WO2017069240A1 - 光分波器、光合波器および光通信システム - Google Patents

光分波器、光合波器および光通信システム Download PDF

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    • H04J14/04Mode multiplex systems

Abstract

本発明に係る光分波器(10A)は、複数の導波モードの光(M,M,M,M)を含む多モード光(ML)を入力可能に構成された入力部(12)と、入力部(12)から出射した複数の導波モードの光(M,M,M,M)が干渉する干渉領域(30)と干渉領域(30)で干渉した複数の導波モードの光(M,M)が導波モードごとに互いに異なる位置で強め合う分波面(32)とを有するモード干渉部(14)と、分波面(32)で互いに異なる位置で強まった複数の導波モードの光(M,M,M,M)を導波モードごとに出力可能に構成された出力部(16)と、を備えている。

Description

光分波器、光合波器および光通信システム
 本発明は、計測装置に関する。本願は、2015年10月22日に、米国に出願された仮出願62/244,759号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 従来、光信号の速度を高める時分割多重方式(Optical Time-Division Multiplexing:OTDM)や、複数の波長の光信号を1本の光ファイバで同時に送受信する波長分割多重方式(Wavelength-Division Multiplexing:WDM)、によって、光通信システムの通信速度の向上が図られていた。ところが、インターネットの普及などによって、光通信システムに求められる情報通信量はますます増大し、OTDMやWDMを用いて達成し得る情報通信量の限界に達するおそれがあった。したがって、急増する情報通信量を達成可能な新たな伝送方式および技術が求められていた。
 空間分割多重方式(Space-Division Multiplexing:SDM)は、OTDMやWDMによる情報通信量の限界を超え、求められる情報通信量に応じることが可能な次世代の光通信システムの伝送方式として期待されている。SDMは、複数の光ファイバや導波路、その他の導波構造を用いて複数の光信号を並列に伝送する方式である。SDMを用いることによって、並列の電気信号のそれぞれを光信号に変換し、それらの光信号を並列に伝送することができる。
 従来の光ファイバを用いた光通信システムでは、ステップインデックス(Step-Index)型のシングルモードファイバ(Single Mode Fiber:SMF)やシングルモードの導波路が用いられている。通常、シングルモードのコア部では、基本モードの光信号のみが伝送されていた。SMFを含むシングルモード導波路をマルチモード導波路(Multi Mode Fiber:MMF)などのマルチモードの導波路に替え、マルチモードの導波路のコア部で複数の高次モードの光信号を伝送させることで、高次モードの光を活用することができる。なお、本明細書において「モード」は、特筆しない限り、導波路における導波モードのことを示す。高次モードの光信号を用いるモード多重伝送技術および光分波器(Demultiplexer:DEMUX)、光合波器(Multiplexer:MUX)は、SDMを実現するための重要な技術として研究開発が進められている。
 例えば、特許文献1には、モード選択性を有し、SDMに適用可能なフォトニックランタンについて開示されている。このフォトニックランタンは、複数の芯部とこの芯部の周囲に設けられた外周部とを有するコア部と、このコア部の周囲に設けられたクラッド部と、を備えている。また、このフォトニックランタンは、フォトニックランタンの軸線方向に沿って縮径するように側面視テーパー状に形成されている。このフォトニックランタンの径寸法が大きい方の端面には芯部および外周部とコア部およびクラッド部が全て露出しているが、径寸法が小さい方の端面には外周部とクラッド部のみが露出している。
 また、特許文献2には、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)に複数のMMが形成されたMUX/DEMUXが開示されている。このMUX/DEMUXでは、入力ポート(すなわち、複数のコア部のそれぞれに異なるモードの光信号が入力されるポート)が光信号の伝搬方向に沿って、光信号が出力ポートのコア部にカップリングするように所定の位置で出力ポートに近づけられている。このような構成により、出力ポートのコア部から、複数のモードの光信号が取り出される。
 また、特許文献3には、入射側の端部と出射側の端部とを結ぶ直線状のコア部に対し、平面視でテーパー状に形成され、かつ湾曲している複数のコア部が互いに異なる位置に近づけられていることで、複数のモードの光信号を合波または分波するMUX/DEMUXが開示されている。
S. G. Leon-Saval, N. K. Fontaine, J. R. Salazar-Gil, B. Erean, R. Ryf and J. B-Hawthorn, "Mode-selective photonic lanterns for space-division multiplexing," OPTICS EXPRESS, Vol.22, No.1 (2014). N. Hanzawa, K, Saitoh, T. Sakamoto, T. Matsui, K. Tsujikawa, T. Uematsu and F. Yamamoto, "PLC-Based Four-Mode Multi/Demultiplexer with LP11 Mode Rotator on One Chip," JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol.33, No.6 (2015). T. Watanabe and Y. Kokubun, "Stacked Waveguide Type Mode-Evolutional Multi/demultiplexer for LP01 LP11aand LP11b," Proceedings of ECOC 2014, Cannes-France We.1.1.7 (2014).
