JP2007264010A - 偏光変換素子の製造方法及びプロジェクタ - Google Patents

偏光変換素子の製造方法及びプロジェクタ Download PDF

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歌省 関口
Toshiaki Hashizume
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Abstract

【課題】偏光変換素子を製造する際の製造コストの低廉化を図ることが可能な偏光変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子の製造方法であって、第1の基板、偏光分離層、第2の基板、反射層の繰り返し構造を有する基板ブロックを作成する基板ブロック作成工程(S100)と、基板ブロックを所定の角度で切断することにより偏光分離素子を作成する偏光分離素子作成工程(S200)と、予め所定位置に遮光層を形成しておいた透光性部材を接着層を介して偏光分離素子の光入射面に貼り付けるとともに、予め所定位置に位相差板を貼り付けておいた透光性部材を接着層を介して偏光分離素子の光射出面に貼り付ける透光性部材貼り付け工程(S300)とを含む偏光変換素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光変換素子の製造方法及びプロジェクタに関する。
従来、ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成分を有する光に変換する偏光変
換素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の偏光変換素子の製造方法は、第1の基板、偏光分離層、第2の基板、反射層の繰
り返し構造を有する基板ブロックを作成する基板ブロック作成工程と、基板ブロックを所
定の角度で切断することにより偏光分離素子を作成する偏光分離素子作成工程と、偏光分
離素子における両面を研磨(鏡面研磨又はポリッシング加工)する研磨工程と、研磨工程
で研磨された偏光分離素子の光入射面における所定位置に遮光層を形成する遮光層形成工
程と、研磨工程で研磨された偏光分離素子の光射出面における所定位置に位相差板を貼り
付ける位相差板貼り付け工程とを含むものである。
このため、従来の偏光変換素子の製造方法によれば、多数の偏光分離素子をまとめて製
造することができるため、偏光変換素子を高い生産性で製造することが可能となる。
特開2000−321433号公報
ところで、近年、偏光変換素子を製造する際において、製造コストの低廉化を求める要
望が高まってきている。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、偏光変換素子を製造する
際の製造コストの低廉化を図ることが可能な偏光変換素子の製造方法を提供することを目
的とする。また、そのような優れた偏光変換素子の製造方法によって製造された偏光変換
素子を備える安価なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の偏光変換素子の製造方法は、ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成
分を有する光に変換する偏光変換素子の製造方法であって、第1の基板、偏光分離層、第
2の基板、反射層の繰り返し構造を有する基板ブロックを作成する基板ブロック作成工程
と、前記基板ブロックを所定の角度で切断することにより偏光分離素子を作成する偏光分
離素子作成工程と、前記偏光分離素子の光射出側に位相差板を配置し、前記偏光分離素子
の光入射面及び光射出面のうち少なくとも一方に透光性部材を接着層を介して貼り付ける
透光性部材貼り付け工程とを含むことを特徴とする。
このため、本発明の偏光変換素子の製造方法によれば、基板ブロックを所定の角度で切
断することによって切断面(偏光分離素子の表面)が荒れたとしても、偏光分離素子の光
入射面及び光射出面のうち少なくとも一方の面に接着層を介して透光性部材を貼り付ける
ことにより、偏光分離素子の切断面と透光性部材の表面との間に接着剤が介在することと
なるため、偏光分離素子の切断面において光が乱反射することを防止することが可能とな
る。すなわち、本発明の偏光変換素子の製造方法によれば、偏光分離素子作成工程で作成
された偏光分離素子の切断面(偏光分離素子の表面)を鏡面研磨又はポリッシング加工す
る必要がないため、従来の偏光変換素子の製造方法における研磨工程に要する作業時間や
作業の手間を軽減することが可能となり、偏光変換素子を製造する際の製造コストの低廉
化を図ることが可能となる。
なお、本発明の偏光変換素子の製造法においては、透光性部材貼り付け工程において、
偏光分離素子の光入射面及び光射出面の両面に透光性部材を接着層を介して貼り付けるこ
とが好ましい。この場合、上述の効果をさらに向上することが可能となる。
また、本発明の偏光変換素子の製造方法によれば、少なくとも1枚の透光性部材と偏光
分離素子とは接着層を介して接着されるため、各部材間の界面における光散乱の発生が抑
制され、光透過率に優れた偏光変換素子を製造することができる。
また、本発明の偏光変換素子の製造方法によれば、偏光分離素子の光入射面と光射出面
とのうち少なくとも一方に透光性部材が接着されているため、偏光分離素子で発生した熱
を少なくとも1枚の透光性部材に伝達することが可能になる。その結果、偏光分離素子の
温度上昇を抑制することが可能となる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材貼り付け工程において、
予め所定位置に遮光層を形成しておいた透光性部材を接着層を介して前記偏光分離素子の
光入射面に貼り付けることが好ましい。
このような方法とすることにより、比較的高価な偏光変換素子ではなく比較的安価な透
光性部材に遮光層を形成しているため、仮に遮光層の形成に失敗したとしても、透光性部
材の不良とされるだけであるため、製造コストの低廉化をそれほど阻むこともなくなる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材貼り付け工程において、
予め所定位置に位相差板を貼り付けておいた透光性部材を接着層を介して前記偏光分離素
子の光射出面に貼り付けることが好ましい。
このような方法とすることにより、位相差板が透光性部材に貼り付けられているため、
位相差板で発生した熱を透光性部材に伝達することが可能になる。その結果、位相差板の
温度上昇を抑制でき、熱による位相差板の劣化を抑制することが可能となる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材貼り付け工程で用いる接
着剤の屈折率は、前記第1の基板の屈折率及び前記第2の基板の屈折率並びに前記透光性
部材の屈折率と略同一であることが好ましい。
このような方法とすることにより、各部材間の界面における光散乱の発生がさらに抑制
