JP2004258610A - スポットサイズ変換素子及びその製造方法並びにスポットサイズ変換素子を用いた導波路埋め込み型光回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な方法により、埋め込み型光導波路内にスポットサイズ変換素子を形成する。
【解決手段】 本発明は、第1の光導波路と第2の光導波路との間に設けられた遷移導波路とを備えるスポットサイズ変換素子の製造方法であり、第1の光導波路及び遷移導波路に相当する部分にコア領域を形成するステップと、少なくとも第2の光導波路及び遷移導波路に相当する部分にコア領域を覆うクラッド層を形成するステップと、クラッド層のうち少なくとも遷移導波路及び第2の光導波路に相当する部分の一部にエネルギービームを照射することにより屈折率を変化させるステップとを備える。本発明においては、エネルギービームの照射によって遷移導波路及び第2の光導波路に相当する部分の一部の屈折率を変化させていることから、簡単な方法によってスポットサイズ変換素子を形成することができる。
【選択図】 図14
【解決手段】 本発明は、第1の光導波路と第2の光導波路との間に設けられた遷移導波路とを備えるスポットサイズ変換素子の製造方法であり、第1の光導波路及び遷移導波路に相当する部分にコア領域を形成するステップと、少なくとも第2の光導波路及び遷移導波路に相当する部分にコア領域を覆うクラッド層を形成するステップと、クラッド層のうち少なくとも遷移導波路及び第2の光導波路に相当する部分の一部にエネルギービームを照射することにより屈折率を変化させるステップとを備える。本発明においては、エネルギービームの照射によって遷移導波路及び第2の光導波路に相当する部分の一部の屈折率を変化させていることから、簡単な方法によってスポットサイズ変換素子を形成することができる。
【選択図】 図14
Description
本発明はスポットサイズ変換素子及びその製造方法に関し、特に、低損失なスポットサイズ変換素子及びこれを製造する方法に関する。また、本発明はスポットサイズ変換素子を用いた導波路埋め込み型光回路に関し、低損失であり且つ製造コストを抑制可能な導波路埋め込み型光回路に関する。
近年、情報伝送の高速化・大容量化を達成すべく光通信が幅広く利用されている。光通信においては、目的に応じ、光導波路(光ファイバや埋め込み型光導波路)の所定の部分に光アイソレータや光フィルタ等が適宜挿入され、光回路が構成される。
光アイソレータ等の光非相反デバイスは、特許文献1に記載されているように、一般にファラデー回転子や偏光子等からなる光アイソレータ素子が2つのレンズ間に配置された構成を有しており、光フィルタについても特許文献2に記載されているように、一般に2つのレンズ間に光フィルタ素子が配置された構成を有している。しかしながら、このような構成を有する光回路は部品点数が多いことから小型化が困難であるとともに、精密な光軸調整が必要であることから製造コストが高くなるという問題があった。このため、レンズを用いることなく、光導波路を分断して設けられた溝に光学素子を直接挿入する導波路埋め込み型の光回路が注目されている。
しかしながら、溝によって分断された光導波路を光が伝搬する場合、分断された部分において主に回折現象に起因する損失が発生する。図26はこれを説明するための図であり、コア41a及びクラッド41bからなる光導波路41からコア42a及びクラッド42bからなる光導波路42へギャップを介して光40が伝搬する様子を、コア径が小さい場合(a)とコア径が大きい場合(b)とに分けて模式的に示している。図26(a),(b)に示すように、光導波路41より出射する光は回折現象によって広がるため、ギャップ幅dが大きいほど回折損失は増大する。一方、図26(a)と図26(b)とを対比すれば明らかなように、回折現象はビームスポット径が小さいほど顕著となるため、回折損失を低減するためには、ギャップ幅dを狭くするとともにビームスポット径を大きくすればよい。
このため、溝によって分断された光導波路が光ファイバである場合には、その終端部においてコア径が局所的に拡大されたTEC(Thermally Expanded Core)ファイバを用いることによりスポットサイズを変換すれば、回折現象に起因する損失を低減することができる。TECファイバにおけるコアの拡大は、広く知られているようにマイクロバーナやヒータ等による加熱によって行われる。
特開平10−68910号公報
特開平9−68660号公報
Efficient coupling of a semiconductor laser to an optical fiber by means of a tapered waveguide on silicon (Appl. Phys. Lett. 55(23), 4 December 1989, pp2389-2391)
Polymeric buried core adiabatic optical spot-size transformer (ELECTRONICS LETTERS Vol.38, No.7, 28th March 2002, pp319-321)
「TEOS−PECVD法により合成したB,Ge共添加石英膜の光誘起屈折率変化」第60回応用物理学会講演予稿集2a−ZF−3、p.1021、1999年9月
しかしながら、埋め込み型の光導波路は、光ファイバに比べて熱容量が非常に大きいことから、TECファイバのように、加熱によってコア径を局所的に拡大することは困難である。このため、埋め込み型の光導波路においては、光学素子が挿入される溝部において回折現象に起因する損失が大きくなるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、溝によって分断された光導波路のスポットサイズを変換可能なスポットサイズ変換素子及びこれを用いた導波路埋め込み型光回路を提供することである。
