JP2015232673A - 投射型画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜した光学軸を有する位相補償板は角度敏感度が高く、位相補償板および偏光分離プリズム其々の配置、組付け時の位置ズレによりコントラストが変動する。また水晶やサファイア等の位相補償板を用いる場合に厚みが薄く、ハンドリングが困難である。
【解決手段】位相補償板を偏光分離プリズムの光入出射面のうち画像表示素子と対向する面に精密に接合することで、位相補償板の軸の配置角度の精度を高めるとともに、ハンドリングを容易にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、投射型画像表示装置に関するものであり、特に偏光分離プリズムを用いた反射型の投射型画像表示素子に関するものである。
従来より光源部と、光源からの照明光束を偏光に応じて分離、合成する光学系と、照射された光を画像光へ変換する画像表示素子と、変換された画像光を結像させる投射光学系とを有する投射型画像表示装置が知られている。
以下、代表的な構成を示す。光源から照射された白色光は偏光変換素子によりある所定の偏光方向に揃えられ、ダイクロイックミラーで緑色帯域と、青、赤色帯域の光に分離される。青、赤色帯域の光はさらに色選択性位相板により所定の波長帯域の偏光方向が90°変換され、偏光分離プリズム、位相差板を介して所定の色の光は所定の色に対応した画像表示素子を照明する。画像表示素子は画像信号に応じて照明光を画像光に変換して反射する。画像光は偏光分離プリズム、合成プリズム等により合成され、投射光学系によりスクリーンに投影される。
ところで、一般的に投射型画像表示装置では、前記画像表示素子が黒表示状態であるにもかかわらず、投射光学系側に光が漏れることにより画像のコントラストが低下する。画像表示装置を構成する素子のうち、偏光分離プリズムや位相差板の偏光特性は入射角度依存性を持ち、そのため素子を透過若しくは反射する偏光の特性も入射角度に依存して変化する。つまり入射角度に応じて偏光状態にズレが生じるため、偏光分離プリズムで全ての入射角度の偏光を一様に偏光分離することは出来ず、一部の光は漏れ光となる。
また一般的に画像表示素子の各画素は数μm程度のオーダで規則的に配列しており、入射光は画像表示素子によって反射される際に、その開口形状や画素ピッチに応じた回折光を生じる。回折光はその回折次数に応じ正反射光(0次反射光)とは異なる角度で反射されるため、反射回折光と正反射光とでは各偏光素子で受ける偏光特性が変化する。その結果、回折光の多くは所望の偏光状態から外れたものとなり、漏れ光の要因となる。
これらの光は画像表示素子が黒表示状態であるにもかかわらず、偏光分離プリズム、投射レンズを通じてスクリーンへ投射されるため、表示画像のコントラストを低下させる。
特許文献1では、光学軸の傾いた位相補償板を画像表示素子と偏光分離プリズムの間に配置することにより、偏光分離プリズムで生じる偏光特性を補償し、画像表示素子で生じる回折漏れ光を抑制している。また特許文献2に記載の投射型表示装置では、位相波長板や偏光分離プリズムの表面反射を抑制するために偏光分離プリズムと位相波長板を接合する構成が開示されている。
特開2011−33762号公報 特開2006−301519号公報
しかし、特許文献1の位相補償板は、その光学軸の配置角度に敏感であり、位相補償板および偏光分離プリズム其々の配置、組付け時の位置ズレによりコントラストが変動する、という課題がある。さらに耐熱、耐UV性などの観点から水晶やサファイア等の無機誘電体結晶を使用した場合、非常に厚みが薄く、精度の高い組付け等が困難であるという課題がある。特許文献2では、位相波長板の軸方向の敏感度に対しては何ら言及されていない。