され、より光透過率に優れた偏光変換素子を製造することができる。
上記観点から言えば、接着剤の屈折率と、第1の基板の屈折率及び第2の基板の屈折率
並びに透光性部材の屈折率との差nは、0≦n≦0.1であることが好ましい。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記偏光分離素子作成工程において、ワ
イヤーソーを用いて基板ブロックを切断することが好ましい。
このような方法とすることにより、偏光分離素子の表面粗さを0.05〜20μmにす
ることができるため、透光性部材と偏光分離素子との間における光散乱の発生を十分に抑
制することが可能となり、光透過率に優れた偏光変換素子を製造することができる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記遮光層は、光を反射する反射部材か
らなることが好ましい。
このような方法とすることにより、遮光層では光が吸収されず反射されるため、放熱性
に優れた偏光変換素子を製造することができる。
遮光層としては、金属層又は誘電体多層膜を好適に用いることができる。この場合、遮
光層として金属層を用いた場合には、より放熱性に優れた偏光変換素子を製造することが
できる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材は、サファイア若しくは
水晶からなる透光性基板又は透光性ガラスからなる透光性基板であることが好ましい。
透光性部材がサファイア又は水晶からなる透光性基板である場合には、これらの材料か
らなる透光性基板は熱伝導性に非常に優れているため、偏光変換素子で発生した熱を効率
よく系外に放散させることができ、放熱性に優れた偏光変換素子を製造することができる
一方、透光性部材が透光性ガラスからなる透光性基板である場合には、透光性ガラスか
らなる透光性基板は複屈折が小さいため、透光性部材を通過する光束の品質低下を抑制す
ることができ、高品質な偏光変換素子を製造することができる。
なお、透光性ガラスとしては、石英ガラス、BK7やパイレックス(登録商標)などの
硼珪酸ガラス、白板ガラス、結晶化ガラスなどを好適に用いることができる。
本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材貼り付け工程において、
前記偏光分離素子の光入射面に貼り付ける前記透光性部材として、複数の小レンズを有す
るレンズアレイを用いることもできる。
また、本発明の偏光変換素子の製造方法においては、前記透光性部材貼り付け工程にお
いて、前記偏光分離素子の光射出面に貼り付ける前記透光性部材として、前記偏光分離素
子から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させる重畳レンズを用いることもできる
本発明のプロジェクタは、ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成分を有する
光に変換する偏光変換素子を少なくとも有し、照明光束を射出する照明装置と、前記照明
装置からの照明光束を画像情報に応じて変調する電気光学変調素子と、前記電気光学変調
素子で変調された照明光束を投写する投写光学系とを備えるプロジェクタであって、前記
偏光変換素子は、上記した本発明の偏光変換素子の製造方法により製造された偏光変換素
子であることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタは、上記した偏光変換素子の製造方法により製造され
た優れた偏光変換素子を備える安価なプロジェクタとなる。
以下、本発明の偏光変換素子の製造方法及びプロジェクタについて、図に示す実施の形
態に基づいて説明する。
[実施形態1]
実施形態1では、本発明の偏光変換素子の製造方法について説明する。
図1は、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法を説明するために示すフローチャー
トである。図2は、基板ブロック作成工程を説明するために示すフローチャートである。
図3は、基板ブロック作成工程を模式的に示す図である。図3(a)は基板準備工程を模
式的に示す図であり、図3(b)は基板貼り合わせ工程を模式的に示す図であり、図3(
c)は接着剤硬化工程を模式的に示す図である。
図4は、偏光分離素子作成工程を模式的に示す図である。図4(a)は第1の切断工程
を模式的に示す図であり、図4(b)は第2の切断工程を模式的に示す図であり、図4(
c)は偏光分離素子作成工程で作成された偏光分離素子30を示す図である。図5は、透
光性部材貼り付け工程を説明するために示す図である。図5(a)は遮光層40が形成さ
れた透光性基板50の斜視図であり、図5(b)は、位相差板60が貼り付けられた透光
性基板70の斜視図である。図6は、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によって
製造された偏光変換素子140を示す図である。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法は、ランダムな偏光成分を有する光を1種類
の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子140の製造方法であって、図1に示すよ
うに、「基板ブロック作成工程」、「偏光分離素子作成工程」、「透光性部材貼り付け工
程」が順次実施される。以下、これら各工程を順次説明する。
1.基板ブロック作成工程
基板ブロック作成工程(図1のステップS100)は、第1の基板12、偏光分離層1
4、第2の基板16、反射層18の繰り返し構造を有する基板ブロック10(図3(c)
参照。)を作成するための工程である。この「基板ブロック作成工程」は、「基板準備工
程」、「基板貼り合わせ工程」及び「接着剤硬化工程」を含む。以下、これら各工程を順
次説明する。
1−1.基板準備工程
まず、複数の第1の基板12及び複数の第2の基板16を準備する(図2のステップS
110)。そして、図3(a)に示すように、複数の第1の基板12の片側の表面に偏光
分離層14をそれぞれ形成する。また、複数の第2の基板16の片側表面に反射層18を
それぞれ形成する。
第1の基板12及び第2の基板16としては、例えば、白板ガラスからなる基板などを
好適に用いることができる。また、第1の基板12及び第2の基板16として同じ基板を
用いることにより、第1の基板12及び第2の基板16の厚さが同じになるため、偏光分
離層14と反射層18との間隔を均等にすることが可能となる。第1の基板12及び第2
の基板16の厚さは、適宜設定することができる。
なお、表面に偏光分離層14が形成されていない第1の基板12(又は表面に反射層1
8が形成されていない第2の基板16)を1つ準備しておく。この第1の基板12は、基
板ブロック10における一方の端部に配設される基板となる。
1−2.基板貼り合わせ工程
次に、図3(b)に示すように、片側表面に偏光分離層14が形成された第1の基板1
