以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
<スポットサイズ変換器の構成>
図1は、実施の形態1に係るスポットサイズ変換器100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係るスポットサイズ変換器100の平面図である。図3は、図2の線分III-IIIに示すスポットサイズ変換器100の断面図である。図4は、図2の線分IV-IVに示すスポットサイズ変換器100の断面図である。なお、図1および図2において、高屈折率領域131とコア層120との境界線を点線で示している。
図1から図4に示すスポットサイズ変換器100は、たとえば、半導体レーザに使用されるスポットサイズ変換器100であって、基板101と、クラッド層110と、コア層120とを主に備える。光を伝搬するコア層120は、第1コア層121を含む。後述するように、第1コア層121の屈折率n1aはクラッド層110の屈折率n2aより高い。クラッド層110およびコア層120は、光導波路として機能する。クラッド層110は基板101上に接続されている。クラッド層110は、コア層120を囲む。コア層120は、光を伝搬する。なお、図1に示されるように、基板101からみてコア層120が配置されている方向を第1方向Xとする。コア層120において光が伝搬する方向を第2方向Yとする。第2方向Yは、第1方向Xに対して垂直な方向である。第1方向Xおよび第2方向Yに対して垂直な方向を第3方向Zとする。
図1に示されるように、コア層120の形状は第2方向Yに伸びた四角柱である。つまり、第2方向Yに対して垂直な断面におけるコア層120の断面形状は、四角形である。コア層120は、第1端面121s1と、第2端面121s2と、側面121s3とを有する。第1端面121s1は、たとえば、出射面である。出射面は、光が出射され得る端面である。第2端面121s2は、たとえば、入射面である。入射面は、光が入射され得る端面である。第1端面121s1は、第2端面121s2の反対側の面である。側面121s3は、第2端面121s2と第1端面121s1とを接続する面である。つまり、側面121s3は、第1端面121s1および第2端面121s2以外の面である。
クラッド層110はコア層120を囲む。クラッド層110がコア層120と接続している面は、側面121s3のみである。つまり、クラッド層110は第2端面121s2と第1端面121s1とに接続されていない。具体的には、クラッド層110は、第1上部クラッド層113と、第1下部クラッド層111と、一対の第1側部クラッド層112とを含む。第1下部クラッド層111は、基板101と、コア層120と、第1側部クラッド層112とに接続されている。第1下部クラッド層111は、第1方向Xにおいてコア層120および基板101に挟まれるように配置されている。
一対の第1側部クラッド層112は、第3方向Zにおいて互いに離れて配置されている。一対の第1側部クラッド層112は、コア層120と第1上部クラッド層113とを挟むように配置されている。第1側部クラッド層112の第2方向Yから見た形状は、L字状である。具体的には、第1側部クラッド層112は、突出部112aを有する。突出部112aは、第1下部クラッド層111に接続されている。第1側部クラッド層112がコア層120と接続している面からみて、突出部112aはコア層120が配置されている領域の反対側に配置されている。
第1上部クラッド層113は、コア層120の上面に接続されている。つまり、第1方向Xにおいて、コア層120は第1下部クラッド層111および第1上部クラッド層113に挟まれている。第3方向Zにおいて、コア層120は一対の第1側部クラッド層112に挟まれている。このようにして、クラッド層110はコア層120を囲む。なお、第3方向Zにおける第1上部クラッド層113の幅は、第3方向Zにおけるコア層120の幅と同じである。第3方向Zにおける第1下部クラッド層111の幅は、第3方向Zにおけるコア層120の幅よりも大きい。このように、図1および図3に示されるように、本実施の形態1に係るスポットサイズ変換器100の構造は、ストライプ状のメサ構造である。
ここで、コア層120の屈折率をn1aとする。具体的には、第1コア層121の屈折率がn1aである。クラッド層110の屈折率をn2aとする。コア層120の屈折率n1aは、クラッド層110の屈折率n2aよりも大きい。なお、クラッド層110の屈折率n2aとは、クラッド層110が複数の部材により構成されている場合に、複数の部材の屈折率の内最も大きい屈折率に該当する。光が屈折率の高い媒体から屈折率の低い媒体へ進む時、屈折率が低い媒体への光の入射角が臨界角を超える場合、屈折率が低い媒体へ光は進まない。つまり、屈折率が低い媒体への光の入射角が臨界角を超える場合、光の全ては屈折率の高い媒体に反射する全反射が生じる。このように、コア層120をクラッド層110によって囲むことで、光を伝搬することができる。
ここで、従来のスポットサイズ変換器100における問題点について説明する。第2端面121s2は、他の光デバイス(たとえば、半導体変調器、シリコン光導波路、光ファイバなど)に接続される。スポットサイズが異なる光導波路同士を結合すると、光の結合効率が低下する。特に、スポットサイズが小さい場合、高精度に光デバイスを実装する必要がある。つまり、スポットサイズが小さい場合は、高い実装技術が要求され、結果的に高い製造コストが必要となる。そのため、スポットサイズは大きいことが好ましい。スポットサイズ変換器100は、第2端面121s2から入射される光のスポットサイズを結合先の光デバイスのスポットサイズに合うように、スポットサイズを調整する。具体的には、スポットサイズ変換器100は第1端面121s1から出射される光のスポットサイズを大きくすることができる。
スポットサイズは、コア層120の厚みおよび幅によって決定される。つまり、コア層120の厚みおよび幅を変更することで、スポットサイズは調整される。または、コア層120の屈折率とクラッド層110の屈折率との差を小さくすることで、光をクラッド層110に染み出すことができる。コア層120の第3方向Zにおける幅は、一般的なリソグラフィ技術およびドライ加工技術によって比較的容易に調整される。
一方、コア層120の第1方向Xにおける厚みを大きくする場合、製造プロセスが煩雑になる問題がある。具体的には、スポットサイズ変換器100の製造プロセスに半導体デバイスの製造プロセスを適用する場合、エピタキシャル成長によってコア層120となるべき結晶膜を厚くする。その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によるドライエッチングを実施する。ドライエッチングの深さは、精度良く制御される必要がある。ドライエッチングの深さを精度良く制御するためには、予めESL(Etch-Stop Layer)を光デバイス内に形成する必要がある。そのため、コア層120の第1方向Xにおける厚みを大きくする場合、製造プロセスが煩雑になる。
スポットサイズ変換器100は、単体で使用されることはない。スポットサイズ変換器100は半導体レーザなどの光デバイスとモノリシックに集積して用いられる。そのため、結合先の光デバイスが半導体レーザである時、コア層120を厚くすると、結合先の光デバイスの上部クラッド層を厚くする必要がある。上部クラッド層を厚くすると、半導体レーザの素子抵抗が増加する。その結果、半導体レーザの特性が悪化する。選択成長技術によって、スポットサイズ変換器100のクラッド層110のみを厚膜化することも可能である。ただし、この場合には高度な選択成長技術が要求される。つまり、コア層120の厚膜化は特性面において制約が生じ得る。上述の理由から、スポットサイズ変換器100においては、スポットサイズを垂直方向に調整することに関して改善の余地がある。
