JP2005010805A6 - 導波路型光干渉計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで信頼性の高い偏波無依存の導波路型光干渉計を提供する。
【解決手段】 基板上の光導波路で構成される導波路型光干渉計であり、光分岐部、複数の長さの異なる光導波路、および光結合部から構成される。導波路型光干渉計は、2つの光カプラとそれらを結ぶ互いに長さの異なる2本の導波路からなるマッハツェンダ光干渉計であり、2本の光導波路のコア幅が、少なくとも一部において互いに異なり、2本の光導波路の複屈折を長手方向に積分した値が、互いに使用する光波長の1/2異なる。
【選択図】 図10
【解決手段】 基板上の光導波路で構成される導波路型光干渉計であり、光分岐部、複数の長さの異なる光導波路、および光結合部から構成される。導波路型光干渉計は、2つの光カプラとそれらを結ぶ互いに長さの異なる2本の導波路からなるマッハツェンダ光干渉計であり、2本の光導波路のコア幅が、少なくとも一部において互いに異なり、2本の光導波路の複屈折を長手方向に積分した値が、互いに使用する光波長の1/2異なる。
【選択図】 図10
Description
この発明は、平面光導波路で構成された導波路型光干渉計に関し、更に詳しくは、その導波路複屈折が導波路コア幅に依存することを利用して、光干渉計の偏波依存性を補償したり、もしくは逆に偏波依存性を強調する技術に関する。
現在、通信容量の拡大のために複数の光波長を用いた光波長多重通信システム(WDMシステム)の開発が盛んである。この光波長多重通信システムにおいて、送信側で複数の波長の光信号を合波したり、受信側で1本の光ファイバ中の複数の光信号を異なるポートに分波する光波長合分波器として、アレイ導波路格子型光波長合分波器(以下、AWGと略す)が広く使用されている。
従来のAWGの回路構成を図11に示す。入力導波路1に入射された光は、第1のスラブ導波路2で基板3と水平方向に回折し、複数のアレイ導波路4に結合する。隣接するアレイ導波路4はそれぞれ一定の光路長差を有しているため、第2のスラブ導波路5に結合する際に、複数の光ビームは波長に依存する位相差を持つ。この結果として、複数の光ビームの干渉で生じる焦点は波長に依存して位置が変化する。その焦点位置に予め複数の出力導波路6を配置しておくことにより、AWGは複数光波長を一括して合分波する光波長合分波器として機能する。
これまで報告されたAWGでは、複数のアレイ導波路4のコア幅は互いに等しく設計されていた。AWGはガラス、ポリマー、半導体など様々な材料の導波路を用いて作製され、その結果が報告されている。(非特許文献1,2,3参照)。
一般に、平面基板上に作製した光導波路は、基板に垂直な方向に電界成分を持つTM光と、基板に平行な方向に電界成分を持つTE光との間で実効屈折率が異なる。これら実効屈折率の差分を導波路複屈折と呼び、以下の式(1)で定義する。
TM光とTE光のAWG中心波長は以下の式(2)および(3)で表される。
上記の式(1)〜(3)からわかるように、導波路複屈折Bが存在する場合、AWGの中心波長λTM、λTEはTM光とTE光とで異なる値になる。本来、石英系ガラス光導波路は伝搬損失の偏波依存性はほとんどない。しかしながら、上述の通り中心波長がTM光とTE光とで異なるため、入射光の偏光状態で特性が変化するという偏波依存性の問題を持っている。
(従来技術の第1例)
この偏波依存性を解消する一つの方法として、図12に示すように、AWGの中央部でアレイ導波路4中に主軸が45°傾いた1/2波長板7を溝8を介して挿入する方法が使われている。(非特許文献4参照)。
この偏波依存性を解消する一つの方法として、図12に示すように、AWGの中央部でアレイ導波路4中に主軸が45°傾いた1/2波長板7を溝8を介して挿入する方法が使われている。(非特許文献4参照)。
この1/2波長板7はTM光とTE光の偏波モード変換器として機能しており、AWGの回路中央部でTM光とTE光を入れ替えることにより、全体としてその特性を平均化し、偏波依存性を解消している。
(従来技術の第2例)
AWGの上記偏波依存性を解消する別の方法として、石英系ガラスにドーパントを多量に入れて、シリコン基板と同等の熱膨張係数を持たせることにより、AWGの作製時に生じる熱応力を低減し、結果的に偏波依存性を解消する報告もなされている。(非特許文献5参照)。
