JP5206187B2 - 光半導体装置 - Google Patents

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本発明は、例えば光通信用の変調器を含む光半導体装置に関する。
近年、光通信用の変調器の小型化、低駆動電圧化を図るために、リング共振器を用いた変調器(リング共振器型変調器)が検討されている。
リング共振器型変調器は、バス導波路にリング状の導波路(リング導波路)を結合した構造になっている。また、リング導波路の周囲には導波路の屈折率を変調するための電極が形成されている。
リング共振器型変調器では、バス導波路の一方の端部から連続光が入力される。連続光は、電極を介してリング導波路に印加される電圧(リング変調器に印加される電圧)に応じて強度変調される。そして、バス導波路の他方の端部から変調光として出力される。
このようなリング共振器型変調器では、印加電圧に応じて、リング共振器の透過スペクトルにおける遮断波長帯の位置をシフトさせることで、光の変調動作を実現する。
例えば、印加電圧がローの場合に、連続光の波長が、リング共振器の透過スペクトルの遮断帯(ディップ)(リング共振器の共振波長)に合うようにする。この場合、連続光はリング共振器を実質的に透過しない。この結果、変調器から出力される光の強度がオフ状態となる。一方、印加電圧をハイにした場合、リング導波路の屈折率が変化して、透過スペクトルの遮断帯の位置がシフトする。このシフトによって、連続光の波長が、透過スペクトルの遮断帯から外れて、透過スペクトルの透過帯上に位置するようになる。この場合、連続光はリング共振器を透過する。この結果、変調器から出力される光の強度がオン状態となる。
Qianfan Xu et al., "Micrometre-scale silicon electro-optic modulator", Nature, vol. 435, pp.325-327, 19 May 2005
ところで、上述のようなリング共振器型変調器には、例えばDFBレーザなどの半導体レーザを接続し、半導体レーザで発振したレーザ光を、連続光として入力することが考えられる。この場合、半導体レーザの発振波長とリング共振器の共振波長とを合わせることが必要になる。
しかしながら、上述のようなリング共振器型変調器では、Q値の大きなリング共振器の共振波長付近における急峻な透過スペクトルの変化を利用することで、印加電圧の変化が小さく(つまり、導波路の屈折率変化も小さく)、透過スペクトルの遮断帯(リング共振器の共振波長)のシフト量が僅かであっても、透過スペクトルのディップ内に設定される動作波長において、透過率が大きく変化し、大きな出力光強度の変化が得られるようにして、十分な消光比を実現する。
この場合、透過スペクトルの透過率が大きく変化する波長範囲(変調器の動作波長帯域)は、原理的に透過スペクトルの遮断帯のシフト量と同程度またはそれ以下にする必要がある。
このシフト量は、リング共振器を構成するリング光導波路に印加する電圧に応じて生じるリング光導波路の屈折率の変化量に比例する。
ここで、リング光導波路の屈折率の変化量は、リング光導波路を構成する材料によって、得られる値が概ね決まってしまう。例えば、シリコン中にキャリアを注入したものでは、屈折率の変化量は概ね10−4程度の非常に小さい量であり、これによって得られる透過スペクトルの遮断帯のシフト量(即ち、共振波長のシフト量)は、1.55μm帯では0.1nmにも満たない値であり、非常に小さい。この場合、リング共振器の動作波長帯域の幅は、0.1nm以下という非常に狭い幅にすることになる。
このようにリング共振器の動作波長帯域が非常に狭い場合、変調器に入力する連続光の波長(即ち、半導体レーザの発振波長)が、非常に狭い帯域(例えば0.1nm以下の範囲内)に入るようにしなければならず、波長合わせが難しい。
そこで、半導体レーザの発振波長と光変調器の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようにしたい。
このため、光半導体装置は、半導体レーザの発振波長を規定する第1の波長フィルタと、光共振構造を持ち、前記光共振構造への電気信号の印加により光を変調する光変調器とを備え、第1の波長フィルタと光変調器の光共振構造とが、同一基板上に集積されていることを要件とする
したがって、光半導体装置によれば、半導体レーザの発振波長と光変調器の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようになるという利点がある。
以下、図面により、本実施形態にかかる光半導体装置について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる光半導体装置について、図1〜図13を参照しながら説明する。
本実施形態では、光半導体装置として、光通信用の変調器を含む光集積素子(光半導体装置)を例に挙げて説明する。
なお、本光集積素子は、例えば光送信器に備えられ、この光送信器と、この光送信器に光伝送路を介して接続された光受信器とを含むものとして光伝送システムが構成される。このため、本光集積素子を光送信素子(光通信用の光送信素子)ともいう。
図1に示すように、本光集積素子1は、半導体レーザ2と、半導体レーザ2に接続された光共振構造を持つ光変調器(共振器型光変調器)3とを備える。なお、本光集積素子1は、半導体レーザ2と共振器型光変調器3とを集積したものであるため、共振器型変調器集積レーザともいう。
本実施形態では、半導体レーザ2は、図1に示すように、導波路型の波長フィルタ(第1の波長フィルタ)4、及び、この波長フィルタ4に接続(光結合)され、光利得を生じうる利得導波路5を含む。
ここでは、波長フィルタ4は、透過型波長フィルタである。具体的には、リング共振器を用いたリング共振器型波長フィルタを用いている。このリング共振器型波長フィルタ4は、2つのバス導波路4A,4Bの間にリング導波路(ここでは3つ)4Cを結合させた構造になっている。このため、本実施形態の半導体レーザは、リング共振器型半導体レーザである。
また、半導体レーザ2は、その両端にミラー6,7が設けられており、レーザ発振を生じさせる共振器(レーザ共振器)が構成されている。ここでは、一端側のミラー6は、利得導波路5の端面に設けられた高反射膜(HR膜)であり、他端側のミラー7は、波長フィルタ4を構成するバス導波路(第1の光導波路)4Bと、波長フィルタ4の後段に設けられる光変調器3を構成するバス導波路3Aとの間に形成されたギャップミラーである。なお、利得導波路5の端面に高反射膜6を設けるのに代えて、例えばDBRミラーを設けても良い。
なお、本実施形態では、波長フィルタ4を透過した光をギャップミラー7で反射させることによって発振波長が選択されるようにしているため、波長フィルタ4及びギャップミラー7を波長選択ミラーとして機能させていることになる。また、波長フィルタ4は、入射光を複数の波長帯域の光(複数の発振モードの光)に変換する機能を有する。
本実施形態では、光変調器3は、導波路型の光変調器である。具体的には、光共振構造としてリング共振器を備えるリング共振器型光変調器である。
ここでは、リング共振器型変調器3は、図1に示すように、バス導波路(第1の光導波路)3Aにリング導波路3Bを結合させ、リング導波路3Bに沿ってリング導波路3Bの屈折率を変化させるための(変調するための)電極3Cを設けることによって構成されたリング共振器である。なお、各電極3Cは高周波信号源(変調電源)20に接続されている。そして、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するバス導波路4Bと、光変調器3を構成するバス導波路3Aとが、ギャップミラー(ギャップを用いたハーフミラー)7を介して接続(光結合)されている。
このリング共振器型変調器3では、バス導波路3Aの一方の端部から連続光が入力され、この連続光が、電極3Cを介してリング導波路3Bに印加された電圧に応じて強度変調され、バス導波路3Aの他方の端部から変調光として出力されることになる。
ここで、図2は、リング共振器型変調器3の透過スペクトル、及び、半導体レーザ2の発振スペクトル(レーザ発振スペクトル)を示している。なお、図2では、実線と点線の2本の透過スペクトルが示されているが、これらは、リング共振器3に印加する電圧がローの場合(実線)とハイの場合(点線)に対応している。
本実施形態では、Q値の大きなリング共振器を用いているため、図2に示すように、リング共振器型変調器3の透過スペクトルには、印加電圧がローの場合、ハイの場合のそれぞれにおいて、共振波長付近において非常に急峻なディップが見られる。
本光集積素子1では、半導体レーザ2から入力される連続光(ここでは複数の発振モードの中の一つ)の波長と、例えば、実線(印加電圧がローの場合)の透過スペクトルにおけるディップの波長、即ち、リング共振器の共振波長(リング共振波長;光変調器3の動作波長)とを合わせる。
このため、印加電圧がローの場合、半導体レーザ2からの連続光は、リング共振器を実質的に透過しない。この結果、光変調器3から出力される光の強度がオフ状態となる。
一方、印加電圧をハイにした場合、リング導波路3Bの屈折率が変化し、これに応じて、リング共振器の共振波長が変化する。この結果、透過スペクトルのディップの位置が、図2中、実線から点線へとシフトする。このシフトによって、半導体レーザ2からの連続光の波長が、透過スペクトルのディップの位置から外れて、透過スペクトルの透過帯上に位置するようになる。この場合、半導体レーザ2からの連続光はリング共振器を透過する。この結果、光変調器3から出力される光の強度がオン状態となる。