ここで、本実施の形態に係るスポットサイズ変換器100の特徴は、図1から図4に示されるように、コア層120が高屈折率領域131を含む点である。高屈折率領域131の屈折率をn3aとする。屈折率n3aは、第1コア層121の屈折率n1aよりも大きい。第1方向Xにおいて、高屈折率領域131はコア層120の第1方向Xにおける厚みの中心よりも、第1上部クラッド層113側に配置されてもよいが、基板101側に配置されていることが好ましい。このようにすることで、コア層120内を伝搬する光は高屈折率領域131が配置されている方向に広がる。特に、高屈折率領域131が基板101側に配置されていることで、図1に示す第1下部クラッド層111側に基板101にまで光が広がる。その結果、結合先の光デバイスのクラッド層を厚膜化させることなく、当該光デバイスの性能を維持したまま第1方向Xに沿ってスポットサイズを拡大することができる。
図2に示されるように、第1方向Xからみた平面視において、高屈折率領域131の形状は、たとえば三角形状であってもよい。第1端面121s1において高屈折率領域131の第3方向Zにおける幅は、コア層120の第3方向Zにおける幅と同じである。高屈折率領域131の第3方向Zにおける幅は、第2端面121s2に近づくほど狭くなっている。異なる観点から言えば、高屈折率領域131は、第1高屈折領域131aと第2高屈折領域131bとを含む。第2方向Yにおいて、第1高屈折領域131aは第2高屈折領域131bよりも第2端面121s2から遠い位置に配置されている。第3方向Zにおける第2高屈折領域131bの幅は、第3方向Zにおける第1高屈折領域131aの幅よりも小さい。つまり、高屈折率領域131は、平面視において、高屈折率領域131の2つの側面が鋭角に交わる先端部131tを有する。平面視において、高屈折率領域131の先端部131tは、当該高屈折率領域131において最も第2端面121s2側に配置されている部分である。高屈折率領域131の底辺は第1端面121s1に配置されている。このように、第2端面121s2から第1端面121s1に向かって、高屈折率領域131の第3方向Zの幅が大きくなることで、光の伝搬する方向に沿ってスポットサイズは断熱的に拡大する。
なお、平面視において、高屈折率領域131の形状は、必ずしも三角形である必要はない。平面視において、高屈折率領域131の形状は、任意の形状を採用し得る。たとえば、平面視において、高屈折率領域131の外周は曲線で構成されてもよい。具体的には、第1端面121s1における高屈折率領域131の両端から先端部131tまでを接続する辺は曲線であってもよい。たとえば、平面視において、高屈折率領域131の形状は四角形でもよい。具体的には、高屈折率領域131の第3方向Zにおける幅は、第1端面121s1から第2端面121s2までにおいて一律にコア層120の幅と同じであってもよい。このように、平面視において、高屈折率領域131の形状は多角形でもよい。
<スポットサイズ変換器の製造方法>
図5は、実施の形態1に係るスポットサイズ変換器100の製造方法のフローチャートである。図5および図6に示されるように、本実施の形態に係るスポットサイズ変換器100の製造方法では、まず基板101を準備する工程(S1a)を実施する。基板101は、たとえば、InP(インジウムリン)基板101であってもよい。基板101の導電型はp型でもよい。基板101の導電型はn型でもよい。基板101は半絶縁性基板であってもよい。
次に、クラッド層110を形成する工程(S2a)を実施する。この工程(S2a)では、図7に示されるように、第1下部クラッド層111を基板101上に形成する。第1下部クラッド層111は、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等の結晶成長方法によって形成される。第1下部クラッド層111は、後述するコア層120の屈折率n1aよりも低い屈折率n2aを有する材料である。第1下部クラッド層111を構成する材料は、コア層120と格子整合する材料であればよく、たとえば、InPあるいはInGaAsPであってもよい。
後述するように、コア層120内を伝搬する光は第1下部クラッド層111に染み出してよい。第1下部クラッド層111の屈折率とコア層120の屈折率n1aとの差が、第1上部クラッド層113若しくは第1側部クラッド層112の屈折率とコア層120の屈折率n1aとの差よりも小さくすることで、コア層120内を伝搬する光は第1下部クラッド層111に染み出すことができる。
次に、コア層120を形成する工程(S3a)を実施する。この工程(S3a)では、図8に示されるように、コア層120(第1コア層121)を第1下部クラッド層111上に形成する。第1下部クラッド層111を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いてコア層120が形成されてもよい。コア層120を構成する材料は、たとえば、InPであってもよい。光の吸収率の観点から、InPで構成されているコア層120はアンドープであることが好ましい。コア層120は、半絶縁性であってもよい。コア層120の材料は、InGaAsP、AlGaInAs、あるいはInGaAsであってもよい。コア層120は、n型InPあるはp型InPであってもよい。コア層120は、単一の材料のみで構成されてもよい。コア層120は、屈折率が各々異なる複数の材料で構成されてもよい。
次に、高屈折率領域131を形成する工程(S4a)を実施する。この工程(S4a)では、図9に示されるように、高屈折率領域131をコア層120上に形成する。第1下部クラッド層111を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて高屈折率領域131が形成されてもよい。高屈折率領域131を構成する材料は、コア層120の屈折率n1aよりも高い屈折率n3aを有する材料である。コア層120を構成する材料がアンドープのInPである場合、高屈折率領域131を構成する材料は、たとえば、InGaAsP、AlGaInAs、あるいはInGaAsであってもよい。コア層120を構成する材料がn型InPである場合、高屈折率領域131を構成する材料は、たとえば、アンドープのInP、半絶縁性InP、p型InPであってもよい。このようにすれば、プラズマ効果を利用することができる。屈折率が各々異なる複数の材料でコア層120が構成されている場合、高屈折率領域131の屈折率n3aが、コア層120の実効屈折率n1aよりも高くなるように材料を選定する必要がある。このようにして、基板101上に、第1下部クラッド層111、コア層120、高屈折率領域131が順に有機金属気相成長法によって形成されてもよい。
次に、エッチングする工程(S5a)を実施する。この工程(S5a)では、図10に示されるように、第1加工用マスク141を高屈折率領域131上に形成する。第1加工用マスク141は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜のいずれかである。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)である。第1加工用マスク141は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングしてよい。図11に示されるように、平面視において、第1加工用マスク141の形状は三角形であってもよい。平面視において、第1加工用マスク141の形状は、必ずしも、三角形である必要はない。たとえば、平面視において、第1端面121s1における第1加工用マスク141の両端から、第2端面121s2側の先端部までを接続する辺は曲線であってもよい。たとえば、平面視において、第1加工用マスク141の形状は四角形でもよい。具体的には、第1加工用マスク141の第3方向Zにおける幅は、第1端面121s1から第2端面121s2までにおいて同じであってもよく、たとえばコア層120の幅と同じであってもよい。
