JP2002268103A - 光導波路型スイッチ装置およびその製造方法 - Google Patents

光導波路型スイッチ装置およびその製造方法

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JP2002268103A
JP2002268103A JP2001066613A JP2001066613A JP2002268103A JP 2002268103 A JP2002268103 A JP 2002268103A JP 2001066613 A JP2001066613 A JP 2001066613A JP 2001066613 A JP2001066613 A JP 2001066613A JP 2002268103 A JP2002268103 A JP 2002268103A
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optical waveguide
optical
switch device
path length
light
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JP2001066613A
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English (en)
Inventor
Hajime Takeya
元 竹谷
Kiichi Yoshiara
喜市 吉新
Shigeru Matsuno
繁 松野
Junichiro Hoshizaki
潤一郎 星崎
Masakazu Takabayashi
正和 高林
Takuya Ohira
卓也 大平
Sadayuki Matsumoto
貞行 松本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電力の偏波依存性を低減した光
導波路型スイッチ装置を提供する。 【解決手段】 光導波路型スイッチ装置10は、2本の
光導波路の所定の2箇所を近接させることにより形成さ
れた第1と第2の方向性結合器5、6と、前記第1と第
2の方向性結合器との間に位置する2本の光導波路7、
8のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変化させ
て、光を出力させる光導波路を一方から他方に切り替え
る温度可変手段9とを備え、前記光導波路を伝搬する互
いに実質的に直交する2つの偏光について、前記第1と
第2の方向性結合器との間に位置する前記2本の光導波
路間における前記2つの偏光の光路長差は、その絶対値
が実質的に等しくなるように調整された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光通信システムや
計測システムにおいて使用される光導波路型スイッチ装
置に関する。さらに詳しくは、石英系光導波路の熱光学
効果を利用した光導波路型スイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石英系導波路型光スイッチの基本原理等
の詳細な説明は、例えば従来技術文献1(奥野 将之
他、『石英系熱光学スイッチ技術』、NTT R&D,
Vol.43,No.11,第1289頁−第1298
頁,1994)等に示されている。以下に、光導波路型
スイッチ装置の構成について、図15の平面図を用いて
説明する。この光導波路型スイッチ装置60は、2本の
光導波路の2箇所を近接して形成された第1と第2の方
向性結合器55、56を備えている。なお、この2つの
方向性結合器の間に位置する2本の光導波路57、58
は、アーム導波路と呼ばれる。さらに、この光導波路型
スイッチ装置60は、詳細に説明すると、光を入力させ
る2つの入力ポート51、52と、入力した光を分岐さ
せる方向性結合器55と、分岐させた光をそれぞれ伝搬
させる2本のアーム導波路57、58と、2本のアーム
導波路を伝搬してきた光を合波させる方向性結合器56
と、光を出力させる2つの出力ポート53、54とを備
える。また、一方のアーム導波路57上に形成され、ア
ーム導波路57を加熱する位相調整用の薄膜ヒーター5
9を備えている。
【0003】次に、この光導波路型スイッチ装置の動作
について説明する。まず、スイッチオフ時の動作につい
て述べる。2つの方向性結合器55、56の結合率がい
ずれも0.5の3dBカプラの機能を有している場合に
は、入力ポート51に光を入力すると方向性結合器55
で50%ずつに分岐される。次いで、この分岐された光
は2本のアーム導波路57、58にそれぞれ導かれ、各
々アーム導波路57、58を伝搬し、再び方向性結合器
56で合波されて出力ポート54から出力する。一方、
スイッチオン時の動作の場合は、一方のアーム導波路5
7上に設けた薄膜ヒーター59によってアーム導波路5
7を加熱する。このように導波路を加熱すると、屈折率
が変化し、屈折率nと導波路の長さLの積である光路長
nLのアーム導波路間57、58での差、即ち、光路長
差Δ(nL)が変化する。この光路長差を変化させるこ
とによって、2つの出力ポートのうち、スイッチオフ動
作時に出力していた一方の出力ポート54から、他方の
出力ポート53へと光を出力させる出力ポートを切り替
えている。
【0004】さらに、この光導波路型スイッチ装置60
において、上記のスイッチオフ動作とスイッチオン動作
で光が出力する出力ポートが切り替わる原理について説
明する。この光導波路型スイッチ装置60は、上記の構
成で述べたように2つの3dB方向性結合器を組み合わ
せたマッハ・ツェンダ干渉計型である。そのため、各出
力ポート53、54から出力する出力光の強度P53
54は、それぞれ次式(1)、(2)によって表され
る。 P53=Psin(Δφ/2)・・・・・・・(1) P54=Pcos(Δφ/2)・・・・・・・(2) ここで、Δφは、第1のアーム導波路57と第2のアー
ム導波路58を通過する信号光の位相差であり、P
入力光の強度である。また、位相差Δφは、光路長差Δ
(nL)と下記の関係式 Δφ=2πΔ(nL)/λ・・・(3) を有している。上記式(1)、(2)より、2本のアー
ム導波路57、58を伝搬する信号光の間に位相差が無
い場合(Δφ=0)は、出力光は実質的に出力ポート5
4から出力する。一方、薄膜ヒータで加熱していくと屈
折率が増加するため、光路長差Δ(nL)は次第に増加
し、それに伴って位相差Δφが増大する。このため図1
6に示すように、ヒータ電力を増すにつれて出力ポート
54の出力強度は減少していき、あるヒータ電力Psw
を印加すると出力ポート54の出力強度は実質的に0と
なり、出力光を出力するポートは出力ポート53に切り
替わる。このときのヒータ電力Pswをスイッチング電
力という。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、詳細にスイッ
チング特性を調べていくと、従来技術文献2(井上 晴
之 他、『石英系導波路型熱光学位相シフタの偏波特
性』、C−242、4-259、電子情報通信学会春季全国
大会予稿集、1991)に示されているように、互いに
直交する2つの偏光であるTE偏光とTM偏光につい
て、図17に示すように、ヒータ電力を増すにつれて各
偏光の出力強度は一致しなくなることが報告されてい
る。これは、ヒータの加熱による熱応力の異方性によ
り、各偏光での加熱による屈折率の増加の程度が異なる
ためと考えられる。そのため、互いに直交する2つの偏
光の光路長差は、図18に示すように、スイッチオフ時
にはそれぞれ略一致しているが、ヒータ電力を増すにつ
れて光路長差は次第にずれていく。このため、図17に
示すように、ヒータ電力を増すにつれて2つの偏光の出
力強度は一致しなくなる。そこで、上記2つの偏光につ
いて出力ポートが切り替わるスイッチオン動作でのスイ
ッチング電力Pswはそれぞれ異なってしまう(Psw
(TM)、Psw(TE))。このようなスイッチング
電力の偏波依存性は、光通信システムへ適用する上で好
ましくない。また、この光導波路型スイッチ装置を用い
て偏波依存性のないスイッチング動作を行うためには、
図17中に示されるように、2つの偏光の出力光強度が
略等しくなる交点にヒータ電力を制御する必要がある。
しかし、制御の間にヒータ電力がわずかに変動しても交
