JP2018046144A - 波長可変レーザ、波長可変レーザ装置及びその制御方法 - Google Patents

波長可変レーザ、波長可変レーザ装置及びその制御方法 Download PDF

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高林 和雅
Kazumasa Takabayashi
和雅 高林
秋山 傑
Takashi Akiyama
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Abstract

【課題】波長可変レーザ、波長可変レーザ装置及びその制御方法に関し、増幅用の半導体光増幅器の出射端からのレーザ共振器内への反射戻り光の影響を低減する。【解決手段】導波路型の波長可変フィルタを形成した基板上に前記波長可変フィルタとレーザ共振器を形成する第1の半導体光増幅器を載置し、前記基板上に設けられて前記レーザ共振器内の光の一部を分岐する光分岐部により分岐された光の少なくとも一部を第2の半導体光増幅器に結合させる接続導波路上に位相制御部を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、波長可変レーザ、波長可変レーザ装置及びその制御方法に関するものであり、例えば、4位相偏移変調(QPSK)方式などの位相情報を用いたコヒーレント光通信に適したスペクトル線幅の狭い波長可変レーザに関する技術である。
基幹系の光通信ネットワークシステムでは、1ファイバ当りの伝送容量を増加させるために、複数の異なる波長の信号光を束ねて1本のファイバで伝送する波長多重通信システムが用いられている。
近年、1波長当りの伝送容量を増加させるために、二重偏波4位相偏移変調(DP−QPSK)方式など位相変調を用いた多値度の高い変調方式が採用されている。そのため、レーザ光源として高光出力、且つ、位相ノイズの原因となる波長揺らぎが小さい、即ち、スペクトル線幅が狭い波長可変レーザ光源が強く求められている。
スペクトル線幅が狭い波長可変レーザを実現するためには長いレーザ共振器を持つレーザが適している。これを実現するための構造として、レーザの利得媒質となる第1の半導体光増幅器と、長い導波路を含む導波路型の波長可変フィルタを組み合わせた波長可変レーザが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、図10を参照して、従来の波長可変レーザを説明する。図10は、従来の波長可変レーザの平面図である。光導波路基板30に形成した導波路型フィルタ40と光導波路基板30のテラス部39に載置した半導体光増幅器60とを光導波路33で接続してレーザ共振器を形成する。ここでは、導波路型フィルタ40を3本の直線導波路41,43,45と、2つのリング共振器42,44とループミラー46で形成する。なお、直線導波路41と2つのリング共振器42,44にはヒータ51,47,48が設けられており、ヒータ51により位相制御を行っている。
この提案では、高出力化を実現するための構造として、レーザ共振器から出射させる光を利得媒質として用いる半導体光増幅器60とは別の半導体光増幅器70によって増幅する構造になっている。
このようなレーザにおいてスペクトル線幅を劣化させる要因の一つとして、レーザ共振器外部からの反射戻り光の影響があるので、その事情を図11を参照して説明する。図11は、従来の波長可変レーザにおける戻り光の位相とスペクトル線幅の関係の説明図である。図11に示すように、反射戻り光の位相がレーザ内部の位相と合っていない場合に、レーザの発振状態が不安定になりスペクトル線幅が拡大してしまう。特に、レーザの高出力化のために増幅用の半導体光増幅器70を用いる構造において出射端に反射点が存在する場合には、反射戻り光も増幅してしまうため、その影響が顕著になり線幅の劣化も大きくなる。
これを避けるために、例えば、増幅用の半導体光増幅器70の出射端面に無反射コーティングなどを施すが、端面反射を完全になくすことはできないため、反射戻り光の影響を完全に抑えることはできない。反射戻り光の位相は、波長可変レーザの発振波長や、レーザ共振器から反射点までの距離に対して敏感に変化するため、事実上ランダムに決まる。したがって、従来の高出力かつ狭線幅の波長可変レーザでは、ある一定の確率で反射戻り光によるスペクトル線幅の劣化が起こってしまう。
