JP2009300709A - 画像表示装置およびその調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示装置における暗階調に対して、輝度、色度ムラを低減させることを可能とする。
【解決手段】光変調素子23(23−1、23−2、23−3)と、前記光変調素子23の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子22(22−1、22−2、22−3)を有し、前記光学補償素子22は、前記光変調素子23に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子23の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となる状態に設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置およびその調整方法に関するものである。
従来より、照明装置と、照明装置によって照明される光変調素子と、光変調素子の像を結像させる投影レンズとを備えた投射型画像表示装置が提案されている。これらには、光源として放電ランプを用い、画像変調素子としては透過型液晶表示素子(HTPS)、反射型液晶表示素子(LCOS)、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)が用いられており、デバイス、光学系とも、様々な改良が重ねられてきている。
投射型画像表示装置では、白色光を射出する光源を有し、光源からの白色光をダイクロイックミラーで、赤、緑、青の3色に色分離し、それぞれの色に対応して光変調素子を照明する。そして、光変調素子で変調された後、クロスプリズムなどの色合成手段で合成され、投影レンズによりスクリーン上に投射される。
従来の投射型画像表示装置の概略構造を図14の概略構成図によって説明する。
図14に示すように、投射型画像表示装置101は、光源111の発光部112はリフレクタ113の焦点位置に配置されている。この光源111から射出した光はリフレクタ113で反射することによりほぼ平行な光となって第1インテグレータレンズ114および第2インテグレータレンズ115に入射する。これらのレンズは、後に光変調素子123に入射する光の照度を均一化する効果を持つ。第2インテグレータレンズ115を射出した光束は偏光ビームスプリッタ116に入射して所定の偏光方向の光に偏光される。偏光ビームスプリッタ116を射出した光はコンデンサーレンズ117に入射し集光される。
コンデンサーレンズ117を射出した白色光はダイクロイックミラー118によって分離される。
例えばダイクロイックミラー118では赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長大域の光は反射する。透過した赤色波長帯域の光は反射ミラー119、フィールドレンズ120(120−1)を透過した後、反射型偏光子121(121−1)に入射し、光変調素子123(反射型液晶表示素子123−1)を照明する。
一方、ダイクロイックミラー118で反射した光は、別のダイクロイックミラー124に入射する。ここで、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。分離した光束はフィールドレンズ120(120−2)、120(120−3)、反射型偏光子121(121−2)、121(121−3)にそれぞれ入射し、光変調素子123(反射型液晶表示素子123−2)、光変調素子123(反射型液晶表示素子123−3)を照明する。
光変調素子123で光変調された各色光は、再度、反射型偏光子121に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源(光源111)の方向に戻り、一部は反射して色合成プリズム125に入射する。色合成プリズム125では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されている。そして各色の光束は合成されて投影レンズ126に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す(例えば、特許文献1参照。)。
上記液晶表示素子の光変調素子123では、一般に電圧印加の際の液晶のチルト方向を制御するために、無電界状態であっても光線の入射偏光軸に対して±45度の方向に、わずかな角度勾配(プレチルト)をつけることになる。そのために、光変調素子123の液晶表示素子に垂直に入射する光にとって、液晶表示素子は、光学軸が45度の微小位相差素子として働くことになる。
そのため、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子122が用いられている。
次に、黒階調を表示することに関して説明する。
光変調素子123としてノーマリーブラックタイプの液晶を用い、かつ反射型液晶表示素子123−1〜123−3の場合、黒階調側を表示するときには液晶の駆動電圧は相対的に小さな値となる。このため、(入射側)偏光素子−液晶表示素子−(射出側)偏光素子間で光の偏光状態は変わらないのが理想である。
しかし、主に、偏光素子の消光比、偏光素子と液晶表示素子との間にある硝材での複屈折、液晶表示素子での微小位相差等により、実際の光束の偏光状態は乱される。
さらにこれらには、デバイス特性、熱特性、周辺部品からの応力等の影響を受け、液晶表示素子の面内に不均一な位相差特性を持つことがある。
上記のように、面内に不均一な位相差特性が生じた場合、液晶表示素子の各位置に入射した光束はそれぞれ異なる偏光状態(楕円偏光)になる。そのため、再度偏光素子に入射したときの透過率、もしくは反射率が異なることになり、結果的にスクリーン上には輝度のムラとなって表示されることになる。R、G、Bそれぞれの光に対して輝度のムラが生じた場合、色度のムラとしても認識されることになる。
特表2003−506746号公報
解決しようとする問題点は、暗階調(例えば黒階調側)の表示において、液晶表示素子の面内の不均一な位相差特性が生じると、スクリーン上に投射される画像に輝度のムラを生じ、その輝度のムラが色度のムラとしても認識される点である。
本発明は、暗階調に対して、輝度、色度ムラを低減させることが可能になる。
本発明の画像表示装置(第1画素表示装置)は、光変調素子と、前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている。
本発明の第1画像表示装置では、光変調素子に印加する最小駆動電圧において、光変調素子での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように光学補償素子が設定されている。例えば光学補償素子の光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差が設定されている。これによって、光学補償素子は、光変調素子に印加する最小駆動電圧で、光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となるので、画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
本発明の画像表示装置の調整方法(第1調整方法)は、光変調素子と、前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に、設置位置が調整される。
本発明の画像表示装置の第1調整方法では、光変調素子に印加する最小駆動電圧において、光変調素子での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子の例えば光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差を設定する。すなわち、光学補償素子を、光変調素子に印加する最小駆動電圧で、光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に、光学補償素子の設置位置を調整する。このため、光変調素子の画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
本発明の画像表示装置(第2画素表示装置)は、光変調素子と、前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている。
本発明の第2画像表示装置では、光変調素子に印加する最小駆動電圧において、光変調素子の中心部での位相差に対し、位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように光学補償素子が設定されている。例えば光学補償素子の光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差が設定されている。これによって、光学補償素子は、光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧で、光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に、光学補償素子の設置を調整するので、画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
本発明の画像表示装置の調整方法(第2調整方法)は、光変調素子と、前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に、設置位置が調整される。
本発明の画像表示装置の第2調整方法では、光変調素子に印加する最小駆動電圧において、光変調素子の中心部での位相差に対し、位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子の例えば光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差を設定する。すなわち、光学補償素子を、光変調素子に印加する最小駆動電圧で、光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に、光学補償素子の設置位置を調整する。このため、光変調素子の画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
本発明の画像表示装置は、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