また、本発明の他の目的は、導波路埋め込み型光回路における光導波路のスポットサイズを低損失にて変換可能なスポットサイズ変換素子及びこれを用いた導波路埋め込み型光回路を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、簡単な方法により埋め込み型光導波路内にスポットサイズ変換素子を形成する方法を提供することである。
本発明によるスポットサイズ変換素子は、第1のコア及びこれを覆う第1のクラッドを有し、伝搬する光が第1の光電界分布となる第1の光導波路と、第2のコア及びこれを覆う第2のクラッドを有し、伝搬する光が第2の光電界分布となる第2の光導波路と、前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間に設けられ、前記第1の光電界分布が前記第2の光電界分布に徐々に遷移し又は前記第2の光電界分布が前記第1の光電界分布に徐々に遷移する遷移導波路とを備え、前記第2のコアは、少なくとも前記遷移導波路に対応する部分において前記第1のコアを覆っており、エネルギービームを照射することにより屈折率を変化させた領域を含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、遷移導波路において第1の光導波路から第2の光導波路へ伝搬する光のビームスポットを拡大することができるので、第2の光導波路側に光学素子を配置すれば、回折損失を大幅に低減することが可能となる。また、第2のコアが、エネルギービームを照射することにより屈折率を変化させた領域を含んでいることから、比較的簡単な製造工程によってこれを作製することが可能となる。
また、本発明の好ましい実施態様においては、前記第1のコアは、前記遷移導波路に相当する部分において前記第2の光導波路に向かうにつれその幅が徐々に細くなり、前記第1のクラッドの少なくとも一部は、前記第2のコアの延長部分からなる。また、本発明の好ましい実施態様においては、前記第2のクラッドは、実質的にノンドープの石英ガラスからなる第1の部分と、石英ガラスに少なくともゲルマニウム(Ge)が添加された材料からなる第2の部分を有しており、前記第2の部分には、屈折率を低下させる第1の元素がさらに添加されこれによって、前記第1の部分の屈折率と前記第2の部分の屈折率とが実質的に等しく設定されている。また、本発明の好ましい実施態様においては、前記第1のコアは、石英ガラスに少なくともゲルマニウム(Ge)、前記第1の元素及び屈折率を上昇させる第2の元素が添加された材料からなり、前記第1の元素はホウ素(B)であり、前記第2の元素はリン(P)である。
本発明においては、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路はチャネル型であり、前記第1のコアの中心と前記第2のコアの中心とがほぼ同一軸上に位置することが好ましい。これによれば、遷移導波路においてビームスポットの中心がほとんどずれないので、遷移導波路において生じる損失を最小限に抑えることができる。
また、本発明による導波路埋め込み型光回路は、上述したスポットサイズ変換素子を少なくとも一対備え、一方のスポットサイズ変換素子の第2の光導波路と他方のスポットサイズ変換素子の第2の光導波路とが溝を介して対向していることを特徴とする。本発明によれば、溝部における回折損失を大幅に低減することが可能となる。したがって、前記溝に光フィルタ素子や光アイソレータ素子等の光学素子を挿入すれば、低損失な導波路埋め込み型光回路を構成することが可能となり、複数対の埋め込み型光導波路に対しこれを適用すれば、低損失なアレイ状の導波路埋め込み型光回路を構成することが可能となる。
また、本発明によるスポットサイズ変換素子の製造方法は、第1の光導波路、第2の光導波路及び前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間に設けられた遷移導波路とを備えるスポットサイズ変換素子の製造方法であって、前記第1の光導波路及び前記遷移導波路に相当する部分にコア領域を形成するステップと、少なくとも前記第2の光導波路及び前記遷移導波路に相当する部分に前記コア領域を覆うクラッド層を形成するステップと、前記クラッド層のうち、少なくとも前記遷移導波路及び前記第2の光導波路に相当する部分の一部にエネルギービームを照射することにより屈折率を変化させるステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明の好ましい実施態様においては、前記コア領域を形成するステップは、コア層を形成するサブステップと、前記第1の光導波路に相当する部分において実質的にその幅が一定となり、前記遷移導波路に相当する部分において前記第2の光導波路に向かうにつれてその幅が徐々に細くなるよう、前記コア層をパターニングするサブステップとを含んでいる。また、本発明の好ましい実施態様においては、前記エネルギービームの照射により屈折率が変化した領域は、前記第2の光導波路のコアを構成するとともに前記第1の光導波路のクラッドの少なくとも一部を構成する。
以上説明したように、本発明では、遷移導波路によってビームスポットのサイズを変換していることから、溝によって分断された光導波路対に本発明を適用することにより溝部における回折損失を大幅に低減することが可能となる。また、本発明では、第1のクラッドであり且つ第2のコアである領域(屈折率変化領域)を紫外線の照射によって形成していることから、比較的簡単な製造工程によってスポットサイズ変換素子を作製することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100を一方向から見た略斜視図であり、図2はスポットサイズ変換素子100を逆方向から見た略斜視図である。以下に詳述するが、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100は、導波路埋め込み型光回路の一部を構成する要素として好ましく用いることができる。