2と、片側表面に反射層18が形成された第2の基板16とを、接着層Cを介して交互に
貼り合わせる(図2のステップS120)。このとき、各基板12,16を所定のずれ量
だけずらして貼り合わせている。最後に、表面に偏光分離層14が形成されていない第1
の基板12を貼り合わせる。
なお、接着剤としては、UV硬化性の接着剤を好適に用いることができる。また、当該
接着剤の屈折率と、第1の基板12の屈折率及び第2の基板16の屈折率との差nは、0
≦n≦0.1である。
1−3.接着剤硬化工程
そして、図3(c)に示すように、紫外線を照射して接着層Cを硬化させる(図2のス
テップS130)。これにより、第1の基板12、偏光分離層14、第2の基板16、反
射層18の繰り返し構造を有する基板ブロック10を作成することができる。
2.偏光分離素子作成工程
偏光分離素子作成工程(図1のステップS200)は、基板ブロック10を所定の角度
で切断することにより偏光分離素子30を作成するための工程である。この「偏光分離素
子作成工程」は、「第1の切断工程」及び「第2の切断工程」を含む。以下、これら各工
程を順次説明する。
2−1.第1の切断工程
図4(a)に示すように、基板ブロック10を、ワイヤーソーを用いて、例えば偏光分
離層14及び反射層18に対して45度の角度で切断する。これにより、複数のブロック
片20が作成される。なお、基板ブロック10を切断する際の角度については、必ずしも
45度である必要は無い。
2−2.第2の切断工程
そして、図4(b)に示すように、ブロック片20の両端をワイヤーソーを用いて切断
する。これにより、図4(c)に示すような偏光分離素子30を作成することができる。
上記の「基板ブロック作成工程」及び「偏光分離素子作成工程」を実施することにより
、均質な偏光分離素子30を多量に製造することができる。
なお、上記「第1の切断工程」の後、ブロック片20の切断面を粗研磨(粗研削)して
もよい。
3.透光性部材貼り付け工程
透光性部材貼り付け工程(図1のステップS300)は、所定位置に遮光層40が形成
された白板ガラスからなる透光性基板50を接着層Cを介して偏光分離素子30の光入射
面に貼り付けるとともに、所定位置に位相差板60が貼り付けられた白板ガラスからなる
透光性基板70を接着層Cを介して偏光分離素子30の光射出面に貼り付ける工程である
。この「透光性部材貼り付け工程」は、「透光性部材準備工程」、「第1の透光性部材貼
り付け工程」及び「第2の透光性部材貼り付け工程」を含む。以下、これら各工程を順次
説明する。
3−1.透光性部材準備工程
まず、偏光分離素子の光入射面に貼り付ける第1の透光性部材としての白板ガラスから
なる透光性基板50と、偏光分離素子の光射出面に貼り付ける第2の透光性部材としての
白板ガラスからなる透光性基板70とを準備する。
透光性基板50は、偏光分離素子30の光入射面に接着層Cを介して貼り付けられる平
面(図5(a)における手前側の面)と、当該平面に平行な他の平面(図5(a)におけ
る奥側の面)とを有する。
透光性基板70は、偏光分離素子30の光射出面に接着層Cを介して貼り付けられる平
面(図5(b)における手前側の面)と、当該平面に平行な他の平面(図5(b)におけ
る奥側の面)とを有する。
そして、透光性基板50の片側表面(図5(a)における手前側の面)における所定位
置に、光を反射する反射部材として、アルミニウムからなる遮光層40を形成する。また
、透光性基板70の片側表面(図5(b)における手前側の面)における所定位置に、位
相差板60を接着層Cを介して貼り付ける。これにより、図5に示すように、所定位置に
遮光層40が形成された白板ガラスからなる透光性基板50及び所定位置に位相差板60
が貼り付けられた白板ガラスからなる透光性基板70を準備することができる。
透光性基板50に遮光層40を形成するための手段としては、例えば、蒸着法、スパッ
タリング法、CVD法などの公知の手段を用いることができる。
なお、「透光性部材準備工程」は、上記「基板ブロック作成工程」及び「偏光分離素子
作成工程」に先立って実施してもよい。
3−2.第1の透光性部材貼り付け工程
次に、所定位置に遮光層40が形成された白板ガラスからなる透光性基板50を、接着
層Cを介して偏光分離素子30の光入射面に貼り付ける。この際、透光性基板50におけ
る遮光層40が形成された面を偏光分離素子30の光入射面に対向させて、透光性基板5
0と偏光分離素子30とを接着層Cを介して貼り合わせる。
3−3.第2の透光性部材貼り付け工程
そして、所定位置に位相差板60が貼り付けられた白板ガラスからなる透光性基板70
を接着層Cを介して偏光分離素子30の光射出面に貼り付ける。この際、透光性基板70
における位相差板60が貼り付けられた面を偏光分離素子30の光射出面に対向させて、
透光性基板70と偏光分離素子30とを接着層Cを介して貼り合わせる。
なお、上記「第1の透光性部材貼り付け工程」と「第2の透光性部材貼り付け工程」と
は、実施する順番が逆になってもよい。
以上により、図6に示すような偏光変換素子140を製造することができる。
このように、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法は、ランダムな偏光成分を有す
る光を1種類の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子140の製造方法であって、
上述したように、基板ブロック作成工程と、偏光分離素子作成工程と、透光性部材貼り付
け工程とを含んでいる。
このため、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によれば、基板ブロック10を所
定の角度(偏光分離層14及び反射層18に対して45度の角度)で切断することによっ
て切断面(偏光分離素子30の表面)が荒れたとしても、偏光分離素子30の光入射面及
び光射出面の両面に接着層Cを介して透光性基板50,70を貼り付けることにより、偏
光分離素子30の切断面と透光性基板50,70の表面との間に接着剤が介在することと
なるため、偏光分離素子30の切断面において光が乱反射することを防止することが可能
となる。すなわち、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によれば、偏光分離素子作
成工程で作成された偏光分離素子30の切断面(偏光分離素子30の表面)を鏡面研磨又
はポリッシング加工する必要がないため、従来の偏光変換素子の製造方法における研磨工
程に要する作業時間や作業の手間を軽減することが可能となり、偏光変換素子140を製
造する際の製造コストの低廉化を図ることが可能となる。
また、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によれば、透光性基板50と偏光分離
素子30及び透光性基板70と偏光分離素子30は、それぞれ接着層Cを介して接着され
るため、各部材間の界面における光散乱の発生が抑制され、光透過率に優れた偏光変換素
子140を製造することができる。