次に、上記第1加工用マスク141をマスクとして用いて、高屈折率領域131をドライエッチングする。具体的には、平面視において第1加工用マスク141が配置されている領域における高屈折率領域131はエッチングされない。一方、平面視において第1加工用マスク141が配置されていない領域における高屈折率領域131はエッチングされる。その結果、図12に示されるように、コア層120の一部が露出するように高屈折率領域131の一部がエッチングされる。この時、第1方向Xにおいてコア層120の一部がエッチングされてもよい。エッチングは、ウェットエッチングでもよい。高屈折率領域131をエッチングした後は、ウェットエッチングにより第1加工用マスク141を除去する。このようにして、所望の形状の高屈折率領域131を形成する。
次に、コア層120を形成する工程(S6a)を実施する。この工程(S6a)では、図13および図14に示されるように、コア層120を高屈折率領域131上および露出したコア層120の一部上に形成する。図14は、図13の線分XIV-XIVに示すスポットサイズ変換器100の断面図である。第1下部クラッド層111を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いてコア層120が形成されてもよい。
コア層120内の第1方向Xにおける高屈折率領域131の位置は、コア層120を形成する工程(S3a)におけるコア層120の第1方向Xの厚みと、コア層120を形成する工程(S6a)におけるコア層120の第1方向Xの厚みとによって決定される。
たとえば、コア層120を形成する工程(S3a)において、コア層120を第1方向Xにおいて1μm形成する。高屈折率領域131を形成する工程(S4a)において、高屈折率領域131を第1方向Xにおいて100nm形成する。コア層120を形成する工程(S6a)において、コア層120を第1方向Xにおいて1μm形成する。この場合、高屈折率領域131は、コア層120の第1方向Xの厚みの中心に配置される。
たとえば、コア層120を形成する工程(S3a)において、コア層120を第1方向Xにおいて500nm形成する。高屈折率領域131を形成する工程(S4a)において、高屈折率領域131を第1方向Xにおいて100nm形成する。コア層120を形成する工程(S6a)において、コア層120を第1方向Xにおいて1500nm形成する。この場合、第1方向Xにおいて、高屈折率領域131はコア層120の第1方向Xにおける厚みの中心よりも、基板101側に配置される。
たとえば、コア層120を形成する工程(S3a)を実施しなくてもよい。つまり、クラッド層110を形成する工程(S2a)の後に、高屈折率領域131を形成する工程(S4a)を実施してもよい。高屈折率領域131を形成する工程(S4a)において、高屈折率領域131を第1方向Xにおいて100nm形成する。コア層120を形成する工程(S6a)において、コア層120を第1方向Xにおいて2μm形成する。この場合、第1方向Xにおいて、高屈折率領域131はコア層120において最も第1下部クラッド層111に近い位置に配置される。
このようにして、コア層120内の第1方向Xにおける高屈折率領域131の位置は容易に制御できる。
次に、エッチングする工程(S7a)を実施する。この工程(S7a)では、図15および図16に示されるように、第2加工用マスク142をコア層120上に形成する。図16は、図15の線分XVI-XVIに示すスポットサイズ変換器100の断面図である。第2加工用マスク142は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜のいずれかである。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。第2加工用マスク142は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングしてよい。図15に示されるように、平面視において、第2加工用マスク142の形状は四角形である。第2加工用マスク142は、第1端面121s1から第2端面121s2まで延在するように形成される。コア層120の縁部が露出するように、第3方向Zにおいてコア層120の幅の中心に第2加工用マスク142が形成される。つまり、第2加工用マスク142の第3方向Zにおける幅は、一律にコア層120の幅より小さい。
次に、第2加工用マスク142をマスクとして用いてコア層120をドライエッチングする。具体的には、平面視において第2加工用マスク142が配置されている領域におけるコア層120はエッチングされない。一方、平面視において第2加工用マスク142が配置されていない領域におけるコア層120がエッチングされる。その結果、第2加工用マスク142の第3方向Zにおける両側に位置していたコア層120のみがエッチングされる。この時、図17および図18に示されるように、第1下部クラッド層111の一部が露出するように、コア層120が第1方向Xにエッチングされてもよい。また、コア層120は、第1方向Xに高屈折率領域131よりも下方までエッチングされていればよい。そのため、たとえば、エッチングが基板101まで到達していてもよい。エッチングは、ウェットエッチングでもよいが、コア層120の形状を制御する観点から、ドライエッチングが好ましい。コア層120をエッチングした後は、ウェットエッチングにより第2加工用マスク142を除去する。このようにして図18に示されるように、所望の形状のメサ構造151の光導波路が形成される。
次に、クラッド層110を形成する工程(S8a)を実施する。この工程(S8a)では、図19および図20に示されるように、クラッド層110をコア層120上および露出した第1下部クラッド層111の一部上に形成する。図20は、図19の線分XX-XXに示すスポットサイズ変換器100の断面図である。具体的には、図20で示されるように、コア層120上に第1上部クラッド層113が形成される。コア層120を挟むように一対の第1側部クラッド層112が第1下部クラッド層111上に形成される。第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112を構成する材料は、コア層120の屈折率n1aよりも低い屈折率n2aを有する材料であってもよい。コア層120を構成する材料がInPである場合、第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112を構成する材料は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜の少なくともいずれかであってもよい。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。コア層120を構成する材料がInGaAsPおよびAlGaInAsの少なくともいずれかである場合、第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112を構成する材料は、InPであってもよい。InPの成膜方法は、たとえば、有機金属気相成長法である。
コア層120は、当該コア層120の屈折率n1aよりも低い屈折率を有する媒体と接していればよい。そのため、第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112の少なくともいずれかは空気であってもよい。つまり、コア層120の側面121s3は露出してもよい。この場合、エッチングする工程(S7a)を実施した後は、メサ構造151の保護膜としてSiO2膜を形成してもよいが、何も形成しなくてもよい。
第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112の屈折率n2aは、第1下部クラッド層111の屈折率よりも小さくてもよい。こうすることで、コア層120内を伝搬する光は、第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112に染み出すことなく、基板101に染み出すことができる。このように、第1上部クラッド層113および第1側部クラッド層112を構成する材料は、第1下部クラッド層111と異なる材料を採用してもよい。
このようにして、図1から図4に示されるような、スポットサイズを垂直方向に制御可能なスポットサイズ変換器100を得ることができる。
