JPH0749511A - 導波型光スイッチ - Google Patents

導波型光スイッチ

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Publication number
JPH0749511A
JPH0749511A JP19722593A JP19722593A JPH0749511A JP H0749511 A JPH0749511 A JP H0749511A JP 19722593 A JP19722593 A JP 19722593A JP 19722593 A JP19722593 A JP 19722593A JP H0749511 A JPH0749511 A JP H0749511A
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JP
Japan
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optical
wavelength
mach
zehnder interferometer
circuit
Prior art date
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Application number
JP19722593A
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English (en)
Inventor
Norio Takato
範夫 高戸
Akira Morinaka
彰 森中
Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光伝送路の切替えを行うための広い波長領域
において高い消光比を有しかつ製造歩留まりの高い導波
型光スイッチを提供すること。 【構成】 2入力2出力のマッハツェンダ干渉計型構成
の光スイッチング回路22,23,24を2段に従属接
続して基板21上に形成し、1段目のマッハツェンダ干
渉計型構成の光スイッチング回路22の光結合率が10
0%となる波長を1.52μmに設定し、2段目のマッ
ハツェンダ干渉計型構成の光スイッチング回路23,2
4の光結合率が100%となる波長を1.58μmに設
定して、波長1.55波長帯の導波型光スイッチを構成
し、位相シフタ22c,23c,24c全ての動作、非
動作によって出力を切替える。ここで、入力ポート1a
を用いたときには出力ポート2a,2cを使用し、入力
ポート1bを用いたときには出力ポート2b,2dを使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信分野等に用いら
れる導波型光スイッチに関するものであり、さらに詳細
には、光ファイバ伝送路あるいは送信装置等の障害時に
伝送路の切替えを行う導波型切替光スイッチに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、光スイッチは、光ファイバ通信シ
ステムにおける伝送路の障害時の切替用或いは光交換シ
ステム用と多数の分野において使用されるようになって
きている。この光スイッチとしては、ミラー、プリズム
あるいは光ファイバを動かすことにより動作させる機械
式スイッチ、平面基板上にフォトリソグラフィやエッチ
ングの技術により形成される導波路によって構成された
導波型光スイッチが開発されている。伝送路切替用スイ
ッチとしては、高速スイッチングが必要とされないた
め、機械式スイッチを使うことが可能である。
【0003】しかし、障害時切替用スイッチは、例えば
数年に一度というようにごく希にしか動作させることが
ないので、機械式スイッチを用いることは、その信頼性
が低下する点で問題がある。このため、機構部品をもた
ない高性能な導波型光スイッチの実現が期待されてい
る。
【0004】図2は、光伝送路の切替えを行うための従
来の導波型光スイッチの一構成例を示す平面図である。
ここで、基板1上に形成された方向性光結合器2及び3
は、近接した2本の光導波路4及び5から構成され、そ
の結合率はこの光スイッチを使用する光の波長で50%
になるように設定されている。さらに、方向制結合器2
と3の間を連結する2本の光導波路4及び5の各光路長
は、光導波路4の途中に位置する位相シフタ4aを動作
させない状態で同一になるように、即ち光導波路4と5
が対称になるように設定されている。
【0005】入力ポート1aから入射された信号光は、
位相シフタ4aを動作させない状態ではそのほとんどが
出力ポート2bに出射され、出力ポート2aからはほと
んど出射されない。ところが、光導波路4と5の間に1
80°の光位相に相当する光路長差、即ち約1/2波長
に相当する光路長差が生じるように位相シフタ4aを動
作させると、入力ポート1aから入力された信号光は出
力ポート2aから出射されるように切り替わり、光スイ
ッチとしての動作が達成される。
【0006】このタイプの導波型光スイッチは、マッハ
ツェンダ干渉計型とも呼ばれ、比較的簡単な位相シフタ
