JP2007163825A - 導波路型熱光学回路 - Google Patents

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知尋 柴田
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Abstract

【課題】アーム導波路に光路長差を付与するに際し、波長依存性の少ない光路長差の付与技術を提供する。
【解決手段】導波路型熱光学回路は、方向性結合器11,14と、2つのアーム導波路12,13と、薄膜ヒータ15を備えている。アーム導波路12,13に光路長差を付与するため、アーム導波路13のコア部の幅と、アーム導波路12のコア部の幅を異ならせ、アーム導波路のコア部の幅の差によって生ずる屈折率差を利用して、両アーム導波路12,13の光学的実効距離を異ならせている。このため屈折率差の波長依存性が少ない導波路型熱光学回路となる。
【選択図】図1(a)

Description

本発明は、基板上の導波路を用いた導波路型熱光学回路に関するものである。更に詳細には、導波路の幅の差によって生じる、実行屈折率差を利用して、マッハ・ツェンダー干渉計回路に光路長差を付与する技術に関する。
ブロードバンド通信の爆発的普及によってネットワークコンテンツは多様性を増しており、それに伴って発生する通信トラフィックの増大や通信サービスの拡充は、ネットワークに対する大容量化、高速化、高機能化の要求を日増しに高めている。近年、光通信技術はこれらの要求に応える重要な役割を果たしてきた。
これまでの光ネットワークでは、光−電気、電気−光変換の信号処理によって2地点間を結ぶ、対地型の通信方式が主流となってきたが、今後はさらにアクセス網を含む全てのネットワーク上で電気信号に変換する事なく光信号のままでルーティングを行うIP型の通信システムに発展させ、各ユーザにおけるより多彩な通信利用形態を実現していくことが重要となる。
この光通信システムにおいて重要な役割を果たしてきた部品として、導波路型光デバイスが挙げられる。光の干渉原理を応用することにより光信号の分岐結合器、波長合分波器、フィルタ、スイッチなどさまざまな機能を実現しており、導波路型であることから回路設計に柔軟性があり、大規模化、高集積化が容易であるばかりでなく、LSIなどの半導体部品製造プロセスを流用しているため、量産性に優れた光デバイスとして大きく期待されている。
導波路部分の材料としては半導体、高分子材料などさまざまなものが実用化されている中、特にシリコン基板上に作製される石英系ガラスを用いた光導波路は、低損失であり安定性及び光ファイバとの整合性に優れるといった特徴を有し、実用化が最も進んだ導波路型光デバイスの一つである。
導波路型光デバイスは、光分岐やフィルタなど光の干渉原理をそのまま利用した光デバイスに対して、干渉条件を積極的に制御することで動的な機能を実現することも可能である。例えば、導波路部分に薄膜ヒータ等を用いて熱を加えると熱光学効果による導波路の屈折率変化が誘起され、導波路内を伝搬する光の位相を制御できる。この現象の応用例として、光分岐結合器と位相制御を組み合わせた熱光学デバイスについて以下説明する。
図11(a)及び、図11(a)のB−B′断面である図11(b)に示したのは、光信号を分岐・合流する2つの方向性結合器111および方向性結合器114とアーム導波路112、113によって構成され、アーム導波路112、113上に薄膜ヒータ115を形成したマッハ・ツェンダー干渉計型の光回路である。
入力導波路1aから入射した光信号は方向性結合器111によって分岐され、アーム導波路112およびアーム導波路113をそれぞれ伝搬し、方向性結合器114によって再び合流する。その際、薄膜ヒータ115のいずれかに電極パッド117より給電するとアーム導波路112、113の間に位相差が生じ、方向性結合器114における位相関係によって出力導波路1cあるいは出力導波路1dから出射する光信号の強度が変化する。位相差が0のとき、光信号は100%出力導波路1dから出射し、位相差がπのとき出力導波路1cから100%出射する。
この現象を利用すると、光信号の経路を選択できる光スイッチを実現することができる。あるいは、薄膜ヒータ115への給電をアナログ的に制御することによって、位相差を調整すれば可変光減衰器として使用することもできる。
光導波路はシリコン基板1上に作製され、石英系ガラスからなるクラッド層2およびそれに覆われた矩形状のコア部3によって構成される。アーム導波路の両側には、エッチング技術を用いてクラッド層2を導波路に沿いに除去した断熱溝116を有しており、スイッチングあるいは減衰に必要な電力を低減できる。
ここで、マッハ・ツェンダー干渉計の干渉原理により、光分岐結合器が作製誤差によって結合率に誤差が生じた場合においても十分な消光比、あるいは光減衰量を得るためには、入力導波路1aから出力導波路1dにいたる経路、あるいは入力導波路1bから出力導波路1cにいたる経路(クロス経路)を用いることが一般的である。
さらに消費電力あるいは熱光学効果の偏光依存性を考慮した場合、薄膜ヒータ115に無通電時において光信号を遮断、あるいは最大減衰量となるように駆動することが最も一般的であり、そのためにはアーム導波路112、113において光信号が導波路内を伝搬する光学的実効距離、すなわち光路長にあらかじめ適切な差(光路長差)を付与しておく必要がある。
