JP2011128206A - アレイ導波路回折格子 - Google Patents
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Abstract
【課題】隣り合う導波路間のクロストークを抑制し、小型化と良好な合分波特性とを両立したアレイ導波路回折格子を提供する。
【解決手段】アレイ導波路24において隣り合う導波路24a〜24dは互いに幅が異なるように形成されているので、隣り合う導波路の伝搬定数も互いに異なる。これにより、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路間のクロストークを抑制でき、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
【選択図】図2
【解決手段】アレイ導波路24において隣り合う導波路24a〜24dは互いに幅が異なるように形成されているので、隣り合う導波路の伝搬定数も互いに異なる。これにより、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路間のクロストークを抑制でき、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、アレイ導波路回折格子に関し、特に、波長分割多重光通信システムに用いられるアレイ導波路回折格子に関する。
光ファイバ通信システムにおいては、複数の波長で光信号を伝搬させる波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)により大容量通信の実現が可能となる。WDMを用いるシステムでは、光送受信器と伝送路とを接続する部分で複数波長の光信号を合分波する必要があり、複数波長の光信号を合分波するためにアレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)が広く用いられている。
AWGは、図5に示すように、基板1上に、入力導波路2と、入力導波路2の出力側に入力側が接続された第1のスラブ導波路3と、出力導波路6と、出力導波路6の入力側に出力側が接続された第2のスラブ導波路5と、第1のスラブ導波路3の出力側および第2のスラブ導波路5の入力側を互いに接続する複数の導波路からなるアレイ導波路4とが形成されたものである。
AWGの動作を、分波動作を例として説明する。
波長がλ1,λ2,…,λnのn本の光からなる合成信号が入力導波路2に入力されると、この合成信号は第1のスラブ導波路3にて回折して放射状に広がり、アレイ導波路4を構成する各導波路に合成信号として入射する。アレイ導波路4を構成する複数の導波路は、それぞれ異なる光路長をもつ。このため、n本の光は、アレイ導波路4を通過すると導波路ごとに波長に応じた位相差を生じたうえで第2のスラブ導波路5に到達する。アレイ導波路4を構成する各導波路から第2のスラブ導波路5に入力された光は、この第2のスラブ導波路5内を回折して伝搬し、合成信号からなる光が干渉し合うことによって、その波長に応じた傾きの等位相面を有することになる。この結果、波長によって第2のスラブ導波路5と出力導波路6との界面上において光が強められる位置が異なり、それらのそれぞれ接続された出力導波路6により各波長の光を出力することにより、合成信号を一括して分波できる。
波長がλ1,λ2,…,λnのn本の光からなる合成信号が入力導波路2に入力されると、この合成信号は第1のスラブ導波路3にて回折して放射状に広がり、アレイ導波路4を構成する各導波路に合成信号として入射する。アレイ導波路4を構成する複数の導波路は、それぞれ異なる光路長をもつ。このため、n本の光は、アレイ導波路4を通過すると導波路ごとに波長に応じた位相差を生じたうえで第2のスラブ導波路5に到達する。アレイ導波路4を構成する各導波路から第2のスラブ導波路5に入力された光は、この第2のスラブ導波路5内を回折して伝搬し、合成信号からなる光が干渉し合うことによって、その波長に応じた傾きの等位相面を有することになる。この結果、波長によって第2のスラブ導波路5と出力導波路6との界面上において光が強められる位置が異なり、それらのそれぞれ接続された出力導波路6により各波長の光を出力することにより、合成信号を一括して分波できる。
アレイ導波路4は、図5に示すように、円弧状の形状をしており、通常100本程度の導波路をほぼ等間隔で並んだ構成をしている。各々の導波路の伝搬定数βが位置や時間によって変動しない場合、内側からk番目の導波路と内側からk+1番目の導波路の間で、式(1)が成り立つように各々の導波路の全長が決定される。
ここで、xkは内側からk番目の導波路における伝搬方向に沿った位置を示し、積分は導波路の伝搬方向に沿って第1のスラブ導波路3に接続されている始点から第2のスラブ導波路5に接続されている終点まで行なう。また、mは回折次数であり、1や2などの整数をとる。
ここで、xkは内側からk番目の導波路における伝搬方向に沿った位置を示し、積分は導波路の伝搬方向に沿って第1のスラブ導波路3に接続されている始点から第2のスラブ導波路5に接続されている終点まで行なう。また、mは回折次数であり、1や2などの整数をとる。