この様な問題を解決する技術として、レーザと増幅用の半導体光増幅器(第2の半導体光増幅器)との間に、戻り光の位相をコントロールするための位相制御機構が集積されている構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、従来の反射戻り光の制御構造の説明図であり、レーザアレイ101からのレーザ光を合波器102で合波したのち、光導波路103を介して半導体光増幅器105により増幅されて出力される。この時、位相制御機構を用いて反射戻り光の位相をレーザ内部の位相を合わせることにより、反射戻り光によるスペクトル線幅の劣化を抑制することが可能である。なお、ここでは、位相制御機構として、光導波路103上に設けた位相制御用ヒータ104を用いている。
特開2013−168500号公報
"Silicon Photonic Hybrid Ring−Filter External Cavity Wavelength Tunable Lasers", Naoki Kobayashi et al. Journal of Lightwave Technology 2015, Vol.33,pp.1241−1246
しかし、位相制御機構を形成する部分の導波路は大きな吸収が発生する利得を発生する導波路ではなく、パッシブな導波路にする必要があるため、異種導波路をモノリシックに集積する必要があり、作製工程が煩雑になるという問題があった。
また、位相制御機構は、図12に示すように、一般的に導波路への電流注入、あるいは、導波路近傍に形成したヒータ電極への電流注入による屈折率変化を利用してなされる。しかし、これらの電流注入による発熱に起因してレーザおよび増幅用の半導体光増幅器の特性が劣化するという問題点があった。
本発明は、波長可変レーザ、波長可変レーザ装置及びその制御方法において、増幅用の半導体光増幅器の出射端からのレーザ共振器内への反射戻り光の影響を低減することを目的とする。
一つの態様では、波長可変レーザは、導波路型の波長可変フィルタを形成した基板と、前記基板上に載置し、前記波長可変フィルタとレーザ共振器を形成する第1の半導体光増幅器と、前記基板上に載置された第2の半導体増幅器と、前記基板上に設けられて前記レーザ共振器内の光の一部を分岐する光分岐部と、前記分岐された光の少なくとも一部を前記第2の半導体光増幅器に結合させる接続導波路とを有し、前記接続導波路上に位相制御部を有する。
他の態様では、波長可変レーザ装置は、上述の可変波長レーザと、接続導波路上に形成された位相制御部に電流を注入するための電源と、光分岐器で分岐された光の強度をモニタする受光素子と、前記受光素子のモニタ値を基に前記電源の電流を制御するコントローラとを有する。
さらに、他の態様では、波長可変レーザ装置の制御方法は、上述の波長可変レーザ装置を、受光素子のモニタ値が不連続に変化する点を避けるようにコントローラにより電源から位相制御部に注入する電流値を設定する。
一つの側面として、増幅用の半導体光増幅器の出射端からのレーザ共振器内への反射戻り光の影響を低減することが可能になる。
本発明の実施の形態の波長可変レーザの説明図である。 本発明の実施例1の波長可変レーザの平面図である。 本発明の実施例1の波長可変レーザにおける導波路型フィルタの断面図である。 本発明の実施例1の波長可変レーザにおける半導体光増幅器の断面図である。 本発明の実施例2の波長可変レーザ装置の説明図である。 本発明の実施例2の波長可変レーザ装置における位相とPDモニタ値の説明図である。 本発明の実施例3の波長可変レーザの平面図である。 本発明の実施例4の波長可変レーザの平面図である。 本発明の実施例5の波長可変レーザの平面図である。 従来の波長可変レーザの平面図である。 従来の波長可変レーザにおける戻り光の位相とスペクトル線幅の関係の説明図である。 従来の反射戻り光制御構造の説明図である。
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態の波長可変レーザを説明する。図1は本発明の実施の形態の波長可変レーザの説明図であり、図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。基板11上に形成した導波路型の波長可変フィルタ14と、基板11上に載置した第1の半導体光増幅器20とによりレーザ共振器を形成する。基板11上に設けられてレーザ共振器内の光の一部を光分岐部16で分岐し、分岐された光の少なくとも一部を接続導波路17により、基板11上に載置した第2の半導体増幅器21に接続するとともに、接続導波路17上に位相制御部であるヒータ電極19を設ける。なお、波長可変フィルタ14と第1の半導体光増幅器20は光導波路15で接続され、また、各導波路は上部クラッド層18で覆われている。