本発明に係る投射型画像表示装置の構成は、光源と、光源から入射した光を画像に応じて異なる偏光状態の画像光として反射させる反射型画像表示素子と、光源または画像表示素子からの光が入射または出射する入出射面と、該入出射面に対して傾斜して配置され、入射光のうち一方の偏光を透過し、それと直交する他方の偏光を反射させる偏光分離面とを有する偏光分離プリズムと、該偏光分離プリズムと該反射型画像表示素子の間に配置された位相補償板と、画像光を投射する投射光学系と、を有する投射型画像表示装置であって、該位相補償板は光学軸が板面法線に対して傾斜しており、かつ該光学軸が板面法線と該偏光分離面法線とがなす面内に配置された状態で、該偏光分離プリズムの入出射面のうち該画像表示素子と対向する面に接合されていることを特徴としている。
本発明によれば、位相補償板のハンドリング性を向上させると同時に偏光分離プリズムに対する配置精度を高め、角度ズレによるコントラストの変動を抑制することで高品位な画像を投射可能な画像表示装置を提供できる。
投射型画像表示装置の構成概略図 G光路の構成の模式図 偏光分離プリズムで分離された偏光状態の角度分布図 偏光分離プリズムと位相補償板を通過後の偏光状態の角度分布図 位相補償板の光学軸θとコントラスト変化の相関図 位相補償板の光学軸φとコントラスト変化の相関図 (θ、φ)の方向および位相補償板の接合方法を示す図 (θ、φ)の方向および位相補償板の接合方法を示す図 (θ、φ)の方向および位相補償板の接合方法を示す図 投射型画像表示装置の構成概略図 G光路の構成の模式図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の投射型画像表示装置100の構成概略図である。図中1は光源、2は光源から出射する光で2g,2b,2rはそれぞれ緑色、青色、赤色光を示す。3は偏光変換素子、4g,4b,4rは偏光変換された緑色、青色、赤色光を示す。5はダイクロイックミラー、6は偏光板、7は波長選択性位相差板、9a,9bは緑色用、及び青、赤色用偏光分離プリズムである。11g,11b,11rは反射型の画像表示素子、12g,12b,12rは位相補償板、18は合成プリズム、20は投射レンズ光学系である。
光源1から照射される光束は、リフレクタによって反射され略平行光束2となって偏光変換素子3に入射する。この図においては、この白色平行光束2を緑・青・赤色の3原色の光に分解して図示しており、それぞれを緑色光2g、青色光2b、赤色光2rとして図示している。勿論、この緑、青、赤色光それぞれは、図上では便宜上空間的に分離して記載しているが、この3つの光はこの段階では空間的に分離されている訳ではない。以下、緑色光はG,青色光はB、赤色光はRと省略する。
光源から発せられる各色の光は様々な偏光を含んでおり、偏光変換素子3を透過することにより、一様な偏光方向へ揃えられてG偏光4g、B偏光4b、R偏光4rとなり、ダイクロイックミラー5へ入射する。ダイクロイックミラー5はG帯域のみ反射する特性を有しており、G偏光は反射され、R、B偏光は透過することでG偏光が色分離される。G偏光はそのまま偏光分離プリズム9aに入射し、位相補償板12gを透過してG用画像表示素子11gに照射される。
色分離されたRとBの偏光は偏光板6を透過することにより偏光度が向上した後に色選択性位相板7に入射する。色選択性位相板7はB偏光のみ偏光方向を90°変換させる特性を有しており、これによりR偏光の偏光状態は維持したまま、B偏光は90°偏光方向が回転した状態で偏光分離プリズム9bに入射する。偏光分離プリズム9a、9bは偏光分離面9a1,9b1に入射する偏光のうち、P偏光を透過しS偏光を反射する素子である。このような作用を有する素子は、例えば屈折率の異なる薄膜を偏光分離面9a1,9b1に積層したものなどがある。
偏光分離プリズム9bの偏光分離面9b1によりB偏光は反射、R偏光は透過して色分離され、位相補償板12b、12rを透過して各色に対応する画像表示素子11b、11rに照射される。画像表示素子11b、11r、11gに照明された光は画像信号に応じて画素ごとに照明光の偏光方向を90°変換され、反射されることにより画像光となる。
BとRの画像光は再び位相補償板12b、12rを透過した後に偏光分離プリズム9bに再入射する。ここでB偏光の画像光は透過して青色光15bとなり、R偏光の画像光は偏光分離面9b1に反射され赤色光15rとなって偏光分離プリズム9bを出射することで画像光15b、15rが合成される。G偏光の画像光15gも、位相補償板12gを透過した後に偏光分離プリズム9aの偏光分離面9a1により反射され、合成プリズム18に入射する。合成プリズム内のダイクロイック膜19により、Gの画像光15gは反射され、RとBの光15b、15rは透過することでGとRとBの光が合成されて出射される。色合成された画像光は投射レンズ光学系20により投影、結像される。