このようなリング共振器型変調器3では、リング共振器のQ値を大きくすることで、透過スペクトルにおけるディップを急峻にする。これにより、リング導波路3Bへの印加電圧の変化が小さく(つまり、リング導波路の屈折率変化も小さく)、透過スペクトルの遮断帯(リング共振器の共振波長)のシフト量が僅かな場合であっても、透過スペクトルのディップ内に設定された動作波長において、図2に示すように、透過率が大きく変化し、大きな出力光強度の変化が得られ、十分な消光比を実現することができる。このため、駆動電圧を低く抑えることができる。また、リング導波路3Bの半径は10μm以下であるため、光変調器3のサイズを小さくすることもできる。
しかしながら、上述のようなリング共振器型変調器3では、透過スペクトルの透過率が大きく変化する波長範囲(光変調器3の動作波長帯域)が極端に狭い。
例えば図12に示すように、リング共振器型変調器に連続光を供給するのに、単一モード性の優れたDFB(Distributed Feedback)レーザを用いると、DFBレーザは、例えば図13に示すように、レーザ発振スペクトルにおける発振波長の広がり、即ち、線幅が非常に狭いため、この線幅が無視できるほど狭いDFBレーザの発振波長(発振モード)を、例えば0.1nm以下という非常に狭いリング共振器の動作波長帯域に合わせる必要がある。
このため、上述したように、半導体レーザの発振波長(発振モード)と光変調器の共振波長との間の波長合わせは容易ではない。
このような波長合わせを、製造コスト及び消費電力の増大を招くことなく実現することは、実際上、非常に困難である。
つまり、リング共振器型変調器を例えばシリコン基板上に形成し、半導体レーザを例えばInPやGaAsなどの化合物半導体基板上に形成すると、リング共振器型変調器と半導体レーザとは、異なる導波路構造を持つものとして形成されることになる。
この場合、半導体レーザとリング共振器型変調器との間でそれぞれ別個に作製誤差が生じ、半導体レーザの発振波長とリング共振器の共振波長とが大きくずれてしまう。また、動作時の環境温度の変化によって、半導体レーザの発振波長とリング共振器の共振波長とがそれぞれ別個にずれてしまう。そして、時間の経過とともに相対的なずれが大きくなる。
現実の用途において、上述のようなリング共振器型変調器の動作を実現しようとした場合、作製誤差によって発振波長がずれた複数の半導体レーザ、及び、作製誤差によって共振波長がずれた複数のリング共振器型変調器の中から、発振波長と共振波長とが一致する半導体レーザとリング共振器型変調器の組み合わせを探し出すことになり、その製造コストは大幅に増加してしまうことになる。
また、環境温度の変化によって、半導体レーザの発振波長とリング共振器の共振波長とがそれぞれ別個にずれてしまうのを防止するためには、例えばペルチェ素子やヒータ等を用いて、これらの素子の温度を局所的に一定に保つ必要がある。この結果、製造コストの増大、及び、消費電力の増大を招くことになる。
そこで、本実施形態では、半導体レーザ2の発振波長(発振モード)を規定する波長フィルタ4と、光変調器3の共振波長を規定する光共振構造とが、同一基板8上に集積され、実質的に同一の導波路構造になっている。
具体的には、図1に示すように、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3の光共振構造(光変調器3を構成する光共振器)とが、同一の基板(ここではSi基板)8上に、同一の材料(同一のコア材料及びクラッド材料)・組成で、同一のプロセスを経て、モノリシックに集積して形成されており、同一の寸法、同一の層構造(断面構造)の導波路になっている。このため、本光集積素子1は、半導体レーザ2の波長フィルタ4及び光変調器3が形成されている光集積素子(波長フィルタ集積型光変調素子)9を含むことになる。
なお、上記の「実質的に同一の導波路構造」には、材料・組成、寸法、層構造が完全に同一の場合だけでなく、これらのいずれかが多少異なり、ほぼ同一のものも含む。
このように、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3の光共振構造とが、同一基板8上に集積され、同一の導波路構造になっているため、例えば、導波路の幅、厚さ、後述のリブ型導波路コアの両側へ延びるスラブ部分の厚さ等において、作製上の誤差が生じても、このような誤差は、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3の光共振構造との間でほぼ同様の量だけ生じることになる。したがって、このような作製上の誤差が、導波路の屈折率に与える変化も両者の間でほぼ同一である。
一般に、リング共振器、回折格子などの光共振器においては、その構造によらず、導波路の屈折率変化に対する共振波長の変化は、次式によって与えられる。
δλ=λ(δn/n
ここで、λは、屈折率変化がない時の共振波長、δnは、作製誤差等によって生じる導波路の屈折率変化、nは、屈折率変化がない時の導波路の屈折率である。
この式から分かるように、屈折率変化が同程度である場合、共振波長の変化も、共振構造によらず、同程度となる。
したがって、導波路の幅や厚さ等の作製上の誤差に対する、光変調器3の共振波長の変化と半導体レーザ2の発振波長の変化は、ほぼ同一であり、両者の間の波長合わせは、このような誤差に対して影響を受けない。
言い換えると、リング共振器を用いた光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせの作製誤差に対するトレランスが大幅に大きくなり、波長合わせが容易になる。
また、例えば、環境温度が変化した場合にも、光変調器3の光共振構造と半導体レーザ2の波長フィルタ4との間で、導波路の屈折率が同じように変化する。この場合、共振波長の変化も、やはり上記の式に従うため、両者の間で一定である。
したがって、初期状態において、光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせがなされていた場合、その後の環境温度の変化によらず、波長合わせがなされた状態が維持されることになる。このため、素子の温度調整を行なう機構は、波長合わせの観点からは不要となる。
具体的には、本実施形態では、図1に示すように、半導体レーザ2の波長フィルタ4はリング共振器型波長フィルタである。つまり、光変調器3の光共振構造と半導体レーザ2の波長フィルタ4とが、共にリング共振器によって構成されている。このように、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3とが、同一の光共振構造を持つものとして構成されている。この場合、導波路の断面構造を両者の間で完全に一致させることが可能である。
このため、作製誤差や環境温度の変化に伴って導波路の屈折率が変化したとしても、光変調器3の光共振構造と半導体レーザ2の波長フィルタ4との間で導波路の屈折率が、より一致しやすくなる。この結果、光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせの作製誤差や環境温度の変化に対するトレランスが、より大きくなり、波長合わせが、より容易になる。
したがって、上述のように構成することで、リング共振器型光変調器3を用いて小型化、低駆動電圧化を図り、半導体レーザ2と光変調器3とを集積した光集積素子(光送信器)の製造コストや消費電力を低く抑えながら、半導体レーザ2の発振波長(入力連続光の波長)と光変調器3の共振波長との間の波長合わせが容易に行なえるようになる。
一方、半導体レーザ2の利得導波路5は、異なる基板(例えばInP、GaAs又は他の化合物半導体材料からなる基板)上に、異なる材料によって形成されており、異なる導波路構造を持っている。このため、本光集積素子1は、図1に示すように、半導体レーザ2の利得導波路5を構成する素子(発光素子;利得導波路素子;例えば半導体光増幅器)10を含むことになる。
このように、本実施形態では、図1に示すように、半導体レーザ2を構成する利得導波路5と波長フィルタ4とが、互いに異なる基板上に形成された別個の素子9,10として形成されている。そして、上述の発光素子10が、上述の波長フィルタ集積型光変調素子9を構成する基板上に、例えば接着やフリップ・チップ・ボンディングなどの方法によって、ハイブリッド実装されている。
また、このように、半導体レーザ2を構成する利得導波路5と波長フィルタ4を、互いに異なる基板上に形成した後に、前者を後者の基板上にハイブリッド実装することで、波長フィルタ4を光変調器3の光共振構造と同一の導波路構造にして波長合わせを容易に行なえるようにしながら、利得導波路5については、このような要件にしばられることなく、大きな光利得を有するように基板、材料、構造等を採用することができる。
ところで、本実施形態では、半導体レーザ2の波長フィルタ4は、半導体レーザ2の発振モード間隔(レーザ共振器の共振器モード間隔)よりも広い透過波長帯域(透過帯域)を有する。このため、図2に示すように、本実施形態の半導体レーザ2は多モード発振することになる。
つまり、波長フィルタ4の透過波長帯域を十分に大きくし、フラットトップにすることによって、半導体レーザ2の発振スペクトルにおいて、複数の共振器モード(発振モード)で発振するようにしている。