本発明の画像表示装置の調整方法は、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
本発明の画像表示装置は、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
本発明の画像表示装置の調整方法は、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第1実施の形態)を、図1の概略構成図によって説明する。
図1に示すように、画像表示装置1には、光源11が設けられている。この光源11の発光部12はリフレクタ13の焦点位置に配置されており、またリフレクタ13は、光源11から発光した光を反射してほぼ平行な光となって射出されるものとなっている。
リフレクタ13で反射された光の光路上には、第1インテグレータレンズ14および第2インテグレータレンズ15が順に設置されている。上記第1インテグレータレンズ14と第2インテグレータレンズ15は、後に説明する光変調素子23に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグレータレンズ15を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ16が設置されている。この偏光ビームスプリッタ16は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ16を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ17が設置されている。
上記コンデンサーレンズ17を射出した光の光路上にはダイクロイックミラー18が設置されている。このダイクロイックミラー18は、入射光を、赤色波長帯域の光と、緑色波長帯域、青色波長帯域の光とに分離する。例えば、上記ダイクロイックミラー18では、赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長帯域の光は反射する。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー19が設けられ、この反射ミラー19を反射した光の光路上にはフィールドレンズ20(20−1)が設置されている。
このフィールドレンズ20(20−1)を透過した光の光路上には、反射型偏光子21(21−1)が設置されている。この反射型偏光子21(21−1)を透過した光の光路上には、光学補償素子22(22−1)、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−1が設置されている。
一方、上記ダイクロイックミラー18で反射した光の光路上には、ダイクロイックミラー24が設けられている。このダイクロイックミラー24は、入射光のうち、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ20(20−2)が設置されている。このフィールドレンズ20(20−2)を透過した光の光路上には、反射型偏光子21(21−2)が設置されている。この反射型偏光子21(21−2)を透過した光の光路上には、光学補償素子22(22−2)、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−2が設置されている。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ20(20−3)が設置されている。このフィールドレンズ20(20−3)を透過した光の光路上には、反射型偏光子21(21−3)が設置されている。この反射型偏光子21(21−3)を透過した光の光路上には、光学補償素子22(22−3)、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−3が設置されている。
上記反射型の液晶表示素子23−1は、赤色波長帯域の光を光変調するものである。この反射型の液晶表示素子23−1によって光変調された光は、再度、光学補償素子22(22−1)を通して、反射型偏光子21(21−1)に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射するようになっている。この反射した光が入射する位置に色合成プリズム25が設置されている。
また、反射型の液晶表示素子23−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この反射型の液晶表示素子23−1によって光変調された光は、再度、光学補償素子22(22−2)を通して、反射型偏光子21(21−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射するようになっている。この反射した光が入射する位置に上記色合成プリズム25が設置されている。
同様に、反射型の液晶表示素子23−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この反射型の液晶表示素子23−3によって光変調された光は、再度、光学補償素子22(22−3)を通して、反射型偏光子21(21−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射するようになっている。この反射した光が入射する位置に上記色合成プリズム25が設置されている。
そして、上記色合成プリズム25は、緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されていて、各色の光束を合成するものである。この合成された光の射出方向には、投影レンズ26が設定されている。この投影レンズ26は、入射光を所定の倍率に拡大して射出する。この射出方向には、投影レンズ26から射出された画像が映し出されるスクリーン(図示せず)が設置されている。
上記各光学補償素子22は、それぞれの光学補償素子22に対応する上記光変調素子23に印加する最小駆動電圧V0において、各光変調素子23の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている。
例えば、0IREの時の電圧値が上記光変調素子23の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ。その複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値となっている。
次に、上記画像表示装置1の動作について前記図1によって説明する。
前記図1に示すように、光源11の発光部12から発光された光はリフレクタ13で反射することによりほぼ平行な光となって第1インテグレータレンズ14から第2インテグレータレンズ15に入射し、各光変調素子23に入射する光の照度を均一化する。そして第2インテグレータレンズ15を射出した光束は、偏光ビームスプリッタ16に入射して所定の偏光方向の光に偏光される。
上記偏光ビームスプリッタ16で偏光されて射出した光はコンデンサーレンズ17に入射して集光され、ダイクロイックミラー18に入射する。このダイクロイックミラー18に入射した光は、例えば赤色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域と青色波長帯域の光が反射される。
ダイクロイックミラー18を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー19、フィールドレンズ20−1を透過した後、反射型偏光子21(21−1)に入射し、光学補償素子22(22−1)を通して光変調素子23(反射型の液晶表示素子23−1)を照明する。
一方、ダイクロイックミラー18で反射した光は、ダイクロイックミラー24に入射する。このダイクロイックミラー24では、青色波長帯域の光は透過され、緑色波長帯域の光は反射される。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ20(20−2)、反射型偏光子21(21−2)に入射し、光学補償素子22(22−2)を通して、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−2を照明する。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ20(20−3)、反射型偏光子21(21−3)に入射し、光学補償素子22(22−3)を通して、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−3を照明する。
反射型の液晶表示素子23−1で光変調された赤色波長帯域の光は、再度、光学補償素子22(22−1)を通して、反射型偏光子21(21−1)に入射し、変調の度合いにより、一部は反射型偏光子21(21−1)を透過して光源の方向に戻り、一部は反射型偏光子21(21−1)を反射して色合成プリズム25に入射する。
また反射型の液晶表示素子23−2で光変調された緑色波長帯域の光は、再度、光学補償素子22(22−2)を通して、反射型偏光子21(21−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は反射型偏光子21(21−2)を透過して光源の方向に戻り、一部は反射型偏光子21(21−2)を反射して色合成プリズム25に入射する。
さらに反射型の液晶表示素子23−3で光変調された青色波長帯域の光は、再度、光学補償素子22(22−3)を通して、反射型偏光子21(21−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は反射型偏光子21(21−3)を透過して光源の方向に戻り、一部は反射型偏光子21(21−3)を反射して色合成プリズム25に入射する。
色合成プリズム25では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射する。そして、各色の光束は合成されて投影レンズ26に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す。
ここで、黒階調を表示することに関し、光変調素子23の一例としてVA配向の液晶表示素子を用い、かつ画素表示装置1として反射型液晶表示装置の一例を説明する。
黒階調側を表示するときには、液晶表示素子の駆動電圧は相対的に小さな値となるため、(入射側)偏光子−液晶表示装置−(射出側)偏光子間で光の偏光状態は変わらないのが理想である。
