JP5075840B2 - 導波路型光干渉回路 - Google Patents

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Description

本発明は、導波路型光回路に関し、特に、偏波依存性の無い偏波無依存導波路型光干渉回路に関する。
光通信技術の進展に伴い、光信号を直接処理する光部品の開発が益々重要となっている。中でも、平面基板上に集積された光導波路構造において、光の干渉を利用した導波路型光干渉回路は、量産性に優れ、低コスト、高い信頼性などの優れた特徴をもっている。代表的な物として、例えば、アレイ導波路回折格子、マッハツェンダ干渉計、ラティス回路等がある。
導波路型光干渉回路の基本的な作製方法としては、標準的なフォトグラフィー法およびエッチング並びにFHD(Flame Hydrolysis Deposition)等のガラス堆積技術が用いられる。その製作手順は、まず、アンダークラッド層および周辺部より屈折率の高いコア層を基板上に堆積させ、その後、コア層に導波路パターンを形成する。さらに、コア層をオーバークラッド層で埋め込むことによって作製される。導波路型光干渉回路における信号光は、埋め込まれたコア層で形成された導波路内に閉じ込められて伝搬する。
図1は、導波路型光干渉回路で構成される非対称マッハツェンダ干渉計(以下、非対称MZIと呼ぶ)の構成を示す図である。非対称MZIにおいては、第1の入力導波路101および第2の入力導波路102からなる入力導波路が光分岐部分103の一端に接続される。光分岐部分103の他端には、長さの異なる長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108がそれぞれ接続される。長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108は、光合波部分106の一端にそれぞれ接続される。さらに、光合波部分106の他端は、第1の出力導波路104および第2の出力導波路105からなる出力導波路へそれぞれ接続される。このような非対称MZIの構成およびその動作は、周知のものであり、ここでは詳しく説明しない。
図2Aおよび図2Bは、非対称MZIの透過特性を示す図である。透過特性は、例えば、第1の入力導波路101および第2の出力導波路105間のクロスポート間の透過特性をいう。図2Aおよび図2Bは、横軸に真数表示の波長を示し、縦軸に対数表示の損失を示しているので、損失スペクトルを表している。図2Bに示すように、損失スペクトルは周期的な特性となる。損失スペクトルの周期は、各アーム導波路107、108を伝搬する光の光路長差に反比例する。光路長は、伝搬光の光路に沿った屈折率の積分値により表される。
導波路型光回路においては、一般的に導波路構成材料は複屈折を持つ。したがって、入力偏波の状態に応じて、光回路のさまざまな特性が複屈折に起因して変化する。より具体的には、導波路型光回路においては、基板やクラッド層、コア層などがそれぞれ異なる材料により形成される。このため、それぞれの材料が異なる熱膨張係数を持ち、複屈折が生じる。上述の光回路の作製手順において、1000度以上の高温の熱処理過程を経ているため、常温において、導波路の各部間に非常に大きな熱応力が発生する。この熱応力に起因する光弾性効果により、導波路に複屈折が発生する。
図2Aは、複屈折がある場合の非対称MZIの透過特性を示す図である。複屈折のために、入射光の偏波状態によって損失スペクトル特性は異なり、損失スペクトル特性に偏波依存性が発生する。入力偏波の状態によって、光伝搬光が感じる屈折率に差が生じ、損失スペクトルの周期がわずかに異なってくるからである。このわずかな周期変化は、ある波長帯域を基準として、損失スペクトルを観察すれば、損失スペクトル特性の波長(周波数)軸方向シフトとなる。入力偏波の状態によってこのシフト量が変化するため、回路特性に偏波依存性が生じる。実際の光システムに用いられる光源による信号光は、様々な偏波状態の光を合成したものであり、偏波依存性は導波路型光回路における重要な問題となっている。偏波依存性の程度を示す指標の1つに、PDf(Polarization Dependence frequency shift)がある。PDfは、あらゆる偏波状態の光を入射した場合に、高周波数側(図2Aの偏光1に相当し、短波長側)への最大シフトと低周波数側(図2Aの偏光2に相当し、長波長側)への最大シフトの差分をPDf(Polarization Dependence frequency shift)と呼ぶ。干渉回路におけるPDfの低減が求められている。
(従来技術1)
上記の偏波依存性の問題を解決するため、いくつかの方法が提案されている。例えば、基板表面にアモルファスシリコン層や溝を形成することにより応力付与層を形成し、導波路の一部または全体の複屈折を制御することができる。複屈折を制御することにより、光干渉回路全体としての偏波依存性を減少させることができる(特許文献1)。しかしながら、このような方法では、製造バラツキ等のため個々の光回路や製作ロットごとに複屈折は変動し、偏波依存性を安定的に確実に抑制することは難しかった。
(従来技術2)
他の解決方法として、干渉回路内に偏波回転器、具体的には半波長板を設置することによって、干渉回路の偏波依存性を消去する方法が提案されている(特許文献2)。この方法では、干渉回路の中央に、主軸を45°傾けた状態で、半波長板を設置する。半波長板において、水平偏波は垂直偏波へ変換され、垂直偏波は水平偏波へ変換される。これにより、水平偏波の入射光または垂直偏波の入射光に対し、干渉回路の偏波依存性を解消することができる。本明細書において、水平偏波または垂直偏波とは、矩形または矩形に近い断面の導波路を有する光回路の基板面に対し、電界の振幅方向が水平な光、または垂直な光を意味する。光回路の製造時、導波路における複屈折が個々の光回路ごとに変動した場合でも、半波長板により干渉回路の偏波依存性が解消できるため有効な手段であった。
図3は、単純な非対称MZIの構成図である。以下、解析的な表現を用いて、上述の従来技術2により半波長板を挿入した干渉回路における、偏波依存性の解消動作を説明する。図3では、光分岐部分103および光合波部分106は、それぞれ3Aおよび3C点に配置されている。光分岐部分103および光合波部分106は、長さの異なる2本のアーム導波路107、108によって接続されている。このような構成の非対称MZIにおいて、導波路の複屈折をB、水平偏波に対する屈折率をnTE、垂直偏波に対する屈折率をnTM、長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108間の導波路長の差をδL、短尺アーム導波路108の長さを2Lとする。半波長板が配置されていない図3の非対称MZIにおいて、水平偏波の信号光が入射された場合の2本のアーム間の光路長差δLTEは、次式(1)によって表される。
Figure 0005075840
また、垂直偏波の信号光が入射された場合の2本のアーム間光路長差δLTMは次式(2)によって表される。
Figure 0005075840
一般に、干渉回路においては、光路長差により干渉条件が決定され、損失スペクトルなどの干渉回路特性が決定される。式(1)および式(2)からわかるように、水平偏波に対する光路長差と垂直偏波に対する光路長差が異なるため、入力偏波の状態によって干渉条件が異なることになる。
図4は、非対称MZIの中央に半波長板が挿入された構成を示す図である。図4においては、光分岐部分103および光合波部分106がそれぞれ4Aおよび4C点に配置されている。光分岐部分103および光合波部分106は、長さの異なる2本のアーム導波路107、108によって接続されている。長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108の各導波路に沿って、半波長板400の前後で、半波長板の変換作用により、水平偏波と垂直偏波が入れ替わる。したがって、水平偏波の信号光が入射された場合の2アーム導波路間の光路長差δLTEは、次式(3)となる。
Figure 0005075840
また、垂直偏波の信号光が入射された場合の2アーム導波路間の光路長差δLTMは、次式(4)となる。
Figure 0005075840
式(3)および式(4)からわかるように、水平偏波で入射した信号光の光路長差および垂直偏波で入射した信号光の光路長差は、等しくなる。干渉回路においては、光路長差により損失スペクトルが決定される。水平偏波に対する光路長差および垂直偏波に対する光路長差が等しくなるので、干渉回路の損失スペクトルは偏波無依存になる。
以上に説明したように、水平偏波のみが入射した場合または垂直偏波のみが入射した場合には、半波長板400を干渉回路内に挿入することによって、干渉回路の偏波依存性が解消される。以上に述べた偏波依存性は、干渉回路が本来的に持つ異なる長さの経路間の光路長差に基づくものである。従来技術によって、この光路長差と複屈折現象により発生する偏波依存性は解消される。
特開平07−018964号公報 特許第2614365号明細書
しかしながら、このような半波長板を用いる方法によって、実際には偏波依存性を完全に解消することはできなかった。上述の方法では、入力光が水平偏波または垂直偏波のいずれかのみである場合に限り、偏波依存性を解消することができる。様々な偏波状態の光が同時に混在する場合のように、全ての偏波状態の入力光に対して、干渉回路を偏波無依存化できるとは限らなかった。なぜならば、干渉回路の構成要素である光分岐部分および光合波部分において偏波変換光が発生し、この偏波変換光が干渉回路の干渉状態を変化させるためである。以下、光回路内において発生する偏波変換光について詳細に説明する。
偏波変換とは、導波路内を伝搬可能な固有の偏波モード間におけるエネルギーのやり取りのことをいう。偏波結合という場合もある。例えば、断面が矩形である一般的な矩形導波路において偏波変換が生じると、垂直偏波の伝搬光の一部は水平偏波に変換される。同様に、水平偏波の伝播光の一部も垂直偏波に変換される。このような偏波変換が、光分岐部分や光合波部分等において生じた場合、偏波変換されなかった通常の干渉光(以下では、偏波変換された光と区別するために、通常光と呼ぶ)に加え、偏波変換された光が干渉光として新たに加わる。このため、干渉回路全体の干渉条件は、通常光だけを想定していた本来の干渉条件から変化する。この干渉条件の変化は、干渉回路に入力される入射光の偏波状態に応じて変化するため、干渉回路の様々な特性に偏波依存性が発生する。