<動作>
次に、スポットサイズ変換器100の動作について説明する。
スポットサイズ変換器100は、光源あるいは変調器などの光デバイスと接続される。たとえば、光源である半導体レーザにスポットサイズ変換器100が接続されている場合を想定する。スポットサイズ変換器100は、第2端面121s2にて半導体レーザと接続される。光は半導体レーザから伝搬してくる。光はコア層120に入射する。前述のように、コア層120は、当該コア層120の屈折率より低い屈折率を有するクラッド層110に囲まれている。そのため、光は、コア層120に閉じ込められる。光は、第2方向Yに沿ってコア層120内を伝搬する。光は高屈折率領域131が配置されている方向に広がる。特に、高屈折率領域131が基板101側に配置されていることで、光は垂直方向(図1に示す第1方向X)に広がる。光は第1端面121s1から出射する。このようにして、光は、当該スポットサイズ変換器100を備えた半導体装置の外部に出射される。
<作用効果>
本開示に従ったスポットサイズ変換器100は、コア層120と、クラッド層110とを備える。クラッド層110は、コア層120を囲む。コア層120は第1コア層121を含む。クラッド層110の屈折率は、第1コア層121の屈折率よりも低い。コア層120は、高屈折率領域131を含む。高屈折率領域131は、第1コア層121の屈折率よりも高い屈折率を有する。
このようにすることで、コア層120内を伝搬する光は、高屈折率領域131が配置されている方向に広がる。特に、第1方向Xにおける高屈折率領域131の配置箇所を適宜変更することで、スポットサイズを垂直方向(図1に示す第1方向X)に調整できる。
上記スポットサイズ変換器100は、基板101をさらに備える。基板101は、クラッド層110に接続されている。基板101からコア層120を見た方向を第1方向Xとする。高屈折率領域131は、コア層120の第1方向Xにおける厚みの中心よりも、基板101側に配置されている。このようにすることで、光は垂直方向に広がる。垂直方向に広がった光は、基板101側に染み出すことができる。
上記スポットサイズ変換器100において、高屈折率領域131は、第1高屈折領域131aと第2高屈折領域131bとを含む。第2方向Yにおいて、第1高屈折領域131aは第2高屈折領域131bよりも第2端面121s2から遠い。第2方向Yに対して垂直な方向(第3方向Z)における第2高屈折領域131bの幅は第1高屈折領域131aの幅よりも小さい。このようにすることで、光の伝搬する方向に沿ってスポットサイズは断熱的に拡大する。その結果、効率的にスポットサイズは拡大される。
図21は、比較例1に係るスポットサイズ変換器300の斜視図である。図21は、図1に対応する。図21に示されたスポットサイズ変換器300は、基本的には図1から図4に示されたスポットサイズ変換器300と同様の構成を備えるが、コア層120が高屈折率領域131を含まない点で異なる。図22は、第1端面121s1における垂直方向の光の強度を示す分布図である。当該分布図は、近視野像(NFP:Near Field Pattern)における光の強度分布を示す。図22における実線は実施例1における光の強度分布を示す。実施例1は、基本的に本実施の形態1に係るスポットサイズ変換器100と同様の構成を備える。図22において、点線は比較例1における光の強度分布を示す。図22において、横軸は垂直方向のコア層の高さを示し、具体的には第1下部クラッド層111からの距離(単位:μm)を示している。図22において、縦軸は垂直方向における光の相対的な強度(単位:-)を示す。なお、図22の横軸において、第1下部クラッド層111がコア層120と接続されている面を基準(=0μm)としている。第1下部クラッド層111からみて第1上部クラッド層113がある方向が横軸の正の方向である。一方、第1下部クラッド層111からみて基板101がある方向が横軸の負の方向である。図22に示される分布図は、第1方向X(垂直方向)における光の強度が最も大きい値で規格化されている。
図22から分かるように、光の強度が0.5となる第1下部クラッド層111からの距離は2点ある。当該2点における第1下部クラッド層111からの距離の差が半値幅となる。比較例1における半値幅は、1.87μmである。実施例1における半値幅は、2.13μmである。つまり、実施例1における半値幅は、比較例1における半値幅より大きい。以上の結果より、コア層120は高屈折率領域131を含むことで、第1方向Xにおおけるスポットサイズが大きくなったことが分かる。
実施の形態2.
<スポットサイズ変換器の構造>
図23は、実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200の斜視図である。図23は、図1に対応する。図24は、実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200の平面図である。図24は、図2に対応する。図25は、図24の線分XXV-XXVに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。図25は、図3に対応する。図26は、図24の線分XXVI-XXVIに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。図26は、図4に対応する。なお、図23および図24において、高屈折率領域231および第2コア層241の境界線を点線で示している。
図23から図26に示されたスポットサイズ変換器200は、基本的には図1から図4に示されたスポットサイズ変換器100と同様の構成を備えるが、コア層220は、高屈折率領域231とは別に、他のコア層220の領域よりも高い屈折率を有する領域を含む点で異なる。具体的には、コア層220は、第1コア層221と第2コア層241とを含む。第1コア層221は、実施の形態1のコア層220に対応する。第2コア層241の屈折率n2bは第1コア層221の屈折率n1bよりも高い。このようにすることで、光は、低損失に第2コア層241内を伝搬する。
特に、第2コア層241の屈折率n2bは高屈折率領域231の屈折率n3bよりも高い方がより好ましい。第1コア層221の屈折率をn1bとする。第2コア層241の屈折率をn2bとする。高屈折率領域231の屈折率をn3bとする。クラッド層250の屈折率をn4bとする。スポットサイズ変換器200は、n2b>n3b>n1b>n4bという関係を満たす。このようにすれば、光は効率よく第2コア層241から第1コア層221に伝搬することができる。
なお、説明の便宜上、図24に示されるように、平面視において高屈折率領域231が配置されていない第2方向Yにおける領域を第1領域281とする。具体的には、第1領域281は、第1端面221s1から高屈折率領域231の先端部231tまでの第2方向Yにおける領域である。一方、高屈折率領域231が配置されている第2方向Yにおける領域を第2領域282する。具体的には、第2領域282は、第1端面221s1から高屈折率領域231の先端部231tまでの第2方向Yにおける領域である。
図23および図24に示されるように、第2コア層241は、第3方向Zにおいて、コア層220の中心に配置されている。また、第2コア層241は、第2方向Yにおいて第2端面221s2から高屈折率領域231と重なる領域まで延在している。具体的には、図24に示されるように、平面視において、第2コア層241は第2端面221s2から第2領域282にまで延在している。このようにして、高屈折率領域231が配置されている第2方向Yにおける領域に、第2コア層241の一部が配置されている。平面視において、第1領域281における第2コア層241の形状は四角形である。具体的には、第1領域281において、第3方向Zにおける第2コア層241の幅は一律である。なお、第1領域281において、第2コア層241の第3方向Zにおける幅は、第2領域282での第1コア層221の第3方向Zにおける幅よりも小さい。