この場合の導波路型の波長可変フィルタ14は、シリコン導波路あるいは石英系導波路により形成すれば良く、シリコン導波路を用いる場合には、基板11として、SOI基板を用いることによりシリコン基板を支持基板12とし、BOX層を下部クラッド層13とすれば良い。
導波路型の波長可変フィルタ14としては、二重リング共振器とループミラーとを備えたバーニア型の波長可変フィルタを用いても良い。或いは、ループミラーを部分反射ミラーとした構造を用いても良いし、レーザ共振器内に2つのサンプルド・グレーティング分布ブラッグ反射器(SG-DBR)を備えたバーニア型の波長可変フィルタを用いても良い。
導波路型の波長可変フィルタ14として、二重リング共振器型の波長可変フィルタ或いはサンプルド・グレーティング分布ブラッグ反射器を用いた場合には、光分岐部16として、レーザ共振器内の導波路に挿入された導波路型の光スプリッタを用いる。光スプリッタとしては、方向性結合器、1×2多モード干渉導波路或いはY分岐導波路を用いることができる。
また、光スプリッタとして、2×2多モード干渉導波路を用いても良く、この場合には、第1の半導体光増幅器20に接続する側の2つのポートの一方にGeフォトダイオード等の受光素子を接続しても良い。
波長可変レーザ装置を構築するには、接続導波路17上に形成したヒータ電極19に電流を注入するための電源と、光分岐器で分岐された光の強度をモニタする受光素子と、受光素子のモニタ値を基に電源からの電流を制御するコントローラとを設ければ良い。受光素子は、第2の半導体光増幅器20の出力光の一部を受光する位置に設けても良い。或いは、2×2多モード干渉導波路を用いる場合には、2×2多モード干渉導波路に接続された受光素子のモニタ値を基に電源からの電流を制御すれば良い。
波長可変レーザ装置を駆動する場合には、受光素子のモニタ値が不連続に変化する点を避けるようにコントローラにより電源から位相制御部に注入する電流値を設定すれば良い。この場合電流値の設定を、予め測定した電流値とモニタ値の関係のデータに基づいて設定しても良いし、受光素子のモニタ値を微分することにより、リアルタイムで設定しても良い。
本発明の実施の形態においては、増幅用の第2の半導体光増幅器21に接続する接続導波路17上に位相制御部であるヒータ電極19を設けているので、レーザ共振器の出力部と第2の半導体光増幅器21の間に位相制御部が配置されることになる。そのため、第2の半導体光増幅器21の出射端からのレーザ共振器内への反射戻り光の位相を変化させることが可能となる。
また、本発明の構造では、レーザ共振器からの出力光を接続導波路17を介して第2の半導体光増幅器21に入射させる構造となっているため、反射戻り光の位相制御部を基板11内に配置することが可能となる。
本発明のように基板11上に位相制御部が存在する場合、位相を変化させるために位相制御部であるヒータ電極19を駆動しても位相以外(屈折率以外)の特性、特に導波路の損失がほとんど変化しない。また、従来の半導体光増幅器に位相制御部を集積する構造と異なり位相制御部による第1の半導体光増幅器20及び第2の半導体光増幅器21の特性劣化などは起こらない。その結果、レーザの光出力の低下などを抑制しつつ反射戻り光の位相を制御して、スペクトル線幅の劣化を防止することが可能となる。また、基板11上に位相制御部を形成する場合、導波路自身は特別な加工は不要であり、ウェーハ表面に簡単な工程でヒータ電極19を形成するだけで位相制御部を集積することが可能になる。なお、位相制御部としては、上述のように位相変化時の損失変化がほとんどないヒータ電極が適切であるが、ヒータ電極以外では、例えば導波路への電流注入、電圧印加などによるキャリア密度の変化を利用する電極を用いることも可能である。但し、この場合は、光損失の変化が起こるため、レーザの光出力の制御が複雑になるという問題がある。
