JP2005055455A - 投射型映像表示装置およびその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラストが高く、黒むらの少ない、黒表示性能の高い投射型映像表示装置を安価に提供する。
【解決手段】投射型映像表示装置に用いられる液晶表示素子の液晶分子による光学的位相差を補償する光学補償素子23を投射型映像表示装置に固定する際に、外部調整装置によって液晶表示素子33との相対的な位置を調整したのち、固定する。これにより、黒表示性能の高い投射型映像表示装置を提供できる。このとき、液晶表示素子33と光学補償素子23の相対的位置を調整する手段を投射型映像表示装置に持たせないことにより、部品点数を低減し、投射型映像表示装置を安価に提供することができる。
【選択図】図5
【解決手段】投射型映像表示装置に用いられる液晶表示素子の液晶分子による光学的位相差を補償する光学補償素子23を投射型映像表示装置に固定する際に、外部調整装置によって液晶表示素子33との相対的な位置を調整したのち、固定する。これにより、黒表示性能の高い投射型映像表示装置を提供できる。このとき、液晶表示素子33と光学補償素子23の相対的位置を調整する手段を投射型映像表示装置に持たせないことにより、部品点数を低減し、投射型映像表示装置を安価に提供することができる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像表示素子として液晶表示素子を用い、該液晶表示素子で映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像をスクリーンなどに投射する投射型映像表示装置およびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの投射型映像表示装置の光学系においては、液晶表示素子を構成する2枚の透明基板付近の液晶分子による複屈折によって、入射光線に対し、入射光の振動方向を変えてしまう現象が発生する。この現象により、黒表示時のスクリーン上での照度が上がってしまい、映像のコントラストが低下するという問題がある。また、ツイステッド・ネマティック(TN)型液晶表示素子では、原理上、この入射光の振動方向が変化してしまう現象の発生量が光線の入射角度によって異なる。すなわち液晶表示素子によって構成されるライトバルブのコントラストは入射光線角度に対して分布を持っている。また実際の投射型映像表示装置の光学系においては、一般的に液晶表示素子に対する照明光学系による入射光線束は角度分布を持っており、その分布は一般的に液晶表示素子の面内において不均一である。
【0003】
そこで、液晶表示素子の透明基板付近の液晶分子による複屈折によって生じる入射光の振動方向が変化する現象を防ぐ手段として、下記特許文献1、下記特許文献2等に記載の、液晶表示素子で生じる入射光の振動方向の変化とは逆方向にその変化が生じるような光学異方素子を用いた光学補償素子により、液晶表示素子で生じる入射光の振動方向の変化を光学補償素子で生じる逆方向の振動で相殺する手段がある。また、液晶表示素子に入射する光の光軸に垂直な面内に配置された光学補償素子の位置をこの面内で調節する調節手段を有する投射型映像表示装置が下記特許文献3に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−174920号公報
【特許文献2】
特開平6−265728号公報
【特許文献3】
特開2002−182213号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献3に記載の投射型映像表示装置に調節機構を設けた方法では、調節無しの投射型映像表示装置に比べ、光学補償素子の固定方法が複雑になり、部品点数が増加し、製品価格が高くなるというデメリットがあった。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、これらの課題を解決し、黒表示時の性能を向上し、安価でありながら高いコントラストと、照度が均一で色むらの良好な黒表示性能を有する投射型映像表示装置およびその調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、光源と、複数の液晶分子を配列した液晶層を有し前記光源から発せられた光を変調させる液晶表示素子と、該液晶表示素子の入射側及び出射側の少なくとも一方に設けられ、前記液晶層の液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償する光学素子と、前記液晶表示素子により変調された光を投射する手段とを有する投射型映像表示装であって、前記液晶表示素子は略長方形形状の有効表示領域を有し、前記光学素子の少なくとも一つは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺を持つ形状を有する、或いは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺が表記されており、前記光学素子基準辺は、光の入射方向にほぼ直交する面内において前記液晶表示素子の特定の一辺と少なくとも回転方向で1度以上5度以下の角度だけ異なって配置するように構成する。
【0008】
【発明の実態の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一な部分には同一符号を付して、一度説明したものについては、その説明を省略する。
【0009】
なお、符号のあとにRまたはGまたはBを添えて示す構成要素は、色によって分離された複数の光路で区別する必要があるものである。説明上特に支障がない場合には、添字を省略する。また符号のあとにA、B、C、Dを添えて示す構成要素は、符号の示す構成要素の一部分もしくは、符号の示す構成要素に係る光軸、光学的方向を示したものである。
(第1の実施形態)
図1は本発明による投射型液晶表示装置の第1の実施形態の一例を示す図である。図1の3板式の投射型液晶表示装置において、1は光源であり、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色ランプである。光源1は、円形ないし、多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反射鏡2を有し、この光源1から出される光は液晶表示素子からなるライトバルブ14を通過して投射レンズ200に向かい、スクリーン100へ投影される。