しかし液晶表示素子では、一般に電圧印加の際の液晶のチルト方向を制御するために、無電界状態であっても光線の入射偏光軸に対して±45度の方向に、わずかな角度勾配(プレチルト)をつけることになる。そのために、液晶表示素子に垂直に入射する光にとって、液晶表示素子は、光学軸が45度の微小位相差素子として働くことになる。
また、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
光学補償素子の役割の一例を、図2のポアンカレ球によって説明する。
図2は、液晶表示素子周辺で、光軸に平行な光束の偏光状態をポアンカレ球上に示したものである。すなわち、(入射側)偏光子透過後の偏光状態を0度(ポアンカレ球上の−S2)とし、液晶の進相軸を偏光軸に対して−45度(−S3)とし、光学補償素子の進相軸が0〜45度の範囲にあるとする。
図2に示すように、入射側偏光子を透過した光線が、光学補償素子22に入射すると、その進相軸、位相差の影響を受け図中Aの偏光状態、つまり、右回りの楕円偏光状態となる。
さらに光変調素子23(例えば、反射型の液晶表示素子。)を反射することによってBの偏光状態(左周りの楕円偏光)、光学補償素子22を再び透過することによりCの状態になり、(射出側)反射型偏光子21に再入射する。
光学補償素子22は、(入射側)反射型偏光子21を透過した後と同一の偏光状態になるように(Cの状態)、その進相軸角度、位相差などのパラメータが選択される。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子22を用いれば、光変調素子23の微小位相差を打ち消し、結果的に光線の偏光状態は乱されないことになる。
しかし実際には、光変調素子23の液晶分子の配向のばらつき、セルギャップのばらつき、その他製造プロセスばらつき等に起因して、光変調素子23の液晶面内でも非常に微小な位相差のばらつきが生じることがあり、その場合、次に示すように偏光状態は乱されることになる。
光変調素子23の中央、すなわち画面中心の位相差に対し、「位相差が大きい領域」と「位相差が小さい領域」とが面内に分布しているとする。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子23の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子22の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→B→Cを経て、(入射側)反射型偏光子21を射出した後と同様の直線偏光状態に戻る。
しかし「位相差が大きい領域」では、Ab→Bb→Cb、「位相差が小さい領域」では、Aa→Ba→Caと遷移し、最終的にもとの直線偏光状態には戻らず、楕円成分をもつ偏光状態となる。この場合、(射出側)反射型偏光子21から投影レンズ側に光が漏れることになり、黒状態にもかかわらずスクリーン上には輝度ムラが生じる。さらには、RGBの各色が合成された場合は色度のムラにもなる。
面内輝度ムラを減少させる手段として、光変調素子23内の位相差の大小により、各面内での印加電圧を変化させる(いわゆる3Dγ)方法があげられる。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
一例として、前記図2で説明したように光学補償素子が設定された場合の、「画面中心の位相差」、「位相差が大きい領域」、「位相差が小さい領域」での電圧−輝度特性を、図3によって説明する。
図3に示すように、最低駆動電圧V0において「画面中心の位相差」が打ち消されるように光学補償素子22が設定されているため、画面中心は電圧V0で輝度が極小となり、「位相差が小さい領域」ではV>V0を満たす電圧で輝度極小値となる。
なお、このときのVの値は、光変調素子23の位相差の差分、光学補償素子22の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上で輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
前記図2で同様なことを説明する。すると、偏光状態Baとなった「位相差が小さい領域」では、光変調素子23に電圧印加することによって偏光状態Bにすることができる。しかし、偏光状態Bbとなった「位相差が大きい領域」では、光変調素子23に電圧を印加しても偏光状態Bに戻すことはできないことになる。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、図3からも分かるように「画面中心」に対して輝度が大きくなることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという、大きなデメリットがあった。
そこで本発明では、最低駆動電圧V0において、光変調素子23での位相差が相対的に大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子22の光学軸(進相軸、遅相軸)、および位相差を調整する。
以下の第1設定方法の一例を説明する。
第1設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、光変調素子23(液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ26を通して、図4(1)に示すように、像を投射する。
図4(2)に示すように、この状態で光学補償素子22が回転されれば、光学補償素子22の進相軸が変化する。光変調素子23の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子22の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子23面内にある場合は光学補償素子22を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
例えば、図4(1)において、投射した像の中心領域5に対し、領域1の位相差が大きく、領域3の位相差が小さいとする。このとき、中心領域5の輝度が最小になるように光学補償素子22の回転位置を調整したとすると、領域1の輝度を最小にするには回転位置をaの方向に、領域3の輝度を最小にするためには回転位置をbの方向に動かせばよい。
つまり、領域1〜9それぞれの箇所の輝度が最小になる光学補償素子22の回転角度θ1〜θ9の最大値をθMAXとすると、図4中、θ=θMAXとすれば、最も位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すことができることになる。
理想的にはできるだけ光変調素子23の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子22を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子23特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子22を調整すれば良い。
次に、第2設定方法の一例を説明する。
第2設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、図5(1)に示すように、光変調素子23の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、ある光変調素子23が、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子23のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子23への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズを通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、光学補償素子22を回転させ固定する。
このように光学補償素子22の位置を設定した場合に、図5(2)に示すように、領域5は、「中心」のように電圧V1にて輝度が最小となるような輝度−駆動電圧特性となる。それに対し、位相差のより大きな領域1は、「位相差が大きい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より小さくなり、位相差のより小さな領域7は「位相差が小さい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より大きくなる。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
以上のように調整すれば、位相差が大きい領域の最低駆動電圧をV0に設定することができる。この方法は、光変調素子23にある特定の位相差分布があることが分かっている場合、画面内の1点のみを見て光学補償素子22を調整すれば良いという点で有効である。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子22を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
以上の様に設定することにより、偏光状態を図6に示すように、低電圧側の電圧―輝度特性を図7に示すように、表すことができる。
図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子22の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
一方で、「画面中心」、「位相差が小さい領域」の輝度極小値もV0以上になるため、例えば0IRE(IRE:ビデオ信号の振幅を表す単位:アメリカ無線学会)の際の出力電圧を、「位相差が大きい領域」はV0[V]、「画面中心」はV1[V]、「位相差の小さい領域」はV2[V]といったように電気的な調整を加えることによって、より輝度ムラ、色度ムラの少なく、かつコントラスト比の高い高品位な画像を実現することが可能となる。
上記関係をポアンカレ球上の偏光状態として、図6によって説明する。
図6に示すように、「位相差が大きい領域」で、(入射側)反射型偏光子21を透過した後と(射出側)反射型偏光子21に入射する前との偏光状態を合わせる。つまり偏光乱れのない状態が実現するように光学補償素子22の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