点からずれて直ちに偏波依存性が現れるため、ヒータ電
力を2つの偏光の交点で動的に、かつ、精密に制御する
のは困難とされる。
【0006】また、この井上らは、上記従来技術文献2
で、光導波路の側面及び下面のクラッド部を除去するこ
とによって、熱応力の異方性を解消するとスイッチング
電力Pswの偏波依存性が低減されると報告している。
しかし、この様な構造を実現するには、クラッドの不要
部除去のためにフォトリソグラフィと、ドライエッチン
グおよび、下部のシリコン基板を一部除去するためのド
ライエッチングの必要がある。このため工程が複雑化
し、歩留まりが低下する。
【0007】そこで、本発明の目的は、スイッチング電
力の偏波依存性を低減させた光導波路型スイッチ装置を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
スイッチ装置は、2本の光導波路の所定の2箇所を近接
させることによりそれぞれ形成された第1と第2の方向
性結合器と、前記第1と第2の方向性結合器との間に位
置する2本の光導波路のうち少なくとも一方の光導波路
の温度を変化させて、光を出力させる光導波路を一方か
ら他方に切り替える温度可変手段とを備え、前記光導波
路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの偏光につい
て、前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前
記2本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差
は、その絶対値が実質的に等しくなるように調整された
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記温度
可変手段で前記光導波路の温度を変化させる前におい
て、前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2
つの偏光であるTM偏光とTE偏光のうちのTE偏光に
ついて、光を入力した光導波路を基準として、前記第1
と第2の方向性結合器との間に位置する前記2本の光導
波路間における前記TE偏光の光路長差は、正の値に調
整されたことを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記温
度可変手段で前記光導波路の温度を変化させる前におい
て、前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2
つの偏光について、光を入力した光導波路を基準とし
て、前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前
記2本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差
は、それぞれ正の値に調整されたことを特徴とする。
【0011】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前
記温度可変手段で前記光導波路の温度を変化させる前に
おいて、前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交す
る2つの偏光について、光を入力した光導波路を基準と
して、前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する
前記2本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長
差は、一方が正の値、他方が負の値にそれぞれ調整され
たことを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記温度
可変手段で前記光導波路の温度を変化させる前におい
て、前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前
記2本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差
は、伝搬する光の波長λについて、それぞれλ/2の整
数倍に実質的に等しくなるように調整されたことを特徴
とする。
【0013】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記温
度可変手段で前記光導波路の温度を変化させた後におい
て、前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2
つの偏光について、前記第1と第2の方向性結合器との
間に位置する前記2本の光導波路間における前記2つの
偏光の光路長差は、その絶対値が実質的に等しくなるよ
うに調整されたことを特徴とする。
【0014】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前
記温度可変手段で前記光導波路の温度を変化させた後に
おいて、前記第1と第2の方向性結合器との間に位置す
る前記2本の光導波路間における前記2つの偏光の光路
長差は、伝搬する光の波長λについて、それぞれλ/2
の整数倍に実質的に等しくなるように調整されたことを
特徴とする。
【0015】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記第1
と第2の方向性結合器との間に位置する前記2本の光導
波路のうち少なくとも一方の前記光導波路にあらかじめ
複屈折を付与し、互いに実質的に直交する2つの偏光に
ついての光路長差を調整したことを特徴とする。
【0016】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前記少
なくとも一方の光導波路は、基板上に形成された断面が
長方形状のコア部と、該コア部の周囲を囲むクラッド部
とを備え、前記コア部の長方形状の断面における前記基
板に垂直な辺の長さaと、前記基板に平行な辺の長さb
とのアスペクト比a/bを所定の値になるように調整し
て複屈折を前記光導波路に付与したことを特徴とする。
【0017】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置は、前記光導波路型スイッチ装置であって、前
記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前記2本
の光導波路のうち少なくとも一方の前記光導波路は、前
記光導波路に応力を印加して複屈折を付与する応力付与
手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】本発明に係る光導波路型スイッチ装置の製
造方法は、2本の光導波路の所定の2箇所を近接させて
第1と第2の方向性結合器を形成する工程と、前記第1
と第2の方向性結合器との間に位置する2本の光導波路
のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変化させる温
度可変手段を設ける工程とを含む光導波路型スイッチ装
置の製造方法であって、前記第1と第2の方向性結合器
との間に位置する2本の光導波路間において、互いに実
質的に直交する2つの偏光についての光路長差をあらか
じめ調整する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置の製造方法は、前記光導波路型スイッチ装置の製造方
法であって、前記2つの偏光についての光路長差をあら
かじめ調整する工程は、前記2本の光導波路のうち少な
くとも一方の光導波路にあらかじめ紫外光を照射して複
屈折を与え、前記2つの偏光についての光路長差をあら
かじめ調整することを特徴とする。
【0020】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置の製造方法は、前記光導波路型スイッチ装置の製造
方法であって、前記紫外光の波長は、100nm以上、
且つ、380nm以下の範囲内にあることを特徴とす
る。
【0021】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置の製造方法は、前記光導波路型スイッチ装置の
製造方法であって、前記光導波路は、基板上に形成した
コア部と、該コア部の周囲を囲むクラッド部とを備え、
前記2つの偏光についての光路長差をあらかじめ調整す