【0010】
光源1の電球から放射される光は例えば放物面の反射鏡2で反射されて光軸に平行となり、第1のアレイレンズ3に入射される。第1のアレイレンズ3は、入射した光をマトリックス状に配設された複数のレンズセルで複数の光に分割して、効率よく第2のアレイレンズ4と偏光変換素子5を通過するように導く。即ち、第1のアレイレンズ3は光源1と第2のアレイレンズ4の各レンズセルとが互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されている。第1のアレイレンズ3と同様に、マトリックス状に配設された複数のレンズセルを持つ第2のアレイレンズ4は、構成するレンズセルそれぞれが対応する第1のアレイレンズ3のレンズセルの形状をライトバルブ14内の液晶表示素子18に投影する。この時、偏光変換素子5で第2のアレイレンズ4からの光は所定の偏光方向に揃えられ、そして、第1のアレイレンズ3の各レンズセルの投影像は、それぞれ集光レンズ6、およびコンデンサレンズ13、第1のリレーレンズ15,第2のリレーレンズ16,第3のリレーレンズ17によりライトバルブ14内の液晶表示素子18上に重ね合わせられる。なお集光レンズ6は光軸300を有する。
【0011】
なお、第2のアレイレンズ4とこれに近接して配設される集光レンズ6とは、第1のアレイレンズ3と液晶表示素子18とが、互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されているので、第1のアレイレンズ3で複数に分割された光束は、第2のアレイレンズ4と集光レンズ6によって、ライトバルブ14内の液晶表示素子18上に重畳して投影され、実用上問題のないレベルの均一性の高い照度分布の照明が可能となる。
【0012】
その過程で、反射ミラー7で反射された光は、ダイクロイックミラー11により、例えばB光(青色帯域の光)は反射され、G光(緑色帯域の光)およびR光(赤色帯域の光)は透過されて2色の光に分離され、更に、G光とR光はダイクロイックミラー12によりG光とR光に分離される。例えば、G光はダイクロイックミラー12で反射され、R光はダイクロイックミラー12を透過して3色の光に分離される。この光の分離の仕方は種々考えられ、ダイクロイックミラー11でR光を反射させ、G光及びB光を透過させてもよいし、G光を反射させ、R光及びB光を透過させてもよい。例として、B光はダイクロイックミラー11を反射して、反射ミラー10で反射され、コンデンサレンズ13Bを通してB光用のライトバルブ14Bを透過して光合成プリズム21に入射される。ここでコンデンサレンズ13Bを透過し、ライトバルブ14Bに入射するB光をLBと呼ぶことにする。ダイクロイックミラー11で透過されたG光及びR光の内、G光はダイクロイックミラー12で反射され、コンデンサレンズ13Gを通してG光用ライトバルブ14Gに入射され、このライトバルブ14Gを透過して光合成プリズム21に入射される。ここでコンデンサレンズ13Gを透過し、ライトバルブ14Gに入射するG光をLGと呼ぶことにする。R光はダイクロイックミラー12を透過し、第1のリレーレンズ15で集光され、更に反射ミラー8で反射され、第2のリレーレンズ16で更に集光され、反射ミラー9で反射された後、第3のリレーレンズ17で更に集光されてR光用のライトバルブ14Rに入射される。ライトバルブ14Rを透過したR光は光合成プリズム21に入射される。ここでリレーレンズ17を透過し、ライトバルブ14Rに入射するR光をLRと呼ぶことにする。各液晶表示素子18を透過したB光、G光、R光は、光合成プリズム21によってカラー映像として合成された後、例えばズームレンズであるような投射レンズ200を通過し、スクリーン100に到達する。ライトバルブ14内の液晶表示素子18に光強度変調で形成された光学像は、投射レンズ200によりスクリーン100上に拡大投影され表示装置として機能するものである。
【0013】
図2はライトバルブの構成を示すものである。ライトバルブ14B、14G、14Rは光強度変調の対象のとなる光の分光特性が異なるのみであり、その機能及び構成は図2に示したライトバルブ14と実質的には同じものである。図2は光軸300に対して垂直な方向から見た配置図であり、図に示される入射光Lはライトバルブ14に入射される光であり、前述LB、LG、LRを総じて称したものである。以下ライトバルブ14B、14G、14Rをライトバルブ14、液晶表示素子18B、18G、18Rを液晶表示素子18、またLB、LG、LRを入射光Lとし、纏めて説明する。
【0014】
図2に示すようなライトバルブ14(14B、14G、14R)は下記のように構成される。図2に示すようにライトバルブ14(14B、14G、14R)は入射光側から順に入射偏光板22、光学補償素子23、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子24、出射偏光板25を有している。この配置順では光学補償素子23、24はそれぞれ入射偏光板22と液晶表示素子18(18B、18G、18R)の間、液晶表示素子18(18B、18G、18R)と出射偏光板25の間に配置されるが、ともに入射偏光板22と液晶表示素子18(18B、18G、18R)の間、もしくはともに液晶表示素子18(18B、18G、18R)と出射偏光板25の間に配置しても構わない。また簡単の為、入射偏光板22、光学補償素子23、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子24、出射偏光板25は離れた状態で示されている。
【0015】
なおライトバルブ14に属する各光学素子の入射面及び出射面はすべて光軸300に直交している。
【0016】
図3(a)はライトバルブ14(14B、14G、14R)を構成する光学素子の各軸方向について示したものである。光軸300に平行な方向をZ方向とする。入射偏光板22は入射光Lのうち、第1の方向(X方向とする。)に振動する光成分を吸収する吸収軸22Aを有している。一方、出射偏光板25は第1の方向(X方向)に直交する第2の方向(Y方向とする。)に振動する光成分を吸収する吸収軸25Aを有しており、入射偏光板22及び出射偏光板25はいわゆるクロスニコル状態に配置されている。
【0017】
液晶表示素子18(18B、18G、18R)は図示しない2枚の基板の内側に液晶層28を有している。液晶層28の入射側面、出射側面にはそれぞれ、配向膜26、27が形成され、これら配向膜26、27はラビング処理により、図示しない微細な溝が同一方向に形成されている。このラビング処理により形成される溝の方向をラビング方向とする。また配向膜26のラビング方向を26A、配向膜27のラビング方向を27Aとする。