このとき位相補償板12g,12b,12rは板面法線に対し傾いた光学軸を持つ位相補償板であり、偏光分離プリズム9a,9bの入出射面のうち画像表示素子11g,11b,11rと対向する面に接合されている。以下、図2のG光路の画像表示素子近傍の概略図を用いて構成の詳細を説明する。なお、以下の説明はR,B光路についても同様である。
図2は偏光分離プリズム9a、画像表示素子11g、位相補償板12gの詳細な配置を示す模式図である。まず図中左下のxyz座標系は各色光路に対し次のように定義される。偏光分離プリズム9aの複数の面のうち画像表示素子11gと対向する面の法線方向と平行な方向をz方向、z方向と偏光分離面9a1の面法線方向nがなす面に垂直な方向をy方向、z、y方向と直交する方向をx方向とする。このとき位相補償板12gの光学軸をcとすると、cの方向はxz面内かつz方向に対して傾斜(図2ではθだけ傾斜)して配置された状態で、偏光分離プリズム9aの入出射面に接着層14gを介して接合されている。このときxz面内に配置するとは、理想的かつ厳密に寸分のズレなく、という意味ではなく、現実的な公差の範囲内で平行に配置されていればよい。具体的な角度範囲については後述する。
また偏光分離プリズムおよび位相補償板12gの表面には反射防止膜r1,r2,r3が形成され、不要な反射光を低減している。このような構成とすることで、位相補償板12gの軸方向を偏光分離面9a1に対して高い精度で配置することができ、安定して高いコントラストを得ることができる。以下で、図3、図4を用いて本発明の構成による効果について説明する。
図3(a)は比較例として位相補償板12gがない場合に、偏光分離プリズム9aに入射した後に透過する光束を示す模式図を示し、図3(b)は透過後の偏光状態の角度依存性を示す分布図50を表している。偏光分離プリズム9aに入射した光は、互いに直交する直線偏光として透過光および反射光に分離される。分布図50の黒線は透過偏光の振動方向を示し、位置の違いは入射角度、入射方位の違いを表している。円の中心はz方向と平行に入射する光線に対応し、円の周辺は射入射光線に対応する。
偏光分離面9a1は図2および図3に示すようにその法線nがxz面内かつz軸に対して45度傾いており、透過偏光の角度分布は入射角度、入射方位に応じてy軸に対して非対称(z軸に対して対称)に偏光軸が傾いた分布を有する。画像表示素子11gで反射された光束は、再度偏光分離プリズムに入射し検光されるが、偏光分離特性の角度分布は入射時と反射後でy軸に対して反転するため、非対称部分は偏光分離素子での検光が充分に行われず、光漏れを生じる。また液晶表示素子で回折光が生じた場合は入射時と反射時で光線角度が異なるためさらに光漏れが増大する。
それに対して本発明の構成である図4(a)は、位相補償板12gを配置した場合における透過光束の模式図を示し、図4(b)は偏光分離プリズム9aと位相補償板12gを透過後の偏光状態の角度依存性を示す分布図51を表している。位相補償板12gは1軸性の屈折率異方性(ne,no)を持ち、その光学軸cの方向(ne方向)がxz面内かつz方向に対して傾斜している。そのため屈折率楕円体の断面形状、楕円長軸、短軸の方向の入射角度分布は図4(c)の分布図52のようにy軸に対して非対称(x軸に対して対称)に傾き、入射角度・入射方位によって遅相軸、進相軸の方位が変化する位相補償板として振る舞う。
入射角度に応じた位相補償により位相補償板12gを透過した偏光は図4(b)の分布図51のようにほぼ一様な方向に振動する直線偏光となる。このように偏光分離プリズム9aで生じる非対称な偏光特性を位相補償板12gを用いて補償することができ、画像表示素子11gによる正反射光だけでなく、回折光などの入射時と反射時で角度が異なるような光線に対しても光漏れを抑制することができる。