次に、図2乃至図4を参照して、本発明の実施例1の波長可変レーザを説明する。図2は、本発明の実施例1の波長可変レーザの平面図であり、光導波路基板30上に導波路型フィルタ40を形成する。この場合の導波路型フィルタ40は、図4に示すようにSOI基板を利用してシリコン基板31上にBOX層32を介して設けた単結晶Si層を加工して直線導波路41,43,45、リング共振器42,44及びループミラー46を形成し、その上にSiO2を用いて上部クラッド層38を形成する。2つのリング共振器とループミラーの組み合わせにより反射型のバーニア型波長可変フィルタとして機能する。リング共振器42,44上には上部クラッド層38を介してヒータ47,48を設け、SiO2保護膜53で覆う。この時、同時に、単結晶Si層を加工して光導波路33、傾斜導波路34、光スプリッタ35、分岐導波路36及び傾斜導波路37を形成する。各導波路は、コア層の断面形状は幅500nm、厚さ250nmである。また、光スプリッタ35としては1×2MMIを用いる。
また、光導波路33上にはレーザ共振器内の縦モード制御用のヒータ51を設け、分岐導波路36上には反射戻り光の位相を制御する位相制御部であるヒータ(ヒータ電極)52を設ける。ここでは、ヒータ47,48,51,52はTi膜で形成する。各導波路とヒータ47,48,51,52の距離は数μm程度であるため効率的に導波路を加熱して、導波路の屈折率を変え、リング共振波長の制御や位相の制御を行うことができる。
次いで、BOX層32及びシリコン基板31の一部をエッチング除去してテラス部39を設け、このテラス部39に半導体光増幅器60,70をハンダバンプを利用してフリップチップボンディングする。テラス部39の深さは、半導体光増幅器60,70のMQW活性層63,73の位置と、傾斜導波路34,37の導波路位置の高さが合うように適宜調整されている。利得媒質となる半導体光増幅器60の反射端面側には高反射率膜81を設け、入射端面側には反射防止膜82を設ける。一方、増幅用の半導体光増幅器70の両端面には反射防止膜83,84を設ける。
図4は、本発明の実施例1における半導体光増幅器の断面図であり、ここでは、利得媒質用の半導体光増幅器60を例として説明する。n型InP基板61上にn型InPクラッド層62、MQW活性層63、p型InPクラッド層64及びp型InGaAsPコンタクト層65を順次堆積する。次いで、n型InP基板61に達する凹部を形成することによってストライプ状メサを形成し、ストライプ状メサの側面をFeドープInP埋込層66で埋め込む。次いで、電極形成のために開口部を有するSiO膜67を設け、n側電極68及びp側電極69を形成する。MQW活性層63,73は、InGaAsP系の多重量子井戸構造を持ち、1550nm付近に利得を持つように組成や層構造が調整されている。
なお、利得媒質用の半導体光増幅器60のMQW活性層63は、図2に示すように、反射端面側が直線状となり、入射端側が反射防止のために傾斜しており、両者の間を屈曲活性層で接続する構造になっている。一方、増幅用の半導体光増幅器70のMQW活性層73は、中央が直線状であり、両端が反射防止のために傾斜しており、両者の間を屈曲活性層で接続する構造になっている。
半導体光増幅器60の傾斜導波路34と結合する側の導波路は、徐々に幅が狭くなる幅テーパ型のスポットサイズ変換器が形成されており、出射光のスポットサイズが拡がるようになっている。同様に傾斜導波路34の半導体光増幅器60と結合する部分の導波路も徐々に幅が狭くなる幅テーパ型のスポットサイズ変換器が形成されており、出射光のスポットサイズが拡がるようになっている。したがって、半導体光増幅器60側のスポットサイズ変換器と合わせて半導体光増幅器60と傾斜導波路34で高い光結合効率が得られる構造となっている。なお、半導体光増幅器60で採用されている半導体光増幅器60と傾斜導波路34のスポットサイズ変換器は半導体光増幅器70と傾斜導波路37の接合部でも同様の構造が適用される。
半導体光増幅器60と導波路型フィルタ40により形成されるレーザ共振器で発振したレーザ光は、光スプリッタ35でその一部が分岐されて半導体光増幅器70に入射して増幅されることにより、高い光出力を得ることが可能となる。
