JP2007114263A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】光源装置と、複数の第1小レンズ122Aがマトリクス状に配列された第1レンズアレイ120Aと、複数の第1小レンズ122Aに対応する複数の第2小レンズ132Aがマトリクス状に配列された第2レンズアレイ130Aと、重畳レンズ150とを有する照明装置と、液晶装置400R,400G,400Bと、投写光学系とを備え、複数の第2小レンズ132Aは、列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ132A間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Aの厚みが調整されたプロジェクタ1000。各第2小レンズ132Aの曲率は、対応する各第1小レンズ122Aの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように設定されている。
【選択図】図3
【解決手段】光源装置と、複数の第1小レンズ122Aがマトリクス状に配列された第1レンズアレイ120Aと、複数の第1小レンズ122Aに対応する複数の第2小レンズ132Aがマトリクス状に配列された第2レンズアレイ130Aと、重畳レンズ150とを有する照明装置と、液晶装置400R,400G,400Bと、投写光学系とを備え、複数の第2小レンズ132Aは、列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ132A間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Aの厚みが調整されたプロジェクタ1000。各第2小レンズ132Aの曲率は、対応する各第1小レンズ122Aの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように設定されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光均一化光学系としての第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び重畳レンズを有し、第1レンズアレイにおける第1小レンズ及び第2レンズアレイにおける第2小レンズがともに偏心している(第1レンズアレイにおける少なくとも1つの第1小レンズは照明光軸に対して外方に向けて偏心し、第2レンズアレイにおける第2小レンズは照明光軸に対して略平行又は内方に向けて偏心している。)プロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来のプロジェクタによれば、光源装置から射出される面内光強度分布の比較的不均一な光は、光均一化光学系としての第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び重畳レンズの働きによって面内光強度分布の比較的均一な光に変換されることとなるため、そのような面内光強度分布が比較的均一な光によって、照明対象である電気光学変調装置における画像形成領域を照射することができる。
また、従来のプロジェクタによれば、第1レンズアレイにおける少なくとも1つの第1小レンズは照明光軸に対して外方に向けて偏心しているため、第2レンズアレイにおける各第2小レンズの大きさを大きくすることが可能となり、第1レンズアレイを通過した光のうち各第2小レンズに入射する光の割合を増加することが可能となる。その結果、プロジェクタにおける光利用効率を向上することができる。
しかしながら、従来のプロジェクタにおいては、偏心している各第2小レンズ間の境界部において段差が存在するため、例えばプレス法によって第2レンズアレイを製造する場合には、型離れが悪くなり、その結果、段差の部分に面ダレ(レンズ周縁の角部が規定の角度に形成されずに丸みを帯びてしまうこと)や欠けを起こし易くなってしまい、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが容易ではないという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のプロジェクタは、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置と、前記光源装置から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズが照明光軸に直交する面内においてマトリクス状に配列された第1レンズアレイと、前記複数の第1小レンズに対応する複数の第2小レンズが照明光軸に直交する面内においてマトリクス状に配列された第2レンズアレイと、前記複数の第2小レンズから射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズとを有する照明装置と、前記照明装置からの照明光束を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、前記電気光学変調装置によって変調された光を投写する投写光学系とを備え、前記複数の第2小レンズは、行毎又は列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズの厚みが調整されたプロジェクタであって、各第2小レンズの曲率は、対応する各第1小レンズの像が前記電気光学変調装置の画像形成領域近傍における同じ位置で結像するように設定されていることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタによれば、各第2小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズの厚みが調整されているため、プレス法によって第2レンズアレイを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
なお、この明細書において「小レンズの厚み」とは、小レンズの光入射面と光射出面との間の最大距離を意味している。
ところで、第2レンズアレイを製造するにあたり、複数の第2小レンズが偏心していない場合には、もちろん第2レンズアレイの全面において段差を軽減することは容易であるが、複数の第2小レンズを行毎及び列毎にともに偏心させた場合には、第2レンズアレイの全面において段差を軽減することは容易ではないため、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが容易ではない。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、複数の第2小レンズを行毎又は列毎に偏心させているため、第2レンズアレイの全面において段差を軽減することが可能となり、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、複数の第2小レンズを行毎又は列毎に偏心させているため、第2レンズアレイの全面において段差を軽減することが可能となり、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
このため、本発明のプロジェクタは、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタとなる。
ところで、このような各第2小レンズの厚みが調整されたプロジェクタにおいては、第1小レンズにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっている。このため、第2レンズアレイの複数の第2小レンズから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズの像の結像位置及び拡大倍率が異なってしまう。その結果、電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光の利用効率や均一度が低下し、投写面上で明るく均一な面内表示特性を得ることが困難となる。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、各第2小レンズの曲率は、対応する各第1小レンズの像が電気光学変調装置の画像形成領域近傍における同じ位置で結像するように設定されているため、上記のように複数の第2小レンズが行毎又は列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズの厚みが調整された第2レンズアレイを用いたとしても、第2レンズアレイの複数の第2小レンズから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが可能となる。その結果、電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することができ、投写面上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となるという効果も得られる。
本発明のプロジェクタにおいては、各第2小レンズの曲率は、小レンズ毎に独立に設定されていることが好ましい。
このように構成することにより、第2レンズアレイの複数の第2小レンズから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが容易となるため、電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することが容易となり、投写面上でさらに明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、各第2小レンズの曲率は、前記第2レンズアレイの中央側に配置された第2小レンズの曲率半径が前記第2レンズアレイの外周側に配置された第2小レンズの曲率半径よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。