従来、WDM光通信システムに用いるAWGとして、石英ガラス導波路が広く使用されており、特性を向上させるために様々な取り組みがなされている。
たとえば、特願2001−558769号公報(特許文献1)には、アレイ導波路の幅を内側に配置される導波路で太く、また、外側に配置される細くすることにより、偏光に依存しないAWGが記載されている。
たとえば、特願2001−558769号公報(特許文献1)には、アレイ導波路の幅を内側に配置される導波路で太く、また、外側に配置される細くすることにより、偏光に依存しないAWGが記載されている。
近年、石英ガラス導波路で構成されるAWGのほか、シリコン導波路で構成されるAWGへの取り組みも活発化している。
シリコンをコアとして用いた場合、波長1.55μmの光に対して、コアとなるシリコンの屈折率は3.46、クラッドとなる石英ガラスの屈折率は1.46であることから、コアとクラッドとの間に大きな屈折率差が生じ、コア内部に光を閉じこめる作用が強くなるため、導波路を急峻な曲げ構造とすることが可能となる。
シリコンをコアとして用いた場合、波長1.55μmの光に対して、コアとなるシリコンの屈折率は3.46、クラッドとなる石英ガラスの屈折率は1.46であることから、コアとクラッドとの間に大きな屈折率差が生じ、コア内部に光を閉じこめる作用が強くなるため、導波路を急峻な曲げ構造とすることが可能となる。
シリコンをコアとした導波路の構造の一例を図6に示す。シリコン基板101上に石英ガラス層102が形成されており、これが下部クラッドを成し、その上にコアとしてのシリコン細線103が形成されている。上部クラッド104としては、石英ガラスや空気を用いる。この場合、導波路の曲げ半径を5μm程度まで小さくできる。
シリコンをコアとした導波路の構造の他の例を図7に示す。シリコン基板201上に石英ガラス層202が形成されており、これが下部クラッドを成す。その上のシリコン層23においてリブ構造203aを形成し、リブ構造203aがコアを成す。上部クラッド204としては、石英ガラスや空気を用いる。この場合、導波路の曲げ半径はリブ構造203aの断面形状に大きく依存するものの、数10μm以下まで小さくできる。
シリコンをコアとした導波路を用いて、導波路を上述したように急峻な曲げ構造とすることにより、AWGを微小領域に形成することが可能となる。
たとえば、非特許文献1には、厚さ0.35μm、幅0.32μmのシリコン細線をコアとし、下部クラッドを石英ガラス、上部クラッドを空気としたシリコン細線導波路を用いることにより、100μm×100μmの微小領域に形成されたAWGが記載されている。
また、非特許文献2には、厚さ0.22μm、幅0.50μmのシリコン細線をコアとし、下部クラッドおよび上部クラッドを石英ガラスとしたシリコン細線導波路を用いることにより、425μm×155μmの微小領域に形成されたAWGが記載されている。
たとえば、非特許文献1には、厚さ0.35μm、幅0.32μmのシリコン細線をコアとし、下部クラッドを石英ガラス、上部クラッドを空気としたシリコン細線導波路を用いることにより、100μm×100μmの微小領域に形成されたAWGが記載されている。
また、非特許文献2には、厚さ0.22μm、幅0.50μmのシリコン細線をコアとし、下部クラッドおよび上部クラッドを石英ガラスとしたシリコン細線導波路を用いることにより、425μm×155μmの微小領域に形成されたAWGが記載されている。
Fukazawa他著「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス」(Japanese Journal of Applied Physics)、第43巻、第L673頁〜第L675頁、2003年
Dumon他著「オプティクス・エクスプレス」(Optics Express)、第14巻、第664頁〜第*頁、2006年
しかしながら、非特許文献1や非特許文献2に記載されたような微小領域に形成された(すなわち、小型化された)AWGでは、アレイ導波路の部分においては導波路が必然的に狭い間隔で配置されてしまうため、隣り合う導波路間でクロストークが生じてAWGの合分波特性を損なう恐れがある。
本発明の目的は、アレイ導波路において隣り合う導波路間のクロストークを抑制し、小型化と良好な合分波特性とを両立したアレイ導波路回折格子を提供することにある。
本発明にかかるアレイ導波路回折格子は、入力導波路と、この入力導波路の出力側に入力側が接続された第1のスラブ導波路と、出力導波路と、この出力導波路の入力側に出力側が接続された第2のスラブ導波路と、前記第1のスラブ導波路の出力側および第2のスラブ導波路の入力側を互いに接続する複数の導波路からなるアレイ導波路とを備え、前記複数の導波路は、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なることを特徴とする。
