JP2001330742A - 導波路型光デバイスとその製造方法 - Google Patents

導波路型光デバイスとその製造方法

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JP2001330742A
JP2001330742A JP2000147975A JP2000147975A JP2001330742A JP 2001330742 A JP2001330742 A JP 2001330742A JP 2000147975 A JP2000147975 A JP 2000147975A JP 2000147975 A JP2000147975 A JP 2000147975A JP 2001330742 A JP2001330742 A JP 2001330742A
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waveguide
optical device
type optical
ultraviolet light
light
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JP2000147975A
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Hajime Takeya
元 竹谷
Kiichi Yoshiara
喜市 吉新
Masakazu Takabayashi
正和 高林
Sadayuki Matsumoto
貞行 松本
Eiichi Nagao
栄一 永尾
Takeshi Maekawa
武之 前川
Junichiro Hoshizaki
潤一郎 星崎
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い歩留りで製造することが可能な、低コス
トで、大きな偏光分離機能を有する導波路型偏光分離素
子及び偏光依存性の小さな3dBカプラ等の導波路型光
デバイスとその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板9上に形成された2本の光導波路
2,3を互いに近接してなる近接部を有して構成された
方向性結合器5を備えた導波路型光デバイスを提供す
る。ここで、近接部における少なくとも1本の光導波路
に紫外光を照射して方向性結合器を通過する光の互いに
実質的に直交する2つの偏光成分の結合度を調整する。
各導波路2,3は、長方形状の断面を有するコア部6,
7と、クラッド部8とを備え、好ましくは、近接部にお
ける導波路2,3のコア部6,7の長方形状の断面の基
板9に垂直な辺の長さaと、基板に平行な辺の長さbと
のアスペクト比a/bが所定値のコア部6,7を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光計測や光通信に
用いることのできる導波路型光デバイス及びその製造方
法、特に、導波路型偏光分離素子、3dBカプラ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光計測や光通信用の導波路型光デバイス
に関する従来の技術には、例えば、特開平9−2367
18号公報に示された導波路型偏光分離素子がある。図
14(a)、(b)は本従来例の平面図及び断面図であ
る。図14中の51は基板、52、53は光導波路を示
すもので、光導波路52、53により方向性結合器が形
成される。
【0003】本従来例では、方向性結合器を構成する5
2、53の光導波路の内、一方の導波路(以下、第1の
導波路という)が複屈折を有するように形成し、一方の
偏光成分に関して第1の導波路における伝搬定数と他方
の導波路(以下、第2の導波路という)における伝搬定
数とが一致するようにしたものである。
【0004】前記構成とすることによって、複屈折性を
有する第1の導波路中を伝搬する二つの偏光成分の内、
一方の偏光成分は、第2の導波路の伝搬定数と一致して
いるために、この偏光成分は、一定の周期でパワーが2
つの導波路間を移行しながら伝搬する。そのため、方向
性結合器部に適当な光路長を設定することによって、出
射口53bにおいて、一方の偏光の最大パワーを得るこ
とができるので、一方の偏光を他方の偏光と分離するこ
とができる。また、一方の偏光成分に関する結合長と他
方の偏光成分に関する結合長との比に、特定の奇数値を
乗じた値が偶数値になるように光導波路を形成すること
によって、偏光の分離機能を高めるものである。ここで
本従来例では、図14(b)に示したように、導波路の
コアの上面に高屈折率材料の薄膜54を形成すること、
及び、導波路コア部の幅(W1、W2)を制御すること
によって光導波路に複屈折性を持たせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の導波路
型偏光分離素子は、一方の単一モード導波路に複屈折性
を持たせるために、この導波路上又は側面等に使用した
導波路材料よりも屈折率の高い材料の膜を形成する必要
があること、さらに、方向性結合器を構成する導波路の
線幅を調整することで、伝搬定数を調整する必要がある
こと等、製造プロセスが複雑であり、その製造が困難で
あるという問題があった。
【0006】さらに、大きな消光比の偏光分離機能を得
るためには高屈折率層の膜厚や導波路幅などを、精度良
く設計通りのデバイス形状を形成することが必要で、高
い歩留まりでこれらのデバイスを作製することは困難で
あるという問題があった。
【0007】また、偏光依存性の少ない3dBカプラを
得るためには偏光無依存性とするために導波路のコア部
断面を正方形とする必要がある。しかし、導波路のコア
部断面を幾何学的な正方形に精度よく作成することは困
難であって、若干縦長長方形又は横長長方形となる場合
が多い。また、偏光無依存性を得るためには幾何学的な
正方形ではなく、光学的に等方性であることが必要であ
る。そのため、たとえコア部断面を幾何学的にほぼ正方
形とすることができたとしても、作成時及び残存応力等
による歪み等のために光学的な等方性を確保することは
通常困難とされている。そこで、偏光無依存性を得るた
めに、光学的に等方性のコア部断面を得ることが困難で
あるという問題があった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、製造プロセスを簡略化し、また、高
い歩留まりで設計通りの特性を有する、大きな消光比の
導波路型偏光分離素子、及び、光学的に等方性のコア部
断面を有し、偏光依存性の小さな3dBカプラ等の導波
路型光デバイスを得ることを目的とする。さらに、前記