ここで、光分岐部分および光合波部分において偏波変換が発生することを考慮した場合の、非対称MZIの偏波依存性を解析的に説明する。非対称MZIの干渉特性を考慮する場合には、光分岐部分や光合波部分における伝搬光の偏波変換および位相変化量が重要な要素となる。光分岐部分および光合波部分としては、一般的に、方向性結合器や多モード干渉計が用いられる。以下においては、方向性結合器を例として説明をするが、他の形態の結合回路および分岐回路においても偏波変換が発生し、干渉回路の偏波依存性の問題を生じさせる。
図5A、図5Bおよび図5Cは、方向性結合器における偏波変換を説明する図である。図5Aの鳥瞰図に示すように、方向性結合器においては、入力部(a−a′)では2本の導波路が十分離れているが、次第に2本の導波路が互いに近接し(b−b′)、一方の導波路を伝搬する光が他方の導波路へと結合する。その後、出力部(c−c′)において、再び2本の導波路が離れる構成となっている。例えば、In1へ入力された信号光は、Out1からだけではなく、その一部が結合光としてOut2からも出力される。このような方向性結合器を埋め込み型の光回路で実現する場合、2本の導波路が互いに近接している部分では、それぞれの導波路の屈折率の主軸が内側に向かって傾く。一般に、この主軸の傾きは、導波路近傍の応力等により発生すると考えられている。偏波の主軸は、光の速度が速い進相軸と光の速度が遅い遅相軸を総称するものである。以下、さらに詳細に説明する。
図5Bは、水平偏波の信号光における偏波変換を説明する図である。上述の入力部(a−a′)、近接部(b−b′)、出力部(c−c′)のそれぞれにおける偏波状態の変化を説明している。入力部では、In1のみに水平方向の電界成分のみを持つ水平偏波の入射光が示されている。2本の導波路が近接するに従い、垂直の破線で示されている導波路の屈折率の主軸が傾く。このため、近接部(b−b′)では電界の振幅方向は水平方向から右下がりに傾く。ここで、隣り合う導波路の主軸は、お互いに寄りかかり合う様に傾いていることに注意されたい。電界の振幅方向が傾いた偏波の状態の信号光が、隣の導波路へ結合する。近接部を越えて出力部(c−c′)に至ると、Out1側の導波路においては、屈折率の主軸が元に戻り、偏波の傾きも水平の元の状態に戻る。一方、Out2側の導波路においては、屈折率の主軸の傾きが元に戻っても、偏波の傾きはさらに斜めとなった状態のままとなる。したがって、方向性結合器のIn1に水平偏波の信号光を入射したにもかかわらず、Out2側においては、水平偏波に加えて垂直偏波の光(下向きの太矢印)も出射される。結合導波路側において、新たに生じたこの垂直偏波の光を、偏波変換光(偏波結合光)と呼ぶ。
図5Cは、垂直偏波の信号光における偏波変換を説明する図である。水平偏波の場合と同様に、In1に垂直偏波を入射した場合も、Out2側に水平偏波の偏波変換光が新たに生じる。
次に、方向性結合器を伝搬する光の位相について説明する。通常、入射光が近接部において他方の導波路に結合した場合、Out2から出力される結合光(通常光)は、Out1からの出力光に対し、90°位相が変化する。しかしながら、上述したような偏波変換光に関しては様子が異なる。垂直偏波の信号光を入射した場合、Out2から出力される偏波変換光は同様に90°位相が変化するが、水平偏波の信号光を入射した場合にOut2から出力される偏波変換光は、−90°位相が変化する。
図6は、方向性結合器の出力光の位相変化の一覧表を示す図である。通常、入射ポート(In1)がある導波路に直接接続されている出射ポートをスルーポート(Out1)という。また、入射ポートのある導波路に対向する結合導波路側の出射ポートのことをクロスポート(Out2)と呼ぶ。位相変化は全て入射ポートIn1に信号光を入射し、スルーポートOut1に出力される信号光を基準とした位相変化量を示している。偏波変換光については、入射光の偏波状態が水平偏波なのか垂直偏波なのかによって、逆の位相変化となることに注意されたい。尚、図6において90°と記載されているが、これは厳密な値ではなく、おおよそ90°前後の値となる。また、スルーポートOut1から偏波変換光が出力される場合もあるが、ここでは、偏波依存性による回路性能劣化の主要因となるクロスポートOut2からの偏波変換光成分のみを考慮する。
以上説明した偏波変換光の発生を考慮した上で、従来技術2による波長板を挿入した非対称MZI(特許文献2)の偏波依存性を解析的に検討する。ここでは、非対称MZIの透過特性に大きく影響を与える4種類の伝搬光を考える。すなわち、(タイプ1)光分岐部分で分岐され長尺アームを伝搬してクロスポートに出力される光と、(タイプ2)光分岐部分で分岐され短尺アームを伝搬しクロスポートに出力される光と、(タイプ3)光分岐部分で発生した偏波変換光が短尺アームを伝搬しクロスポートに出力される光と、(タイプ4)光分岐部分で分岐され長尺アームを伝搬し光合波部分で発生した偏波変換光がクロスポートに出力される光の4種類である。
図7Aおよび図7Bは、非対称MZI内の4種類の伝播光を説明する図である。非対称MZI(以下、簡単のため非対称MZIと呼ぶ)は、光分岐部分として機能する方向性結合器103と光合波部分として機能する方向性結合器106との間を、長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108によって接続した構成となっている。従来技術2に従って、非対称MZIの中央には半波長板700が配置されている。図7A、図7Bにおいて、水平偏波の伝播光(TEと表示)は実線で表し、垂直偏波の伝播光は点線(TMと表示)で表している。前述のように、半波長板700は、水平偏波を垂直偏波へ、垂直偏波を水平偏波へそれぞれ変換する作用を持つ。図7A、図7Bにおいても、半波長板400を境に、いずれのタイプの伝播光も、偏波状態を変換させていることに注意されたい。上述の4種類のいずれの伝播光も、信号光が1つの入射ポートから入力されが、クロスポートから出力されている場合であり、これらの4種類の異なるタイプの伝播光が相互に干渉することによって、非対称MZI回路全体の干渉特性が決定される。
図7Aには、上述のタイプ1およびタイプ2の伝播光が示されている。タイプ1およびタイプ2の伝播光は、水平偏波の信号光として入射し、いずれの方向性結合器103、104においても偏波変換されることなく、垂直偏波としてクロスポートから出力される伝播光である。すなわち、半波長板700において変換される他は、まったく偏波変換されない通常光(図6を参照)の伝播光を示している。
図7Bには、上述のタイプ3およびタイプ4の伝播光が示されている。タイプ3およびタイプ4の伝播光は、垂直偏波の信号光として入射し、方向性結合器103または方向性結合器104において偏波変換により発生した変換光が、垂直偏波としてクロスポートから出力される伝播光である。すなわち、半波長板700において変換されるだけでなく、方向性結合器においてさらに偏波変換され生じる偏波変換光(図6を参照)による伝播光を示している。図7Aの通常光の伝播光のグループと図7Bの偏波変換光のグループは、異なる偏波状態で信号光が入射されたにも関わらず、クロスポートからは、全て同一の偏波状態(垂直偏波)の信号光として出力されることになる。したがって、これらの4種類のタイプの伝播光同士で、互いに干渉を生じる。
図7Aおよび図7Bのクロスポートの右端には、方向性結合器103、104において伝搬光の感じる位相変化が併記されている。ここで注目すべきは、図7Aに示すタイプ1とタイプ2の伝播光同士は、スルーポートにおいて、同位相で干渉する(タイプ1は90°、タイプ2も90°)。これに対し、図7Bに示した偏波変換に起因するタイプ3とタイプ4の伝播光同士は、スルーポートにおいて、逆位相で干渉する(タイプ3は90°に対し、タイプ4は−90°)。このため、それぞれタイプ1およびタイプ2並びにタイプ3およびタイプ4の間では、MZI全体の透過スペクトルは異なる干渉特性を示す。水平偏波および垂直偏波の異なる偏波状態の信号光が混在した信号光が入射した場合、MZI全体の干渉回路としての透過特性等は、複雑な偏波依存性を呈する。水平偏波状態の信号光成分と垂直偏波状態の信号光成分との強度比や位相差により、干渉は異なる特性を示すからである。
上述のように、方向性結合器における偏波変換光をも含めた場合の干渉回路の干渉特性を、以下、数式によって表現する。図7Aおよび図7Bに示した半波長板を用いた従来技術2の干渉回路において、1つの入射ポートからクロスポートへの透過スペクトル特性は、前述の4種類の伝播光(タイプ1〜タイプ4)に基づいて、次式(5)で与えられる。
Figure 0005075840
但し、Εはクロスポートへ出力される全光電界、εは入力偏波における水平偏波成分と垂直偏波成分の強度比、φは入力偏波における水平偏波成分および垂直偏波成分間の位相差、κPは偏波変換量、kは波数(2π/λ*n)、λは波長、nは導波路の屈折率、A,B,C,A′,B′,fは波数kを含まない係数項を簡略化した関数である。式(5)から、透過スペクトルは、COS関数状の周期関数になる。しかしながら、COS関数の引数中には、位相差を含む関数f(φ)が含まれている。これは、入力偏波における水平偏波の信号光および垂直偏波の信号光間の位相差φにより、COS関数で表される透過スペクトルが波数軸(周波数軸)方向にシフトすることを意味する。よって、偏波変換光を考慮した式(5)においては、透過スペクトルに依然としてPDfが存在する。図2Aおよび図2Bにおいて、PDfは、透過スペクトル特性の周波数軸(波長軸)上のシフトとして定義されたことを思い出されたい。
したがって、方向性結合器において偏波変換が発生しないタイプ1およびタイプ2の伝播光を示す図7Aの場合、従来技術2の半波長板により導波路の偏波依存性は解消されている。しかしながら、従来技術2のように干渉回路内に半波長板を単純に挿入するだけでは、方向性結合器における偏波変換が発生する限り、PDfのために干渉回路の偏波依存性を解消することができない。
このように、光干渉回路の光分岐部分や光合波部分において発生した偏波変換光は、通常光のみを想定した本来の干渉条件とは異なる条件によって干渉するため、光回路に偏波依存性を生じさせることとなる。一般に、光回路においては偏波変換が発生することを避けることは難しい。例として、これまで説明した非対称MZIのみならず、アレイ導波路回折格子、光強度変調器などの様々な光回路において、偏波変換に起因する光回路特性の偏波依存性が問題となる。