この場合、光変調器3は、共振波長付近の波長を持つ(共振波長帯域に含まれる)発振モードの光を変調することになる。つまり、光変調器3を構成するリング光導波路は、複数の波長帯域の光(複数の発振モードの光)のいずれかと共振する共振波長を有することになる。この場合、半導体レーザ2の波長フィルタ4及び光変調器3の光共振構造(光共振器)は、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とが一致するように設計する必要があるが、上述のように、半導体レーザ2を複数の発振モードで発振するように構成することで、複数の発振モードのうち、少なくとも1つの発振モードが、光変調器3の共振波長(動作波長)と一致又はほぼ一致すれば良くなる。したがって、光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせのトレランスが、より大きくなり、波長合わせが、より容易になる。
ところで、上述のように、半導体レーザ2を複数の発振モードで発振するように構成すると、光変調器3の共振波長帯域外にあり、光変調器3によって変調を受けない発振モードの光(連続光)が不要な光として出力されることになるため、これを光変調器3からの出力光から取り除くのが望ましい。
そこで、本光集積素子1は、図1に示すように、光変調器3の後段に、光変調器3の共振波長帯域に含まれる発振モードの光(変調光)のみを取り出すための導波路型の波長フィルタ(第2の波長フィルタ;発振モード選択フィルタ)11を備える。
第2の波長フィルタ11は、光変調器3を構成するバス導波路3Aに接続(光結合)されている。そして、第2の波長フィルタ11によって、光変調器3によって変調された変調光のみが取り出されるようになっている。つまり、第2の波長フィルタ11は、光変調器3の共振波長帯域外の発振モードの連続光(不要光)をカット(除去)するようになっている。
本実施形態では、第2の波長フィルタ11は、リング共振器型波長フィルタである。このリング共振器型波長フィルタ11は、2つのバス導波路11A,11Bの間にリング導波路(ここでは1つ)11Cを結合させた構造になっている。そして、光変調器3によって変調された光(変調光)が一方のバス導波路11Aから出力され、変調されなかった不要な連続光が他方のバス導波路(第1の光導波路)11Bから出力されるようになっている。
このように、第2の波長フィルタ11と光変調器3とが、実質的に同一の光共振構造(導波路構造)を持つものとして構成されている。つまり、第2の波長フィルタ11と光変調器3の光共振構造とが、同一の基板8上に、同一の材料(同一のコア材料及びクラッド材料)・組成で、同一のプロセスを経て、モノリシックに集積して形成されており、同一の寸法、同一の層構造(断面構造)の導波路になっている。なお、上記の「実質的に同一の導波路構造」には、材料・組成、寸法、層構造が完全に同一の場合だけでなく、これらのいずれかが多少異なり、ほぼ同一のものも含む。
なお、本実施形態では、光変調器3の後段に第2の波長フィルタ11を設けているが、これに限られるものではなく、例えば図11に示すように、光変調器3の前段に第2の波長フィルタ11を設けるようにしても良い。なお、図11では、本実施形態のもの(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
したがって、上述のように構成することで、半導体レーザ2と光変調器3とを集積した光送信器1の製造コストや消費電力を低く抑えながら、半導体レーザ2の発振波長(入力連続光の波長)とリング共振器型変調器3の共振波長との間の波長合わせが容易に行なえるようになる。
なお、本実施形態では、小型化、低駆動電圧化を図るべく、リング共振器型光変調器3を用いているが、これに限られるものではなく、共振構造を利用した光変調器であれば良い。
以下、さらに具体的な構成例について説明する。
まず、光変調器部分の構造について、図3、図4を参照しながら説明する。
本構成例では、図3に示すように、リング共振器3を構成するリング導波路3Bは、その半径(リング径)を約6μmとし、その共振波長が1.55μm(動作波長)になるようにしている。また、リング導波路3Bとバス導波路3Aとの間の結合係数(結合効率)は0.6%としている。
ここで、図4は、図3の点線Aに沿う断面構造を示している。
図4に示すように、リング共振器3を構成するリング導波路構造は、シリコン基板8上にシリコン酸化膜(埋め込み酸化膜)12を挟んでシリコン薄膜層13が形成された基板[SOI(Silicon On Insulator)基板]14上に形成されている。
ここでは、バルクのシリコン基板8上に、例えばSiOからなる埋め込み酸化膜(BOX層;例えば厚さ3μm)12が形成され、このBOX層12上に、シリコン薄膜層(SOI層;例えば厚さ250nm)13が形成されたSOI基板14を用いている。
そして、このSOI基板14を加工し、図4に示すような断面構造の導波路を形成している。つまり、図4に示すように、SOI層13を加工して、リング共振器3を構成するリング導波路3Bの導波路コア3BXとして、リブ型光導波路(シリコン材料を含むリブ型光導波路)の導波路コア(リブ型導波路コア)を形成している。
ここでは、図4に示すように、リブ型導波路コア3BXのリブ部分(Siコア)の幅は450nmである。また、リブ型導波路コア3BXのリブ部分の厚さは250nmであり、リブ型導波路コア3BXの両側へ延びるスラブ部分(Siスラブ)14A,14Bの厚さは50nmである。
ここで、リング導波路3Bのリブ型導波路コア3BXは、図3,図4に示すように、リブ部分のキャリア濃度を変調できるように、リブ部分の両脇に接しているスラブ部分の一方(リング導波路3Bの内側)14Bにp型不純物材料がドーピングされてp型領域(p型伝導領域)が形成されており、他方(リング導波路3Bの外側)14Aにn型不純物材料がドーピングされてn型領域(n型伝導領域)が形成されている。これにより、アンドープのシリコンからなるリブ部分の内部にpn接合が形成されるようになっている。
ここでは、p型不純物材料、n型不純物材料のドーピングは、それぞれ、ボロン(B)、リン(P)のイオン・インプランテーションによって行なわれる。ドーピング濃度は、いずれも1019cm−3としている。なお、このようなドーピング領域は、一般的なシリコン材料の電子デバイスのプロセス技術を用いて形成すれば良い。
また、上述のリブ型導波路コア3BXが埋め込まれるように、SiOオーバクラッド層15が形成されている。
なお、図3、図4では図示していないが、リブ部分から離れた場所において、これらのドーピングされたスラブ部分(p型領域、n型領域)14A,14Bの表面上に、それぞれ、例えばアルミニウムからなる金属電極が形成されている。
次に、半導体レーザ部分の構造について、図5、図6を参照しながら説明する。
本構成例では、図5に示すように、半導体レーザ2の発振波長を決める波長フィルタ4は、上述の光変調器3と同一の基板8上に形成されている。なお、図5では、上述の実施形態と同一のもの(図1参照)には同一の符号を付している。
また、図5に示すように、この波長フィルタ4は、光変調器3と同様にリング共振器を用いて構成されている。
本構成例では、波長フィルタ4の透過帯域を広げるため、図5に示すように、3個のリング共振器(リング導波路)4Cを直列に接続した構造(3段の直列接続リング共振器)になっており、両端のリング共振器(リング導波路)4Cのそれぞれにバス導波路4A,4Bが接続された構造になっている。つまり、入力側、出力側の2本のバス導波路4A,4Bの間に3個のリング導波路4Cを直列に接続した構造になっている。
ここでは、3個のリング共振器を構成するリング導波路4Cの半径(リング径)をいずれも6μmとし、上述の光変調器部分と同様に、その共振波長が1.55μm(動作波長)になるようにしている。
また、2本のバス導波路4A,4Bのうち一方のバス導波路4A(入力側バス導波路;図5中、上側のバス導波路)は、その全長が約500μmであり、半導体レーザ2を構成する利得導波路5(発光素子10)に接続(光結合)されている。
なお、ここでは、バス導波路4Aを、1回の折り返しのみによって、全長を約500μmとしているが、これに限られるものではなく、例えば、全長を同じにし、又は、全長を長くした上で、多数回の折り返しによってコンパクトに形成し、素子上に占める波長フィルタ全体の長さを短く抑えるようにしても良い。また、バス導波路4Aを、折り返しを用いないで形成しても良い。
また、2本のバス導波路4A,4Bのうち他方のバス導波路4B(出力側バス導波路;図5中、下側のバス導波路)は、ギャップミラー7を介して光変調器3を構成するバス導波路3Aに接続(光結合)されている。つまり、この半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成する他方のバス導波路4Bと光変調器3を構成するバス導波路3Aとは連なるように形成されており、この導波路中にギャップミラー7が形成されている。
このギャップミラー7は、導波路中に近接して設けられた2箇所の狭いギャップによって構成されており、このギャップ部分では、コアが途切れており、クラッド材料であるSiOが充填されている。ここでは、ギャップの長さは267nmであり、ギャップ間の間隔(長さ)は155nmである。
さらに、図5に示したように、リング導波路4Cとリング導波路4Cとの間の結合係数(結合効率)、及び、リング導波路4Cとバス導波路4A,4Bとの間の結合係数(結合効率)は、それぞれ、2%、25%としている。
このような波長フィルタ4を構成するリング導波路構造は、上述の光変調器3を構成するリング導波路構造と同様である。
