JP2009300709A - 画像表示装置およびその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光変調素子23(23−1、23−2、23−3)と、前記光変調素子23の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子22(22−1、22−2、22−3)を有し、前記光学補償素子22は、前記光変調素子23に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子23の内部で相対的に位相差が大きい領域の輝度が極小値となる状態に設置されている。
【選択図】図1
Description
例えばダイクロイックミラー118では赤色波長帯域の光は透過し、緑色波長帯域、青色波長大域の光は反射する。透過した赤色波長帯域の光は反射ミラー119、フィールドレンズ120(120−1)を透過した後、反射型偏光子121(121−1)に入射し、光変調素子123(反射型液晶表示素子123−1)を照明する。
そのため、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子122が用いられている。
さらにこれらには、デバイス特性、熱特性、周辺部品からの応力等の影響を受け、液晶表示素子の面内に不均一な位相差特性を持つことがある。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
この状態を実現すれば、光変調素子の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
リフレクタ13で反射された光の光路上には、第1インテグレータレンズ14および第2インテグレータレンズ15が順に設置されている。上記第1インテグレータレンズ14と第2インテグレータレンズ15は、後に説明する光変調素子23に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグレータレンズ15を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ16が設置されている。この偏光ビームスプリッタ16は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ16を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ17が設置されている。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー19が設けられ、この反射ミラー19を反射した光の光路上にはフィールドレンズ20(20−1)が設置されている。
このフィールドレンズ20(20−1)を透過した光の光路上には、反射型偏光子21(21−1)が設置されている。この反射型偏光子21(21−1)を透過した光の光路上には、光学補償素子22(22−1)、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−1が設置されている。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ20(20−2)が設置されている。このフィールドレンズ20(20−2)を透過した光の光路上には、反射型偏光子21(21−2)が設置されている。この反射型偏光子21(21−2)を透過した光の光路上には、光学補償素子22(22−2)、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−2が設置されている。
また、反射型の液晶表示素子23−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この反射型の液晶表示素子23−1によって光変調された光は、再度、光学補償素子22(22−2)を通して、反射型偏光子21(21−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射するようになっている。この反射した光が入射する位置に上記色合成プリズム25が設置されている。
同様に、反射型の液晶表示素子23−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この反射型の液晶表示素子23−3によって光変調された光は、再度、光学補償素子22(22−3)を通して、反射型偏光子21(21−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は透過して光源の方向に戻り、一部は反射するようになっている。この反射した光が入射する位置に上記色合成プリズム25が設置されている。
前記図1に示すように、光源11の発光部12から発光された光はリフレクタ13で反射することによりほぼ平行な光となって第1インテグレータレンズ14から第2インテグレータレンズ15に入射し、各光変調素子23に入射する光の照度を均一化する。そして第2インテグレータレンズ15を射出した光束は、偏光ビームスプリッタ16に入射して所定の偏光方向の光に偏光される。
ダイクロイックミラー18を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー19、フィールドレンズ20−1を透過した後、反射型偏光子21(21−1)に入射し、光学補償素子22(22−1)を通して光変調素子23(反射型の液晶表示素子23−1)を照明する。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ20(20−2)、反射型偏光子21(21−2)に入射し、光学補償素子22(22−2)を通して、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−2を照明する。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ20(20−3)、反射型偏光子21(21−3)に入射し、光学補償素子22(22−3)を通して、光変調素子23である反射型の液晶表示素子23−3を照明する。
また反射型の液晶表示素子23−2で光変調された緑色波長帯域の光は、再度、光学補償素子22(22−2)を通して、反射型偏光子21(21−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は反射型偏光子21(21−2)を透過して光源の方向に戻り、一部は反射型偏光子21(21−2)を反射して色合成プリズム25に入射する。
さらに反射型の液晶表示素子23−3で光変調された青色波長帯域の光は、再度、光学補償素子22(22−3)を通して、反射型偏光子21(21−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は反射型偏光子21(21−3)を透過して光源の方向に戻り、一部は反射型偏光子21(21−3)を反射して色合成プリズム25に入射する。