上記したように、各第2小レンズの厚みが調整されたプロジェクタにおいては、第1小レンズにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっている。
このため、第1レンズアレイの外周側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像したときには、第1レンズアレイの中央側に配置された第1小レンズの像は、画像形成領域の位置よりも第2レンズアレイ側に寄った位置に結像されることとなる。これとは反対に、第1レンズアレイの中央側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像したときには、第1レンズアレイの外周側に配置された第1小レンズの像は、画像形成領域の位置よりも投写光学系側に寄った位置に結像されることとなる。
このように、第2レンズアレイの複数の第2小レンズから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズの像の結像位置及び拡大倍率が異なってしまい、結果として、電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光の利用効率や均一度が低下し、投写面上で明るく均一な面内表示特性を得ることが困難となる。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、各第2小レンズの曲率は、第2レンズアレイの中央側に配置された第2小レンズの曲率半径が、第2レンズアレイの外周側に配置された第2小レンズの曲率半径よりも大きくなるように設定されているため、第1レンズアレイの外周側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像したときには、第1レンズアレイの中央側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像することが可能となり、第1レンズアレイの中央側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像したときには、第1レンズアレイの外周側に配置された第1小レンズの像を画像形成領域近傍に結像することが可能となる。すなわち、第2レンズアレイの複数の第2小レンズから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが可能となる。その結果、電気光学変調装置の画像形成領域に照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することができ、投写面上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
なお、この明細書において「レンズアレイの外周側に配置された小レンズ」とは、マトリクス状に配列された小レンズにおいて、照明光軸から遠い位置に配置された小レンズを意味している。また、「レンズアレイの中央側に配置された小レンズ」とは、マトリクス状に配列された小レンズにおいて、照明光軸により近い位置に配置された小レンズを意味している。
本発明のプロジェクタにおいては、前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間に配置され、前記第2レンズアレイからの各部分光束に含まれる偏光方向のうち一方の直線偏光成分に係る照明光束を透過し他方の直線偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離層と、前記偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束を照明光軸に略平行な方向に向けて反射する反射層と、前記偏光分離層を透過した一方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分又は前記反射層で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分のいずれかに配置される位相差板とを有する偏光変換素子と、前記偏光変換素子の光入射面側に配置され、前記反射層に対応する位置に配置される遮光部及び前記偏光分離層に対応する位置に配置される光透過部を有する遮光部材とをさらに備え、前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束が前記光透過部に入射するように偏心していることが好ましい。
このように構成することにより、第2レンズアレイからの各部分光束が偏光変換素子の偏光分離層に良好に入射することとなるため、画像形成領域に照射される光の利用効率を向上することができ、投写面上でさらに明るい面内表示特性を得ることが可能となる。
また、光源装置から射出される偏光方向の揃っていない照明光束を、上記した偏光変換素子の作用によって、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光に変換することが可能となるため、電気光学変調装置として、液晶パネルを有する液晶装置等のように偏光光を利用するタイプの電気光学変調装置を用いる場合に好適なものとなる。
また、光源装置から射出される偏光方向の揃っていない照明光束を、上記した偏光変換素子の作用によって、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光に変換することが可能となるため、電気光学変調装置として、液晶パネルを有する液晶装置等のように偏光光を利用するタイプの電気光学変調装置を用いる場合に好適なものとなる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光源装置が、照明光軸を中心軸とする発散光を射出する光源装置である場合には、前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束の主光線が照明光軸に対して略平行な光となるように偏心していることが好ましい。
このように構成することにより、第1レンズアレイを通過した光のうち各第2小レンズに入射する光の割合を増加することが可能となり、プロジェクタにおける光利用効率を向上することができる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光源装置が、照明光軸に対して略平行な光を射出する光源装置である場合には、前記複数の第1小レンズは、前記光源装置からの光を照明光軸を中心軸とする発散光とするように偏心し、前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束の主光線が照明光軸に対して略平行な光となるように偏心していることが好ましい。
このように構成することによっても、第1レンズアレイを通過した光のうち各第2小レンズに入射する光の割合を増加することが可能となり、プロジェクタにおける光利用効率を向上することができる。
この場合、前記複数の第1小レンズは、行毎又は列毎に偏心し、かつ、各第1小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第1小レンズの厚みが調整されていることが好ましい。
このように構成することにより、各第1小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第1小レンズの厚みが調整されているため、プレス法によって第1レンズアレイを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
ところで、第1レンズアレイを製造するにあたり、複数の第1小レンズが偏心していない場合には、もちろん第1レンズアレイの全面において段差を軽減することは容易であるが、複数の第1小レンズを行毎及び列毎にともに偏心させた場合には、第1レンズアレイの全面において段差を軽減することは容易ではないため、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが容易ではない。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、複数の第1小レンズを行毎又は列毎に偏心させているため、第1レンズアレイの全面において段差を軽減することが可能となり、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、複数の第1小レンズを行毎又は列毎に偏心させているため、第1レンズアレイの全面において段差を軽減することが可能となり、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとは、一体成形されていることが好ましい。
このように構成することにより、第1レンズアレイから射出される照明光束が空気層を通過することなく第2レンズアレイへと入射するようになるため、第1レンズアレイの光射出面及び第2レンズアレイの光入射面における光の反射等が発生しなくなる。このため、そのような望ましくない反射等による光量の損失を抑制することができるようになる。また、装置の組み立ての際に、第1レンズアレイと第2レンズアレイとの位置合わせを行う必要がなくなるとともに、装置の組み立て後において第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの位置精度が劣化するのを抑制することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとは、別体であることが好ましい。
このように構成することにより、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイをそれぞれ別の部材としてプレス成形することができるため、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの製造が容易となる。