導波路型光デバイスに適した製造方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る導波路型光
デバイスは、基板上に形成された2本の光導波路を互い
に近接してなる近接部を有して構成された方向性結合器
を備えた導波路型光デバイスであって、前記近接部にお
ける少なくとも1本の光導波路に紫外光を照射して前記
方向性結合器を通過する光の互いに実質的に直交する2
つの偏光成分の結合度を調整したことを特徴とする。
【0010】さらに、前記導波路型光デバイスであっ
て、前記各導波路は、長方形状の断面を有するコア部
と、クラッド部とを備え、前記近接部における導波路の
コア部の長方形状の断面における前記基板に垂直な辺の
長さaと、前記基板に平行な辺の長さbとのアスペクト
比a/bが0.25以上でかつ4以下になるようにコア
部を形成したことを特徴とする。
【0011】またさらに、前記導波路型光デバイスであ
って、前記アスペクト比は1以上でかつ4以下であり、
前記紫外光照射をすることにより前記2つの偏光成分の
消光比を所定値に設定したことを特徴とする。
【0012】また、前記導波路型光デバイスであって、
前記アスペクト比は0.25以上でかつ1以下であり、
前記紫外光照射をすることにより前記2つの偏光成分の
偏波依存性損失を所定値に設定したことを特徴とする。
【0013】さらに、前記導波路型光デバイスであっ
て、前記紫外光の波長は、100乃至240nmの範囲
から選択したことを特徴とする。
【0014】またさらに、前記導波路型光デバイスであ
って、前記紫外光を照射する前に、前記導波路型光デバ
イスに高圧水素処理を行なうことを特徴とする。
【0015】また、前記導波路型光デバイスであって、
前記近接部における少なくとも1本の導波路のコア部に
添加される添加材料の濃度を所定の方向で変化させるこ
とにより、前記コア部の屈折率が前記方向で変化する屈
折率分布を形成したことを特徴とする。
【0016】さらに、前記導波路型光デバイスであっ
て、前記コア部及び前記クラッド部は石英系材料からな
ることを特徴とする。
【0017】またさらに、前記導波路型光デバイスであ
って、前記導波路型光デバイスを用いて形成され、少な
くとも1つの入力ポートと少なくとも2つの出力ポート
を有する導波路型偏光分離素子を備え、前記2つの出力
ポートに積層型偏光子を設けたことを特徴とする。
【0018】本発明に係る導波路型光デバイスの製造方
法は、基板上に形成された2本の光導波路の近接部を互
いに近接してなる近接部を有して構成された方向性結合
器を備えた導波路型光デバイスの製造方法であって、前
記近接部における少なくとも1本の光導波路に紫外光を
照射して前記方向性結合器を通過する光の互いに実質的
に直交する2つの偏光成分の結合度を調整するステップ
を含むことを特徴とする。
【0019】また、前記導波路型光デバイスの製造方法
であって、前記各導波路は、長方形状の断面を有するコ
ア部と、クラッド部とを備え、前記近接部における導波
路のコア部の長方形状の断面における前記基板に垂直な
辺の長さaと、前記基板に平行な辺の長さbとのアスペ
クト比a/bが0.25以上でかつ4以下になるように
コア部を形成するステップをさらに含むことを特徴とす
る。
【0020】さらに、前記導波路型光デバイスの製造方
法であって、前記アスペクト比は1以上かつ4以下であ
り、前記結合度を調整するステップは、前記紫外光照射
をすることにより前記2つの偏光成分の消光比を所定値
に設定するステップを含むことを特徴とする。
【0021】またさらに、前記導波路型光デバイスの製
造方法であって、前記アスペクト比は0.25以上でか
つ1以下であり、前記結合度を調整するステップは、前
記紫外光照射をすることにより前記2つの偏光成分の偏
波依存性損失を所定値に設定することを特徴とする。
【0022】また、前記導波路型光デバイスの製造方法
であって、前記紫外光の波長は、100〜240nmの
範囲から選択されたことを特徴とする。
【0023】さらに、前記導波路型光デバイスの製造方
法であって、前記紫外光を照射する前に、前記導波路型
光デバイスに対して高圧水素処理を行なうステップをさ
らに含むことを特徴とする。
【0024】またさらに、前記導波路型光デバイスの製
造方法であって、前記近接部における少なくとも1本の
導波路のコア部に添加される添加材料の濃度を所定の方
向で変化させることにより、前記コア部の屈折率が前記
方向で変化する屈折率分布を形成するステップをさらに
含むことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の理解を容易にするため
に、以下の実施の形態により本発明を説明する。
【0026】実施の形態1.図1(a)は、本発明の一
実施の形態である実施の形態1に係る導波路型光デバイ
スである導波路型偏光分離素子1の構成を示す平面図で
ある。実施の形態1に係る導波路型偏光分離素子1は、
基板9上に2本の光導波路2、3を近接させて構成した
方向性結合器5を備えている。方向性結合器5を含む斜
線で示す部分の紫外光照射部4に紫外光を照射すること
によって、方向性結合器を通過する光の互いに直交する
二つの偏光成分の結合度を調整する。また、導波路型偏
光分離素子1への入力光は、入力ポート2a、3aに入
射させて、方向性結合器5を通過する入力光のうち互い
に実質的に直交する二つの偏光成分が分離されて出力ポ
ート2b、3bにそれぞれ分離されて出射する。また図
1(b)は、図1(a)中に示した一点鎖線A−A’で
の断面図である。光導波路2、3は、基板9上にアンダ
ークラッド部12を形成して、その上にコア部6、7を
形成して、コア部6、7の側面及び上面を覆うようにし
てオーバクラッド部15を形成することによって構成し
ている。ここで、アンダークラッド部12とオーバクラ
ッド部15とを合わせてクラッド部8と呼ぶ。
【0027】入力ポート2aから入射した入力光は、方
向性結合器5によって、もう一方の導波路3に移行する
ので、その移行量に対応したパワーの出力光が出力ポー
ト3bから出射し、移行しなかった残りの光が出力ポー
ト2bから出射する。方向性結合器5において移行する
光のパワーは、伝搬方向の距離に対して周期的に変化す
るので、目的とするポート2b、3bから出射する出力
光のパワーの配分比に対応する結合度は、方向性結合器
5内の近接部における長さによって変化する。また、入
力光のパワーがもう一方の導波路に実質的に100%移
行する方向性結合器5の長さを、結合長と呼んでいる。
ここで、結合長は導波路のサイズや、実効屈折率によっ
て変化する。
【0028】なお、各出力ポート2b、3bから出射す
る出力光のパワーの配分比である結合度は、各出力ポー
ト2b、3bでのパワーの大きい出力光をP(ma
x)、パワーの小さい出力光をP(min)とすると、