また、半波長板の偏波変換特性は、非対称MZIに広帯域特性が要求される場合、偏波変換特性の不完全性によって、導波路内において干渉が発生する。半波長板等には、最適な動作波長範囲があるため、非対称MZIの使用波長範囲が広くなると全ての波長に対して正確に変換動作をすることが困難となってくる。半波長板の最適動作波長と、干渉計の所望の使用中心波長とを一致させたとしても、干渉計の使用波長帯域が広い場合、その帯域の端の波長において、アーム導波路内の干渉が発生する。すなわち、変換されなかった光と、変換された光とが1つのアーム導波路内において干渉する。このように、半波長板等の広帯域動作の限界から、アーム導波路内の干渉によって偏波依存性が生じる問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述の偏波変換に起因する干渉回路の偏波依存性の問題、さらには、アーム導波路内の干渉に起因する干渉回路の偏波依存性の問題を解決することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路とを含む光干渉回路において、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に挿入された第1の半波長板と、前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°傾いた屈折率主軸を持ち、前記少なくとも2本以上のアーム導波路上であって、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記入力導波路側または前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記出力導波路側のいずれか一方に挿入された第2の半波長板とを備え、前記少なくとも2本以上のアーム導波路は、長尺アーム導波路と短尺アーム導波路の2本のアーム導波路からなり、前記第1の半波長板は、前記長尺アーム導波路および前記短尺アーム導波路に対して、それぞれ異なる別個の半波長板を含み、前記異なる別個の半波長板および前記第2の半波長板は、それぞれ異なる別個の旋光子を構成し、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きは、同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかが選択されることと、ΔLを前記長尺アーム導波路と前記短尺アーム導波路の光路長差、Bを導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長として、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きが、同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかの時の、アーム導波路間の位相差Φをそれぞれ0°または180°すると、α=B*ΔL/(2*λ)+Φ/2π で表されるα値が、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるように、複屈折Bが設定されることを特徴とする
また本発明の別の実施形態は、少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路とを含む光干渉回路において、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に挿入された第1の半波長板と、前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°傾いた屈折率主軸を持ち、前記少なくとも2本以上のアーム導波路上であって、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記入力導波路側または前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記出力導波路側のいずれか一方に挿入された第2の半波長板とを備え、前記少なくとも2本以上のアーム導波路は、長尺アーム導波路と短尺アーム導波路の2本のアーム導波路からなり、前記第2の半波長板は、前記長尺アーム導波路および前記短尺アーム導波路に対して、それぞれ異なる別個の半波長板を含み、前記第1の半波長板および前記異なる別個の半波長板は、それぞれ異なる別個の旋光子を構成し、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸は、前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°のいずれかに独立して選択され、ΔLを前記長尺アーム導波路と前記短尺アーム導波路の光路長差、Bを導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長とし、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きが同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかの時の、アーム導波路間の位相差Φをそれぞれ0°または180°すると、α=B*ΔL/(2*λ)+Φ/2π で表されるα値が、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるように、複屈折Bが設定されることを特徴とする。好ましくは、前記α値が整数であれば、導波路内干渉に起因する偏波依存性を大幅に低減することができる
本発明のさらにもう1つの別の実施形態は、少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路とを含む光干渉回路において、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々に含まれ、前記光干渉回路で使用される動作波長において、前記2本以上のアーム導波路における直交する偏波間で180°の位相差を与える位相差付加導波路部分と、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の屈折率主軸に対し45°または−45°傾いた屈折率主軸を有し、前記少なくとも2本以上のアーム導波路上であって、前記位相差付加導波路部分が存在しない場合の前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に相当する場所に挿入された半波長板であって、前記半波長板は前記位相差付加導波路部分の前記入力導波路側または前記出力導波路側のいずれか一方の側にあることとを備えることを特徴とする。
本明細書において、位相差付加導波路部分は、導波路の屈折率主軸に対しその主軸が平行な第2の半波長板と同一機能を、導波路によって構成したものである。後述するリターダ導波路に相当する。
好ましくは、前記位相差付加導波路部分の長さLは、Bをアーム導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長、mを整数とすると、λ*(0.25+m)/B<L<λ*(0.75+m)/Bを満たすことでPDfを大幅に低減することができる。
さらに好ましくは、前記位相差付加導波路部分の長さLrは、Brをアーム導波路の複屈折、λ0を干渉回路の使用波長、mを整数とすると、Lr=λ0*(1/2+m)/Brを満たすことでPDfを最小化することができる。
また好ましくは、前記位相差付加導波路部分は、前記位相差付加導波路部分が存在しない場合の前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に位置し、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々は、前記位相差付加導波路部分の両端に、前記光干渉回路おける干渉条件を決定する光路長差を生成する導波路を含み、前記位相差付加導波路部分の各々における複屈折は等しい値を持つこともできる。
さらに好ましくは、前記少なくとも2本以上のアーム導波路は、長尺アーム導波路と短尺アーム導波路の2本のアーム導波路からなり、前記半波長板は、前記長尺アーム導波路および前記短尺アーム導波路に対して、それぞれ異なる別個の半波長板を含み、前記位相差付加導波路部分および前記異なる別個の半波長板は、それぞれ異なる別個の旋光子を構成し、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸は、前記アーム導波路の屈折率主軸に対して、相対的に45°または−45°のいずれかに独立して選択され、ΔLを前記長尺アーム導波路と前記短尺アーム導波路の光路長差、Bを導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長とし、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きが同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかの時の、アーム導波路間の位相差Φをそれぞれ0°または180°すると、α=B*ΔL/(2*λ)+Φ/2πで表されるα値が、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるように、複屈折Bが設定される。
好ましくは、前記α値が整数であれば、導波路内干渉に起因する偏波依存性を大幅に低減することができる。
本発明の各実施形態は、前記位相差付加導波路部分の導波路幅は他の導波路幅よりも大きく、前記位相差付加導波路部分の両端に導波路幅が導波路方向に変化するテーパ構造を有することもできる。また、前述の各光干渉回路を、複数従属して連結することもできる。好ましくは、前記光分波部分および前記光合波部分としてスラブ導波路を備え、前記少なくとも2本以上のアーム導波路としてアレイ導波路型回折格子を備えることもできる。