また、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
図2は、液晶表示素子周辺で、光軸に平行な光束の偏光状態をポアンカレ球上に示したものである。すなわち、(入射側)偏光子透過後の偏光状態を0度(ポアンカレ球上の−S2)とし、液晶の進相軸を偏光軸に対して−45度(−S3)とし、光学補償素子の進相軸が0〜45度の範囲にあるとする。
さらに光変調素子23(例えば、反射型の液晶表示素子。)を反射することによってBの偏光状態(左周りの楕円偏光)、光学補償素子22を再び透過することによりCの状態になり、(射出側)反射型偏光子21に再入射する。
光学補償素子22は、(入射側)反射型偏光子21を透過した後と同一の偏光状態になるように(Cの状態)、その進相軸角度、位相差などのパラメータが選択される。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子22を用いれば、光変調素子23の微小位相差を打ち消し、結果的に光線の偏光状態は乱されないことになる。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子23の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子22の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→B→Cを経て、(入射側)反射型偏光子21を射出した後と同様の直線偏光状態に戻る。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
なお、このときのVの値は、光変調素子23の位相差の差分、光学補償素子22の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上で輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、図3からも分かるように「画面中心」に対して輝度が大きくなることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという、大きなデメリットがあった。
以下の第1設定方法の一例を説明する。
すなわち、光変調素子23(液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ26を通して、図4(1)に示すように、像を投射する。
図4(2)に示すように、この状態で光学補償素子22が回転されれば、光学補償素子22の進相軸が変化する。光変調素子23の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子22の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子23面内にある場合は光学補償素子22を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
理想的にはできるだけ光変調素子23の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子22を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子23特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子22を調整すれば良い。
すなわち、図5(1)に示すように、光変調素子23の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、ある光変調素子23が、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子23のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子23への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズを通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、光学補償素子22を回転させ固定する。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子22を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子22の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
図6に示すように、「位相差が大きい領域」で、(入射側)反射型偏光子21を透過した後と(射出側)反射型偏光子21に入射する前との偏光状態を合わせる。つまり偏光乱れのない状態が実現するように光学補償素子22の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
この状態を実現しているので、光変調素子23の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
この状態が実現されるので、光変調素子23の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
リフレクタ33で反射された光の光路上には、第1インテグラーレンズ34および第2インテグラーレンズ35が順に設置されている。上記第1インテグラーレンズ34と第2インテグラーレンズ35は、後に説明する光変調素子43に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグラーレンズ35を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ36が設置されている。この偏光ビームスプリッタ36は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ36を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ37が設置されている。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー39が設けられ、この反射ミラー39を反射した光の光路上にはフィールドレンズ40(40−1)が設置されている。