図1及び図2に示すように、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100は、基板101と、下部クラッド層102と、上部クラッド層103と、コア領域104と、屈折率変化領域105と、最上部クラッド層106とを備えており、一方の端面100aにはコア領域104とこれをより囲む屈折率変化領域105が現れている(図1参照)。
基板101は、スポットサイズ変換素子100の機械的強度を確保するとともに、以下に詳述する「第2のクラッド」の一部としての役割を果たし、本実施態様においてはその材料としてノンドープの石英ガラス(SiO2)を用いている。石英ガラスの屈折率nは1.446である。
下部クラッド層102及び上部クラッド層103は、以下に詳述する「第2のクラッド」の一部としての役割を果たし、その材料として本実施態様においてはゲルマニウム(Ge)及びホウ素(B)が添加された石英ガラス(GBSG)を用いている。ゲルマニウム(Ge)を石英ガラスに添加するとその屈折が上昇し、ホウ素(B)を石英ガラスに添加するとその屈折が低下することから、下部クラッド層102及び上部クラッド層103の屈折率は、ノンドープの石英ガラスである基板101とほぼ同じ屈折率(n=1.4460)となる。ここで、ゲルマニウム(Ge)を添加しているのは、以下に詳述するように、紫外線を照射することによって下部クラッド層102及び上部クラッド層103の一部を屈折率変化領域105に変えるためであり、ホウ素(B)を添加しているのは、ゲルマニウム(Ge)の添加により上昇した屈折率を低下させ、基板101とほぼ同じ屈折率に調整するためである。したがって、ゲルマニウム(Ge)とともに添加する元素としては、石英ガラスの屈折率を低下させるものであれば、ホウ素(B)に代えて若しくはホウ素(B)とともに、他の元素、例えば鉄(Fe)を用いても構わない。
屈折率変化領域105は、以下に詳述する「第1のクラッド」としての役割を果たすとともに「第2のコア」としての役割を果たし、下部クラッド層102及び上部クラッド層103の一部に紫外線を照射することによって形成される。屈折率変化領域105の組成は下部クラッド層102及び上部クラッド層103のそれと同じであるが、ゲルマニウム(Ge)を含む石英ガラスに紫外線を照射すると屈折率が上昇することから、屈折率変化領域105は下部クラッド層102及び上部クラッド層103よりも高い屈折率を有している(n=1.4485)。
コア領域104は、以下に詳述する「第1のコア」としての役割を果たし、本実施態様においてはその材料としてゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)及びリン(P)が添加された石英ガラス(GBPSG)を用いている。コア領域104は屈折率変化領域105に覆われており、またゲルマニウム(Ge)が添加されていることから、コア領域104についても紫外線の照射を受けて成膜時よりも屈折率が上昇している。しかも、リン(P)を石英ガラスに添加するとその屈折が上昇することから、コア領域104の屈折率はその周囲を取り囲む屈折率変化領域105よりもさらに高い(n=1.4517)。したがって、ゲルマニウム(Ge)及びホウ素(B)とともに添加する元素としては、石英ガラスの屈折率を上昇させるものであれば、リン(P)に代えて若しくはリン(P)とともに、他の元素、例えばチタン(Ti)やアルミニウム(Al)を用いても構わない。さらに、リン(P)を添加する代わりに或いはリン(P)を添加するに加えて、ホウ素(B)の添加量を下部クラッド層102及び上部クラッド層103における添加量よりも少なく設定することによって、屈折率を高めても構わない。但し、紫外線の照射前後における屈折率の変動率をコア領域104と屈折率変化領域105とでほぼ一致させるためには、屈折率変化領域105に添加するゲルマニウム(Ge)の濃度とコア領域104に添加するゲルマニウム(Ge)の濃度とをほぼ等しくすることが好ましく、これに加え、屈折率変化領域105に添加するホウ素(B)の濃度とコア領域104に添加するホウ素(B)の濃度とをほぼ等しくすることがより好ましい。
最上部クラッド層106は、以下に詳述する「第2のクラッド」の一部としての役割を果たし、本実施態様においてはその材料としてノンドープの石英ガラス(SiO2)を用いている。ノンドープの石英ガラスの屈折率は、上述の通り1.4460である。
図3は図1に示すA−A線に沿った断面図、図4は図1に示すB−B線に沿った断面図である。
図3及び図4に示すように、コア領域104は、端面100aから一定の距離においてその幅(図3における上下方向の長さ)が実質的に一定に設定され、その後、端面100bに向かうにつれて先端部分が徐々に細くなるテーパ形状を有している。このため、端面100bの近傍部分においては下部クラッド層102と上部クラッド層103との間にはコア領域104は存在せず、両者は直接積層された状態となっている。
また、屈折率変化領域105は、端面100aから端面100bまでの区間において一定の幅(図3における上下方向の長さ)をもって形成されている。但し、屈折率変化領域105をコア領域104の幅が一定である部分に形成することは必須でなく、少なくとも、端面100bからコア領域104がテーパ形状となる位置104aまでの区間において形成されていればよい。また、屈折率変化領域105の高さ(図4における上下方向の長さ)は下部クラッド層102と上部クラッド層103の積層体の高さに等しい。このように、屈折率変化領域105の幅(図3における上下方向の長さ)及び高さ(図4における上下方向の長さ)は、実質的に一定に設定されている。