 しかしながら、特許文献1に開示されているフォトニックランタンおよびこのフォトニックランタンを用いたMUX/DEMUXでは、光信号同士のクロストークが低くなるが、集積化が難しいという問題に加えて、フォトニックランタンを形成するための設計や製造工程が複雑になり、量産化が難しいという問題があった。
 また、特許文献2に開示されているMUX/DEMUXでは、PLCの基板上に各モードの光信号が入力または出力されるコア部が複数設けられているため、光信号のモード数が増大する程、PLCの面積が大きくなり、集積化が難しいという問題があった。特許文献2に開示されているMUX/DEMUXでは、光信号同士のクロストークを抑えることが難しいという問題があった。
 さらに、特許文献3に開示されているMUX/DEMUXでは、集積化およびクロストークの低減が容易であるが、テーパー状に形成され、かつ湾曲している複数のコア部を形成するための設計や製造工程が複雑になり、量産化が難しいという問題があった。
 本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、モード多重伝送に適用可能であって、集積化および量産化に優れ、光信号同士のクロストークを低くすることができる光分波器、光合波器および光通信システムを提供することを目的とする。
 上述の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
 本発明の第一の態様の光分波器は、複数の導波モードの光を含む多モード光を入力可能に構成された入力部と、前記入力部から出射した前記複数の導波モードの光が干渉する干渉領域と前記干渉領域で干渉した前記複数の導波モードの光が導波モードごとに互いに異なる位置で強まる分波面とを有するモード干渉部と、前記分波面で互いに異なる位置で強まった前記複数の導波モードの光を導波モードごとに出力可能に構成された出力部と、を備えていることを特徴とする。
 本発明の第二の態様の光分波器によれば、上述の第一の態様の光分波器において、前記入力部は第一マルチモード導波路で構成され、前記モード干渉部は所定の長さおよび所定の幅を有するマルチモード導波路で構成され、前記出力部は複数の第二マルチモード導波路で構成され、前記第一マルチモード導波路の出力側の端部は前記マルチモード導波路の入射側の端部に接続され、前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれの入射側の端部は前記マルチモード導波路の前記分波面に接続されていてもよい。
 本発明の第三の態様の光分波器によれば、上述の第二の態様の光分波器において、前記第一マルチモード導波路の出射側の端部を通る軸線および前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれの入射側の端部を通る軸線が前記マルチモード導波路の長さ方向の軸線に対して互いに同一の角度をなすように交差していてもよい。
 本発明の第四の態様の光分波器によれば、上述の第二の態様または第三の態様において、前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれに出力される光の導波モードは、前記第一マルチモード導波路との離間距離が小さくなる程、高くなってもよい。
 本発明の第五の態様の光分波器によれば、上述の第二の態様から第四の態様において、前記第一マルチモード導波路には、前記多モード光に含まれる前記複数の導波モードの種類と同数のスリットが前記第一マルチモード導波路の軸線に沿って形成されていてもよい。
 本発明の第六の態様の光分波器によれば、上述の第二の態様から第五の態様において、前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれには、出力される光の導波モードの次数と同数のスリットがそれぞれの前記第二マルチモード導波路の軸線に沿って形成されていてもよい。
 本発明の第七の態様の光分波器によれば、上述の第一の態様から第六の態様において、前記モード干渉部は複数の前記分波面を有し、前記複数の導波モードの光のうち0次の導波モードの光または偶数の導波モードの光が出力される前記出力部は前記複数の分波面のうち第一の分波面に接続され、前記複数の導波モードの光のうち奇数の導波モードの光が出力される前記出力部は前記複数の分波面のうち前記第一の分波面とは異なる第二の分波面に接続されていてもよい。
 本発明の第一の態様の光合波器は、複数の導波モードの光を導波モードごとに入力可能に構成された入力部と、前記入力部から出射した前記複数の導波モードの光が干渉する干渉領域と前記干渉領域で干渉した前記複数の導波モードの光が同一の位置で強まる合波面とを有するモード干渉部と、前記合波面の同一の位置で強まった前記複数の導波モードの光を含む多モード光を出力可能に構成された出力部と、を備えていることを特徴とする。
 本発明の第一の態様の光通信システムは、上述の光分波器および光合波器を備えていることを特徴とする。
 本発明の光分波器によれば、入力部に入力された多モード光の複数の導波モードの光が干渉領域で互いに干渉し、分波面において導波モードごとに互いに異なる位置で強まる。導波モードごとに互いに異なる位置で強くなった光は、出力部から導波モードごとに出力される。本発明の光分波器では、干渉領域における複数の導波モードの光の多モード干渉に基づいて、多モード光から複数の導波モードの光が分波される。したがって、本発明の光分波器は、モード多重伝送に適用可能である。また、複数の導波モードの光が共通の干渉領域で干渉するので、分波対象の多モード光に含まれる導波モードの種類が増大しても、本発明の光分波器の大きさは急増しない。そのため、本発明の光分波器は、集積化に優れている。また、本発明の光分波器には直線形状あるいは矩形形状の導波路を用いることが可能であることから、設計および製造工程が煩雑にならず、量産化が容易になる。さらに、本発明の光分波器では、導波モードごとに前述の多モード干渉によって強まった光が出力部に出力されるので、光同士のクロストークが低くなる。