つまり、波長フィルタ4を構成するリング導波路構造は、図6に示すように、シリコン基板8上にシリコン酸化膜(埋め込み酸化膜)12を挟んでシリコン薄膜層13が形成された基板[SOI(Silicon On Insulator)基板]14上に形成されている。なお、図6では、上述の光変調器部分の断面構造(図4参照)と同一のものには同一の符号を付している。
ここでは、バルクのシリコン基板8上に、例えばSiOからなる埋め込み酸化膜(BOX層;例えば厚さ3μm)12が形成され、このBOX層12上に、シリコン薄膜層(SOI層;例えば厚さ250nm)13が形成されたSOI基板14を用いている。
そして、このSOI基板14を加工し、図6に示すような断面構造の導波路を形成している。つまり、図6に示すように、SOI層13を加工して、リング共振器を構成するリング導波路4Cの導波路コア4CXとして、リブ型光導波路(シリコン材料を含むリブ型光導波路)の導波路コア(リブ型導波路コア)を形成している。
ここでは、図6に示すように、リブ型導波路コア4CXのリブ部分(Siコア)の幅は450nmである。また、リブ型導波路コア4CXのリブ部分の厚さは250nmであり、リブ型導波路コア4CXの両側へ延びるスラブ部分(Siスラブ)の厚さは50nmである。
また、上述のリブ型導波路コア4CXが埋め込まれるように、SiOオーバクラッド層15が形成されている。
このように、波長フィルタ4の導波路構造は、上述の光変調器3の導波路構造と同一になっているため、これらは同一の製造方法によって製造することができる。つまり、図4、図6のそれぞれに示した光変調器3の導波路構造と半導体レーザ2の波長フィルタ4の導波路構造とを、同一の製造工程によって、同時に一括形成(一体形成)することができる。これにより、主に導波路製造工程において生じる、製造誤差(作製誤差)、及び、これに起因する導波路の屈折率の揺らぎが、両者の間で同様に生じるようにし、これにより、両者の間の波長ずれを非常に小さく抑えることができる。
例えば、リング共振器型光変調器3と半導体レーザ2の波長フィルタ4とを含む光集積素子9は、以下のようにして製造することができる。
まず、図7(A)に示すように、Si基板8上に、BOX層12及びSOI層13を備えるSOI基板14を用意する。
次いで、図7(B)に示すように、このSOI基板14上に、導波路を形成するためのストライプ状のSiOマスク(SiOストライプマスク)17を形成する。
次に、図7(C)に示すように、このマスク17を用いて、例えばドライエッチングによってSOI層13を加工し、導波路形状を作製する。
最後に、図7(D)に示すように、SiOからなるオーバクラッド層15を全体に堆積させる。
なお、本構成例では、図4、図6に示すように、光変調器3を構成するリング共振器のみにドーピングによる伝導領域及び金属電極を設け、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング共振器にはドーピングによる伝導領域及び金属電極を設けていない。これは、導波路の構造及び製造方法が、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング共振器と光変調器3のリング共振器との間で、完全に同一でないことを意味し、両者の共振波長の間に差を生じさせる要因となる可能性がある。そこで、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング共振器においても、光変調器3のリング共振器と同様に、ドーピングによる伝導領域と金属電極のいずれか一方又は両方を設けても良い。これにより、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング共振器と光変調器3を構成するリング共振器との間で、各導波路の構造及び製造方法を完全に同一にすることができ、これらの間の共振波長を、より一致させやすくなる。
ところで、図5に示すように、半導体レーザ2の利得導波路5を構成する発光素子10は、例えば、InP基板上に形成されており、導波路コアとしてInGaAsP系の多重量子井戸(MQW)活性層(MQWコア)を備えるものとしている。そして、この発光素子10が、光変調器3が形成されたSi基板8に形成されたテラス18上にハイブリッド実装されている。
ここでは、利得導波路5(発光素子10)の長さは500μmである。また、発光素子10のMQWコアの発光波長が1.55μm付近になるように、MQWの組成、膜厚が調整されている。
また、発光素子10には電極が形成されており、この電極を介してMQWコアに電流注入(ここでは直流電流の注入)が行なわれ、MQWコアにおいて光利得を生じさせるようにしている。なお、図5では、これらの電極、及び、直流電流源は省略している。
さらに、図5に示すように、発光素子10の一方の端面(半導体レーザ2の波長フィルタ4に接続される側の端面)には、反射防止(AR)膜16がコーティングされており、反対側の端面には、高反射(HR)膜6がコーディングされているものとする。
この場合、レーザ発振を生じさせる共振器は、発光素子10の端面に形成されている高反射膜(HRコーティング)6と、波長フィルタ4を構成するバス導波路4Bに形成されたギャップミラー7との間に形成される。つまり、発光素子10において発生した光は、この共振器の中を往復しながら、発光素子10において増幅をうけることで、レーザ発振へと導かれる。
本構成例では、ギャップミラー7の反射率を約63%とし、ハーフミラーとして機能するようにして、レーザ共振器内の光の一部が、レーザ光として光変調器3側へ出力されるようにしている。
次に、光変調器3の後段に設けられる第2の波長フィルタ11の構造について、図8を参照しながら説明する。
本構成例では、図8に示すように、第2の波長フィルタ11は、上述の光変調器3及び半導体レーザ2の波長フィルタ4と同一の基板8上に形成されている。
また、図8に示すように、この第2の波長フィルタ11は、光変調器3及び半導体レーザ2の波長フィルタ4と同様にリング共振器を用いて構成されている。
本構成例では、2本のバス導波路11A,11Bの間にリング導波路11Cを接続(光結合)した構造になっている。
ここでは、上述の光変調器部分及び半導体レーザ2の波長フィルタ部分と同様に、リング共振器を構成するリング導波路11Cの半径(リング径)を6μmとし、その共振波長が1.55μm(動作波長)になるようにしている。
また、図8に示したように、リング導波路11Cとバス導波路11A,11Bとの間の結合係数(結合効率)は、いずれも1%としている。
この第2の波長フィルタ11を構成するリング導波路構造は、上述の半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング導波路構造(図6参照)と同一である。なお、この第2の波長フィルタ11を構成するリング導波路構造においても、光変調器3のリング共振器と同様に、ドーピングによる伝導領域及び金属電極を設けても良い。これにより、第2の波長フィルタ11を構成するリング共振器と光変調器3を構成するリング共振器との間で、各導波路の構造及び製造方法を完全に同一にすることができ、これらの間の共振波長を、より一致させやすくなる。また、第2の波長フィルタ11の導波路構造は、上述の光変調器3の導波路構造及び半導体レーザ2の波長フィルタ4の導波路構造と同一になっているため、これらは同一の製造方法によって製造することができる。つまり、光変調器3の導波路構造、半導体レーザ2の波長フィルタ4の導波路構造、第2の波長フィルタ11の導波路構造を、同一の製造工程によって、同時に一括形成(一体形成)することができる。
次に、本構成例の光集積素子1の動作について説明する。
まず、半導体レーザ2の動作について説明する。
半導体レーザ2の発振波長は、レーザ共振器内に設けられたSi基板8上のリング共振器型の波長フィルタ4によって決められる。つまり、リング共振器型波長フィルタ4のドロップ波長帯域(透過波長帯域)内にある波長の光のみが、発光素子10から見て後段のギャップミラー7まで到達し、ここで反射されることで、レーザ共振器内を往復し、光増幅を受け、レーザ発振することになる。
ここで、図9は、図5に示すように構成されたリング共振器型波長フィルタ4のドロップ光の強度スペクトル(ドロップ特性;透過スペクトル)を示している。
図9に示すように、ドロップ波長帯(透過波長帯)は、波長1.55μmを中心に幅約2.0nmとなっている。この波長帯において、ドロップ光の強度は幅0.15dB以内に収まっており、フラットトップなドロップ特性(透過スペクトル特性)が実現されている。
ここで、実際にレーザ発振をする波長は、このドロップ波長帯の中の共振器モードに一致する波長に限られる。
上述のように、本構成例では、図5に示すように、発光素子10の長さ、及び、発光素子10とリング共振器型波長フィルタ4の発光素子10に接続される側のバス導波路4Aの長さは、いずれも、500μmである。これらの長さと、それぞれの導波路の屈折率を元に見積もられる共振器モード間隔は、約0.3nmである。このため、上述の2nmのドロップ波長帯域に含まれる共振器モードの本数は6本程度と見積もられる。したがって、本構成例の半導体レーザ2においては、1.55μmを中心に0.3nmの波長間隔で並んだ6本程度の共振器モードが発振する多モード発振のスペクトルが得られることになる(図2参照)。
次に、リング共振器型変調器3の動作について説明する。
既に図2を用いて説明したように、上述のリング共振器型変調器3では、その透過スペクトルの共振波長付近に生じるディップの中にある波長の光のみを選択的に変調する。