第1レンズアレイと第2レンズアレイとが別体であるプロジェクタにおいては、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間に配置され、前記第1レンズアレイからの光を前記第2レンズアレイに導くための透光部材をさらに有し、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイは、前記透光部材を介して接合されていることが好ましい。
このように構成することにより、第1レンズアレイから射出される照明光束が空気層を通過することなく第2レンズアレイへと入射するようになるため、第1レンズアレイの光射出面及び第2レンズアレイの光入射面における光の反射等を抑制することが可能となる。このため、そのような望ましくない反射等による光量の損失を低減することが可能となる。また、装置の組み立ての際に、前もって第1レンズアレイと第2レンズアレイとを位置合わせした上で透光部材と接合しておくことにより、この第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び透光部材からなるレンズアレイユニットと他の光学要素との位置を調整するだけでよくなるため、各光学要素の位置合わせを容易に行うことができるようになる。
上記のように第1レンズアレイ及び第2レンズアレイが透光部材を介して接合されているプロジェクタの場合、前記透光部材は、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイとほぼ等しい屈折率を有することが好ましい。
さらには、前記第1レンズアレイと前記透光部材と前記第2レンズアレイとをそれぞれ接合するための接着剤も、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイとほぼ等しい屈折率を有することが好ましい。
さらには、前記第1レンズアレイと前記透光部材と前記第2レンズアレイとをそれぞれ接合するための接着剤も、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイとほぼ等しい屈折率を有することが好ましい。
このように構成することにより、第1レンズアレイと透光部材との界面及び透光部材と第2レンズアレイとの界面における光の反射等をさらに抑制することが可能となるため、そのような望ましくない反射等による光量の損失をより一層低減することが可能となる。
上記のように第1レンズアレイ及び第2レンズアレイが透光部材を介して接合されているプロジェクタの場合、前記透光部材は、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイとほぼ等しい線膨張係数を有することが好ましい。
このように構成することにより、プロジェクタの使用による温度変化に伴う熱応力の発生を抑制することが可能となるため、第1レンズアレイと透光部材との接合部分及び透光部材と第2レンズアレイとの接合部分における損傷を抑制することが可能となる。
これらより、上記のように第1レンズアレイ及び第2レンズアレイが透光部材を介して接合されているプロジェクタの場合、前記透光部材は、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイと同一の基材からなることがさらに好ましい。
本発明のプロジェクタにおいては、前記電気光学変調装置として、画像情報に応じて複数の色光のそれぞれを変調する複数の電気光学変調装置を備えるとともに、前記照明装置からの照明光束を複数の色光に分離して前記複数の電気光学変調装置のそれぞれに導く色分離導光光学系と、前記複数の電気光学変調装置で変調されたそれぞれの色光を合成する色合成光学系とをさらに備えることが好ましい。
このように構成することにより、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタを、画像品質の優れた(例えば、3板式の)フルカラープロジェクタとすることができるようになる。
以下、本発明のプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図1(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す図であり、図1(b)はプロジェクタ1000の要部を上から見た図であり、図1(c)はプロジェクタ1000の要部を横から見た図である。
図2は、偏光変換素子140及び遮光部材160を説明するために示す図である。図2(a)は偏光変換素子140及び遮光部材160の一部を上面から見た図であり、図2(b)は偏光変換素子140及び遮光部材160の斜視図である。
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図1(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す図であり、図1(b)はプロジェクタ1000の要部を上から見た図であり、図1(c)はプロジェクタ1000の要部を横から見た図である。
図2は、偏光変換素子140及び遮光部材160を説明するために示す図である。図2(a)は偏光変換素子140及び遮光部材160の一部を上面から見た図であり、図2(b)は偏光変換素子140及び遮光部材160の斜視図である。
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸方向(図1(a)における照明光軸100Aax方向)、x軸方向(図1(a)における紙面に平行かつz軸に直交する方向)及びy軸方向(図1(a)における紙面に垂直かつz軸に直交する方向)とする。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、図1(a)に示すように、照明光束を射出する照明装置100Aと、照明装置100Aからの光を3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する電気光学変調装置としての3つの液晶装置400R,400G,400Bと、液晶装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成する色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600とを備えている。
照明装置100Aは、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110Aと、光源装置110Aから射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122Aを有する第1レンズアレイ120Aと、複数の第1小レンズ122Aに対応する複数の第2小レンズ132Aを有する第2レンズアレイ130Aと、第1レンズアレイ120Aにより分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズ150とを有している。
光源装置110Aは、楕円面リフレクタ114Aと、楕円面リフレクタ114Aの第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112Aと、発光管112Aに設けられ、発光管112Aから被照明領域側に射出される光を楕円面リフレクタ114Aに向けて反射する反射手段としての補助ミラー116Aと、楕円面リフレクタ114Aで反射された集束光を略平行光に変換して第1レンズアレイ120Aに向けて射出する凹レンズ118Aとを有している。光源装置110Aは、照明光軸100Aaxを中心軸とする光束を射出する。
発光管112Aは、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有している。
楕円面リフレクタ114Aは、発光管112Aの一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112Aから放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有している。
楕円面リフレクタ114Aは、発光管112Aの一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112Aから放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有している。
補助ミラー116Aは、発光管112Aの管球部を挟んで楕円面リフレクタ114Aと対向して設けられ、発光管112Aから放射された光のうち楕円面リフレクタ114Aに向かわない光を発光管112Aに戻し楕円面リフレクタ114Aに入射させる。
凹レンズ118Aは、楕円面リフレクタ114Aの被照明領域側に配置されている。そして、楕円面リフレクタ114Aからの光を第1レンズアレイ120Aに向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120Aは、凹レンズ118Aからの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸100Aaxと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第1小レンズ122Aを備えた構成を有している。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122Aの外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S(後述する図3(c)参照。)の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130Aは、第1レンズアレイ120Aにより分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ120Aと同様に照明光軸100Aaxに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第2小レンズ132Aを備えた構成を有している。