AWGの上記偏波依存性を解消する別の方法として、石英系ガラスにドーパントを多量に入れて、シリコン基板と同等の熱膨張係数を持たせることにより、AWGの作製時に生じる熱応力を低減し、結果的に偏波依存性を解消する報告もなされている。(非特許文献5参照)。
具体的には、石英系ガラス層にシリコン基板からかかる応力を-1MPa以上1MPa以下に調整することにより、導波路複屈折の絶対値を2×10−5以下に抑制している。ここで、負符号は圧縮応力、正符号は引っ張り応力を表す。
この従来技術の第2例の方法は、上記の従来技術の第1例の方法に比べて、1/2波長板7の挿入に伴う付加的な作業がなく、且つ過剰損失も生じないため、有望な方法である。しかし、ガラスの圧縮応力が非常に弱いため、AWG作製時の作業工程において石英系ガラス層に容易にクラックが発生したり、石英系ガラス層のドーパント量が多いために、長期的な耐候性が低く、導波路の結晶化が生じて導波路の光の挿入損失が増加するという問題があった。この信頼性の低さは、通信用光部品として致命的な問題であり、その解決が強く求められていた。
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Y. Inoue他 "Polarization sensitivity elimination in silica-based wavelength-division multiplexer using polyimide half waveplate," IEEE J. Lightwave Technol., vol. 15, no. 10, pp. 1947-1957, Oct. 1997.
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このように、従来は、導波路の偏波無依存化を実現するために様々な技術が用いられてきたが、本発明の目的は逆に、導波路の偏波依存性を積極的に活用した、低コストで信頼性の高い新しい導波路型光干渉計を実現することにある。
本発明の目的は、これらの課題を解決し、低コストで信頼性の高い偏波無依存の導波路型光干渉計を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の導波路型光干渉計は、基板上の光導波路で構成される光干渉計において、前記光干渉計が2つの光カプラとそれらを結ぶ互いに長さの異なる2本の導波路からなるマッハツェンダ光干渉計であり、前記2本の光導波路のコア幅が、少なくとも一部において互いに異なり、前記2本の光導波路の複屈折を長手方向に積分した値が、互いに使用する光波長の1/2異なることを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の参考例)
図1に本発明の第1の参考例としての偏波無依存AWG(アレイ導波路格子型光波長合分波器)の回路構成を示す。このAWGには100本のアレイ導波路104が配置されており、スラブ導波路102および105との接続部のテーパ(図示せず)を除き、そのアレイ導波路104のコア幅が1本1本異なる。その他の構成は上述した従来例の、図11のAWGと同様である。ここで、101は入力導波路、102は入力側のスラブ導波路、103はシリコン基板、105は出力側のスラブ導波路、106は出力導波路である。
図1に本発明の第1の参考例としての偏波無依存AWG(アレイ導波路格子型光波長合分波器)の回路構成を示す。このAWGには100本のアレイ導波路104が配置されており、スラブ導波路102および105との接続部のテーパ(図示せず)を除き、そのアレイ導波路104のコア幅が1本1本異なる。その他の構成は上述した従来例の、図11のAWGと同様である。ここで、101は入力導波路、102は入力側のスラブ導波路、103はシリコン基板、105は出力側のスラブ導波路、106は出力導波路である。
図2に図1のアレイ導波路部分のコア幅がわかるように強調した上面図を示す。図2に示すように、そのアレイ導波路104のコア幅が内側(短いアレイ導波路側)から外側(長いアレイ導波路側)に向けて徐々に細くなるよう設計している。ここで、202は最も内側のコア幅8.2ミクロンのアレイ導波路、201は最も外側のコア幅5.8ミクロンのアレイ導波路を示す。
次に、本参考例のきっかけとなった導波路複屈折Bとコア幅wとの関係を図3に示す。図3から導波路コア幅wが広いほど導波路複屈折Bが大きくなっていることがわかる。この導波路複屈折のコア幅依存性は、構造複屈折のコア幅依存性とは正反対の依存性となっている。すなわち、構造複屈折はコア幅が広くなると小さくなる。このことから、本参考例における導波路複屈折は応力誘起複屈折であることがわかる。