平面視において、第2領域282における第2コア層241の形状は三角形である。第2領域282において、第2コア層241の第3方向Zにおける幅は、第1端面221s1に向かって徐々に小さくなる。具体的には、第2コア層241は、第1コア領域241aと、第2コア領域241bとを含む。第2方向Yにおいて、第2コア領域241bは、第1コア領域241aよりも第2端面221s2から遠い。第3方向Zにおける、第2コア領域241bの幅は、第1コア領域241aの幅よりも小さい。第2領域282において、第2コア層241は先端部241tを有する。第2コア層241において、先端部241tは第2方向Yにおいて最も第1端面221s1に近い位置に配置されている。第2領域282において、第2コア層241の底辺は第1領域281と第2領域282との境界283に配置されている。第2コア層241の底辺の両端から先端部241tを結ぶ辺は、直線である。このように、平面視において、第2コア層241の形状は、四角形と三角形とを組み合わせた五角形である。
このようにすることで、第2コア層241内を伝搬してきた光が第1端面221s1に近づくに伴い、第2コア層241は、当該光を閉じ込められなくなる。光は、徐々に第2コア層241から第1コア層221に染み出る。第2コア層241の第3方向Zにおける幅が十分小さくなると、光の全ては第2コア層241から第1コア層221に移行する。
なお、平面視において、第2コア層241の形状は、必ずしも、五角形である必要はない。平面視において、第2コア層241の形状は、任意の形状を採用し得る。第2コア層241の形状は、三角形あるいは四角形などの多角形であってもよい。たとえば、平面視において、第2コア層241の底辺の両端と先端部241tとを結ぶ辺は、曲線であってもよい。
図25に示されるように、高屈折率領域231は、第1方向Xにおいて第2コア層241よりも基板201に近い位置に配置されていてもよい。具体的には、第1方向Xにおいて、第2コア層241は高屈折率領域231および第1上部クラッド層251に挟まれた位置に配置されていてもよい。このようにすることで、第2コア層241から染み出た光は垂直方向(図25に示される第1方向X)に広がる。
平面視において、高屈折率領域231は任意の形状を採用し得る。本実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200における高屈折率領域231の形状は、図24に示されるように、四角形と2つの三角形とを組み合わせた形状である。具体的には、高屈折率領域231は第1端面221s1から第1領域281と第2領域282との境界283まで延在している。平面視において、高屈折率領域231における四角形の部分は第2方向Yにおいて第1端面221s1側に配置されている。第2方向Yにおいて、高屈折率領域231における四角形の部分は、第1端面221s1と高屈折率領域231における三角形の部分との間に配置されている。第1端面221s1から高屈折率領域231における三角形の部分が配置されている領域まで、高屈折率領域231における四角形の部分の第3方向Zにおける幅は一律である。高屈折率領域231における四角形の部分の第3方向Zにおける幅は、第1コア層221の第3方向Zにおける幅と一致している。
高屈折率領域231における三角形の部分は、第1領域281と第2領域282との境界283と、高屈折率領域231における四角形の部分との間に配置されている。高屈折率領域231における三角形の部分の第3方向Zにおける幅は、高屈折率領域231における四角形の部分から第2端面221s2に向かって徐々に小さくなっている。具体的には、高屈折率領域231における三角形の部分は、第1高屈折領域231aと、第2高屈折領域231bとを含む。第2方向Yにおいて、第1高屈折領域231aは、第2高屈折領域231bよりも第2端面221s2から遠い。第3方向Zにおける、第2高屈折領域231bの幅は、第1高屈折領域231aの幅よりも小さい。なお、図24に示されるように、高屈折率領域231における三角形の部分が第3方向Zに2つ並んでいる場合、高屈折率領域231の幅は、二つの三角形の部分の各々の第3方向Zにおける幅の総和である。高屈折率領域231における三角形の部分は先端部231tを有する。先端部231tは第1領域281と第2領域282との境界283に配置されている。高屈折率領域231における三角形の部分の底辺にて、高屈折率領域231における三角形の部分と高屈折率領域231における四角形の部分とが接続されている。高屈折率領域231における三角形の部分の底辺の両端と先端部231tとを結ぶ辺は直線である。高屈折率領域231における三角形の部分の底辺の両端と先端部231tとを結ぶ辺は曲線であってもよい。
図24に示されるように、平面視において、第2コア層241の先端部241tは、高屈折率領域231における2つの三角形の部分が接続している点p1と同じ位置に配置されている。具体的には、高屈折率領域231における2つの三角形の部分は、第1コア層221の第3方向Zにおける幅の中心から、同じ距離だけ互いに離れている。つまり、点p1は第1コア層221の第3方向Zにおける幅の中心に配置されている。第2コア層241の先端部241tは、第3方向Zにおいて、第1コア層221の第3方向Zにおける幅の中心に配置されている。第2方向Yにおいて、高屈折率領域231における三角形の部分の底辺が配置されている位置に、第2コア層241の先端部241tが配置されている。
第1領域281におけるコア層220の機能は、第2領域282におけるコア層220の機能と異なる。第2コア層241の屈折率n2bは、第1コア層221の屈折率n1bより高い。そのため、第1領域281において、第2コア層241に接続している第1コア層221は、第2コア層241にとってクラッド層として機能する。
<スポットサイズ変換器の製造方法>
図27は、実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200の製造方法のフローチャートである。図28から図53は、図27に示された実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200の製造方法を説明するための断面図または平面図である。図27および図28に示されるように、本実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200の製造方法では、まず基板201を準備する工程(S1b)を実施する。基板201は、たとえば、InP(インジウムリン)基板201であってもよい。基板201の導電型はp型でもよい。基板201の導電型はn型でもよい。基板201は半絶縁性基板であってもよい。
次に、クラッド層250を形成する工程(S2b)を実施する。この工程(S2b)では、図29に示されるように、第1下部クラッド層253を基板201上に形成する。第1下部クラッド層253は、有機金属気相成長法等の結晶成長方法によって形成される。第1下部クラッド層253を構成する材料は、後述するように第1コア層221の屈折率n1bよりも低い屈折率を有する材料である。第1下部クラッド層253を構成する材料は、コア層220と格子整合する材料であればよく、たとえば、InPあるいはInGaAsPであってもよい。
後述するように、第1コア層221内を伝搬する光は第1下部クラッド層253に染み出してよい。このとき、第1下部クラッド層253の屈折率と第1コア層221の屈折率n1bとの差が、第1上部クラッド層251若しくは第1側部クラッド層252の屈折率とコア層220の屈折率n1bとの差よりも小さくすることで、コア層220内を伝搬する光は第1下部クラッド層221に染み出すことができる。