 以上より、本発明の光分波器によれば、モード多重伝送に適用し、集積化および量産化を図り、光信号同士のクロストークを低減することができる。
 本発明の光合波器は、上述の光分波器と同様に、モード多重伝送に適用可能である。本発明の光合波器においても複数の導波モードの光が共通の干渉領域で干渉するので、合波対象の光の導波モードの種類が増大しても、本発明の光合波器の大きさは急増しない。そのため、本発明の光合波器は、集積化に優れている。また、本発明の光合波器には直線形状あるいは矩形形状の導波路を用いることが可能であることから、設計および製造工程が煩雑にならず、量産化が容易になる。さらに、本発明の光合波器では、複数の導波モードの光が前述の多モード干渉によって合波面の同一の位置で強まり、出力部に出力されるので、光同士のクロストークが低くなる。
 すなわち、本発明の光合波器によれば、モード多重伝送に適用し、集積化および量産化を図り、光信号同士のクロストークを低減することができる。
 本発明の光通信システムによれば、上述の光分波器および光合波器を備えているので、モード多重伝送を行い、光分波器および光合波器の集積化および量産化を図り、光信号同士のクロストークを低減することができる。
0次モードの光の伝搬について説明するための模式図である。 1次モードの光の伝搬について説明するための模式図である。 異なる次数のモードの光が導波路を伝搬する様子を示す模式図であり、上段は0次モードの様子を示しており、下段は1次モードの様子を示している。 本発明の第一実施形態の光分波器の要部を示す概略図である。 図4に示す光分波器における出力部のクロストークのシミュレーション結果を示す。 図4に示す光分波器における出力部の過剰損失のシミュレーション結果を示す。 本発明の第二実施形態の光分波器の要部を示す概略図である。 本発明の第二実施形態の光分波器の要部を示す他の図であり、図7に示すX1-X1線で矢視した断面図である。 本発明の第三実施形態の光分波器の要部を示す概略図である。 本発明を適用した光合波器の要部を示す概略図である。 本発明を適用した光通信システムの分波・合波部分の一例を示す概略図である。 実施例において想定した光分波器の要部を示す概略図である。 実施例において光分波器で分波される0次モードの光の様子を示すシミュレーション結果である。 実施例において光分波器で分波される0次モードの光の様子を示すシミュレーション結果であり、図13Aに示すZ1部分の拡大図である。 実施例において光分波器で分波される1次モードの光の様子を示すシミュレーション結果である。 実施例において光分波器で分波される1次モードの光の様子を示すシミュレーション結果であり、図14Aに示すZ2部分の拡大図である。
 始めに、ファイバやPLCなどの導波路において異なる導波モードの光の伝搬について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
 図1および図2に示すように、導波路は、コア部R0と、コア部R0の屈折率nより低い屈折率nを有するクラッド部R1と、を備えている。クラッド部R1は、境界面Cを挟んでコア部R0の外側に配置されている。導波路では、コア部R0とクラッド部R1との境界面Cでの全反射によって光が伝搬する。
 例えば0次および1次の導波モード(以下、0次モードと1次モードという)の光がコア部R0に入力されると、0次モードの光が境界面Cに入射する際の入射角θと1次モードの光が境界面Cに入射する際の入射角θとは異なる。つまり、導波モードの種類によって、各次数のモードの光が境界面Cに入射する際の入射角は異なる。詳細に観測すると、境界面Cに入射した0次モードの光と1次モードの光は、境界面Cから所定の深さ-φ,-φまでクラッド部R1に浸み込み、全反射される。全反射した光の位相のずれは入射角θ,θに依存して変化する。光がコア部R0からクラッド部R1に向けて入射する際に通る境界面Cの位置と前述の光がクラッド部R1からコア部R0に向けて全反射された際に通る境界面Cの位置との距離は、グースヘンシェンシフトと呼ばれている。境界面Cに対する入射角θ,θは異なるので、0次モードの光のグースヘンシェンシフトと1次モードの光のグースヘンシェンシフトは異なっている。
 上述のように境界面Cに対する入射角θ,θが異なるので、また、0次モードの光の伝搬定数βと1次モードの光の伝搬定数βは異なっている。各次数のモードの伝搬定数θは、以下の(1)式で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 なお、(1)式において、mはモード次数であり、kは導波路に入射する光の波数である。
 図3には、D1方向に沿って所定の長さを有し、D1方向に直交するD2方向に沿ってD1方向の長さよりも短い長さを有するコア部R0とコア部R0の外周に配置されたクラッド部R1とを備えたマルチモード導波路MWGにおける光の伝搬の様子をシミュレーションしたに図示されている。マルチモード導波路MWGは、いわゆる多モード干渉(Multi Mode Interference:MMI)導波路と呼ばれるものである。D1方向に沿って長尺なマルチモード導波路MWGの軸線Jは、D1方向に対して平行している。コア部R0およびクラッド部R1においてD2方向に平行な端面の一方には、光の入力部IPが接続されている。コア部R0およびクラッド部R1においてD2方向に平行な端面の他方には、光の出力部OPが接続されている。
 図3には、シミュレーションにおけるマルチモード導波路MWGの構成に加えて、0次モードの光が入力部IPに入力された場合の光の強度分布(上段)および1次モードの光の強度分布(下段)が図示されている。