下記式
【数1】 で表わされる。また、各偏光成分についての実効屈折率
が異なる場合にはその結合長が異なるため、同一の長さ
の方向性結合器5における結合度は各偏光成分で異なる
こととなる。
【0029】本実施の形態1における導波路型偏光分離
素子においては、図1(b)に示した断面のように、光
を伝搬するコア部6、7は正方形の形状であり、かつ均
質なクラッド部8にこのコア部6、7が埋め込まれた構
造となっている。これにより、コア部6、7を伝搬する
各偏光成分の結合長を同一とした。ここで、導波路に紫
外光を照射すると、図2(b)に示すように、基板に平
行な電界成分を持つTE光10と、基板に垂直な電界成
分を持つTM光11の実効屈折率に差が生じる。このメ
カニズムは、図3に示したように、紫外光の照射によ
り、基板に平行な方向xと基板に垂直な方向yにおける
コア部6の実効屈折率の増加率が異なるためと考えられ
る。図3中に示したnは、互いに直交する二つの方向
x、y方向での屈折率を表わしており、紫外光照射によ
ってy方向において屈折率が変化する屈折率分布が生じ
ていることを示している。先に述べたように、方向性結
合器5における結合長は、実効屈折率によって変化する
ため、紫外光の照射によって各偏光成分の結合長が異な
り、つまり同一の長さの方向性結合器5における各偏光
成分の結合度が異なることとなる。なお、本実施の形態
1におけるTM光10とTE光11との実効屈折率差
は、約0.0002程度であった。
【0030】本実施の形態1の導波路型偏光分離素子に
おいて、その導波路の垂直な断面でのコア部断面が正方
形のものについて説明したが、本発明に係る導波路型光
デバイスはこれに限られず、コア部断面が長方形のもの
を用いることができる。コア部6、7断面の長方形につ
いて、基板9に垂直な辺の長さaと基板に平行な辺の長
さbとのアスペクト比a/bは0.25以上で、且つ、
4以下であるのが好ましい。
【0031】実施の形態1における導波路型偏光分離素
子の場合には、コア部及びクラッド部が石英系材料から
なり、導波路型偏光分離素子の近接部における導波路の
各組成について、コア部6、7の組成は、SiO2を主
成分としており、Geを好ましくは3〜40wt%、さ
らに好ましくは5〜40wt%含んでおり、また、ホウ
素やリンを含んでいてもよい。ホウ素を含む場合には1
0wt%以下が好ましい。リンを含む場合には15wt
%以下が好ましい。また、アンダークラッド部12の組
成は、SiO2を主成分としており、ホウ素やリンを含
んでいてもよい。ホウ素を含む場合には10wt%以下
が好ましい。リンを含む場合には15wt%以下が好ま
しい。また、オーバクラッド部15の組成は、SiO2
を主成分としており、流動性付与のためにホウ素やリン
を含んでいてもよい。ホウ素を含む場合には10wt%
以下が好ましい。リンを含む場合には15wt%以下が
好ましい。
【0032】なお、本実施の形態1においては、石英系
光導波路からなる導波路型偏光分離素子を用いて本発明
を説明したが、本発明はこれに限られず、紫外光を照射
することによって各偏光成分の結合度を調整することが
できる材料からなる光導波路であれば用いることができ
る。例えば、有機系の材料として、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)やポリイミド等を用いてもよい。
【0033】また、本実施の形態1の導波路型偏光分離
素子では、各偏光成分の結合長を調整することにより、
方向性結合器5内の近接部における長さが一方の偏光成
分についての結合長の奇数倍にあたる場合には、その偏
光成分が一方の導波路に実質的に完全に移行し、このと
き同時に近接部の長さがもう一方の偏光成分についての
結合長の偶数倍にあたる場合には、もう一方の偏光成分
がもう一方の導波路に実質的に完全に移行するので、そ
れぞれの偏光成分を分離することができる。
【0034】本実施の形態1においては、方向性結合器
5を含む紫外線照射部4に、紫外光を照射しながら、図
6に示すように出力ポート2b、3bから出射する出力
光の各偏光成分の光強度をモニターする。すると、紫外
光の照射量が多くなるに従って、2つの出力ポート2
b、3bから出射する各偏光成分の光強度比が変わり、
消光比が最大となる時点で照射を終了することによっ
て、導波路型偏光分離素子を得ることができる(図6
(b))。
【0035】なお、図6では、紫外光照射前の状態とし
て、出力ポート2bから出射する出力光がほぼ100%
の光強度であって、出力ポート3bから出射する出力光
がほぼ0%の光強度となるようにあらかじめ調整した場
合について本発明を説明したが、本発明はこれに限られ
ず、紫外光照射前の各出力ポートへの配分、は任意であ
り、また、各偏光成分の結合度も任意とすることができ
る。
【0036】以下に、本実施の形態1における導波路型
偏光分離素子の製造方法について図4、図5を用いてよ
り詳細に説明する。
【0037】図4は、本実施の形態1における導波路型
偏光分離素子の作製プロセスを示したものである。図4
を用いて作製プロセスを説明する。 (a)基板9を用意し、(b)まず、基板9上にアンダ
ークラッド膜12およびコア膜13を形成する。 前記コア膜13は、アンダークラッド膜12よりも屈折
率を高くするために、Geを約10重量%ドープしてい
る。 (c)次いでフォトリソグラフィ法を用いてクロムパタ
ーニングを行うことにより、コア膜13上にクロムマス
ク14を形成し、 (d)上記クロムマスク14を用いてRIE(Reac
tive ion etching)法よりアンダーク
ラッド膜12上に所望の形状を有するコア部6を形成す
る。 (e)その後、コア部6及びアンダークラッド膜12上
にオーバークラッド膜15を成膜し、大気中950℃に
て4時間の熱処理を行って基板9上に導波路型偏光分離
素子を形成した。
【0038】図5は、アンダークラッド膜12、コア膜
13及びオーバークラッド膜15の形成に用いたプラズ
マCVD(Chemical Vapor Depos
ition)装置20の模式図を示したものである。図
5において22はシリコン源の原料容器、23はゲルマ
ニウム源の原料容器、24はボロン源の原料容器、25
は酸素ガス、26はマスフローコントローラ、27は反
応容器、28はプラズマ、29はノズル、30は基板、
31は基板ヒータ、32はオートマッチングユニット、
33は高周波電源、34は排気を示したものである。
【0039】膜の屈折率は、原料容器22、23、24
の流量比をマスフローコントローラ26によって変える
ことにより膜の組成を制御して変化させることができ
る。ゲルマニウム濃度を高くすることによって屈折率を
高く調整することができる。次にこのコア膜13を、フ