【0018】
また光学補償素子23,24は前記特許文献3の図3に記載されている光学軸P1,P2に対応する光学軸23A、24Aを有する。光学軸23A、24Aはそれぞれ、ラビング方向26A、27Aと略平行な方向に配置される。図3(a)では配向膜26のラビング方向26AはY方向に平行、配向膜27のラビング方向27AはX方向に平行に配置しているが、図3(b)のように配向膜26のラビング方向26AはX方向に平行、配向膜27のラビング方向27AはY方向に平行に配置しても構わない。光学補償素子23,24としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製の「Fuji WV Film ワイドビューA」を用いることができる。
【0019】
次に光学補償素子23,24の固定方法に関して説明する。図4は光学補償素子23(もしくは24、以下「もしくは」は省略する)と液晶表示素子18(18B、18G、18R)が共通の保持部材29に固定されている状態を光軸300に垂直な方向から見た図である。光学補償素子23(24)のうち図示しない他方の光学補償素子は保持部材29に固定されても、その他の保持部材(図示せず)に固定されても構わない。
【0020】
このとき、上記、光学補償素子23(24)、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、保持部材29を光軸300方向から示した模式図が、図5である。
【0021】
保持部材29は光学素子23(24)を固定する為の固定面29A、29B、29C、29Dを有し、また、入射光Lが透過する為の窓32を有する。33は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲を示しており、ここでは概略長方形をなしている。34は前記長方形の底辺で基準辺とみなすことができる。これに対し、光学補償素子23(24)は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の基準辺34に対応した基準辺31を構造上有し、基準辺34と基準辺31の光軸300に垂直な平面内でなす角αが外部調整機構によって調整される。黒レベル表示を改善し、高いコントラストを得て、黒むらを少なくする為には各光学素子の特性のばらつきを光学補償素子23(24)の角度調整によって打ち消す必要があり、そのすべてのばらつきを打ち消す為にはαは1度以上の角度まで調整できる必要がある。
【0022】
光学補償素子23(24)の固定は保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dにそれぞれ、接着剤401、402、403、404をもちいて化学的に固定される。
【0023】
保持部材29に対する液晶表示素子18(18B、18G、18R)の固定は、たとえば科学的な接着でも、係止部材による固定でも構わない。
【0024】
図6に保持部材29の形状の一例を示す。上記説明のとおり、保持部材29は固定面29A、29B、29C、29Dを有し、この位置に光学補償素子23(24)を固定する。また入射光Lが透過する為の窓32を有し、光学補償素子23(24)の固定とは反対の面に液晶表示素子18(18B、18G、18R)を固定する。このとき液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲33の一辺を液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲の基準辺34とし、このとき基準辺34は光学補償素子23(24)の基準辺31と光軸300に垂直な平面内で1度以上の角度をなす。上記の関係を満たせば、入射光Lに対し、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子23(24)のどちらが、先に配置されていても構わない。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態から光学補償素子23(24)の形状のみ変えたものである。図7にその光学補償素子23(24)の構成の一例を示す。第2の実施形態の光学補償素子23(24)は図示される長方形の平板形状の光学素子36に長方形の平板形状の光学補償素子35が固定され、構成されている。
このとき、光学補償素子35の一辺35A、もしくは光学素子36の一辺36Aが、第1の実施形態における光学補償素子23(24)の基準辺31に対応していることを特徴としている。このとき、長方形の平板形状をしているのは光学素子36、光学補償素子35のどちらか一方でも構わない。この場合、長方形の平板形状をしているの方の一辺を基準辺31に対応させる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は第1の実施形態から光学補償素子23(24)の保持部材29に対する固定方法のみ変更したものである。第3の実施形態は図5において、光学補償素子23(24)を保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dにおいて接着剤401、402、403、404で固定するのではなく、固定面29A、29B、29C、29Dを熱等の外力によって変形させ、光学補償素子23(24)を保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dに埋め込み、固定面29A、29B、29C、29Dの変形した形状の構造制約によって光学補償素子23(24)の位置を固定することを特徴とする。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は第1の実施形態において保持部材29の形状を特定の形状に限定したものである。保持部材29の形状の一例を光軸300方向から示した模式図が図8である。図8は説明の為、保持部材29のほかに、液晶表示素子18(18B、18G、18R)および光学補償素子23(24)を保持部材の前後に配置した状態で示されている。以下、液晶表示素子18(18B、18G、18R)の2つの透明基板(図示せず)に平行な面内にて説明する。また同じく説明の為、光学補償素子23(24)は位置調整のされていない状態で配置されている。