本発明の他の実施形態は、少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路を含む光干渉回路において、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々に含まれ、前記光干渉回路で使用される動作波長において、前記2本以上のアーム導波路における直交する偏波間で180°より大きい位相差を与える位相差付加導波路部分と、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の屈折率主軸に対し45°または−45°傾いた屈折率主軸を有し、前記位相差付加導波路部分の一方の端部近傍に挿入された半波長板であって、前記半波長板の一方側にある長い前記位相差付加導波路部分により付加される位相差に前記半波長板の他方側にある短い前記位相差付加導波路部分により付加される位相差が逆相で加算されて、前記位相差付加導波路部分全体で180°の位相差を与えるように前記半波長板の挿入位置を調整されていることとを備えることを特徴とする。
本発明の各実施形態は、好ましくは、前記第1の半波長板または前記半波長板の前記入力導波路側または前記出力導波路側の前記各アーム導波路上に、それぞれ複屈折を誘起可能な複屈折調整領域をさらに備えることもできる。
本発明により、偏波変換光に起因する偏波依存性を解消した光回路を実現することができる。2つの半波長板や複屈折性を持つ導波路を組み合せた簡単な構成の旋光子を利用することで、量産性に優れ、製作バラツキにも柔軟に対応することが可能な光回路を実現できる。さらには、半波長板などにおける偏波変換の不完全性に起因して発生するアーム導波路内の干渉を減らし、偏波依存性を解消する。
図1は、非対称マッハツェンダ干渉計の構成図である。 図2Aは、非対称マッハツェンダ干渉計の損失スペクトルとPDfを説明する図である。 図2Bは、非対称マッハツェンダ干渉計の損失スペクトルとPDfを説明する図である。 図3は、非対称MZIの構成図である。 図4は、従来技術により非対称MZIに半波長板を挿入した構成図である。 図5Aは、方向性結合器の構成を説明する図である。 図5Bは、方向性結合器における偏波変換の概念を説明する図である。 図5Cは、方向性結合器における偏波変換の概念を説明する図である。 図6は、方向性結合器における伝搬光の位相変化を説明する表を示す図である。 図7Aは、従来技術の光回路におけるタイプ1、タイプ2の伝播光を説明する図である。 図7Bは、従来技術の光回路におけるタイプ3、タイプ4の伝播光を説明する図である。 図8Aは、本発明の光回路におけるタイプ1、タイプ2の伝播光を説明する図である。 図8Bは、本発明の光回路におけるタイプ3、タイプ4の伝播光を説明する図である。 図9は、本発明の実施例1の光回路の構成図である。 図10Aは、旋光子を含まない光回路のPDf波長依存性を示す実測値である。 図10Bは、半波長板を含む光回路のPDf波長依存性を示す実測値である。 図10Cは、実施例1の旋光子を含む光回路のPDf波長依存性を示す実測値である。 図11は、非対称MZIのPDfの波長依存性(計算値)を示す図である。 図12は、本発明の実施例2における旋光子の構成の概念図である。 図13は、実施例2の構成においてPDfのm依存性を示す図である。 図14Aは、実施例2の旋光子を挿入する前の非対称MZIの構成を説明する図である。 図14Bは、実施例2の旋光子を挿入した非対称MZIの構成図である。 図15は、実施例2の旋光子を挿入した非対称MZIの回路パターン図である。 図16は、実施例2を適用した非対称MZIのPDfと半波長板挿入位置との関係を示す図である。 図17は、リターダ導波路によって偏波間に与える位相差βに対するPDf変化を示す図である。 図18は、実施例2のその他の構成による非対称MZIを示す図である。 図19Aは、本発明の旋光子を含む他の光回路の構成を示す図である。 図19Bは、本発明の旋光子を含むさらに他の光回路の構成を示す図である。 図20Aは、各種の導波路内干渉を説明する表を示す図である。 図20Bは、導波路内干渉を説明する図である。 図21は、実施例3に係る非対称MZIの構成図である。 図22は、α値が整数値となるよう考慮して設計した干渉回路のPDfの波長依存性を示す図である。 図23は、FSR=10GHzの干渉計において、αを1から1.3まで変化させた場合に、PDfの波長依存性を計算した結果を示す図である。 図24は、使用波長帯域0.8μmにおける最大PDf値を、αをパラメータとしてプロットした図である。 図25は、旋光子の作成誤差等を補償する手段を含む非対称MZIの構成図である。
方向性結合器等における偏波変換に起因する光回路の偏波依存性は、偏波変換光が本来の通常光の干渉条件とは異なる条件で干渉するため発生する。そこで本発明は、光回路内において、全ての偏波状態を90°または−90°回転させる旋光子を配置することによって、方向性結合器等において発生した偏波変換光の干渉条件を、通常光の干渉条件と一致させる。たとえ偏波変換光が発生したとしても、偏波変換光の干渉条件が通常光の干渉条件と一致するので、光回路の干渉特性は変化せず、偏波依存性を解消する。旋光子は、上記のような偏波変換光対する干渉条件の制御のみならず、干渉回路内を伝搬する光の経路間の光路長差に起因する偏波依存性も解消する必要がある。このため、旋光子の設置場所は、各伝搬経路に沿った複屈折の積分値が全経路の積分値の半分となる場所に設置する。以下、詳細に本発明の偏波無依存導波路型光干渉回路の構成と動作を説明する。代表的な光干渉回路である非対称MZIを例として説明する。
全ての偏波状態の光を90°回転させる旋光子を透過する光の電界は、入力電界の水平偏波と垂直偏波成分をETE,ETMとすると、次式(6)で表される。
Figure 0005075840
一方、従来技術2において使用されていた半波長板を透過する光の電界は、次式(7)で表される。
Figure 0005075840
式(6)および式(7)からわかるように、いずれの場合も、水平偏波および垂直偏波間において光の電界成分を相互に入れ替える。従来技術2においては、この半波長板の変換作用を用いて、式(3)、式(4)に示したような2本のアーム導波路間の光路長差に起因する偏波依存性を解消していた。
これに対し、本発明の光干渉回路において、全ての偏波状態の光を90°回転させる旋光子は、水平偏波および垂直偏波間で光の電界成分を入れ替えるのみならず、電界の符号を変化させる。この符号の変化は、これらの偏波間の位相差を180°とすることを意味する。すなわち、旋光子は、半波長板が担う2本のアーム導波路間の光路長差を偏波無依存化する役割と共に、2つの偏波間において位相差を付加する役割を持っている。従来技術2で用いられていた偏波回転器によっては、このような偏波間の電界の符号変化は生じなかった。
図8Aおよび図8Bは、本発明の旋光子を挿入した非対称MZIにおける伝播光を示す図である。図7Aおよび図7Bにおいて説明した4種類の伝播光にそれぞれ対応する。非対称MZIの構成は、図7Aおよび図7Bの場合と同一であり、半波長板の代わりに旋光子800が、2本のアーム導波路107、108の中間点に配置されている。旋光子800を挿入する場合でも、2本のアーム導波路107、108間の光路長差に対して偏波無依存化を行う必要がある。このため、各アーム導波路107、108を含む各伝搬経路における複屈折の積分値が、全経路の積分値の半分となる場所に旋光子800を設置する必要がある。各導波路が、均一な構造の導波路によって構成され、回路パターンも入力と出力間で対称な形状の場合、干渉回路のちょうど中央位置に旋光子を設置する。
図8Aは、前述のタイプ1およびタイプ2の通常光の伝播光が示されており、図7Aに対応している。図8Bは、前述のタイプ3およびタイプ4の偏波変換光の伝播光が示されており、図7Bに対応している。タイプ1からタイプ4の各変換光の挙動において、図7Aおよび図7Bの場合と異なるのは、旋光子による水平偏波および垂直偏波間の偏波変換時に、旋光子800により180°の位相差が付加される点である。すなわち、図8Bにおけるタイプ3およびタイプ4の伝播光は、旋光子800の直前でそれぞれ垂直偏波および水平偏波であるため、旋光子800を通過する際に180°の位相差が付加される。
旋光子により180°の位相差が付加されることで、図8Bにおけるタイプ4の伝播光のスルーポートにおける位相は、タイプ3の伝播光と同じ90°となる。したがって、4種類の伝搬光は、旋光子による位相差の付加(符号変化)により、通常光同士の干渉であっても、偏波変換光同士の干渉であっても、いずれの場合も同位相での干渉となる。方向性結合器などにおいて偏波変換が発生した場合でも、通常光の干渉条件と偏波変換光の干渉条件とが同一となるため、干渉回路の偏波依存性が発生しなくなる。旋光子は、干渉回路を構成するアーム導波路間の光路長差に起因する偏波依存性を解消するのみならず、偏波変換光に対する干渉条件を通常光の干渉条件と一致させる動作をする。
上述の旋光子の動作を考慮して、クロスポートの透過スペクトルを数式で表現すると、式(8)となる。
Figure 0005075840
本発明による干渉回路の透過スペクトルを示す式(8)と従来技術2による透過スペクトルを示す式(5)とを比較すれば、第4項目のe(自然対数の底)の指数が異なる。式(8)によれば、係数A″は波数kを含まない。さらに、COS関数の引数は、φやε等の入力偏波における水平偏波および垂直偏波の状態に関係する変数を含まない。COS関数の引数は定数となるため、入射光の偏波状態にかかわらずCOS関数状の透過スペクトルは不変である。したがって、波長軸(周波数軸)方向へのスペクトルのシフトは発生せず、式(5)の場合とは異なり、PDfは発生しない。厳密には、係数A″には、入力偏波における水平偏波成分および垂直偏波成分間の位相差φが含まれているため、透過スペクトルに入力偏波依存性、つまり偏波依存損失が残存する。しかしながら、係数A″による寄与分は十分小さく、実用上はまったく問題にならない。
以上に示したように、方向性結合器等において偏波変換光が発生しても、本発明は干渉回路内に旋光子を設置することによって、偏波変換光の干渉条件と通常光の干渉条件と一致させることができる。このため、偏波変換光は干渉回路全体の干渉条件に影響を与えない。入力偏波の状態に依存する透過スペクトルの偏波依存性を解消し、PDfを発生させない。