ォトリソグラフィ、RIEによって加工し、さらに埋め
込みのための成膜を行って導波路の形状とした。
【0040】次に、方向性結合器5を構成する2本の導
波路の近接部を含む紫外線照射部4に紫外光として波長
193nmのArFエキシマレーザー光を照射して各偏
光成分の結合度を調整した。各偏光成分の結合度の調整
は、入力ポート2aに入力光を入射して、紫外線照射部
4に紫外光を照射して2つの出力ポート2b、3bから
出射する出力光の偏光成分の光強度をモニタすることに
より行なった。偏光成分の光強度のモニタは、偏光子付
きの偏波面保存ファイバを出射ポート2b、3bに接着
し、偏光子を通過する出力光の強度を測定することによ
り行なった。偏光子の方向として、出力ポート2bに設
ける偏光子はTM光が通過する方向、出力ポート3bに
設ける偏光子はTE光が通過する方向とし、2つの出力
ポート2b、3bから出射する偏光成分が直交するよう
に設置した。
【0041】上記の状態でArFエキシマレーザー光を
照射したところ、各偏光子を通過する光強度は、図6
(a)に示すように照射時間とともに変化した。図6
(b)に示すように、2つの偏光成分のうち、出力ポー
ト2bでTM光の光強度が最大となり、出力ポート3b
でTE光の光強度が最大となる時に、ArFエキシマレ
ーザー光の照射を終了することにより、出力ポート2
b、3bからそれぞれ異なる2つの偏光成分がほぼ単独
で出射していた。
【0042】ここで、各出力ポート2b、3bでのTM
光の光強度P(2b)、P(3b)について、P(2
b)、P(3b)のうち大きな光強度をP(max)、
小さい光強度をP(min)とした場合に、TM光の消
光比を下記式
【数2】 で表わすと、各出力ポート2b、3bでのTM光の光強
度PTM(2b)、PTM(3b)について、PTM(2b)
>PTM(3b)の場合にTM光の消光比は(10log
10(PTM(2b)/PTM(3b))で表わされて、20
dB以上が得られた。一方、各出力ポート2b、3bで
のTE光の光強度PTE(2b)、PTE(3b)につい
て、PTE(2b)<PTE(3b)の場合にTE光の消光
比は(10log10(PTE(3b)/PTE(2b))で
表わされて、20dB以上が得られ、良好な偏光分離機
能を有していることが分かった。
【0043】なお、本実施の形態1に係る導波路型偏光
分離素子において、TM光の消光比及びTE光の消光比
は、いずれも20dB以上が好ましい。この場合、偏光
成分分離用としては、TM光とTE光のそれぞれの各出
力ポートへの出力光のうち光強度の大きい出力ポートは
互いに異なるものである。
【0044】なお、本実施の形態1の導波路型偏光分離
素子では、紫外光の照射を方向性結合器である2本の導
波路の近接部全体にわたって行なったが、本発明はこれ
に限られず、近接部のいずれか一方の導波路に紫外光の
照射を行なうことにより各偏光成分の結合度を調整して
もよい。
【0045】なお、紫外光よりも波長の長い光を照射す
ることによっても屈折率変化を誘起させることはできる
が、非常に長時間を要し、変化量もごくわずかなので、
TM光とTE光との実効屈折率の増加率に異方性を付与
するためには吸収率が大きい波長100〜240nm以
下の紫外光を使用するのが好ましい。また、特に、吸収
率が大きい波長150〜200nmの真空紫外光を使用
するとより短時間に各偏光成分の結合度を調整できるの
でさらに好ましい。このような波長の光源としてはAr
Fエキシマレーザ(波長193nm)のほかに、ArC
l(波長165〜190nm)、Xe2(波長170〜
190nm)、Hg(波長185nm)、D2(波長1
50〜250nm)、KrCl(波長200〜240n
m)を使用したレーザやランプあるいはNd:YAGレ
ーザの第5高調波(波長213nm)などがあり、これ
らのいずれを用いることもできる。また、レーザ以外の
光源としてXeの誘電体バリア放電型エキシマランプ
(波長170〜190nm)を用いることもできる。ま
た、紫外光の照射時間は、好ましくは、1分から1時間
程度である。
【0046】実施の形態2.図7(a),(b)は本発
明の一実施の形態である実施の形態2を説明するための
図である。本実施の形態2においては、実施の形態2に
係る導波路型偏光分離素子の方向性結合器5から出力ポ
ート2b、3bへつながる導波路端部に溝40を形成
し、この溝40に積層型偏光子41、42を挿入した。
図8は積層型偏光子の原理図を示したものである。図8
において、43は金属膜、44は誘電体膜、45は入力
光である。図8に示したように、入射するTE光、TM
光の内、偏光の方向が金属膜の方向と垂直の方向である
TM光のみが積層型偏光子を通過することができる。こ
の積層型偏光子の厚みは約30μmと非常に薄くできる
ことが特徴である。
【0047】ダイシングソーにより、導波路の出力側に
溝40を形成した。幅は、積層型偏光子の厚みよりわず
かに広い約35μmであり、深さは約100μmであ
る。積層型偏光子41を光導波路2の出力ポート2bに
設けた溝40に挿入し、積層型偏光子42を光導波路3
の出力ポート3bに設けた溝40に挿入した。積層型偏
光子41、42は、導波路を伝搬するTE光、TM光の
内、各出力ポートで光量の多い偏光成分の光を透過させ
てそれ以外の偏光成分等の漏れ光をカットする方向に挿
入し、且つ、2つの積層型偏光子41、42を透過する
偏光の方向が互いに直交するように設置した。
【0048】このように方向性結合器5に積層型偏光子
41、42を設けることにより、設けない場合と比べ
て、消光比が35dB以上の導波路型偏光分離素子とす
ることができて、2つの出力ポート2b、3bから出射
する出力光の偏光成分を確実に分けることができた。
【0049】この場合、積層型偏光子41、42を設け
た導波路型偏光分離素子は、消光比が好ましくは30d
B以上、さらに好ましくは35dB以上を有するもので
ある。
【0050】実施の形態3.図9は、実施の形態3にお
ける導波路型偏光分離素子の導波路のコア部の断面図を
表したものである。本実施の形態3においては、コア部
断面をあらかじめ縦方向の辺の長さaが横方向の辺の長
さbよりも長い(a/b>1)縦長長方形の形状に加工
し、その後、実施の形態1に示したように紫外光照射に
よって各偏光成分の結合度を調整した。図9のようなコ
ア部の断面形状の場合、紫外光照射前の導波路において
複屈折性を有しており、TM光の実効屈折率の方が大き
い。そのため、目的とする偏光分離機能を与えるために
紫外光の照射量を少なくすることができる。コア部の断
面形状以外の構成及び作製条件は、実施の形態1と同様
である。方向性結合器5を構成する2本の導波路の近接
部全体に紫外光を照射したところ、コア部の断面形状が
正方形の場合に比べて短時間で目的の偏光分離機能を与