このとき液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲33の基準辺34と、光学補償素子23(24)の基準辺31は平行に配置されている。ここで、光学補償素子23(24)の長方形の辺うち、基準辺31の長さをH、基準辺31に垂直な辺の長さをVとし、光学補償素子23(24)の長方形の形状中心を601とし、形状中心601から基準辺31に平行な直線を602とする。形状中心601を基準として図のように、距離r、角度θ、を定め、極座標を設定する。このとき角度θは直線602と図の右方向にて重なるとき0°となるとする。この座標系にて下記(数1)、(数2)、(数3)、(数4)、(数5)にて示されるr,θ1,θ2,θ3,θ4による円弧(r,θ1)、(r,θ2)、(r,θ3)、(r,θ4)をそれぞれ、501,502、503、504とする。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】
本発明の一例においては保持部材29の固定面29A、29B、29C、29D、がそれぞれ円弧501,502、503、504を含む平面である。これにより、光学補償素子23(24)は固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な面内にて形状中心601を中心に±1°以上回転摺動することが可能となり、光学補償素子23(24)を±1°以上回転調整したうえ、固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な状態で固定できる。
【0031】
但し、固定面29A、29B、29C、29Dすべてがそれぞれ円弧501,502、503、504を含む必要は無く、固定面29A、29B、29C、29Dのうち少なくとも二つ以上が上記円弧501,502、503、504を含む平面をなしていれば良い。残りの二つの固定面は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な面内の平面で光学補償素子23(24)を保持できるのであれば、位置、形状は構わない。上記円弧501,502、503、504を含む固定面29A、29B、29C、29Dはうち二つ以上が平面として繋がっていても構わない。また、光学補償素子23(24)が問題無く固定できるのであれば、残りの二つの固定面は一つでも構わない。上記の形状であれば、同じく光学補償素子23(24)を±1°以上回転調整したうえ、固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な状態で固定できる。
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、各光学素子の軸角度の製造誤差、液晶表示素子のラビング方向角度等の製造誤差等を光学補償素子の位置調整によって補うことができ、高いコントラストと、照度が均一で色むらの良好な黒表示性能をえることができる。
【0033】
また、投射型映像表示装置に調整機構をもたない為、調節機構追加分の部品点数を増やすことが無く、黒表示レベルの高い投射型映像表示装置およびその調整方法を安価に提供することができる。
【0034】
以上のように、投射型映像表示装置に調整機構をもたない為、調節機構追加分の部品点数を増やすことが無く、黒表示レベルの高い投射型映像表示装置およびその調整方法を安価に提供することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、投射型映像表示装置の低価格化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型液晶表示装置の一実施形態を示す光学系の構成図である。
【図2】光軸方向から垂直な方向から見たライトバルブの構成図ある。
【図3】ライトバルブを構成する各光学素子の軸角度を示した構成図ある。
【図4】液晶表示素子と光学補償素子が共通の保持部材に固定される場合の構成図ある。
【図5】保持部材に液晶表示素子と光学補償素子を取り付ける固定方法を説明する正面図ある。
【図6】本発明の第1の実施例に係る保持部材とこれに固定される液晶表示素子と光学補償素子の固定方法の一例を示す斜視図ある。
【図7】本発明の第1の実施例に係る光学補償素子の一例を示す斜視図ある。
【図8】本発明の他の実施例に係る保持部材とこれに固定される液晶表示素子と光学補償素子の固定方法の一例を示す平面図ある。
【符号の説明】
1…光源、2…反射鏡、3…第1のアレイレンズ、4…第2のアレイレンズ、5…偏光変換素子、6…集光レンズ、7…反射ミラー、8…反射ミラー、9…反射ミラー、10…反射ミラー、11…ダイクロイックミラー、12…ダイクロイックミラー、13…コンデンサレンズ、14…ライトバルブ、15…第1のリレーレンズ、16…第2のリレーレンズ、17…第3のリレーレンズ、18…映像表示素子、21…光合成プリズム、22…入射偏光板、22A…吸収軸、23…光学補償素子、23A…光学軸、24…光学補償素子、24A…光学軸、25…出射偏光板、25A…吸収軸、26…配向膜、26A…ラビング方向、27…配向膜、27A…ラビング方向、28…液晶層、29…保持部材、29A…固定部、29B…固定部、29C…固定部、29D…固定部、31…基準辺、32…窓、33…有効表示範囲、34…基準辺、35…光学補償素子、35A…基準辺、36…光学素子、36A…基準辺、100…スクリーン、200…投射レンズ、300…光軸、401…接着剤、402…接着剤、403…接着剤、404…接着剤、α…角度。
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像表示素子として液晶表示素子を用い、該液晶表示素子で映像信号に応じた光学像を形成し、その光学像をスクリーンなどに投射する投射型映像表示装置およびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの投射型映像表示装置の光学系においては、液晶表示素子を構成する2枚の透明基板付近の液晶分子による複屈折によって、入射光線に対し、入射光の振動方向を変えてしまう現象が発生する。この現象により、黒表示時のスクリーン上での照度が上がってしまい、映像のコントラストが低下するという問題がある。また、ツイステッド・ネマティック(TN)型液晶表示素子では、原理上、この入射光の振動方向が変化してしまう現象の発生量が光線の入射角度によって異なる。すなわち液晶表示素子によって構成されるライトバルブのコントラストは入射光線角度に対して分布を持っている。また実際の投射型映像表示装置の光学系においては、一般的に液晶表示素子に対する照明光学系による入射光線束は角度分布を持っており、その分布は一般的に液晶表示素子の面内において不均一である。