このフィールドレンズ40(40−1)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−1)、光学補償素子42(42−1)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−1、射出側の透過型偏光子44(44−1)が順に設置されている。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ40(40−2)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−2)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−2)、光学補償素子42(42−2)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−2、射出側の透過型偏光子44(44−2)が順に設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−2によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−2)に入射し、透過型の液晶表示素子43−2の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム50が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−3によって光変調された光は射出側の透過型偏光子44(44−3)に入射し、透過型の液晶表示素子43−3の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム50が設置されている。
前記図8に示すように、光源31の発光部32から発光された光はリフレクタ33で反射することによりほぼ平行な光となって第1インテグレータレンズ34から第2インテグレータレンズ35に入射し、各光変調素子43に入射する光の照度を均一化する。そして第2インテグレータレンズ35を射出した光束は、偏光ビームスプリッタ36に入射して所定の偏光方向の光に偏光される。
ダイクロイックミラー38を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー39、フィールドレンズ40−1を透過した後、透過型偏光子41(41−1)に入射し、光学補償素子42(42−1)を通して光変調素子43(透過型の液晶表示素子43−1)を照明する。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)は、フィールドレンズ40(40−2)、透過型偏光子41(41−2)に入射し、光学補償素子42(42−2)を通して、光変調素子43である透過型の液晶表示素子43−2を照明する。
他方の分離した光束(青色波長帯域の光束)は、投影レンズ46、反射ミラー47、リレーレンズ48、反射ミラー49によってフィールドレンズ40(40−3)に導かれる。
そして、フィールドレンズ40(40−3)、反射型偏光子41(41−3)に入射し、光学補償素子42(42−3)を通して、光変調素子43である透過型の液晶表示素子23−3を照明する。
また透過型の液晶表示素子43−2で光変調された緑色波長帯域の光は、透過型偏光子44(44−2)に入射し、変調の度合いにより、一部は吸収し、一部は透過して色合成プリズム50に入射する。
さらに透過型の液晶表示素子43−3で光変調された青色波長帯域の光は、透過型偏光子44(44−3)に入射し、変調の度合いにより、一部は吸収し、一部は透過して色合成プリズム50に入射する。
また、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
さらに光変調素子43(例えば透過型の液晶表示素子。)を透過することによってBの偏光状態(偏光軸が傾いた直線偏光)となる。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子42を用いれば、光変調素子43の微小位相差を考慮しても直線偏光状態にすることができる。かつ、射出側にこの偏光方向に吸収軸をもつ射出側の透過型偏光子44を設定することによって、不要な光漏れを防ぐことができる。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子43の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子42の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→Bを経て、直線偏光状態となる。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
なお、このときのVの値は、光変調素子43の位相差の差分、光学補償素子42の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上では輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、前記図3からも分かるように「画面中心」の駆動電圧V0に対して輝度L0ではなく、「位相差が大きい領域」での駆動電圧V0における輝度L1に輝度を合わせることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという大きなデメリットがあった。
以下、画像表示装置2における第1設定方法の一例を説明する。
すなわち、光変調素子43(例えば液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ47を通して、前記図4(1)に示すように、像を投射する。
前記図4(2)に示すように、この状態で例えば光学補償素子42が回転されれば、光学補償素子42の進相軸が変化する。光変調素子43の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子42の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子23面内にある場合は光学補償素子42を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
理想的にはできるだけ光変調素子43の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子42を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子43特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子42を調整すれば良い。