本明細書においては、スポットサイズ変換素子100のうち、コア領域104の幅が実質的に一定に設定されている区間を「第1の光導波路」、コア領域104が設けられていない区間を「第2の光導波路」、端面100bに向かうにつれてコア領域104の幅が徐々に細くなる区間を「遷移導波路」と呼ぶ。すなわち、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100は、第1の光導波路、第2の光導波路及びこれらの間に設けられた遷移導波路によって構成されている。
第1の光導波路は第1のコア及び第1のクラッドによって構成されるチャネル型の光導波路であり、第2の光導波路は第2のコア及び第2のクラッドによって構成されるチャネル型の光導波路である。上述のとおり、第1のクラッド及び第2のコアは、いずれも屈折率変化領域105によって構成される。また、遷移導波路は、コアとなる部分が第1のコアから第2のコアへ(第2のコアから第1のコアへ)遷移するとともに、クラッドとなる部分が第1のクラッドから第2のクラッドへ(第2のクラッドから第1のクラッドへ)遷移する領域である。この領域においては、伝搬する光のスポットサイズは第1の光導波路における相対的に小さいスポットサイズから第2の光導波路における相対的に大きいスポットサイズへ(或いは、第2の光導波路における相対的に大きいスポットサイズから第1の光導波路における相対的に小さいスポットサイズへ)と変化する。つまり、実際のスポットサイズ変換は、遷移導波路において行われることになる。
コア領域104のテーパ部分の先端については、より鋭利である方が原理的に過剰損失が抑制されるため好ましいが、実際の製造ばらつきを考慮すれば、図5に示すように先端部をカットした形状とすることが好ましい。この場合、先端部の幅x1は製造条件によって大幅にばらつかない範囲において小さく設定することが好ましく、具体的には、1μm以下とすることが好ましく、0.6μm以下とすることがより好ましい。先端部の幅x1を1μm以下に設定すれば、多くの場合において過剰損失を約0.8dB以下に抑えることが可能となり、先端部の幅x1を0.6μm以下に設定すれば、多くの場合において過剰損失を約0.4dB以下に抑えることが可能となる。また、テーパ形状となっている部分の長さx2については、特に限定されるものではないが、コア領域104のうちテーパ形状ではない部分(第1の光導波路に対応する領域)の幅a2の100〜200倍程度に設定することが好ましい。このように設定すれば、スポットサイズ変換素子100の大型化を抑制しつつ、遷移導波路において発生する過剰損失を効果的に抑制することが可能となる。
図6は、コア領域104と屈折率変化領域105との好ましい位置関係を示す図であり、図1に示す端面100aの一部を拡大して示している。
図6に示すように、コア領域104の高さをa1とし、屈折率変化領域105の高さをb1とした場合、コア領域104を高さ方向にa1/2に分割する線と、屈折率変化領域105を高さ方向にb1/2に分割する線とをほぼ一致させることが好ましい。つまり、コア領域104の高さ方向における中心線と屈折率変化領域105の高さ方向における中心線とをほぼ一致させることが好ましい。同様に、コア領域104の幅をa2とし、屈折率変化領域105の幅をb2とした場合、コア領域104を幅方向にa2/2に分割する線と、屈折率変化領域105を幅方向にb2/2に分割する線とをほぼ一致させることが好ましい。つまり、コア領域104の幅方向における中心線と屈折率変化領域105の幅方向における中心線とをほぼ一致させることが好ましい。このことは、コア領域104の中心点と屈折率変化領域105の中心点とをほぼ一致させることが好ましい旨を意味する。
特に限定されるものではないが、コア領域104の高さa1及び幅a2としては、一般的な光ファイバのコア径とほぼ同じサイズ(7μm程度)に設定することが好ましい。このように設定すれば、第1の光導波路と光ファイバとをV溝等により直接接続することが可能となる。
以上のような構成を有するスポットサイズ変換素子100において、端面100a側から第1の光導波路に入射する光は、第1のコアを端面100bに向かって伝搬した後、第1のコアが徐々に細くなる遷移導波路において第1のクラッドへ徐々に滲みだす。このため、遷移導波路では、第1のクラッドは端面100bに向かうにつれて徐々に第2のコアとしての機能へと変化し、第2の光導波路に至ると、ほぼ完全に第2のコアとして機能する。したがって、端面100bより出射する光のビームスポットは、端面100aより入射する光のビームスポットよりも拡大されている。また、端面100b側から第2の光導波路に入射する光は、第2のコアを端面100aに向かって伝搬した後、第1のコアが徐々に太くなる遷移導波路において第1のコアへ徐々に滲み込む。このため、遷移導波路では、第2のコアは端面100aに向かうにつれて徐々に第1のクラッドとしての機能へと変化し、第1の光導波路に至ると、ほぼ完全に第1のクラッドとして機能する。したがって、端面100aより出射する光のビームスポットは、端面100bより入射する光のビームスポットよりも縮小されている。
次に、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100の製造工程について図面を参照しながら説明する。但し、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100は、導波路埋め込み型光回路の一部を構成する要素として好ましく用いられることから、この場合には、スポットサイズ変換素子100のみが単独で製造されるわけではない。