なお、第1レンズアレイ120A及び第2レンズアレイ130Aについては、詳細に後述する。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120Aにより分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、図2(a)に示すように、第2レンズアレイ130Aからの各部分光束に含まれる偏光方向のうち一方の直線偏光成分に係る照明光束を透過し他方の直線偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離層142と、偏光分離層142で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束を照明光軸に略平行な方向に向けて反射する反射層144と、偏光分離層142を透過した一方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分に配置される位相差板146とを有している。
偏光変換素子140は、図2(a)に示すように、第2レンズアレイ130Aからの各部分光束に含まれる偏光方向のうち一方の直線偏光成分に係る照明光束を透過し他方の直線偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離層142と、偏光分離層142で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束を照明光軸に略平行な方向に向けて反射する反射層144と、偏光分離層142を透過した一方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分に配置される位相差板146とを有している。
また、偏光変換素子140の光入射面側には、図1及び図2に示すように、遮光部材160が配置されている。遮光部材160は、偏光変換素子140の反射層144に対応する位置に配置される遮光部162と、偏光変換素子140の偏光分離層142に対応する位置に配置される光透過部164とを有している。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120A、第2レンズアレイ130A及び偏光変換素子140を経た複数の部分光束を集光して、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍に重畳させるための光学素子である。なお、図1(a)に示す重畳レンズ150は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離導光光学系200は、第1のダイクロイックミラー210及び第2のダイクロイックミラー220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有している。色分離導光光学系200は、重畳レンズ150から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの液晶装置400R,400G,400Bに導く機能を有している。
第1のダイクロイックミラー210及び第2のダイクロイックミラー220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。第1のダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過するミラーである。第2のダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過するミラーである。
第1のダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶装置400Rの画像形成領域Sに入射する。
集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。他の液晶装置400G,400Bの光路前段に配設される集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されている。
第1のダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は、第2のダイクロイックミラー220によって反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶装置400Gの画像形成領域Sに入射する。一方、青色光成分は、第2のダイクロイックミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶装置400Bの画像形成領域Sに入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250は、第2のダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶装置400Bまで導く機能を有している。
なお、青色光の光路にこのような入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
液晶装置400R,400G,400Bは、照明光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、光源装置110Aの照明対象となる。なお、図示を省略したが、集光レンズ300R,300G,300Bと各液晶装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が介在配置され、各液晶装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が介在配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって、入射する各色光の光変調が行われる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものである。例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものである。例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された各色光毎に変調された光学像を合成して、カラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、第2レンズアレイの構成を特徴としている。以下、実施形態1に係るプロジェクタ1000の構成と実施形態1の比較例1に係るプロジェクタ1000aの構成と実施形態1の比較例2に係るプロジェクタ1000bの構成とを比較して説明することにより、実施形態1に係るプロジェクタ1000の効果を詳細に説明する。
図3は、実施形態1に係るプロジェクタ1000の効果を説明するために示す概念図である。図3(a)は実施形態1の比較例1に係るプロジェクタ1000aを説明するために示す概念図であり、図3(b)は実施形態1の比較例2に係るプロジェクタ1000bを説明するために示す概念図であり、図3(c)は実施形態1に係るプロジェクタ1000を説明するために示す概念図である。
なお、図3(a)〜図3(c)において、説明を容易にするため、プロジェクタにおける各光学系のうち第1レンズアレイ、第2レンズアレイ、重畳レンズ及び液晶装置(画像形成領域S)のみを図示し、その他の光学系(偏光変換素子など。)については図示を省略している。
なお、図3(a)〜図3(c)において、説明を容易にするため、プロジェクタにおける各光学系のうち第1レンズアレイ、第2レンズアレイ、重畳レンズ及び液晶装置(画像形成領域S)のみを図示し、その他の光学系(偏光変換素子など。)については図示を省略している。
比較例1に係るプロジェクタ1000aは、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有しているが、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、第2レンズアレイの構成が異なっている。すなわち、比較例1に係るプロジェクタ1000aにおいては、図3(a)に示すように、第2レンズアレイ130aの各第2小レンズ132a間の境界部において段差が存在する。なお、比較例1に係るプロジェクタ1000aは、第2レンズアレイの構成以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有している。
比較例1に係るプロジェクタ1000aにおいては、図3(a)に示すように、第1レンズアレイ120aの外周側に配置された第1小レンズ122aは、入射する照明光束を照明光軸100aaxに対して外方に向けて射出するように偏心しており、第1レンズアレイ120aの中央側に配置された第1小レンズ122aは、入射する照明光束を照明光軸100aaxに対して内方に向けて射出するように偏心している。第2レンズアレイ130aの各第2小レンズ132aは、入射する照明光束を照明光軸100aaxに対して略平行にして射出するように偏心している。また、各第1小レンズ122a及び各第2小レンズ132aはともに列毎に偏心している。
比較例1に係るプロジェクタ1000aにおいては、第1小レンズ122aにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132aにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ同じであるため、各第1小レンズ122aの像は、画像形成領域S近傍における同じ位置で結像する。