上記画像表示装置1では、光変調素子23に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子23での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように光学補償素子22が設定されている。例えば光学補償素子22の光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差が設定されている。これによって、光学補償素子22は、光変調素子23に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子23の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となるので、画面全領域に対して最低駆動電圧V0以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現しているので、光変調素子23の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
また、上記画像表示装置1の調整方法では、光変調素子23に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子23での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子22の例えば光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差を設定する。すなわち、光学補償素子22を、光変調素子23に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子23の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となる状態に、光学補償素子の設置位置を調整する。このため、光変調素子23の画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態が実現されるので、光変調素子23の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
次に、本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第2実施の形態)を、図8の概略構成図によって説明する。
図8に示すように、画像表示装置2には、ランプ31が設けられている。このランプ31の発光部32はリフレクタ33の焦点位置に配置されており、またリフレクタ33は、ランプ31から発光した光を反射してほぼ平行な光となって射出されるものとなっている。
リフレクタ33で反射された光の光路上には、第1インテグラーレンズ34および第2インテグラーレンズ35が順に設置されている。上記第1インテグラーレンズ34と第2インテグラーレンズ35は、後に説明する光変調素子43に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグラーレンズ35を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ36が設置されている。この偏光ビームスプリッタ36は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ36を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ37が設置されている。
上記コンデンサーレンズ37を射出した光の光路上にはダイクロイックミラー38が設置されている。このダイクロイックミラー38は、入射光を、赤色波長帯域の光と、緑色波長帯域、青色波長帯域の光とに分離する。例えば、上記ダイクロイックミラー38では、赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長帯域の光は反射する。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー39が設けられ、この反射ミラー39を反射した光の光路上にはフィールドレンズ40(40−1)が設置されている。
このフィールドレンズ40(40−1)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−1)、光学補償素子42(42−1)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−1、射出側の透過型偏光子44(44−1)が順に設置されている。
一方、上記ダイクロイックミラー38で反射した光の光路上には、ダイクロイックミラー45が設けられている。このダイクロイックミラー45は、入射光のうち、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ40(40−2)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−2)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−2)、光学補償素子42(42−2)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−2、射出側の透過型偏光子44(44−2)が順に設置されている。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)の光路上には、投影レンズ46、反射ミラー47が設置されている。この反射ミラー47によって反射された光の光路上には、リレーレンズ48、反射ミラー49が設置されている。この反射ミラー49によって反射された光の光路上には、フィールドレンズ40(40−3)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−3)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−3)、光学補償素子42(42−3)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−3、射出側の透過型偏光子44(44−3)が順に設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−1は、赤色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−1によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−1)に入射し、透過型の液晶表示素子43−1の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に色合成プリズム50が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−2によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−2)に入射し、透過型の液晶表示素子43−2の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム50が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−3によって光変調された光は射出側の透過型偏光子44(44−3)に入射し、透過型の液晶表示素子43−3の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム50が設置されている。
そして、上記色合成プリズム50は、緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されていて、各色の光束を合成するものである。この合成された光の射出方向には、投影レンズ51が設定されている。この投影レンズ51は、入射光を所定の倍率に拡大して射出する。この射出方向には、投影レンズ51から射出された画像が映し出されるスクリーン(図示せず)が設置されている。
上記各光学補償素子42は、それぞれの光学補償素子42に対応する上記光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0よりも大きい電圧を印加した時において、各光変調素子43の中心部が最も暗くなる状態に設置されている。
例えば、0IREの時の電圧値が上記光変調素子43の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ。その複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値となっている。
また、上記画像表示装置2は3板式画像表示装置であってもよい。例えば、3板式画像表示装置の3つの透過型の液晶表示素子からなる光変調素子43(43−1、43−2、43−3)は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調するものである。そして、少なくとも緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2は、その内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子42−2を有している。この光学補償素子42−2は、緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2に印加する最小駆動電圧V0よりも大きい電圧を印加した時に、緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている。
また、上記光変調素子43が面内に位相差の分布を有している場合、上記光変調素子43に電圧を印加したときに上記光変調素子43の面内で位相差が大きな領域に対応する投射像の輝度を最も暗くする電圧が設定されている。
次に、上記画像表示装置2の動作について前記図8によって説明する。
前記図8に示すように、光源31の発光部32から発光された光はリフレクタ33で反射することによりほぼ平行な光となって第1インテグレータレンズ34から第2インテグレータレンズ35に入射し、各光変調素子43に入射する光の照度を均一化する。そして第2インテグレータレンズ35を射出した光束は、偏光ビームスプリッタ36に入射して所定の偏光方向の光に偏光される。
上記偏光ビームスプリッタ36で偏光されて射出した光はコンデンサーレンズ37に入射して集光され、ダイクロイックミラー38に入射する。このダイクロイックミラー38に入射した光は、例えば赤色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域と青色波長帯域の光が反射される。