えることができた。これにより、短時間の紫外光照射で
導波路型偏光分離素子を作製することができた。
【0051】なお、本実施の形態3における導波路型偏
光分離素子では、導波路に垂直な断面でのコア部断面の
長方形について、基板に垂直な辺の長さaと基板に平行
な辺の長さbとのアスペクト比a/bは、紫外光照射前
に複屈折性を有するものとして1以上が好ましく、コア
部形成の安定性のためには4以下になるように形成する
のが好ましい。
【0052】実施の形態4.図10は、実施の形態4に
おける導波路型3dBカプラにおける導波路のコア部の
断面図である。このように、本実施の形態4において
は、コア部をあらかじめ縦方向の辺の長さaよりも横方
向の辺の長さbが長い横長長方形(a/b<1)の形状
に加工し、その後、実施の形態1に示したように紫外光
照射によって各偏光成分の結合度を調整した。図10の
ようなコア部の断面形状の場合、紫外光照射前の導波路
において複屈折性を有しており、TE光の実効屈折率の
方が大きい。紫外光の照射によるTE光の実効屈折率の
増加率よりもTM光の実効屈折率の増加率が大きいた
め、TE光とTM光の実効屈折率が等しくなる紫外光の
照射量が存在する。
【0053】このTE光とTM光の実効屈折率が等しく
なる時に紫外光の照射を止めることによって、偏光無依
存性の3dBカプラを作ることができる。具体的には、
実施の形態1での各偏光成分の結合度についての調整の
モニタにおいて、各偏光成分の結合度が同じ値をとる
時、つまり、各出力ポートで各偏光成分が同一の光強度
となる時に紫外光の照射を止めることによってそのよう
な状態とすることができる。図11はこのようにして作
製した3dBカプラの平面図である。コア部の断面形状
以外の構成及び作製条件は、実施の形態1と同様で、図
11中に示した方向性結合器5を含む紫外線照射部4の
部分に紫外光を照射した。その結果、偏光依存性が小さ
くなったときに紫外光の照射を止めることによって、偏
波依存性損失(Polarization Depen
dent Loss:PDL)が0.1dB以下の偏光
依存性の小さな3dBカプラを作ることができた。
【0054】ここで、偏波依存性損失(PDL)とは、
一方の出力ポート2bにおいて出射する出力光における
各偏光成分の割合を下記式
【数3】 により表わしたものである。各偏光成分の割合が同程度
であるほど偏波依存性損失は小さく、0dBに近くな
る。なお、もう一方の出力ポート3bにおける偏波依存
性損失を用いて表わすこともできる。各偏光成分の結合
度がほぼ等しくなる場合にはいずれの出力ポートでの偏
波依存性損失も、符号の正負は異なるが、いずれも0d
Bに近くなる。偏波依存性損失(PDL)は、−0.5
dB〜0.5dBの範囲内が好ましく、−0.1dB〜
0.1dBの範囲内がさらに好ましい。
【0055】なお、本実施の形態4における導波路型3
dBカプラでは、導波路に垂直な断面でのコア部断面の
長方形について、基板に垂直な辺の長さaと基板に平行
な辺の長さbとのアスペクト比a/bは、0.25以上
が好ましく、紫外光照射量を少なくするために0.5以
上がさらに好ましい。また、幾何学的正方形に近いため
1以下がさらに好ましい。
【0056】実施の形態5.図12は、本発明の一実施
の形態である実施の形態5における導波路型偏光分離素
子の形成において行う高圧水素処理を概説するものであ
る。ここで、46は高圧容器、47は紫外光照射前の導
波路型光デバイス、48は重水素である。その他の作成
条件及び構成は、実施の形態1に示した導波路型偏光分
離素子と同様である。
【0057】本実施の形態5においては、図12に示し
たように圧力約147×103hPa(約150気圧)
の重水素48中に10日間程度、導波路型光デバイス4
7をいれておき、導波路、特にコア部6、7に重水素4
8を拡散させた。ここで用いた導波路型光デバイス47
は、実施の形態1の図1に示したものと同じ構成であ
り、高圧水素処理以外の他の条件及び構成は、実施の形
態1と同様である。なお、重水素ガスを高圧水素処理に
使用することにより、波長1.55μmにおけるOH吸
収による光の伝搬損失の増加を防ぐことができた。
【0058】高圧水素処理後に、導波路の方向性結合器
5部分にArFエキシマレーザを照射したところ、高圧
水素処理を行なわない場合に比べて短時間で所望の偏光
分離機能が得られることが分かった。これは、紫外光の
照射前にあらかじめ高圧水素処理を行なうことによって
単に屈折率の増加量が大きくなるだけでなく、TE光の
実効屈折率の増加率に比べてTM光の実効屈折率の増加
率がより大きくなり、複屈折性も大きくなるものと考え
られる。そこで、あらかじめ高圧水素処理を行なうこと
によって、高圧水素処理を行なわない場合に比べて、短
時間の紫外光照射、つまり紫外光照射量が少ない条件で
所望の偏光分離機能を得ることができ、導波路型偏光分
離素子の製造時間の短縮および低コスト化を実現でき
た。
【0059】なお、実施の形態における高圧水素処理に
おいては、水素(H2)、重水素(D2)のいずれか又は
水素と重水素の任意混合比の混合ガス等、いずれを用い
てもよい。また、紫外光照射による屈折率増加を妨げる
効果を示すものでない不活性ガスを混合してあってもよ
い。また、利用する波長帯が1.55μm帯である場合
には、利用する波長帯に吸収を示さない重水素を用いる
ことが好ましい。
【0060】前記高圧水素処理において、印加する圧力
は、好ましくは2×103hPa〜200×103hPa
の範囲、より好ましくは30×103hPa〜200×
10 3hPaの範囲である。また、前記高圧水素処理の
期間は、好ましくは数日から数週間、より好ましくは1
〜2週間である。
【0061】実施の形態6.図13は、実施の形態6に
おける導波路型偏光分離素子の導波路のコア部の断面図
および屈折率分布を表したものである。
【0062】まず、屈折率分布の形成方法について説明
する。膜の屈折率は、原料容器22、23、24から各
原料の流量比をマスフローコントローラ26によって変
えることにより膜の組成を制御し、変化させることがで
きる。ゲルマニウム濃度が高いほど屈折率が高くなる。
本実施の形態6における導波路の作成では、コア膜を成
膜する際に時間と共にゲルマニウム原料の流量比を増や
していき、コア膜の下部よりも上部の方の屈折率が高く
なるように制御して、厚さ方向に屈折率分布を有するコ
アを持つ導波路型光デバイスを作成した。
【0063】上記のように、紫外光照射前にコア部断面
の厚さ方向にあらかじめ、屈折率分布を作製しておくこ
とによって、複屈折性を与えることができる。さらに、
ゲルマニウムの濃度の高いものほど紫外光の照射による
屈折率の上昇量が大きいので、ゲルマニウムの濃度が高