しかしながら、比較例1に係るプロジェクタ1000aにおいては、偏心している各第2小レンズ132a間の境界部において段差が存在するため、例えばプレス法によって第2レンズアレイ130aを製造する場合には、型離れが悪くなり、その結果、段差の部分に面ダレ(レンズ周縁の角部が規定の角度に形成されずに丸みを帯びてしまうこと)や欠けを起こし易くなってしまい、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが容易ではないという問題がある。
このような比較例1に係るプロジェクタ1000aにおける問題点を解決することが可能なプロジェクタとして、比較例2に係るプロジェクタ1000bがある。
比較例2に係るプロジェクタ1000bは、基本的には比較例1に係るプロジェクタ1000aとよく似た構成を有しているが、比較例1に係るプロジェクタ1000aとは、第2レンズアレイの構成が異なっている。すなわち、比較例2に係るプロジェクタ1000bにおいては、図3(b)に示すように、第2レンズアレイ130bは、各第2小レンズ132b間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132bの厚みが調整されている。なお、比較例2に係るプロジェクタ1000bは、第2レンズアレイの構成以外の点では、比較例1に係るプロジェクタ1000aと同様の構成を有している。
比較例2に係るプロジェクタ1000bによれば、各第2小レンズ132b間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132bの厚みが調整されているため、プレス法によって第2レンズアレイ130bを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
しかしながら、比較例2に係るプロジェクタ1000bにおいては、以下に示すような問題がある。すなわち、比較例2に係るプロジェクタ1000bによれば、第1小レンズ122bにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132bにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっている。このため、第2レンズアレイ130bの複数の第2小レンズ132bから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122bの像の結像位置及び拡大倍率が異なってしまう(図3(b)参照。)。その結果、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下し、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが困難となる。
以上説明した比較例1に係るプロジェクタ1000aにおける問題点及び比較例2に係るプロジェクタ1000bにおける問題点をともに解決するのが、本発明である実施形態1に係るプロジェクタ1000である。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、図3(c)に示すように、第2レンズアレイ130Aは、各第2小レンズ132A間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Aの厚みが調整された構造を有している。
第2レンズアレイ130Aの各第2小レンズ132Aは、図1〜図3に示すように、入射する照明光束を照明光軸100Aaxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、列毎に偏心しており、さらに、第2レンズアレイ130Aからの各部分光束が遮光部材160の光透過部164に入射するように偏心している。
各第2小レンズ132Aの曲率は、図3(c)に示すように、対応する各第1小レンズ122Aの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように、小レンズ毎に独立して設定されている。
第1小レンズ122Aにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132Aにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離は、図3(c)に示すように、小レンズ毎にそれぞれ異なっている。
上記のように、実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、各第2小レンズ132A間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Aの厚みが調整されているため、プレス法によって第2レンズアレイ130Aを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、複数の第2小レンズ132Aを列毎に偏心させているため、第2レンズアレイ130Aの全面において段差を軽減することが可能となり、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、各第2小レンズ132Aの曲率は、対応する各第1小レンズ122Aの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように設定されているため、上記のように第1小レンズ122Aにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132Aにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっており、さらに、複数の第2小レンズ132Aが列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ132A間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Aの厚みが調整された第2レンズアレイ130Aを用いた場合であっても、第2レンズアレイ130Aの複数の第2小レンズ132Aから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122Aの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが可能となる。その結果、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することができ、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
以上より、実施形態1に係るプロジェクタ1000は、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタとなる。また、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能なプロジェクタとなる。
また、実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、各第2小レンズ132Aの曲率は、小レンズ毎に独立に設定されているため、第2レンズアレイ130Aの複数の第2小レンズ132Aから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122Aの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが容易となる。その結果、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することが容易となり、スクリーンSCR上でさらに明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
また、実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、複数の第2小レンズ132Aは、第1レンズアレイ120Aからの各部分光束が遮光部材160の光透過部164に入射するように偏心しているため、第2レンズアレイ130Aからの各部分光束が偏光変換素子140の偏光分離層142に良好に入射することとなる。このため、画像形成領域Sに照射される光の利用効率を向上することができ、スクリーンSCR上でさらに明るい面内表示特性を得ることが可能となる。
また、光源装置110Aから射出される偏光方向の揃っていない照明光束を、上記した偏光変換素子140の作用によって、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光に変換することが可能となるため、電気光学変調装置として、液晶パネルを有する液晶装置等のように偏光光を利用するタイプの電気光学変調装置を用いる場合に好適なものとなる。
また、光源装置110Aから射出される偏光方向の揃っていない照明光束を、上記した偏光変換素子140の作用によって、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光に変換することが可能となるため、電気光学変調装置として、液晶パネルを有する液晶装置等のように偏光光を利用するタイプの電気光学変調装置を用いる場合に好適なものとなる。
ここで、実施形態1に係るプロジェクタ1000の効果について、再び比較例2に係るプロジェクタ1000bの構成と実施形態1に係るプロジェクタ1000の構成とを比較して説明する。