まず、ノンドープの石英ガラスからなる基板101を用意し(図7)、その全面に下部クラッド層102及びコア層104’をこの順に成膜する(図8)。上述の通り、下部クラッド層102はゲルマニウム(Ge)及びホウ素(B)が添加された石英ガラス(GBSG)からなる。コア層104’は、パターニングされてコア領域104となる層であり、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)及びリン(P)が添加された石英ガラス(GBPSG)からなる。下部クラッド層102及びコア層104’の成膜方法としては特に限定されるものではないが、下部クラッド層102及びコア層104’の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、FHD(Flame Hydrosis Deposition)法を用いることが好ましく、生産性・膜質の観点からCVD法又はFHD法を用いることが特に好ましい。
次に、コア層104’をパターニングして、コア領域104を形成する(図9)。コア領域104の形状については上述のとおりであり、幅が一定である部分と幅が徐々に細くなるテーパ部分とを備えた形状にパターニングされる。コア層104’のパターニング方法としては特に限定されるものではないが、コア層104’の全面にメタルマスク層を形成し、メタルマスク層にフォトレジストを塗布し、コア領域104のみが残るようにエッチングマスクを形成した後、このエッチングマスクを用いてコア層104’の不要部分を除去すればよい。コア層104’の不要部分の除去は、ドライエッチングにより行うことが好ましい。
次に、上部クラッド層103を全面に成膜する(図10)。上部クラッド層103の成膜方法としては特に限定されるものではないが、下部クラッド層102及びコア層104’と同様、上部クラッド層103の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法を用いることが好ましく、CVD法又はFHD法を用いることが特に好ましい。上部クラッド層103の成膜直後の状態においては、その表面にコア領域104に対応した凹凸が現れるが、熱処理によってフローさせることにより、その表面をほぼ平坦とすることができる。その後、上部クラッド層103の表面に最上部クラッド層106を成膜する(図11)。最上部クラッド層106の成膜方法としては特に限定されるものではないが、下部クラッド層102等と同様、上部クラッド層103の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法を用いることが好ましく、CVD法又はFHD法を用いることが特に好ましい。
次に、最上部クラッド層106の表面にメタルマスク層107’を成膜し(図12)、屈折率変化領域105を形成すべき領域のメタルマスク層107’を除去してメタルマスク107を形成する(図13)。メタルマスク層107’の材料及び厚さとしては、紫外線を実質的に遮断可能な材料及び厚さであれば特に制限されず、例えば厚さ1μm程度のWSiを用いることができる。メタルマスク層107’の成膜方法としては特に限定されるものではないが、メタルマスク層107’の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法を用いることが好ましく、生産性の観点からスパッタリング法を用いることが特に好ましい。メタルマスク層107’のパターニング方法についても特に限定されず、メタルマスク層107’の全面にフォトレジストを塗布し、メタルマスク107が残るようにエッチングマスクを形成した後、このエッチングマスクを用いてメタルマスク層107’の不要部分を除去すればよい。
次に、パターニングされたメタルマスク107を介して紫外線を照射し、これにより下部クラッド層102及び上部クラッド層103のうちメタルマスク107に覆われていない部分を変質させ、屈折率変化領域105とする(図14)。すなわち、下部クラッド層102及び上部クラッド層103にはゲルマニウム(Ge)が添加されているため、紫外線の照射により屈折率が上昇する。これにより、下部クラッド層102及び上部クラッド層103の一部を屈折率の高い屈折率変化領域105とすることができる。この時、コア領域104にも紫外線が照射されるため、コア領域104の屈折率も下部クラッド層102及び上部クラッド層103と連動して上昇する。
そしてメタルマスク107を除去し、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100が完成する(図1)。
このように、本実施態様にかかるスポットサイズ変換素子100は、第1の光導波路、遷移導波路及び第2の光導波路を備え、第1の光導波路を伝搬する相対的に小さなビームスポットを拡大して第2の光導波路へ伝搬させ、或いは、第2の光導波路を伝搬する相対的に大きなビームスポットを縮小して第1の光導波路へ伝搬させることができる。しかも、第1のクラッドであり且つ第2のコアとなる部分(屈折率変化領域105)を紫外線の照射により形成していることから、比較的簡単な工程にて製造することが可能となる。さらに、図6を用いて説明したように、第1のコアの中心と第2のコア(第1のクラッド)の中心とをほぼ一致させれば、遷移導波路においてビームスポットの中心がほとんどずれないので、遷移導波路において生じる損失を最小限に抑えることができる。
次に、一対のスポットサイズ変換素子100を用いた導波路埋め込み型光回路について説明する。
図15は、一対のスポットサイズ変換素子100−1,100−2を用いた導波路埋め込み型光回路(光フィルタ回路)200を示す略斜視図であり、図16は図15に示すC−C線に沿った断面図、図17は図15に示すD−D線に沿った断面図である。