旋光子として動作する材料には、ファラデー効果を発現するガーネット材料や水晶などがある。また、液晶などを用いることもできる。しかしながら、これらの材料には電界や磁界等を印加する必要がある。また、これらの材料により構成する素子は厚いものとなるため、導波路途中にこの素子挿入した場合、大きな損失を発生する可能性がある。そこで、以下の具体的な実施例では、より簡易な方法によって旋光子を実現する方法を説明する。ポリイミド系材料からなる半波長板を用いて旋光子を実現する。半波長板自体は単純な複屈折材料であるため、旋光子として動作しない。実施例1においては、2枚の半波長板を用い、これらの半波長板を組み合わせる角度を変えて旋光子を実現する方法を説明する。実施例2においては、1枚の半波長板と複屈折性を有する導波路とを組み合わせて旋光子を実現する方法を説明する。
図9は、実施例1の本発明の導波路型光干渉回路を示す図である。分岐比が50%の光分岐部分103および光合波部分106の間が、異なる長さの2本のアーム導波路107、108により接続されて、非対称MZIが構成されている。長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108は、マルチモード干渉導波路(MMI)により構成され、それぞれ複屈折を有している。本非対称MZIは、FSRが21GHzとなるように、アーム導波路間の長さが調整されている。本実施例においては、2つの偏光子、すなわち、導波路の屈折率主軸に対しその主軸が45°傾いた第1の半波長板と、導波路の屈折率主軸に対しその主軸が平行な第2の半波長板とを組み合わせて旋光子を構成する。以後、異なる役割を持つこれらの2つの半波長板を互いに区別するため、主軸が平行もしくは水平な第2の半波長板を特に「リターダ」と呼び、主軸が45°傾いた第1の半波長板をそのまま「半波長板」と呼ぶ。
半波長板とリターダを導波路の経路上に隣接して配置した場合に、水平偏波成分ETEと垂直偏波成分ETMは、次式(9)のように変換される。
Figure 0005075840
式(9)より、リターダと半波長板との組合せは、偏波を90°回転させる旋光子として動作することがわかる。
再び図9を参照すると、上述のリターダと半波長板との組合せが、非対称MZIの2本のアーム導波路の光路中に挿入されている。挿入場所は、光分岐回路103により分岐され長尺アーム導波路107を経て光合波部分106に伝搬する第1の光路と、光分波回路103で分岐され短尺アーム導波路108を経て光合波部分106に伝搬する第2の光路の、それぞれの中間点9Bに設置する。長尺アーム導波路107および短尺アーム導波路108間の光路長差は、半波長板単体を挿入した従来技術2について式(3)、(4)に示した場合と同様、偏波無依存となる。
さらに、リターダおよび半波長板の設置位置について詳細に説明する。図9に示すように、非対称MZIの回路形状が破線9Bに関して対称な回路構成の場合、半波長板901を破線9B上に設置し、リターダ902を半波長板901の近傍に設置する。リターダ902の挿入位置は、非対称MZI内の両アーム導波路経路上の9Aから9Cの範囲内であれば特に限定されるものではない。光干渉回路の本来的な干渉特性を生じさせる光路長差を与える導波路上であれば、リターダの設置場所は限定されないことに留意されたい。すなわち、リターダは、水平偏波および垂直偏波間で180°の位相差を付加する機能を実現する限り、アーム導波路のいずれの場所にあっても良い。このように半波長板およびリターダをそれぞれ設置することで、アーム導波路107、108間の光路長差は、偏波状態によらず一定となり、かつ、偏波軸が直交する水平偏波成分および垂直偏波成分の各々の信号成分間で180°の位相差が付加される。
また、1つのリターダではなく複数のリターダを組み合わせて旋光子を実現しても良い。例えば、リターダ1つあたりの位相差の付加量を1/4波長(90°)として、この1/4波長リターダを2つ使用することにより、旋光子を実現することもできる。この場合、旋光子は半波長板および2つのリターダの合計3個の素子により構成される。
上述のような半波長板およびリターダを挿入した構成を用いて、実際に回路を作製し、PDfの評価を行った。火炎堆積法と反応性イオンエッチング法により、シリコン基板上に石英系ガラス導波路を作製した。コアは、その断面形状が4.5μm四方角であり、比屈折率差1.5%である。このコアを、30μmのオーバークラッドガラスにより埋め込んだ。短尺アーム導波路と長尺アーム導波路との光路長差は、FSRが21GHzとなるよう設定した。光分岐部分および光合波部分はMMIを用いて構成した。短尺アーム導波路と長尺アーム導波路の中間点に、ダイシングソーやエッチングにより加工した溝(幅20μm、深さ100μm)を形成する。半波長板およびリターダとして厚さ十数μmのポリイミドフィルムを用い、屈折率の主軸がそれぞれ45°および0°となるように切断して、加工した溝にそれぞれ挿入する。
図10A、図10Bおよび図10Cは、製作した本発明の導波路型光干渉回路(非対称MZI)の特性の実測結果を従来技術による干渉回路の実測結果とともに示した図である。3つの異なる条件における干渉回路のPDfの波長依存性を測定した。図10Aは作製した非対称MZI内に何も挿入しない状態、図10Bは従来技術により半波長板のみを挿入した状態、図10Cは本実施例1による旋光子(半波長板+リターダ)を挿入した状態をそれぞれ示す。本発明による旋光子を挿入した場合(図10C)では、PDfは全波長帯域において0.5GHz以下となっており、従来技術(図10B)と比べてもPDf値をほぼ半分以下に低減させる優れた効果を確認できる。
図11は、非対称マッハツェンダ干渉計のPDfの計算結果を示す図である。数値計算は、前述の式(5)や式(8)等の計算で考慮したパラメータに加え、半波長板やリターダの波長依存性、光分岐部分および光合波部分におけるスルー方向、クロス方向の偏波変換等を加味し、より厳密に計算を行なったものである。具体的なパラメータとして、導波路複屈折を3.510-4、半波長板およびリターダの動作波長を1.59μmとした。
半波長板やリターダ等何も含まない干渉回路のみの場合は、PDfは数GHzと大きな値を示し、しかも波長依存性も大きい。PDfができる限り生じないように、導波路の形状等の設計により、複屈折を制御した場合であっても、図11に示すようにPDfが存在する。従来技術2(干渉計の中央に半波長板のみを挿入する)の構成の場合は、PDfの値は0.5GHz程度に減少するが、PDfは依然として残っている。これに対し、本実施例1の旋光子(半波長板とリターダの組合せ)を用いた場合は、PDfは0.007GHzと非常に小さな値となる。図11の計算結果は、図10A、図10Bおよび図10Cに示した実験値をよく反映しており、理論的にも本発明の効果を確認することができる。
実用上求められるPDfは、FSRの1/100程度である。本実施例1の回路においてはFSRが21GHzなので、PDfとして0.2GHz以下であることが求められる。図10A、図10Bおよび図10Cに示した実験結果によれば、従来技術では上記条件を満たすことは困難であるが、本実施例1においては0.2GHz以下の上記条件を満たすことができる。
尚、上述の実施例1では、導波路の屈折率主軸を基準として、その主軸が平行な半波長板と、45°傾いたリターダを例として説明したが、これに限られるものではない。すなわち、2つの半波長板の主軸が45°の差異を持っていれば良い。したがって、例えば、一方の半波長板の主軸を15°として他方の半波長板の主軸を60°として組み合わせて、旋光子を構成することもできることに留意されたい。
また、図9においては、半波長板およびリターダは、それぞれの一体のものを2本のアーム導波路中に挿入したものとして示されているが、それぞれのアーム導波路に対して、個々に半波長板およびリターダを挿入してもよい。すなわち、長尺アーム導波路に対する半波長板およびリターダと、短尺アーム導波路に対する半波長板およびリターダとを備える構成であっても良い。
図12は、本発明の導波路型光干渉回路を実現する実施例2の旋光子の構成を示す概念図である。実施例1とは異なる方法によって、旋光子を実現する構成を示している。実施例2においては、半波長板122のいずれか一方の側に複屈折を有する導波路121を設置することによって旋光子として動作させる点に特徴がある。すなわち、複屈折を有する導波路121自身が、実施例1において説明したリターダと同じように、偏波間に位相差を付加する機能を果たすように、この導波路を設計すれば良い。このリターダに対応する導波路121を干渉回路内に構成することで、この導波路の位相差付加機能によって、干渉回路の偏波依存性を解消することができる。
リターダに対応する導波路121の構成を決定する場合、その導波路の複屈折Brとその導波路長Lrが重要となる。すなわち、導波路の複屈折Brと導波路長Lrの積が、干渉回路における使用波長の1/2の長さ(180°の位相差の付加に対応)となる必要がある。すなわち、次式(10)の関係が成り立つようにしなければならない。
Figure 0005075840
複屈折Brや干渉回路の使用波長λ0が決定されると、Lrが決まる。式(10)をLrの式に書き換えると、式(11)が得られる。
Figure 0005075840
ここで、変数mが整数であれば、等価的にLrは干渉回路の使用波長の1/2の長さとなるため、最適値は無数に存在することとなる。
図13は、非対称MZIにおけるPDfの変数m依存性を示す図である。式(5)(m=−1/2に相当)および式(8)(m=1に相当)の場合と同様の手法に基づいて、変数mとPDfとの関係が求められる。図13からより明らかなように、PDfが最小となるのは、mが整数の場合である。しかし、整数近傍の値であっても、PDfを相当程度に低減させる効果があることが分かる。また、PDfの波長依存性や干渉回路の小型化等を考慮すると、式(11)においてはm=0であることが望ましい。ここで、従来技術2の方法について考えると、半波長板を回路の中央部に配置していた。これは、式(11)においてm=−1/2の場合に相当し、Lr=0となる。図13から分かるように、m=−1/2のときPDfは最大値となり、偏波変換光による干渉を考慮した場合には変数mの最悪の条件となっていたことがわかる。
実施例2の旋光子について、リターダに対応する複屈折性を有する導波路121と半波長板122の作用を解析的に検討する。mが整数値である場合、水平偏波と垂直偏波成分の偏光をそれぞれETE,ETMとすれば、各偏波成分に対する旋光子の作用は次式(12)により表される。
Figure 0005075840
式(12)より、複屈折性を有する導波路121および半波長板122の組合せは、水平偏波成分および垂直偏波成分を90°を回転させる旋光子として動作することがわかる。