【0003】
そこで、液晶表示素子の透明基板付近の液晶分子による複屈折によって生じる入射光の振動方向が変化する現象を防ぐ手段として、下記特許文献1、下記特許文献2等に記載の、液晶表示素子で生じる入射光の振動方向の変化とは逆方向にその変化が生じるような光学異方素子を用いた光学補償素子により、液晶表示素子で生じる入射光の振動方向の変化を光学補償素子で生じる逆方向の振動で相殺する手段がある。また、液晶表示素子に入射する光の光軸に垂直な面内に配置された光学補償素子の位置をこの面内で調節する調節手段を有する投射型映像表示装置が下記特許文献3に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−174920号公報
【特許文献2】
特開平6−265728号公報
【特許文献3】
特開2002−182213号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献3に記載の投射型映像表示装置に調節機構を設けた方法では、調節無しの投射型映像表示装置に比べ、光学補償素子の固定方法が複雑になり、部品点数が増加し、製品価格が高くなるというデメリットがあった。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、これらの課題を解決し、黒表示時の性能を向上し、安価でありながら高いコントラストと、照度が均一で色むらの良好な黒表示性能を有する投射型映像表示装置およびその調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、光源と、複数の液晶分子を配列した液晶層を有し前記光源から発せられた光を変調させる液晶表示素子と、該液晶表示素子の入射側及び出射側の少なくとも一方に設けられ、前記液晶層の液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償する光学素子と、前記液晶表示素子により変調された光を投射する手段とを有する投射型映像表示装であって、前記液晶表示素子は略長方形形状の有効表示領域を有し、前記光学素子の少なくとも一つは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺を持つ形状を有する、或いは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺が表記されており、前記光学素子基準辺は、光の入射方向にほぼ直交する面内において前記液晶表示素子の特定の一辺と少なくとも回転方向で1度以上5度以下の角度だけ異なって配置するように構成する。
【0008】
【発明の実態の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、同一な部分には同一符号を付して、一度説明したものについては、その説明を省略する。
【0009】
なお、符号のあとにRまたはGまたはBを添えて示す構成要素は、色によって分離された複数の光路で区別する必要があるものである。説明上特に支障がない場合には、添字を省略する。また符号のあとにA、B、C、Dを添えて示す構成要素は、符号の示す構成要素の一部分もしくは、符号の示す構成要素に係る光軸、光学的方向を示したものである。
(第1の実施形態)
図1は本発明による投射型液晶表示装置の第1の実施形態の一例を示す図である。図1の3板式の投射型液晶表示装置において、1は光源であり、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色ランプである。光源1は、円形ないし、多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反射鏡2を有し、この光源1から出される光は液晶表示素子からなるライトバルブ14を通過して投射レンズ200に向かい、スクリーン100へ投影される。
【0010】
光源1の電球から放射される光は例えば放物面の反射鏡2で反射されて光軸に平行となり、第1のアレイレンズ3に入射される。第1のアレイレンズ3は、入射した光をマトリックス状に配設された複数のレンズセルで複数の光に分割して、効率よく第2のアレイレンズ4と偏光変換素子5を通過するように導く。即ち、第1のアレイレンズ3は光源1と第2のアレイレンズ4の各レンズセルとが互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されている。第1のアレイレンズ3と同様に、マトリックス状に配設された複数のレンズセルを持つ第2のアレイレンズ4は、構成するレンズセルそれぞれが対応する第1のアレイレンズ3のレンズセルの形状をライトバルブ14内の液晶表示素子18に投影する。この時、偏光変換素子5で第2のアレイレンズ4からの光は所定の偏光方向に揃えられ、そして、第1のアレイレンズ3の各レンズセルの投影像は、それぞれ集光レンズ6、およびコンデンサレンズ13、第1のリレーレンズ15,第2のリレーレンズ16,第3のリレーレンズ17によりライトバルブ14内の液晶表示素子18上に重ね合わせられる。なお集光レンズ6は光軸300を有する。
【0011】
なお、第2のアレイレンズ4とこれに近接して配設される集光レンズ6とは、第1のアレイレンズ3と液晶表示素子18とが、互いに物体と像の関係(共役関係)になるように設計されているので、第1のアレイレンズ3で複数に分割された光束は、第2のアレイレンズ4と集光レンズ6によって、ライトバルブ14内の液晶表示素子18上に重畳して投影され、実用上問題のないレベルの均一性の高い照度分布の照明が可能となる。
【0012】