電子情報通信学会論文誌 C Vol.J86−C N0.11 pp.1107−1116 2003年11月
図11(a)(b)に示した光回路において、これまでの一般的な光路長差付与の手段は、アーム導波路112、113をそれぞれ異なる長さとし、必要とされる光路長差に相当する長さの差を付与する設計方法であった。
例えば光スイッチとして用いる場合、通過する光信号の中心波長(λ)の半分に相当する光路長差を付与し、無通電時にクロス経路において光信号遮断に設定される。このとき光信号中心波長が1.55μmの場合に、石英系ガラスの屈折率が1.45であることを考慮すると、光路長差=1.55/2=0.775μmを付与するためには、アーム導波路112に対して、アーム導波路113の長さを0.775μm/1.45=0.534μmだけ長くなるように設計する。
しかしながら、このようにして付与される光路長差は屈折率の関数であるため、その波長依存性は屈折率の波長依存性に強く依存する。したがって前記光スイッチにおいて遮断する光信号の透過率は、通過する光信号の波長が1.55μmから0.2μmずれた場合に−30dB程度まで上昇してしまう。
これは例えば、デバイス作製時に光路長差に誤差が生じてしまったときに、光スイッチとして十分な消光比を得られない場合があるばかりか、波長依存性のあるデバイスであるため、使用する光信号波長によって適切に設計を変更する必要があり、作製コストの上昇や生産性の低下という問題があった。
本発明はマッハ・ツェンダー干渉計型の光回路のアーム導波路に光路長差を付与する場合において、作製時に誤差が発生する場合や使用する光信号波長によって回路特性が変動する場合において、波長依存性の少ない光路長差の付与方法を提供するものであり、動作波長帯域が広く作製トレランスの高い導波路型光スイッチまたは可変光減衰器を実現する技術である。
本発明における上記課題を解決する本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
2つの光分岐結合器と、基板上に作製されるクラッド層及びコア層によって形成される埋め込み型光導波路からなると共に前記2つの光分岐結合器を接続する2本のアーム導波路とで構成されたマッハ・ツェンダー干渉計回路と、
前記アーム導波路を伝搬する光信号の位相を熱光学効果によって制御するため、前記アーム導波路の上に形成された薄膜ヒータと、
を備えた導波路型熱光学回路において、
前記2本のアーム導波路に光路長差を付与するため、
前記2本のアーム導波路のうちの一方のアーム導波路のコア部の幅と、他方のアーム導波路のコア部の幅を、アーム導波路の長さ方向の全ての部分、または、一部で異ならせていることを特徴とする。
また本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
前記2本のアーム導波路は、2つの光分岐結合器のうちの一方の光分岐結合器側の曲線状のテーパ導波路と、一方の光分岐結合器側の曲線導波路と、直線導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線状のテーパ導波路とが、この順に接続されて構成されており、その全長において、コア部の幅は、一方のアーム導波路の方が他方のアーム導波路よりも広くなっていることを特徴とする。
また本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
前記2本のアーム導波路は、2つの光分岐結合器のうちの一方の光分岐結合器側の曲線導波路と、一方の光分岐結合器側の直線のテーパ導波路と、直線導波路と、他方の光分岐結合器側の直線のテーパ導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線導波路とが、この順に接続されて構成されており、コア部の幅は、直線導波路および直線のテーパ導波路の部分において、一方のアーム導波路の方が他方のアーム導波路よりも広くなっていることを特徴とする。
また本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
前記2本のアーム導波路が直線状となっていることを特徴とする。
また本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
前記2本のアーム導波路は、更に、長さ方向の長さが互いに異なっていることを特徴とする。
また本発明の導波路型熱光学回路の構成は、
前記アーム導波路に沿って、前記薄膜ヒータの両側のクラッド層を除去することによって形成される断熱溝構造を有していたり、
前記基板がシリコン基板であり、前記アーム導波路がSiO2を主成分とする石英系ガラスから成っていたり、
前記光分岐結合器は、方向性結合器またはマルチモード干渉結合器であることを特徴とする。
また本発明の光スイッチの構成は、
前記の導波路型熱光学回路の前記マッハ・ツェンダー干渉計回路を1つの素子として、前記素子を複数集積することにより任意の本数の入出力端子を接続することを特徴とする。