応力誘起複屈折はコアガラス、クラッドガラス、基板の材質や熱膨張係数に強く依存する。本参考例では、コアガラス膜の内部応力がクラッドガラス膜の内部応力に比べて2倍以上大きな材料を使用している。
図3の導波路複屈折のコア幅依存性を以下に説明する。直感的な理解としては、コア幅がコア膜厚に比べて充分に狭い領域(極端な例として、コア幅が0)では、導波路複屈折はクラッドガラス膜の内部応力によって律即される。これに対して、コア幅がコア膜厚に比べて充分に広い領域(極端な例として、コア幅が無限大の場合)では、導波路複屈折はコアガラス膜の内部応力によって律即される。本参考例では、コアガラス膜の内部応力がクラッドガラス膜の内部応力に比べて大きいため、コア幅が広くなると導波路複屈折も大きくなるという依存性が生じる。
本参考例は、今回発見した図3の導波路複屈折のコア幅依存性を利用することによって、導波路複屈折そのものを0にしないで、TM光の中心波長λTMとTE光の中心波長λTEを一致させる方法に関するものである。
本参考例の導波路作製方法を、図4の(A)−(E)を用いて簡単に説明する。シリコン基板103上に火炎堆積法でSiO2を主体にした下部クラッドガラススート401、SiO2にGeO2を添加したコアガラススート402を堆積する(図4の(A))。
その後、1000℃以上の高温でガラス透明化を行う。この時に、下部クラッドガラス層403は30ミクロン厚、コアガラス404は7ミクロン厚となるように、ガラスの堆積を行っている(図4の(B))。
引き続き、フォトリソグラフィ技術を用いてコアガラス404上にエッチングマスク405を形成し(図4の(C))、反応性イオンエッチングによってコアガラス404のパターン化を行う(図4の(D))。
エッチングマスク405を除去した後、上部クラッドガラス406を再度火炎堆積法で形成する。上部クラッドガラス406にはB2O3やP2O5などのドーパントを添加してガラス転移温度を下げ、それぞれのコアガラス404とコアガラス404の狭い隙間にも上部クラッドガラス406が入り込むようにしている(図4の(E))。
従来技術に述べたようにクラッドガラスに大量のドーパントを添加すると、シリコン基板からガラス層にかかる圧縮応力が緩和され、導波路複屈折が減少する。しかし、それと共にガラスの耐候性が劣化する。このため、本参考例では、信頼性が十分に確保できる条件として、クラッドガラス406に添加するドーパント量を抑制し、シリコン基板103からガラス層へ−10MPa以下の応力(10MPa以上の圧縮応力)を発生させている。
次に、アレイ導波路の設計について述べる。AWGでは、隣接するアレイ導波路の光路長差が一定になるように設計を行う。この場合、TMモードとTEモードの中心波長λTM,λTEは以下の式(4),(5)で表される。
本参考例では各アレイ導波路のコア幅は長手方向に一定で設計しているため、(6)式は以下の(7)式のように簡単に書き表される。
(7)式は、短いアレイ導波路の複屈折は大きく、長いアレイ導波路の複屈折は小さくすれば、AWGの偏波依存性がなくなることを意味している。図3の結果を用いて、(7)式を満たすように、100GHz間隔16チャンネルのAWGを設計したところ、図2に示すように、一番長いアレイ導波路201のコア幅は5.8ミクロンに、一番短いアレイ導波路202のコア幅は8.2ミクロンになった。
AWGでは、一般に隣接するアレイ導波路の光路長差を一定にする必要がある。全てのアレイ導波路を1種類のコア幅で設計していた従来設計では、実効屈折率が全てのアレイ導波路で等しいため、隣接するアレイ導波路の物理的な長さの差は一定であった。しかし、本設計では一本一本のアレイ導波路コア幅が異なるため、それに応じて実効屈折率も異なる。この結果として、隣接するアレイ導波路間の物理的な長さの差は一定になるとは限らない。より詳しくは、実効屈折率とコア幅が比例する場合は、隣接するアレイ導波路間の物理的な長さの差は一定になるが、実効屈折率とコア幅が比例しない場合は、隣接するアレイ導波路間の物理的な長さの差は一定にならない。本参考例では、実効屈折率とコア幅が比例していないため隣接するアレイ導波路間の物理的な長さの差は一定になっていない。