4aによりスイッチング作用を実現できることから、ガ
ラス光導波路を初めとする種々の光導波路材料を用いて
構成することが試みられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のマッハツェンダ干渉計型の導波型光スイッチで
は、消光比が低くかつ使用可能な波長幅が狭い。さら
に、製造歩留まりも低いという問題点があった。
【0008】これらの問題点の詳細を以下に述べる。図
3は前述した導波型光スイッチにおける消光比の波長依
存特性を示す図であり、横軸は光の波長を、また縦軸は
消光比をそれぞれ表している。図3に示す特性は1.5
5μm波長用に設計製作された光スイッチのもので、こ
の消光比の波長依存特性は光スイッチにおいて最も重要
な特性である。
【0009】図2に示した光スイッチの出力ポート2a
及び2bにおける消光比ERa 、ERb は、それぞれ次
の(1)(2)式で定義される値である。
【0010】 ERa =−10log (Pa-off /Pa-on) …(1) ERb =−10log (Pb-on/Pa-off ) …(2) ここで、Pa-off :位相シフタ非動作時の出力ポート2
aからの出力 Pa-on :位相シフタ動作時の出力ポート2aからの出
力 Pb-off :位相シフタ非道時の出力ポート2bからの出
力 Pb-on :位相シフタ動作時の出力ポート2bからの出
力 である。
【0011】また、図3において曲線aは入力ポート1
aから光を入射したときの出力ポート2aにおける消光
比の波長特性を表し、曲線bは同様に入力ポート1aか
ら光を入射したときの出力ポート2bにおける消光比の
波長特性を表している。出力ポート2a、出力ポート2
bにおける最大消光比は各々29dB、26dBであ
り、また消光比が25dB以上になる波長幅は各々90
nm、25nmである。
【0012】実際の光スイッチには30dB以上の消光
比が求められることも多い。また1.55μm波長帯の
光源も通常±30nm程度の発振波長のバラツキがある
ので、その波長幅約60nmで高い消光比が必要とされ
る。
【0013】このように、従来の導波型光スイッチで最
大消光比が30dB以下になる原因としては、例えば次
の3つが挙げられる。第1の原因としては、偏波状態に
よって方向性光結合器の結合率及び位相シフタによる位
相シフト量が僅かに変化するため、第2の原因として
は、2つの方向性光結合器の結合率が僅かに異なるた
め、第3の原因としては、方向性光結合器の間を連結す
る2本の光導波路の光路長が厳密には等しくないためで
ある。
【0014】前述した第1の原因は、導波路型光スイッ
チの本質的原因であり、また後者の2つの原因は制作精
度に起因するものであるが、これを解決するには光導波
路の寸法を0.01μm以下にする等、種々のパラメー
タを従来の1/1000の精度で製作する必要が有り、
現実的には不可能である。
【0015】また、高い消光比を得られる波長幅が限ら
れるのは、方向性光結合器の結合率に大きな波長依存性
があり、また位相シフタによる位相シフト量にも波長依
存性があるため本質的なものである。
【0016】さらに、図3に示すように最大消光比とな
る波長を使用波長1.55μmにするにも、方向性光結
合器の結合率が製作精度に敏感に影響されるため容易で
はないという問題も有していた。
【0017】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、光伝
送路の切替えを行うための広い波長領域において高い消
光比を有しかつ製造歩留まりの高い導波型光スイッチを
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、平面基板上に形成された少なくとも1つ
の入力ポートと2つ以上の出力ポートとの間に接続さ
れ、2本の干渉計光導波路の少なくとも一方に設けられ
た位相シフタを有するマッハツェンダ干渉計型構成の光
スイッチング回路を備えた導波型光スイッチにおいて、
前記入力ポートと出力ポートとの間に前記光スイッチン
グ回路を2段以上従属して接続すると共に、1段目の前
記光スイッチング回路の光結合率が100%となる波長
と、2段目以降の前記光スイッチング回路の光結合率が
100%となる波長とを異なる波長に設定してなる導波
型光スイッチを提案する。
【0019】
【作用】本発明によれば、入力ポートと出力ポートとの
間には前記マッハツェンダ干渉計型構成の光スイッチン
グ回路が2段以上従属して接続され、1段目の前記光ス
イッチング回路の光結合率が100%となる波長と、2
段目以降の前記光スイッチング回路の光結合率が100
%となる波長とが異なる波長に設定されている。これに
より、例えば前記1段目の光スイッチング回路の光結合
率が100%となる波長を使用対象波長よりも長く設定
し、前記2段目以降の光スイッチング回路の光結合率が
100%となる波長を前記使用対象波長よりも短く設定
すると、前記1段目の光スイッチング回路からは前記使
用対象波長を中心とした所定波長幅内の波長成分の光が
漏れる。該不要に漏れた光に対する前記2段目以降の光
