垂直配向された液晶分子により光変調する液晶素子と、
    前記液晶素子によって光変調された光束を拡大投影する投影レンズと、
    前記液晶素子の入射側、並びに出射側に配置される偏光子と、
    前記入射側の偏光子と前記液晶素子との間、または前記出射側の偏光子と前記液晶素子との間に配置される光学素子とを備える投射型投影装置において、
    前記光学素子は、
    6面体における向かい合う3組の面のうち2組の面がそれぞれ平行であり、残る1組の面が平行ではない第1の部品と、
    前記第1の部品に対して鏡面対称となる第2の部品とを有し、
    前記第1の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかと、前記第2の部品の向かい合う面が平行ではない面のいずれかとが接着され、その接着された面と各々向かい合う前記第1の部品の面と前記第2の部品の面とが平行となる
    ことを特徴とする投射型投影装置。
  9. 接着される前記第1の部品の面と前記第2の部品の面とのうち少なくとも一方の面に、入射する光線の位相差を変化させる位相差層が設けられている
    ことを特徴とする請求項8記載の投射型投影装置。
  10. 前記位相差層は、面内に垂直な方向に光学軸を有する負の1軸性位相差特性を有する
    ことを特徴とする請求項9記載の投射型投影装置。
  11. 前記位相差層は、無機材料の積層構造からなる
    ことを特徴とする請求項9記載の投射型投影装置。
  12. 前記位相差層は、複屈折を有する単結晶からなる
    ことを特徴とする請求項9記載の投射型投影装置。
  13. 前記位相差層は、高分子フィルムからなる
    ことを特徴とする請求項9記載の投射型投影装置。
  14. 前記位相差層の面と垂直な方向は前記液晶素子の液晶配向方向と対応している
    ことを特徴とする請求項9記載の投射型投影装置。
  15. 前記光学素子が、前記液晶素子の防塵ガラスと兼用となっている
    ことを特徴とする請求項8記載の投射型投影装置。
  16. 各々の傾斜面を貼り合わせることで1つの直方体が構成される2つのプリズムを用い、少なくとも一方のプリズムの傾斜面に位相差層を形成する工程と、
    前記2つのプリズムにおける傾斜面を貼り合わせて第1の直方体を構成する工程と、
    前記第1の直方体の面のうち前記傾斜面と向かい合う面に沿って所定の角度を付けて第2の直方体を切り出す工程と
    を備えることを特徴とする光学素子の製造方法。
  17. 前記位相差層は、面内に垂直な方向に光学軸を有する負の1軸性位相差層である
    ことを特徴とする請求項16記載の光学素子の製造方法。
  18. 前記位相差層は、無機材料の積層構造からなる
    ことを特徴とする請求項16記載の光学素子の製造方法。
  19. 前記位相差層は、複屈折を有する単結晶からなる
    ことを特徴とする請求項16記載の光学素子の製造方法。
  20. 前記位相差層は、高分子フィルムからなる
    ことを特徴とする請求項16記載の光学素子の製造方法。

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