上記の設計を用いて作製したAWGの透過スペクトルを図5に示す。λTMとλTEのズレは0.007nm以下(測定限界以下)であった。また、これと比較のため、単一のコア幅(7.0ミクロン)を用いて作製した従来型のAWGの透過スペクトルを図6に示す。λTMとλTEのズレは0.12nmであった。図5と図6の比較により、コア幅を(7)式を満足するように設計することにより、AWGの偏波依存性が解消できることがわかる。
本参考例は、アレイ導波路のそれぞれの長さに応じてそのコア幅を変化させることで、有限の導波路複屈折を制御することにより、導波路複屈折そのものを0にしなくても、導波路型光干渉計の偏波依存性を解消できることに特徴がある。導波路の複屈折の制御方法としては、応力付与膜を用いる方法(非特許文献6参照)や、異種薄膜をコア直下に装荷する方法(非特許文献7参照)が知られている。しかし、本参考例は、このような付加的なプロセスを必要とせず、マスク設計パラメータであるコア幅を変えるだけで、その導波路複屈折を制御し、AWGの偏波依存性を解消できる点に最大の特長がある。
(第2の参考例)
図7に本発明の第2の参考例としてチャンネル間隔100GHz(FSR200GHz)の非対称マッハツェンダ光干渉計の構成を示す。本第2の参考例は、上記第1の参考例の偏波無依存化の原理を非対称マッハツェンダ光干渉計に適用したものである。
図7に本発明の第2の参考例としてチャンネル間隔100GHz(FSR200GHz)の非対称マッハツェンダ光干渉計の構成を示す。本第2の参考例は、上記第1の参考例の偏波無依存化の原理を非対称マッハツェンダ光干渉計に適用したものである。
ここで、1401はコア幅7ミクロンの入力導波路、1402は入力側の50%方向性結合器(光カプラ)、1403はコア幅7ミクロンのアーム導波路、1404はコア幅6ミクロンのアーム導波路、1405はコア幅8ミクロンのアーム導波路、1406は出力側の50%方向性結合器、1407はコア幅7ミクロンの出力導波路である。異なるコア幅の導波路間は幅が徐々に変化するテーパを挿入している。
図7に示すように、2本のコア幅7ミクロンのアーム導波路1403の一部を、それぞれ長さの異なるコア幅6ミクロンのアーム導波路1404、コア幅8ミクロンのアーム導波路1405に、それぞれ置き換えて接続したような、コア幅を異ならせた構成となっている。このように、本参考例の非対称マッハツェンダ光干渉計は、2本のアーム導波路の幅をw1=6ミクロン、w2=8ミクロン、w0=7ミクロンのコア幅を用いて構成している。
コア幅w1,w2の長さL(w1),L(w2)は次式(8)、(9)で与えられる。
ここでcは光速を表す。また、コア幅w0の長さL(w0)は2本のアーム導波路に同じ長さだけ挿入しているため、干渉計に影響を及ぼさない。コア幅w0の導波路1403は光回路の設計自由度を高める目的で挿入している。
本参考例では、L(w1)=2.96mm,L(w2)=1.92mmとして設計を行った。
図8に上記の設計に基づいて作製した非対称マッハツェンダ光干渉計の透過スペクトルを示す。これと比較のために、図9にコア幅7ミクロンの導波路のみを用いて作製した従来型の非対称マッハツェンダ光干渉計の透過スペクトルを示す。図8と図9から明らかなように、本参考例の非対称マッハツェンダ光干渉計においては偏波依存性が解消されていることがわかる。
(本発明の実施の形態)
図10に本発明の一実施形態としての偏波ビームスプリッタの構成を示す。ここで、1701はコア幅7ミクロンの入力導波路、1702は入力側の50%方向性結合器、1703はコア幅5ミクロンのアーム導波路、1704はコア幅10ミクロンのアーム導波路、1705は出力側の50%方向性結合器、1706はコア幅7ミクロンの出力導波路である。
図10に本発明の一実施形態としての偏波ビームスプリッタの構成を示す。ここで、1701はコア幅7ミクロンの入力導波路、1702は入力側の50%方向性結合器、1703はコア幅5ミクロンのアーム導波路、1704はコア幅10ミクロンのアーム導波路、1705は出力側の50%方向性結合器、1706はコア幅7ミクロンの出力導波路である。
上述した本発明の第2の参考例は、非対称マッハツェンダ光干渉計の偏波依存性を解消したものであったが、本実施形態は反対にマッハツェンダ光干渉計の偏波依存性を増強し、偏波によって出力ポートが変わる偏波ビームスプリッタを実現したものである。
偏波ビームスプリッタを実現するためには、例えばTM光にとっての光路長差がλ/2、TE光にとっての光路長差が0になるように設計する必要がある。本実施形態では、コア幅w1=5ミクロンの導波路1703とコア幅w2=10ミクロンの導波路1704を用いた。上記の条件は以下の式(10),(11)で表される。