また本発明の可変光減衰器の構成は、
前記の導波路型熱光学回路の前記マッハ・ツェンダー干渉計回路を1つの素子として、前記素子を複数集積することにより任意のチャネル数の光信号レベルを調整することを特徴とする。
マッハ・ツェンダー干渉計のアーム導波路に光路長差を付与する場合、導波路の長さの差を用いる場合は、導波路の屈折率の波長依存性に強く依存するため、光路長差自体が大きな波長依存性を持ってしまう。
しかし、本発明によれば光路長差は、アーム導波路の幅の差によって生じる屈折率差を利用するため、屈折率差の波長依存性は小さく、したがって光路長差の波長依存性も小さくなる。この効果により、製造誤差に強く、広い帯域の波長で動作する光スイッチあるいは可変光減衰器として用いることができる。
本発明によればマッハ・ツェンダー干渉計回路のアーム導波路における光路長差の波長依存性を小さくすることができ、それによって、広帯域での光スイッチ動作、可変光減衰動作を実現することができる。また作製誤差に強いデバイスを作製でき、生産性の向上に寄与することができる。またこれらの効果は導波路型熱光学回路を形成する材料によらず同様の効果を得ることができる。
本発明の導波路型熱光学回路およびそれらによる光スイッチ、可変光減衰器は実用性が高い光デバイスを提供するために、非常に有効な手段であり、さまざまな光信号の制御を必要とする大容量光通信網の発展に大きく寄与するものであると期待される。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。以下の実施例では、シリコン基板上に形成した石英系単一モード光導波路を使用した光デバイスについて説明する。これはこの構成が安定かつ集積化が容易であるためで、しかも石英系光ファイバとの整合性に優れ、低損失な光デバイスを提供できるためである。しかしながら本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
図1は本発明による導波路型熱光学回路の実施例1としての光スイッチの概略構成を示す図であり、図1(a)は光スイッチの回路構成平面図、図1(b)は図1(a)のA−A′線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)の導波路部分における詳細図である。
光スイッチはシリコン基板1上に作製され、矩形状のコア部3を石英系ガラスからなるクラッド層2で埋め込んだ構造の2本の光導波路(入力導波路1aから出力導波路1cに至る光導波路と、入力導波路1bから出力導波路1dに至る光導波路)が2箇所で間隔数μmにまで近接して2個の方向性結合器11および方向性結合器14を形成し、2本の光導波路(アーム導波路)12、13間でマッハ・ツェンダー干渉計回路をなす。方向性結合器11,14の結合率は、結合部における光導波路の間隔、長さを調節することにより50%となるように設計されている。
図1(c)に示すように、マッハ・ツェンダー干渉計回路のアーム部分となる光導波路12,13は、曲線状のテーパ導波路1e,1fと、曲線導波路1g,1hと、直線導波路1i,1jからなる。
しかも、アーム導波路12,13の長さ方向(光を伝播する方向)に関して全ての部分で、アーム導波路12のコア部の幅を、アーム導波路13のコア部の幅に比べて広くすることにより、アーム導波路12とアーム導波路13の実効屈折率を異ならせ、アーム導波路13側の実効光路長が、他方のアーム導波路12側の実効光路長に対して、光信号中心波長(実施例1においては1.55μm)の2分の1、すなわち0.775μm相当だけ長くなるように光路長が設計されている。
また図1(b)に示すように、アーム導波路12、13上のクラッド層2表面には、熱光学効果を利用する光位相シフタとして薄膜ヒータ15が装荷され、アーム光導波路12、13に沿ってクラッド層2を除去することにより断熱溝16を形成している。
2つの薄膜ヒータ15には、2つの電極パッド17により、それぞれ独立に電圧を印加することができる。
薄膜ヒータ15がオフ(無通電)時に入力導波路1aから入力した光信号は、方向性結合器11によって2つに分岐され、アーム光導波路12、13をそれぞれ伝搬して通過し、方向性結合器14で合流する際にアーム間に設定された光路長差(実施例1では波長1.55μmの2分の1)により出力導波路1cから出力される。
ここで薄膜ヒータ15がオン(通電)状態となって適切な電力(スイッチング電力)が加えられた場合には、アーム導波路12,13間の実効光路長差は熱光学効果によってゼロとなり、出力導波路1cから出力されていた光は、出力導波路1dから出力されるように、出力端が切り替わる。
以上の原理により、実施例1における光スイッチは出力先の経路を変更する経路切り替えスイッチとして動作する。
この光スイッチは、以下に説明するような工程で作製される。
厚さ1mm、直径4インチのシリコン基板1上に石英系ガラスによって形成されるクラッド層2および埋め込み型コア部3を有する単一モード光導波路を、SiO4やGeCl4などの原料ガスの火炎加水分解反応を利用した石英系ガラス膜の堆積技術と反応性イオンエッチング技術の組み合わせにより作製し、薄膜ヒータおよび給電のための電極をクラッド層2表面上に真空蒸着およびパターン化によって作製した。作製した光導波路の通常のコア寸法は7μm×7μmであり、クラッド層2との比屈折率差Δは0.75%とした。実施例1における光スイッチは、この光導波路を用い、直線導波路および曲線導波路を組み合わせることによって形成される。