すなわち、図5(1)に示すように、光変調素子43(例えば液晶表示素子)の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば前記図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子43のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子43への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズ48を通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、例えば光学補償素子42を回転させ固定する。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子42を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
前記図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
図10に示すように、「位相差が大きい領域」で、(射出側)透過型偏光子44の入射前の偏光を直線偏光とするように光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
この状態を実現しているので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
この状態が実現されるので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
リフレクタ33で反射された光の光路上には、第1インテグラーレンズ34および第2インテグラーレンズ35が順に設置されている。上記第1インテグラーレンズ34と第2インテグラーレンズ35は、後に説明する光変調素子43に入射する光の照度を均一化するものとなっている。
上記第2インテグラーレンズ35を射出した光の光路上には偏光ビームスプリッタ36が設置されている。この偏光ビームスプリッタ36は、入射光を所定の偏光方向の光に偏光するものである。
上記偏光ビームスプリッタ36を射出した光の光路上にはコンデンサーレンズ37が設置されている。
透過した赤色波長帯域の光の光路上には反射ミラー39が設けられ、この反射ミラー39を反射した光の光路上にはフィールドレンズ40(40−1)が設置されている。
このフィールドレンズ40(40−1)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−1)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−1、光学補償素子42(42−1)、射出側の透過型偏光子44(44−1)が順に設置されている。
分離した一方の光束(緑色波長帯域の光束)の光路上にはフィールドレンズ40(40−2)が設置されている。このフィールドレンズ40(40−2)を透過した光の光路上には、入射側の透過型偏光子41(41−2)、光変調素子23である透過型の液晶表示素子43−2、光学補償素子42(42−2)、射出側の透過型偏光子44(44−2)が順に設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−2は、緑色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−2によって光変調された光は、射出側の透過型偏光子44(44−2)に入射し、透過型の液晶表示素子43−2の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム46が設置されている。
上記透過型の液晶表示素子43−3は、青色波長帯域の光を光変調するものである。この透過型の液晶表示素子43−3によって光変調された光は射出側の透過型偏光子44(44−3)に入射し、透過型の液晶表示素子43−3の変調の度合いにより、一部は透過し、一部はされるようになっている。この透過した光が入射する位置に上記色合成プリズム46が設置されている。
そのため、この微小位相差を打ち消すための光学素子として、一般に光学補償素子が用いられる。
理想的には以上に説明したように設計された光学補償素子42を用いれば、光変調素子43の微小位相差を考慮しても直線偏光状態にすることができ、射出側にこの偏光方向に吸収軸をもつ射出側の透過型偏光子44を設定することによって、不要な光漏れを防ぐことができる。
この状態で、最低駆動電圧V0において、光変調素子43の中央の位相差を打ち消すように光学補償素子42の光学軸、位相差を設定した場合、光線の偏光状態は先に説明したように、A→Bを経て、直線偏光状態となる。
例えば画面領域を100程度に分割し、それぞれの領域に独自の「入力信号−出力信号」特性を持たせることによって、輝度、色度ムラのない均一が画像を実現することができる。
しかし、黒側の階調に関しては必ずしもこの方法が使えるわけではない。
なお、このときのVの値は、光変調素子43の位相差の差分、光学補償素子42の進相軸角度、位相差など、それぞれの素子の特性に依存する。
一方、「位相差の大きい領域」ではV0以上では輝度極小値を持たず、電圧の印加とともに輝度は上昇する。
そのため、画面内で輝度を均一にしようとすると「位相差が大きい領域」での最小輝度に合わせる必要が生じてしまうことになる。この場合、前記図3からも分かるように「画面中心」の駆動電圧V0に対して輝度L0ではなく、「位相差が大きい領域」での駆動電圧V0における輝度L1に輝度を合わせることになり、結果としてコントラストが低下してしまうという大きなデメリットがあった。
以下、画像表示装置3における第1設定方法の一例を説明する。
すなわち、光変調素子43(例えば液晶表示素子)全域に駆動電圧V0に設定し、投影レンズ47を通して、前記図4(1)に示すように、像を投射する。
前記図4(2)に示すように、この状態で例えば光学補償素子42が回転されれば、光学補償素子42の進相軸が変化する。光変調素子43の面内の位相差分布が均一な場合、ある特定の位置で画面全領域の輝度が最小となるため、その位置に光学補償素子42の進相軸を設定すればよい。しかし、位相差ムラが光変調素子43面内にある場合は光学補償素子42を回転させて投射した像の輝度が最小になる回転角度は、像内の位置によって異なる。
理想的にはできるだけ光変調素子43の位相差の大きい箇所の位相差を打ち消せればよい。しかし、必ずしもそうする必要はなく、相対的に大きな位相差の箇所を打ち消すように設定することにより、より均一でムラの少ない画像を実現できることになる。
また、この例では画面領域を9分割しているが、例えば5分割しても100分割してもよく、分割数は必要とする性能との兼ね合いで決めればよい。
また、この例では、相対的に位相差を大きい箇所を見つける際、光学補償素子42を回転させながら投射像を観測している。例えば、光変調素子43特有の位相差分布が既知である場合、例えば領域1と9の位相差が大きいということが判っている場合は、それらの箇所の輝度が小さくなるように、光学補償素子42を調整すれば良い。