いコアの上部とゲルマニウム濃度の低いコアの底部での
屈折率の勾配を形成することによって紫外光の照射によ
ってさらに大きくすることができる。
【0064】コア部断面の屈折率分布以外の構成及び作
製条件は、実施の形態1に示したものと同様に図1と同
様の構成の導波路型偏光分離素子を作製し、方向性結合
器5を含む紫外線照射部4に紫外光を照射したところ、
同程度の消光比を付与するために紫外光照射前に屈折率
分布がない場合に比べて照射時間を50%短縮できた。
また、本実施の形態によって、短時間の紫外光照射で、
導波路型偏光分離素子を作製することができた。
【0065】なお、本実施の形態6においてはコア部断
面に屈折率分布を付与する方法として、Geの濃度を厚
さ方向で上部のGe濃度を高くし、一方、下部のGe濃
度を低くすることにより行なっているが、本実施の形態
6に係る導波路型光デバイスはこれに限られず、Ge以
外の添加元素による屈折率分布を用いてもよい。また、
Ge以外の添加元素、例えばホウ素やリン等を補助的に
用いて屈折率分布を実現してもよい。屈折率分布は連続
的に変化させる場合以外にも段階的に変化させてもよ
い。また、屈折率分布の分布方向は厚さ方向のみならず
基板に平行な方向において設けるものであってもよく、
厚さ方向と組み合わせてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る導波
路型光デバイスによれば、導波路型光デバイスの方向性
結合器を構成する2本の導波路の近接部における少なく
とも1本の光導波路に紫外光を照射して、TE光の実効
屈折率の増加率よりTM光の実効屈折率の増加率が大き
いことを利用して各偏光成分の結合度を調整するもので
あるので、方向性結合器を構成する導波路に複屈折性を
生じさせることができ、これによって、各出力ポートか
ら出射する出力光の偏光状態を調整した導波路型光デバ
イスを得ることができる。
【0067】また、本発明に係る導波路型光デバイスに
よれば、コア部断面におけるアスペクト比が、0.25
以上でかつ4以下になるようにコア部を形成したことか
ら、良好な導波路特性を維持することができ、また、偏
光分離素子や3dBカプラ等の各種用途に応じてアスペ
クト比を適宜選択することにより、あらかじめ複屈折性
を付与することができるので、所望用途についての紫外
光照射量を調整することができる。
【0068】さらに、本発明に係る導波路型光デバイス
によれば、コア部断面におけるアスペクト比は1以上で
かつ4以下であるものに紫外光照射することにより、必
要な紫外光の照射量を少なくすることができるので、紫
外光の照射を短時間とすることができ、2つの偏光成分
の消光比を所定値に設定することができるので、異なる
出力ポートから各偏光成分についてほぼ単独で得ること
ができる高い消光比を有する偏光分離素子とすることが
できる。
【0069】またさらに、本発明に係る導波路型光デバ
イスによれば、コア部断面におけるアスペクト比が、
0.25以上でかつ1以下であるものに紫外光照射する
ことにより、必要な紫外光の照射量を少なくすることが
できるので、紫外光の照射を短時間とすることができ、
2つの偏光成分の偏波依存性損失を所定値に設定するこ
とができるので、偏波依存性の少ない3dBカプラとす
ることができる。
【0070】また、本発明に係る導波路型光デバイスに
よれば、TE光の実効屈折率の増加率よりTM光の実効
屈折率の増加率がより大きいという実効屈折率の増加率
の異方性を与えるためにより吸収率の高い紫外光に波長
100nm乃至240nmの範囲から選択するので、長
波長の光に比べてより短時間に大きな実効屈折率の増加
率の異方性を得ることができる。
【0071】さらに、本発明に係る導波路型光デバイス
によれば、紫外光を照射する前に、導波路型光デバイス
に高圧水素処理を行なうので、短時間で大きな実効屈折
率の増加率の異方性を得ることができる。
【0072】またさらに、本発明に係る導波路型光デバ
イスによれば、紫外光を照射する前に、近接部の少なく
とも1本の導波路のコア部に添加される添加材料の濃度
を所定の方向で変化させることにより、、コア部の屈折
率が前記方向で変化する屈折率分布を形成するので、前
記少なくとも1本の導波路にあらかじめ複屈折性を与え
ることができる。また、Ge濃度の分布を形成すること
により屈折率分布を形成する場合には、Ge濃度が高い
ほど屈折率が高く、しかもGe濃度が高いほど紫外光照
射によりさらに屈折率の増加率が大きくなる。このた
め、例えば、コアの上部と底部での屈折率の勾配は、紫
外光の照射によってさらに大きくすることができ、大き
な消光比の偏光分離機能を持たせる場合にはより少ない
紫外光の照射量とすることができる。
【0073】また、本発明に係る導波路型光デバイスに
よれば、コア部及びクラッド部は石英系材料からなるの
で、損失が少ない高効率の導波路型光デバイスとするこ
とができる。
【0074】さらに、本発明に係る導波路型偏光分離素
子によれば、導波路型光デバイスを用いて形成され、少
なくとも1つの入力ポートと少なくとも2つの出力ポー
トを有する導波路型偏光分離素子であって、前記2つの
出力ポートに積層型偏光子を設けているので、偏光分離
素子の各出力ポートでの漏れ光を遮断できるため、さら
に高い消光比の偏光分離機能を持つ偏光分離素子とする
ことができる。
【0075】本発明に係る導波路型光デバイスの製造方
法によれば、導波路型光デバイスの方向性結合器を構成
している2本の導波路の近接部における少なくとも1本
の光導波路に紫外光を照射した場合におけるTM光の実
効屈折率の増加率がTE光の実効屈折率の増加率より大
きいことを利用して各偏光成分の結合度を調整するもの
であるので、方向性結合器を構成する2本の導波路の近
接部に複屈折性を生じさせることができ、このため、各
出力ポートから出射する出力光の偏光状態を調整した導
波路型光デバイスを得ることができる。
【0076】また、本発明に係る導波路型光デバイスの
製造方法によれば、コア部断面におけるアスペクト比
が、0.25以上でかつ4以下になるようにコア部を形
成することから、良好な導波路特性を維持することがで
き、また、偏光分離素子や3dBカプラ等の各種用途に
応じてアスペクト比を適宜選択することにより、あらか
じめ複屈折性を付与することができるので、紫外光照射
量を調整することができる。
【0077】さらに、本発明に係る導波路型光デバイス
の製造方法によれば、コア部断面におけるアスペクト比
が、1以上でかつ4以下であるものに紫外光照射するこ
とにより、必要な紫外光の照射量を少なくすることがで
きるので、紫外光の照射を短時間とすることができ、2
つの偏光成分の消光比を所定値に設定することができる
ので、異なる出力ポートから各偏光成分についてほぼ単