図15乃至図17に示すように、導波路埋め込み型光回路200は、溝201を介して端面100bが向き合うように一対のスポットサイズ変換素子100−1,100−2が配置された構造を有する。スポットサイズ変換素子100−1,100−2の構造は、図1乃至図6に示したスポットサイズ変換素子100と同様であり、図7乃至図14を用いて説明した方法と同様の方法により製造することが可能である。このような構成を有する導波路埋め込み型光回路200に対しては、溝201に光フィルタ素子等の光学素子を挿入することができる。
溝201は、基板101の上面より、下方に堀り込まれており、これにより、光フィルタの差込を十分に確保でき、また、コア領域104、上部クラッド層103及び下部クラッド層102の断面全体をフィルタで覆うことができる。
図18は、導波路埋め込み型光回路200に光フィルタ素子202を装着した状態を示す略斜視図であり、図19は、図18に示すE−E線に沿った断面図である。図18及び図19に示すように、溝201に光フィルタ素子202を挿入すると、スポットサイズ変換素子100−1、100−2の一方を構成する導波路より伝搬した光は、光フィルタ素子202の特性に応じてフィルタリングされ、スポットサイズ変換素子100−1、100−2の他方を構成する導波路へと伝搬する。これにより、目的とする波長の光を抽出することが可能となる。
ここで、本実施態様にかかる導波路埋め込み型光回路200においては、溝201により分断されている部分は第1の光導波路よりもコア径が大きい第2の光導波路となっていることから、溝201を介して伝搬する光のビームスポットは第1の光導波路を伝搬する光のビームスポットよりも拡大されている。これにより、溝201において生じる回折損失を大幅に削減することが可能となる。
このように、導波路埋め込み型光回路200は、一対のスポットサイズ変換素子100を用い、溝201を介して各々の端面100bが向き合うように配置するとともに、溝201に光フィルタ素子202が挿入されているので、低損失な光フィルタ回路を構成することが可能となる。
もちろん、このような溝201に挿入可能な光学素子としては光フィルタ素子に限られず、ファラデー回転子等を含む光アイソレータ素子を挿入することにより、光アイソレータ回路や光サーキュレータ回路を構成することも可能である。例えば図20に示すように、偏光を45°回転させるファラデー回転子211と、ファラデー回転子211の対向する2つの表面にそれぞれ設けられ、通過偏光方向が互いに45度異なる偏光子212,213によって構成される光アイソレータ素子210を溝201に挿入し、磁界を光軸方向に印加すれば、低損失な光アイソレータ素回路を構成することが可能となる。
さらに、図21に示すように、溝310を介して対向する第1の埋め込み型光導波路301及び第2の埋め込み型光導波路302からなる対を複数備えるアレイ状の導波路埋め込み型光回路300において、第1の埋め込み型光導波路301及び第2の埋め込み型光導波路302の各々にスポットサイズ変換素子100を設ければ、低損失なアレイ状の導波路埋め込み型光回路を構成することが可能となる。
したがって、図21に示す溝310に光フィルタ素子を挿入すれば低損失な光フィルタアレイを構成することができる。この場合、溝310に一枚の大きな光フィルタ素子を挿入することにより各チャンネルに対して同一のフィルタリング特性を与えてもよいし、1又は2以上のチャンネルに対応する複数の光フィルタ素子を挿入することにより、各チャンネルごとに所望のフィルタリング特性を与えても構わない。
さらに、図21に示す溝310に光アイソレータ素子を挿入すれば光アイソレータアレイを構成することができる。この場合、溝310の所定の部分には光アイソレータ素子を挿入し、溝310の別の部分には光フィルタ素子を挿入することにより、あるチャンネルについては光アイソレータ回路として機能し、別のチャンネルについては光フィルタ回路として機能するよう構成しても構わない。
さらに、図22に示すように、埋め込み型光導波路401〜408と、埋め込み型光導波路405と埋め込み型光導波路407とを分断するとともに埋め込み型光導波路406と埋め込み型光導波路408とを分断する溝410と、光合分波部411,412とを有する干渉計を構成する導波路埋め込み型光回路400において、埋め込み型光導波路405〜408の各々にスポットサイズ変換素子100を設け、溝410に偏光を45°回転させるファラデー回転子とその両側に配置された複屈折素子からなる非相反複合素子(図示せず)を挿入すれば、光サーキュレータ回路を構成することが可能となる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施態様においては、スポットサイズ変換素子100を構成する各要素(下部クラッド層102等)の材料として、石英ガラス又はこれを主成分とする材料を用いているが、下部クラッド層102及び上部クラッド層103に相当する要素が、紫外線等のエネルギービームの照射によって屈折率変化を起こす材料からなる限り、他の材料を用いても構わない。エネルギービームの照射によって屈折率変化を起こす他の材料としてはフォトポリマーが挙げられ、その一例としてシリコーン添加分岐型ポリシランがある。このような有機材料を用いる場合には、塗布法を用いてこれを形成することが好ましい。
また、上記実施態様においては、基板101の材料としてノンドープの石英ガラス(SiO2)を用いているが、代わりにシリコン等を用いてその表面にノンドープの石英ガラス(SiO2)等を形成し、これを第2のクラッドの一部としても構わない。
図1乃至図6に示したスポットサイズ変換素子100と同様の構成を有する実施例1のスポットサイズ変換素子を作製した。