スイッチング回路の結合率は前記使用対象波長に対する
結合率よりも低くなるが、前記2段目以降の光スイッチ
ング回路から不要に漏れる光の量は、前記1段目目及び
2段目以降の光結合率の相乗効果によりごく僅かな量と
なる。さらに、前記不要に漏れる光の量を低減可能な波
長幅は、前記1段目の光スイッチング回路と2段目以降
の光スイッチング回路における前記光結合率が100%
となる波長の差に依存したものとなり、前記使用対象波
長を中心とした所定波長幅内において不要に漏れる光の
量は低減される。
【0020】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。以下の実施例では、光導波路としてシリコン基
板上に形成した石英系単一モード光導波路を使用し、位
相シフタとしてこの石英系光導波路上に装着した熱光学
位相シフタを用いている。これは、前述した組合わせが
単一モード光ファイバとの接続性に優れ低損失の光スイ
ッチを提供できるためである。しかし、本発明は、これ
らの組合わせに限定されるものではない。
【0021】次に、本発明の第1の実施例を説明する。
図1は、本発明の導波型光スイッチの第1の実施例を示
す平面図であり、本第1の実施例は基本的な構成をなし
たものである。図において、21はシリコン基板で、基
板上には入力ポート1a,1b、出力ポート2a〜2
d、及び3個のマッハツェンダ干渉計型の光スイッチン
グ回路(以下、マッハツェンダ干渉計回路と称する)2
2,23,24が形成されている。
【0022】マッハツェンダ干渉計回路22は、2つの
方向性光結合器22a,22bと、マッハツェンダ干渉
計回路22を光スイッチング回路として動作させるため
に設けられた熱光学効果を利用した位相シフタ22cと
から構成され、位相シフタ22cは入力側の方向性光結
合器22aと出力側の方向性光結合器22bとを接続す
る2つの干渉計光導波路(以下、光導波路と称する)2
2g,22hの内の一方光導波路22hの途中に設けら
れている。
【0023】マッハツェンダ干渉計回路23,24のそ
れぞれも同様に、方向性光結合器23a,23b,24
a,24b、位相シフタ23c,24c及び干渉計光導
波路23g,23h,24g,24hによって構成され
ている。
【0024】また、マッハツェンダ干渉計回路22の2
つの入力端は入力ポート1a,1bに接続されると共
に、2つの出力端は光導波路11a,11bによってマ
ッハツェンダ干渉計回路23,24のそれぞれの一方の
入力端に接続されている。さらに、マッハツェンダ干渉
計回路23,24のそれぞれの2つの出力端は出力ポー
ト2a〜2dに接続されている。
【0025】図4の(a)(b)は、図1に示す光スイッチの
AA’線矢視方向及びBB’線矢視方向の断面を示す拡
大図である。図において、22g、22hは前述した干
渉計光導波路で、シリコン基板21上に石英系ガラス材
料により形成された石英系光導波路からなる。
【0026】光導波路22g、22hは、2箇所で互い
に近接して方向性光結合器22a、22bを形成し、こ
の2つの方向性光結合器22a,22bにより図1の平
面図に示されたマッハツェンダ干渉計回路22が構成さ
れている。光導波路22g、22hは、膜厚50μm程
度のSiO2 系ガラス層21bに埋設され、断面寸法8
μm×8μm程度であり、ガラス層21bに比べて屈折
率が0.3%程度高いSiO2 −GeO2 系ガラスコア
部で形成されている。
【0027】このような石英系光導波路は四塩化シリコ
ンや四塩化チタンの火炎加水分解反応を利用したガラス
膜堆積技術と反応性イオンエッチングによる微細加工技
術との公知の組合わせで形成することができる。
【0028】方向性光結合器22a、22bは、各々2
本の光導波路22g,22hを数μm間隔を保ち、若干
の距離にわたって平行に配置することにより構成されて
いる。方向性光結合器22a、22bを結ぶ光導波路2
2g、22hの長さは製作精度限界の範囲で等しくなる
ように設定されている。光導波路22hの真上のガラス
層21b上には、熱光学効果を利用した位相シフタとし
てクロム金属膜製の薄膜ヒータ22cが、50μm幅、
4mm長程度にわたって配置されている。
【0029】マッハツェンダ干渉計回路22に光導波路
11a、11bを介して接続された他の2つのマッハツ
ェンダ干渉計回路23,24も、構成としてはマッハツ
ェンダ干渉計回路22と全く同じである。
【0030】本実施例の光スイッチは1.55μm波長
帯で動作するよう設計されており、マッハツェンダ干渉
計回路22を構成する方向性光結合器22a、22bは
波長1.52μmで結合率が50%になるように、また
マッハツェンダ干渉計回路23,24を構成する方向性
光結合器23a,23b,24a,24bは波長1.5
8μmで結合率が50%になるようにそれぞれ設定され
ている。これにより、マッハツェンダ干渉計回路22
は、波長1.52μmで100%の光結合率を、また波
長1.55μmで約99%の光結合率を有するものとな
る。また、マッハツェンダ干渉計回路23,24は、波
長1.58μmで100%の光結合率を、また波長1.