熱光学効果による位相シフタとしてクラッド層2の表面上に形成した薄膜ヒータ15は厚さ0.1μm、幅20μm、長さ2mmとした。さらに薄膜ヒータ15に沿って断熱溝16を形成し、薄膜ヒータ15から発生する熱を効率よく光導波路のコア部3へ伝える構造とした。マッハ・ツェンダー干渉計回路によって構成される実施例1の光スイッチは全長10mmであった。
ここで、図1(c)において示したように、アーム導波路12、13のコア部はそれぞれ異なる幅で設計されており、本実施例においては、通常のコア部の幅7μmに対して、アーム導波路12のコア部は幅8μm、アーム導波路13のコア部は幅7.5μmとした。
それぞれの導波路は、方向性結合器11、14部分での導波路幅(コア部の幅)7μmから曲線状のテーパ導波路1e、1fを介して幅(コア部の幅)が変換され、曲線導波路1g、1hおよび直線導波路1i、1jを含めたアーム導波路全体で光路長差が付与される。
つまり、アーム導波路12,13は、方向性結合器11側の曲線状のテーパ導波路1e,1fと、方向性結合器11側の曲線導波路1g、1hと、直線導波路1i,1jと、方向性結合器14側の曲線導波路1g、1hと、方向性結合器14側の曲線状のテーパ導波路1e,1fとが、この順に接続されて構成されており、その全長において、コア部の幅は、アーム導波路12の方がアーム導波路13よりも広くなっている。
本実施例においては2つの方向性結合器11、14を接続するアーム導波路12、13の全長約4mmにわたって、両者の光路長差が光信号中心波長1.55μmの2分の1である0.775μmとなるように、アーム導波路12,13のコア部の幅が設計されている。
比較のため、図11に示す従来の構成による光スイッチも同様の工程によって作製し、これら2つの光スイッチチップをダイシングソーによって切り出し、入出力用の導波路1a〜1dにそれぞれシングルモード光ファイバを接続し、光スイッチチップの給電端子に電気コネクタを設置した外部電気配線板を接続した。電気コネクタに電源を接続し、薄膜ヒータ17,117に適切な電力を給電することによって2入力2出力のポート間を任意に切り替え、接続する光スイッチ動作が確認された。
これら光スイッチにおいて、薄膜ヒータ15あるいは薄膜ヒータ115を無通電とし、入力導波路1aから出力導波路1dにいたるクロス経路において、光信号遮断動作状態としたときの光信号帯域1.45μmから1.65μmにおける透過率の波長依存性を図2に示す。透過率は受光器の測定限界である−70dB以上でプロットしている。グラフの点線は従来の光スイッチ、実線は本発明の光スイッチを通過した光信号の透過率である。従来の光スイッチは光信号中心波長1.55μmにおいて十分な遮断特性を示したが、中心波長から0.2μm離れた光信号では透過率が−30dB程度まで上昇してしまった。しかしながら、本発明の光スイッチにおいてはほぼ全帯域において−50dB以下の透過率を示しており、非常に広帯域に渡る遮断特性を示した。
従来の光スイッチにおける光路長差は、マッハ・ツェンダー干渉計のアーム導波路間の長さの差によって付与されることからその値は屈折率の関数となる。図3(a)に導波路幅7μmにおける実効屈折率の波長依存性を示す。グラフから分かるように屈折率は波長によって大きく変化するため、光路長差にその特性が反映されてしまい、マッハ・ツェンダー干渉計における光信号遮断となる波長帯域が狭く、透過率の大きな波長依存性を示すこととなる。
一方、本発明の光スイッチにおいては導波路のコア部の幅によって実効屈折率が異なることを利用し、アーム導波路間のコア部の幅の差によって光路長を付与するため、光路長差は2本のアーム導波路の屈折率差の関数となる。図3(b)に実施例1における導波路のコア部の幅の差による実効屈折率差の波長依存性を示す。グラフから分かるように波長依存性が小さく、このことを反映して本発明の光スイッチは広帯域の遮断特性を示すこととなる。
図4に示したグラフは、実施例1において使用した光スイッチのアーム導波路間に生じる光信号位相差の波長依存性をプロットしたものである。位相差は2本のアーム導波路を伝搬する光信号の光路長を位相で規格化することで求められる。従来の光スイッチは位相差に大きな波長依存性があるのに対し、本発明の光スイッチでは波長依存性が小さいことが分かる。位相差3.14(π)radで光信号はもっとも遮断される条件となるが、図4に示した特性により従来の光スイッチでは光信号中心波長1.55μm付近のみで遮断条件となるのに対して、本発明の光スイッチは光信号帯域1.45μmから1.65μmに渡って遮断条件に近い位相差が得られる。したがって本発明は、光信号遮断となる波長帯域が広く、汎用性の高い光スイッチを実現できる有効な手段である。
図5は本発明による導波路型熱光学回路の実施例2としての光スイッチの新たな例を示す図である。回路構成は実施例1の光スイッチと同様に、2つの方向性結合器51、54および2本のアーム導波路52、53からなるマッハ・ツェンダー干渉計回路、薄膜ヒータ55、断熱溝56、給電パッド57および入出力用の導波路5a,5b,5c,5dからなる。