その過程で、反射ミラー7で反射された光は、ダイクロイックミラー11により、例えばB光(青色帯域の光)は反射され、G光(緑色帯域の光)およびR光(赤色帯域の光)は透過されて2色の光に分離され、更に、G光とR光はダイクロイックミラー12によりG光とR光に分離される。例えば、G光はダイクロイックミラー12で反射され、R光はダイクロイックミラー12を透過して3色の光に分離される。この光の分離の仕方は種々考えられ、ダイクロイックミラー11でR光を反射させ、G光及びB光を透過させてもよいし、G光を反射させ、R光及びB光を透過させてもよい。例として、B光はダイクロイックミラー11を反射して、反射ミラー10で反射され、コンデンサレンズ13Bを通してB光用のライトバルブ14Bを透過して光合成プリズム21に入射される。ここでコンデンサレンズ13Bを透過し、ライトバルブ14Bに入射するB光をLBと呼ぶことにする。ダイクロイックミラー11で透過されたG光及びR光の内、G光はダイクロイックミラー12で反射され、コンデンサレンズ13Gを通してG光用ライトバルブ14Gに入射され、このライトバルブ14Gを透過して光合成プリズム21に入射される。ここでコンデンサレンズ13Gを透過し、ライトバルブ14Gに入射するG光をLGと呼ぶことにする。R光はダイクロイックミラー12を透過し、第1のリレーレンズ15で集光され、更に反射ミラー8で反射され、第2のリレーレンズ16で更に集光され、反射ミラー9で反射された後、第3のリレーレンズ17で更に集光されてR光用のライトバルブ14Rに入射される。ライトバルブ14Rを透過したR光は光合成プリズム21に入射される。ここでリレーレンズ17を透過し、ライトバルブ14Rに入射するR光をLRと呼ぶことにする。各液晶表示素子18を透過したB光、G光、R光は、光合成プリズム21によってカラー映像として合成された後、例えばズームレンズであるような投射レンズ200を通過し、スクリーン100に到達する。ライトバルブ14内の液晶表示素子18に光強度変調で形成された光学像は、投射レンズ200によりスクリーン100上に拡大投影され表示装置として機能するものである。
【0013】
図2はライトバルブの構成を示すものである。ライトバルブ14B、14G、14Rは光強度変調の対象のとなる光の分光特性が異なるのみであり、その機能及び構成は図2に示したライトバルブ14と実質的には同じものである。図2は光軸300に対して垂直な方向から見た配置図であり、図に示される入射光Lはライトバルブ14に入射される光であり、前述LB、LG、LRを総じて称したものである。以下ライトバルブ14B、14G、14Rをライトバルブ14、液晶表示素子18B、18G、18Rを液晶表示素子18、またLB、LG、LRを入射光Lとし、纏めて説明する。
【0014】
図2に示すようなライトバルブ14(14B、14G、14R)は下記のように構成される。図2に示すようにライトバルブ14(14B、14G、14R)は入射光側から順に入射偏光板22、光学補償素子23、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子24、出射偏光板25を有している。この配置順では光学補償素子23、24はそれぞれ入射偏光板22と液晶表示素子18(18B、18G、18R)の間、液晶表示素子18(18B、18G、18R)と出射偏光板25の間に配置されるが、ともに入射偏光板22と液晶表示素子18(18B、18G、18R)の間、もしくはともに液晶表示素子18(18B、18G、18R)と出射偏光板25の間に配置しても構わない。また簡単の為、入射偏光板22、光学補償素子23、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子24、出射偏光板25は離れた状態で示されている。
【0015】
なおライトバルブ14に属する各光学素子の入射面及び出射面はすべて光軸300に直交している。
【0016】
図3(a)はライトバルブ14(14B、14G、14R)を構成する光学素子の各軸方向について示したものである。光軸300に平行な方向をZ方向とする。入射偏光板22は入射光Lのうち、第1の方向(X方向とする。)に振動する光成分を吸収する吸収軸22Aを有している。一方、出射偏光板25は第1の方向(X方向)に直交する第2の方向(Y方向とする。)に振動する光成分を吸収する吸収軸25Aを有しており、入射偏光板22及び出射偏光板25はいわゆるクロスニコル状態に配置されている。
【0017】
液晶表示素子18(18B、18G、18R)は図示しない2枚の基板の内側に液晶層28を有している。液晶層28の入射側面、出射側面にはそれぞれ、配向膜26、27が形成され、これら配向膜26、27はラビング処理により、図示しない微細な溝が同一方向に形成されている。このラビング処理により形成される溝の方向をラビング方向とする。また配向膜26のラビング方向を26A、配向膜27のラビング方向を27Aとする。
【0018】
また光学補償素子23,24は前記特許文献3の図3に記載されている光学軸P1,P2に対応する光学軸23A、24Aを有する。光学軸23A、24Aはそれぞれ、ラビング方向26A、27Aと略平行な方向に配置される。図3(a)では配向膜26のラビング方向26AはY方向に平行、配向膜27のラビング方向27AはX方向に平行に配置しているが、図3(b)のように配向膜26のラビング方向26AはX方向に平行、配向膜27のラビング方向27AはY方向に平行に配置しても構わない。光学補償素子23,24としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製の「Fuji WV Film ワイドビューA」を用いることができる。
【0019】
次に光学補償素子23,24の固定方法に関して説明する。図4は光学補償素子23(もしくは24、以下「もしくは」は省略する)と液晶表示素子18(18B、18G、18R)が共通の保持部材29に固定されている状態を光軸300に垂直な方向から見た図である。光学補償素子23(24)のうち図示しない他方の光学補償素子は保持部材29に固定されても、その他の保持部材(図示せず)に固定されても構わない。
【0020】
このとき、上記、光学補償素子23(24)、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、保持部材29を光軸300方向から示した模式図が、図5である。
【0021】
保持部材29は光学素子23(24)を固定する為の固定面29A、29B、29C、29Dを有し、また、入射光Lが透過する為の窓32を有する。33は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲を示しており、ここでは概略長方形をなしている。34は前記長方形の底辺で基準辺とみなすことができる。これに対し、光学補償素子23(24)は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の基準辺34に対応した基準辺31を構造上有し、基準辺34と基準辺31の光軸300に垂直な平面内でなす角αが外部調整機構によって調整される。黒レベル表示を改善し、高いコントラストを得て、黒むらを少なくする為には各光学素子の特性のばらつきを光学補償素子23(24)の角度調整によって打ち消す必要があり、そのすべてのばらつきを打ち消す為にはαは1度以上の角度まで調整できる必要がある。