る工程は、前記コア部の断面を長方形状とし、前記コア
部の長方形状の断面における前記基板に垂直な辺の長さ
aと、前記基板に平行な辺の長さbとのアスペクト比a
/bを、前記2本の光導波路でそれぞれ互いに異なる値
に形成することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
光導波路型スイッチ装置に関して、図1から図15を用
いて詳細に説明する。
【0023】実施の形態1.本発明の実施の形態1に係
る光導波路型スイッチ装置は、2本の光導波路の所定の
2箇所を近接することにより形成された第1と第2の方
向性結合器と、2つの方向性結合器の間に位置する2本
の光導波路のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変
化させる温度可変手段とを備えている。この温度可変手
段によって、光を出力させる光導波路を一方から他方に
切り替えるスイッチング動作を行う。さらに、この光導
波路型スイッチ装置は、互いに実質的に直交する2つの
偏光について、第1と第2の方向性結合器との間に位置
する2本の光導波路間における光路長差は、その絶対値
を実質的に等しく調整されている。これによってスイッ
チオフ時の動作で2つの偏光の出力強度は実質的に同一
となるので、出力光の偏波依存性を有しない。また、光
を入力させた光導波路を基準として、2つの偏光の光路
長差はいずれも正の値を有している。これによって、ス
イッチオン時の動作で2つのスイッチング電力のずれを
小さくすることができ、偏波依存性を小さくできる。
【0024】具体的には、この光導波路型スイッチ装置
10は、図1の上面図に示すように、2本の光導波路の
所定の2箇所を近接させて形成された第1と第2の方向
性結合器5、6を備える。また、この2本の光導波路
は、図1に示すように、左側に2つの入力ポート1、2
を有し、右側に2つの出力ポート3、4を有する。な
お、第1と第2の方向性結合器5、6は、いずれも3d
Bカプラである。また、2つの方向性結合器の間に位置
するこの2本の光導波路は、アーム導波路7、8と呼ば
れる。さらに、この光導波路型スイッチ装置10は、2
つの3dBカプラを備えるので、マッハ・ツェンダ干渉
計型と呼ばれる。また、この2本のアーム導波路7、8
のうち、光を入力する入力ポート1と第1方向性結合器
5を介して連続している第1のアーム導波路7の上に薄
膜ヒータ9が設けられている。なお、この光導波路型ス
イッチ装置10では、温度可変手段として、導波路を加
熱する薄膜ヒータ9を設けているが、導波路を冷却する
冷却手段、例えば、ペルティエ素子等を設けてもよい。
また、この温度可変手段は、第1のアーム導波路7に設
ける場合に限られず、第2のアーム導波路8に設けても
よい。さらに各アーム導波路7、8の上に設けてもよ
い。
【0025】次に、この光導波路型スイッチ装置10の
動作について説明する。この光導波路型スイッチ装置1
0では、薄膜ヒータ9にヒータ電力を供給しないスイッ
チオフ動作と、薄膜ヒータ9に所定のヒータ電力を供給
するスイッチオン動作とによって、光を出力するポート
を第2の出力ポート54から第1の出力ポート53へと
切り替えている。まず、スイッチオフ動作について述べ
る。光を入力ポート1から入力すると、図1の平面図に
示すように、光は第1の方向性結合器5で分岐され、そ
れぞれ2本のアーム導波路7、8を伝搬する。その後、
第2の方向性結合器6で合波され、出力ポート4から出
力する。このとき、互いに実質的に直交する2つの偏光
について位相差を実質的に等しくしているので、偏波依
存性を実質的に有しない出力光が得られる。一方、スイ
ッチオン時の動作の場合は、一方のアーム導波路7上に
設けた薄膜ヒータ9によってアーム導波路7を加熱す
る。このように導波路を加熱すると、屈折率が変化し、
屈折率nと導波路の長さLの積である光路長nLの2本
のアーム導波路間7、8での差、即ち、光路長差Δ(n
L)が変化する。この光路長差の変化によって、2つの
出力ポートのうち、スイッチオフ動作時に出力していた
一方の出力ポート4から、他方の出力ポート3へと光を
出力させる出力ポートを切り替えている。このとき、互
いに実質的に直交する2つの偏光について、出力ポート
を切り替えるスイッチング電力Pswのずれを小さくし
ているので偏波依存性を通常より低減した出力光が得ら
れる。
【0026】次に、この光導波路型スイッチ装置のスイ
ッチオフ動作、スイッチオン動作で光を出力するポート
を切り替える原理について説明する。この光導波路型ス
イッチ装置10は、2つの3dB方向性結合器を組み合
わせたマッハ・ツェンダ干渉計型である。そのため、各
出力ポート3、4から出力する出力光の強度P3、P4
は、それぞれ次式(4)、(5)によって表される。 P=Psin(Δφ/2)・・・・・・・(4) P=Pcos(Δφ/2)・・・・・・・(5) ここで、Δφは、第1アーム導波路7と第2のアーム導
波路8を通過する2つの信号光の位相差であり、P
入力光の強度である。また、この位相差Δφは、光路長
差Δ(nL)と、下記の関係式を有する。 Δφ=2πΔ(nL)/λ・・・(6)
【0027】上記式(4)、(5)より、2本のアーム
導波路7、8を伝搬する2つの信号光の間に位相差が無
い場合(Δφ=0)は、信号光は実質的に出力ポート4
から出力する。しかし、スイッチオフ動作で、互いに実
質的に直交する2つの偏光について位相差がなく偏波依
存性がない場合でも、スイッチオン動作において、図1
7に示すように、2つの偏光についてスイッチング電力
が大きくずれて大きな偏波依存性が現れてしまう。
【0028】そこで、この光導波路型スイッチ装置10
では、2本の第1のアーム導波路7と第2のアーム導波
路8を伝搬する信号光の互いに実質的に直交する2つの
偏光であるTM偏光とTE偏光の光路長差Δ(nL)
TMとΔ(nL)TEとをそれぞれあらかじめ所定の値
に調整している。これによってスイッチオン動作におけ
る出力光の偏波依存性を低減させている。具体的には、
2本のアーム導波路7、8の長さL、Lと、第1ア
ーム導波路7と第2のアーム導波路8についてのTM偏
光の屈折率nTM(1)、nTM(2)と、TE偏光の
屈折率nTE(1)、nTE(2)について、それぞれ
の偏光の光路長差は、 Δ(nL)TM=(nTM(1)L−nTM(2)L) (7) Δ(nL)TE=(nTE(1)L−nTE(2)L) (8) で表わされる。2つの偏光の光路長差Δ(nL)TM
Δ(nL)TEが異なる値をとる場合には出力光の偏波
依存性が現れる。そこで、この光導波路型スイッチ装置
では、スイッチオフ時に、下記式の通り、各偏光につい
ての光路長差を等しく調整している。 Δ(nL)TM0=Δ(nL)TE0>0・・・(9) これによって、図2のポート4における出力光強度のグ
ラフに示すように、始点として示されるスイッチオフ動
作で偏波依存性を有しない出力光を得ることができる。
【0029】次に、薄膜ヒータ9がオンの場合(スイッ
チオン動作)について述べる。薄膜ヒータ9によって第
1のアーム導波路7を加熱した場合、ヒータ電力を増す
につれて第1のアーム導波路7の屈折率は増加する。こ
のとき、互いに実質的に直交する2つの偏光について、
下記の関係式で表わされるように、屈折率の増加の程度
が異なる。 nTM(1)=nTM0(1)+αTMΔT・・・(10) nTE(1)=nTE0(1)+αTEΔT・・・(11) ここで、nTM0(1)とnTE0(1)はそれぞれス
イッチオフ動作での屈折率である。また、αTMとα
TEはそれぞれ温度変化ΔTにより増加する屈折率の温
度係数であり、αTM>αTEの関係を有する。なお、
ここで屈折率nとは実効屈折率neffを意味する。
【0030】一方、加熱しない第2のアーム導波路8の
屈折率は、下記の式で示されるように、スイッチオフ動
作の場合と同一である。 nTM(2)=nTM0(2)・・・(12) nTE(2)=nTE0(2)・・・(13)
【0031】次に、スイッチオン動作における、第1ア
ーム導波路7と第2のアーム導波路8について、TM偏
光とTE偏光のそれぞれの光路長差は、上記式から Δ(nL)TM=(nTM(1)L−nTM(2)L) Δ(nL)TM=αTMΔT・L+Δ(nL)TM0・・・(14) Δ(nL)TE=(nTE(1)L−nTE(2)L) Δ(nL)TE=αTEΔT・L+Δ(nL)TE0・・・(15) で表わされる。