半導体光増幅器70への接続導波路36上には、位相制御部であるヒータ(ヒータ電極)52が形成されている。このヒータ52はレーザ共振器の外側にあり、レーザ出力を取り出す光スプリッタ35と半導体光増幅器70との間に存在する。したがって、半導体光増幅器70の出射端面から反射してレーザ共振器内部に戻る反射戻り光の位相を制御することが可能である。このヒータ(ヒータ電極)52を用いて、レーザ共振器内部の位相と反射戻り光の位相の関係を、線幅の劣化を引き起こさないように調整することにより、反射戻り光によるスペクトル線幅の劣化を抑制することが可能となる。
本発明の実施例1においては、半導体光増幅器70に接続する分岐導波路36上に位相制御部を設けているので、反射戻り光の位相の調整が可能となり、反射戻り光によるスペクトル線幅の劣化が起こらないように、反射戻り光の位相を調整することが可能となる。また、位相制御を行う際に、ヒータ(ヒータ電極)52による加熱があるが、これは加熱による特性劣化がない光導波路基板30内にヒータ(ヒータ電極)52が形成されるため、位相を調節した際の光出力などのレーザ特性の劣化は起こらない。また、ヒータ(ヒータ電極)52を光導波路基板30内に作製するのに追加の工程は不要であるため、簡単に反射戻り光の位相制御部を形成することが可能になる。
次に、図5及び図6を参照して本発明の実施例2の波長可変レーザ装置を説明するが、実施例1の波長可変レーザに、ビームスプリッタ85、受光素子86、コントローラ87、光増幅器電源88及びヒータ電源89を設けたものである。
半導体光増幅器70で増幅した出力光の一部をビームスプリッタ85で分岐し、その出力を受光素子86で受光する。受光素子87による受光した光の強度のモニタ値によりコントローラ87により半導体光増幅器60,70への印加電力を光増幅器電源88で制御する。また、コントローラ87によりヒータ47,48,51,52に対する印加電力もヒータ電源89で制御する。
半導体光増幅器60,70およびリング共振器42,44のヒータ47,48、共振器縦モード位置制御用のヒータ51には、所望の波長においてレーザ発振させるための駆動条件のテーブルにしたがって、その電流値がコントローラによって制御される。この状態で、反射戻り光の位相制御をするための分岐導波路36上の位相制御部であるヒータ(ヒータ電極)52に電流を注入すると、そのヒータ注入電力に対して周期的にPDのモニタ値が不連続に変化する点が発生する。
図6は、本発明の実施例2の波長可変レーザ装置における位相とPD(受光素子)モニタ値の説明図であり、逆位相の位置でモニタ値に不連続点が発生する。この不連続点が、スペクトル線幅が劣化する位相に対応しているため、この点を避けるようにヒータ電流をコントロールすれば、反射戻り光によるスペクトル線幅の劣化を抑制することが可能となる。このような分岐導波路36上のヒータ(ヒータ電極)52の電流条件の調整は、レーザ製造時に評価を行ってあらかじめテーブルを作成しておくことも可能である。或いは、レーザの動作中に一度このヒータ(ヒータ電極)52の電流値をスイープして受光素子からのモニタ値の評価結果、例えば、モニタ値の微分値の極大値をフィードバックすることも可能である。後者の場合は、レーザの経時劣化によって反射戻り光の位相状態が変動した場合でも、再度位相条件を最適化できるという利点がある。また、図6のような位相とモニタ値の関係のデータを取得した際に、位相に対する光出力の変化、特に不連続な変化の度合いがある程度以上小さい場合には、反射戻り光の影響は十分小さいと判断して、特にヒータ(ヒータ電極)52で位相を制御しないという方針を取ることも可能である。
次に、図7を参照して、本発明の実施例3の波長可変レーザを説明する。図7は本発明の実施例3の波長可変レーザの平面図であり、基本的構成は実施例1と同様である。この本発明の実施例3においては、実施例1におけるループミラーを部分反射ミラー54とし、レーザ共振器からレーザ光の出力の一部を取り出す光分岐部を兼ねるようにしたものである。この場合、部分反射ミラー54で反射しなかった光を接続導波路55を介して半導体光増幅器70に入射させるものであり、実施例1における光スプリッタ(35)及び分岐導波路(36)が不要になる。なお、位相制御部であるヒータ(ヒータ電極)52は接続導波路55上に設ける。
本発明の実施例3においても、実施例1と同様に、反射戻り光用の位相制御部を光導波路基板30内部に配置できるため、実施例1と同様の効果が得られる。