本構成例では、このディップの幅は、上述の共振器モード間隔0.3nmよりも小さい。
したがって、本リング共振器型変調器3は、光変調器3に入力された多モード発振のレーザ光のうち、光変調器3の共振波長帯域に含まれる波長の光(ここでは複数の発振モードの中の1つ)のみを選択的に強度変調することになる。この場合、他の波長(発振モード)のレーザ光は、変調を受けずに、不要光として光変調器3から出力されることになる。
次に、第2の波長フィルタ11の動作について説明する。
上述の光変調器3から出力される光は、その後段に設けられた第2の波長フィルタ11としてのリング共振器型波長フィルタに入力される。つまり、光変調器3で強度変調を受けた光のみならず、強度変調を受けずに通過した光も第2の波長フィルタ11としてのリング共振器型波長フィルタに入力される。
ここで、第2の波長フィルタ11を構成するリング共振器は、上述したように、光変調器3を構成するリング共振器と同様の構造を有しており、共振波長は両者の間で一致又はほぼ一致する。
したがって、第2の波長フィルタ11では、光変調器3を構成するリング共振器の共振波長と同じ波長の光、すなわち、光変調器3において強度変調を受けた波長のレーザ光のみを選択的に一方のバス導波路(ドロップポート)11A(光集積素子1の出力ポート)へ出力し、それ以外のレーザ光を他方のバス導波路(スルーポート)11Bへ出力する。
ここで、図10は、図8に示すように構成された第2の波長フィルタ11としてのリング共振器型波長フィルタのドロップ光の強度スペクトル(ドロップ特性;透過スペクトル)を示している。
図10に示すように、光変調器3の共振波長中心(動作波長中心)の1.55μmにおいて、ドロップ光の強度が大きくなっていることがわかる。また、図10に示すように、1.55μmを中心に半導体レーザ2の共振器モード間隔と同じ0.3nm離れた波長においては、ドロップ光の強度は−15dB以下まで低下していることがわかる。
したがって、このような第2の波長フィルタ11を用いることで、光変調器3において強度変調を受けた1.55μmの共振器モードの光のみをドロップポート11Aから出力させ、残りの不要な非変調光をスルーポート11Bから出力させうることが分かる。
このように、本構成例では、複数の共振器モードで多モード発振しているレーザ光のうち、光変調器3の共振波長帯域に含まれる波長のレーザ光のみを、光変調器3において選択的に強度変調し、さらに、この変調を受けたレーザ光のみを、変調器後段の第2の波長フィルタ11によって選択的に出力するようになっている。
したがって、光集積素子1によれば、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようになるという利点がある。これにより、低駆動電圧でサイズの小さいリング共振器型変調器3を用いた共振器型変調器集積レーザ1を低コスト、低消費電力で実現できることになる。
なお、上述の実施形態では、具体的な光集積素子1の構成例について説明しているが、本発明は、これらの具体的な構成例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、シリコン基板上にシリコン材料を主に用いて本光集積素子を形成する場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、InP、GaAs又は他の化合物半導体材料からなる基板を用い、これらの基板上に本光集積素子を形成しても良い。また、ニオブ酸リチウムやポリマなどの電界光学効果を有する他の誘電体材料を用いて本光集積素子を形成しても良い。
また、上述の実施形態では、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3とを集積した素子9と、半導体レーザ2の利得導波路5を備える素子10とを、異なる2種の基板上に形成し、これらを接着して、ハイブリッド実装するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、半導体レーザ2の利得導波路5及び波長フィルタ4、及び、光変調器3を同一基板上に集積した素子として構成しても良い。
また、上述の実施形態では、(1)半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3の光共振構造とを同一基板上に集積することで、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易にするとともに、(2)半導体レーザ2を多モード発振させることで、複数の発振モードのうち、少なくとも1つの発振モードが、光変調器3の共振波長(動作波長)と一致又はほぼ一致すれば良いようにして、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易にしているが、上記(1)、(2)のうち、いずれか一方を採用するだけでも良い。
上記(1)だけを採用する場合、半導体レーザが単一モード発振するように、半導体レーザの波長フィルタを構成しても良く、この場合、第2の波長フィルタを設けなくても良い。
上記(2)だけを採用する場合、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3の光共振構造とが同一基板上に集積されていなくても良い。
また、上述の実施形態では、半導体レーザ2の利得導波路5と光変調器3との間に半導体レーザ2の波長フィルタ4を設けているが、これに限られるものではなく、例えば、半導体レーザ2の波長フィルタ4と光変調器3との間に半導体レーザ2の利得導波路5を設けても良い。この場合、半導体レーザの利得導波路をハイブリッド実装するためのテラスは、同一基板上に集積された半導体レーザの波長フィルタと光変調器との間に溝部として形成すれば良い。
また、上述の実施形態では、本変調器が利用する電界光学効果として、導波路コア内に形成したpn接合を逆バイアスに保った上で、コア内に存在するキャリアの密度を、変調のための電圧信号によって変化させることによって生じるフリー・キャリアプラズマ効果を利用して、導波路の屈折率を変化させる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、pn接合を順バイアスに保った上で、キャリア注入によって屈折率を変化させても良い。また、半導体材料の吸収端位置の電界による変化によって誘起される屈折率の変化を利用しても良い。また、電界によって誘起される線形の屈折率変化(ポッケルス効果)を利用しても良い。
また、上述の実施形態では、リング共振器を構成するリング光導波路として、リブ型で横方向にpn接合を形成した断面構造を持つものを例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、チャネル型の導波路とし、縦方向にpn接合を形成したものとしても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる光半導体装置について、図14を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置(光集積素子;光送信素子)は、上述の第1実施形態のものに対し、半導体レーザの波長フィルタの構造が異なる。つまり、上述の第1実施形態では、半導体レーザの波長フィルタ(第1の波長フィルタ)として、透過型のリング共振器型波長フィルタを用いているのに対し、本実施形態では、反射型の回折格子型波長フィルタを用いている点が異なる。
本光集積素子は、図14に示すように、半導体レーザ2の発振モードを規定する波長フィルタ40として、導波路型のDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラー(回折格子ミラー;波長選択ミラー)を備える。つまり、本実施形態では、半導体レーザ2は、DBRレーザである。なお、図14では、上述の第1実施形態のもの(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
ここでは、DBRミラー40は、導波路の幅を一定の周期で変調することによって構成している。また、DBRミラー40は、半導体レーザ2の発振モード間隔よりも広い反射波長帯域を有する。
DBRミラー40を構成する導波路の断面構造(導波路構造)は、基本的に、上述の第1実施形態のリング共振器型波長フィルタ4と同様にすれば良い(図6参照)。
具体的な構成例としては、DBRミラー部分以外の部分は、導波路の幅を450nmで均一とし、DBRミラー部分は、導波路の幅が450nmの部分と445nmの部分とが交互に周期的に並ぶようにすれば良い。この場合、DBRミラー40を構成する回折格子の周期は310nmとし、DBRミラー40の反射波長ピークが1.55μmに一致するように調整して作製すれば良い。ここでは、DBRミラー部分の導波路の長さは、図14に示すように、93μmとしている。
このように構成されるDBRミラー40の反射スペクトルは、中心波長1.55μmで、数nm程度の幅において50%程度の反射率を有する。したがって、本構成例の半導体レーザ2も、上述の第1実施形態の構成例と同様に、数nmの範囲で数本の共振器モードで多モード発振することになる。また、共振器内の発光素子10の長さ、及び、導波路の長さを、上述の第1実施形態の構成例と同様にすることで、共振器モード間隔についても、上述の第1実施形態の構成例と同様に、0.3nm程度となる。