図14Aおよび図14Bは、実施例2の旋光子を用いた非対称MZIの構成を示す図である。図14Aは旋光子を挿入する前の状態を示し、図14Bは挿入後の状態を示す。図14Aに示すように、非対称MZIは、分岐比が50%の光分岐部分103および光合波部分106が、異なる長さの2本のアーム導波路107、108により接続された構成となっている。光分岐部分103は、破線12A上に、光合波部分106は破線12C上にある。実施例2の旋光子は、非対称MZIの中央部であって、2本のアーム導波路107、108上に配置されている。ここで中央部とは、図14Aに示すように、非対称MZIの2本のアーム導波路間に光路差を付与する部分(図14Aにおける、12A〜12Bおよび12B〜12C)の中間点に挿入することを言う。図14Bに示すように、結果的には、半波長板122a、122bは非対称MZIの中央からLr/2だけずれた位置に配置され、非対称MZI全体から見て非対称な位置に半波長板122a、122bが配置された形状となる。
半波長板122a、122bの位置は、リターダに対応する複屈折性を有する導波路121のどちら側にあっても良い。すなわち、12B′でも12B′′にあっても良い。
上述のように半波長板が配置された構成を用いて、実際に回路を作製し、PDfの評価を行った。実施例1と同様に、シリコン基板上に石英系ガラス導波路を作製した。コアは、その断面形状が4.5μm四方角であり、比屈折率差1.5%である。このコアを、30μmのオーバークラッドガラスにより埋め込んだ。以後、簡単のため、実施例1におけるリターダに相当し、その複屈折性により偏波間に位相差を付加する機能を持つ導波路を「リターダ導波路」と呼ぶ。
図15は、実施例2の旋光子の具体的な回路パターンを示す図である。リターダ導波路123a、123bが回路全体のほぼ中央に配置されている。一方、半波長板122は、回路全体の左右対称の中心線の位置から光合波部分106側にずれた位置に配置されており、非対称な位置にある。中央に配置されたリターダ導波路123a、123bは、光回路内の他の部分の導波路よりもコア幅が広い幅広導波路とすることによって、半波長板122を挿入する際の損失増加を防いでいる。
また、半波長板122の挿入位置は、リターダ導波路123a、123bの長さによって決定されるため、このリターダ導波路123a、123bの複屈折により影響を受ける。一般に、実際の製造プロセスにおいては、導波路の複屈折に作製誤差が生じるため、半波長板122の挿入位置を微調整する必要が生じる場合がある。微調整ために挿入位置を変化させても損失が増加しないように、幅広導波路で構成するリターダ導波路123a、123bは、ちょうど180°の位相差を与える長さよりも、ある程度長く確保しておくのが好ましい。
幅広導波路で構成されたリターダ導波路を、本来の設計値より長めに設定すると、リターダ導波路により付加される位相差は、180°より大きい値となる。この長めに設定されたリターダ導波路の最端部に半波長板を設置すれば、水平偏波および垂直偏波間の位相差が過剰に生じることになる。しかし、半波長板を挿入すると、挿入された場所の前後において付加される位相差の符号が逆転する。したがって、全体としては180°以上の過剰な位相差を付加する長めのリターダ導波路の場合でも、その端部近傍であって、リターダ導波路の途中に半波長板を挿入すれば、付加される位相差をちょうど180°に調整することができる。
例えば、リターダ導波路の全長が、190°の位相差付加に相当する長さの場合であれば、185°に相当する長いリターダ導波路の部分と、5°に相当し、符号が逆転する残りの短いリターダ導波路の部分によって、合計の位相差の付加量は、185+(−5)=180°とすることができる。つまり、製造プロセス上の作製誤差がある場合でも、180°よりも長いリターダ導波路とすることによって、半波長板の設置場所を調整することで、ほぼ正確に180°の位相差を付加する事が可能である。半波長板を、幅広導波路のリターダ導波路内に挿入できるので、確実に、損失の発生を避けることができる。
また、リターダ導波路123a、123bは導波路幅が徐々に変化するテーパ導波路124a、124b、124c、124dにより、光分波部分103および光合波部分106側の導波路に接続されている。テーパ導波路よって幅広導波路のリターダ導波路と方向性結合器との間を接続して、上述のように、損失増加をさせることなくリターダ導波路上で半波長板122の挿入位置を調整することができる。但し、長尺アーム導波路および短尺アーム導波路には、両方に、同一形状のリターダ導波路およびテーパ導波路を設置するよう留意する必要がある。2本のアーム導波路間で長さや幅の異なる導波路を設置した場合、半波長板122の位置を変化させると、両アーム導波路間の光路長差に偏波依存性が生じてしまうためである。尚、図15では、一体型の半波長板122が示されているが、各アーム導波路上に、それぞれ別個の半波長板を設置した構成でも良い。
図16は、実施例2の旋光子を適用した非対称MZIのPDfと半波長板の位置との関係を示す図である。横軸の波長板ずらし量Mは、非対称MZIの回路左右対称の中心点から半波長板の設置位置までの距離を示す。従来技術2の構成では、半波長板を光干渉回路の中心位置に設置していたので、波長板ずらし量についてM=0の状態に相当する(図16のグラフでAの位置)。M=0場合、PDfは約0.7GHzである。
一方、本実施例2の構成によれば、リターダ導波路の端部に半波長板を設置するので、回路全体の構成から見て非対称な位置に半波長板を挿入することになる。すなわち、図16において、波長板ずらし量Mが0でない状態を意味している。図16のグラフによれば、実施例2の回路における“ずらし量M”の最適値は、1570μmである。式(10)および式(11)とともに説明したように、“ずらし量M”の2倍の長さが前述したリターダ導波路の長さLrとなる。つまり、Lr=3140μmが、本回路におけるリターダ導波路の長さの最適値である。前述のとおり式(11)における変数mが整数であれば良いので、最適値は複数存在する。リターダ導波路の長さLr=3140μmは、式(11)の変数m=0に対応する長さである。この時、リターダ導波路は、実施例1におけるリターダとして動作している。
上述のようにPDfを最小とするためには、mを整数とするのが最適である。特に、最短の長さのリターダ導波路によってPDfを最小となるのは、m=0として、リターダ導波路によって偏波間に与える位相差を180°とする場合である。しかしながら、図16からも分かる様に、最適値である整数値から多少ずれた値の変数mに対応する波長板ずらし量Mとしても、PDfを低減する効果は十分にある。ここで、より一般的な回路構成において、リターダ導波路によって偏波間に与える位相差βの条件について検討する。
図17は、リターダ導波路によって偏波間に与える位相差βに対するPDf変化を示す図である。PDf値の計算に用いた干渉計の特性条件は、FSR=20GHz、光分波器および光結合器における偏波変換量を32dBとした。図17に示すように、PDfは位相差βとともに周期的に変化し、PDfが低減される位相差条件も周期的に現れる。
一般的には、PDfの許容量の目安として、FSRの1%以下であることが求められている。そこで、PDFが0.2GHz以下となる位相差βの範囲に着目する。PDfが0.2GHz以下となる位相量β(°)の範囲は、図17の両端矢印線分で表された範囲であり、次式によって表される。
90+360*m < β <270+360*m 式(13)
式(13)を満たす位相量βの範囲となるように、リターダ導波路を設計することによって、一般的に要求されるPDf許容量を満たすことができる。式(13)の位相量条件をリターダ導波路の長さLの範囲として書き改めると、Bをアーム導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長、mを整数として、次式で表される。
λ*(0.25+m)/B <L< λ*(0.75+m)/B 式(14)
リターダ導波路を付加することにより干渉回路が占めるサイズは大きくなる。このため、実際の回路設計では、チップサイズの制限等により、PDfを最小化できる最適な位相量β(すなわち、最適な整数値の変数m)を持つリターダ導波路の長さを確保できない場合もある。このような場合でも、リターダ導波路の長さLを式(14)の条件を満たす範囲に設定すれば、FSRの1%以下のPDf値を得ることができる。
半波長板の配置場所について、さらに検討してみる。従来技術2においては半波長板は干渉回路の中央に半波長板が挿入されていたのに対し、本実施例2においては、干渉回路全体から見て非対称な位置に挿入される。さらに、その非対称な挿入位置は、この半波長板に隣接して配置されるリターダ導波路の複屈折に依存して決定される。半波長板の挿入位置、すなわちリターダ導波路の長さには最適値が存在する。この最適値は、式(11)に示すように周期的に存在する。図16からも明らかなように、従来技術2における半波長板の挿入位置は、干渉回路内において偏波変換が発生した場合、PDfを最悪とする位置となり、干渉回路の偏波依存性をむしろ悪化させていたことになる。本発明の実施例2に示したように、半波長板を干渉回路の中心位置ではなく、非対称となる位置に設置し、さらにこの半波長板に接する導波路の複屈折性を利用した位相差の付加によって、干渉回路全体の偏波依存性を解消できる。
本実施例2の旋光子を使用した干渉回路では、光分波および光合波機能を持つ方向性結合器間に配置される2本のアーム導波路の中央部に、それぞれ同一の複屈折を有するリターダ導波路およびこのリターダ導波路に隣接して半波長板を設置する構成としたが、これに限られず他の構成とすることも可能である。ただし、半波長板は、リターダ導波路が存在しない場合すなわちリターダ導波路を除外した場合に、2本のアーム導波路間の光路長差を発生させる部分(伝播経路)の中央点に相当する位置(光路長の中間点)に設置する必要がある。また、半波長板は、2本のアーム導波路の両方において、リターダ導波路に対して同じ側(光結合部分側または光分岐部分側のいずれか)に設置する必要がある。ただし、リターダ導波路が干渉回路全体の中央に位置し、干渉回路の構成が完全に対称である場合は、半波長板の設置位置はリターダ導波路に対して同一側に限定はされない。また、実施例2において設置する半波長板は、リターダ導波路として使用する導波路の屈折率主軸(90°または0°)が基準となるので、半波長板の屈折率主軸は、45°または−45°となる。