まず、厚さ約1mmの石英(n=1.4460)からなる基板101を用意した(図7参照)。次に、CVD法により基板101の表面に厚さ14μmのGBSG(n=1.4460)からなる下部クラッド層102、厚さ7μmのGBPSG(n=1.4517)からなるコア層104’を順次成膜し(図8参照)、コア層104’をパターニングしてコア領域104を形成した(図9参照)。コア領域104(第1のコア)のサイズとしては、第1の光導波路に対応する領域の長さを200μm、第1の光導波路に対応する領域における幅を7μmに設定し、遷移導波路に対応するテーパ部分の長さx2を1000μmに設定し、テーパ部分の先端の幅x1を0.4μmに設定した。
次に、CVD法により下部クラッド層102及びコア領域104の表面に厚さ17μmのGBSG(n=1.4460)からなる上部クラッド層103を成膜した(図10参照)。その後、1100℃で24時間熱処理することにより、上部クラッド層103をフローさせその表面を平坦化した。かかる熱処理工程により、上部クラッド層103の厚さは14μmに減少した。その後、CVD法により、上部クラッド層103の表面に厚さ7μmのノンドープの石英ガラス(n=1.4460)からなる最上部クラッド層106を成膜した(図11参照)。
次に、スパッタリング法により、最上部クラッド層106の表面に厚さ1μmのWSiからなるメタルマスク層107’を形成し(図12参照)、これをパターニングしてメタルマスク107を形成した(図13参照)。メタルマスク107の開口部の幅は34μmに設定した。次に、メタルマスク107の開口部から最上部クラッド層106を介して下部クラッド層102及び上部クラッド層103に波長が248nmのKrFエキシマレーザ(パルス電力=10mJ/cm2)をパルス周波数20Hzで約10時間照射し、屈折率変化領域105を形成した(図14参照)。これにより、屈折率変化領域105の屈折率は1.4485となった。尚、コア領域104の屈折率についても、1.4542に上昇した。
そして、メタルマスク107を最上部クラッド層106上から除去し、実施例1のスポットサイズ変換素子が完成した。
屈折率変化領域105の長さは2300μmであり、その幅及び高さはそれぞれ34μm、35μmである。このうち、第1のコアであるコア領域104の高さ及び幅が一定に設定されている200μmの区間(第1の光導波路に対応する部分)については第1のクラッドとして機能し、コア領域104が存在しない1100μmの区間(第2の光導波路に対応する部分)については第2のコアとして機能する。また、コア領域104がテーパ形状となっている1000μmの区間(遷移導波路に対応する部分)については、第1のクラッドとしての機能から第2のコアとしての機能へと徐々に変化する。
このような構造を有するスポットサイズ変換素子に対し、第1の光導波路から図23に示す光電界モード分布(スポットサイズ=約10μm)を有する波長1550nmの光を入射し、第2の光導波路から出射する光の光電界モード分布を測定した。その結果、第2の光導波路から出射する光の光電界モード分布は、図24に示すとおりとなった。図24に示すように、第2の光導波路から出射する光のスポットサイズは約28μmであり、2.8倍に拡大されていることが確認された。
図15乃至図17に示した導波路埋め込み型光回路200と同様の構成を有する実施例2の導波路埋め込み型光回路を作製した。実施例2の導波路埋め込み型光回路に含まれる2つのスポットサイズ変換素子は、KrFエキシマレーザの照射エネルギーを種々に設定した他は、実施例1のそれと全く同じ材料・サイズとした。2つのスポットサイズ変換素子を分断する溝については幅を400μmに設定し、その内部を屈折率が1.447の光学樹脂で満たした。KrFエキシマレーザの照射エネルギーについては、パルス電力を40mJ/cm2、周波数を20Hzに設定し、サンプルごとに照射時間を変えた。
そして、サンプルごとに、一方のスポットサイズ変換素子の第1の光導波路から他方のスポットサイズ変換素子の第1の光導波路へと波長1550nmの光を伝搬させ、各サンプルにおいて発生する挿入損失を測定することにより、KrFエキシマレーザの総照射エネルギーと挿入損失との関係を調べた。
図25は、KrFエキシマレーザの総照射エネルギーと挿入損失との関係を示すグラフである。図25に示すように、KrFエキシマレーザの総照射エネルギーが6mJ/cm2〜12mJ/cm2である場合に挿入損失が小さくなり、特に、8mJ/cm2である場合に最も挿入損失が小さくなった(0.51dB)。これにより、スポットサイズ変換素子を構成する各要素の材料として上述した材料を用いた場合には、KrFエキシマレーザの照射エネルギーを6mJ/cm2〜12mJ/cm2に設定することが好ましく、約8mJ/cm2に設定することがより好ましいことが分かった。
また、比較のため、コア領域104にテーパ部分を設けることなく、端面から溝までの全区間において高さ及び幅をいずれも7μmに固定した比較例の導波路埋め込み型光回路を作製した。比較例の導波路埋め込み型光回路においてはスポットサイズ変換は行われず、全領域が第1の光導波路に相当することから、紫外線照射による屈折率変化領域105は行わなかった。比較例の導波路埋め込み型光回路についても、2つの光導波路を分断する溝については幅を400μmに設定し、その内部を屈折率が1.447の光学樹脂で満たした。このような比較例の導波路埋め込み型光回路に対し、波長1550nmの光を伝搬させた結果、挿入損失は8.1dBと非常に大きくなった。
100,100−1,100−2 スポットサイズ変換素子
100a,100b 端面
101 基板
102 下部クラッド層
103 上部クラッド層
104 コア領域
104a テーパ形状となる位置
104’ コア層
105 屈折率変化領域
106 最上部クラッド層
107 メタルマスク
107’ メタルマスク層
200 導波路埋め込み型光回路
201 溝
202 光フィルタ素子
210 光アイソレータ素子
211 ファラデー回転子
212,213 偏光子
300 アレイ状の導波路埋め込み型光回路
301 第1の埋め込み型光導波路