なお、その他の構成(発光素子、リング共振器型変調器、第2の波長フィルタの構造など)、動作、製造方法等については、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
ところで、本実施形態では、光変調器3の光共振構造はリング型のものを用いているのに対し、半導体レーザ2の波長フィルタ40はDBR型のものを用いており、両者をリング型のものとしている第1実施形態の場合とは異なる。
しかしながら、上述の第1実施形態において説明したように、一般に、光共振器においては、リング型、DBR型などの構造によらず、導波路の屈折率変化に対する共振波長の変化は、次式によって表される。
δλ=λ(δn/n
つまり、屈折率変化が両者の間で等しければ、その結果としての共振波長の変化も両者の間で等しくなる。
また、DBRミラー部分では、導波路の幅が周期的に変調されているものの、導波路の基本的な断面構造は、光変調器3のリング共振器部分と半導体レーザ2のDBRミラー部分とで同じであり、両者は同一基板8上に一体形成されるため、作製上の誤差や環境温度の変化に対して生じる導波路の屈折率変化も両者の間でほぼ同一となる。
このため、本実施形態の構造においても、上述の第1実施形態の構造ほどではないものの、光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせが容易になるという効果が得られる。
したがって、光集積素子1によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようになるという利点がある。これにより、低駆動電圧でサイズの小さいリング共振器型変調器3を用いた共振器型変調器集積レーザ1を低コスト、低消費電力で実現できることになる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる光半導体装置について、図15を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置(光集積素子;光送信素子)は、上述の第2実施形態のもの(図14参照)に対し、光変調器の構成が異なる。
つまり、上述の第2実施形態では、光変調器としてリング共振器型変調器3を用いているのに対し、本実施形態では、図15に示すように、リング共振器をアームに装荷したマッハツェンダ(MZ)型変調器30を用いている点が異なる。
図15に示すように、本光集積素子1に備えられる光変調器30は、マッハツェンダ干渉計を構成する第1光導波路31及び第2光導波路32(2つのアーム)と、第1光導波路31又は第2光導波路32を伝搬する光が結合する位置に設けられ、リング共振器33を構成するリング導波路33Aと、リング導波路33Aに沿って設けられ、伝搬する光の位相が変化するようにリング導波路33Aの屈折率を変化させる(変調する)ための電極33Bとを備える。なお、図15では、上述の第2実施形態のもの(図14参照)と同一のものには同一の符号を付している。
ここでは、リング共振器33を構成するリング導波路33Aは、各アーム31,32のそれぞれに複数設けられている。また、各リング導波路33Aのそれぞれの周囲に電極33Bが設けられている。そして、各電極33Bには、高周波信号源(変調電源)34が接続されており、リング導波路33Aの屈折率が高周波電気信号(変調信号)によって変調されるようになっている。なお、ここでは、各アーム31,32のそれぞれに複数のリング共振器33を設けているが、各アーム31,32の少なくとも一方に少なくとも1つのリング共振器を設ければ良い。
このようなリング装荷型MZ変調器30では、通常のMZ変調器と同様に、MZ干渉計に入力された連続光は、分岐されてMZ干渉計を構成する2本のアーム31,32を伝搬した後、再び結合(合波)され、変調器出力光として出力される。
この際、アーム31,32のそれぞれに装荷された複数のリング共振器33に電界を印加し、リング導波路33Aの屈折率を変化させることで、アーム31,32を伝搬する光の位相を変調する。
そして、アーム31,32を伝搬する際に複数のリング共振器33によって位相変調された光を、アーム伝搬後に干渉させることで、光の強度を変調する。
このように、本実施形態では、MZ干渉計を構成する2つのアーム31,32を伝搬する光が結合する位置に設けられた複数のリング共振器33によって、伝搬する光の位相を変化させた後、MZ干渉計によって、伝搬する光の強度を変化させて、入力された連続光を変調する。
特に、本変調器30では、リング共振器33の出力光(リング出力光;リング共振器33に結合せずに伝搬する光も含む)の位相スペクトルのシフトを利用して変調を行なう。
つまり、本変調器30では、MZ干渉計のアーム31,32にリング共振器33が装荷されているため、アーム31,32を伝搬する光のうち、リング共振器33の共振波長帯域に含まれる波長の光は、リング導波路33Aに結合し、リング導波路33Aを伝搬した後、再びアーム31,32に結合して伝搬することになる。これは、リング導波路33Aが設けられている部分を通過した後、リング共振器33の共振波長帯域において、位相が波長によって大きく変化することになる(即ち、位相スペクトルに大きな傾きが生じる)ことと等価である。
このため、リング出力光の位相スペクトルは、図16(A)に示すように、リング共振器33の中心共振波長を含む広い共振波長帯域(リング共振波長帯域)において、傾き(波長の変化に対する位相の変化の割合)が大きくなっており、直線的に変化している。
そして、変調のための電気信号を、電極33Bを介して、リング導波路33Aに印加して、リング導波路33Aの屈折率を変化させると、図16(B)に示すように、リング出力光の位相スペクトルが波長軸方向へシフトする。この場合、リング共振器33の広いリング共振波長帯域では、図16(B)に示すように、位相スペクトルの傾きが大きくなっているため、わずかな屈折率変化で位相スペクトルがわずかにシフトすれば、リング出力光の位相が大きく変化する。このため、本変調器30では、図16(B)に示すように、位相スペクトルのリング共振波長帯域内に動作波長を設定すれば良い。したがって、本変調器30では、動作波長帯域がリング共振器33の広いリング共振波長帯域とほぼ等しくなり、広い動作波長帯域が得られることになる。
そして、本変調器30では、リング共振器33がMZ干渉計の中に組み込まれているため、リング出力光に生じた位相変化は、MZ干渉計によって、変調器出力光における強度変化に変換される。
このように、本変調器30では、リング共振器33によって位相変化を生じさせて、MZ干渉計の2本のアーム31,32を伝搬する光に位相差を生じさせ、これらをMZ干渉計によって干渉させることで強度変調を行なう。
ここで、図17は、本変調器30の透過スペクトル、及び、半導体レーザ2の発振スペクトル(レーザ発振スペクトル)を示している。なお、図17では、実線と点線の2本の透過スペクトルが示されているが、これらは、リング共振器3に印加する電圧がローの場合(実線)とハイの場合(点線)に対応している。
本変調器30では、図17に示すように、広い動作波長帯域において所望の消光比(変調器出力光の強度変化)が得られることになる。
なお、このようなリング共振器装荷MZ変調器30の詳細については、例えば特願2008−137037号に記載されている。
このようなリング共振器装荷MZ変調器30を用いる場合、変調器30の出力側の一方のポート35から強度変調を受けた変調光が出力光として出力される一方、他方のポート36から変調器30の共振波長帯域外の波長を有し、強度変調を受けなかった不要な連続光が出力されることになる。つまり、リング共振器装荷MZ変調器30は、連続光をカットし、変調光のみを取り出す波長フィルタ(変調光選択フィルタ)としても機能する。このため、上述の第2実施形態の場合と異なり、光変調器30の後段に第2の波長フィルタ11を設ける必要がない。
具体的な構成例としては、MZ変調器30のアーム31,32に接続されるリング共振器33の数は、各アーム31,32のそれぞれに10個にしている。なお、図15では、図示の都合上、各アーム31,32のそれぞれに2個のリング共振器33だけを示している。
また、各リング共振器33を構成するリング光導波路33Aの半径(リング径)は約8μmとし、その共振波長が約1.55μm(動作波長)になるようにしている。
特に、本構成例では、光変調器30の動作波長帯域を広げるために、各アーム31,32に設けられる10個のリング導波路33Aの半径は0.8nmずつずらされている。つまり、各アーム31,32のそれぞれに設けられた各リング共振器33は、互いに共振波長が異なるように形成されている。また、リング導波路33Aとアーム(バス導波路)31,32との間の結合係数(結合効率)は14.6%である。
なお、その他の構成(特に半導体レーザ部分の構造など)、製造方法等については、上述の第2実施形態のものと同じであるため、ここではその説明を省略する。
このように構成される本光集積素子は、以下のように動作する。
まず、上述の第2実施形態の場合と同様に、半導体レーザ2は複数の共振器モードで多モード発振する。そして、これらの複数の共振器モードのレーザ光が、リング共振器装荷型MZ変調器30に入力される。
リング共振器装荷MZ変調器30では、上述の第2実施形態のリング共振器型変調器3と同様に、入力された多モード発振のレーザ光のうち、リング共振器の共振波長付近の波長の光(ここでは複数の発振モードの中の3つ)のみを選択的に強度変調することになる。この場合、他の波長(発振モード)のレーザ光は、変調を受けずに、不要光として光変調器から出力されることになる。
