JP2007249184A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプロジェクタにおけるインテグレータ照明光学系は、複数の小レンズ4131を有する第2レンズアレイ413と、偏光変換素子アレイ414とを備え、第2レンズアレイ413の小レンズ4131は、その凸面を光束射出側に向けて配置され、偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面には、偏光分離膜4143に対応する光入射面を除く面に遮光膜4147が設けられ、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414は、第2レンズアレイ413から偏光変換素子アレイ414へ延設された延設部4133を介して、直接固定されている。
【選択図】図2
Description
このようなプロジェクタは、光源から射出された光束を複数の部分光束に分割し、各部分光束を前記光変調装置の被照明領域に重畳させるインテグレータ照明光学系を備えている。
インテグレータ照明光学系は、第2レンズアレイ、偏光変換素子等の複数の光学素子から構成されている。これら光学素子同士の位置ズレ防止、および、プロジェクタの製造簡易化のために、これら光学素子を1つの枠体の中に収納し、ユニット化させたインテグレータ照明光学系が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクタでは、光束走行方向の前段側から順に第2レンズアレイ、遮光板および偏光変換素子が、互いの位置関係を調整したうえでユニット枠の枠内にそれぞれ嵌め込まれている。
そして、第2レンズアレイおよび偏光変換素子は、延設部を介して直接接着固定されていることから、第2レンズアレイおよび偏光変換素子の互いの位置ズレを防ぐことができる。
さらに、遮光部は、偏光変換素子の光束入射側端面上において偏光分離層に対応する光入射面を除く面に設けられているため、偏光変換素子に入射する光を、偏光分離層に対応する入射面のみに確実に入射させることができる。従って、偏光分離層に入射されない光が偏光変換素子上で熱を発生させることを防ぐことができる。
ここで、第2小レンズが凸面を光束入射側、平面を光束射出側に向けて配置されている場合、平面(光束射出面)において、光束を平面に対し略垂直方向に射出しなければならないため、凸面(光束入射面)において、平面に対し略垂直方向に屈折させなければならない。すなわち、1回の屈折によって、光の射出方向を偏光変換素子の光束入射側端面に対し略垂直方向に変換しなければならない。そのため、第2小レンズの凸面には、大きい屈折角が求められ、すなわち、大きい曲率が求められることになる。
ここで、高光反射率を有する金属としては、アルミ、銀および銅などが挙げられる。
また、遮光膜が高光反射率を有する金属から成る。これにより、遮光膜は、照射された光を高い反射率で反射させるため、遮光膜上における熱の発生を抑制することができる。熱による偏光変換素子の劣化を防ぐことができる。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4等を備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、およびプロジェクタ1全体を制御する制御装置等が配置されるものとする。
なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
光学ユニット4は、図1に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、光学装置44と、これら光学部品41〜44を内部に収納配置するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備える。
照明光学装置41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネル441の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。この照明光学装置41は、図1に示すように、光源装置411と、インテグレータ照明光学系410とを備える。
なお、光源装置411から射出される光束の光軸(光束の中心軸)は照明光軸Aに一致する。
第1レンズアレイ412は、照明光軸A方向から見て略矩形状の輪郭を有する第1小レンズが、照明光軸Aに略直交する面内においてマトリクス状に配列された構成を有している。各第1小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、第2小レンズとしての小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域(被照明領域)で結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子アレイ414によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル441の画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子アレイ414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
なお、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414の詳細な構成については後に詳述する。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された色光を赤色光用の液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
液晶パネル441は、具体的な図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前記制御装置からの駆動信号に応じて、前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
視野角補償板443は、射出側偏光板444の光束入射側端面に貼付されるフィルム状に形成される。
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出された色光毎に変調された変調光を合成して光学像(カラー画像)を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム445は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、投射レンズ3と対向する側(G色光側)に配置された射出側偏光板444を介した色光を透過し、残り2つの射出側偏光板444(R色光側およびB色光側)を介した色光を反射する。このようにして、各入射側偏光板442、各液晶パネル441、各視野角補償板443、および各射出側偏光板444にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
図2は、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414の照明光軸Aに沿う断面を模式的に示す図である。
第2レンズアレイ413は、前述したように、複数の小レンズ4131を有し、この小レンズ4131群の外周に沿って枠部4132が形成されている。
小レンズ4131は、図2に示すように、凸面を光束射出側に向けて配置されている。