【0032】そこで、上記式(14)、(15)から、
TM偏光とTE偏光のそれぞれの光路長差は、それぞれ
ヒータ電力を増すにつれて温度変化ΔTも増加し、図3
に示すように、狭い温度範囲では傾きαTMの直線と傾
きαTEの直線に沿ってそれぞれ増加する。この光導波
路型スイッチ装置10は、互いに実質的に直交する2つ
の偏光の光路長差をスイッチオフ時に、式(9)に示す
ようにいずれも正の値に調整している。そのため、位相
差Δφに換算したときポートが切り替わるスイッチング
電力Pswはいずれも小さくなる。また、図17に示す
従来の場合には、TM偏光とTE偏光についてのスイッ
チング電力のずれは約8%であった。一方、この光導波
路型スイッチ装置10では、図2に示すように、TM偏
光とTE偏光についてのスイッチング電力のずれを約4
%と小さくでき、出力光の偏波依存性の指標である偏波
依存性損失PDLを低減できる。なお、この場合、スイ
ッチオン動作は、TM偏光とTE偏光の出力光強度が実
質的に等しくなる場合(P on)とすることができる。
【0033】なお、偏光依存損失(PDL:Polarizati
on dependent loss)とは、すべての偏光を入力した場
合に出力ポートから出力する出力光強度の最大値(P
max)と最小値(Pmin)とを用いて、下記式 により表わしたものである。各偏光成分の割合が同程度
であるほど偏波依存性損失は小さく、0dBに近くな
る。偏波依存性損失(PDL)は、0.5dB以下であ
ることが好ましく、0.1dB以下であることがさらに
好ましい。
【0034】次に、この光導波路型スイッチ装置10の
製造方法について以下に説明する。この光導波路型スイ
ッチ装置10の製造方法は、(a)2本の光導波路の所
定の2箇所を近接させて第1と第2の方向性結合器5、
6を形成する工程と、(b)第1と第2の方向性結合器
5、6との間に位置する2本の光導波路間において、互
いに実質的に直交する2つの偏光についての光路長差を
あらかじめ調整する工程と、(c)上記2本の光導波路
のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変化させる温
度可変手段を設ける工程とを含んでいる。なお、この互
いに実質的に直交する2つの偏光についての光路長差を
あらかじめ調整する工程は、後述する実施の形態3に示
すように2つの方向性結合器を形成する工程において同
時に行ってもよく、あるいは、その後の温度可変手段を
設ける工程の後に行ってもよい。また、上記2つの偏光
の光路長差を調整する工程を行うことによって、得られ
る光導波路型スイッチ装置10のスイッチオフ動作で、
偏光依存性を有しない出力光が得られる。さらに、スイ
ッチオン動作においても、出力光の偏光依存性を低減で
きる。
【0035】まず、この光導波路型スイッチ装置10の
製造方法において、2本の光導波路の所定の2箇所を近
接させた2つの方向性結合器を形成する工程について説
明する。この工程は、光導波路型スイッチ装置10を構
成する石英系光導波路の作製プロセスに相当する。そこ
で、この作製プロセスを、図4を用いて以下に説明す
る。 (a)まず、基板11を用意する(図4(a))。 (b)次に、基板11上にアンダークラッド膜12aお
よびコア膜13を形成する(図4(b))。このコア膜
13には、アンダークラッド膜12aよりも屈折率を高
くするために、Geを約10重量%ドープしてもよい。 (c)次いでフォトリソグラフィ法を用いてクロムパタ
ーニングを行うことにより、コア膜13上にクロムマス
ク14を形成する(図4(c))。 (d)このクロムマスク14を用いてRIE(Reac
tive ion etching)法よりアンダーク
ラッド膜12a上に所望の形状を有するコア部15を形
成する(図4(d))。 (e)その後、コア部15及びアンダークラッド膜12
a上にオーバークラッド膜12bを成膜し、大気中95
0℃にて4時間の熱処理を行って基板11上に光導波路
型スイッチ装置10を構成する石英系光導波路を形成す
る(図4(e))。
【0036】次に、この光導波路型スイッチ装置10を
構成する石英系光導波路の製造に用いたプラズマCVD
(Chemical Vapor Depositio
n)装置30の模式図を図5に示す。図5に示すよう
に、プラズマCVD装置30では、まず、シリコン源の
原料容器35、ゲルマニウム源の原料容器36、ボロン
源の原料容器37からの各原料ガスと、酸素ガス38と
をマスフローコントローラ39、40、41、42で流
量調整して反応容器43内にノズル31で導入する。次
いで、反応容器43内に導入した原料ガスをオートマッ
チングユニット33と高周波電源34により高周波電力
を印加してプラズマ化する。このプラズマ45を基板ヒ
ータ32で加熱している基板40の上に薄膜を形成す
る。その後、余分の原料ガス等は排気46として排出す
る。
【0037】なお、形成される膜の屈折率は、マスフロ
ーコントローラ39、40、41によって原料容器3
5、36、37の流量比を変えることにより膜の組成を
制御して変化させることができる。ゲルマニウム濃度を
高くすることによって屈折率を高く調整することができ
る。次にこのコア膜13を、フォトリソグラフィ、RI
Eによって加工し、さらに埋め込みのための成膜を行っ
て導波路の形状とした。
【0038】さらに、この光導波路型スイッチ装置10
の製造方法において、2本の光導波路7、8間におい
て、互いに実質的に直交する2つの偏光についての光路
長差をあらかじめ調整する工程について説明する。この
光導波路型スイッチ装置10では、第1のアーム導波路
7に紫外光20を照射して複屈折を付与し、各偏光の光
路長差を調整している。また、この第1のアーム導波路
7に紫外光20を照射する工程は、石英系光導波路を形
成した後、薄膜ヒータ9を設ける前に行う。具体的に
は、図6の(a)の平面図及び(b)の断面図に示すよ
うに、第1のアーム導波路7のコア部15aの上方から
クラッド部12を通して紫外光20を紫外光照射範囲2
2に照射する。この紫外光照射により、互いに実質的に
直交する2つの偏光についての屈折率はそれぞれ上昇す
るが、この2つの偏光であるTM偏光とTE偏光のうち
TM偏光の屈折率の増加率がより大きい。そこで、第1
のアーム導波路7のTM偏光の屈折率は、TE偏光の屈
折率より大きくなり、複屈折を付与することができる。
【0039】また、この第1のアーム導波路7への紫外
光20の照射は、チップの形状に導波路を切り出し、こ
のチップを10日間程度約120気圧の高圧の水素雰囲
気中にさらす高圧水素処理の後に行ってもよい。さら
に、紫外光20の照射による複屈折の付与にあたって
は、出力光をモニタして適当な複屈折を付与してもよ
い。この場合には、チップの両端の入出力ポートにそれ
ぞれ光ファイバを接続する。まず、入力ポート1に信号
光を入力し、出力ポート3、4からの出力光強度をモニ
タしながら第1のアーム導波路7に紫外光20を照射す
る。次に、出力ポート4の出力光強度が最大となり、出
力ポート3からの出力光強度が最小となるときに、紫外
光20の照射を終了させる。なお、ここでは紫外光20
として波長248nmのKrFエキシマレーザー光を用
いている。
【0040】なお、この高圧水素処理においては、水素
(H)、重水素(D)のいずれか又は水素と重水素
の任意混合比の混合ガス等、いずれを用いてもよい。ま
た、紫外光照射による屈折率増加を妨げる効果を示すも
のでない不活性ガスを混合してあってもよい。また、利
用する波長帯が1.55μm帯である場合には、利用す
る波長帯に吸収を示さない重水素を用いることがさらに
好ましい。
【0041】上記高圧水素処理において、印加する圧力
は、好ましくは2×10hPa〜200×10hP
aの範囲、より好ましくは30×10hPa〜200
×10hPaの範囲である。また、前記高圧水素処理
の期間は、好ましくは数日から数週間、より好ましくは
1〜2週間である。
【0042】なお、紫外光よりも波長の長い光を照射す
ることによっても屈折率変化を誘起させることはできる
が、非常に長時間を要し、変化量もごくわずかなので、
好ましくない。例えば、波長488nmのArレーザに
よる光は十分な屈折率変化が得られない。そこで、TM
偏光とTE偏光との実効屈折率の増加率に異方性を付与
するためには吸収率が大きい波長100〜380nm以