次に、コア層220を形成する工程(S3b)を実施する。この工程(S3b)では、図30に示されるように、コア層220を構成する第1コア層221を第1下部クラッド層253上に形成する。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて第1コア層221が形成されてもよい。第1コア層221を構成する材料は、たとえば、InPであってもよい。光の吸収の観点から、InPで構成されている第1コア層221はアンドープであることが好ましい。第1コア層221は、半絶縁性であってもよい。第1コア層221の材料は、InGaAsP、AlGaInAs、あるいはInGaAsであってもよい。第1コア層221を構成する材料は、n型InPあるはp型InPであってもよい。第1コア層221は、単一の材料のみで構成されてもよい。第1コア層221は、屈折率が各々異なる複数の材料で構成されてもよい。なお、第1下部クラッド層253および第1コア層221を構成する材料は、同一の材料であってもよい。つまり、第1下部クラッド層253および第1コア層221は、有機金属気相成長法によって同時に形成されてもよい。ただし、第1領域281における第1コア層221は第2領域282における第1コア層221と機能が異なる。つまり、第1領域281における第1コア層221は第2コア層241(図23参照)に対するクラッド層として機能する。第2領域282における第1コア層221は第2コア層241から染み出した光を伝搬させるコア層として機能する。
次に、高屈折率領域231を形成する工程(S4b)を実施する。この工程(S4b)では、図31に示されるように、高屈折率領域231を第1コア層221上に形成する。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法方法を用いて高屈折率領域231が形成されてもよい。高屈折率領域231を構成する材料は、第1コア層221の屈折率n1bよりも高い屈折率n3bを有する材料である。第1コア層221を構成する材料がアンドープのInPである場合、高屈折率領域231を構成する材料は、たとえば、InGaAsP、AlGaInAs、あるいはInGaAsであってもよい。第1コア層221を構成する材料がn型InPである場合、高屈折率領域231を構成する材料は、たとえば、アンドープのInP、半絶縁性InP、p型InPであってもよい。このようにすれば、プラズマ効果を利用することができる。屈折率が各々異なる複数の材料で第1コア層221が構成されている場合、高屈折率領域231の屈折率n3bが、第1コア層221の実効屈折率n1aよりも高くなるように材料を選定する必要がある。このようにして、基板201上に、第1下部クラッド層253、第1コア層221、高屈折率領域231が順に有機金属気相成長法によって形成されてもよい。
次に、エッチングする工程(S5b)を実施する。この工程(S5b)では、図32に示されるように、第1加工用マスク261を高屈折率領域231上に形成する。第1加工用マスク261は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜のいずれかである。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。図33に示されるように、第1加工用マスク261は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングされてもよい。図33に示されるように、平面視において、第1加工用マスク261の形状は三角形と四角形を組み合わせた形状であってもよい。平面視において、第1加工用マスク261における三角形の部分の、底辺の両端から先端部までを接続する辺は曲線であってもよい。たとえば、平面視において、第1加工用マスク261の形状は四角形でもよい。具体的には、第1加工用マスク261の第3方向Zにおける幅は、第1端面221s1(図24参照)から第2端面221s2(図24参照)までにおいて一律に第1コア層221の幅と同じであってもよい。
次に、第1加工用マスク261をマスクとして用いて、高屈折率領域231をドライエッチングする。具体的には、平面視において第1加工用マスク261が配置されている領域における高屈折率領域231はエッチングされない。一方、平面視において第1加工用マスク261が配置されていない領域における高屈折率領域231はエッチングされる。その結果、図34および図35に示されるように、第1コア層221の一部が露出するように高屈折率領域231のみがエッチングされる。この時、第1方向Xにおいて第1コア層221の一部がエッチングされてもよい。エッチングは、ウェットエッチングでもよい。高屈折率領域231をエッチングした後は、ウェットエッチングにより第1加工用マスク261を除去する。このようにして、所望の形状の高屈折率領域231を形成する。
次に、コア層220を形成する工程(S6b)を実施する。この工程(S6b)では、図36および図37に示されるように、第1コア層221を高屈折率領域231および第1コア層221の一部上に形成する。図37は、図36の線分XXXVII-XXXVIIに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて第1コア層221が形成されてもよい。
次に、図38に示されるように、第2コア層241を第1コア層221上に形成する。第2コア層241を構成する材料は、第1コア層221の屈折率n1bよりも高い屈折率n2bを有する材料である。第2コア層241を構成する材料は、高屈折率領域231の屈折率n3bよりも高い屈折率n2bを有する材料であることがより好ましい。屈折率が各々異なる複数の材料で第2コア層241が構成されている場合、第2コア層241の実効屈折率n2bが、第1コア層221および高屈折率領域231の実効屈折率よりも高くなるように、上記複数の材料が選定されることが好ましい。第2コア層241を構成する材料は、たとえば、InGaAsPあるいはAlGaInAs等であってもよい。
次に、図39に示されるように、第1コア層221を第2コア層241上に形成する。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて第1コア層221が形成されてもよい。このとき、第1領域281における第1コア層221は第2上部クラッド層213として形成される。
次に、エッチングする工程(S7b)を実施する。この工程(S7b)では、図40に示されるように、第2加工用マスク262を第1コア層221上に形成する。第2加工用マスク262は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜のいずれかである。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。第2加工用マスク262は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングされる。図40に示されるように、平面視において、第2加工用マスク262の形状はたとえば五角形である。第2加工用マスク262は、第2端面221s2から第2領域282にまで延在するように形成される。第3方向Zにおいて第1コア層221の幅の中心に第2加工用マスク262が形成される。第2加工用マスク262の第3方向Zにおける幅は、コア層220の幅より小さい。
次に、第1コア層221および第2コア層241をドライエッチングする。具体的には、平面視において第2加工用マスク262が配置されている領域における第1コア層221および第2コア層241はエッチングされない。一方、平面視において第2加工用マスク262が配置されていない領域における第1コア層221および第2コア層241がエッチングされる。このドライエッチング工程では、第1方向Xにおける第2コア層241と高屈折率領域231との間の位置まで、第1コア層221がエッチングされる。つまり、図41および図42に示されるように、第1コア層221(第2領域282における第1コア層221および第1領域281において第2下部クラッド層211としての機能を有する第1コア層221の部分)の一部が露出するように、第1コア層221が第1方向Xにエッチングされてもよい。図42は、図41の線分XLII-XLIIに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。図42に示されるように、第2コア層241の側面は露出している。高屈折率領域231は露出せず、第1コア層221によって囲まれている。エッチングは、ウェットエッチングでもよいが、コア層220の形状を制御する観点から、ドライエッチングが好ましい。このようにして図43に示されるように、所望の形状のリッジ構造の光導波路が形成される。