【0022】
光学補償素子23(24)の固定は保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dにそれぞれ、接着剤401、402、403、404をもちいて化学的に固定される。
【0023】
保持部材29に対する液晶表示素子18(18B、18G、18R)の固定は、たとえば科学的な接着でも、係止部材による固定でも構わない。
【0024】
図6に保持部材29の形状の一例を示す。上記説明のとおり、保持部材29は固定面29A、29B、29C、29Dを有し、この位置に光学補償素子23(24)を固定する。また入射光Lが透過する為の窓32を有し、光学補償素子23(24)の固定とは反対の面に液晶表示素子18(18B、18G、18R)を固定する。このとき液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲33の一辺を液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲の基準辺34とし、このとき基準辺34は光学補償素子23(24)の基準辺31と光軸300に垂直な平面内で1度以上の角度をなす。上記の関係を満たせば、入射光Lに対し、液晶表示素子18(18B、18G、18R)、光学補償素子23(24)のどちらが、先に配置されていても構わない。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態から光学補償素子23(24)の形状のみ変えたものである。図7にその光学補償素子23(24)の構成の一例を示す。第2の実施形態の光学補償素子23(24)は図示される長方形の平板形状の光学素子36に長方形の平板形状の光学補償素子35が固定され、構成されている。
このとき、光学補償素子35の一辺35A、もしくは光学素子36の一辺36Aが、第1の実施形態における光学補償素子23(24)の基準辺31に対応していることを特徴としている。このとき、長方形の平板形状をしているのは光学素子36、光学補償素子35のどちらか一方でも構わない。この場合、長方形の平板形状をしているの方の一辺を基準辺31に対応させる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は第1の実施形態から光学補償素子23(24)の保持部材29に対する固定方法のみ変更したものである。第3の実施形態は図5において、光学補償素子23(24)を保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dにおいて接着剤401、402、403、404で固定するのではなく、固定面29A、29B、29C、29Dを熱等の外力によって変形させ、光学補償素子23(24)を保持部材29の固定面29A、29B、29C、29Dに埋め込み、固定面29A、29B、29C、29Dの変形した形状の構造制約によって光学補償素子23(24)の位置を固定することを特徴とする。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は第1の実施形態において保持部材29の形状を特定の形状に限定したものである。保持部材29の形状の一例を光軸300方向から示した模式図が図8である。図8は説明の為、保持部材29のほかに、液晶表示素子18(18B、18G、18R)および光学補償素子23(24)を保持部材の前後に配置した状態で示されている。以下、液晶表示素子18(18B、18G、18R)の2つの透明基板(図示せず)に平行な面内にて説明する。また同じく説明の為、光学補償素子23(24)は位置調整のされていない状態で配置されている。このとき液晶表示素子18(18B、18G、18R)の有効表示範囲33の基準辺34と、光学補償素子23(24)の基準辺31は平行に配置されている。ここで、光学補償素子23(24)の長方形の辺うち、基準辺31の長さをH、基準辺31に垂直な辺の長さをVとし、光学補償素子23(24)の長方形の形状中心を601とし、形状中心601から基準辺31に平行な直線を602とする。形状中心601を基準として図のように、距離r、角度θ、を定め、極座標を設定する。このとき角度θは直線602と図の右方向にて重なるとき0°となるとする。この座標系にて下記(数1)、(数2)、(数3)、(数4)、(数5)にて示されるr,θ1,θ2,θ3,θ4による円弧(r,θ1)、(r,θ2)、(r,θ3)、(r,θ4)をそれぞれ、501,502、503、504とする。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】
【数4】
【0029】
【数5】
【0030】
本発明の一例においては保持部材29の固定面29A、29B、29C、29D、がそれぞれ円弧501,502、503、504を含む平面である。これにより、光学補償素子23(24)は固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な面内にて形状中心601を中心に±1°以上回転摺動することが可能となり、光学補償素子23(24)を±1°以上回転調整したうえ、固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な状態で固定できる。
【0031】
但し、固定面29A、29B、29C、29Dすべてがそれぞれ円弧501,502、503、504を含む必要は無く、固定面29A、29B、29C、29Dのうち少なくとも二つ以上が上記円弧501,502、503、504を含む平面をなしていれば良い。残りの二つの固定面は液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な面内の平面で光学補償素子23(24)を保持できるのであれば、位置、形状は構わない。上記円弧501,502、503、504を含む固定面29A、29B、29C、29Dはうち二つ以上が平面として繋がっていても構わない。また、光学補償素子23(24)が問題無く固定できるのであれば、残りの二つの固定面は一つでも構わない。上記の形状であれば、同じく光学補償素子23(24)を±1°以上回転調整したうえ、固定面29A、29B、29C、29Dを含む液晶表示素子18(18B、18G、18R)の二つの透明基板(図示せず)に平行な状態で固定できる。