下の紫外光を使用するのが好ましい。なお、100nm
未満の短波長の光は、石英系光導波路そのものでの光吸
収が強くなるためコア部における屈折率変化は十分では
ない場合がある。また、特に、吸収率が大きい波長15
0〜250nmの真空紫外光を使用するとより短時間に
各偏光成分の結合度を調整できるのでさらに好ましい。
このような波長の光源としてはArFエキシマレーザ
(波長193nm)のほかに、ArCl(波長165〜
190nm)、Xe(波長170〜190nm)、H
g(波長185nm)、D(波長150〜250n
m)、KrCl(波長200〜240nm)を使用した
レーザやランプあるいはNd:YAGレーザの第5高調
波(波長213nm)などがあり、これらのいずれを用
いることもできる。また、レーザ以外の光源としてXe
の誘電体バリア放電型エキシマランプ(波長170〜1
90nm)を用いることもできる。さらに、紫外光の照
射時間は、好ましくは、1分から1時間程度である。
【0043】またさらに、この光導波路型スイッチ装置
10の製造方法において、上記2本の光導波路のうち少
なくとも一方の光導波路の温度を変化させる温度可変手
段を設ける工程について説明する。この製造方法の上記
各工程により、石英系光導波路を形成し、紫外光20を
照射して各偏光の光路長差を調整した後、第1のアーム
導波路7の上に薄膜ヒータ9を設ける。具体的には、第
1のアーム導波路7のコア部15aの上方に、クロム膜
の成膜を行った後、フォトリソグラフィ、ウェットエッ
チング等を順に行って、図1の平面図に示すように、第
1のアーム導波路7の上に薄膜ヒータ9を形成する。な
お、薄膜ヒータは通常用いられる発熱体を用いることが
できる。また、ペルティエ素子等の温度を低下させる冷
却体を設けてもよい。
【0044】実施の形態2.本発明の実施の形態2に係
る光導波路型スイッチ装置は、第1のアーム導波路に照
射する紫外光の光源に波長193nmのArFエキシマ
レーザを用いている。これによって、高圧水素処理を要
することなく、しかも短時間で第1のアーム導波路に複
屈折を付与することができる。
【0045】この光導波路型スイッチ装置10は、実施
の形態1に係る光導波路型スイッチ装置と比較すると、
その製造方法において、紫外光として波長193nmの
ArFエキシマレーザ光を用いている点で相違する。一
方、波長488nmのArレーザによる光では十分な屈
折率変化が得られない。
【0046】実施の形態3.本発明の実施の形態3に係
る光導波路型スイッチ装置は、第1と第2の方向性結合
器の間に位置する2本のアーム導波路のコア部の断面形
状を長方形としている。このコア部の断面を互いに異な
るアスペクト比a/bを有する長方形状とすることによ
って、アーム導波路に複屈折を付与し、互いに実質的に
直交する2つの偏光についての光路長差を調整してい
る。これによって、スイッチオン動作における互いに実
質的に直交する2つの偏光について、スイッチング電力
のずれをさらに小さくし、出力光の偏波依存性を低減で
きる。
【0047】この光導波路型スイッチ装置10は、実施
の形態1に係る光導波路型スイッチ装置と比較すると、
図7の(a)の平面図及び(b)の断面図に示すよう
に、第1と第2の方向性結合器5、6の間に位置する2
本のアーム導波路のコア部の断面形状をそれぞれ長方形
状としている点で相違する。この場合、第1アーム導波
路7のコア部の長方形状の断面における基板に垂直な辺
の長さaと、基板に平行な辺の長さbとのアスペクト比
a/bは1未満である。これによって、第1のアーム導
波路7において、互いに実質的に直交する2つの偏光で
あるTM偏光とTE偏光のうち、TE偏光の屈折率n
TE0(1)のほうがTM偏光の屈折率n M0(1)
より大きくなる。一方、第2のアーム導波路8において
は、コア部の長方形状の断面におけるアスペクト比a/
bは1を超える。これによって、第2のアーム導波路8
において、TM偏光の屈折率nTM0(2)のほうがT
E偏光の屈折率nTE0(2)より大きくなる。以上の
関係は、下記の関係式で表わすことができる。 nTE0(1)>nTM0(1) (16) nTE0(2)<nTM0(2) (17)
【0048】この光導波路型スイッチ装置では、上記式
(16)、(17)の関係を有する各偏光の屈折率と、
2本のアーム導波路の長さL、Lを適宜選択するこ
とにより、TM偏光とTE偏光のそれぞれの光路長差Δ
(nL)は、第1のアーム導波路を基準にして、 Δ(nL)TM<0 (18) Δ(nL)TE>0 (19) |Δ(nL)TM|=|Δ(nL)TE| (20) を満たすように調整している。
【0049】このように、この光導波路型スイッチ装置
では、スイッチオフ動作において、TE偏光の光路長差
Δ(nL)TEを正の値、TM偏光の光路長差Δ(n
L) を負の値とし、その絶対値を実質的に等しくあ
らかじめ調整している。これによって、スイッチオフ動
作では、各偏光の光路長差の絶対値が実質的に等しいの
で出力光は偏波依存性を有しない。また、スイッチオン
動作では、ヒータ電力を増していくと、上記2つの偏光
の出力光強度の変化は、図8に示すように、出力ポート
が切り替わるスイッチング電力が互いに近くなる。具体
的には、TM偏光の出力強度は最大となった後、減少し
ていき、スイッチング電力Pswで最小となる。一方、
TE偏光の出力光強度は、ヒータ電力を増すとともに減
少していき、TM偏光の出力光強度の変化曲線と2回交
差した後、最小となる。また、上記2つの偏光の光路長
差とヒータ電力との関係から説明すると、スイッチオフ
時に、TE偏光の光路長差を正の値、TM偏光の光路長
差を負の値にあらかじめ調整しておくことで、図9に示
すように、ヒータ電力を増すにつれてTM偏光の光路長
差がTE偏光の光路長差に近づき、次いで交差し、その
後、TM偏光の光路長差のほうが大きくなる。そのた
め、互いに実質的に直交する2つの偏光について、光路
長差がλ/2に等しくなるスイッチング電力Pswのず
れはさらに小さくなる。これによって、出力光の偏波依
存性を低減できる。なお、この場合、スイッチオン動作
は、TM偏光とTE偏光の出力光強度が実質的に等しく
なる場合(Pon)とすることができる。
【0050】実施の形態4.本発明の実施の形態4に係
る光導波路型スイッチ装置は、2本のアーム導波路のう
ち少なくとも一方のアーム導波路に応力を付与して複屈
折を付与し、させている。これによって、第1アーム導
波路上に設けた薄膜ヒータがオフ状態の場合に、2本の
アーム導波路間で互いに実質的に直交する2つの偏光に
ついての光路長差を調整することができる。
【0051】この光導波路型スイッチ装置は、実施の形
態1及び実施の形態2に係る光導波路型スイッチ装置と
比較すると、図10の(a)の平面図と(b)の断面図
に示すように、第2のアーム導波路8の上に応力24を
付与するアモルファスシリコンからなる応力付与膜26
を設けている点で相違する。このアモルファスシリコン
膜26は、第2のアーム導波路8のコア部15bに引っ
張り応力を印加するため、スイッチオフ時でのTM偏光
の屈折率nTM0(2)が減少する。これによって第2
のアーム導波路8に複屈折を付与している。この場合、
応力付与膜26にエキシマレーザ光を照射してレーザト
リミングにより、応力を付与する範囲を調整し、複屈折
の程度を調整してもよい。
【0052】次に、この光導波路型スイッチ装置10の
製造方法は、実施の形態1に係る光導波路型スイッチ装
置10の製造方法と比較すると、図10の(a)の平面
図と(b)の断面図に示すように、第2のアーム導波路
8の上にアモルファスシリコン膜からなる応力付与膜2
6をイオンミリングによってパターン加工している点で
相違する。なお、この応力付与膜26は、イオンミリン
グに限られず、通常用いることのできる薄膜形成方法で
形成してもよい。
【0053】実施の形態5.本発明の実施の形態5に係
る光導波路型スイッチ装置は、第1と第2の方向性結合
器の間に位置する2本のアーム導波路のうち、第2のア
ーム導波路に紫外光を照射して複屈折を付与し、互いに
実質的に直交する2つの偏光について、光路長差を調整
している。具体的には、スイッチオフ動作において、第
1のアーム導波路を基準として、上記2つの偏光のう
ち、TE偏光の光路長差は正、TM偏光の光路長差は負
とし、これらの絶対値を実質的に等しく調整している。