比較例2に係るプロジェクタ1000bにおいては、第1小レンズ122bにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132bにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっているため、第1レンズアレイ120bの外周側に配置された第1小レンズ122b(照明光軸100baxから遠い位置に配置された小レンズ)の像を画像形成領域S近傍に結像したときには、第1レンズアレイ120bの中央側に配置された第1小レンズ122b(照明光軸100baxにより近い位置に配置された小レンズ)の像は、画像形成領域Sの位置よりも第2レンズアレイ130b側に寄った位置に結像されることとなる(図3(b)参照。)。
このため、比較例2に係るプロジェクタ1000bによれば、第2レンズアレイ130bの複数の第2小レンズ132bから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122bの像の結像位置及び拡大倍率が異なってしまい、結果として、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下し、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが困難となる。
これに対し、実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、第2レンズアレイ130Aの中央側に配置された第2小レンズ132Aの曲率半径が、第2レンズアレイ130Aの外周側に配置された第2小レンズ132Aの曲率半径よりも大きくなるように、各第2小レンズ132Aの曲率が設定されているため、第1レンズアレイ120Aの外周側に配置された第1小レンズ122Aの像を画像形成領域S近傍に結像したときには、第1レンズアレイ120Aの中央側に配置された第1小レンズ122Aの像を画像形成領域S近傍に結像することが可能となる(図3(c)参照。)。すなわち、第1小レンズ122Aにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132Aにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なる場合であっても、第2レンズアレイ130Aの複数の第2小レンズ132Aから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122Aの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが可能となる。その結果、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することができ、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
以上、実施形態1に係るプロジェクタ1000における第2レンズアレイ130Aについて詳細に説明したが、実施形態1に係るプロジェクタ1000においては以下のような特徴も有している。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、図1に示すように、複数の第1小レンズ122Aは、光源装置110Aからの光を照明光軸100Aaxを中心軸とする発散光とするように偏心し、複数の第2小レンズ132Aは、第1レンズアレイ120Aからの各部分光束の主光線が照明光軸100Aaxに対して略平行な光となるように偏心しているため、第1レンズアレイ120Aを通過した光のうち各第2小レンズ132Aに入射する光の割合を増加することが可能となり、プロジェクタにおける光利用効率を向上することができる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、複数の第1小レンズ122Aは、列毎に偏心し、かつ、各第1小レンズ122A間の境界部における段差を軽減するように各第1小レンズ122Aの厚みが調整されているため、プレス法によって第1レンズアレイ120Aを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
また、実施形態1に係るプロジェクタにおいては、複数の第1小レンズ122Aを列毎に偏心させているため、第1レンズアレイ120Aの全面において段差を軽減することが可能となり、第1レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、第1レンズアレイ120Aと第2レンズアレイ130Aとは、別体であるため、第1レンズアレイ120A及び第2レンズアレイ130Aをそれぞれ別の部材としてプレス成形することができる。このため、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの製造が容易となる。
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図である。図4(a)はプロジェクタ1002の光学系を示す図であり、図4(b)はプロジェクタ1002の要部を上から見た図であり、図4(c)はプロジェクタ1002の要部を横から見た図である。
なお、図4において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4は、実施形態2に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図である。図4(a)はプロジェクタ1002の光学系を示す図であり、図4(b)はプロジェクタ1002の要部を上から見た図であり、図4(c)はプロジェクタ1002の要部を横から見た図である。
なお、図4において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有しているが、図4に示すように、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、光源装置の構成並びに第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの構成が異なっている。
すなわち、実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、図1に示したように、光源装置として、照明光軸100Aaxに対して略平行な光を射出する光源装置110Aを用いている。また、それに伴って、第1レンズアレイとして、入射する照明光束を照明光軸100Aaxに対して外方に向けて射出するように一部の第1小レンズ122Aが偏心し、かつ、列毎に偏心した複数の第1小レンズ122Aが配置された第1レンズアレイ120Aを用い、第2レンズアレイとして、入射する照明光束を照明光軸100Aaxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、列毎に偏心した複数の第2小レンズ132Aが配置された第2レンズアレイ130Aを用いている。
これに対し、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、図4に示すように、光源装置として、照明光軸100Baxを中心軸とする発散光を射出する光源装置110Bを用いている。また、それに伴って、第1レンズアレイとして、入射する照明光束を照明光軸100Baxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、行毎に偏心した複数の第1小レンズ122Bが配置された第1レンズアレイ120Bを用い、第2レンズアレイとして、入射する照明光束を照明光軸100Baxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、列毎に偏心した複数の第2小レンズ132Bが配置された第2レンズアレイ130Bを用いている。
光源装置110Bは、放物面リフレクタ114Bと、放物面リフレクタ114Bの焦点近傍に発光中心を有する発光管112Bと、発光管112Bに設けられ、発光管112Bから被照明領域側に射出される光を放物面リフレクタ114Bに向けて反射する反射手段としての補助ミラー116Bと、放物面リフレクタ114Bで反射された光を照明光軸100Baxを中心軸とする発散光に変換する凹レンズ118Bとを有している。光源装置110Bは、照明光軸100Baxを中心軸とする光束を射出する。
発光管112Bは、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有している。
放物面リフレクタ114Bは、発光管112Bの一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112Bから放射された光を被照明領域側に向けて反射する反射凹面とを有している。
放物面リフレクタ114Bは、発光管112Bの一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112Bから放射された光を被照明領域側に向けて反射する反射凹面とを有している。
補助ミラー116Bは、発光管112Bの管球部を挟んで放物面リフレクタ114Bと対向して設けられ、発光管112Bから放射された光のうち放物面リフレクタ114Bに向かわない光を発光管112Bに戻し放物面リフレクタ114Bに入射させる。
凹レンズ118Bは、放物面リフレクタ114Bの被照明領域側に配置されている。そして、放物面リフレクタ114Bからの光を照明光軸100Baxを中心軸とする発散光に変換して第1レンズアレイ120Bに向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120Bは、凹レンズ118Bからの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸100Baxと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第1小レンズ122Bを備えた構成を有している。図示による説明を省略するが、第1小レンズ122Bの外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sの外形形状に関して相似形である。