本発明によるアレイ導波路回折格子によれば、アレイ導波路において隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なるので、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とを両立したアレイ導波路回折格子を提供できる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態1について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態1にかかるAWGは、図1に示すように、基板1上に形成された、入力導波路2と、第1のスラブ導波路3と、アレイ導波路14と、第2のスラブ導波路5と、出力導波路6とから構成されている。アレイ導波路14以外の各構成要素は背景技術として説明した従来のAWGと共通するため、これらについては背景技術と同一の符号を用い、その詳しい説明は省略する。
アレイ導波路14は、図1に示すように、円弧状の導波路を複数並べて構成されている。なお、便宜上、図1の拡大図では導波路14a,14b,14c,14dの4本の導波路を図示しているが、導波路の本数は合分波する光信号の数に応じて任意に選ばれ、5本以上あってもよいことは言うまでもない。
本発明の実施の形態1にかかるAWGでは、アレイ導波路14を構成する導波路のうち、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なるように設定されている。たとえば、図1の拡大図のように導波路14a,14b,14c,14d,…、の順番に隣り合って並んでいるときには、各導波路の伝搬定数はそれぞれβ1,β2(β2≠β1),β1,β2(β2≠β1),…、のように設定される。このように、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なっているため、隣り合う導波路のクロストークを抑えることができる。
本発明の実施の形態1にかかるAWGでは、アレイ導波路14を構成する導波路のうち、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なるように設定されている。たとえば、図1の拡大図のように導波路14a,14b,14c,14d,…、の順番に隣り合って並んでいるときには、各導波路の伝搬定数はそれぞれβ1,β2(β2≠β1),β1,β2(β2≠β1),…、のように設定される。このように、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なっているため、隣り合う導波路のクロストークを抑えることができる。
以上説明した、本発明の実施の形態1にかかるAWGによれば、アレイ導波路14において隣り合う導波路の伝搬定数が異なるように設定されているので、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても隣り合う導波路間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2のAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の実施の形態2のAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態2にかかるAWGは、図2に示すように、基板1上に形成された、入力導波路2と、第1のスラブ導波路3と、アレイ導波路24と、第2のスラブ導波路5と、出力導波路6とから構成されている。アレイ導波路24以外の各構成要素は背景技術として説明した従来のAWGと共通するため、これらについては背景技術と同一の符号を用い、その詳しい説明は省略する。
アレイ導波路24は、図2に示すように、円弧状の導波路を複数並べて構成されている。なお、便宜上、図2の拡大図では導波路24a,24b,24c,24dの4本の導波路を図示しているが、導波路の本数は合分波する光信号の数に応じて任意に選ばれ、5本以上あってもよいことは言うまでもない。また、アレイ導波路24に含まれる導波路の厚さは各々1.5μmであり、隣り合う導波路の間隔は約1.0μmである。
アレイ導波路24に含まれる導波路は、図2の拡大図に示すように、隣り合う導波路は互いに幅が異なるように形成される。すなわち、幅d1の導波路24aの隣に幅d2の導波路24bが形成されており、さらに幅d2の導波路24bの隣に幅d1の導波路24cが形成されている。導波路の伝搬定数は導波路の幅に応じて変化するため、隣り合う導波路の幅が互いに異なることは、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なることを意味している。なお、実施の形態2では、d1=1.1(μm)、d2=1.3(μm)とし、各導波路の一本ごとの幅は、第1スラブ導波路3および第2スラブ導波路5との接続点の近傍を除いて一定(すなわち、d1またはd2)であるものとする。
さて、隣り合う任意の2本の導波路の間で生じるクロストークの影響について、導波路24a,24bを例として説明する。