このような位相補償を行うためには、位相補償板の光学軸が板面法線(z方向)となす角度をθとしたとき、下記条件式(1)を満たすことが望ましい。
55≦θ≦75 [deg] ・・・(1)
また位相補償板の光学軸cのxy面内射影方向と、x軸との成す角度をφとしたとき、下記条件式(2)を満たすことが望ましい。
−0.5≦φ≦0.5 [deg] ・・・(2)
また位相補償板の屈折率異方性の最大値と最小値の差Δnと厚みdの積Δndは、入射光線波長λに対し下記条件式(3)を満たすことが望ましい。
0.35λ<Δnd<0.70λ ・・・(3)
ここでλは位相補償板を使用する際の主たる光線波長のことであり、可視光領域から選択される。条件式(1)、(2)、(3)を満たすように位相補償板の厚みや軸方向を制御し、また適切に配置することで上述の効果を得ることが出来る。またこのような効果は偏光分離面9a1においてP偏光またはS偏光を透過または反射する偏光分離特性を有する偏光分離プリズムに対して高い補償効果が得られる。
しかし上述の補償効果は位相補償板12gの光学軸の角度に敏感であり、適切な配置から外れると補償効果が大きく低減してコントラストを損なう。図5は位相補償板12gの光学軸cがz軸となす角度θの変化(ただしcはxz面内)に対するコントラストの変化を示している。また、図6は位相補償板12gの光学軸cのxy面射影成分eがx軸と成す角度φの変化(ただしθは一定)に対するコントラストの変化を示している。どちらも横軸に角度を取り、0を最適値としたときの差分値で示している。また図7に角度(θ,φ)を表す図を示す。
図5、図6から判るように、どちらも軸方向が最適値から外れると急激にコントラストが低下することが見て取れる。位相補償板12gは偏光分離プリズム9aに対して補償を行うことから、偏光分離面9a1と位相補償板12gの軸方向の相対配置、すなわち偏光分離面9a1に対する光学軸の角度(θ,φ)には高い精度が求められる。また図5、図6の計算では位相補償板にサファイアを用い、その場合の最適な厚みは約40μmであったが、一般的な無機結晶材料を考えた場合、厚くとも100μm以下が望ましく、素子を高い精度で保持、配置するには厚みが非常に薄くハンドリングが難しい。
そこで、図2のように位相補償板12gを偏光分離プリズム9aの光入出射面に接合する。このようにすることで、偏光分離プリズム9aと位相補償板12gは互いの相対位置が固定されるため、組み付け時の相対角度ズレを低減できるだけでなく、厚みの薄い位相補償板12gが偏光分離プリズム9aに一体化されるため、ハンドリングが容易になる。この方法以外にも位相補償板12gを別の基板に接合して独立に配置することでもハンドリング性は改善できるが、偏光分離プリズム9aと位相補償板12gが組み付け時に独立に公差を持つため、相対位置精度は低下する。また画像表示素子11gと偏光分離プリズム9aの間に余計にスペースが必要となる。よって上記に示した位相補償板を高い精度で保持する場合、偏光分離プリズム9aに接合することが望ましい。
接合のプロセスについては接着、位置合わせなど各プロセスで様々な方法が考えられ、どのような方法を用いても良いが、光学軸の方向ズレや接合時の厚みの面内バラつき等を小さく抑えて接合する必要がある。例えば接合時において軸方向はxz面内やz軸との角度を精密に合わせる必要があるが、軸方向は通常目に見える物性ではないため、接合時に直接的に合わせ込むことは難しい。よって、例えばまず位相補償板加工の際に無機結晶材料の結晶育成の方向を基に、位相補償板12gの光学軸cの方向がz方向に対し所定の傾斜角度となるように加工する。さらに光学軸cの面内射影方向eが、予め位相補償板の側辺のうち少なくとも1辺と平行または垂直となるように加工することが望ましい。そうすることで光学軸の面内射影方向eを目視で確認することができる。図7の例では射影方向eが長辺方向と平行かつ短辺と直交するように加工されている。上記以外にも切り欠きによる目印など他の方法を用いてもよい。