55μmで約99%の光結合率を有するものとなる。
【0031】次に、前述の構成よりなる第1の実施例の
動作について説明する。第1の実施例における光スイッ
チで高い消光比を実現するには、入力ポートを1aとし
た場合は出力ポートとしては2a、2cを、入力ポート
を1bとした場合は出力ポートとしては2b、2dを選
ぶ必要がある。
【0032】即ち、入力ポート1aから1.55μm帯
の光を入射させた時、全ての位相シフタに電力を印加し
ない場合は、ほとんどの光はマッハツェンダ干渉計回路
の原理からマッハツェンダ干渉計回路23に伝搬されて
出力ポート2aから出射される。
【0033】しかし、方向性光結合器22a,22bの
結合率が正確に50%でない波長においては、結合率の
50%からのずれに応じてマッハツェンダ干渉計回路2
4にも一部の光が漏れて伝搬する。このように漏れてマ
ッハツェンダ干渉計回路24に伝搬した光のほとんどは
出力ポート2dに出射されるが、その光のごく一部が方
向性光結合器24a,24bの結合率50%の波長から
のずれに応じて出力ポート2cにも出射される。しか
し、これら2つの相乗効果により出力ポート2cから出
力される光は極めて僅かな量になる。また、方向性光結
合器22a,22bの結合率と方向性光結合器24a,
24bの結合率がそれぞれ50%になる波長を、動作中
心波長1.55μmに対して各々反対方向に僅かにずれ
るよう設定したことにより出力ポート2cに漏れてくる
光が少量となる波長領域は広くなる。
【0034】一方、入力ポート1aから入射した光を出
力ポート2cに出射させるようにするには、位相シフタ
22c,24cを動作させ、1.55μm帯の半波長に
相当する光路長差を誘起するようにする。これにより、
ほとんどの光はマッハツェンダ干渉計回路24に伝搬さ
れて出力ポート2cから出射される。このとき位相シフ
タ22cの熱光学効果により誘起される光路長差にも波
長依存性があるため、正確に半波長の光路長差が設定さ
れた波長以外の光はマッハツェンダ干渉計回路23に漏
れてしまう。
【0035】しかし、マッハツェンダ干渉計回路23の
位相シフタ23cを1.55μm帯の半波長の光路長差
を生ずるよう動作させることにより、マッハツェンダ干
渉計回路23に漏れた光のほとんどが出力ポート2bか
ら出射され、出力ポート2aに出射される光は前述と同
様に極めて僅かな量になり、高い消光比が実現できる。
【0036】従って、前述したように位相シフタ22c
は波長1.52μm、位相シフタ23c,24cは波長
1.58μmに対して半波長の光路長差を誘起するよう
にそれぞれの位相シフタ22c,23c,24cを動作
させることにより、3つの位相シフタを動作した時に出
力ポート2aに漏れてくる光が非常に少なくなり且つ挿
入損失も低くなる波長領域を広げることができる。
【0037】図5は、前述した第1の実施例の導波型光
スイッチについて出力ポート2a,2cにおける消光比
の波長特性を実測した結果を示す図である。図におい
て、横軸は光の波長を表し、縦軸は消光比を表してい
る。また、曲線aは出力ポート2a、曲線cは出力ポー
ト2cに対する消光比の波長特性曲線である。
【0038】この実測においては、出力ポート2aから
出力ポート2cに光を切替えるため、前述したように、
マッハツェンダ干渉計回路22の位相シフタ22cは波
長1.52μmの半波長の光路長差が、またマッハツェ
ンダ干渉計回路23,24の位相シフタ23c,24c
には波長1.58μmの半波長の光路長差がそれぞれ生
ずるように、位相シフタ22cの薄膜ヒータには0.4
7W、位相シフタ23c、24cの薄膜ヒータには0.