独で得ることができる高い消光比を有する偏光分離素子
とすることができる。
【0078】またさらに、本発明に係る導波路型光デバ
イスの製造方法によれば、前記コア部断面におけるアス
ペクト比が、0.25以上でかつ1以下であるものに紫
外光照射することにより、必要な紫外光の照射量を少な
くすることができるので、紫外光の照射を短時間とする
ことができ、2つの偏光成分の偏波依存性損失を所定値
に設定することができるので、偏波依存性の少ない3d
Bカプラとすることができる。
【0079】また、本発明に係る導波路型光デバイスの
製造方法によれば、TE光の実効屈折率の増加率よりT
M光の実効屈折率の増加率がより大きいという実効屈折
率の増加率の異方性を与えるためにより吸収率の高い紫
外光に波長100乃至240nmのものを使用するの
で、長波長の光に比べてより短時間に大きな実効屈折率
の増加率の異方性を得ることができる。
【0080】さらに、本発明に係る導波路型光デバイス
の製造方法によれば、紫外光を照射する前に、導波路型
光デバイスに高圧水素処理を行なうので、短時間で大き
な複屈折性を得ることができる。
【0081】またさらに、本発明に係る導波路型光デバ
イスの製造方法によれば、紫外光を照射する前に、近接
部における少なくとも1本の導波路のコア部に添加され
る添加材料の濃度を所定方向で変化させることにより、
コア部の屈折率が前記方向で変化する屈折率分布を形成
するので、前記少なくとも1本の導波路にあらかじめ複
屈折性を与えることができる。また、Ge濃度の分布に
より屈折率分布を形成する場合には、Ge濃度が高いほ
ど屈折率が高く、しかもGe濃度が高いほど紫外光照射
によりさらに屈折率の増加率が大きくなる。このため、
例えば、コアの上部と底部での屈折率の勾配は紫外光の
照射によってさらに大きくすることができ、大きな消光
比の偏光分離機能を持たせる場合にはより少ない紫外光
の照射量とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る実施の形態1である導
波路型偏光分離素子の構成を示す平面図であり、(b)
は(a)のA−A’における断面図である。
【図2】 (a)は図1の光導波路の構造を示す断面図
であり、(b)は(a)の光導波路を伝搬する光のう
ち、互いに直交する二つの偏光成分であるTE光とTM
光の電界ベクトルの方向を示す図である。
【図3】 図1の導波路型偏光分離素子において複屈折
性が生じるメカニズムを説明するための図であって、光
導波路のコア部における互いに直交する2つの方向x,
yにおける屈折率の変化を示す図である。
【図4】 図1の導波路型偏光分離素子における光導波
路の作製プロセスを示す図であり、(a)は基板9を示
す断面図であり、(b)は基板9上に形成したアンダー
クラッド膜12及びコア膜13を示す断面図であり、
(c)はクロムパターニングにより形成されたクロムマ
スク14を示す断面図であり、(d)はRIE法を用い
て形成したコア部6を示す断面図であり、(e)成膜さ
れたオーバークラッド膜15を大気中950℃にて4時
間の熱処理を行って形成した導波路型偏光分離素子の光
導波路を示す断面図である。
【図5】 実施の形態1で用いるプラズマCVD装置の
構成を示す概略線図である。
【図6】 (a)は紫外光照射時間に対する各出力ポー
トでの各偏光成分の光強度を示すグラフであり、(b)
は実施の形態1で用いる消光比最大となる時を終点とす
る偏光成分の結合度の調整を示すグラフであり紫外光照
射時間に対する各出力ポートでの各偏光成分の光強度を
示すグラフである。
【図7】 (a)は本発明に係る実施の形態2の導波路
型偏光分離素子の構成を示す平面図であり、(b)は
(a)のB−B’における断面図である。
【図8】 図7の積層型偏光子の構成及び原理を説明す
るための斜視図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態3である導波路型光
デバイスの導波路を示す断面図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態4である3dBカ
プラの導波路を示す断面図である。
【図11】 図10の導波路を備えた3dBカプラの構
成を示す平面図である。
【図12】 本発明に係る実施の形態5において用いる
高圧水素処理を概説するための模式図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態6における導波路
型偏光分離素子の導波路のコア部の断面図及び屈折率分
布を示す図である。
【図14】 (a)は従来例の導波路型偏光分離素子の
構成を示す平面図であり、(b)は(a)の横断面を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 導波路型偏光分離素子、2,3 光導波路、2a,
3a 入力ポート、2b,3b 出力ポート、4 紫外
光照射部、5 方向性結合器、6,7 コア、8 クラ
ッド、9 シリコン基板、10 TE光、11 TM
光、12 アンダークラッド膜、13 コア膜、14
クロムマスク、15 オーバクラッド膜、22 シリコ
ン源、23 ゲルマニウム源、24 ボロン源、25
酸素ガス、26 マスフローコントローラ、27 反応
容器、28 プラズマ、29 ノズル、30 基板、3
1 基板ヒータ、32 オートマッチングユニット、3
3高周波電源、 34 排気、40 溝、41,42
積層型偏光子、43 金属膜、44 誘電体膜、45
入力光、46 高圧容器、 47 導波路型光デバイ
ス、48 重水素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高林 正和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 松本 貞行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 永尾 栄一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 前川 武之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 星崎 潤一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KB05 PA11 TA21 TA43

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された2本の光導波路を互
    いに近接してなる近接部を有して構成された方向性結合
    器を備えた導波路型光デバイスであって、 前記近接部における少なくとも1本の光導波路に紫外光