その後、位相補償板12gの光学軸cの面内射影方向eと平行または垂直な辺が、偏光分離プリズム9aの接合面の辺のうち少なくとも1つの辺に対して平行となるように位置合わせを行う。図7では位相補償板12gの其々の長辺、短辺が偏光分離プリズム9aの接合面の其々の長辺、短辺(辺AB、辺BC、辺CD、辺DA)に平行に重なり合うように配置されている。位相補償板12gと偏光分離プリズム9aの接合面の長辺同士または短辺同士を重ね合わせるように位置合わせすることで、簡易に軸方向を所定の方向に配置することが出来る。なお図7では4辺すべてを用いたが、少なくとも1つの辺を用いて位置合わせを行えば良い。例えば図7以外にも図8や図9のように辺ABと辺ACのみで位置合わせを行ったり、辺ABのみを用いて位置合わせを行っても良い。その際、辺の長さが長い方が高い精度が得られるため、長辺を利用して位置合わせを行うことがより望ましい。
また、図7、図8、図9に示したように、位相補償板12gの接合面の表面積は偏光分離プリズム9a側の接合面の表面積以下とすることが望ましい。偏光分離プリズムの側部に段差や面取りによる接着剤の退避領域等を設けるとなお良い。上記を満たさない場合、接合後に位相補償板12gが偏光分離プリズム9aからはみ出てハンドリングが難しくなるだけでなく、端部における接着剤の硬化収縮による応力の影響を受けやすくなるため好ましくない。
接合に用いる接着剤についてはUV硬化型や熱硬化型等の接着剤が一般的であるが、それ以外にも金属原子拡散接合や無機ゾルゲル膜を利用したもの等でも良く、加工後に可視光領域で充分透明であれば良い。ただし位相補償板の厚みが薄いため、接着層が厚いと撓みや面内厚みバラつきが生じて補償効果にムラが生じる可能性がある。よって接着層の厚みはなるべく薄く、接着層の厚み面内バラつきは面内平均値の10%以内に収めることが望ましい。そのような接着方法としては、例えば接着層を挟んで偏光分離プリズムに位相補償板を配置した状態で均一に圧力をかけ、その状態を保持しつつ接着剤を硬化させることで均一に接合することができる。しかし特にこの方法に限らず他の手法を用いても良い。
また、本発明の位相補償板以外にも、液晶表示素子11gで生じる位相ズレに応じて他の位相補償板を追加しても良い。図10に第2の位相補償板13gを追加した場合の投射型画像表示装置の構成概略図を示す。また図11はG光路の部分を抜き出して示した模式図である。例えば液晶表示素子11gに垂直配向型(VA)の液晶表示素子を用いる場合、黒表示状態での液晶分子の配向方向はz方向から微小角度倒れており、面内位相差が生じることが知られている。このため黒表示状態の液晶表示素子であっても微小の面内位相差が生じる。
この位相差に対し、例えば光学軸dがxy面内にあり面内位相差を有する第2の位相補償板13gを適切な面内軸方向で配置することで位相補償することができる。第2の位相補償板13gについても軸方向を高い精度で配置する必要があるが、液晶分子の倒れ角度の個体差によってはコントラストが著しく低下する場合がある。そのような場合には、第2の位相補償板にz軸を回転中心とした面内角度調整機構を設け、上述のバラつきに合わせて調整を行うことで安定して高いコントラストを得ることができる。また、位相補償板12gの軸角度φにズレが微小に生じた場合にも、第2の位相補償板の角度調整によりズレを補償してコントラストの低下を抑制することができる。そのため、図10のように位相補償板12gに加えて第2の位相補償板13gを配置した場合には、条件式(2)のφの角度範囲を緩めることができ、そのときφは下記条件式(4)を満たす事が望ましい。
−2.5≦φ≦2.5 [deg] ・・・(4)
以上のことから第2の位相補償板13gは偏光分離プリズム9aには接着せず、角度調整機構を設けて独立に調整できるような構成とすることが望ましい。
この他にも、面法線方向に光学軸を有し、面内異方性を持たない位相補償板を追加しても良い。このような素子を追加することで、液晶分子自体の屈折率異方性や位相補償板11gの射入射特性自体を補償して、さらに高い位相補償効果が得られる。これ以外にも、液晶表示素子の特性に応じて必要な位相補償板を追加しても良い。