第1レンズアレイ120Bの各第1小レンズ122Bは、入射する照明光束を照明光軸100Baxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、行毎に偏心している。
第2レンズアレイ130Bは、第1レンズアレイ120Bにより分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ120Bと同様に照明光軸100Baxに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の第2小レンズ132Bを備えた構成を有している。
第2レンズアレイ130Bは、図4(b)に示すように、各第2小レンズ132B間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Bの厚みが調整された構造を有している。
第2レンズアレイ130Bの各第2小レンズ132Bは、図4(b)及び図4(c)に示すように、入射する照明光束を照明光軸100Baxに対して略平行にして射出するように偏心し、かつ、列毎に偏心しており、さらに、第2レンズアレイ130Bからの各部分光束が遮光部材160の光透過部164に入射するように偏心している。
各第2小レンズ132Bの曲率は、対応する各第1小レンズ122Bの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように、小レンズ毎に独立して設定されている。
第1小レンズ122Bにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132Bにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離は、図4(b)及び図4(c)に示すように、小レンズ毎にそれぞれ異なっている。
このように、実施形態2に係るプロジェクタ1002は、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、光源装置の構成並びに第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの構成が異なっているが、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様に、各第2小レンズ132B間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Bの厚みが調整されているため、プレス法によって第2レンズアレイ130Bを製造する場合に型離れが悪くなってしまうことを抑制することができる。その結果、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
また、実施形態2に係るプロジェクタ1002によれば、複数の第2小レンズ132Bを列毎に偏心させているため、第2レンズアレイ130Bの全面において段差を軽減することが可能となり、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能となる。
また、実施形態2に係るプロジェクタ1002によれば、各第2小レンズ132Bの曲率は、対応する各第1小レンズ122Bの像が液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域S近傍における同じ位置で結像するように設定されているため、上記のように第1小レンズ122Bにおけるレンズ曲面の頂点と第2小レンズ132Bにおけるレンズ曲面の頂点との間の距離が、小レンズ毎にそれぞれ異なっており、さらに、複数の第2小レンズ132Bが列毎に偏心し、かつ、各第2小レンズ132B間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズ132Bの厚みが調整された第2レンズアレイ130Bを用いた場合であっても、第2レンズアレイ130Bの複数の第2小レンズ132Bから射出される各部分光束のそれぞれについて、第1小レンズ122Bの像の結像位置及び拡大倍率をほぼ同じにすることが可能となる。その結果、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域Sに照射される光の利用効率や均一度が低下するのを抑制することができ、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能となる。
したがって、実施形態2に係るプロジェクタ1002は、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様に、第2レンズアレイとして望ましい形状のレンズアレイを製造することが可能なプロジェクタとなる。また、スクリーンSCR上で明るく均一な面内表示特性を得ることが可能なプロジェクタとなる。
また、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、複数の第2小レンズ132Bは、第1レンズアレイ120Bからの各部分光束の主光線が照明光軸100Baxに対して略平行な光となるように偏心しているため、第1レンズアレイ120Bを通過した光のうち各第2小レンズ132Bに入射する光の割合を増加することが可能となり、プロジェクタにおける光利用効率を向上することができるという効果もある。
なお、実施形態2に係るプロジェクタ1002は、光源装置の構成並びに第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの構成以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様の効果を有する。
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係るプロジェクタ1004を説明するために示す図である。図5(a)はプロジェクタ1004の光学系を示す図であり、図5(b)はプロジェクタ1004の要部を上から見た図であり、図5(c)はプロジェクタ1004の要部を横から見た図である。
なお、図5において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5は、実施形態3に係るプロジェクタ1004を説明するために示す図である。図5(a)はプロジェクタ1004の光学系を示す図であり、図5(b)はプロジェクタ1004の要部を上から見た図であり、図5(c)はプロジェクタ1004の要部を横から見た図である。
なお、図5において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係るプロジェクタ1004は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有しているが、図5に示すように、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの構成が異なっている。すなわち、実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、図5に示すように、第1レンズアレイ120C及び第2レンズアレイ130Cが一体成形されたレンズアレイユニット124Cを用いている。
このため、実施形態3に係るプロジェクタ1004によれば、第1レンズアレイ120Cから射出される照明光束が空気層を通過することなく第2レンズアレイ130Cへと入射するようになるため、第1レンズアレイの光射出面及び第2レンズアレイの光入射面における光の反射等が発生しなくなる。このため、そのような望ましくない反射等による光量の損失を抑制することができるようになる。また、装置の組み立ての際に、第1レンズアレイと第2レンズアレイとの位置合わせを行う必要がなくなるとともに、装置の組み立て後において第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの位置精度が劣化するのを抑制することが可能となる。
[実施形態4]
図6は、実施形態4に係るプロジェクタ1006を説明するために示す図である。図6(a)はプロジェクタ1006の光学系を示す図であり、図6(b)はプロジェクタ1006の要部を上から見た図であり、図6(c)はプロジェクタ1006の要部を横から見た図である。
なお、図6において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6は、実施形態4に係るプロジェクタ1006を説明するために示す図である。図6(a)はプロジェクタ1006の光学系を示す図であり、図6(b)はプロジェクタ1006の要部を上から見た図であり、図6(c)はプロジェクタ1006の要部を横から見た図である。
なお、図6において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態4に係るプロジェクタ1006は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有しているが、図6に示すように、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイの構成が異なっている。すなわち、実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、図6に示すように、第1レンズアレイ120Dと第2レンズアレイ130Dとの間に、第1レンズアレイ120Dからの光を第2レンズアレイ130Dに導くための透光部材126を有し、第1レンズアレイ120D及び第2レンズアレイ130Dが透光部材126を介して接合されたレンズアレイユニット124Dを用いている。
透光部材126は、第1レンズアレイ120D及び第2レンズアレイ130Dと同一の基材からなる。透光部材126の材料としては、例えば、サファイア、水晶、石英ガラス、硬質ガラス、結晶化ガラス、プラスチックなどを好適に用いることができる。
