JP2007256510A - 導波路型偏波分離・合成器 - Google Patents

導波路型偏波分離・合成器 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時の複屈折の誤差を補正可能な複屈折調整手段を備えた導波路型偏波分離・合成器を提供する。
【解決手段】導波路型偏波分離・合成器1は、アーム5、6のそれぞれに幅w1の導波路11と幅w2の導波路12が具備されており、それぞれの導波路には別の熱光学位相シフタ13、14を備えている。前記別の熱光学位相シフタ13、14は、複屈折を調整することを目的とした複屈折調整用熱光学位相シフタである。複屈折調整用熱光学位相シフタ13、14に対しては、その近傍に応力開放溝を設けることはせず、位相シフト量の偏波依存性が大きくなるような構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、MZ(マッハツェンダ)干渉計の2本のアーム間で位相調整を行うことにより偏波分離/合成を行う導波路型偏波分離・合成器に関するものである。
MZ干渉計を用いた導波路型偏波分離・合成器については既に知られており、例えば特許文献1と非特許文献1に記載されている。特許文献1及び非特許文献1に記載の導波路型偏波分離・合成器は、MZ干渉計の2本のアームの少なくとも一部に幅の異なる導波路を設け、これにより各導波路の複屈折に差を発生させることで偏波分離/合成を実現している。
上記のような導波路型偏波分離・合成器における偏波分離条件は,2本のアームを構成する導波路のうち幅w1及び幅w2の導波路部分を除いて2本のアーム間で等しい光路長を有するとき,TM偏波をクロスポートへ出力させるためには,
nTE(w1)*L(w1)-nTE(w2)*L(w2)=+/-λ/2 (式1)
nTM(w1)*L(w1)-nTM(w2)*L(w2)=0 (式2)
を満たす必要がある。ここで、
nTE(w1),nTM(w1):幅w1の導波路での各々TE、TMモードの等価屈折率
nTE(w2),nTM(w2):幅w2の導波路での各々TE、TMモードの等価屈折率
L(w1),L(w2):それぞれ幅w1,w2の導波路の長さ
λ:波長
である。
前記2本のアームのそれぞれに設けられた導波路の幅w1,w2と、幅w1の導波路の長さL(w1)、及び幅w2の導波路の長さL(w2)は、上記の(式1)と(式2)を同時に満たすように決定される。
また,非特許文献2には,MZ干渉計を用いた導波路型偏波分離・合成器を2段縦列接続した例が記載されている。前記導波路型偏波分離・合成器を2段縦列接続することにより、高消光比化及び広帯域化を実現しており,これを偏波ダイバーシティ回路に応用している。
MZ干渉計の両アームのそれぞれに幅W0の導波路を同じ長さだけ追加し,そこに位相調整用の熱光学位相シフタを備えた従来の導波路型偏波分離・合成器では、例えば幅w2の導波路が形成されている一方のアーム上の前記熱光学位相シフタを駆動して屈折率をΔnTE及びΔnTMだけ変化させることにより,(式1)、(式2)を下記(式1)’,(式2)’のように書き換えることができ,位相を微調整することができる。
nTE(w1)*L(w1)-{nTE(w2)*L(w2)+ ΔnTE(w0)*L(w0)}= +/-λ/2 (式1)’
nTM(w1)*L(w1)-{nTM(w2)*L(w2) + ΔnTM(w0)*L(w0)}=0 (式2)’
すなわち、上記従来の導波路型偏波分離・合成器では、一方のアーム上の前記熱光学位相シフタを駆動することで光路長を微調整することができ、これにより前記2本の導波路間の複屈折の差を微調整することが可能となる。
特開2005−10805号 Y. Hashizume, R. Kasahara, T. Saida, Y. Inoue and M. Okuno, "Integrated polarization beam splitter using waveguide birefringence dependence on waveguide core width", Electronics Letters 6,Dec,2001,Vol.37,No.25,P.1517. 松原他,MOC2005予稿 C2 "Silica-based PLC-type polarization beam splitter with >30dB high extinction ratio over 75nm band width".