ダイクロイックミラー38を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー39、フィールドレンズ40−1を透過した後、透過型偏光子41(41−1)に入射し、光学補償素子42(42−1)を通して光変調素子43(透過型の液晶表示素子43−1)を照明する。
一方、ダイクロイックミラー38で反射した光は、ダイクロイックミラー45に入射する。このダイクロイックミラー45では、青色波長帯域の光は透過され、緑色波長帯域の光は反射される。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ40(40−2)、透過型偏光子41(41−2)に入射し、光学補償素子42(42−2)を通して、光変調素子43である透過型の液晶表示素子43−2を照明する。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)は、投影レンズ46、反射ミラー47、リレーレンズ48、反射ミラー49によってフィールドレンズ40(40−3)に導かれる。
そして、フィールドレンズ40(40−3)、反射型偏光子41(41−3)に入射し、光学補償素子42(42−3)を通して、光変調素子43である透過型の液晶表示素子23−3を照明する。
透過型の液晶表示素子43−1で光変調された赤色波長帯域の光は、透過型偏光子44(44−1)に入射し、変調の度合いにより、一部は吸収し、一部は透過して色合成プリズム50に入射する。
また透過型の液晶表示素子43−2で光変調された緑色波長帯域の光は、透過型偏光子44(44−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は吸収し、一部は透過して色合成プリズム50に入射する。
さらに透過型の液晶表示素子43−3で光変調された青色波長帯域の光は、透過型偏光子44(44−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は吸収し、一部は透過して色合成プリズム50に入射する。
色合成プリズム50では緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射する。そして、各色の光束は合成されて投影レンズ51に入射し、所定の倍率に拡大されてスクリーン(図示せず)に映像を映し出す。
ここで、黒階調を表示することに関し、光変調素子43の一例としてVA配向の液晶表示素子を用い、かつ画素表示装置2として透過型液晶表示装置の一例を説明する。
黒階調側を表示するときには、液晶表示素子の駆動電圧は相対的に小さな値となるため、(入射側)偏光子−液晶表示装置−(射出側)偏光子間で光の偏光状態は変わらないのが理想である。
しかし液晶表示素子では、一般に電圧印加の際の液晶のチルト方向を制御するために、無電界状態であっても光線の入射偏光軸に対して±45度の方向に、わずかな角度勾配(プレチルト)をつけることになる。そのために、液晶表示素子に垂直に入射する光にとって、液晶表示素子は、光学軸が45度の微小位相差素子として働くことになる。
また、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
上記画像表示装置2の光学補償素子42の役割の一例を、前記図9のポアンカレ球によって説明する。
図9に示すように、入射側の透過型偏光子41を透過した光線が、光学補償素子42に入射すると、その進相軸、位相差の影響を受け図中Aの偏光状態、つまり、右回りの楕円偏光状態となる。
さらに光変調素子43(例えば透過型の液晶表示素子。)を透過することによってBの偏光状態(偏光軸が傾いた直線偏光)となる。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子42を用いれば、光変調素子43の微小位相差を考慮しても直線偏光状態にすることができる。かつ、射出側にこの偏光方向に吸収軸をもつ射出側の透過型偏光子44を設定することによって、不要な光漏れを防ぐことができる。
しかし実際には、光変調素子43の液晶分子の配向のばらつき、セルギャップのばらつき、その他製造プロセスばらつき等に起因して、光変調素子43の液晶面内でも非常に微小な位相差のばらつきが生じることがあり、その場合、次に示すような現象が生じる。
光変調素子43の中央、すなわち画面中心の位相差を基準とし、「位相差が大きい領域」と「位相差が小さい領域」とが面内に分布しているとする。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子43の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子42の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→Bを経て、直線偏光状態となる。
しかし「位相差が大きい領域」では、A→Bb、「位相差が小さい領域」では、A→Baと遷移し、最終的に直線偏光状態には戻らず、楕円成分をもつ偏光状態となる。この場合、(射出側)射出側の透過型偏光子44から投影レンズ47側に光が漏れることになり、黒状態にもかかわらずスクリーン上には輝度ムラが生じる。さらには、RGBの各色が合成された場合は色度のムラにもなる。
面内輝度ムラを減少させる手段として、光変調素子43内の位相差の面内分布、言い換えれば、各面内での印加電圧を変化させる(いわゆる3Dγ)方法があげられる。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
一例として前記図9で説明したように、光学補償素子が設定されたした場合の、「画面中心の位相差」、「位相差が大きい領域」、「位相差が小さい領域」での電圧−輝度特性を、前記図3によって説明する。
前記図3に示すように、最低駆動電圧V0において「画面中心の位相差」が打ち消されるように光学補償素子42が設定されているため、画面中心は電圧V0で輝度が極小となり、「位相差が小さい領域」ではV>V0を満たす電圧で輝度極小値となる。
なお、このときのVの値は、光変調素子43の位相差の差分、光学補償素子42の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上では輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
前記図9で同様なことを説明する。すると、偏光状態Baとなった「位相差が小さい領域」では、光変調素子43に電圧印加することによって偏光状態Bにすることができる。しかし、偏光状態Bbとなった「位相差が大きい領域」では、光変調素子43に電圧を印加しても偏光状態Bに戻すことはできないことになる。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、前記図3からも分かるように「画面中心」の駆動電圧V0に対して輝度L0ではなく、「位相差が大きい領域」での駆動電圧V0における輝度L1に輝度を合わせることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという大きなデメリットがあった。
そこで本発明では、最低駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差が相対的に大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)、および位相差を調整する。
以下、画像表示装置2における第1設定方法の一例を説明する。
画像表示装置2における第1設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、光変調素子43(例えば液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ47を通して、前記図4(1)に示すように、像を投射する。
前記図4(2)に示すように、この状態で例えば光学補償素子42が回転されれば、光学補償素子42の進相軸が変化する。光変調素子43の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子42の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子23面内にある場合は光学補償素子42を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
例えば、前記図4(1)において、投射した像の中心領域5に対し、領域1の位相差が大きく、領域3の位相差が小さいとする。このとき、中心領域5の輝度が最小になるように例えば光学補償素子42の回転位置を調整したとすると、領域1の輝度を最小にするには回転位置をaの方向に、領域3の輝度を最小にするためには回転位置をbの方向に動かせばよい。
つまり、領域1〜9それぞれの箇所の輝度が最小になる光学補償素子42の回転角度θ1〜θ9の最大値をθMAXとすると、前記図4中、θ=θMAXとすれば、最も位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すことができることになる。
理想的にはできるだけ光変調素子43の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子42を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子43特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子42を調整すれば良い。
次に、第2設定方法の一例を説明する。
第2設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、図5(1)に示すように、光変調素子43(例えば液晶表示素子)の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば前記図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子43のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子43への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズ48を通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、例えば光学補償素子42を回転させ固定する。