さらに、スイッチオン動作において上記2つの偏光の光
路長差がλ/2となるスイッチング電力を実質的に等し
くなるように、スイッチオフ時の光路長差をそれぞれあ
らかじめ所定の値に調整している。これによって、スイ
ッチオフ動作において出力光に偏波依存性を有しないと
共に、スイッチオン動作においても偏波依存性を有しな
い出力光を得ることができる。
【0054】この光導波路型スイッチ装置10は、実施
の形態1に係る光導波路型スイッチ装置と比較すると、
図11の(a)の平面図と(b)の断面図に示すよう
に、あらかじめ第2のアーム導波路8に紫外光を照射し
て複屈折を付与している点で相違する。さらに、スイッ
チオフ時で、互いに実質的に直交する2つの偏光につい
て、光路長差の絶対値を実質的に等しく調整している。
具体的には、 Δ(nL)TM0<0 (21) Δ(nL)TE0>0 (22) |Δ(nL)TM0|=|Δ(nL)TE0| (23) に調整している。
【0055】一方、スイッチオン動作においても、上記
2つの偏光の光路長差を互いに等しく、しかもλ/2と
なるように、あらかじめ調整している。具体的には、 Δ(nL)TM=Δ(nL)TE=λ/2 (24) の関係となるようにスイッチオフ時にあらかじめ調整し
ている。
【0056】ここで、互いに実質的に直交する2つの偏
光の光路長差は、上述の通り、 Δ(nL)TM=(nTM(1)L−nTM(2)L)より Δ(nL)TM=αTMΔT・L+Δ(nL)TM0・・・(25) Δ(nL)TE=(nTE(1)L−nTE(2)L)より Δ(nL)TE=αTEΔT・L+Δ(nL)TE0・・・(26) とそれぞれ表わされる。
【0057】そこで、この光導波路型スイッチ装置10
では、上記式(23)、(24)、(25)及び(2
6)より、スイッチオン時に上記式(24)を満たすよ
うに、スイッチオフ時の光路長差をあらかじめ調整して
おく。具体的には、スイッチオフ時の各偏光の光路長差
を、それぞれあらかじめ下記式を実質的に満足するよう
に所定の値に調整しておく。 Δ(nL)TM0=−λ(αTM−αTE)/(2(αTM+αTE)) ( 27) Δ(nL)TE0=λ(αTM−αTE)/(2(αTM+αTE)) (2 8)
【0058】この光導波路型スイッチ装置10では、上
記の通り、スイッチオフ時における上記2つの偏光の光
路長差を上記式(27)、(28)を満足するように所
定の値に調整しておく。これにより、図12に示すよう
に、スイッチオフ動作においてTM偏光とTE偏光の出
力光強度は、実質的に等しいと共に、スイッチオン動作
においても、TM偏光とTE偏光の出力光強度を実質的
に等しくすることができる。この場合、図13の始点及
び図14の(a)に示すように、TM偏光とTE偏光の
それぞれの光路長差は、スイッチオフ動作において、そ
れぞれ負の値と、正の値と異なる符号であるが、その絶
対値は実質的に等しい。また、上述のように、このスイ
ッチオフ時の光路長差を所定の値に調整しておくことに
より、スイッチオン動作においては、図13及び図14
の(b)に示すように、光路長差がλ/2となって出力
ポートが切り替わるスイッチング電力Pswを各偏光に
ついて実質的に一致させることができる。なお、スイッ
チオフ時の各偏光の光路長差は、屈折率の温度変化が線
形である場合には、上記式(27)及び式(28)に規
定される値をとるのが好ましい。また、屈折率の温度変
化が線形でない場合には、屈折率の温度変化に応じて規
定される所定の値に調整するのが好ましい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る光導波
路型スイッチ装置によれば、スイッチオフ時において、
第1と第2の方向性結合器の間に位置する2本の光導波
路について、互いに実質的に直交する2つの偏光におけ
る光路長差の絶対値を実質的に等しく調整している。こ
れによって、スイッチオフ動作において、偏波依存性を
有しない出力光を得ることができると共に、スイッチオ
ン動作においては、スイッチング電力のずれを小さく
し、出力光における偏波依存性を低減できる。
【0060】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置によれば、2本の光導波路間について、光を入力させ
た光導波路を基準にして、上記2本の光導波路間でのT
E偏光の光路長差は正の値に調整されている。これによ
って、スイッチオン動作において、互いに実質的に直交
する2つの偏光におけるスイッチング電力のずれを小さ
くし、出力光の偏波依存性を低減できる。
【0061】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置によれば、2本の光導波路間について、光を入力さ
せた光導波路を基準にして、上記2本の光導波路間での
互いに実質的に直交する2つの偏光の光路長差は正の値
に調整されている。これによって、スイッチオン動作に
おいて、互いに実質的に直交する2つの偏光におけるス
イッチング電力のずれを小さくし、出力光の偏波依存性
を低減できる。
【0062】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置によれば、2本の光導波路間について、光を入
力させた光導波路を基準にして、上記2本の光導波路間
での互いに実質的に直交する2つの偏光の光路長差は、
一方が正の値、他方が負の値に調整されている。これに
よって、スイッチオン動作において、互いに実質的に直
交する2つの偏光におけるスイッチング電力のずれを小
さくし、出力光の偏波依存性を低減できる。
【0063】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置によれば、スイッチオフ動作において、2本の光導波
路間について、互いに実質的に直交する2つの偏光の光
路長差は、伝搬する光の波長をλとしてλ/2の整数倍
となるように実質的に調整されている。これによって、
スイッチオフ動作において、偏波依存性を有しない出力
光を得られる。
【0064】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置によれば、スイッチオン動作において、2本の光導
波路間について、互いに実質的に直交する2つの偏光の
光路長差は、その絶対値を実質的に等しくなるように、
あらかじめスイッチオフ時に上記2つの偏光の光路長差
は調整されている。これによって、スイッチオン動作で
偏波依存性を有しない出力光が得られる。
【0065】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置によれば、スイッチオン動作において、2本の
光導波路間について、互いに実質的に直交する2つの偏
光の光路長差は、伝搬する光の波長をλとしてλ/2の
整数倍となるように、あらかじめスイッチオフ時におけ
る各偏光の光路長差は調整されている。これによって、
スイッチオン動作において、偏波依存性を有しない出力
光を得られる。
【0066】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置によれば、2本の光導波路のうち少なくとも一方の光
導波路にあらかじめ複屈折を付与している。これによっ
て、互いに実質的に直交する2つの偏光の光路長差を調
整し、スイッチオフ動作及びスイッチオン動作での出力
光における偏波依存性を低減できる。
【0067】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置によれば、光導波路のコア部の断面を長方形状と
し、そのアスペクト比a/bを所定の値に調整して複屈
折を付与している。これによって、互いに実質的に直交
する2つの偏光の光路長差を簡易に調整でき、出力光の
偏波依存性を低減できる。
【0068】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置によれば、応力を印加して複屈折を付与する応
力付与手段を備えている。これによって、互いに実質的
に直交する2つの偏光の光路長差を簡易に調整でき、出
力光の偏波依存性を低減できる。
【0069】本発明に係る光導波路型スイッチ装置の製
造方法によれば、第1と第2の方向性結合器の間に位置
する2本の光導波路間において、互いに実質的に直交す
る2つの偏光についての光路長差を調整するステップを