図18は、実施例2の別の形態を示す非対称MZIの構成を示す図である。光分岐部分103の直ぐ後段に、リターダ導波路170を設置する構成でも干渉回路の偏波変換光に起因する偏波依存性を解消することができる。すなわち、半波長板122とリターダ導波路170は、お互いに隣接している必要はない。リターダ導波路の位置は、図14Bの構成のように2本のアーム導波路の中間点に限定されない。すなわち、光分岐部分103と光合波部分106の間であって、半波長板122に対して光合波部分103側または光分波部分106側のいずれか同一の側に、リターダ導波路170があれば良い。また、リターダ導波路170に複屈折を与える方法としては、導波路の幅や厚さによる制御の他に、オーバークラッド層の上面に金属層やアモルファスシリコン層を形成する方法などによっても構わない。
図19Aおよび図19Bは、本発明の他の種類の干渉回路への適応例を説明する図である。実施例1および実施例2いずれについても、非対称MZIを例として偏波依存性を解消する方法を説明してきたが、他の干渉回路においても同様な効果が得られるのは言うまでもない。例えば、図19Aに示すようなMZIを多段構成に従属連結したラティス回路において、各段のアーム導波路部分にそれぞれ旋光子180a、180b、180cを配置する。単一の非対称MZIの場合と同様に、偏波依存性を解消する効果を得ることができる。また、図19Bに示すアレイ導波路回折格子においても、スラブ導波路181a、181bの間に配置されたアレイ導波路182内に、旋光子180を配置することによって、偏波依存性を解消することができる。
これまで詳細に述べてきたように、方向性結合器における偏波変換光により発生する干渉計の偏波依存性は、旋光子を干渉計内の光路中に配置することで解決される。しかしながら、干渉計の応用分野によっては、さらにより広帯域な波長範囲において偏波無依存化が求められる。このような場合には、さらにアーム導波路内において生じる干渉についても考慮が必要となる。
干渉計内に挿入する旋光子は、光路中を伝播する全ての偏波を90°または−90°回転させる。しかしながら、旋光子には最適な動作波長範囲があるため、波長範囲が広くなると全ての波長に対して正確に回転動作をすることが困難となってくる。旋光子の最適動作波長と、干渉計の所望の使用中心波長とを一致させたとしても、干渉計の使用波長帯域が広い場合、その帯域の端において、偏波無依存化が不十分となる場合がある。これは、使用帯域の端の波長において、旋光子がすべての偏波成分を正確に90°または−90°回転させることができず、帯域端の波長の一部の偏波成分は回転されないまま旋光子を透過してしまうためである。旋光子により回転しなかった光および回転した光は、それぞれ入力偏波によってそれぞれ異なる光路長を感じるので、偏波依存性を生じる。旋光子の不完全性により、これらの回転しなかった光と、回転した光とが1つのアーム導波路内において干渉すると、使用帯域の端の波長において干渉計の透過特性に偏波依存性が生じる。
図20Aおよび図20Bは、導波路内干渉を説明する図である。図20Bに示すように、本発明の旋光子800がアーム導波路107に挿入されることによって、各偏波成分は90°または−90°回転するとともに、旋光子によりアーム導路に追加的に位相量φが与えられる。すなわち、旋光子800により、伝播光は、旋光子800の前後のA点とB点との間で、一定の位相量(位相変化)が与えられる。ここで、旋光子により光が回転した場合と回転しなかった場合について、直交するTE偏波成分およびTM偏波成分間の変換について考える。図20Aの表に示されたように、光が回転した場合は、(a)TM偏波がTE偏波に変換される場合と、(b)TE偏波がTM偏波に変換される場合とがあり、それぞれの位相量は、φTM→TE、φTE→TMで表される。一方、光が回転しなかった場合は、(c)TM偏波がTM偏波のまま透過する場合と、(d)TE偏波がTE偏波のまま透過する場合とがあり、それぞれの位相量は、φTM→TM、φTE→TEで表される。
ここで、変換(a)と変換(d)とを考えると、旋光子800を通った光は、いずれもTE偏波の光であるので、これらの光が干渉することとなる。変換(b)と変換(c)についても同様である。このように、干渉計を構成する異なるアーム導波路間の干渉ではなく、1つのアーム導波路内においても旋光子の不完全性に起因して干渉が発生する。この結果、干渉計の様々な特性に偏波依存性を生じる。以下では、上述のようにアーム導波路内において干渉が発生した場合でも、干渉計全体の透過特性等に偏波依存性を生じさせない方法について述べる。
上述のようにアーム導波路内干渉は旋光子に起因して発生し、アーム導波路内干渉は、各アーム導波路を伝播する光の位相自体を変化させる。しかし、アーム導波路内干渉による伝播光の位相変化が生じても、干渉計を構成する2本のアーム導波路の間でその位相変化が存在しないとみなせるような干渉計の設計条件を見出すことができればよい。このような条件下では、使用帯域の端の波長において、旋光子の不完全性があっても、干渉計の偏波依存性を解消できる。
そこで、異なるアーム導波路各々の全体の位相差に着目してみる。アーム導波路間の全体の位相差は、多モード干渉計のアーム導波路間における光分岐部分から旋光子までの光路長差および旋光子により与えられる位相差によって決定される。アーム導波路間の光路長差をΔLとする。旋光子により与えられる位相差Φは、次のように定義できる。例えば、TE偏波に着目すれば、上述の、φTM→TEとφTE→TEとの偏波依存位相差をΔφTEとする。そして、この偏波依存位相差ΔφTEのアーム導波路間での差をアーム導波路間位相差Φとすると、アーム導波路間の全体の位相差は、次式により表される。以下簡単のため、このΦを、旋光子により与えられる導波路間位相差Φと呼ぶ。
Figure 0005075840

全アーム導波路間の位相差が、2本のアーム導波路間で等しいとみなせるためには、式(15)で表される全アーム導波路間の位相差値が0または2πの整数倍であれば良い。従って、式(15)に基づいて、次式の関係が成り立つ。
Figure 0005075840

ここで、kは整数である。後述するように、旋光子により与えられる導波路間位相差Φは、各アーム導波路に配置される各旋光子の偏波回転方向が等しい場合は0、偏波回転方向が異なる場合はπ(180°)である。式(16)の関係を満たすように、干渉回路の複屈折値Bを設定し、各アーム導波路の旋光子の回転方向を決定することができる。これによって、旋光子の不完全性により伝播光の位相変化が生じても、全アーム導波路間の位相差値は0または2πの整数倍となるので、干渉計の干渉特性に偏波依存性は生じず、より広帯域な波長範囲において偏波無依存な干渉回路が得られる。
式(16)の右辺においてkは整数であるため、式(16)を満たすBは周回的な値をとり、複数の値を取り得る。そこで、式(16)をkについて解いて、本来整数であるべきkが現実に取り得る値として、改めてαとすると、次式が得られる。
Figure 0005075840

式(17)によれば、たとえ旋光子の不完全性のために位相変化が生じても、選択した旋光子により与えられる導波路間位相差Φの値に応じて、α値が整数となるように、導波路の複屈折B値を設計することができる。α値が完全に整数にならないとしても、α値を整数に近づけるように旋光子により与えられる導波路間位相差Φを選択しBを最適化すれば、偏波依存性を低減することができる。
α値が整数の場合は、全アーム導波路間の位相差が0または2πの整数倍となり式(15)を満足する。この時、アーム導波路内干渉によって発生する位相変化に関係なく、全アーム導波路間の位相差は2本のアーム導波路間で等しいとみなせるので、最適条件となる。α=0.5+m(mは整数)の場合は、全アーム導波路間の位相差が最大となり所望の干渉特性から最も逸脱した最悪条件となる。中間の領域である、m−0.5<α<m+0.5(mは整数)の場合でも、α値が整数に近いほうがよりが好ましい。
実際の干渉回路の作製においては、本来の干渉回路設計上の要請などからα値を整数とするように自由に複屈折Bを決定することはできず、複屈折Bを設定する範囲には制限がある。本実施例3においては、異なるアーム導波路にそれぞれ独立の旋光子を配置して、各旋光子の回転方向をアーム導波路ごとに独立に設定することによって、旋光子を同方向の主軸傾きにするか否かを選択することができる。すなわち、旋光子が与える導波路間位相差Φの値を選択することができる。複屈折Bおよび旋光子が与える導波路間位相差Φの両方を制御することによって、α値を整数に近づけることがより容易となる。
図21は、実際に作製した実施例3に係る非対称MZIの構成図である。本実施例の非対称MZIは、シリコン基板194上に形成された2つの多モード干渉計190a、190bと、2つの多モード干渉計を接続する2本のアーム導波路192a、192bから構成される。ここで旋光子は、屈折率主軸が導波路の屈折率主軸と平行な半波長板191cと、アーム導波路192a、192bの光路長の中間点に配置され屈折率主軸が45°傾いた2種類の半波長板191a、191bとにより構成されている。アーム導波路192a、192bを横断して、2つの波長板挿入溝193a、193bが形成される。各々の挿入溝に、半波長板191a、191bと、半波長板191cとが挿入されている。ここで、半波長板191aおよび191bの回転方向は、屈折率主軸が45°傾いた半波長板または−45°傾いた半波長板のいずれかに、独立して選択できる。本実施例の構成は、図9に示された実施例1の非対称MZIにおいて、半波長板901が一体の半波長板であった点で異なる点に注意されたい。
図21に示したMZI回路の構成例は、式(17)におけるB*ΔL(2*λ)の値を0.5とするために、2本のアーム導波路192a、192b光路中に互いに傾斜軸の向きが90°異なる半波長板191a、191bを選択して設置することで、旋光子により与えられる導波路間位相差Φをπ(180°)を選択し、α値を整数とすることができる場合を示している。すなわち、半波長板191aを45°傾きとして、半波長板191bに−45°傾きを選択した場合を例示的に示している。従って、複屈折Bの設定可能な値によっては、半波長板191aを45°傾きとして、半波長板191bに同じく45°傾きを選択すべき場合があることに留意されたい。この場合、旋光子により与えられる導波路間位相差Φは0となる。本実施例では、2つの半波長板191a、191bに対して、屈折率主軸の傾き角度を独立に選択して、2つの半波長板により与えられる初期の位相差を適切に選択し、α値を整数により近づけるような複屈折Bを設定することによって、より広帯域の波長範囲で干渉計全体の透過特性等の偏波依存性を低減できるところに特徴がある。