このように光学補償素子42の位置を設定した場合に、前記図5(2)に示すように、領域5は、「中心」のように電圧V1にて輝度が最小となるような輝度−駆動電圧特性となる。それに対し、位相差のより大きな領域1は、「位相差が大きい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より小さくなり、位相差のより小さな領域7は「位相差が小さい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より大きくなる。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
以上のように調整すれば、位相差が大きい領域の最低駆動電圧をV0に設定することができる。この方法は、光変調素子43にある特定の位相差分布があることが分かっている場合、画面内の1点のみを見て光学補償素子42を調整すれば良いという点で有効である。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子42を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
以上の様に設定することにより、偏光状態は図10に示すように、低電圧側の電圧―輝度特性は前記図7に示すように表すことができる。
前記図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
一方で、「画面中心」、「位相差が小さい領域」の輝度極小値もV0以上になるため、例えば0IRE(IRE:ビデオ信号の振幅を表す単位:アメリカ無線学会)の際の出力電圧を、「位相差が大きい領域」はV0[V]、「画面中心」はV1[V]、「位相差の小さい領域」はV2[V]といったように電気的な調整を加えることによって、より輝度ムラ、色度ムラの少なく、かつコントラスト比の高い高品位な画像を実現することが可能となる。
上記関係をポアンカレ球上の偏光状態として、図10によって説明する。
図10に示すように、「位相差が大きい領域」で、(射出側)透過型偏光子44の入射前の偏光を直線偏光とするように光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
上記画像表示装置2では、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように光学補償素子42が設定されている。例えば光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差が設定されている。これによって、光学補償素子42は、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子43の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となるので、画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現しているので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
また、上記画像表示装置2の調整方法では、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の例えば光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差を設定する。すなわち、光学補償素子42を、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子43の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に、光学補償素子42の設置位置を調整する。このため、光変調素子43の画面全領域に対して最低駆動電圧以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態が実現されるので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
次に、本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第3実施の形態)を、図11の概略構成図によって説明する。
図11に示すように、画像表示装置3には、ランプ31が設けられている。このランプ31の発光部32はリフレクタ33の焦点位置に配置されており、またリフレクタ33は、ランプ31から発光した光を反射してほぼ平行な光となって射出されるものとなっている。
リフレクタ33で反射された光の光路上には、第1インテグラーレンズ34および第2インテグラーレンズ35が順に設置されている。上記第1インテグラーレンズ34と第2インテグラーレンズ35は、後に説明する光変調素子43に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグラーレンズ35を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ36が設置されている。この偏光ビームスプリッタ36は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ36を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ37が設置されている。
上記コンデンサーレンズ37を射出した光の光路上にはダイクロイックミラー38が設置されている。このダイクロイックミラー38は、入射光を、赤色波長帯域の光と、緑色波長帯域、青色波長帯域の光とに分離する。例えば、上記ダイクロイックミラー38では、赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長帯域の光は反射する。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー39が設けられ、この反射ミラー39を反射した光の光路上にはフィールドレンズ40(40−1)が設置されている。
このフィールドレンズ40(40−1)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−1)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−1、光学補償素子42(42−1)、射出側の透過型偏光子44(44−1)が順に設置されている。
一方、上記ダイクロイックミラー38で反射した光の光路上には、ダイクロイックミラー45が設けられている。このダイクロイックミラー45は、入射光のうち、青色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域の光は反射する。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ40(40−2)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−2)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−2)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−2、光学補償素子42(42−2)、射出側の透過型偏光子44(44−2)が順に設置されている。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)の光路上には、投影レンズ46、反射ミラー47が設置されている。この反射ミラー47によって反射された光の光路上には、リレーレンズ48、反射ミラー49が設置されている。この反射ミラー49によって反射された光の光路上には、フィールドレンズ40(40−3)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−3)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−3)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−3、光学補償素子42(42−3)、射出側の透過型偏光子44(44−3)が順に設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−1は、赤色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−1によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−1)に入射し、透過型の液晶表示素子43−1の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に色合成プリズム46が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−2によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−2)に入射し、透過型の液晶表示素子43−2の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム46が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−3によって光変調された光は射出側の透過型偏光子44(44−3)に入射し、透過型の液晶表示素子43−3の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム46が設置されている。
そして、上記色合成プリズム46は、緑色波長帯域の光は透過し、赤色、青色波長帯域の光は反射するように構成されていて、各色の光束を合成するものである。この合成された光の射出方向には、投影レンズ47が設定されている。この投影レンズ47は、入射光を所定の倍率に拡大して射出する。この射出方向には、投影レンズ47から射出された画像が映し出されるスクリーン(図示せず)が設置されている。
上記各光学補償素子42は、それぞれの光学補償素子42に対応する上記光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0よりも大きい電圧を印加した時において、各光変調素子43の中心部が最も暗くなる状態に設置されている。