しかしながら、上記従来の導波路型偏波分離・合成器では、以下のような問題があった。特許文献1及び非特許文献1に記載の導波路型偏波分離・合成器は、位相調整などの手段を持たないパッシブな回路としているため,製造誤差等により特性がずれていた場合には,これを製造後に調整することができないという問題があった。
また、熱光学位相シフタを備えた従来の導波路型偏波分離・合成器では、前記位相シフタによる位相シフトの偏波依存性が小さいため,ΔnTE(w0)とnTM(w0)とがほぼ同じ大きさだけシフトしてしまう。その結果、上記の(式1)’及び(式2)’の各々の左辺がほぼ同じ大きさだけ変化することになる。
上記の通り、前記位相シフタによる位相シフトの偏波依存性が小さいため、(式1)’及び(式2)’の各々のズレ量が等しい場合(前記両アーム間の位相差がずれた場合に相当)には、前記位相シフタでそのずれ量を補正することが可能なものの,(式1)’及び(式2)’の各々のズレ量が異なる場合(複屈折が設計からずれた場合に相当)には,(式1)’及び(式2)’の両方を満たすような位相シフトを行うことができないといった問題があった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、製造時の複屈折の誤差を補正可能な複屈折調整手段を備えた導波路型偏波分離・合成器を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、MZ干渉計の2本のアームの少なくとも一部に幅の異なる導波路を設け、前記2本のアーム間で複屈折に差を生じさせることにより偏波分離/合成を行う導波路型偏波分離・合成器であって,前記アーム上に複屈折調整手段を備え、前記2本のアーム間の複屈折の所定値からのずれを前記複屈折調整手段で補正することを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第2の態様は、前記複屈折調整手段を前記幅の異なる導波路の位置に設けることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第3の態様は、前記複屈折調整手段を前記幅の異なる導波路を有しない側のアーム上にさらに設けることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第4の態様は、前記複屈折調整手段が複屈折調整用位相シフタであることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第5の態様は、前記複屈折調整手段が薄膜ヒータを備えた複屈折調整用熱光学位相シフタであることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第6の態様は、前記2本のアームの少なくとも一方に位相調整用熱光学位相シフタをさらに備えることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第7の態様は、前記複屈折調整手段を一方のアーム上に設け、前記位相調整用熱光学位相シフタを他方のアーム上に設けることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第8の態様は、前記複屈折調整手段が、前記位相調整用熱光学位相シフタよりも大きな位相シフト量の偏波依存性を有することを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第9の態様は、前記位相調整用熱光学位相シフタの近傍にのみ応力開放溝を設けることを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第10の態様は、前記幅の異なる導波路の前後にテーパー導波路を設けて前記アームと接続することを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
この発明の第11の態様は、前記幅の異なる導波路を備えない側のアーム上に前記テーパー導波路のみを接続することを特徴とする導波路型偏波分離・合成器である。
以上説明したように本発明によれば、MZ干渉計のアーム上に複屈折調整手段を備えることにより、製造時の複屈折の誤差を補正することが可能な導波路型偏波分離・合成器を提供することができる。
本発明の導波路型偏波分離・合成器によれば、製造時に生じた複屈折のずれを前記複屈折調整手段を用いて補正することが可能となることから、偏波消光比を高めたり波長帯域を拡げることが容易に行えるといった優れた効果が得られる。
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における導波路型偏波分離・合成器の構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の導波路型偏波分離・合成器は、MZ干渉計の2本のアームの少なくとも一部に幅の異なる導波路を設けることで複屈折に差を生じさせ、これにより偏波分離/合成を行う導波路型の偏波分離・合成器であって、複屈折調整手段を前記幅の異なる導波路上に形成することで、複屈折の製造誤差等を補正することが可能となっている。