また、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によれば、偏光分離素子30の光入射
面に透光性基板50が接着され、偏光分離素子30の光射出面に透光性基板70が接着さ
れているため、偏光分離素子30で発生した熱を透光性基板50,70に伝達することが
可能になる。その結果、偏光分離素子30の温度上昇を抑制することが可能となる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、透光性部材貼り付け工程におい
て、予め所定位置に遮光層40を形成しておいた透光性基板50を接着層Cを介して偏光
分離素子30の光入射面に貼り付けることとしている。すなわち、比較的高価な偏光変換
素子ではなく比較的安価な透光性基板50に遮光層40を形成しているため、仮に遮光層
の形成に失敗したとしても、透光性基板の不良とされるだけであるため、製造コストの低
廉化をそれほど阻むこともなくなる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、透光性部材貼り付け工程におい
て、予め所定位置に位相差板60を貼り付けておいた透光性基板70を接着層Cを介して
偏光分離素子30の光射出面に貼り付けることとしている。すなわち、位相差板60が透
光性基板70に貼り付けられているため、位相差板60で発生した熱を透光性基板70に
伝達することが可能になる。その結果、位相差板60の温度上昇を抑制でき、熱による位
相差板60の劣化を抑制することが可能となる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、透光性部材貼り付け工程で用い
る接着剤の屈折率は、第1の基板12の屈折率及び第2の基板16の屈折率並びに透光性
基板50,70の屈折率と略同一であるため、各部材間の界面における光散乱の発生がさ
らに抑制され、より光透過率に優れた偏光変換素子140を製造することができる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、偏光分離素子作成工程において
、ワイヤーソーを用いて基板ブロック10を切断している。
これにより、偏光分離素子30の表面粗さを0.05〜20μmにすることができるた
め、透光性基板50と偏光分離素子30との間及び透光性基板70と偏光分離素子30と
の間における光散乱の発生を十分に抑制することが可能となり、光透過率に優れた偏光変
換素子140を製造することができる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、遮光層40は、アルミニウムか
らなる。
これにより、遮光層40では光が吸収されず反射されることとなるとともに、アルミニ
ウムからなる遮光層40は熱伝導率が高いため、放熱性に優れた偏光変換素子140を製
造することができる。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、第1の透光性部材及び第2の透
光性部材は、白板ガラスからなる透光性基板である。
白板ガラスからなる透光性基板は複屈折が小さいため、透光性基板50,70を通過す
る光束の品質低下を抑制することができ、高品質な偏光変換素子140を製造することが
できる。
[実施形態2]
実施形態2では、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によって製造された偏光変
換素子140を備えるプロジェクタについて説明する。
まず、実施形態2に係るプロジェクタ1000の構成について、図7を用いて説明する

図7は、実施形態2に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図7
(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す図であり、図7(b)は偏光変換素子14
0を示す図である。
実施形態2に係るプロジェクタ1000は、図7(a)に示すように、照明装置100
と、照明装置100からの照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して
被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された
3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する電気光学変調装置としての3つの液晶
装置400R,400G,400Bと、これら3つの液晶装置400R,400G,40
0Bによって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、クロス
ダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投
写する投写光学系600とを備えたプロジェクタである。
照明装置100は、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110と、光源装置1
10から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ12
2を有する第1レンズアレイ120と、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ1
22に対応する複数の第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130と、第2レン
ズアレイ130からの各部分光束を偏光方向の揃った1種類の直線偏光光に変換して射出
する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域
で重畳させるための重畳レンズ150とを有している。
光源装置110は、リフレクタとしての楕円面リフレクタ114と、楕円面リフレクタ
114の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112と、楕円面リフレクタ114の反
射凹面と対向する反射面を有する副鏡116と、楕円面リフレクタ114で反射される集
束光を略平行な光に変換する凹レンズ118とを有している。光源装置110は、照明光
軸100axを中心軸とする光束を射出する。
発光管112は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有している。
楕円面リフレクタ114は、発光管112の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首
状部と、発光管112から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有
している。
副鏡116は、発光管112の管球部を挟んで楕円面リフレクタ114と対向して設け
られ、発光管112から放射された光のうち楕円面リフレクタ114に向かわない光を発
光管112に戻し楕円面リフレクタ114に入射させる。