次に、コア層220を形成する工程(S8b)を実施する。この工程(S8b)では、図44に示されるように、コア層220を第2下部クラッド層211上および第1コア層221上に形成する。図45は、図44の線分XLV-XLVに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。図46は、図44の線分XLVI-XLVIに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。図45に示されるように、第1コア層221は、第1方向Xにおいて、第2加工用マスク262の下面の位置まで形成されている。つまり、第1コア層221は第2コア層241を覆うように形成される。第2加工用マスク262は露出している。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて第1コア層221が形成されてもよい。このとき、図44に示されるように、第1領域281における第1コア層221は第2側部クラッド層212として形成される。第1コア層221を形成した後は、ウェットエッチングにより第2加工用マスク262を除去する。
第1領域281における第2側部クラッド層212が、半導体レーザ等の光デバイスと接続されることを考慮すると、第2側部クラッド層212は電流狭窄機能を有することが好ましい。そのため、第2側部クラッド層212は、たとえば、p型InP層、n型InP層、p型InP層の順に積層された3層構造でもよい。第2側部クラッド層212は、たとえば、p型InP層、半絶縁性InP層、n型InP層の順に積層された3層構造でもよい。第2側部クラッド層212は、半絶縁性InP層、n型InP層の順に積層された2層構造でもよい。第2側部クラッド層212は電流狭窄機能を有していれば、前述の組み合わせ以外の構造でもよい。
次に、コア層220を形成する工程(S9b)を実施する。この工程(S9b)では、図47に示されるように、第1コア層221を第2上部クラッド層213上、第2側部クラッド層212上、および第1コア層221上に形成する。第1下部クラッド層253を形成する方法と同様に、有機金属気相成長法を用いて第1コア層221が形成されてもよい。このとき、図47に示されるように、第1領域281における第1コア層221は第2上部クラッド層213として形成される。
第1領域281における第2上部クラッド層213が、半導体レーザ等の光デバイスと結合されることを考慮すると、この工程(S9b)で形成される第1コア層221の上面は、第2上部クラッド層213、および電極とオーミック接合するための低抵抗なコンタクト層になる場合が考えられる。コンタクト層の形成材料には、例えばInGaAs等の吸収係数が大きい材料が用いられる。そのため、コンタクト層が導波路上にあることは、伝搬する光にとっては損失となる。コンタクト層を形成後、選択的にスポットサイズ変換器200のコンタクト層のみをエッチングしてもよい。コンタクト層を構成する材料としてInGaAsが用いられる場合、たとえば、酒石酸を含んだ混合溶液などを用いてウェットエッチングによって選択的にコンタクト層を除去することができる。混合溶液は、たとえば、酒石酸、過酸化水素、および水などを含んでもよい。
コア層220内の第1方向Xにおける高屈折率領域231の位置は、コア層220を形成する工程(S3b)における第1コア層221の第1方向Xの厚みと、コア層220を形成する工程(S6b)における第1コア層221の第1方向Xの厚みと、コア層220を形成する工程(S8b)における第1コア層221の第1方向Xの厚みと、コア層220を形成する工程(S9b)における第1コア層221の第1方向Xの厚みとによって決定される。
たとえば、コア層220を形成する工程(S3b)において、第1コア層221を第1方向Xにおいて1μm形成する。高屈折率領域231を形成する工程(S4b)において、高屈折率領域231を第1方向Xにおいて100nm形成する。コア層220を形成する工程(S6b)において、第1コア層221を第1方向Xにおいて1μm形成する。コア層220を形成する工程(S8b)において、第1コア層221を第1方向Xにおいて500nm形成する。コア層220を形成する工程(S9b)において、第1コア層221を第1方向Xにおいて2μm形成する。この場合、コア層220の第1方向Xにおける厚みは、4μmである。高屈折率領域231は、第1下部クラッド層253から第1方向Xに1μm離れた位置に配置される。このようにして、第1方向Xにおいて、高屈折率領域231はコア層220の第1方向Xにおける厚みの中心よりも、基板201側に配置される。
このようにして、コア層220内の第1方向Xにおける高屈折率領域231の位置は容易に制御でできる。
次に、エッチングする工程(S10b)を実施する。この工程(S10b)では、図48および図49に示されるように、第3加工用マスク263を第1コア層221上に形成する。図49は、図48の線分XLIX-XLIXに示すスポットサイズ変換器200の断面図である。第3加工用マスク263は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜のいずれかである。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。第3加工用マスク263は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングされてもよい。図48に示されるように、平面視において、第3加工用マスク263の形状は四角形である。第3加工用マスク263は、第1端面221s1から第2端面221s2まで延在するように形成される。第1コア層221の縁部が露出するように、第3方向Zにおいて第1コア層221の幅の中心に第3加工用マスク263が形成される。つまり、第3加工用マスク263の第3方向Zにおける幅は、一律に第1コア層221の幅より小さい。
次に、コア層220をドライエッチングする。具体的には、平面視において第3加工用マスク263が配置されている領域における第1コア層221はエッチングされない。一方、平面視において第3加工用マスク263が配置されていない領域における第1コア層221がエッチングされる。その結果、第1コア層221の第3方向Zにおける縁部のみがエッチングされる。この時、図50および図51に示されるように、第1下部クラッド層253の一部が露出するように、第1コア層221が第1方向Xにエッチングされてもよい。あるいは、基板201の一部が露出するように、第1コア層221および第1下部クラッド層253が第1方向Xにエッチングされてもよい。エッチングは、ウェットエッチングでもよいが、コア層220の形状を制御する観点から、ドライエッチングが好ましい。コア層220をエッチングした後は、ウェットエッチングにより第3加工用マスク263を除去する。このようにして、図51に示されるように、所望の形状のメサ構造254の光導波路が形成される。
次に、クラッド層250を形成する工程(S11b)を実施する。この工程(S11b)では、図52および図53に示されるように、クラッド層250(図23参照)をコア層220上および露出した第1下部クラッド層253の一部上に形成する。具体的には、図53に示されるように、第1コア層221上に第1上部クラッド層251が形成される。第1下部クラッド層253上に一対の第1側部クラッド層252が形成される。コア層220を挟むように一対の第1側部クラッド層252は配置される。クラッド層250の構成要素である第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252を構成する材料は、コア層220の屈折率n1b、n2bよりも低い屈折率n4bを有する材料であってもよい。コア層220を構成する材料がInPである場合、第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252を構成する材料は、たとえば、SiO2膜およびSiN膜の少なくともいずれかであってもよい。SiO2膜あるいはSiN膜の成膜方法は、たとえば、化学気相成長法である。コア層220を構成する材料がInGaAsPおよびAlGaInAsの少なくともいずれかである場合、第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252を構成する材料は、InPであってもよい。InPの成膜方法は、たとえば、有機金属気相成長法である。