302 第2の埋め込み型光導波路
310 溝
400 導波路埋め込み型光回路(光サーキュレータ回路)
401〜408 埋め込み型光導波路
410 溝
411,412 光合分波部
100a,100b 端面
101 基板
102 下部クラッド層
103 上部クラッド層
104 コア領域
104a テーパ形状となる位置
104’ コア層
105 屈折率変化領域
106 最上部クラッド層
107 メタルマスク
107’ メタルマスク層
200 導波路埋め込み型光回路
201 溝
202 光フィルタ素子
210 光アイソレータ素子
211 ファラデー回転子
212,213 偏光子
300 アレイ状の導波路埋め込み型光回路
301 第1の埋め込み型光導波路
302 第2の埋め込み型光導波路
310 溝
400 導波路埋め込み型光回路(光サーキュレータ回路)
401〜408 埋め込み型光導波路
410 溝
411,412 光合分波部
Claims (14)
- 第1のコア及びこれを覆う第1のクラッドを有し、伝搬する光が第1の光電界分布となる第1の光導波路と、第2のコア及びこれを覆う第2のクラッドを有し、伝搬する光が第2の光電界分布となる第2の光導波路と、前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間に設けられ、前記第1の光電界分布が前記第2の光電界分布に徐々に遷移し又は前記第2の光電界分布が前記第1の光電界分布に徐々に遷移する遷移導波路とを備え、前記第2のコアは、少なくとも前記遷移導波路に相当する部分において前記第1のコアを覆っており、エネルギービームを照射することにより屈折率を変化させた領域を含んでいることを特徴とするスポットサイズ変換素子。
- 前記第1のコアは、前記遷移導波路に相当する部分において前記第2の光導波路に向かうにつれその幅が徐々に細くなることを特徴とする請求項1に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第1のクラッドの少なくとも一部は、前記第2のコアの延長部分からなることを特徴とする請求項2に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第2のクラッドは、実質的にノンドープの石英ガラスからなる第1の部分と、石英ガラスに少なくともゲルマニウム(Ge)が添加された材料からなる第2の部分を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第2の部分には、屈折率を低下させる第1の元素がさらに添加されていることを特徴とする請求項4に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第1の部分の屈折率と前記第2の部分の屈折率とが実質的に等しいことを特徴とする請求項5に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第1のコアは、石英ガラスに少なくともゲルマニウム(Ge)、前記第1の元素及び屈折率を上昇させる第2の元素が添加された材料からなることを特徴とする請求項5又は6に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第1の元素はホウ素(B)であり、前記第2の元素はリン(P)であることを特徴とする請求項7に記載のスポットサイズ変換素子。
- 前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路はチャネル型であり、前記第1のコアの中心と前記第2のコアの中心とがほぼ同一軸上に位置することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換素子。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のスポットサイズ変換素子を少なくとも一対備え、一方のスポットサイズ変換素子の第2の光導波路と他方のスポットサイズ変換素子の第2の光導波路とが溝を介して対向していることを特徴とする導波路埋め込み型光回路。
- 前記溝に挿入された光学素子をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の導波路埋め込み型光回路。
- 第1の光導波路、第2の光導波路及び前記第1の光導波路と前記第2の光導波路との間に設けられた遷移導波路とを備えるスポットサイズ変換素子の製造方法であって、前記第1の光導波路及び前記遷移導波路に相当する部分にコア領域を形成するステップと、少なくとも前記第2の光導波路及び前記遷移導波路に相当する部分に前記コア領域を覆うクラッド層を形成するステップと、前記クラッド層のうち、少なくとも前記遷移導波路及び前記第2の光導波路に相当する部分の一部にエネルギービームを照射することにより屈折率を変化させるステップとを備えることを特徴とするスポットサイズ変換素子の製造方法。
- 前記コア領域を形成するステップは、コア層を形成するサブステップと、前記第1の光導波路に相当する部分において実質的にその幅が一定となり、前記遷移導波路に相当する部分において前記第2の光導波路に向かうにつれてその幅が徐々に細くなるよう、前記コア層をパターニングするサブステップとを含んでいることを特徴とする請求項12に記載のスポットサイズ変換素子の製造方法。
- 前記エネルギービームの照射により屈折率が変化した領域は、前記第2の光導波路のコアを構成するとともに前記第1の光導波路のクラッドの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項12又は13に記載のスポットサイズ変換素子の製造方法。
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