凹レンズ118は、楕円面リフレクタ114の被照明領域側に配置されている。そして
、楕円面リフレクタ114からの光を略平行化するように構成されている。
第1レンズアレイ120は、凹レンズ118からの光を複数の部分光束に分割する光束
分割光学素子としての機能を有し、照明光軸100axと直交する面内にマトリクス状に
配列される複数の第1小レンズ122を備えた構成を有している。図示による説明は省略
するが、第1小レンズ122の外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画
像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、上述した第1レンズアレイ120により分割された複数の
部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ120と同様に照明光軸100a
xに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第2小レンズ132を備えた構成を
有している。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束を1種類
の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、偏光分離素子30と位相差板60と遮光層40と透光性基板5
0と透光性基板70とを備える。
偏光分離素子30は、照明光軸100axに垂直な光入射面と、当該光入射面に平行な
光射出面と、当該光入射面に対して所定の角度で傾斜して配置される複数の偏光分離層1
4及び複数の反射層18(ともに図4(c)参照。)と、偏光分離層14と反射層18と
の間に交互に配置される第1の基板12及び第2の基板16(ともに図4(c)参照。)
を備える。偏光分離層14は、入射する光のうちs偏光成分とp偏光成分のうち少なくと
も一方を透過し他方を反射する。反射層18は、偏光分離層14で反射された光を偏光分
離層14を透過した光と平行な方向に反射する。
透光性基板50は、所定の位置に遮光層40が設けられ、偏光分離素子30の光入射面
に接着層Cを介して接着されている(図5(c)及び図5(a)参照。)。遮光層40は
、偏光分離素子30における光入射面のうち偏光変換素子140に入射する光のうち偏光
分離層14に入射しない光の一部を遮光する位置に設けられる。なお、遮光層40は省略
することも可能であるが、偏光変換素子140から射出される光の偏光成分を1種類の偏
光成分にするためには遮光層40を省略しないこととして、偏光分離層14に入射しない
光を確実に遮光するのが好ましい。
透光性基板70は、所定の位置に位相差板60が設けられ、偏光分離素子30の光射出
面に接着層Cを介して接着されている(図5(c)及び図5(b)参照。)。位相差板6
0は、偏光分離素子30における光射出面のうち偏光分離層14を透過した光が射出され
る位置に設けられる。位相差板60は、偏光分離層14を透過した一方の偏光成分を他方
の偏光成分に変換する。なお、位相差板60は、偏光分離素子30における光射出面のう
ち偏光分離層14で反射された後反射層18で反射される光が射出される位置に設けられ
てもよい。この場合には、位相差板60は、偏光分離層14で反射された後反射層18で
反射される他方の偏光成分を一方の偏光成分に変換する。なお、実施形態2に係るプロジ
ェクタ1000における偏光変換素子140は、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方
法によって製造されたものである。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換
素子140を経た複数の部分光束を集光して液晶装置400R,400G,400Bの画
像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。なお、図7(a)に示す重畳レンズ
150は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構
成されていてもよい。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー23
0,240,250と、リレーレンズ260,270とを有している。色分離導光光学系
200は、照明装置100から射出される照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの
色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる液晶装置400R,400G,400
Bに導く機能を有している。
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他
の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置さ
れるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過する
ミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射
し、青色光成分を透過するミラーである。
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折
され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶装置400Rの画像形成領域に入射す
る。
集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行
な光束に変換するために設けられている。他の液晶装置400G,400Bの光路前段に
配設される集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されてい
る。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は
、ダイクロイックミラー220によって反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光
用の液晶装置400Gの画像形成領域に入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイック
ミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ
270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶装
置400Bの画像形成領域に入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反
射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶装
置400Bまで導く機能を有している。