図22は、α値が整数値となるよう考慮して設計した干渉回路のPDfの波長依存性を示す図である。旋光子における半波長板の主軸傾斜の向きを2本のアーム導波路間で45°および−45°と逆方向にし、式(16)においてB*ΔL(2*λ)を0.5とした場合と、式(16)を考慮せず作製した従来回路の干渉計のPDfの波長依存性の実測値および計算値をプロットした。
作製した干渉回路は、シリコン基板上に形成された埋め込み型導波路を用いた、FSR=10GHzのMZI回路である。導波路の比屈折率差は1.5%、アンダークラッド厚15μm、オーバークラッド厚20μmとした。作製後に干渉回路の偏波依存性を測定したところ、TE/TM偏波間で透過スペクトルの周波数方向のズレ(Δf)が10GHzであった。ここで、式(16)を考慮しながら、半波長板およびリターダの設置構成を考える。nを導波路の有効屈折率、Cを光速とすると、光路長差ΔLは次式で表される。
ΔL=C/FSR/n 式(18)
また、透過スペクトルが10GHzずれていることから、ΔfをTE/TM間の透過スペクトルの波長軸方向のズレ量、f0を光の周波数とすると、複屈折Bは次式で表される。
B=n*Δf /f0 式(19)
式(18)および式(19)と、式(16)の左辺から次式が得られる。
B*ΔL/λ=Δf/FSR=1 式(20)
よって、式(16)より、次式が得られる。
φ=π*(2*k−1) 式(21)
以上より、式(16)の関係を満たす構成として、旋光子の回転方向を2本のアーム導波路間で逆方向にする必要がある。そこで、使用波長1550nmのポリイミド半波長板、およびリターダを用い、リターダは屈折率主軸を導波路に対し平行として配置した。半波長板は、2本のアーム導波路にそれぞれ屈折率主軸傾きが45°と−45°となるように配置した。図22からわかるように本実施例により、α値を考慮しない場合と比べて、より広い波長範囲においてPDfを低減できることが分かる。
上述のように、α値を整数とするのがもっとも好ましいが、本実施例の効果が十分に得られるαの範囲を以下のように決定することができる。
図23は、FSR=10GHzの干渉計において、αを1から1.3まで変化させた場合に、PDfの波長依存性を計算した結果を示す図である。αが1(整数)からずれることで、PDfが帯域の端の波長で劣化することが確認できる。PDfの小さい波長領域幅が、αの増大とともに狭くなる傾向が分かる。
図24は、使用波長帯域0.8μm(波長1.53〜1.61nm)における最大のPDf値を、αをパラメータとしてプロットした図である。通常、光通信システムで用いられるDQPSK、DPSK変調方式の受信回路として干渉計を用いる場合、FSRの1/100程度のPDfが許容されている。そこで、PDfが0.1GHz以下とすることのできるαの値としては、図24からおよそ0.75<α<1.2の範囲であることが分かる。一般的な表現で示すと、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるようにαを設定することで、PDfを0.1GHz以下とすることができる。以上述べたように、使用帯域の端の波長において、旋光子の不完全性があっても、干渉計の偏波依存性を解消できる。
上述の各実施例の非対称MZIについて、旋光子の作成誤差を補償する調整手段を含めることによって、さらに、偏波依存性を改善することができる。
図25は、旋光子の作成誤差等を補償する手段を含む非対称MZIの構成図である。デバイスの構造自体のばらつきや組み立てによる製造誤差により、旋光子の偏波回転の特性が所望の特性と異なる場合がある。旋光子を屈折率主軸が導波路の屈折率主軸と平行な半波長板と、45°傾いた半波長板2種類を用いて実現する場合、あるいは、屈折率主軸が導波路の屈折率主軸と平行な半波長板と、複屈折を持つ導波路で実現される場合いずれにおいても、干渉回路を作製した後に、調整工程を含めることによって偏波依存性をさらに減らすことができる。
旋光子における、導波路の屈折率主軸に水平および垂直な偏向間の位相差を調整する一方で、これらが両アーム間で常に等しくなるようにしなければならない。よって、旋光子の特性のずれ量によって、旋光子の入力導波路側もしくは出力導波路側どちらか一方において、両アーム導波路に対して等しい複屈折調整を行う。例えば、図25に示すように、紫外レーザによりアーム導波路に複屈折を誘起させることのできる紫外線照射領域195a、195bを設けて、旋光子の作成誤差を補償することができる。旋光子の入力導波路側において、紫外線照射領域195a、195bに複屈折を誘起し、その誘起量が両アーム導波路間で等しくなるように、紫外線照射量および照射領域の長さを制御できる。これにより、旋光子やリターダ導波路の調整が可能となる。図25では、旋光子の入力導波路側に、紫外線照射領域が設置されているが、出力導波路側であっても良い。
以上詳細に述べたように、本発明により、偏波変換光に起因する偏波依存性を解消した光回路を実現することができる。複数の半波長板を組み合わせ、半波長板および複屈折をもつ導波路の組合せなど、簡単な構成の旋光子を利用することで、量産性に優れ、製作バラツキにも柔軟に対応することが可能な光回路を実現できる。さらに、半波長板などにおける偏波変換の不完全性に起因して発生するアーム導波路内の干渉を減らし、偏波依存性を解消する
本発明の光干渉回路は、光通信ネットワークなどに使用される光通信機器に使用することができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路とを含む光干渉回路において、
    前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に挿入された第1の半波長板と、
    前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°傾いた屈折率主軸を持ち、前記少なくとも2本以上のアーム導波路上であって、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記入力導波路側または前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記出力導波路側のいずれか一方に挿入された第2の半波長板と
    を備え、
    前記少なくとも2本以上のアーム導波路は、長尺アーム導波路と短尺アーム導波路の2本のアーム導波路からなり、前記第1の半波長板は、前記長尺アーム導波路および前記短尺アーム導波路に対して、それぞれ異なる別個の半波長板を含み、
    前記異なる別個の半波長板および前記第2の半波長板は、それぞれ異なる別個の旋光子を構成し、
    前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きは、同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかが選択されることと、
    ΔLを前記長尺アーム導波路と前記短尺アーム導波路の光路長差、Bを導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長として、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きが、同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかの時の、アーム導波路間の位相差Φをそれぞれ0°または180°すると、
    α=B*ΔL/(2*λ)+Φ/2π
    で表されるα値が、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるように、複屈折Bが設定されていること
    を特徴とする導波路型光干渉回路。
  2. 少なくとも1本以上の入力導波路と、前記入力導波路に接続された光分岐部分と、少なくとも1本以上の出力導波路と、前記出力導波路に接続された光合波部分と、前記光分岐部分および前記光合波部分を接続する少なくとも2本以上のアーム導波路とを含む光干渉回路において、
    前記少なくとも2本以上のアーム導波路の各々の光路長の中間点に挿入された第1の半波長板と、
    前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°傾いた屈折率主軸を持ち、前記少なくとも2本以上のアーム導波路上であって、前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記入力導波路側または前記少なくとも2本以上のアーム導波路の前記出力導波路側のいずれか一方に挿入された第2の半波長板と、
    を備え、
    前記少なくとも2本以上のアーム導波路は、長尺アーム導波路と短尺アーム導波路の2本のアーム導波路からなり、前記第2の半波長板は、前記長尺アーム導波路および前記短尺アーム導波路に対して、それぞれ異なる別個の半波長板を含み、
    前記第1の半波長板および前記異なる別個の半波長板は、それぞれ異なる別個の旋光子を構成し、
    前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸は、前記第1の半波長板に対して、相対的に45°または−45°のいずれかに独立して選択され、
    ΔLを前記長尺アーム導波路と前記短尺アーム導波路の光路長差、Bを導波路の複屈折、λを干渉回路の使用波長とし、前記異なる別個の半波長板の屈折率主軸の傾きが同一方向または互いの主軸のなす角度が90°のいずれかの時の、アーム導波路間の位相差Φをそれぞれ0°または180°すると、
    α=B*ΔL/(2*λ)+Φ/2π
    で表されるα値が、m−0.25 <α <m+0.20(mは整数)となるように、複屈折Bが設定されていること
    を特徴とする導波路型光干渉回路。
  3. α値は整数であることを特徴とする請求項1または2に記載の導波路型光干渉回路。
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