49Wのパワーを印加した。
【0039】この結果、図5に示すように出力ポート2
a,2bにおける最大消光比は各々55dB、45dB
と高くなると共に、消光比40dB以上となる波長幅が
出力ポート2a、2bで各々180nm、90nmと広
く、かつ中心波長1.55μm近傍で波長に対して平坦
な特性を有するものとなった。尚、消光比の偏波による
変動は消光比40dB以上となる波長域において約±1
dBであり、実用上ほとんど問題ない程度であった。
【0040】ここで、本実施例の光スイッチの寸法及び
挿入損失について述べておくと、寸法は長さ45nm、
幅5mmで、長さはマッハツェンダ干渉計回路を2段に
接続しているため、従来の光スイッチの約2倍になって
いるものの、挿入損失は約0.5dBで石英系光導波路
の損失が小さいため十分に小さい値となっている。
【0041】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図6は、本発明の導波型光スイッチの他の実施例を示す
平面図である。図において、前述した第1の実施例と同
一構成部分は同一符号を持って表す。即ち、21はシリ
コン基板で、基板上には入力ポート1a、出力ポート2
a,2b、及び3個のマッハツェンダ干渉計回路2
2’,23’,24’が形成されている。
【0042】マッハツェンダ干渉計回路22’は、入力
側に配置されたY分岐回路22e、出力側に配置された
方向性光結合器22b及びマッハツェンダ干渉計回路2
2’を光スイッチング回路として動作させるために設け
られた熱光学効果を利用した位相シフタ22cとから構
成され、位相シフタ22cはY分岐回路22eと方向性
光結合器22bとを接続する2つの光導波路22g’,
22hの内の一方の光導波路22hの途中に設けられて
いる。
【0043】マッハツェンダ干渉計回路23’は、2つ
のY分岐回路23e,23fと、マッハツェンダ干渉計
回路23’を光スイッチング回路として動作させるため
に設けられた熱光学効果を利用した位相シフタ23cと
から構成され、位相シフタ23cはY分岐回路23eの
2つの出力端とY分岐回路23fの2つの入力端とを接
続する2つの光導波路23g,23h’の内の一方の光
導波路23gの途中に設けられている。
【0044】また、マッハツェンダ干渉計回路24’も
同様に、2つのY分岐回路24e,24fと位相シフタ
24cとから構成され、位相シフタ24cはY分岐回路
24eの2つの出力端とY分岐回路24fの2つの入力
端とを接続する2つの光導波路24g,24hの内の一
方の光導波路24gの途中に設けられている。
【0045】また、マッハツェンダ干渉計回路22’の
入力端は入力ポート1aに接続され、2つの出力端は光
導波路11a,11bによってマッハツェンダ干渉計回
路23’,24’のそれぞれの入力端に接続されてい
る。さらに、マッハツェンダ干渉計回路23’,24’
のそれぞれの出力端は出力ポート2a,2bに接続され
ている。
【0046】前述した第1の実施例の光スイッチは、3
つのマッハツェンダ干渉計回路をすべて2つの方向性光
結合器からなる2入力2出力の光スイッチング回路によ
って構成すると共にこれらを組み合わせ、複数の入出力
ポートの中から実際に使用する入力ポート及び出力ポー
トを選択して高い消光比が実現できる1入力2出力の光
スイッチとして使用しているのに対し、第2の実施例の
光スイッチでは、初段のマッハツェンダ干渉計回路2
2’にY分岐回路22eと方向性光結合器22bとを備
えて1入力2出力の光スイッチング回路を構成すると共
に、2段目の2つのマッハツェンダ干渉計回路23’,
24’に2つのY分岐回路23e,23f,24e,2
4fを備えて1入力1出力のオンオフ光スイッチング回
路を構成し、全体として1入力2出力の光スイッチとし
ている。
【0047】さらに、第2の実施例では、位相シフタ2
2c,23c,24cを全て動作させない場合、入力ポ
ート1aに入射した波長1.55μm帯の光がマッハツ
ェンダ干渉計回路22’から全て光導波路11bを介し
てマッハツェンダ干渉計回路24’に伝搬するように、