例えば、0IREの時の電圧値が上記光変調素子43の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ。その複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値となっている。
また、上記画像表示装置3は3板式画像表示装置であってもよい。例えば、3板式画像表示装置の3つの透過型液晶表示素子からなる光変調素子43(43−1、43−2、43−3)は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調するものである。そして、少なくとも緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2は、その内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子42−2を有している。この光学補償素子42−2は、緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2に印加する最小駆動電圧V0よりも大きい電圧を印加した時に、緑チャンネルの透過型の液晶表示素子43−2の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている。
また、上記光変調素子43が面内に位相差の分布を有している場合、上記光変調素子43に電圧を印加したときに上記光変調素子43の面内で位相差が大きな領域に対応する投射像の輝度を最も暗くする電圧が設定されている。
ここで、黒階調を表示することに関し、光変調素子43の一例としてVA配向の液晶表示素子を用い、かつ画素表示装置2として透過型液晶表示装置の一例を説明する。
黒階調側を表示するときには、液晶表示素子の駆動電圧は相対的に小さな値となるため、(入射側)偏光子−液晶表示装置−(射出側)偏光子間で光の偏光状態は変わらないのが理想である。
しかし液晶表示素子では、一般に電圧印加の際の液晶のチルト方向を制御するために、無電界状態であっても光線の入射偏光軸に対して±45度の方向に、わずかな角度勾配(プレチルト)をつけることになる。そのために、液晶表示素子に垂直に入射する光にとって、液晶表示素子は、光学軸が45度の微小位相差素子として働くことになる。
そのため、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
上記画像表示装置3の光学補償素子42の役割の一例を、前記図12のポアンカレ球によって説明する。
図12に示すように、光変調素子43(例えば透過型の液晶変調素子)を透過した光線が、光学補償素子42に入射すると、その進相軸、位相差の影響を受け図中Aの偏光状態、つまり、右回りの楕円偏光状態となる。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子42を用いれば、光変調素子43の微小位相差を考慮しても直線偏光状態にすることができ、射出側にこの偏光方向に吸収軸をもつ射出側の透過型偏光子44を設定することによって、不要な光漏れを防ぐことができる。
しかし実際には、光変調素子43の液晶分子の配向のばらつき、セルギャップのばらつき、その他製造プロセスばらつき等に起因して、光変調素子43の液晶面内でも非常に微小な位相差のばらつきが生じることがあり、その場合、次に示すような現象が生じる。
光変調素子43の中央、すなわち画面中心の位相差を基準とし、「位相差が大きい領域」と「位相差が小さい領域」とが面内に分布しているとする。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子43の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子42の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→Bを経て、直線偏光状態となる。
しかし「位相差が大きい領域」では、Ab→Bb、「位相差が小さい領域」では、Aa→Baと遷移し、最終的に直線偏光状態には戻らず、楕円成分をもつ偏光状態となる。この場合、(射出側)射出側の透過型偏光子44から投影レンズ47側に光が漏れることになり、黒状態にもかかわらずスクリーン上には輝度ムラが生じる。さらには、RGBの各色が合成された場合は色度のムラにもなる。
面内輝度ムラを減少させる手段として、光変調素子43内の位相差の面内分布、言い換えれば、各面内での印加電圧を変化させる(いわゆる3Dγ)方法があげられる。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
一例として前記図12で説明したように、光学補償素子が設定されたした場合の、「画面中心の位相差」、「位相差が大きい領域」、「位相差が小さい領域」での電圧−輝度特性を、前記図3によって説明する。
前記図3に示すように、最低駆動電圧V0において「画面中心の位相差」が打ち消されるように光学補償素子42が設定されているため、画面中心は電圧V0で輝度が極小となり、「位相差が小さい領域」ではV>V0を満たす電圧で輝度極小値となる。
なお、このときのVの値は、光変調素子43の位相差の差分、光学補償素子42の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上では輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
前記図12で同様なことを説明する。すると、偏光状態Baとなった「位相差が小さい領域」では、光変調素子43に電圧印加することによって偏光状態Bにすることができる。しかし、偏光状態Bbとなった「位相差が大きい領域」では、光変調素子43に電圧を印加しても偏光状態Bに戻すことはできないことになる。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、前記図3からも分かるように「画面中心」の駆動電圧V0に対して輝度L0ではなく、「位相差が大きい領域」での駆動電圧V0における輝度L1に輝度を合わせることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという大きなデメリットがあった。
そこで本発明では、最低駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差が相対的に大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)、および位相差を調整する。
以下、画像表示装置3における第1設定方法の一例を説明する。
画像表示装置3における第1設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、光変調素子43(例えば液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ47を通して、前記図4(1)に示すように、像を投射する。
前記図4(2)に示すように、この状態で例えば光学補償素子42が回転されれば、光学補償素子42の進相軸が変化する。光変調素子43の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子42の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子43面内にある場合は光学補償素子42を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
例えば、前記図4(1)において、投射した像の中心領域5に対し、領域1の位相差が大きく、領域3の位相差が小さいとする。このとき、中心領域5の輝度が最小になるように例えば光学補償素子42の回転位置を調整したとすると、領域1の輝度を最小にするには回転位置をaの方向に、領域3の輝度を最小にするためには回転位置をbの方向に動かせばよい。
つまり、領域1〜9それぞれの箇所の輝度が最小になる光学補償素子42の回転角度θ1〜θ9の最大値をθMAXとすると、前記図4中、θ=θMAXとすれば、最も位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すことができることになる。
理想的にはできるだけ光変調素子43の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子42を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子43特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子42を調整すれば良い。
次に、第2設定方法の一例を説明する。
第2設定方法は以下のようにして行う。
すなわち、前記図5(1)に示すように、光変調素子43の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば前記図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、ある光変調素子43が、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子43のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子43への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズ48を通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、例えば光学補償素子42を回転させ固定する。
このように光学補償素子42の位置を設定した場合に、前記図5(2)に示すように、領域5は、「中心」のように電圧V1にて輝度が最小となるような輝度−駆動電圧特性となる。それに対し、位相差のより大きな領域1は、「位相差が大きい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より小さくなり、位相差のより小さな領域7は「位相差が小さい領域」にあるように輝度最小になる電圧はV1より大きくなる。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