また、図5(b)に示すようにアーム導波路52,53を構成する導波路はいずれもコア部の幅の等しい2種類の曲線導波路5e、5f、5g、5hと、コア部の幅の異なる直線導波路5i、5jと、それぞれにコア部の幅を変換する直線のテーパ導波路5k、5lからなる。
したがって、実施例1と同様にマッハ・ツェンダー干渉計における光路長差はアーム導波路のコア部の幅の差によって付与されているが、それらがアーム導波路の直線部分(直線導波路5i、5jおよび直線のテーパ導波路5k、5l)のみによって付与されていることが実施例2の光スイッチの特徴である。
つまり、アーム導波路52,53は、方向性結合器51側の2種類の曲線導波路5e,5f,5g,5hと、方向性結合器11側の直線のテーパ導波路5k,5lと、直線導波路5i,5jと、方向性結合器54側の直線のテーパ導波路5k,5lと、方向性結合器54側の2種類の曲線導波路5g,5h,5e,5fとが、この順に接続されて構成されており、コア部の幅は、直線導波路5i,5jおよび直線のテーパ導波路5k,5lの部分において、アーム導波路52の方がアーム導波路53よりも広くなっている。
実施例2の光スイッチは実施例1と同様に導波路の比屈折率差Δが0.75%、通常導波路コア部の幅7μmを用い、実施例1と同じ工程によって作製した。アーム導波路52,53の直線および直線テーパ部分の全長は2mmとし、光信号中心波長1.55μmの2分の1である0.775μmの光路長差を付与するため、それぞれのコア部の幅を通常幅7μmに対して直線導波路5iが8μm、直線導波路5jが7μmとなるように設計した。
実施例2ではアーム導波路の一方のコア部の幅が通常幅と同じとなっており、そのため直線テーパ導波路5lはテーパ形状ではなく一定幅の直線導波路となっているが、これは、設計するアーム導波路の長さおよび導波路の屈折率、幅、設定する光信号中心波長によって決定されたものであり、本発明による導波路幅の設計が実施例2の設計に限定されるものではない。
作製した光スイッチチップを実施例1と同様に切り出して、光ファイバ、電気コネクタを接続し、2入力2出力のポート間を任意に切り替え、接続する光スイッチ動作を確認した。比較のために作製した従来の構成の光スイッチと実施例2の光スイッチにおける、光信号遮断動作時の光信号透過率の波長依存性を図6に示す。
実施例1と同様に実施例2の光スイッチにおいても、1.45μmから1.65μmの広い波長帯域にわたって透過率−40dBを下回る十分な遮断特性が得られ、本構成によっても汎用性の高い光スイッチを実現した。また図6の特性から明らかなように、目標とする特性や使用する波長帯域によって、遮断される透過率が最も小さい波長を必ずしも中心波長に設定する必要はなく、実施例2の場合においても1.45μmから1.65μmで平均的な遮断特性を得るためには、透過率最小となる波長を1.59μmに設定することが望ましいことが分かる。
図7は本発明による導波路型熱光学回路の実施例3としての光スイッチの新たな例を示す図である。実施例3の光スイッチは実施例1、2と同様にマッハ・ツェンダー干渉計を基本素子とするが、2つの光分岐結合器はマルチモード干渉結合器71、74を用い、2本のアーム導波路72、73が異なるコア部の幅の直線導波路からなることを特徴とする。アーム導波路長を2mmとし、光信号中心波長を1.55μmに設定したときの、アーム導波路72、73のコア部の幅はそれぞれ、9μmと7.8μmである。その他、薄膜ヒータ75および給電パッド77および入出力用の導波路7a,7b,7c,7dの作製は実施例1と同様であり、光学特性の測定も実施例1と同様に1.45μmから1.65μmの波長帯域で行った。
作製した光スイッチは従来の光スイッチと比較して、マッハ・ツェンダー干渉計のクロス経路において全帯域で透過率−40dB以下となる、広帯域な光信号遮断特性を示した。また、マルチモード干渉結合器71、74は方向性結合器と比較して、結合率の波長依存性が小さいため、クロス経路における光信号通過動作時(薄膜ヒータ75のいずれか一方に通電時)の透過率の波長依存性が小さいという特徴がある。
本発明の構成により、より広い帯域で損失が小さく、消光比の高い光スイッチ動作が可能となり、同様に広帯域で動作する可変光減衰器としての利用も可能である。
図8(a)(b)は本発明による導波路型熱光学回路からなり、上述した実施例1〜4のマッハ・ツェンダー干渉計を単位素子として複数集積することによって実現されるN×N光マトリクススイッチにおいて、実施例4として4×4光マトリクススイッチの概略構成を示す図である。N×N光マトリクススイッチはN本の入力ポートおよびN本の出力ポートを持ち、それぞれ任意の入出力ポート間を接続することが可能な光スイッチである。図8(a)に光マトリクススイッチの構成要素である光スイッチ素子の構成図、図8(b)に光マトリクススイッチの論理構成を示す。