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、各光学素子の軸角度の製造誤差、液晶表示素子のラビング方向角度等の製造誤差等を光学補償素子の位置調整によって補うことができ、高いコントラストと、照度が均一で色むらの良好な黒表示性能をえることができる。
【0033】
また、投射型映像表示装置に調整機構をもたない為、調節機構追加分の部品点数を増やすことが無く、黒表示レベルの高い投射型映像表示装置およびその調整方法を安価に提供することができる。
【0034】
以上のように、投射型映像表示装置に調整機構をもたない為、調節機構追加分の部品点数を増やすことが無く、黒表示レベルの高い投射型映像表示装置およびその調整方法を安価に提供することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、投射型映像表示装置の低価格化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型液晶表示装置の一実施形態を示す光学系の構成図である。
【図2】光軸方向から垂直な方向から見たライトバルブの構成図ある。
【図3】ライトバルブを構成する各光学素子の軸角度を示した構成図ある。
【図4】液晶表示素子と光学補償素子が共通の保持部材に固定される場合の構成図ある。
【図5】保持部材に液晶表示素子と光学補償素子を取り付ける固定方法を説明する正面図ある。
【図6】本発明の第1の実施例に係る保持部材とこれに固定される液晶表示素子と光学補償素子の固定方法の一例を示す斜視図ある。
【図7】本発明の第1の実施例に係る光学補償素子の一例を示す斜視図ある。
【図8】本発明の他の実施例に係る保持部材とこれに固定される液晶表示素子と光学補償素子の固定方法の一例を示す平面図ある。
【符号の説明】
1…光源、2…反射鏡、3…第1のアレイレンズ、4…第2のアレイレンズ、5…偏光変換素子、6…集光レンズ、7…反射ミラー、8…反射ミラー、9…反射ミラー、10…反射ミラー、11…ダイクロイックミラー、12…ダイクロイックミラー、13…コンデンサレンズ、14…ライトバルブ、15…第1のリレーレンズ、16…第2のリレーレンズ、17…第3のリレーレンズ、18…映像表示素子、21…光合成プリズム、22…入射偏光板、22A…吸収軸、23…光学補償素子、23A…光学軸、24…光学補償素子、24A…光学軸、25…出射偏光板、25A…吸収軸、26…配向膜、26A…ラビング方向、27…配向膜、27A…ラビング方向、28…液晶層、29…保持部材、29A…固定部、29B…固定部、29C…固定部、29D…固定部、31…基準辺、32…窓、33…有効表示範囲、34…基準辺、35…光学補償素子、35A…基準辺、36…光学素子、36A…基準辺、100…スクリーン、200…投射レンズ、300…光軸、401…接着剤、402…接着剤、403…接着剤、404…接着剤、α…角度。
Claims (12)
- 光源と、複数の液晶分子を配列した液晶層を有し前記光源から発せられた光を変調させる液晶表示素子と、該液晶表示素子の入射側及び出射側の少なくとも一方に設けられ、前記液晶層の液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償する光学素子と、前記液晶表示素子により変調された光を投射する手段とを有する投射型映像表示装であって、
前記液晶表示素子は略長方形形状の有効表示領域を有し、
前記光学素子の少なくとも一つは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺を持つ形状を有する、或いは、前記略長方形形状の特定の一辺と略平行な基準辺が表記されており、
前記光学素子基準辺は、光の入射方向にほぼ直交する面内において前記液晶表示素子の特定の一辺と少なくとも回転方向で1度以上5度以下の角度だけ異なって配置されていることを特徴とする投射型映像表示装置。 - 前記液晶表示素子と前記光学素子との相対的位置関係を調節する調節手段を備えていないことを特徴とする請求項1に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子は、前記液晶層の入射領域または出射領域における液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償する素子であることを特徴とする請求項1に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子は長方形の平板形状であり、該長方形の一辺が、前記基準辺をなすことを特徴とする請求項1に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子は相対位置の固定された少なくとも二つ以上の物体から構成され、前記構成物体の少なくとも一つの物体が長方形の平板形状をなし、この長方形の一辺が、前記基準辺をなすことを特徴とする請求項1に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子と前記映像表示素子は共通の保持部材に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子は前記保持部材に化学的に接着されていることを特徴とする請求項6に記載の投射型映像表示装置。
- 前記光学素子は前記保持部材の構造形状制約のみによって位置が固定されていることを特徴とする請求項6に記載の投射型映像表示装置。
- 前記保持部材は特定領域の平面部を有することを特徴とする請求項6に記載の投射型映像表示装置。
- 光源と、複数の液晶分子を配列した液晶層を有し前記光源から発せられた光を変調させる液晶表示素子と、該液晶表示素子の入射側及び出射側の少なくとも一方に設けられ、前記液晶層の液晶分子によって生じる光学的な位相差を補償する光学素子と、前記液晶表示素子により変調された光を投射する手段とを有する投射型映像表示装の調整方法であって、
該投射型映像表示装は、前記光学素子と前記映像表示素子とを固定するための特定領域の平面部を有する保持部材を有し、
該投射型映像表示装置とは別体の装置によって、前記液晶表示素子と前記光学素子の相対位置を前記特定領域の平面部において前記調整したのち固定するようにしたことを特徴とする投射型映像表示装の調整方法。
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