本発明の第1の実施例の投射型画像表示装置について説明する。素子構成は図1と同様であり詳細は略するが、位相補償板12g,12b,12rが偏光分離プリズム9a,9bの液晶表示素子11g,11b,11rと対向する面側に、図7に示すような形態で接合されている。表1,2,3に各色の位相補償板の近傍の構成を示す。各位相補償板12g,12b,12rはサファイアからなり、光学軸cが面法線方向に対して表1から3の角度θとなるように、かつ光学軸cの面射影方向eが位相補償板の長辺方向と平行となるように加工されている。
その後位相補償板の長辺および短辺が偏光分離プリズムの長辺(辺AC,辺BD)および短辺(辺AB,辺CD)に対してそれぞれ位置合わせされ、各辺同士が0.5deg以下で平行となるように位置合わせされる。そして屈折率1.52のUV硬化型の接着剤を介して屈折率1.8の偏光分離プリズム基材に接合されている。その際、位相補償板両面および偏光分離プリズムには表1から3に示したような反射防止コートが施され、各面での干渉縞やゴーストが画像へ及ぼす影響が極力低減されるように構成されている。このようにすることで、位相補償板が偏光分離プリズムに対して高精度に配置され、高い位相補償効果を得ることが出来る。
本発明の第2の実施例の投射型画像表示装置について説明する。素子構成は図1と同様であり詳細は略するが、位相補償板12g,12b,12rが偏光分離プリズム9a,9bの液晶表示素子11g,11b,11rと対向する面側に、図8に示すような形態で接合されている。表4,5,6に各色の位相補償板の近傍の構成を示す。各位相補償板12g,12b,12rともに水晶からなり、光学軸cが面法線方向に対して表4から6の角度θとなるように、かつ光学軸cの面射影方向eが位相補償板の長辺方向と平行となるように加工されている。また位相補償板の表面積は偏光分離プリズムよりも5%程度小さく加工されている。
その後位相補償板の1つの角を挟んだ長辺および短辺が偏光分離プリズムの上部長辺(辺AC)および一方の短辺(辺AB)に対して位置合わせされ、各辺同士が0.5deg以下で平行となるように位置合わせされる。そして屈折率1.52の接着剤を介して屈折率1.8の偏光分離プリズム基材に接合されている。また位相補償板の接合面側以外には反射防止コートが施され、各面での干渉縞やゴーストが画像へ及ぼす影響が極力低減されるように構成されている。このようにすることで、位相補償板が偏光分離プリズムに対して高精度に配置され、高い位相補償効果を得ることが出来る。
本発明の第3の実施例の投射型画像表示装置について説明する。素子構成は図10と同様であり、位相補償板12g,12b,12rと液晶表示素子11g,11b,11rとの間にさらに第2の位相補償板13g,13b,13rが独立に配置された構成からなる。位相補償板12g,12b,12r近傍の構成は表1、表2、表3に示すようにサファイアからなり、図9に示す状態となるように接合されている。光学軸cが面法線方向に対して表1から3の角度θとなるように、かつ光学軸cの面射影方向eが位相補償板の長辺方向と直交するように加工されている。また位相補償板の表面積は偏光分離プリズムよりも5%程度小さく加工されている。
そして各位相補償板の一方の長辺が偏光分離プリズムの接合面の側部長辺(辺AB)に対して位置合わせされ、各辺同士の成す角度が2.5deg以下で平行となるように位置合わせされる。そして屈折率1.52の接着剤を介して屈折率1.8の偏光分離プリズム基材に接合されている。また位相補償板の接合面側以外には反射防止コートが施され、各面での干渉縞やゴーストが画像へ及ぼす影響が極力低減されるように構成されている。また第2の位相補償板13g,13b,13rは50nmのリターダンスを有する位相差板であり、光学軸がy方向に平行にセットされた状態からz軸を回転中心として±5deg程度の回転調整機構を有する。
このような調整機構を有することで、液晶分子の倒れによる位相ズレを色毎かつ個体ごとに高精度に補償できるだけでなく、接合時に位相補償板の微小な軸方向ズレが生じたとしてもそのズレを補償することができる。そのため実施例3の投射型画像表示装置においては、位相補償板12g,12b,12rの位置合わせの精度は実施例1、実施例2の場合に比べて緩く設定することができる。
1 光源、2 入射光、3 偏光変換素子、4g,4b,4r 緑色光、青色光、赤色光、5 ダイクロイックミラー、6 偏光板、7 波長選択性位相差板、