すなわち、前記図5(1)に示すように、光変調素子43の面内位相差分布に、
(ア)画面のある領域の位相差、例えば前記図5(1)中の5の位置の位相差が、他の領域の位相差に対して相対的に小さい場合、
もしくは、
(イ)画面のある領域の位相差が他の領域の位相差と比較して中心程度と分かっている場合、
次のような調整方法がある。
例えば、ある光変調素子43が、次のような特有の位相差分布を持つとする。
例えば、領域1の位相差が大きく、領域7の位相差が小さく、領域5の位相差は、領域1と領域7との平均程度であるとする。このような位相差分布は光変調素子43のプロセス起因等により起こりうることである。
この場合、光変調素子43への最低駆動電圧をV0に対し、電圧V1(>V0)に設定し、投影レンズ48を通して像を投射する。
この状態で、領域5の輝度が最小になるように、例えば光学補償素子42を回転させ固定する。
ここで、位相差がより大きな領域7が、駆動電圧V0近傍において輝度最小値近傍になるように、駆動電圧V1を設定すれば、結果的に駆動電圧V0近傍で位相差の大きな領域が輝度最小となるように設定できることになる。
画面のある領域(例えば領域5)の位相差が他の領域の位相差と比較して相対的に小さい場合も同様に、電圧V1において領域5が輝度最小になるように光学補償素子42を設定し、かつ、他の領域が電圧V0近傍で輝度最小になるように電圧V1を設定すれば同様の調整方法が可能である。
前記図7に示すように、電圧―輝度特性を見ると、最低駆動電圧V0に対して、「位相差が大きい領域」の位相差を打ち消すように、光学補償素子42の進相軸、位相差を設定していることにより、V0にて「位相差が大きい領域」が輝度極小値になる。
図13に示すように、「位相差が大きい領域」で、(射出側)透過型偏光子44の入射前の偏光を直線偏光とするように光学補償素子42の光学軸(進相軸、遅相軸)の角度、位相差を設定している。このように設定すれば、「画面中心」でのB状態、「位相差が小さい領域」でのBaの状態となったとしても、液晶に電圧を印加することにより、どちらも偏光状態Bbにすることができ、結果として画面全領域に対して偏光乱れのない状態を実現できる。
この状態を実現しているので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となっている。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
この状態が実現されるので、光変調素子43の面内それぞれの位置で「入力信号−出力電圧」特性を調整することにより、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となる。
よって、高いコントラスト比を保ちつつ、輝度ムラ、色度ムラを低減することが可能となり、高品位な映像を実現することができるという利点がある。
ひとつのチェンネルのみ満たす場合、緑チャンネル(Gch)を選択することが、被視感度特性、輝度への影響、コントラストへの影響などを考えると好ましい。
上記例では、3枚(RGB)用の光変調素子(液晶表示素子)を用いている。ただしこれに限定することはなく、液晶1枚からなる単板式、2枚式や、それ以上を含めても構わない。
Claims (11)
- 光変調素子と、
前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている
画像表示装置。 - 0IREの時の電圧値が前記光変調素子の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ
請求項1記載の画像表示装置。 - 前記複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値である
請求項2記載の画像表示装置。 - 前記画像表示装置は3板式画像表示装置であり、
前記3板式画像表示装置の3つの液晶表示素子からなる光変調素子は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調し、
少なくとも緑チャンネルの光変調素子は、
前記緑チャンネルの光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記緑チャンネルの光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記緑チャンネルの光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に設置されている
請求項1記載の画像表示装置。 - 光変調素子と、
前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧で、前記光変調素子の内部で相対的に位相差が大きい領域に対応する投射像の輝度が極小値となる状態に、設置位置が調整される
画像表示装置の調整方法。 - 光変調素子と、
前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている
画像表示装置。 - 0IREの時の電圧値が前記光変調素子の面内の各位置に対応するように複数とおりの値を持つ
請求項6記載の画像表示装置。 - 前記複数とおりの電圧値が、それぞれ、輝度極小値の電圧値である
請求項7記載の画像表示装置。 - 前記画像表示装置は3板式画像表示装置であり、
前記3板式画像表示装置の3つの液晶表示素子からなる光変調素子は、それぞれ赤、緑、青チャンネルの光を変調し、
少なくとも緑チャンネルの光変調素子は、
前記緑チャンネルの光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す作用を有する光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記緑チャンネルの光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記緑チャンネルの光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に設置されている
請求項6記載の画像表示装置。 - 前記光変調素子は面内に位相差の分布を有し、
前記光変調素子に電圧を印加したときに前記光変調素子の面内で位相差が大きな領域に対応する投射像の輝度が最も暗くなる電圧に設定されている
請求項6記載の画像表示装置。 - 光変調素子と、
前記光変調素子の内部で発生する位相差を打ち消す光学補償素子を有し、
前記光学補償素子は、前記光変調素子に印加する最小駆動電圧よりも大きい電圧を印加した時に、前記光変調素子の中心部に対応する投射像が最も暗くなる状態に、設置位置が調整される
画像表示装置の調整方法。
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