    を照射して前記方向性結合器を通過する光の互いに実質
    的に直交する2つの偏光成分の結合度を調整したことを
    特徴とする導波路型光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記各導波路は、長方形状の断面を有す
    るコア部と、クラッド部とを備え、 前記近接部における導波路のコア部の長方形状の断面に
    おける前記基板に垂直な辺の長さaと、前記基板に平行
    な辺の長さbとのアスペクト比a/bが0.25以上で
    かつ4以下になるようにコア部を形成したことを特徴と
    する請求項1記載の導波路型光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記アスペクト比は1以上でかつ4以下
    であり、前記紫外光照射をすることにより前記2つの偏
    光成分の消光比を所定値に設定したことを特徴とする請
    求項2記載の導波路型光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記アスペクト比は0.25以上でかつ
    1以下であり、前記紫外光照射をすることにより前記2
    つの偏光成分の偏波依存性損失を所定値に設定したこと
    を特徴とする請求項2記載の導波路型光デバイス。
  5. 【請求項5】 前記紫外光の波長は、100nm乃至2
    40nmの範囲から選択されたことを特徴とする請求項
    1乃至4のうちのいずれか1つに記載の導波路型光デバ
    イス。
  6. 【請求項6】 前記紫外光を照射する前に、前記導波路
    型光デバイスに対して高圧水素処理を行なうことを特徴
    とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の導
    波路型光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記紫外光を照射する前に、前記近接部
    における少なくとも1本の導波路のコア部に添加される
    添加材料の濃度を所定の方向で変化させることにより、
    前記コア部の屈折率が前記方向で変化する屈折率分布を
    形成したことを特徴とする請求項1乃至6のうちのいず
    れか1つに記載の導波路型光デバイス。
  8. 【請求項8】 前記コア部及びクラッド部は石英系材料
    からなることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいず
    れか1つに記載の導波路型光デバイス。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のうちのいずれか1つに
    記載の導波路型光デバイスを用いて形成され、少なくと
    も1つの入力ポートと少なくとも2つの出力ポートを有
    する導波路型偏光分離素子を備え、 前記2つの出力ポートに積層型偏光子を設けたことを特
    徴とする導波路型光デバイス。
  10. 【請求項10】 基板上に形成された2本の光導波路を
    互いに近接してなる近接部を有して構成された方向性結
    合器を備えた導波路型光デバイスの製造方法であって、 前記近接部における少なくとも1本の光導波路に紫外光
    を照射して前記方向性結合器を通過する光の互いに実質
    的に直交する2つの偏光成分の結合度を調整するステッ
    プを含むことを特徴とする導波路型光デバイスの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記各導波路は、長方形状の断面を有
    するコア部と、クラッド部とを備え、 前記近接部における導波路のコア部の長方形状の断面に
    おける前記基板に垂直な辺の長さaと、前記基板に平行
    な辺の長さbとのアスペクト比a/bが0.25以上で
    かつ4以下になるようにコア部を形成するステップをさ
    らに含むことを特徴とする請求項10記載の導波路型光
    デバイスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アスペクト比は1以上でかつ4以
    下であり、 前記結合度を調整するステップは、 前記紫外光照射をすることにより前記2つの偏光成分の
    消光比を所定値に設定するステップを含むことを特徴と
    する請求項11記載の導波路型光デバイスの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アスペクト比は0.25以上でか
    つ1以下であり、 前記結合度を調整するステップは、 前記紫外光照射をすることにより前記2つの偏光成分の
    偏波依存性損失を所定値に設定するステップを含むこと
    を特徴とする請求項11記載の導波路型光デバイスの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記紫外光の波長は、100nm乃至
    240nmの範囲から選択されたことを特徴とする請求
    項10乃至13のうちのいずれか1つに記載の導波路型
    光デバイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記紫外光を照射する前に、前記導波
    路型光デバイスに対して高圧水素処理を行なうステップ
    をさらに含むことを特徴とする請求項10乃至14のう
    ちのいずれか1つに記載の導波路型光デバイスの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記紫外光を照射する前に、前記近接
    部における少なくとも1本の導波路のコア部に添加され
    る添加材料の濃度を所定の方向で変化させることによ
    り、前記コア部の屈折率が前記方向で変化する屈折率分
    布を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請
    求項10乃至15のうちのいずれか1つに記載の導波路
    型光デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004325474A (ja) * 2003-04-21 2004-11-18 Yokogawa Electric Corp 高密度積層光集積回路素子
WO2008114676A1 (ja) 2007-03-16 2008-09-25 Omron Corporation 光伝送システム及び電子機器

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