光スイッチ素子はそれぞれ2つの入力ポート(入力導波路)81a、82aおよび出力ポート(出力導波路)81b、82bを接続する2つのマッハ・ツェンダー干渉計88aおよびマッハ・ツェンダー干渉計88bからなる構成となっている。入力ポート81aから出力ポート81bにいたるクロス経路において、2つのマッハ・ツェンダー干渉計88a,88bがゲートの役目を果たして、薄膜ヒータ86aおよび薄膜ヒータ86bに無通電時の光信号遮断動作において、より高い遮断特性を得る、ダブルゲート構成となっている。アーム導波路部分には断熱溝87a、87bを配置した。
この光スイッチ素子を多数集積することによって実現される光マトリクススイッチは、通過する光スイッチ単位素子の数が、入力ポートin1からin4および出力ポートout1からout4の間を任意に接続するいかなる経路でも同数となる構成(特開平9−297230号公報)を採用しており、4×4=16個の光スイッチ単位素子を4行4列配置した構成となっている。任意の入出力ポートを接続するため、オン状態となる光スイッチ素子はただ1個であり、このとき光スイッチ素子内において信号は、2つのマッハ・ツェンダー干渉計が通電されてクロス経路を通過する経路をたどる。したがって、接続されていない入出力ポート間においては、2つのマッハ・ツェンダー干渉計が無通電状態でクロス経路の信号を遮断し、漏話を抑制することが重要となる。
通常このように多数のマッハ・ツェンダー干渉計回路を集積して作製されるデバイスは、あらかじめ設計したアーム導波路の光路長差に対して作製誤差が生じ、クロス経路の遮断波長の中心が、光信号中心波長からずれてしまう場合がある。このとき例えば、光路長差に波長の5%程度の誤差が生じると、1つのマッハ・ツェンダー干渉計における、光信号中心波長での遮断動作時の透過率は−20dB程度まで上昇してしまう。さらに光路長のずれとは反対側の光信号波長における透過率はそれ以上に上昇してしまうことから、一定の波長帯域で使用される光スイッチとしては十分な消光比が得られず、特性不十分となってしまう。またこのような作製誤差は、通常ランダムに発生するため、作製されるデバイス内での消光比のバラつきあるいはデバイス間でのバラつきを生じ、生産性を劣化させる原因となってしまう問題があった。
しかしながら本発明の構成によれば、光路長差の波長依存性が少ないため、同様に作製誤差によって光路長のずれが生じた場合においても、光信号中心波長における遮断動作時の透過率と同等の特性が他の波長域においても確保できる。したがって、誤差による遮断特性劣化によっても、波長依存性が小さいために一部の波長域における特性不十分やデバイスごとの特性バラつきを抑制でき、一定の生産性の確保が可能となる。
図8に示した4×4光マトリクススイッチにおいて、マッハ・ツェンダー干渉計回路は実施例2と同様に2つの方向性結合器83a、84aおよび方向性結合器83b、84bとそれらを接続するアーム導波路85a、85bが直線部分で光路長差を付与するような構成となっており、光信号中心波長の1.55μmに対して、直線部分の導波路のコア部の幅を8μmと7μmに設計した。
この光スイッチ、および比較のため従来の構成のマッハ・ツェンダー干渉計回路を用いた4×4光マトリクススイッチを実施例1同様に作製し、1.45μmから1.65μmの波長帯域で光学特性の測定を行った。実際の作製によって、マッハ・ツェンダー干渉計回路には波長の5%以内の光路長差の誤差がランダム発生し、従来の光スイッチにおいてはダブルゲート構成であるにもかかわらず、一部で遮断動作時に−30dBを上回る透過率を示す経路が発生した。
これに対して、実施例4の本発明による光スイッチでは同様に5%以内の光路長誤差が発生したが、全体域においてほぼ−45dB以下の透過率となる遮断特性を示し、高い消光比を確保した。これらの結果より、本発明による光スイッチは作製公差が大きく、生産性の高いものであることを確認した。
図9は本発明による導波路型熱光学回路からなる実施例5としての光可変光減衰器アレイの概略構成を示す図である。回路構成は1つのチャネルにつき、上述した実施例1〜4と同様な構成の2つのマッハ・ツェンダー干渉計回路98a、98bからなり、少ない電力で大きな光信号レベル調整量が得られる構成とした。それぞれのマッハ・ツェンダー干渉計回路は2つの方向性結合器93a、94aおよび方向性結合器93b、94bとそれらを接続するアーム導波路95a、95bが直線部分で光路長差を付与するような構成となっており、光信号中心波長の1.55μmに対して、直線部分の導波路幅を8μmと7μmに設計した。
薄膜ヒータ96a、96bに給電する電力をアナログで制御することにより、入力導波路9aから入射した光信号が出力導波路9dから出射する際の光信号レベルを連続的に制御でき、スイッチング電力に相当する電力を印加した時に光信号レベルが最大となる。この可変光減衰器を多数配置してアレイ化することで複数チャネルの光信号レベルを調整する光デバイスが実現できる。
実施例5においてはアーム導波路95a、95bに沿って断熱溝97a、97bを配置し、駆動電力の低減および隣接チャネルへの熱干渉を制御するとともに、この可変光減衰器を8チャネル分並列に配置したものを実施例1と同様に作製した。
波長帯域1.45μmから1.65μmの範囲において、光信号レベルの調整を行ったところ、全波長域において同一の駆動条件によって同等の光信号レベルを得られることを確認した。これはこれまでの実施例1から実施例4において確認した、光路長差の波長依存性が小さいことが起因して得られる事象であり、デバイス作製において有用な特徴である。