含んでいる。これによって、この製造方法で得られる光
導波路型スイッチ装置におけるスイッチオフ動作及びス
イッチオン動作での出力光における偏波依存性を低減で
きる。
【0070】また、本発明に係る光導波路型スイッチ装
置の製造方法によれば、第1と第2の方向性結合器の間
に位置する2本の光導波路の少なくとも一方の光導波路
に、あらかじめ紫外光を照射して、複屈折を付与し、互
いに実質的に直交する2つの偏光についての光路長差を
調整している。これによって、簡易に上記2つの偏光に
ついての光路長差を調整することができる。
【0071】さらに、本発明に係る光導波路型スイッチ
装置の製造方法によれば、波長100〜380nmの紫
外光を用いているので、簡易に上記2つの偏光について
の光路長差を調整することができる。
【0072】またさらに、本発明に係る光導波路型スイ
ッチ装置の製造方法によれば、光導波路のコア部の断面
を長方形状とし、そのアスペクト比a/bを適宜選択し
て複屈折を付与し、光路長差を調整している。これによ
って、2本の光導波路におけるコア部の断面のアスペク
ト比を適宜組み合わせることで、上記2つの偏光の光路
長差を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る光導波路型スイ
ッチ装置の平面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る光導波路型スイ
ッチ装置のヒータ電力と第2の出力ポート4での互いに
直交する2つの偏光についての出力光強度との関係を示
すグラフである。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る光導波路型スイ
ッチ装置の互いに直交する2つの偏光について、2本の
アーム導波路間における光路長差Δ(n・L)とヒータ
電力との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る光導波路型スイ
ッチ装置の製造方法のうち、石英系光導波路の製造プロ
セスの各段階を説明する断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1で用いるプラズマCV
D装置の概略図である。
【図6】 (a)は本発明の実施の形態1に係る光導波
路型スイッチ装置の製造方法において、第1のアーム導
波路に紫外光照射を行う箇所を示す平面図であり、
(b)は(a)のA−A’線に沿った断面図である。
【図7】 (a)は、本発明の実施の形態3に係る光導
波路型スイッチ装置の平面図であり、(b)は(a)の
B−B’線に沿った断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態3に係る光導波路型スイ
ッチ装置のヒータ電力と第2の出力ポート4での互いに
直交する2つの偏光についての出力光強度との関係を示
すグラフである。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る光導波路型スイ
ッチ装置の互いに直交する2つの偏光について、2本の
アーム導波路間における光路長差Δ(n・L)とヒータ
電力との関係を示すグラフである。
【図10】 (a)は本発明の実施の形態4に係る光導
波路型スイッチ装置の平面図であり、(b)は(a)の
C−C’線に沿った断面図である。
【図11】 (a)は本発明の実施の形態5に係る光導
波路型スイッチ装置の製造方法において、第2のアーム
導波路に紫外光照射を行う箇所を示す平面図であり、
(b)は(a)のD−D’線に沿った断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態5に係る光導波路型ス
イッチ装置の第2の出力ポート4での互いに直交する2
つの偏光についての出力光強度とヒータ電力との関係を
示すグラフである。
【図13】 本発明の実施の形態5に係る光導波路型ス
イッチ装置の互いに直交する2つの偏光について、2本
のアーム導波路間における光路長差Δ(n・L)とヒー
タ電力との関係を示すグラフである。
【図14】 (a)は図13のスイッチオフ時におい
て、互いに直交する2つの偏光についての2本のアーム
導波路間における光路長差の概念図であり、(b)はス
イッチオン時において、互いに直交する2つの偏光につ
いての2本のアーム導波路間における光路長差の概念図
である。
【図15】 従来の光導波路型スイッチ装置の平面図で
ある。
【図16】 従来の光導波路型スイッチ装置のヒータ電
力と第2の出力ポート54での出力光強度との関係を示
すグラフである。
【図17】 図16の出力光強度に偏波依存性がある場
合におけるヒータ電力と第2の出力ポート54での互い
に直交する2つの偏光についての出力光強度との関係を
示すグラフである。
【図18】 従来の光導波路型スイッチ装置の互いに直
交する2つの偏光について、2本のアーム導波路間にお
ける光路長差Δ(n・L)とヒータ電力との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 第1の入力ポート、2 第2の入力ポート、3 第
1の出力ポート、4 第2の出力ポート、5 第1の方
向性結合器(分岐部)、6 第2の方向性結合器(合波
部)、7 第1のアーム導波路、8 第2のアーム導波
路、9 ヒータ、10 光導波路型スイッチ装置、11
基板、12 クラッド部、12a アンダークラッ
ド、12b オーバクラッド、13 コア膜、14 ク
ロムマスク、15、15a、15b コア部、20 紫
外光、22 紫外光照射部、24 応力、26 アモル
ファスシリコン膜、30 プラズマCVD装置、31
上部シャワー電極、32 高周波電極、33 マッチン
グ回路、34 高周波電源、35、36、37 原料容
器、38 酸素ガス供給ポート、39、40、41、4
2 マスフローコントローラ、43 反応容器、44
基板、45 プラズマ、46 真空排気系、51 第1
の入力ポート、52 第2の入力ポート、53第1の出
力ポート、54 第2の出力ポート、55 第1の方向
性結合器(分波部)、56 第2の方向性結合器(合波
部)、57 第1のアーム導波路、58第2のアーム導
波路、59 ヒータ、60 光導波路型スイッチ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 繁 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 星崎 潤一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高林 正和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大平 卓也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松本 貞行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KB04 NA01 PA00 RA08 TA22 2K002 AA02 AA04 AB04 BA13 CA15 DA07 DA08 EA04 EA05 FA05 GA01 HA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の光導波路の所定の2箇所を近接さ
    せることによりそれぞれ形成された第1と第2の方向性
    結合器と、 前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する2本の
    光導波路のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変化
    させて、光を出力させる光導波路を一方から他方に切り
    替える温度可変手段とを備え、 前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの
    偏光について、前記第1と第2の方向性結合器との間に
    位置する前記2本の光導波路間における前記2つの偏光
    の光路長差は、その絶対値が実質的に等しくなるように
    調整されたことを特徴とする光導波路型スイッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させる前において、 前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの
    偏光であるTM偏光とTE偏光のうちのTE偏光につい
    て、光を入力した光導波路を基準として、前記第1と第
    2の方向性結合器との間に位置する前記2本の光導波路
    間における前記TE偏光の光路長差は、正の値に調整さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の光導波路型スイ
    ッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させる前において、 前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの
    偏光について、光を入力した光導波路を基準として、前
    記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前記2本
    の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差は、そ
    れぞれ正の値に調整されたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の光導波路型スイッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させる前において、 前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの
    偏光について、光を入力した光導波路を基準として、前
    記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前記2本
    の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差は、一
    方が正の値、他方が負の値にそれぞれ調整されたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路型スイッチ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させる前において、 前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前記2
    本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差は、
    伝搬する光の波長λについて、それぞれλ/2の整数倍
    に実質的に等しくなるように調整されたことを特徴とす
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の光導波路型ス
    イッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させた後において、 前記光導波路を伝搬する互いに実質的に直交する2つの
    偏光について、前記第1と第2の方向性結合器との間に
    位置する前記2本の光導波路間における前記2つの偏光
    の光路長差は、その絶対値が実質的に等しくなるように
    調整されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか
    一項に記載の光導波路型スイッチ装置。
  7. 【請求項7】 前記温度可変手段で前記光導波路の温度
    を変化させた後において、 前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する前記2
    本の光導波路間における前記2つの偏光の光路長差は、
    伝搬する光の波長λについて、それぞれλ/2の整数倍
    に実質的に等しくなるように調整されたことを特徴とす
    る請求項6に記載の光導波路型スイッチ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1と第2の方向性結合器との間に
    位置する前記2本の光導波路のうち少なくとも一方の前
    記光導波路にあらかじめ複屈折を付与し、互いに実質的
    に直交する2つの偏光についての光路長差を調整したこ
    とを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の
    光導波路型スイッチ装置。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも一方の光導波路は、基板
    上に形成された断面が長方形状のコア部と、該コア部の
    周囲を囲むクラッド部とを備え、 前記コア部の長方形状の断面における前記基板に垂直な
    辺の長さaと、前記基板に平行な辺の長さbとのアスペ
    クト比a/bを所定の値になるように調整して複屈折を
    前記光導波路に付与したことを特徴とする請求項8に記
    載の光導波路型スイッチ装置。
  10. 【請求項10】 前記第1と第2の方向性結合器との間
    に位置する前記2本の光導波路のうち少なくとも一方の
    前記光導波路は、前記光導波路に応力を印加して複屈折
    を付与する応力付与手段をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項8又は9に記載の光導波路型スイッチ装置。
  11. 【請求項11】 2本の光導波路の所定の2箇所を近接
    させて第1と第2の方向性結合器を形成する工程と、 前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する2本の
    光導波路のうち少なくとも一方の光導波路の温度を変化
    させる温度可変手段を設ける工程とを含む光導波路型ス
    イッチ装置の製造方法であって、 前記第1と第2の方向性結合器との間に位置する2本の
    光導波路間において、互いに実質的に直交する2つの偏
    光についての光路長差をあらかじめ調整する工程をさら
    に含むことを特徴とする光導波路型スイッチ装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記2つの偏光についての光路長差を
    あらかじめ調整する工程は、 前記2本の光導波路のうち少なくとも一方の光導波路に
    あらかじめ紫外光を照射して複屈折を与え、前記2つの
    偏光についての光路長差をあらかじめ調整することを特
    徴とする請求項11に記載の光導波路型スイッチ装置の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記紫外光の波長は、100nm以
    上、且つ、380nm以下の範囲内にあることを特徴と
    する請求項12記載の光導波路型スイッチ装置の製造方
  14. 【請求項14】 前記光導波路は、基板上に形成したコ
    ア部と、該コア部の周囲を囲むクラッド部とを備え、 前記2つの偏光についての光路長差をあらかじめ調整す
    る工程は、前記コア部の断面を長方形状とし、前記コア
    部の長方形状の断面における前記基板に垂直な辺の長さ
    aと、前記基板に平行な辺の長さbとのアスペクト比a
    /bを、前記2本の光導波路でそれぞれ互いに異なる値
    に形成することを特徴とする請求項11から13のいず
    れか一項に記載の光導波路型スイッチ装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007163825A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 導波路型熱光学回路
JP2007256510A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 導波路型偏波分離・合成器
JP2011197700A (ja) * 2004-08-04 2011-10-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 光回路装置

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