図1は、本発明の実施の形態に係る導波路型偏波分離・合成器の構成を示す模式図である。図1に示す本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1は,カプラ3、4と2本のアーム(導波路)5、6からなるMZ干渉計2に位相調整用熱光学位相シフタ7、8が備えられており、この位相調整用熱光学位相シフタ7、8を挟むように応力開放溝9が設けられている。この応力開放溝9は、クラッド層10をエッチングで除去することで形成することができる。
位相調整用熱光学位相シフタ7、8は図示しない薄膜ヒータと給電用配線で構成されており、その近傍に応力開放溝9を設けることにより、前記薄膜ヒータを加熱した時の応力誘起複屈折を抑制することができ、これにより位相シフト量の偏波依存性が低減されるといった効果がある。
本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1は、上記構成に加えて、アーム5、6のそれぞれに幅w1の導波路11と幅w2の導波路12が具備されており、それぞれの導波路には別の熱光学位相シフタ13、14が備えられた構成としている。いずれか一方の導波路の幅、例えば導波路11の幅w1を、導波路12以外のアーム5、6の導波路の幅と同じにすることができる。
前記別の熱光学位相シフタ13、14は、複屈折を調整することを目的とした複屈折調整用熱光学位相シフタであり、位相調整用熱光学位相シフタ7、8と同様に、薄膜ヒータと給電用配線で構成されている。複屈折調整用熱光学位相シフタ13、14に対しては、その近傍に応力開放溝を設けることはせず、位相シフト量の偏波依存性が大きくなるような構成としている。
導波路12の幅w2は、アーム6の導波路幅とは大きさが異なるため、導波路12の両端にテーパー導波路12aと12bを形成することで両者を接続している。また、導波路12にテーパー導波路12aと12bを設けたことによる損失をアーム5側にも持たせるために、テーパー導波路12a、12bと同等のテーパー導波路11a、11bを導波路11にも追加している。
本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1は、例えばSi基板上に形成された比屈折率差1.5%の石英系光導波路を用いて形成することができる。本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1を構成する主要部分の寸法の一例を図2に示す。
図2において、MZ干渉計2のアーム5、6を厚さ5μm、幅5μmのコアで形成し、導波路11の幅w1も前記アームと同じ5μmとすることができる。また、導波路12の幅w2を32μmとし、その長さを5000μmとすることができる。
位相調整用熱光学位相シフタ7、8については、応力開放溝9間のクラッド幅を65μm,熱光学位相シフタ7、8に用いられる薄膜ヒータの長さを5000μmとして形成することができる。また、複屈折調整用熱光学位相シフタ13、14に用いられる薄膜ヒータは、幅w2の導波路12とテーパー導波路12a、12bをカバーするように、その長さを12500μmとすることができる。
次に、本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1において、位相調整用熱光学位相シフタ7、8、または複屈折調整用熱光学位相シフタ13、14を駆動して位相シフト量を変化させたとき、TMモードの位相シフト量とTEモードの位相シフト量との差(以下では位相シフト量の偏波差という)がどのように変化するかを、図3を用いて以下に説明する。
図3は、位相シフト量の偏波差を、横軸をTEモードの位相シフト量として表示している。同図において、グラフ21は、位相調整用熱光学位相シフタ7を駆動して位相シフト量を変化させたときの位相シフト量の偏波差を示しており、グラフ22は、複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動して位相シフト量を変化させたときの位相シフト量の偏波差を示している。なお、図3に示す位相シフト量は、アーム6の光路長が長くなる方向をプラスと定義している。
図3より、位相調整用熱光学位相シフタ7を駆動して位相シフト量を変化させる場合には、1radの位相シフト量の変化に対して位相シフト量の偏波差は約0.036rad変化する。これに対し、複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動して位相シフト量を変化させる場合には、1radの位相シフト量の変化に対して位相シフト量の偏波差が約0.061rad変化することがわかる。
上記の通り、位相調整用熱光学位相シフタ7を駆動させた場合と複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動させた場合とで、位相シフト量に対する位相シフト量の偏波差の変化にかなりの差があることがわかる。
そこで、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14の2つの位相シフタを用い、それぞれの駆動量を適宜組み合わせることによって,位相シフト量と位相シフト量の偏波差を任意に設定することが可能となる。