なお、青色光の光路にこのような入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミ
ラー240,250が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さ
よりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態
4に係るプロジェクタ1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構
成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、入射側レンズ260、リレーレンズ
270及び反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
液晶装置400R,400G,400Bは、入射した照明光束を画像情報に応じて変調
するものであり、照明装置100の照明対象となる。なお、図示を省略したが、各集光レ
ンズ300R,300G,300Bと各液晶装置400R,400G,400Bとの間に
は、それぞれ入射側偏光板が配置され、各液晶装置400R,400G,400Bとクロ
スダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が配置されている。
これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって
、入射する各色光の光変調が行われる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質で
ある液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子と
して、与えられた画像信号に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏
光方向を変調する。
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された色光毎に変調さ
れた光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイック
プリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プ
リズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字
状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面
に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によ
って赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色
光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600
によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
このように、実施形態2に係るプロジェクタ1000は、上記したように、光源装置1
10、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130、実施形態1に係る偏光変換素
子の製造方法によって製造された偏光変換素子140及び重畳レンズ150を有し、照明
光束を射出する照明装置100と、照明装置100からの光を画像情報に応じて変調する
液晶装置400R,400G,400Bと、液晶装置400R,400G,400Bによ
って変調された光を投写する投写光学系600とを備えるため、安価なプロジェクタとな
る。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図である。図8
(a)はプロジェクタ1002の光学系を示す図であり、図8(b)は偏光変換素子14
2を示す図である。なお、図8において、図7と同一の部材については同一の符号を付し
、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係るプロジェクタ1002は、基本的には実施形態2に係るプロジェクタ
1000とよく似た構成を有しているが、偏光変換素子の構成が実施形態2に係るプロジ
ェクタ1000とは異なっている。
すなわち、実施形態3に係る1002においては、偏光変換素子として、図8に示すよ
うに、偏光分離素子30の光入射面に複数の第2小レンズ136を有する第2レンズアレ
イ134が貼り付けられ、偏光分離素子30の光射出面に重畳レンズ152が貼り付けら
れた偏光変換素子142を用いている。
偏光変換素子142は、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法と同様の方法により
製造することができる。
すなわち、実施形態1では、偏光変換素子140を製造するにあたり、第1の透光性部
材として白板ガラスからなる透光性基板50を用い、第2の透光性部材として白板ガラス
からなる透光性基板70を用いたが、上記の偏光変換素子142を製造する場合には、実
施形態1に係る偏光変換素子の製造方法において、透光性基板50に代えて、複数の第2
小レンズ136を有する第2レンズアレイ134を用い、透光性基板70に代えて、偏光
分離素子30から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させる重畳レンズ152を用
いればよい。
このように、実施形態3に係るプロジェクタ1002は、実施形態2に係るプロジェク
タ1000とは偏光変換素子の構成が異なるが、実施形態2に係るプロジェクタ1000
の場合と同様に、安価なプロジェクタとなる。
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係るプロジェクタ1004を説明するために示す図である。図9
(a)はプロジェクタ1004の光学系を示す図であり、図9(b)は偏光変換素子14
4を示す図である。なお、図9において、図7と同一の部材については同一の符号を付し
、詳細な説明は省略する。
実施形態4に係るプロジェクタ1004は、基本的には実施形態2に係るプロジェクタ
1000とよく似た構成を有しているが、偏光変換素子の構成が実施形態2に係るプロジ
ェクタ1000とは異なっている。
すなわち、実施形態4に係る1004においては、偏光変換素子として、図9に示すよ
うに、2つの偏光分離ブロック32a,32bを組み合わせてなる偏光分離素子32と、
所定位置に遮光層42が形成された白板ガラスからなる透光性基板52と、所定位置に位
相差板62が貼り付けられた白板ガラスからなる透光性基板72とを有する偏光変換素子
144を用いている。
偏光変換素子144は、実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法と同様の方法により