Y分岐回路22eと方向性光結合器22bを結ぶ光導波
路22g’と22hの長さの差が半波長の光路長差がつ
くように設定されると共に、方向性光結合器22bの波
長1.55μmにおける結合率が50%になるように設
定されている。
【0048】マッハツェンダ干渉計回路24’は、入射
した光を全て出力ポート2bから出射させるために、Y
分岐回路24e,24fを結ぶ2本の光導波路24g,
24hの長さは製作精度の限界内で等しくなるように設
定されている。このようにしても僅かに光導波路11a
を介してマッハツェンダ干渉計回路23’に漏れる光が
存在するが、この光が出力ポート2aから出射せず外部
へ放射されるようにマッハツェンダ干渉計回路23’で
は2本の光導波路23g、23h’の長さの差が半波長
の光路長差となるように設定されている。
【0049】即ち、マッハツェンダ干渉計回路22’,
23’のそれぞれにおける2本の光導波路22g’,2
2h,23g,23h’の長さの差は、広い波長範囲で
出力ポート2aにおける消光比が高くなるように、マッ
ハツェンダ干渉計回路22’では0.524μm(波長
1.52μmの半波長に相当)に、またマッハツェンダ
干渉計回路23’では0.545μm(波長1.58μ
mの半波長に相当)にそれぞれ設定されている。
【0050】一方、入力ポート1aから入射した光を出
力ポート2aに切替えて出射するには、位相シフタ22
c,23c,24cの全てを動作させる。これにより、
位相シフタ22cは、光を導波路11aに伝搬させるよ
うに波長1.52μmの1波長に相当する位相シフト量
を与える(2本の光導波路間の光路長差は1.5波長に
なる)。また、位相シフタ23cは、入射してきた1.
55μm帯の光のほとんどが出力ポート2aから出射す
るように、2本の光導波路23g,23h’間の光路長
差が波長1.58μmの1波長に相当するような位相シ
フト量を与える。さらに、位相シフタ24cは、マッハ
ツェンダ干渉計回路22’から漏れてきた光が出力ポー
ト2bから出射されず導波路外に放射されるように、2
本の光導波路24g,24h間の光路長差が波長1.5
8μmの半波長に相当するような位相シフト量を与え
る。
【0051】このようにして、設計・製作・動作させた
光スイッチは、出力ポート2a,2bにおける最大消光
比は各々43dB,47dB、消光比が40dB以上と
なる波長幅は各々70nm、90nm、挿入損失0.7
dBと優れた特性を有していた。
【0052】尚、第1の実施例では2つの方向性光結合
器からなる2入力2出力のマッハツェンダ干渉計回路2
2,23,24を用い、これらを2段に従属接続して構
成した光スイッチを、また第2の実施例ではY分岐回路
を用いた1入力2出力のマッハツェンダ干渉計回路2
2’と1入力1出力のマッハツェンダ干渉計回路2
3’,24’を従属接続して構成した光スイッチについ
て説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるもの
ではない。少なくとも3つのマッハツェンダ干渉計回路
を用い、任意の組合わせにより全体として1入力2出力
の光スイッチを構成できれば、同様の効果を得ることが
できる。
【0053】また、できるだけ広い波長域で消光比を高
くするように、第1の実施例では初段と2段目のマッハ
ツェンダ干渉計回路を構成する方向性光結合器の結合率
が50%になる波長が、使用する波長帯の中心波長より
一方は長く、他方が短くなるように設定した光スイッチ
について説明し、また第2の実施例では初段と2段目の
マッハツェンダ干渉計回路における2本の光導波路の光
路長差が一方は使用する波長帯の中心波長より長い波長
の半波長に相当するように、また他方は短い波長の半波
長に相当するようにそれぞれ設定した光スイッチについ
て説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0054】本発明の趣旨は、初段と2段目以降のマッ
ハツェンダ干渉計回路の消光比が最も良くなる波長を使
用中心波長より一方は長く、他方は短く設定することに
より全体として高い消光比の光スイッチを構成すること