コア層220は、当該コア層220の屈折率よりも低い屈折率を有する媒体と接していればよい。そのため、第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252の少なくともいずれかは空気であってもよい。つまり、コア層220の側面221s3は露出してもよい。この場合、エッチングする工程(S7a)を実施した後は、メサ構造254の保護膜としてSiO2膜を形成してもよいが、何も形成しなくてもよい。
第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252の屈折率は、第1下部クラッド層253の屈折率よりも小さくてもよい。こうすることで、コア層220内を伝搬する光は、第1上部クラッド層251および第2側部クラッド層212に染み出すことなく、基板201に染み出すことができる。このように、第1上部クラッド層251および第1側部クラッド層252を構成する材料としては、第1下部クラッド層253と異なる材料を採用してもよい。
このようにして、図23から図26に示されるような、スポットサイズを垂直方向に制御可能なスポットサイズ変換器200を得ることができる。
<動作>
次に、スポットサイズ変換器200の動作について説明する。
スポットサイズ変換器200は、光源あるいは変調器などの光デバイスと接続される。ここでは、光源である半導体レーザにスポットサイズ変換器200が接続されている場合を想定する。半導体レーザは、たとえば埋め込みヘテロ構造(Buried Hetero Structure)を有している。埋め込みヘテロ構造は、当該半導体レーザの活性層(コア層)を上下からバンドギャップの異なる材料で挟み、かつ、当該半導体レーザの活性層を側面からバンドギャップの異なる電流狭窄機能を有する層で挟む構造である。スポットサイズ変換器200は、第2端面221s2にて半導体レーザと接続される。光は半導体レーザから伝搬してくる。光は第2コア層241に入射する。第2コア層241は、半導体レーザと同様に、埋め込みヘテロ構造を有する。したがって、半導体レーザから伝搬してきた光は伝搬モードが極力変化することなく、第2コア層241に伝搬する。その結果、低損失に光が第2コア層241に伝搬する。第2コア層241は、当該第2コア層241の屈折率n2bより低い屈折率n1bを有する第2上部クラッド層213、第2側部クラッド層212、および第2下部クラッド層211(第1コア層221に該当)に囲まれている。そのため、光は、第1領域281において第2コア層241に閉じ込められる。
第2コア層241内において、光が第2領域282に到達する。第2領域282において、第2コア層241の第3方向Zにおける幅は、第1端面221s1に向かって徐々に小さくなる。そのため、第2コア層241内を伝搬してきた光が第1端面221s1に近づくに伴い、第2コア層241は当該光を閉じ込められなくなる。光は、徐々に第2コア層241から第1コア層221に染み出す。第2コア層241の第3方向Zにおける幅が十分小さくなると、光のすべては第2コア層241から第1コア層221に移行する。
光は、第2方向Yに沿って第1コア層221内を伝搬する。光は高屈折率領域231が配置されている方向に広がる。特に、高屈折率領域231が基板201側に配置されていることで、光は垂直方向(図23に示す第1方向X)に広がる。光は第1端面221s1から出射する。このようにして、光は当該スポットサイズ変換器200を備えた半導体装置の外部に出射される。
<作用効果>
上記スポットサイズ変換器200において、コア層220は、第2コア層241を含む。第2コア層241の屈折率n2bは第1コア層221の屈折率n1bよりも高い。このようにすれば、光は、低損失に伝搬モードが変化することなく第2コア層241内を伝搬する。
上記スポットサイズ変換器200において、高屈折率領域231は、第1方向Xにおいて第2コア層241よりも基板201側に近い位置に配置されている。このようにすれば、第2コア層241から染み出た光は垂直方向(第1方向X)に広がる。
上記スポットサイズ変換器200において、コア層220は、第1端面221s1と第2端面221s2とを有する。第2端面221s2から第1端面221s1を見た方向を第2方向Yとする。高屈折率領域231が配置されている第2方向Yにおける領域に、第2コア層241の一部が配置される。第2コア層241は、第1コア領域241aと第2コア領域241bとを含む。第2方向Yにおいて、第2コア領域241bは第1コア領域241aよりも第2端面221s2から遠い。第2方向Yに対して垂直な方向における、第2コア領域241bの幅は、第1コア領域241aの幅よりも小さい。
このようにすれば、第2コア層241内を伝搬してきた光が第1端面221s1に近づくに伴い、第2コア層241は、当該光を閉じ込められなくなる。光は、徐々に第2コア層241から第1コア層221に染み出していくことができる。第2コア層241の第3方向Zにおける幅が十分小さくなると、光のすべては第2コア層241から第1コア層221に移行することができる。
上記スポットサイズ変換器200において、第1コア層221の屈折率をn1bとする。第2コア層241の屈折率をn2bとする。高屈折率領域231の屈折率をn3bとする。クラッド層250の屈折率をn4bとする。スポットサイズ変換器200は、n2b>n3b>n1b>n4bという関係を満たす。このようにすれば、光は効率よく第2コア層241から第1コア層221に伝搬することができる。
図54は、比較例2に係るスポットサイズ変換器400の斜視図である。図54は、図23に対応する。図54に示されたスポットサイズ変換器400は、基本的には図23から図26に示されたスポットサイズ変換器200と同様の構成を備えるが、コア層220が高屈折率領域231を含まない点で異なる。図55は、第1端面221s1における垂直方向の光の強度を示す分布図である。図55は図22に対応する。図55において、実線は実施例2における光の強度分布を示す。実施例2は、基本的に本実施の形態2に係るスポットサイズ変換器200と同様の構成を備える。図55において、点線は比較例2における光の強度分布を示す。図55において、横軸は垂直方向のコア層の高さを示し、具体的には第1下部クラッド層253からの距離(単位:μm)を示している。図55において、縦軸は垂直方向における光の相対的な強度(単位:-)を示す。なお、図55の横軸において、第1下部クラッド層253が第1コア層221と接続されている面を基準(=0μm)としている。第1下部クラッド層253からみて第1コア層221がある方向が横軸の正の方向である。一方、第1下部クラッド層253からみて基板201がある方向が横軸の負の方向である。図55に示される分布図は、第1方向X(垂直方向)における光の強度が最も大きい値で規格化されている。
図55から分かるように、比較例2における半値幅は、2.67μmである。実施例2における半値幅は、3.37μmである。つまり、実施例2における半値幅は、比較例2における半値幅より大きい。以上の結果より、コア層220が高屈折率領域231を含むことで、スポットサイズが大きくなったことが分かる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の基本的な範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。