 図3の上段に示すように、入力部IPから0次モードの光が入力されると、0次モードの光はコア部R0に拡がり、境界面Cの近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。図3の下段に示すように、入力部IPから1次モードの光が入力されると、1次モードの光はコア部R0の内部に拡がり、境界面Cの近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。D1方向に沿って伝搬した0次モードの光と1次モードの光はそれぞれ、出力部OPの近傍で自己結像し、出力部OPから出力される。上述のように、0次モードの光のグースヘンシェンシフトと1次モードの光のグースヘンシェンシフトは異なるので、0次モードの光が自己結合する位置と1次モードの光が自己結像する位置は異なっている。すなわち、D1方向において、0次モードの光の自己結像点と1次モードの光の自己結像点との自己結像点差ΔLMMIが生じる。なお、2次モードより高次の各次数のモードの光に関しても、0次モードの光の自己結像点との自己結像点差ΔLMMIが生じる。自己結像点差ΔLMMIは、0次モードの光の自己結像点に対し、モードの次数の増加に等比例して増加する。
 以上の光学的原理をふまえ、本発明を適用した光分波器、光合波器および光通信システムの実施形態について説明する。
[光分波器]
(第一実施形態)
 図4に示すように、本発明の第一実施形態の光分波器10Aは、入力部12と、モード干渉部14と、出力部16と、を備えている。
 入力部12は、第一マルチモード導波路22で構成され、複数の導波モードの光を含む多モード光MLを入力可能に構成されている。第一実施形態では、モード干渉部14は、所定の長さおよび所定の幅を有するマルチモード導波路24で構成されている。マルチモード導波路24は、いわゆるMMI導波路である。出力部16は、複数の第二マルチモード導波路26で構成されている。
 なお、図4では、光分波器10Aの動作を分かりやすく示すために、第一マルチモード導波路22、マルチモード導波路24および第二マルチモード導波路26のコア部R0の形状輪郭のみが図示され、クラッド部R1の形状輪郭は省略されている。
 マルチモード導波路24のコア部R0は、D1方向に沿って所定の長さLaを有し、D1方向に直交するD2方向に沿って長さLaよりも短いLbを有している。マルチモード導波路24のコア部R0の外周端は、D1方向に沿って形成され、かつ臨界面Cとして機能する端面P1,P2と、D2方向に沿って形成された端面P3,P4から構成されている。
 第一マルチモード導波路22の出力側の端部OE22は、マルチモード導波路24の入射側の端部IE24に接続されている。マルチモード導波路24の入射側の端部IE24は、マルチモード導波路24の端面P3における端面P2側の端部である。第一マルチモード導波路22の出射側の端部OE22を通る軸線J22は、マルチモード導波路24のD1方向(長さ方向)の軸線J24に対して所定の角度θをなすように交差している。
 第二マルチモード導波路26は、第一マルチモード導波路22に入力される多モード光MLに含まれている複数の導波モードの光の種類と同数のマルチモード導波路で構成されている。第一実施形態では、多モード光MLには0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが含まれていると想定されているので、第二マルチモード導波路26は、四本のマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dで構成されている。以下の説明では、特にマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dを区別する必要がない場合、マルチモード導波路26A,26B,26C,26Dをまとめて第二マルチモード導波路26と記載する。なお、図4では、多モード光MLに含まれる0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが模式的な波面分布で図示されている。
 第二マルチモード導波路26の入射側の端部IE26は、マルチモード導波路24の出力側の端部OE24に接続されている。マルチモード導波路24の出力側の端部OE24は、マルチモード導波路24の端面P1における端面P4側の端部である。第二マルチモード導波路26の入射側の端部IE26を通る軸線J26は、マルチモード導波路24のD1方向(長さ方向)の軸線J24に対して所定の角度θをなすように交差している。すなわち、第一マルチモード導波路22の軸線J22および第二マルチモード導波路26の軸線J26は、マルチモード導波路24の軸線J24に対して互いに同一の角度θをなすように交差している。
 第一マルチモード導波路22の入射側の端部IE22から多モード光MLが入力されると、各次数のモードの光M,M,M,Mは第一マルチモード導波路22のコア部R0で軸線J22に沿って伝搬する。続いて、各次数のモードの光M,M,M,Mは、マルチモード導波路24の入射側の端部IE24からコア部R0に拡がり、端面P1,P2の近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。すなわち、マルチモード導波路24のコア部R0は、第一マルチモード導波路22から出射した各次数のモードの光M,M,M,Mが干渉する干渉領域30となっている。上述したように例えば0次モードの光Mのグースヘンシェンシフトと1次モードの光Mのグースヘンシェンシフトは異なるので、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2に沿って各次数のモードの光M,M,M,Mが自己結像する位置は異なっている。各次数のモードの光M,M,M,Mが自己結像する位置は、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2の両方に出現する(図3参照)。第一実施形態では、マルチモード導波路24のコア部R0端面P1が、干渉領域30で干渉した各次数のモードの光(複数の導波モードの光)M,M,M,Mがモードごとに互いに異なる位置で強まる分波面32となっている。このように、マルチモード導波路24で構成されているモード干渉部14は、干渉領域30と、分波面32と、を備えている。