9a,9b 偏光分離プリズム、11g,11b,11r 位相補償板、
13r,13b,13g 第2の位相補償板、15 画像光、18 合成プリズム、
19 ダイクロイック膜、20 投射光学系、50 分布図、
100 投射型画像表示装置、200 投射型画像表示装置

Claims (11)

  1. 光源と、
    光源から入射した光を画像に応じて異なる偏光状態の画像光として反射させる反射型画像表示素子と、
    光源または画像表示素子からの光が入射または出射する複数の入出射面と、該入射面に対して傾斜して配置され、入射光のうち一方の偏光を透過し、それと直交する他方の偏光を反射させる偏光分離面とを有する偏光分離プリズムと、
    該偏光分離プリズムと該反射型画像表示素子との間に配置された位相補償板と、
    画像光を投射する投射光学系と、を有する投射型画像表示装置であって、
    該位相補償板は光学軸が板面法線に対して傾斜しており、かつ該光学軸が板面法線と該偏光分離面法線とがなす面内に配置された状態で、該偏光分離プリズムの入出射面のうち該画像表示素子と対向する面に接合されていることを特徴とする投射型画像表示装置。
  2. 前記位相補償板の光学軸が板面法線となす角度θは、下記条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
    55≦θ≦75 [deg]
  3. 前記位相補償板の面法線方向をz軸、前記偏光分離面の法線と前記位相補償板面の法線とがなす面の法線方向をy軸、z軸とy軸の両方に垂直な方向をx軸としたとき、前記位相補償板の光学軸の面内射影方向が、x軸となす角度φは、下記条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
    −0.5≦φ≦0.5 [deg]
  4. 位相補償板の屈折率異方性の最大値と最小値の差Δnと厚みdの積Δndは、入射光線波長λに対し下記条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。
    0.35λ<Δnd<0.70λ
  5. 前記位相補償板の光学軸の面内射影方向は、前記位相補償板の辺のうち少なくとも1辺と垂直または平行であり、かつ該1辺が前記偏光プリズムの接合面の辺のうちの少なくとも1つの辺と平行に位置合わせされて接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。
  6. 前記位相補償板の厚みは100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。
  7. 前記位相補償板は接着層を介して偏光分離プリズムの接合面と接合され、該接着層の厚みバラつきは、平均値の10%以内であることを特徴とする請求項6に記載の投射型画像表示装置。
  8. 前記位相補償板の接合面の表面積は、前記偏光分離プリズムの接合面の表面積以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。
  9. 前記偏光分離面は、P偏光またはS偏光を透過または反射する偏光分離特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投射型画像表示装置。
  10. 前記位相補償板と前記画像表示素子との間に、さらに第2の位相補償板が配置され、該第2の位相補償板は面内位相差を有し、板面法線方向を回転軸とした回転調整機構を有することを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
  11. 前記位相補償板の面法線方向をz軸、前記偏光分離面の法線と前記位相補償板面の法線とがなす面の法線方向をy軸、z軸とy軸の両方に垂直な方向をx軸としたとき、前記位相補償板の光学軸の面内射影方向が、x軸となす角度φは、下記条件式を満たすことを特徴とする請求項10に記載の投射型画像表示装置。
    −2.5≦φ≦2.5 [deg]
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