導波路24a,24bがある間隔で配置されている場合において、導波路24aに入力された光の強度P0に対し、長さLだけ伝搬した後に導波路24aから出力される光の強度P1と、導波路24aから漏れだして導波路24bから出力される光の強度P2とは、それぞれ、下記の式(2)および(3)のように表される。
ここで、Kは導波路24a,24b間における結合係数、β1,β2はそれぞれ導波路24a,24bの伝搬係数であり、aは式(4)に示すように、伝搬定数β1,β2,結合係数Kにより定められる定数である。
導波路24a,24bがある間隔で配置されている場合において、導波路24aに入力された光の強度P0に対し、長さLだけ伝搬した後に導波路24aから出力される光の強度P1と、導波路24aから漏れだして導波路24bから出力される光の強度P2とは、それぞれ、下記の式(2)および(3)のように表される。
ここで、Kは導波路24a,24b間における結合係数、β1,β2はそれぞれ導波路24a,24bの伝搬係数であり、aは式(4)に示すように、伝搬定数β1,β2,結合係数Kにより定められる定数である。
一般的に、導波路24a,24bの間隔が小さくなるにしたがって結合係数Kは大きくなるので、式(3)から、導波路24a,24bの間隔が小さくなるにつれて光の強度P2が大きくなり、クロストークが生じやすくなることがわかる。特に、伝搬定数β1およびβ2が等しい場合には、光の強度P2の最大値はP0に達し、導波路24a,24b間のクロストークが一層生じやすくなる。
逆に、伝搬定数β1およびβ2が互いに異なる場合、光の強度P2の最大値は下記の式(5)のように比較的小さく抑えられる。特に、伝搬定数β1およびβ2の差が大きく、下記の式(6)が成立しているときには、光の強度P2は下記の式(7)のように小さい値となり、導波路24a,24b間のクロストークをより抑制できる。
実施の形態2にかかるAWGでは、上述したように、隣り合う導波路の幅に0.20(μm)の差があるため、隣り合う導波路の伝搬定数の間に0.050(1/μm)の差が生じる。一方、隣り合う導波路間の結合係数Kは、0.0010(1/μm)と、別の計算により求まる。したがって、上述した式(6)の条件を満たし、光の強度P2は式(7)のように小さい値となるので、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できる。
以上、実施の形態2にかかるAWGによれば、アレイ導波路24において隣り合う導波路は互いに幅が異なるように形成されているので、隣り合う導波路の伝搬定数も互いに異なる。これにより、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
[実施の形態3]
続いて、本発明の実施の形態3にかかるAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
続いて、本発明の実施の形態3にかかるAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態3にかかるAWGは、図3に示すように、基板1上に形成された、入力導波路2と、第1のスラブ導波路3と、アレイ導波路34と、第2のスラブ導波路5と、出力導波路6とから構成されている。アレイ導波路34以外の各構成要素は背景技術と変わるところがないため、背景技術と同一の符号を用い、その詳しい説明は省略する。
アレイ導波路34は、図3に示すように、円弧状の導波路を複数並べて構成されている。なお、便宜上、図3の拡大図では導波路34a,34b,34c,34dの4本の導波路を図示しているが、導波路の本数は合分波する光信号の数に応じて任意に選ばれ、5本以上あってもよいことは言うまでもない。また、アレイ導波路34に含まれる導波路の厚さは各々1.5μmであり、隣り合う導波路の間隔は約1.0μmである。
本発明の実施の形態3にかかるAWGのアレイ導波路34は、アレイ導波路34に含まれる各導波路の幅が、図3の拡大図に示すように、第1スラブ導波路3および第2スラブ導波路5との接続点の近傍以外でも、その長手方向に沿った位置に応じてd1〜d2の範囲内で変化するとともに、隣り合う導波路の近接する領域において、その幅が互いに異なっている。具体的には、導波路34aの幅d1の領域に近接する隣の導波路34bの幅はd2(d2≠d1)であり、さらに導波路34bの幅d2の領域に近接する隣の導波路34cの幅はd1となるように構成されている。なお、各導波路において、幅d1の領域と幅d2の領域との間は、テーパ導波路により接続されてゆるやかに変化するよう構成されている。
ここで、実施の形態3では、d1=1.1(μm)、d2=1.3(μm)であり、導波路の幅がd1またはd2で一定とする領域の長さは20μmとし、これを接続するテーパ導波路の長さも20μmとする。
ここで、実施の形態3では、d1=1.1(μm)、d2=1.3(μm)であり、導波路の幅がd1またはd2で一定とする領域の長さは20μmとし、これを接続するテーパ導波路の長さも20μmとする。