 マルチモード導波路24のコア部R0端面P1,P2のうち、端面P1を分波面32とすることで、第一マルチモード導波路22の軸線J22と第二マルチモードの軸線J26とが平行になり、光分波器10Aの小型化が図られる。
 マルチモード導波路24の出射側の端部OE24は、分波面32において各次数のモードの光(複数の導波モードの光)M,M,M,Mが自己結像し、強まる位置PM,PM,PM,PMに設けられている。位置PM,PM,PM,PMのうちD1方向に沿って隣り合う位置の間隔は、自己結像点差ΔLMMIに等しい。第二マルチモード導波路26のうち、マルチモード導波路26Aの入射側の端部IE26は、位置PMに合わせて端部OE24に接続されている。マルチモード導波路26Bの入射側の端部IE26は、位置PMに合わせて端部OE24に接続されている。マルチモード導波路26Cの入射側の端部IE26は、位置PMに合わせて端部OE24に接続されている。マルチモード導波路26Dの入射側の端部IE26は、位置PMに合わせて端部OE24に接続されている。
 D1方向に沿ってマルチモード導波路24のコア部R0を伝搬した0次モードの光Mは、出射側の端部OE24で強められるとともにマルチモード導波路26Aのコア部R0に結像し、マルチモード導波路26Aの出射側の端部OE26から出力される。同様に、D1方向に沿ってマルチモード導波路24のコア部R0を伝搬した1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mはそれぞれ、出射側の端部OE24で強められるとともにマルチモード導波路26B,26C,26Dのそれぞれのコア部R0に結像し、マルチモード導波路26Bの出射側の端部OE26から出力される。
 上述のように、光分波器10Aでは、干渉領域30における多モード干渉によって複数の次数のモードの光を分波するので、基本的に複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれに出力される光のモードは、第一マルチモード導波路22との離間距離が小さくなる程、高くなる。
 また、上述のように、光分波器10Aでは、マルチモード導波路24の軸線J24に対する第一マルチモード導波路22の軸線J22および第二マルチモード導波路26の軸線J26の角度θと、多重モード干渉における自己結像点差ΔLMMIを適切に設定することで、各次数のモードの光がモードごとに出力される。各次数のモードの光が複数の第二マルチモード導波路22のそれぞれに、モードごとに分離可能となるためには、所定の角度θは、以下の(2)式で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 なお、(2)式において、Woutは第二マルチモード導波路22のコア部R0の幅である。実際には、分波対象の光に含まれるモードの次数と次数の種類が設定され、これらのモードの次数と次数の種類や光分波器10Aの製造条件などに応じて適切な幅Woutが設定される。したがって、設定された幅Woutと、モードの次数によって決まる自己結像点差ΔLMMIによって、(2)式から所定の角度θが算出される。
 複数の第二マルチモード導波路22のそれぞれにおいて、本来出力されるべきモードの光のパワーに対して、出力されるべきモードとは異なり、僅かに出力されてしまう別のモードの光のパワーの比は、いわゆるクロストーク(XT)と呼ばれる。図5に示すように、クロストークは、所定の角度θに依存する。なお、図5において、「0次」のグラフは、1次モードの光Mが出力されるべきマルチモード導波路26Bにおいて、1次モードの光Mのパワーに対する0次モードの光Mのパワーの比を表している。また、「1次」のグラフは、0次モードの光Mが出力されるべきマルチモード導波路26Aにおいて、0次モードの光Mのパワーに対する1次モードの光Mのパワーの比を表している。
 第一マルチモード導波路22に入力された多モード光MLのパワーに対する複数の第二マルチモード導波路24のそれぞれに出力される光M,M,M,Mのパワーの比は、過剰損失と呼ばれる。図6に示すように、過剰損失も所定の角度θに依存する。なお、図6において、「0次」のグラフは、多モード光MLのパワーに対してマルチモード導波路26Aに出力される0次モードの光Mのパワーの比を表している。また、「1次」のグラフは、多モード光MLのパワーに対してマルチモード導波路26Bに出力される1次モードの光Mのパワーの比を表している。
 複数の第二マルチモード導波路22のそれぞれにおけるクロストークおよび過剰損失は、光分波器10Aの性能を表す重要な特性である。したがって、(2)式の条件を満たしたうえで、クロストークおよび過剰損失のシミュレーションの結果をふまえて所定の角度θが算出されることが好ましい。例えば、光分波器10Aが光通信システムに適用される場合は、クロストークは-15dB以下であることが好ましく、過剰損失は3dB以下であることが好ましい。
 第一実施形態の光分波器10Aによれば、第一マルチモード導波路22に入力した多モード光MLに含まれる複数のモードの光を、軸線J24に対して所定の角度θをなす方向からマルチモード導波路(すなわち、MMI導波路)24に入射させ、異なる次数のモードの光が多重モード干渉によって自己結像する位置が互いに異なることに基づき、複数のモードの光を分波面32の互いに異なる位置に、第二マルチモード導波路26のコア部R0同士の所定の間隔以上の間隔をあけて自己結像させることができる。また、第一実施形態の光分波器10Aによれば、分波面32の互いに異なる位置に自己結合した各次数のモードの光をモードごとに異なる第二マルチモード導波路26に出力させることができるので、多モード光MLから所望かつ複数の0次モードや各高次のモードの光を容易に分波することができる。