また、第1レンズアレイ120Dと透光部材126と第2レンズアレイ130Dとをそれぞれ接合するための接着剤128は、第1レンズアレイ120D及び第2レンズアレイ130Dとほぼ等しい屈折率を有している。
上記のように、実施形態4に係るプロジェクタ1006においては、第1レンズアレイ120Dと第2レンズアレイ130Dとの間に、第1レンズアレイ120Dからの光を第2レンズアレイ130Dに導くための透光部材126を有し、第1レンズアレイ120D及び第2レンズアレイ130Dが透光部材126を介して接合されたレンズアレイユニット124Dを用いている。このため、第1レンズアレイ120Dから射出される照明光束が空気層を通過することなく第2レンズアレイ130Dへと入射するようになるため、第1レンズアレイ120Dの光射出面及び第2レンズアレイ130Dの光入射面における光の反射等を抑制することが可能となる。このため、そのような望ましくない反射等による光量の損失を低減することが可能となる。また、装置の組み立ての際に、前もって第1レンズアレイ120Dと第2レンズアレイ130Dとを位置合わせした上で透光部材126と接合しておくことにより、この第1レンズアレイ120D、第2レンズアレイ130D及び透光部材126からなるレンズアレイユニット124Dと他の光学要素との位置を調整するだけでよくなるため、各光学要素の位置合わせを容易に行うことができるようになる。
以上、本発明のプロジェクタを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態のプロジェクタ1000〜1006は、電気光学変調装置として、3つの液晶装置を備えるいわゆる3板式のプロジェクタであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を備えるプロジェクタに本発明を適用することも可能である。
(2)上記各実施形態のプロジェクタ1000〜1006は透過型のプロジェクタであるが、これに限定されるものではない。本発明は反射型のプロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の電気光学変調装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型電気光学変調装置のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。
(3)上記各実施形態のプロジェクタ1000〜1006は、電気光学変調装置として液晶パネルを用いた液晶装置を用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。電気光学変調装置としては、一般に、入射光を画像情報に応じて変調するものであればよく、マイクロミラー型光変調装置などを利用してもよい。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
(4)この他、本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタにも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタにも適用できることはいうまでもない。
100A,100B,100C,100D…照明装置、100Aax,100Bax,100Cax,100Dax,100aax,100bax…照明光軸、110A,110B…光源装置、112A,112B…発光管、114A…楕円面リフレクタ、114B…放物面リフレクタ、116A,116B…補助ミラー、118A,118B…凹レンズ、120A,120B,120C,120D,120a,120b…第1レンズアレイ、122A,122B,122C,122D,122a,122b…第1小レンズ、124C,124D…レンズアレイユニット、126…透光部材、128…接着剤、130A,130B,130C,130D,130a,130b…第2レンズアレイ、132A,132B,132C,132D,132a,132b…第2小レンズ、140…偏光変換素子、142…偏光分離層、144…反射層、146…位相差板、150…重畳レンズ、160…遮光部材、162…遮光部、164…光透過部、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…反射ミラー、260…入射側レンズ、270…リレーレンズ、300R,300G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶装置、500…クロスダイクロイックプリズム、600…投写光学系、1000,1002,1004,1006,1000a,1000b…プロジェクタ、S…画像形成領域、SCR…スクリーン
Claims (10)
- 被照明領域側に照明光束を射出する光源装置と、前記光源装置から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズが照明光軸に直交する面内においてマトリクス状に配列された第1レンズアレイと、前記複数の第1小レンズに対応する複数の第2小レンズが照明光軸に直交する面内においてマトリクス状に配列された第2レンズアレイと、前記複数の第2小レンズから射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズとを有する照明装置と、
前記照明装置からの照明光束を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、
前記電気光学変調装置によって変調された光を投写する投写光学系とを備え、
前記複数の第2小レンズは、行毎又は列毎に偏心し、かつ、
各第2小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第2小レンズの厚みが調整されたプロジェクタであって、
各第2小レンズの曲率は、対応する各第1小レンズの像が前記電気光学変調装置の画像形成領域近傍における同じ位置で結像するように設定されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
各第2小レンズの曲率は、小レンズ毎に独立に設定されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1又は2に記載のプロジェクタにおいて、
各第2小レンズの曲率は、前記第2レンズアレイの中央側に配置された第2小レンズの曲率半径が前記第2レンズアレイの外周側に配置された第2小レンズの曲率半径よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間に配置され、前記第2レンズアレイからの各部分光束に含まれる偏光方向のうち一方の直線偏光成分に係る照明光束を透過し他方の直線偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離層と、前記偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束を照明光軸に略平行な方向に向けて反射する反射層と、前記偏光分離層を透過した一方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分又は前記反射層で反射された他方の直線偏光成分に係る照明光束が通過する部分のいずれかに配置される位相差板とを有する偏光変換素子と、
前記偏光変換素子の光入射面側に配置され、前記反射層に対応する位置に配置される遮光部及び前記偏光分離層に対応する位置に配置される光透過部を有する遮光部材とをさらに備え、
前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束が前記光透過部に入射するように偏心していることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置は、照明光軸を中心軸とする発散光を射出する光源装置であり、
前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束の主光線が照明光軸に対して略平行な光となるように偏心していることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置は、照明光軸に対して略平行な光を射出する光源装置であり、
前記複数の第1小レンズは、前記光源装置からの光を照明光軸を中心軸とする発散光とするように偏心し、
前記複数の第2小レンズは、前記第1レンズアレイからの各部分光束の主光線が照明光軸に対して略平行な光となるように偏心していることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項6に記載のプロジェクタにおいて、
前記複数の第1小レンズは、行毎又は列毎に偏心し、かつ、
各第1小レンズ間の境界部における段差を軽減するように各第1小レンズの厚みが調整されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとは、一体成形されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとは、別体であることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項9に記載のプロジェクタにおいて、
前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間に配置され、前記第1レンズアレイからの光を前記第2レンズアレイに導くための透光部材をさらに有し、
前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイは、前記透光部材を介して接合されていることを特徴とするプロジェクタ。
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