以上のように調整すれば、位相差が大きい領域の最低駆動電圧をV0に設定することができる。この方法は、光変調素子43にある特定の位相差分布があることが分かっている場合、画面内の1点のみを見て光学補償素子42を調整すれば良いという点で有効である。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子42を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
以上の様に設定することにより、偏光状態は図13に示すように、低電圧側の電圧―輝度特性は前記図7に示すように表すことができる。
前記図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
一方で、「画面中心」、「位相差が小さい領域」の輝度極小値もV0以上になるため、例えば0IRE(IRE:ビデオ信号の振幅を表す単位:アメリカ無線学会)の際の出力電圧を、「位相差が大きい領域」はV0[V]、「画面中心」はV1[V]、「位相差の小さい領域」はV2[V]といったように電気的な調整を加えることによって、より輝度ムラ、色度ムラの少なく、かつコントラスト比の高い高品位な画像を実現することが可能となる。
上記関係をポアンカレ球上の偏光状態として、図13によって説明する。
図13に示すように、「位相差が大きい領域」で、(射出側)透過型偏光子44の入射前の偏光を直線偏光とするように光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
上記画像表示装置3では、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように光学補償素子42が設定されている。例えば光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差が設定されている。これによって、光学補償素子42は、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子43の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となるので、画面全領域に対して最低駆動電圧V0以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態を実現しているので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
また、上記画像表示装置3の調整方法では、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0において、光変調素子43での位相差の大きな箇所の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の例えば光学軸(進相軸、遅相軸)および位相差を設定する。すなわち、光学補償素子42を、光変調素子43に印加する最小駆動電圧V0で、光変調素子43の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となる状態に、光学補償素子42の設置位置を調整する。このため、光変調素子43の画面全領域に対して最低駆動電圧V0以上の電圧値で輝度最小値に設定することが可能となる。
この状態が実現されるので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
上記各例では、光変調素子43として、VA配向(垂直配向)の液晶表示素子を用いた。しかし、本発明はこれに限定されることはなく、TN配向(ツイストネマチック配向)、IPS(In Plane Switching)配向(通常のTFTがガラス基板に挟まれた液晶の厚み方向に{ HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%95%8C" \o "電界" ,電界}を加えるのに対し、IPS方式では基板の面方向に電界を加える。)、ツイストVA配向、OCB(optically compensated birefringence)配向(液晶パネルの広視野角技術の一つであり、応答速度が5ms程度と速いのが最大の特徴である。表示時は,液晶分子が「ベンド配向」と呼ぶ弓形の状態に配向するのが特長で、電圧を印加すると高速に動作する。)など、他の方式の液晶表示素子にも用いることができる。
また、上記各例では、光学補償素子42として光学軸(進相軸)が0〜45度(偏光軸0度、液晶の光学軸を45度とする)の場合の例を、図中のポアンカレ球上に示した。しかしこれに限らず、液晶での位相差を打ち消すためのすべての方式の光学補償板に用いることができる。
上記各例では、3板タイプの光学系に対して説明をした。単板を用いた画像表示装置でもかまわない。
上記各例での光源11は、超高圧(UHP)ランプ、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などを用いることができる。
上記例では、3板式照明装置の説明であるが、RGBそれぞれのチャンネルに対する区別はしていない。これらすべてのパネルに対して、光変調素子(液晶表示素子)23、43と、光学補償素子22、42との関係を満たしてもよいし、場合によっては1つのチャンネルのみ満たしてもかまわない。
ひとつのチェンネルのみ満たす場合、緑チャンネル(Gch)を選択することが、被視感度特性、輝度への影響、コントラストへの影響などを考えると好ましい。
上記例では、3枚(RGB)用の光変調素子(液晶表示素子)を用いている。ただしこれに限定することはなく、液晶1枚からなる単板式、2枚式や、それ以上を含めても構わない。
本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第1実施の形態)を示した概略構成図である。 光学補償素子の役割の一例を示したポアンカレ球による偏光状態の説明図である。 電圧−輝度特性図である。 光学補償素子の第1設定方法の説明図である。 光学補償素子の第2設定方法の説明図である。 ポアンカレ球による偏光状態の説明図である。 低電圧側の電圧―輝度特性図である。 本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第2実施の形態)を示した概略構成図である。 光学補償素子の役割の一例を示したポアンカレ球による偏光状態の説明図である。 低電圧側の電圧―輝度特性図である。 本発明の画像表示装置に係る一実施の形態(第3実施の形態)を示した概略構成図である。 光学補償素子の役割の一例を示したポアンカレ球による偏光状態の説明図である。 ポアンカレ球による偏光状態の説明図である。 従来の投射型画像表示装置の概略構造を示した概略構成図である。
符号の説明
1…画像表示装置、22(22−1、22−2、22−3)…光学補償素子、23(23−1、23−2、23−3)…光変調素子(液晶表示素子)

Claims (11)

  1. 光変調素子と、
    前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている
    画像表示装置。
  2. 0IREの時の電圧値が前記光変調素子の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ
    請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値である
    請求項2記載の画像表示装置。
  4. 前記画像表示装置は3板式画像表示装置であり、
    前記3板式画像表示装置の3つの液晶表示素子からなる光変調素子は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調し、
    少なくとも緑チャンネルの光変調素子は、
    前記緑チャンネルの光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記緑チャンネルの光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記緑チャンネルの光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている
    請求項1記載の画像表示装置。
  5. 光変調素子と、
    前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に、設置位置が調整される
    画像表示装置の調整方法。
  6. 光変調素子と、
    前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている
    画像表示装置。
  7. 0IREの時の電圧値が前記光変調素子の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ
    請求項6記載の画像表示装置。
  8. 前記複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値である
    請求項7記載の画像表示装置。
  9. 前記画像表示装置は3板式画像表示装置であり、
    前記3板式画像表示装置の3つの液晶表示素子からなる光変調素子は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調し、
    少なくとも緑チャンネルの光変調素子は、
    前記緑チャンネルの光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記緑チャンネルの光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記緑チャンネルの光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている
    請求項6記載の画像表示装置。
  10. 前記光変調素子は面内に位相差の分布を有し、
    前記光変調素子に電圧を印加したときに前記光変調素子の面内で位相差が大きな領域に対応する投射像の輝度が最も暗くなる電圧に設定されている
    請求項6記載の画像表示装置。
  11. 光変調素子と、
    前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
    前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に、設置位置が調整される
    画像表示装置の調整方法。
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