枠部4132の光束射出側端面における4つの角部には、光束射出側へ向かって延設された柱状の延設部4133が形成されている。延設部4133の光束射出側端面は、偏光変換素子アレイ414の後述する光束入射側端面414Aに接着される接着面4134となっている。
図3は、第2レンズアレイ413のある小レンズ4131中を透過する光の光路を説明するための図である。図中の矢印は、この小レンズ4131を透過する光の光路を示している。
光は、屈折率の異なる大気−ガラス間を走行する際、大気−ガラス間の境界において屈折する。ただし、光が大気−ガラス間の境界に対し垂直に入射する際は、屈折を生じない。
ここで、インテグレータ照明光学系410において、第2レンズアレイ413は、偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面414Aに対し、光を略垂直に入射させる必要がある。これは、偏光変換素子の偏光分離層が光束の入射角度依存を有するためである。
本実施形態の第2レンズアレイ413では、図3に示すように、小レンズ4131の凸面が光束射出側を向いていることから、小レンズ4131の光入射面は平面となっている。
この各小レンズ4131の平面(光入射面)に対し、傾斜して入射された光の光路について説明する。入射された光は、外界およびレンズ平面の境界において屈折し、走行方向を変換させる。そして、小レンズ4131中を透過した光は、小レンズ4131の凸面から外部へ射出される。このとき、射出される光は、レンズ凸面および外界の境界において再度屈折し、走行方向を変換させる。
偏光変換素子4141は、平行四辺形の断面を有する透過性部材4142と、透過性部材4142の界面に形成された偏光分離層としての偏光分離膜4143、および、反射層としての反射膜4144と、透過性部材4142の光束射出側界面に配置された位相差層としての位相差板4145とを備えている。
遮光膜4147は、偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面414Aにアルミニウムを蒸着させることにより形成されたものである。なお、遮光膜4147は、アルミニウムに限らず、高光反射率を有する金属、例えば、銀および銅などの金属から形成されていてもよい。
この延設部4133の延出方向寸法は、図2に示すように、小レンズ4131の凸面が偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面414Aに接触しない範囲で、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414間のクリアランスが極力最短となる寸法に設定されている。
そして、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414は、延設部4133を介して直接固定されていることから、第2レンズアレイ413および偏光変換素子アレイ414の互いの位置ズレを防ぐことができる。
さらに、遮光膜4147は、偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面414A上において偏光分離膜4143に対応する光入射面を除く面に設けられているため、偏光変換素子アレイ414に入射する光を、偏光分離膜4143に対応する入射面のみに確実に入射させることができる。従って、偏光分離膜4143に入射されない光が光束入射側端面414A上で熱を発生させることを防ぐことができる。
小レンズ4131が凸面を光束入射側、平面を光束射出側に向けて配置されている場合、平面(光束射出面)において、光束を平面に対し略垂直方向に射出しなければならないため、凸面(光束入射面)において、平面に対し略垂直方向に屈折させなければならない。すなわち、1回の屈折によって、光の射出方向を偏光変換素子アレイ414の光束入射側端面414Aに対し略垂直方向に変換しなければならない。そのため、小レンズ4131の凸面には、大きい屈折角が求められ、すなわち、大きい曲率が求められることになる。
また、遮光膜4147は、高光反射率を有する金属から成る。これにより、遮光膜4147は、照射された光を高い反射率で反射させるため、遮光膜4147上における熱の発生を抑制することができる。従って、熱による偏光変換素子アレイ414の劣化を防ぐことができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前記実施形態は、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
さらに、前記実施形態では、延設部4133は、第2レンズアレイ413から延設されているとしたが、本発明では、偏光変換素子アレイ414から第2レンズアレイ413へ向かって延設されるものであってもよい。
さらに、前記実施形態のプロジェクタ1では、3つの液晶パネル441R,441G,441Bを用いたが、本発明はこれに限らない。すなわち2つ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも、本発明を適用可能である。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から画像投射を行なうフロントタイプのプロジェクタ1のみを例示したが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から画像投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
Claims (2)
- 光源と、当該光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
前記光源から射出された光束を均一化して、前記光変調装置の画像形成領域を均一に照明するインテグレータ照明光学系を備え、
前記インテグレータ照明光学系は、
前記光源から射出された光束の光軸に略直交する面内に複数の第1小レンズを有し、当該複数の第1小レンズにより前記光束を複数の部分光束に分割する第1レンズアレイと、
前記第1レンズアレイの光束射出側に配置され、前記第1レンズアレイの前記複数の第1小レンズに応じた複数の第2小レンズを有する第2レンズアレイと、
前記第2レンズアレイの光束射出側に配置され、前記第2レンズアレイから射出された光束の偏光方向を略1種に揃える偏光変換素子とを備え、
前記偏光変換素子は、
前記光源から射出された光束の光軸に略直交する面内における第1方向に長手方向を有し、入射光束における一方の偏光方向を有する偏光光を透過し、他方の偏光方向を反射する偏光分離層と、
前記光源から射出された光束の光軸および前記第1方向に略直交する第2方向に沿って前記偏光分離層と交互に配置され、前記偏光分離層で反射した偏光光を、前記偏光分離層を透過した偏光光と同じ方向に反射する反射層と、
前記偏光分離層または前記反射層に対応する位置に配置され、入射する偏光光の偏光方向を他の偏光方向に変換する位相差層とを備え、
前記第2レンズアレイの前記第2小レンズは、その凸面を光束射出側に向けて配置され、
前記偏光変換素子の光束入射側端面には、前記偏光分離層に対応する光入射面を除く面に遮光部が設けられ、
前記第2レンズアレイおよび前記偏光変換素子のいずれか一方には、他方へ向かって延設された延設部が形成され、前記延設部が前記他方に接着固定されることで前記第2レンズアレイおよび前記偏光変換素子が互いに接着固定されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記遮光部は、前記偏光変換素子の光束入射側面に、高反射率を有する金属が蒸着されて形成された反射膜であることを特徴とするプロジェクタ。
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