上述の本発明の実施の形態2で説明したように、導波路の伝搬定数は導波路の幅に応じて変化するため、各導波路の幅がその長手方向に沿った位置に応じて変化することによって、各導波路の伝搬定数が位置によって変化し、かつ、隣り合う導波路の近接する領域の幅が互いに異なるように構成することにより、隣り合う導波路の近接する領域の伝搬定数が互いに異なる状態を実現している。
上述のように、実施の形態3にかかるAWGでは、隣り合う導波路の近接する領域の幅に0.20(μm)の差があるため、隣り合う導波路の近接する領域の伝搬定数の間に、0.050(1/μm)の差が生じる。一方、隣り合う導波路の近接する領域間の結合係数Kは0.0010(1/μm)と、別の計算により求まる。したがって、本発明の実施の形態2で用いた式(6)の条件を満たし、光の強度P2は式(7)のように小さい値となるので、隣り合う導波路の近接する領域間のクロストークを抑制できる。
以上、本発明の実施の形態3にかかるAWGによれば、アレイ導波路34において隣り合う導波路の近接する領域は互いに幅が異なるように形成されているので、隣り合う導波路の近接する領域の伝搬定数も互いに異なる。これにより、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路の近接する領域間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4にかかるAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の実施の形態4にかかるAWGについて図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態4にかかるAWGは、図4に示すように、基板1上に形成された、入力導波路2と、第1のスラブ導波路3と、アレイ導波路44と、第2のスラブ導波路5と、出力導波路6とから構成されている。アレイ導波路44以外の各構成要素は背景技術として説明した従来のAWGと共通するため、これらについては背景技術と同一の符号を用い、その詳しい説明は省略する。
図4に示すように、アレイ導波路44に含まれる各導波路はそれぞれ直線部分を有し、アレイ導波路44は各導波路の直線部分が互いに平行に配列された部分を有している。
このため、アレイ導波路44を円弧状に形成した場合に比べて小さな領域に形成することができるので、AWGの小型化に役立てることができる。
この際、実施の形態1〜3で説明した手法を用いることによって、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できるので、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
このため、アレイ導波路44を円弧状に形成した場合に比べて小さな領域に形成することができるので、AWGの小型化に役立てることができる。
この際、実施の形態1〜3で説明した手法を用いることによって、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できるので、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
[実施の形態5]
続いて、本発明の実施の形態5にかかるAWGについて説明する。
本発明の実施の形態5にかかるAWGでは、たとえば、アレイ導波路に含まれる各導波路の幅・厚さを調節することにより、各導波路において、TE光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値と、TM光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値とが等しくなるよう構成されている。
アレイ導波路に含まれる各導波路をこのような構成とすることにより、AWGの合分波特性は偏光に依存しなくなり、AWGの合分波特性を向上させることができる。
続いて、本発明の実施の形態5にかかるAWGについて説明する。
本発明の実施の形態5にかかるAWGでは、たとえば、アレイ導波路に含まれる各導波路の幅・厚さを調節することにより、各導波路において、TE光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値と、TM光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値とが等しくなるよう構成されている。
アレイ導波路に含まれる各導波路をこのような構成とすることにより、AWGの合分波特性は偏光に依存しなくなり、AWGの合分波特性を向上させることができる。
[実施の形態6]
次に、本発明の実施の形態6にかかるAWGについて説明する。
本発明の実施の形態6にかかるAWGでは、アレイ導波路において隣り合う導波路で厚さが互いに異なるよう形成されている。導波路の伝搬定数は、導波路の幅のほか、導波路の厚さによっても変化するので、隣り合う導波路の厚さが互いに異なることによって、隣り合う導波路の伝搬定数も互いに異なることになる。このため、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路の近接する領域間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