 したがって、第一実施形態の光分波器10Aは、モード多重伝送に適用可能である。また、第一実施形態の光分波器10Aによれば、複数の導波モードの光が共通の干渉領域30で干渉するので、分波対象の多モード光に含まれる導波モードの種類が増大しても、第一実施形態の光分波器10Aの大きさを急増させずに済む。そのため、第一実施形態の光分波器10Aによれば、小型化および集積化を容易に図ることができる。また、第一実施形態の光分波器10Aには直線形状あるいは矩形形状のマルチモード導波路を用いることが可能であることから、設計および製造工程が煩雑にならず、量産化が容易になり、製造コストも抑えることができる。さらに、第一実施形態の光分波器10Aによれば、導波モードごとに前述の多モード干渉によって強まった光が第二マルチモード導波路26に出力されるので、異なる次数のモードの光同士のクロストークを低減することができる。
(第二実施形態)
 次いで、図7を参照し、本発明の第二実施形態の光分波器10Bについて説明する。なお、図7に示す第二実施形態の光分波器10Bの構成要素において、図4に示す第一実施形態の光分波器10Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
 第二実施形態においても、多モード光MLには0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが含まれていると想定されているので、第二マルチモード導波路26は、四本のマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dで構成されている。マルチモード導波路26A,26B,26C,26Dのそれぞれは、多モード光MLに含まれている0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mのそれぞれを出力させるための出力部16を構成している。なお、図7においても、多モード光MLに含まれる0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが模式的な波面分布で図示されている。
 第二実施形態では、第一マルチモード導波路22のコア部R0には、0次モード、1次モード、2次モード、3次モードのうち最高次数と同数の三本のスリット導波路S22が第一マルチモード導波路22の軸線J22に沿って形成されている。すなわち、第一マルチモード導波路22のコア部R0には、多モード光MLに含まれる光の複数の導波モードのうち最高次数と同数のスリットS22が第一マルチモード導波路22の軸線J22に沿って形成されている。
 また、1次モードの光Mを出力させるためのマルチモード導波路26Bには、マルチモード導波路26Bの軸線J26に沿って一本のスリットS26が形成されている。2次モードの光Mを出力させるためのマルチモード導波路26Cには、マルチモード導波路26Cの軸線J26に沿って二本のスリットS26が形成されている。3次モードの光Mを出力させるためのマルチモード導波路26Dには、マルチモード導波路26Dの軸線J26に沿って三本のスリットS26が形成されている。なお、0次モードの光Mを出力させるためのマルチモード導波路26Aには、スリットは形成されていない。すなわち、複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれには、出力される光の導波モードの次数と同数のスリットS26がそれぞれの第二マルチモード導波路26の軸線J26に沿って形成されている。
 図8に例示するように、マルチモード導波路26Dの三本のスリットS26は、マルチモード導波路26Dの幅に平行な方向に沿ってコア部R0を等間隔に区分するように形成されている。なお、第一マルチモード導波路22の四本のスリットS22、マルチモード導波路26Bの一本のスリットS26およびマルチモード導波路26Cの二本のスリットS26のそれぞれは、第一マルチモード導波路22、マルチモード導波路26B,26Cのそれぞれの幅に平行な方向に沿ってコア部R0を等間隔に区分するように形成されている。
 第一マルチモード導波路22の入射側の端部IE22から多モード光MLが入力されると、各次数のモードの光M,M,M,Mは第一マルチモード導波路22のコア部R0で軸線J22に沿って伝搬する。続いて、各次数のモードの光M,M,M,Mは、マルチモード導波路24の入射側の端部IE24からコア部R0に拡がり、端面P1,P2の近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。
 D1方向に沿ってマルチモード導波路24のコア部R0を伝搬した各次数のモードの光M,M,M,Mはそれぞれ、出射側の端部OE24で強められるとともにマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dのそれぞれのコア部R0に結像し、マルチモード導波路26A,26B,26C,26Dの出射側の端部OE26から出力される。
 第一実施形態の光分波器10Aと同様に、第二実施形態の光分波器10Bにおいても、分波対象の光に含まれるモードの次数と次数の種類が設定され、これらのモードの次数と次数の種類や光分波器10Bの製造条件などに応じて適切な第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅Woutが設定される。したがって、設定された幅Woutと、モードの次数によって決まる自己結像点差ΔLMMIによって、(2)式から所定の角度θが算出される。