製造することができる。
すなわち、実施形態1では、偏光変換素子140を製造するにあたり、ブロック片20
の端部を切断することにより偏光分離素子30を作成していたが、上記の偏光変換素子1
44を製造する場合には、ブロック片20の端部を切断するとともに、ブロック片20の
所定位置で切断することにより、偏光分離ブロック32a,32bを作成し、偏光分離ブ
ロック32a,32bのいずれか一方を反転させた後、偏光分離ブロック32aの端部と
偏光分離ブロック32bの端部を接着することにより、図9(b)に示す偏光分離素子3
2を作成することができる。そして、所定位置に遮光層42が形成された白板ガラスから
なる透光性基板52を偏光分離素子32の光入射面に貼り付け、所定位置に位相差板62
が貼り付けられた白板ガラスからなる透光性基板72を偏光分離素子32の光射出面に貼
り付けることにより、偏光変換素子144を製造することができる。
このように、実施形態4に係るプロジェクタ1004は、実施形態2に係るプロジェク
タ1000とは偏光変換素子の構成が異なるが、実施形態2に係るプロジェクタ1000
の場合と同様に、安価なプロジェクタとなる。
以上、本発明の偏光変換素子の製造方法及びプロジェクタを上記の各実施形態に基づい
て説明したが、本発明は上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も
可能である。
(1)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、基板ブロック10を作
成する方法として、基板12の表面に偏光分離層14を形成し、基板16の表面に反射層
18を形成し、偏光層14及び反射層18が形成された複数の基板12,16を接着層C
を介して交互に貼り合わせた後、接着剤を硬化させることにより基板ブロック10を作成
する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知の基板ブ
ロックの作成方法(例えば、特許文献1、特開平11−211915号公報及び特開20
01−21719号公報参照。)により、実施形態1で説明した基板ブロック10と同様
の基板ブロックを作成することができる。
(2)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、第1の透光性部材及び
第2の透光性部材として、白板ガラスからなる透光性基板50,70を用いたが、本発明
はこれに限定されるものではない。第1の透光性部材及び第2の透光性部材として、サフ
ァイア又は水晶からなる透光性基板を用いてもよいし、光学ガラスや他の透光性のガラス
からなる透光性基板を用いてもよい。光学ガラスとしては、石英ガラス、BK7やパイレ
ックス(登録商標)などの硼珪酸ガラス、結晶化ガラスなどを好適に用いることができる
(3)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、第1の透光性部材及び
第2の透光性部材として、ともに白板ガラスからなる透光性基板50,70を用いたが、
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1の透光性部材がサファイア又は水
晶からなる透光性基板であり、第2の透光性部材が光学ガラスからなる透光性基板であっ
てもよい。
(4)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、偏光分離素子作成工程
において基板ブロック10およびブロック片20の切断においてワイヤーソーを用いてい
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種切断機を適宜採用できる。
(5)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、遮光層40はアルミニ
ウムであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、光を反射する部材、例えば誘
電体多層膜などを適宜採用できる。
(6)上記実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法においては、偏光分離素子作成工程
で偏光分離素子30の光入射面及び光射出面を研磨することなく偏光分離素子を作成し、
その後の透光性部材貼り付け工程で偏光分離素子30の光入射面に透光性基板50を貼り
付けるとともに偏光分離素子30の光射出面に透光性基板70を貼り付けることとしてい
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、偏光分離素子30の光入射面及
び光射出面のいずれか一方のみを研磨することにより偏光分離素子を作成し、その後の透
光性部材貼り付け工程で偏光分離素子の光入射面又は光射出面のうち研磨されなかった面
にのみ透光性基板を貼り付けることとしてもよい。この方法は、実施形態1に係る偏光変
換素子の製造方法と比較すれば製造コスト低廉化の効果は小さいが、従来の製造方法と比
較すれば偏光分離素子の光入射面と光射出面のうち他方の面を研磨する必要がなくなるた
め、製造コスト低廉化に関して一定の効果を得ることができる。
同様に、上記実施形態2に係るプロジェクタに用いる偏光変換素子140においては、
偏光分離素子30の光入射面及び光射出面のそれぞれに透光性基板50又は透光性基板7
0を貼り付けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、偏
光分離素子30の光入射面及び光射出面のうち少なくとも一方に透光性基板が貼り付けら
れていればよい。なお、透光性基板50のみを貼り付ける場合には、位相差板60は偏光
分離素子30の光射出側の所定の位置に貼り付ければよい。また、透光性基板70のみを
貼り付ける場合は、遮光層40は偏光分離素子30の光入射側の所定の位置に貼り付けれ
ばよい。
(7)上記実施形態2〜4に係るプロジェクタ1000〜1004においては、リフレク
タとして、楕円面リフレクタを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放物
面リフレクタも好ましく用いることができる。
(8)上記実施形態2〜4に係るプロジェクタ1000〜1004は透過型のプロジェク
タであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は反射型のプロジェクタに
も適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶装置等のように光
変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「
反射型」とは、反射型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を
反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した