そして、リング共振器装荷MZ変調器30は、出力側の一方のポート35から強度変調を受けた変調光(ここでは3つの発振モードの変調光)を出力光として出力する一方、他方のポート36から強度変調を受けなかった不要な連続光を出力する。
したがって、本光集積素子1によれば、上述の第2実施形態の場合と同様に、半導体レーザ2の発振波長と光変調器30の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようになるという利点がある。これにより、低駆動電圧でサイズの小さいリング共振器33を用いた共振器型変調器集積レーザ1を低コスト、低消費電力で実現できることになる。
特に、本実施形態では、リング共振器装荷型MZ変調器30を用いることで、光変調器の動作波長帯域を約1nm程度まで広げることが可能である。このため、上述の第2実施形態の場合と比較して、光変調器30の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせが、より容易になるという効果もある。
なお、上述の実施形態では、リング径、リング径の差、結合係数、リング共振器の個数などについて、具体的な数値を記載しているが、これらは、変調器に要求される消光比、動作波長帯域、総作用長等によって、適宜、変更しても良い。
また、上述の実施形態では、上述の第2実施形態の変形例として説明しているが、これに限られるものではなく、上述の第1実施形態の変形例として構成することもできる。つまり、半導体レーザの波長フィルタとしてリング共振器型波長フィルタを用いるとともに、光変調器としてリング共振器をアームに装荷したマッハツェンダ変調器を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、半導体レーザ2は複数の共振器モードで発振(多モード発振)するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、図18に示すように、半導体レーザ2は単一モード発振(単一波長モード発振)するようにしても良い。この場合、単一モード発振を生じさせるために、波長フィルタ40の反射波長帯域を十分に狭くする必要がある。このような波長フィルタの設計は、DBRミラー40の結合係数及び長さを調整することで容易に実現できる。上述の実施形態では、変調器の動作波長帯域を約1nm程度まで広げることができるため、半導体レーザ2の発振スペクトルの発振モードが単一であっても、光変調器30の共振波長と半導体レーザ2の発振波長との間の波長合わせが容易になるという効果がある。また、半導体レーザ2を単一波長モード発振とすることで、半導体レーザが複数の共振器モードで発振するように構成した場合と比較して、本光半導体装置から得られる信号光を光ファイバによって伝送した時の波長分散(クロマティック・ディスパージョン)の影響を小さく抑えることができる。この結果、半導体レーザが複数の共振器モードで発振するように構成した場合よりも長距離伝送を行なうことが可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる光半導体装置について、図19を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光半導体装置(光集積素子;光送信素子)は、上述の第1実施形態のものに対し、図19に示すように、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング共振器の上方にヒータ(温度調整機構)21が設けられている点が異なる。
まず、本実施形態において、ヒータ21を設けている理由について説明する。
上述の第1実施形態のように構成することで、光変調器3の共振波長と半導体レーザ2の発振波長とを一致又はほぼ一致させることができるため、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせのために、これらの波長を制御するための温度調整機構を設けなくても良い。
しかしながら、例えばペルチェ素子上に置いたり、あるいは、局所的にヒータを設けたりするなど、温度調整機構を設けて、素子の温度調整を行なっても良い。
この場合、完全に温度調整機構をなくした場合ほどのコスト低減や消費電力低減の効果は得られないものの、上述の第1実施形態の構成を採用することで温度調整の必要性が小さくなるため、全体のシステムを簡略化できるという利点はある。
例えば、実際に半導体レーザ2やリング共振器型変調器3を作製する際には、その精度に応じて構造に揺らぎが生じ、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とが、設計通りにならず、作製誤差によってずれてしまう場合がある。
また、仮に初期状態において半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とが合っていたとしても、その後、動作時の環境温度の変化によってずれてしまう場合もある。
このような場合、温度調整機構を設けて、素子の温度調整を行なうのが有効である。このような温度調整を行なう場合でも、上述の第1実施形態の構成を採用することで、半導体レーザと光変調器とを異なる基板上に形成した場合(図12参照)と比較して、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とが大きく離れてしまうことがないため、これらの間の波長合わせを容易に行なえる。
さらに、上述の第1実施形態では、リング共振器型変調器3の共振波長帯域(動作波長帯域)は、多モード発振しているレーザの共振器モード間隔に比較して小さいため、これらの共振器モードの間の波長に光変調器3の共振波長(動作波長)が位置してしまう可能性がある。
この場合、半導体レーザ2の波長フィルタ4の温度を制御することで、共振器モードの波長をモード間隔程度の範囲で調整することが有効である。このような調整が必要となる場合でも、本光集積素子1においては、半導体レーザと光変調器とを異なる基板上に形成した場合(図12参照)と比較して、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とが大きく離れてしまうことがないため、これらの間の波長合わせが容易になるという効果は得られる。
そこで、本実施形態では、これらの点を考慮して、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成する3つのリング共振器が形成されている領域に局所的にヒータ(温度調整機構)21を設けている。
具体的な構成例としては、図19に示すように、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成する3つのリング共振器(リング導波路4C)の直上に、一本の線状のヒータ(局所ヒータ)21が蛇行するように設けられている。
ここでは、線状のヒータ21は、図6に示したような導波路の断面構造において、シリコン導波路コア4CXの上面から、SiOオーバクラッド層15(例えば3μm程度)の表面上に、例えば厚さ100nm、幅1mmの矩形断面を持つように形成される。このヒータ21の材料としては、例えばチタンなどを用いれば良い。
また、図19に示すように、ヒータ21には直流電源22が接続されている。そして、ヒータ21に接続された直流電源22からの電流を制御することで、ヒータ21で発生する熱量を制御し、これにより、半導体レーザ2の波長フィルタ4部分の温度を制御するようにしている。
このような温度制御によって、図9に示したような半導体レーザ2の波長フィルタ4の透過スペクトルの位置を、波長軸方向へシフトさせることができ、半導体レーザ2の発振波長を調整することができる。これにより、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを行なうことができる。
なお、その他の構成、動作、製造方法等については、上述の第1実施形態のものと同様であるため、ここではその説明を省略する。
したがって、本光集積素子1によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるようになるという利点がある。これにより、低駆動電圧でサイズの小さいリング共振器型変調器3を用いた共振器型変調器集積レーザ1を低コスト、低消費電力で実現できることになる。
特に、本実施形態によれば、例えば作製誤差や環境温度の変化によって、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長とがずれてしまった場合や多モード発振しているレーザの共振器モードの間の波長に光変調器3の共振波長(動作波長)が位置してしまった場合であっても、半導体レーザ2の発振波長と光変調器3の共振波長との間の波長合わせを容易に行なえるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング導波路4Cが設けられている部分にヒータ21を設けているが、これに限られるものではなく、例えば、これに加え、あるいは、これに代えて、それ以外の領域に、同様のヒータを設けても良い。
例えば、レーザ共振器内のバス導波路(波長フィルタ4を構成するバス導波路4A又は4B)の直上に、同様のヒータを設けても良い。この場合、レーザ共振器内の光の位相を制御することができ、これにより、レーザ発振スペクトルにおける共振器モードの位置を微調整することができ、半導体レーザの発振波長と光変調器の共振波長との間の波長合わせを行なうことができる。