従来の可変光減衰器においては、通過する光信号の波長に応じて駆動条件を設定し、制御用の駆動回路ではそれらの条件を波長ごとに保持する必要があった。しかしながら本発明の構成によれば、波長ごとの設定は必要がなくなり、制御回路の簡素化が可能となる。またマッハ・ツェンダー干渉計回路の設計も波長ごとに行う必要もなくなることから、汎用性の高い可変光減衰器が実現できる。
実施例1〜実施例5では必要となる光路長差を本発明によるアーム導波路のコア部の幅の差によって付与する場合のみを示したが、必要に応じてその一部を従来の導波路長差によって付与すること(一方のアーム導波路の長さと、他方のアーム導波路の長さを異ならせること)と組み合わせて使用することも可能である。これは例えば、使用する波長帯域が限られており、かつ作製における導波路幅に高い精度が得られない状況など両者の特徴を併用して対応することが考えられる。
図10は、実施例2において使用した光スイッチと同様の設計で、必要となる中心波長の2分の1の光路長のうち4分の3に当たる量を導波路コア部の幅の差によって、残りを導波路長の差によって付与した場合の遮断動作における光信号の透過率波長依存性である。このときアーム導波路は実施例2と同様に直線部分のみのコア部の幅の差で光路長差が付与され、その幅はそれぞれ8μmおよび7.3μmであった。導波路長の差による光路長差部分は曲線導波路の長さの差によって光信号中心波長1.55μmの4分の1にあたる0.3875μmだけ付与されている。実施例2で得られた広帯域遮断特性には至らないものの、従来の構成に比べて帯域が拡大されていることが確認された。
以上、本発明の実施例1〜実施例6では、光信号中心波長が1.55μmである場合を取り扱ったが、本発明は回路の設計に関する技術であるため光信号波長が例えば1.3μmである場合にも適用できることは明らかであり、使用する波長帯や帯域によって適切な設計を行えば同様の効果が得られる。
また実施例1〜実施例6では光導波路の通常のコア部の幅(回路のマッハ・ツェンダー干渉計以外の部分での幅)に対して、アーム導波路のコア部の幅がいずれも太い場合を例示したが、本発明の原理より導波路のコア部の幅の差によって所定の光路長を付与する条件であれば、通常のコア部の幅に対して細い場合、あるいはいずれか一方が太く、他方が細い場合もあり得ることから、本発明は実施例で示した幅の数値によって限定されるものではない。
また実施例1〜実施例6ではシリコン基板上の石英系ガラスを基本とする熱光学位相シフタについて説明したが、導波路型光デバイスを構成する他の材料、例えば高分子光導波路やイオン拡散型光導波路などを用いた導波路型熱光学回路すべてにおいて、本発明が適用可能である。
本発明の導波路型熱光学回路の実施例1としてのマッハ・ツェンダー干渉計型光スイッチの概略を示す平面図である。 図1(a)のA−A′線に沿った断面を示す断面図である。 実施例1の導波路部分を示す詳細図である。 本発明の実施例1における本発明の光スイッチおよび従来の光スイッチのクロス経路における無通電時の光信号遮断特性を示す特性図である。 従来の実行屈折率の波長依存性を示す特性図である。 本発明の実施例1において使用した導波路の導波路幅の差によって発生する屈折率差の波長依存性を示す特性図である。 本発明の実施例1における本発明の光スイッチおよび従来の光スイッチのアーム導波路における位相差の波長依存性を示す特性図である。 本発明の実施例2としてのマッハ・ツェンダー干渉計型光スイッチの概略を示す構成図である。 実施例2の導波路部分を示す詳細図である。 本発明の実施例2における本発明の光スイッチおよび従来の光スイッチのクロス経路における無通電時の光信号遮断特性を示す特性図である。 本発明の実施例3としてのマルチモード干渉結合器を備えたマッハ・ツェンダー干渉計型光スイッチの概略を示す構成図である。 本発明の導波路型熱光学回路を集積した実施例4としての4×4光マトリクススイッチの構成概略を示す構成図である。 実施例4の論理構成を示す説明図である。 本発明の導波路型熱光学回路を集積した実施例5としての8チャネル可変光減衰器の構成概略を示す構成図である。 本発明の実施例6としてのマッハ・ツェンダー干渉計のアーム導波路の長さおよび幅の差によって光路長差を付与した場合のクロス経路における無通電時光信号遮断特性を従来の光スイッチと比較して示す特性図である。 従来のマッハ・ツェンダー干渉計型光スイッチにおけるアーム導波路の長さの差によって光路長差を付与する場合を示す構成概略図である。 図11(a)のB−B′線に沿った断面を示す断面図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 クラッド層
3 コア部
1a、1b 入力導波路
1c、1d 出力導波路
1e、1f 曲線状テーパ導波路
1g、1h 曲線導波路
1i、1j 直線導波路
11、14 方向性結合器
12、13 アーム導波路
15 薄膜ヒータ
16 断熱溝
17 電極パッド
5a、5b 入力導波路
5c、5d 出力導波路
5e、5f、5g、5h 曲線導波路