 また、第一実施形態の光分波器10Aと同様に、第二実施形態の光分波器10Bにおいても、クロストークおよび過剰損失のシミュレーションの結果をふまえて所定の角度θが算出されることが好ましい。
 第二実施形態の光分波器10Bによれば、第一マルチモード導波路22に入力した多モード光MLに含まれる複数のモードの光を、軸線J24に対して略平行な方向からマルチモード導波路(すなわち、MMI導波路)24に入射させ、異なる次数のモードの光が多重モード干渉によって自己結像する位置が互いに異なることに基づき、複数のモードの光を分波面32の互いに異なる位置に、第二マルチモード導波路26のコア部R0同士の所定の間隔以上の間隔をあけて自己結像させることができる。また、第二実施形態の光分波器10Bによれば、分波面32の互いに異なる位置に自己結合した各次数のモードの光をモードごとに異なる第二マルチモード導波路26に出力させることができるので、多モード光MLから所望かつ複数の0次モードや各高次のモードを容易に分波することができる。
 したがって、第二実施形態の光分波器10Bによれば、第一実施形態の光分波器10Aと同様の作用効果が得られる。
 一般に、第一マルチモード導波路22や第二マルチモード導波路26に高次モードの光を伝搬させる場合は、伝搬させる光のモードの次数に応じて第一マルチモード導波路22や第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅が十分に確保されていないと、高次モードの光はカットされ、コア部R0を伝搬できなくなる。伝搬または分波される光のモードの次数が高い程、カットされずに伝搬可能な第一マルチモード導波路22や第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅、すなわちカットオフ幅は広くなる。例えば、上述の(2)式をふまえて第一実施形態の光分波器10Aを設計する際には、分波する次数に応じて、伝搬または分波される光のモードの次数を高くする程、第一マルチモード導波路22や第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅を広く設計することが好ましい。
 第二実施形態の光分波器10Bによれば、第一マルチモード導波路22のコア部R0には、多モード光MLに含まれる複数の導波モードの種類と同数のスリットS22が上述のように形成され、複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれには、出力される光の導波モードの次数と同数のスリットS26が上述のように形成されているので、スリットS26を形成しない場合に比べて第一マルチモード導波路22や高次モードの光を出力させるための第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅Woutを狭くしても高次モードの光を低損失で伝搬させ、出力することができる。
 したがって、第二実施形態の光分波器10Bによれば、光分波器10Bのサイズを抑え、高次モードの光を良好に分波するための角度θを小さくし、光分波器10Bの小型化を容易に実現することができる。また、第二実施形態の光分波器10Bによれば、第一マルチモード導波路22や第二マルチモード導波路26を伝搬する光の損失をより低減し、分波特性を向上させることができる。
(第三実施形態)
 次いで、図9を参照し、本発明の第三実施形態の光分波器10Cについて説明する。なお、図9に示す第二実施形態の光分波器10Cの構成要素において、図4に示す第一実施形態の光分波器10Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
 図9に示すように、本発明の第三実施形態の光分波器10Cは、入力部12と、モード干渉部14と、出力部16と、を備えている。
 第一マルチモード導波路22の出力側の端部OE22は、マルチモード導波路24の入射側の端部IE24に接続されている。マルチモード導波路24の入射側の端部IE24は、マルチモード導波路24の端面P3におけるD2方向の略中央に位置する端部である。第一マルチモード導波路22の出射側の端部OE22を通る軸線J22は、マルチモード導波路24のD1方向(長さ方向)の軸線J24に対して平行している。
 第二マルチモード導波路26は、第一マルチモード導波路22に入力される多モード光MLに含まれている複数の導波モードの光の種類と同数のマルチモード導波路で構成されている。第三実施形態では、第二実施形態と同様に、多モード光MLには0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが含まれていると想定されているので、第二マルチモード導波路26は、四本のマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dで構成されている。マルチモード導波路26A26B,26C,26Dのそれぞれは、多モード光MLに含まれている0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mのそれぞれを出力させるための出力部16を構成している。なお、図9においても、多モード光MLに含まれる0次モードの光M、1次モードの光M、2次モードの光M、3次モードの光Mが模式的な波面分布で図示されている。