上記のように、位相シフト量と位相シフト量の偏波差を任意に設定することが可能になると、例えば複屈折の製造誤差によりアーム5とアーム6との間で位相差にずれがある場合でも、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14とを適切に駆動させることで、上記の位相差のずれを補正することが可能となる。すなわち、前記(式1)と(式2)を同時に満たすように、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動する。
一例として、アーム5と6との間でTEモードの位相差の製造誤差が+0.5rad,偏波間の位相差の製造誤差が+0.2radあるとした場合、前記(式1)及び(式2)は次式のように変更される(位相2πradが波長λの光路長に相当する)。
nTE(w1)*L(w1)-{nTE(w2)*L(w2)+ ΔnTE(w0)*L(w0)}=λ/2*(1+0.5/π) (式1)”
nTM(w1)*L(w1)-{nTM(w2)*L(w2) + ΔnTM(w0)*L(w0)}
= λ/2*(0.5/π+0.2/π) (式2)”
そこで、前記位相差の製造誤差を補正して前記(式1)及び(式2)を満たすようにするためには、位相調整用熱光学位相シフタ7のTEモードでの位相シフト量をΦ1,複屈折調整用熱光学位相シフタ14のTEモードでの位相シフト量をΦ2としたとき、
Φ1+Φ2=-0.5 (式3)
0.036Φ1+0.061Φ2=-0.2 (式4)
を満たすように各位相シフタを駆動すればよい。
(式3)、(式4)より、Φ1=6.78rad、Φ2=-7.28radとなるように、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動することで、前記(式1)及び(式2)を同時に満たすようにすることができる。その結果、TM偏波をクロスポート16に出力させるようにすることができ、導波路型偏波分離・合成器1の良好な特性が得られる。
導波路型偏波分離・合成器1の特性を、図4〜6を用いてさらに詳細に説明する。図4〜6は、上記実施例において、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14を駆動する前後における導波路型偏波分離・合成器1の特性を評価した結果を示すグラフである。
図4〜6は、アーム5と6との間でTEモードの位相差の製造誤差が+0.5rad,偏波間の位相差の製造誤差が+0.2radあるとした上記実施例において、前記2つの位相シフタを駆動させないときと駆動させたときのスルーポート15への透過率スペクトルを示している。31はTEモードの透過率スペクトルを、また32はTMモードの透過率スペクトルをそれぞれ示している。
図4は、位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14のいずれの位相シフタも駆動させないときの特性を、図5は、TEモードに対し最適条件となるよう位相調整用熱光学位相シフタ7のみを駆動させた場合、図6は、上記(式3)及び(式4)を満たすように位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14を同時に駆動させた場合、のTEモードとTMモードの透過率を示している。
いずれの位相シフタも駆動させないで前記製造誤差を補正しない場合には、図4に示すように、波長1.55μmにおける偏波消光比(TEモードの透過率とTMモードの透過率との差)が16dB程度しかなく、偏波分離/合成を適切に行うのに必要な特性が得られていない。
また、位相調整用熱光学位相シフタ7のみを駆動させた場合には、図5に示すように、波長1.55μmにおける偏波消光比が約20dBに達しているものの,20dB以上の偏波消光比が得られる波長範囲が約0.01μm程度と非常に狭いことがわかる。
これに対し、本実施形態の位相調整用熱光学位相シフタ7と複屈折調整用熱光学位相シフタ14とを同時に駆動した場合には、図6に示すように、波長1.55μmを中心に0.015μm程度の帯域で30dB以上の消光比が得られており、さらに波長1.527から1.572μmまでの0.045μmにわたる広帯域において20dB以上の高い偏波消光比が得られることがわかる。
上記説明のように、本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1では、位相調整用熱光学位相シフタ7、8に加えて、さらに複屈折調整用熱光学位相シフタ13、14を備えるようにしたことにより、それぞれの駆動量を適切に組み合わせることで、製造誤差等による複屈折のずれを補正することが可能となり、偏波消光比を高めたり、偏波消光比の高い波長帯域を拡げることが容易に行えるようになる。
本発明の別の実施の形態に係る導波路型偏波分離・合成器を、図7を用いて以下に説明する。図7は、本発明の別の実施形態である導波路型偏波分離・合成器41の構成を示す模式図である。
図7に示す本実施形態の導波路型偏波分離・合成器41は、アーム42の側に位相調整用熱光学位相シフタ44を設け、アーム43の側には幅w2の導波路45及び複屈折調整用熱光学位相シフタ46を設けた構成としている。
位相調整用熱光学位相シフタ44は、アーム42側のテーパー導波路47を除く幅w1の導波路の一部に形成されており、応力開放溝48の間隔を図1に示す実施形態の応力開放溝9よりも狭く形成できるようにしている。