次に、図8を参照して、本発明の実施例4の波長可変レーザを説明する。図8は本発明の実施例4の波長可変レーザの平面図であり、基本的構成は上記の実施例1と同様であるが、本発明の実施例4においては、導波路型フィルタをサンプルド・グレーティング分布ブラッグ反射器(SG−DBR)で形成したものである。この場合の導波路型フィルタ56はY分岐導波路57とY分岐導波路57に接続する2つのSG−DBR58,59で形成され、2つのSG−DBR58,59のバーニア効果で波長選択がなされる。
本発明の実施例4においては、リング共振器以外の導波路型フィルタを用いているが、実施例1と同様の効果を得ることができる。
次に、図9を参照して、本発明の実施例5の波長可変レーザを説明する。図9は本発明の実施例5の波長可変レーザの平面図であり、基本的構成は上記の実施例1と同様であるが、本発明の実施例5においては、光スプリッタとして2×2MMI90を用い、半導体光増幅器60と接続する側のポートの一方に接続導波路91を介してモニタ用のGeフォトダイオード92を接続したものである。なお、この場合のGeフォトダイオード92は、接続導波路91の接続端側の単結晶Si層を幅広に加工し、その上にGe層を積層してpin型のフォトダイオードを形成すれば良い。
本発明の実施例5では、半導体光増幅器70で増幅される前のレーザ共振器からの出力をモニタしているので、反射戻り光によるレーザの発振状態の変化を直接的にモニタすることが可能となり、精度良くスペクトル線幅が劣化する位相条件を見つけることが可能である。なお、実施例5では、光スプリッタとして2×2MMIを用いて、そのポートの一つにGe−PDを接続させる構造を示しているが、これ以外にも、例えば、接続導波路部分にさらにもう1つの光スプリッタを挿入し、片方を第2の光半導体光増幅器に接続し、他方をモニタ用のGe−PDに接続するような構成をとってもよい。ただし、実施例5の構造は、光スプリッタの全てのポートを使用しているため、レーザ光の出力を余すことなく利用していることになり、結果として、光出力効率のよいレーザを実現することが可能となる。
ここで、実施例1乃至実施例5を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)導波路型の波長可変フィルタを形成した基板と、前記基板上に載置し、前記波長可変フィルタとレーザ共振器を形成する第1の半導体光増幅器と、前記基板上に載置された第2の半導体光増幅器と、前記基板上に設けられて前記レーザ共振器内の光の一部を分岐する光分岐部と、前記分岐された光の少なくとも一部を前記第2の半導体光増幅器に結合させる接続導波路とを有し、前記接続導波路上に位相制御部を有する波長可変レーザ。
(付記2)前記位相制御部はヒータ電極である付記1に記載の波長可変レーザ。
(付記3)前記導波路型の波長可変フィルタが、シリコン導波路あるいは石英系導波路からなる付記1または付記2に記載の波長可変レーザ。
(付記4)前記導波路型の波長可変フィルタが、二重リング共振器とループミラーとを備えている付記1乃至付記3のいずれか1に記載の波長可変レーザ。
(付記5)前記ループミラーが部分反射ミラーであり、前記レーザ共振器内の光の一部を出力するための前記光分岐部として機能する付記4に記載の波長可変レーザ。
(付記6)前記導波路型の波長可変フィルタが、2つのサンプルド・グレーティング分布ブラッグ反射器である付記1乃至付記3のいずれか1に記載の波長可変レーザ。
(付記7)前記光分岐部が、前記レーザ共振器内の導波路に挿入された導波路型の光スプリッタである付記1乃至付記4のいずれか1に記載の波長可変レーザ。
(付記8)前記光スプリッタは、1×2の多モード干渉導波路であり、一方の側の2つのポートの一方に前記レーザ共振器内の導波路を接続し、前記2つのポートの他方に前記接続導波路を接続した付記7に記載の波長可変レーザ。
(付記9)前記光スプリッタは、2×2の多モード干渉導波路であり前記第1の半導体光増幅器を接続する側のポートの一方に導波路を介して受光素子を接続した付記7に記載の波長可変レーザ。
(付記10)付記1乃至付記8のいずれか1に記載の可変波長レーザと、前記接続導波路上に形成された前記位相制御部に電流を注入または前記位相制御部に電圧を印加する電源と、光分岐器で分岐された光の強度をモニタする受光素子と、前記受光素子のモニタ値を基に前記電源の電流または電圧を制御するコントローラとを有する波長可変レーザ装置。
(付記11)受光素子が、前記第2の半導体光増幅器の出力光の一部を受光する付記10に記載の波長可変レーザ装置。