場合にも、透過型のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。
(9)上記実施形態2〜4に係るプロジェクタ1000〜1004において、3つの液晶
装置400R,400G,400Bを用いたプロジェクタを例示して説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を用いたプロジェ
クタにも適用可能である。
(10)上記実施形態2〜4に係るプロジェクタ1000〜1004は、電気光学変調装
置として液晶装置を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。電気光学変
調装置としては、一般に、画像情報に応じて入射光を変調するものであればよく、マイク
ロミラー型光変調装置などを利用してもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例
えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができ
る。
(11)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適
用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェク
タに適用する場合にも可能である。
実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法を説明するために示すフローチャート。 基板ブロック作成工程を説明するために示すフローチャート。 基板ブロック作成工程を模式的に示す図。 偏光分離素子作成工程を模式的に示す図。 透光性部材貼り付け工程を説明するために示す図。 実施形態1に係る偏光変換素子の製造方法によって製造された偏光変換素子140を示す図。 実施形態2に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図。 実施形態3に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図。 実施形態4に係るプロジェクタ1004を説明するために示す図。
符号の説明
10…基板ブロック、12,16…基板、14…偏光分離層、18…反射層、20…ブロ
ック片、30,32…偏光分離素子、32a,32b…偏光分離ブロック、40,42…
遮光層、50,52,70,72…透光性基板、60,62…位相差板、100…照明装
置、100ax,102ax,104ax…照明光軸、110…光源装置、112…発光
管、114…楕円面リフレクタ、116…副鏡、118…凹レンズ、120…第1レンズ
アレイ、122…第1小レンズ、130,134…第2レンズアレイ、132,136…
第2小レンズ、140,142,144…偏光変換素子、150,152…重畳レンズ、
200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,
250…反射ミラー、260…入射側レンズ、270…リレーレンズ、300R,300
G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶装置、500…クロス
ダイクロイックプリズム、600…投写光学系、1000,1002,1004…プロジ
ェクタ、SCR…スクリーン

Claims (9)

  1. ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子
    の製造方法であって、
    第1の基板、偏光分離層、第2の基板、反射層の繰り返し構造を有する基板ブロックを
    作成する基板ブロック作成工程と、
    前記基板ブロックを所定の角度で切断することにより偏光分離素子を作成する偏光分離
    素子作成工程と、
    前記偏光分離素子の光射出側に位相差板を配置し、前記偏光分離素子の光入射面及び光
    射出面のうち少なくとも一方に透光性部材を接着層を介して貼り付ける透光性部材貼り付
    け工程とを含むことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材貼り付け工程において、
    予め所定位置に遮光層を形成しておいた透光性部材を接着層を介して前記偏光分離素子
    の光入射面に貼り付けることを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材貼り付け工程において、
    予め所定位置に位相差板を貼り付けておいた透光性部材を接着層を介して前記偏光分離
    素子の光射出面に貼り付けることを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材貼り付け工程で用いる接着剤の屈折率は、前記第1の基板の屈折率及び
    前記第2の基板の屈折率並びに前記透光性部材の屈折率と略同一であることを特徴とする
    偏光変換素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記遮光層は、光を反射する反射部材からなることを特徴とする偏光変換素子の製造方
    法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材は、サファイア若しくは水晶からなる透光性基板又は透光性ガラスから
    なる透光性基板であることを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材貼り付け工程において、
    前記偏光分離素子の光入射面に貼り付ける前記透光性部材は、複数の小レンズを有する
    レンズアレイであることを特徴とする偏光変換素子の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法において、
    前記透光性部材貼り付け工程において、
    前記偏光分離素子の光射出面に貼り付ける前記透光性部材は、前記偏光分離素子から射
    出される各部分光束を被照明領域で重畳させる重畳レンズであることを特徴とする偏光変
    換素子の製造方法。
  9. ランダムな偏光成分を有する光を1種類の偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子
    を少なくとも有し、照明光束を射出する照明装置と、
    前記照明装置からの照明光束を画像情報に応じて変調する電気光学変調素子と、
    前記電気光学変調素子で変調された照明光束を投写する投写光学系とを備えるプロジェ
    クタであって、
    前記偏光変換素子は、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光変換素子の製造方法により
    製造された偏光変換素子であることを特徴とするプロジェクタ。
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