図7に示す本実施形態の導波路型偏波分離・合成器41では,応力開放溝48を有する位相調整用熱光学位相シフタ44と、応力開放溝を有しない複屈折調整用熱光学位相シフタ46とを並べて配置することが可能となる。この場合には、応力開放溝48から複屈折調整用熱光学位相シフタ46までの距離をある程度大きくとる必要があり、例えば100μm以上とするのが好ましい。これは、複屈折調整用熱光学位相シフタ46による応力が開放されないようにするためである。
上記の通り、位相調整用熱光学位相シフタ44と複屈折調整用熱光学位相シフタ46とを並べて配置することにより、導波路型偏波分離・合成器41の回路長を、図1に示す実施形態の導波路型偏波分離・合成器1の回路長よりも短くすることが可能となるといったメリットが得られる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る導波路型偏波分離・合成器の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における導波路型偏波分離・合成器の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る導波路型偏波分離・合成器の構成を示す模式図である。 図2は、本実施形態の導波路型偏波分離・合成器1を構成する主要部分の寸法の一例を示す図である。 図3は、導波路型偏波分離・合成器1において、位相シフト量を変化させたときの位相シフト量の偏波差の変化を示すグラフである。 図4は、いずれの位相シフタも駆動させないときの透過率スペクトルを示すグラフである。 図5は、位相調整用熱光学位相シフタのみを駆動させたときの透過率スペクトルを示すグラフである。 図6は、位相調整用熱光学位相シフタと複屈折調整用熱光学位相シフタを同時に駆動させたときの透過率スペクトルを示すグラフである。 図7は、図7は、本発明の別の実施形態である導波路型偏波分離・合成器41の構成を示す模式図である。
符号の説明
1、41・・・導波路型偏波分離・合成器
2・・・MZ干渉計
3,4・・・カプラ
5、6、42、43・・・アーム
7、8、44・・・位相調整用熱光学位相シフタ
9、48・・・応力開放溝
10・・・クラッド層
11、12、45・・・導波路
11a、11b、12a、12b、47・・・テーパー導波路
13、14、46・・・複屈折調整用熱光学位相シフタ
15・・・スルーポート
16・・・クロスポート
21、22・・・位相シフト量の偏波差
31、32・・・透過率スペクトル

Claims (11)

  1. MZ(マッハツェンダ)干渉計の2本のアームの少なくとも一部に幅の異なる導波路を設け、前記2本のアーム間で複屈折に差を生じさせることにより偏波分離/合成を行う導波路型偏波分離・合成器であって,
    前記アーム上に複屈折調整手段を備え、
    前記2本のアーム間の複屈折の所定値からのずれを前記複屈折調整手段で補正することを特徴とする導波路型偏波分離・合成器。
  2. 前記複屈折調整手段を、前記幅の異なる導波路の位置に設けることを特徴とする請求項1に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  3. 前記複屈折調整手段を、前記幅の異なる導波路を有しない側のアーム上にさらに設けることを特徴とする請求項2に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  4. 前記複屈折調整手段は、複屈折調整用位相シフタであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  5. 前記複屈折調整手段は、薄膜ヒータを備えた複屈折調整用熱光学位相シフタであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  6. 前記2本のアームの少なくとも一方に位相調整用熱光学位相シフタをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  7. 前記複屈折調整手段を一方のアーム上に設け、前記位相調整用熱光学位相シフタを他方のアーム上に設けることを特徴とする請求項6に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  8. 前記複屈折調整手段は、前記位相調整用熱光学位相シフタよりも大きな位相シフト量の偏波依存性を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  9. 前記位相調整用熱光学位相シフタの近傍にのみ応力開放溝を設けることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  10. 前記幅の異なる導波路の前後にテーパー導波路を設けて前記アームと接続することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の導波路型偏波分離・合成器。
  11. 前記幅の異なる導波路を備えない側のアーム上に前記テーパー導波路のみを接続することを特徴とする請求項10に記載の導波路型偏波分離・合成器。
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