(付記12)付記9に記載の可変波長レーザと、前記接続導波路上に形成された前記ヒータ電極に電流を注入するための電源と、前記2×2の多モード干渉導波路に接続された前記受光素子のモニタ値を基に前記電源の電流を制御するコントローラとを有する波長可変レーザ装置。
(付記13)波長可変レーザ装置の制御方法であって、受光素子のモニタ値が不連続に変化する点を避けるようにコントローラにより電源から位相制御部に注入する電流または前記電源から位相制御部に印加する電圧を設定する波長可変レーザ装置の制御方法。
(付記14)前記位相制御部に注入する電流の設定を、予め測定した電流値のデータに基づいて設定する付記13に記載の波長可変レーザ装置の制御方法。
(付記15)前記位相制御部に注入する電流の設定を、前記受光素子のモニタ値を微分することにより、リアルタイムで設定する付記13に記載の波長可変レーザ装置の制御方法。
11 基板
12 支持基板
13 下部クラッド層
14 波長可変フィルタ
15 光導波路
16 光分岐部
17 接続導波路
18 上部クラッド層
19 位相制御部(ヒータ電極)
20 第1の半導体光増幅器
21 第2の半導体光増幅器
30 光導波路基板
31 シリコン基板
32 BOX層
33 光導波路
34 傾斜導波路
35 光スプリッタ
36 分岐導波路
37 傾斜導波路
38 上部クラッド層
39 テラス部
40,56 導波路型フィルタ
41,43,45 直線導波路
42,44 リング共振器
46 ループミラー
47,48,51,52 ヒータ
53 SiO保護膜
54 部分反射ミラー
55 接続導波路
57 Y分岐導波路
58,59 SG-DBR
60,70半導体光増幅器
61,71 n型InP基板
62,72 n型InP下部クラッド層
63,73 MQW活性層
64,74 p型InP上部クラッド層
65,75 p型InGaAsPコンタクト層
66,76 FeドープInP埋込層
67,77 SiO
68,78 n側電極
69,79 p側電極
81 高反射率膜
82〜84 反射防止膜
85 ビームスプリッタ
86 フォトダイオード
87 コントローラ
88 光増幅器電源
89 ヒータ電源
90 2×2MMI
91 接続導波路
92 Geフォトダイオード
101 レーザアレイ
102 合波器
103 光導波路
104 位相制御用ヒータ
105 半導体光増幅器

Claims (7)

  1. 導波路型の波長可変フィルタを形成した基板と、
    前記基板上に載置し、前記波長可変フィルタとレーザ共振器を形成する第1の半導体光増幅器と、
    前記基板上に載置された第2の半導体光増幅器と、
    前記基板上に設けられて前記レーザ共振器内の光の一部を分岐する光分岐部と、
    前記分岐された光の少なくとも一部を前記第2の半導体光増幅器に結合させる接続導波路と
    を有し、
    前記接続導波路上に位相制御部を有する波長可変レーザ。
  2. 前記位相制御部は、ヒータ電極である請求項1に記載の波長可変レーザ。
  3. 前記導波路型の波長可変フィルタが、二重リング共振器とループミラーとを備えている請求項1または請求項2に記載の波長可変レーザ。
  4. 前記ループミラーが部分反射ミラーであり、前記レーザ共振器内の光の一部を出力するための前記光分岐部として機能する請求項3に記載の波長可変レーザ。
  5. 前記導波路型の波長可変フィルタが、2つのサンプルド・グレーティング分布ブラッグ反射器である請求項1または請求項2に記載の波長可変レーザ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の可変波長レーザと、
    前記接続導波路上に形成された前記位相制御部に電流を注入または前記位相制御部に電圧を印加する電源と、
    光分岐器で分岐された光の強度をモニタする受光素子と、
    前記受光素子のモニタ値を基に前記電源の電流または電圧を制御するコントローラと
    を有する波長可変レーザ装置。
  7. 波長可変レーザ装置の制御方法であって、
    受光素子のモニタ値が不連続に変化する点を避けるようにコントローラにより電源から位相制御部に注入する電流または前記電源から位相制御部に印加する電圧を設定する波長可変レーザ装置の制御方法。
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