ここで、λは光波長を表す。(10)、(11)式を変形することにより、L(w1),L(w2)を求める以下の式(12)、(13)が得られる。
(12)(13)式により、それぞれのアーム導波路1703、1704の長さL(w1),L(w2)はそれぞれ6.53mm,6.52mmに設計すればよいことがわかる。実際にこの条件で作製を行ったところ、通信光波長1.55ミクロンの入力光に対して、TM光はスルーポートに出力され、TE光はクロスポートに出力される偏波ビームスプリッタ機能が確認された。クロスポートにおけるTE光に対するTM光のレベル(偏波ビームスプリッタのクロストーク)は−19dBであった。
(その他の実施の形態)
以上述べた本発明の各実施形態では、シリコン基板上の石英系ガラス導波路を用いた光干渉計を示したが、その導波路材料がポリイミド、シリコーン、半導体、LiNbO3などであっても本発明の上記の原理は適用可能である。また、基板もシリコンに限定するものではない。
以上述べた本発明の各実施形態では、シリコン基板上の石英系ガラス導波路を用いた光干渉計を示したが、その導波路材料がポリイミド、シリコーン、半導体、LiNbO3などであっても本発明の上記の原理は適用可能である。また、基板もシリコンに限定するものではない。
上記の本発明の実施形態では、複屈折がコア幅に依存する原因として、応力誘起の複屈折であると説明したが、この原因が構造複屈折の場合も、上記で示した式を用いて偏波無依存、もしくは偏波依存性を実現することが可能である。
上記の本発明の実施形態では、コア幅を広げると導波路複屈折が増加する場合について述べているが、その反対にコア幅を広げると導波路複屈折が低下する場合でも、上記の式を満たすようにコア幅を設計すれば、偏波依存性をなくすることができる。
また、上記の本発明の実施形態では、シリコン基板上の石英系光導波路を対象としたが、石英基板上の石英系光導波路では一般に複屈折は負になる。ポリマ−光導波路では材料によって複屈折の正負が異なる。例えば、ポリイミド光導波路では複屈折が正になり、シリコーン光導波路では負になる。
本発明の本質は複屈折が導波路コア幅に依存しており、そのことを利用して偏波無依存、もしくは偏波依存性を実現したことにある。
また、本発明によれば、従来技術の第2例で紹介した圧縮応力のないガラスを用いる必要がなくなり、圧縮応力のあるガラスを用いて光回路を構成できるため、耐候性をはじめとする光部品の信頼性が飛躍的に向上する効果も得られる。
以上のように、本発明にかかる導波路型光干渉計は、光波長多重通信システムにおいて、送信側で複数の波長の光信号を合波したり、受信側で1本の光ファイバ中の複数の光信号を異なるポートに分波する光波長合分波器として用いるのに有用である。
1401 コア幅7ミクロンの入力導波路
1402 入力側の50%方向性結合器(光カプラ)
1403 コア幅7ミクロンのアーム導波路
1404 コア幅6ミクロンのアーム導波路
1405 コア幅8ミクロンのアーム導波路
1406 出力側の50%方向性結合器
1407 コア幅7ミクロンの出力導波路
1701 コア幅7ミクロンの入力導波路
1702 入力側の50%方向性結合器
1703 コア幅5ミクロンのアーム導波路
1704 コア幅10ミクロンのアーム導波路
1705 出力側の50%方向性結合器
1706 コア幅7ミクロンの出力導波路
1402 入力側の50%方向性結合器(光カプラ)
1403 コア幅7ミクロンのアーム導波路
1404 コア幅6ミクロンのアーム導波路
1405 コア幅8ミクロンのアーム導波路
1406 出力側の50%方向性結合器
1407 コア幅7ミクロンの出力導波路
1701 コア幅7ミクロンの入力導波路
1702 入力側の50%方向性結合器
1703 コア幅5ミクロンのアーム導波路
1704 コア幅10ミクロンのアーム導波路
1705 出力側の50%方向性結合器
1706 コア幅7ミクロンの出力導波路
Claims (1)
- 基板上の光導波路で構成される光干渉計において、
前記光干渉計が2つの光カプラとそれらを結ぶ互いに長さの異なる2本の導波路からなるマッハツェンダ光干渉計であり、
前記2本の光導波路のコア幅が、少なくとも一部において互いに異なり、
前記2本の光導波路の複屈折を長手方向に積分した値が、互いに使用する光波長の1/2異なることを特徴とする導波路型光干渉計。
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