5i、5j 直線導波路
5k、5l 直線テーパ導波路
51、54 方向性結合器
52、53 アーム導波路
55 薄膜ヒータ
56 断熱溝
57 電極パッド
7a、7b 入力導波路
7c、7d 出力導波路
71、74 マルチモード干渉結合器
72、73 アーム導波路
75 薄膜ヒータ
77 電極パッド
81a、82a 入力導波路
81b、82b 出力導波路
83a、83b、84a、84b 方向性結合器
85a、85b アーム導波路
86a、86b 薄膜ヒータ
87a、87b 断熱溝
88a、88b マッハ・ツェンダー干渉計
in1−in4 入力ポート
out1−out4 出力ポート
9a 入力導波路
9d 出力導波路
93a,93b,94a,94b 方向性結合器
95a、95b アーム導波路
96a、96b 薄膜ヒータ
97a、97b 断熱溝
98a,98b マッハ・ツェンダー干渉計回路
111、114 方向性結合器
112、113 アーム導波路
115 薄膜ヒータ
116 断熱溝
117 電極パッド

Claims (10)

  1. 2つの光分岐結合器と、基板上に作製されるクラッド層及びコア層によって形成される埋め込み型光導波路からなると共に前記2つの光分岐結合器を接続する2本のアーム導波路とで構成されたマッハ・ツェンダー干渉計回路と、
    前記アーム導波路を伝搬する光信号の位相を熱光学効果によって制御するため、前記アーム導波路の上に形成された薄膜ヒータと、
    を備えた導波路型熱光学回路において、
    前記2本のアーム導波路に光路長差を付与するため、
    前記2本のアーム導波路のうちの一方のアーム導波路のコア部の幅と、他方のアーム導波路のコア部の幅を、アーム導波路の長さ方向の全ての部分、または、一部で異ならせていることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  2. 請求項1に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記2本のアーム導波路は、2つの光分岐結合器のうちの一方の光分岐結合器側の曲線状のテーパ導波路と、一方の光分岐結合器側の曲線導波路と、直線導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線状のテーパ導波路とが、この順に接続されて構成されており、その全長において、コア部の幅は、一方のアーム導波路の方が他方のアーム導波路よりも広くなっていることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  3. 請求項1に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記2本のアーム導波路は、2つの光分岐結合器のうちの一方の光分岐結合器側の曲線導波路と、一方の光分岐結合器側の直線のテーパ導波路と、直線導波路と、他方の光分岐結合器側の直線のテーパ導波路と、他方の光分岐結合器側の曲線導波路とが、この順に接続されて構成されており、コア部の幅は、直線導波路および直線のテーパ導波路の部分において、一方のアーム導波路の方が他方のアーム導波路よりも広くなっていることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  4. 請求項1に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記2本のアーム導波路が直線状となっていることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記2本のアーム導波路は、更に、長さ方向の長さが互いに異なっていることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記アーム導波路に沿って、前記薄膜ヒータの両側のクラッド層を除去することによって形成される断熱溝構造を有していることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記基板がシリコン基板であり、前記アーム導波路がSiO2を主成分とする石英系ガラスから成ることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路において、
    前記光分岐結合器は、方向性結合器またはマルチモード干渉結合器であることを特徴とする導波路型熱光学回路。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路の前記マッハ・ツェンダー干渉計回路を1つの素子として、前記素子を複数集積することにより任意の本数の入出力端子を接続することを特徴とする光スイッチ。
  10. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の導波路型熱光学回路の前記マッハ・ツェンダー干渉計回路を1つの素子として、前記素子を複数集積することにより任意のチャネル数の光信号レベルを調整することを特徴とする可変光減衰器。
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