また、例えば、リング共振器型変調器、及び、光変調器の後段のリング共振器型波長フィルタ(第2の波長フィルタ)のいずれか、あるいは、両方に、同様のヒータを設けても良い。この場合、これらのヒータの一部あるいは全部を用いて、半導体レーザの発振波長、光変調器の共振波長、及び、光変調器の後段の波長フィルタの透過波長の波長合わせを行なうことができる。
また、上述の実施形態では、ヒータを設け、温度調整によって共振器モードの位置の微調整を行なうようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、ヒータを設けるとともに、あるいは、ヒータを設けるのに代えて、レーザ共振器内の導波路上に、例えばキャリアを注入するための電極を設けるなどして、光の位相を変調する領域(位相制御領域)を設け、共振器モードの位置の微調整を行なうようにしても良い。
また、このようなヒータやキャリア注入などによる位相制御領域は、利得導波路と同一基板上に、利得導波路に隣接して設けても良い。
要するに、本光集積素子1において、光変調器3の光共振構造、半導体レーザ2の波長フィルタ4を構成するリング導波路4C、バス導波路4A又は4B、半導体レーザ2の利得導波路5、第2の波長フィルタ11のうちの少なくとも1つに、温度を制御するためのヒータ(温度調整機構)又はキャリアを注入するための電極(位相制御領域)を設けるようにしても良い。
さらに、上述の実施形態では、ヒータを設け、温度調整によって共振器モードの位置の微調整を行なうようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、ヒータを設けるとともに、あるいは、ヒータを設けるのに代えて、本光集積素子の全体を例えばペルチェ素子(温度調整機構)などの上において、素子全体の温度調整を行なえるようにし、これにより、レーザ発振スペクトルにおける共振器モードの位置を微調整することができ、半導体レーザの発振波長と光変調器の共振波長との間の波長合わせを行なうことができる。
また、半導体レーザ、光変調器、第2の波長フィルタのそれぞれにヒータを設けるか、又は、素子全体をペルチェ素子上におくことで、それぞれの温度を調整できるようにすれば、半導体レーザの発振波長、光変調器の共振波長、及び、第2の波長フィルタの透過波長の相互間の波長合わせを行なえるだけでなく、これらの波長を例えば1.55μmの動作波長に合わせることもできる。
[その他]
なお、上述の各実施形態では、半導体レーザの波長フィルタ及び光変調器の後段の波長フィルタとして、リング共振器型波長フィルタや回折格子型波長フィルタを用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、他の波長フィルタを用いても良い。例えば、アレイ回折格子(AWG)やフォトニック結晶スラブ導波路を用いた波長フィルタを用いても良い。
また、本発明は、上述した各実施形態及びその変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置の構成を示す模式的平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成するリング共振器型変調器の透過スペクトル及び半導体レーザの発振スペクトルを示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成するリング共振器型変調器の構成例を示す模式的平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成するリング共振器型変調器の導波路構造の構成例を示す模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成する半導体レーザの構成例を示す模式的平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置の半導体レーザを構成する波長フィルタの導波路構造の構成例を示す模式的断面図である。 (A)〜(D)は、本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置のリング導波路及びバス導波路を構成する光導波路の製造方法を示す模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成する光変調器後段の波長フィルタの構成例を示す模式的平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置の半導体レーザを構成する波長フィルタのドロップ特性を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置を構成する光変調器後段の波長フィルタのドロップ特性を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる光半導体装置の構成を示す模式的平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置の課題を説明するための図である。 本発明の第1実施形態にかかる光半導体装置の課題を説明するための図である。 本発明の第2実施形態にかかる光半導体装置の構成を示す模式的平面図である。 本発明の第3実施形態にかかる光半導体装置の構成を示す模式的平面図である。 (A),(B)は、本発明の第3実施形態にかかる光半導体装置を構成するリング共振器装荷型MZ変調器におけるリング共振器による位相変化を利用した変調の原理を説明するための図である。 本発明の第3実施形態にかかる光半導体装置を構成するリング共振器型変調器の透過スペクトル及び半導体レーザの発振スペクトルを示す図である。 本発明の第3実施形態の変形例にかかる光半導体装置を構成するリング共振器型変調器の透過スペクトル及び半導体レーザの発振スペクトルを示す図である。 本発明の第4実施形態にかかる光半導体装置の構成を示す模式的平面図である。
符号の説明
1 光集積素子(光半導体装置)
2 半導体レーザ
3 光変調器(リング共振器型変調器)
3A バス導波路
3B リング導波路
3BX リブ型導波路コア
3C 電極
4 半導体レーザの波長フィルタ(第1の波長フィルタ)
4A,4B バス導波路
4C リング導波路
4CX リブ型導波路コア
5 利得導波路
6 ミラー(高反射膜)
7 ギャップミラー(ハーフミラー)
8 基板(Si基板)
9 光集積素子(波長フィルタ集積型光変調素子)
10 発光素子
11 波長フィルタ(第2の波長フィルタ)
11A,11B バス導波路
11C リング導波路
12 シリコン酸化膜(埋め込み酸化膜;BOX層)
13 シリコン薄膜層(SOI層)
14 SOI基板
14A スラブ部分(Siスラブ;n型領域;n型伝導領域)
14B スラブ部分(Siスラブ;p型領域;p型伝導領域)
15 SiOオーバクラッド層
16 反射防止膜
17 SiOマスク(SiOストライプマスク)
20 高周波信号源(変調電源)
21 ヒータ
22 直流電源
30 リング装荷型MZ変調器
31 第1光導波路(アーム)
32 第2光導波路(アーム)
33 リング共振器
33A リング導波路
33B 電極
34 高周波信号源(変調電源)
35,36 ポート
40 DBRミラー

Claims (7)

  1. 半導体レーザの発振波長を規定する第1の波長フィルタと、
    光共振構造を持ち、前記光共振構造への電気信号の印加により光を変調する光変調器とを備え、
    前記第1の波長フィルタと前記光変調器の光共振構造とが、同一基板上に集積されていることを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記半導体レーザの利得導波路を構成する発光素子を備え、
    前記発光素子は、前記基板と異なる基板上に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の光半導体装置。
  3. 前記光変調器は、リング共振器型光変調器であることを特徴とする、請求項1又は2記載の光半導体装置。
  4. 前記光変調器は、
    マッハツェンダ干渉計を構成する第1光導波路及び第2光導波路と、
    前記第1光導波路又は前記第2光導波路を伝搬する光が結合する位置に設けられ、リング共振器を構成するリング導波路と、
    前記リング導波路に沿って設けられ、伝搬する光の位相が変化するように前記リング導波路の屈折率を変化させるための電極とを備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の光半導体装置。
  5. 前記第1の波長フィルタは、リング共振器型波長フィルタ又は回折格子型波長フィルタであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  6. 前記第1の波長フィルタは、前記半導体レーザの発振モード間隔よりも広い反射又は透過波長帯域を有し、前記半導体レーザの発振モードを規定し
    前記光変調器は、共振波長帯域に含まれる発振モードの光を変調することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  7. 前記光変調器の前段又は後段に接続され、共振波長帯域外の発振モードの光を取り除く第2の波長フィルタを備えることを特徴とする、請求項6に記載の光半導体装置。
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