次に、本発明の実施の形態6にかかるAWGについて説明する。
本発明の実施の形態6にかかるAWGでは、アレイ導波路において隣り合う導波路で厚さが互いに異なるよう形成されている。導波路の伝搬定数は、導波路の幅のほか、導波路の厚さによっても変化するので、隣り合う導波路の厚さが互いに異なることによって、隣り合う導波路の伝搬定数も互いに異なることになる。このため、アレイ導波路の小型化にともなって隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路の近接する領域間のクロストークを抑制できる。したがって、小型化と良好な合分波特性とが両立したAWGを提供できる。
なお、上述した実施の形態では、伝搬定数β1,β2と結合定数Kとの間で式(6)の条件が成立するときに光の強度P2が十分に小さくなると判断したが、たとえば、伝搬定数β1およびβ2の差が結合定数Kの2倍より大きいときに光の強度P2が十分に小さくなると判断してもかまわない。あるいは、隣り合う導波路のコアの幅が10%以上異なるときに光の強度P2が十分に小さくなると判断してもかまわない。
さらに、上述した実施の形態では、AWGを例として説明したが、隣り合う導波路の間隔が狭まっても、隣り合う導波路間のクロストークを抑制できるという観点からは、導波路が狭い間隔で並んで構成された他の形態の光学デバイスにも応用できる。
本発明は、AWGの製造産業などに利用可能である。
1…基板、2…入力導波路、3…第1のスラブ導波路、4…アレイ導波路、4a〜4d…導波路、5…第2のスラブ導波路、6…出力導波路、14…アレイ導波路、14a〜14d…導波路、24…アレイ導波路、24a〜24d…導波路、34…アレイ導波路、34a〜34d…導波路、44…アレイ導波路、44a〜44d…導波路、101…シリコン基板、102…石英ガラス層(下部クラッド)、103…シリコン細線(コア)、103a…リブ構造(コア)、104…石英ガラス層(上部クラッド)、201…シリコン基板、202…石英ガラス層(下部クラッド)、203…シリコン層、203a…リブ構造(コア)、204…石英ガラス層(上部クラッド)。
Claims (8)
- 入力導波路と、
この入力導波路の出力側に入力側が接続された第1のスラブ導波路と、
出力導波路と、
この出力導波路の入力側に出力側が接続された第2のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路の出力側および第2のスラブ導波路の入力側を互いに接続する複数の導波路からなるアレイ導波路と
を備え、
前記複数の導波路は、隣り合う導波路の伝搬定数が互いに異なる
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 入力導波路と、
この入力導波路の出力側に入力側が接続された第1のスラブ導波路と、
出力導波路と、
この出力導波路の入力側に出力側が接続された第2のスラブ導波路と、
前記第1のスラブ導波路の出力側および第2のスラブ導波路の入力側を互いに接続する複数の導波路からなるアレイ導波路と
を備え、
前記複数の導波路の隣り合う導波路の近接する領域の伝搬定数が互いに異なる
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項1または2に記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路は、それぞれ直線部分を有し、
前記アレイ導波路は、前記複数の導波路の前記直線部分が互いに平行に配列された部分を有する
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路の各々は、TE光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値とTM光に対する伝搬定数を全長にわたって積分した値とが等しい
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路は、隣り合う導波路間の伝搬定数の差が隣り合う導波路間の結合係数の2倍より大きい
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路は、隣り合う導波路でコアの幅が互いに異なる
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項6に記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路は、隣り合う導波路でコアの幅が互いに10%以上異なる
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のアレイ導波路回折格子において、
前記複数の導波路は、隣り合う導波路でコアの厚さが互いに異なる
ことを特徴とするアレイ導波路回折格子。
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