にあり、方向性光結合器の結合率による設定と光導波路
の長さの差による設定が混在した形でもなんら変わりは
ない。
【0055】さらに、第1及び第2の実施例では、3つ
のマッハツェンダ干渉計回路を用い、これらを2段に従
属接続した例について説明したが、3段以上接続して1
入力2出力の光スイッチを構成しても良いことは言うま
でもない。
【0056】また、第1及び第2の実施例においては、
シリコン基板21上の石英系光導波路により光スイッチ
を構成したが、基板21はシリコンに限定されず、石英
ガラス基板を用いることも可能である。また、前述した
ように、本発明はこれら石英系光導波路に限定されるも
のではなく、他の導波路材料系、例えば多成分ガラス導
波路系やニオブ酸リチウム導波路系にも適用できること
は言うまでもないことである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、平面
基板上に形成された複数のマッハツェンダ干渉計型構成
の光スイッチング回路を2段以上に従属接続し、1段目
の前記光スイッチング回路の光結合率が100%となる
波長を、2段目以降の前記光スイッチング回路の光結合
率が100%となる波長とは異なる波長に設定したた
め、前記1段目の光スイッチング回路から不要に漏れた
光の量は、前記2段目以降の光スイッチング回路におい
て低減されて出力されるので、高い消光比の導波型光ス
イッチを得ることができる。さらに、前記2段目以降の
光スイッチング回路から不要に漏れ出る光の量を低減で
きる波長幅は、前記1段目の光スイッチング回路と2段
目以降の光スイッチング回路における前記光結合率が1
00%となる波長の差に依存したものとなるので、これ
らの波長を適宜設定することにより広い波長領域で高い
消光比を得ることができる。また、従来とほぼ同様の精
度にて製作することができるので、製造歩留まりを高め
ることができ、低価格な導波路型光スイッチを提供する
ことができる。これにより、本発明の導波型光スイッチ
は光ファイバ伝送路或いは送信装置等の障害時における
伝送路の切替え用等として多くの需要が期待され、産業
上大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導波型光スイッチの第1の実施例の構
成を示す平面図
【図2】従来の導波型光スイッチの構成を示す平面図
【図3】従来の導波型光スイッチの消光比波長依存性を
示す特性図
【図4】図1のAA´線矢視方向及びBB´線矢視方向
の断面図
【図5】本発明の第1の実施例の消光比波長依存性を示
す特性図
【図6】本発明の導波型光スイッチの第2の実施例の構
成を示す平面図
【符号の説明】
1a,1b…入力ポート、2a〜2d…出力ポート、1
1a,11b…光導波路、21…基板、21b…ガラス
層、22,22’,23,23’,24,24’…マッ
ハツェンダ干渉計回路(マッハツェンダ干渉計型構成の
光スイッチング回路)、22a,22b,23a,23
b,24a,24b…方向性光結合器、22c,23
c,24c…位相シフタ、22e,23e,23f,2
4e,24f…Y分岐回路、22g,22g’,22
h,23g,23h,23h’,24g,24h…干渉
計光導波路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面基板上に形成された少なくとも1つ
    の入力ポートと2つ以上の出力ポートとの間に接続さ
    れ、2本の干渉計光導波路の少なくとも一方に設けられ
    た位相シフタを有するマッハツェンダ干渉計型構成の光
    スイッチング回路を備えた導波型光スイッチにおいて、 前記入力ポートと出力ポートとの間に前記光スイッチン
    グ回路を2段以上従属して接続すると共に、 1段目の前記光スイッチング回路の光結合率が100%
    となる波長と、2段目以降の前記光スイッチング回路の
    光結合率が100%となる波長とを異なる波長に設定し
    てなることを特徴とする導波型光スイッチ。
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