 第二マルチモード導波路26のうちマルチモード導波路26A,26Cのそれぞれの入射側の端部IE26は、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1におけるD1方向の端面P4側に設けられた出力側の互いに異なる端部OE24に接続されている。第二マルチモード導波路26のうちマルチモード導波路26B,26Dのそれぞれの入射側の端部IE26は、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P2におけるD1方向の端面P4側に設けられた出力側の互いに異なる端部OE24に接続されている。第二マルチモード導波路26の入射側の端部IE26を通る軸線J26は、マルチモード導波路24の軸線J24に対して所定の角度θをなすように交差している。
 第一マルチモード導波路22の入射側の端部IE22から多モード光MLが入力されると、各次数のモードの光M,M,M,Mは第一マルチモード導波路22のコア部R0で軸線J22に沿って伝搬する。続いて、各次数のモードの光M,M,M,Mは、マルチモード導波路24の入射側の端部IE24からコア部R0に拡がり、端面P1,P2の近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。すなわち、マルチモード導波路24のコア部R0は、第一マルチモード導波路22から出射した各次数のモードの光M,M,M,Mが干渉する干渉領域30となっている。
 また、各次数のモードの光M,M,M,Mが自己結像する位置は、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2の両方に出現する(図3参照)。第三実施形態では、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2の両方が、干渉領域30で干渉した各次数のモードの光(複数の導波モードの光)M,M,M,Mがモードごとに互いに異なる位置で強まる分波面32となっている。
 既に説明したように、各次数のグースヘンシェンシフトは異なるので、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2のそれぞれに沿って各次数のモードの光M,M,M,Mが自己結像する位置は互いに異なっている。第三実施形態では、各次数のモードの光M,M,M,Mのうち、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1において0次と2次のモードの光のそれぞれが自己結像する位置PM,PMに端部OEのそれぞれが設けられているとともに、マルチモード導波路26A,26Cのそれぞれの入射側の端部IE26が接続されている。また、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P2において1次および3次のモードの光のそれぞれが自己結像する位置PM,PMに端部OEのそれぞれが設けられているとともに、マルチモード導波路26B,26Dのそれぞれの入射側の端部IE26が接続されている。
 つまり、第三実施形態の光分波器10Cでは、モード干渉部14は複数(第三実施形態では二つ)の分波面32を有している。複数の導波モードの光のうち0次の導波モードの光または偶数の導波モードの光が出力されるマルチモード導波路(出力部)26A,26Cは、複数の分波面32のうちマルチモード導波路24のコア部R0の端面(第一の分波面)P1に接続されている。また、複数の導波モードの光のうち奇数の導波モードの光が出力されるマルチモード導波路(出力部)26B,26Dは複数の分波面32のうちマルチモード導波路24のコア部R0の端面(第二の分波面)P2に接続されている。
 D1方向における位置PM,PM同士、位置PM,PM同士、位置PM,PM同士の間隔は、自己結像点差ΔLMMIに等しい。したがって、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1においてマルチモード導波路26A,26Cのそれぞれの入射側の端部IE26が接続されている端部OE同士のD1方向における距離は、2×ΔLMMIに等しい。同様に、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P2においてマルチモード導波路26B,26Dのそれぞれの入射側の端部IE26が接続されている端部OE同士のD1方向における距離は、2×ΔLMMIに等しい。
 D1方向に沿ってマルチモード導波路24のコア部R0を伝搬した各次数のモードの光M,M,M,Mはそれぞれ、出射側の端部OE24で強められるとともにマルチモード導波路26A,26B,26C,26Dのそれぞれのコア部R0に結像し、マルチモード導波路26A,26B,26C,26Dの出射側の端部OE26から出力される。
 上述のように、光分波器10Bでは、マルチモード導波路24の軸線J24に対する第二マルチモード導波路26の軸線J26の角度θと、多重モード干渉における自己結像点差ΔLMMIを適切に設定することで、各次数のモードの光がモードごとに出力される。各次数のモードの光が複数の第二マルチモード導波路22のそれぞれに、モードごとに分離可能となるためには、所定の角度θは、上述の(2)式で表される。
 第一実施形態の光分波器10Aと同様に、第三実施形態の光分波器10Cにおいても、分波対象の光に含まれるモードの次数と次数の種類が設定され、これらのモードの次数と次数の種類や光分波器10Cの製造条件などに応じて適切な第二マルチモード導波路22のコア部R0の幅Woutが設定される。したがって、設定された幅Woutと、モードの次数によって決まる自己結像点差ΔLMMIによって、(2)式から所定の角度θが算出される。
 また、第一実施形態の光分波器10Aと同様に、第三実施形態の光分波器10Cにおいても、クロストークおよび過剰損失のシミュレーションの結果をふまえて所定の角度θが算出されることが好ましい。
 第三実施形態の光分波器10Cによれば、第一マルチモード導波路22に入力した多モード光MLに含まれる複数のモードの光を、軸線J24に対して略平行な方向からマルチモード導波路(すなわち、MMI導波路)24に入射させ、異なる次数のモードの光が多重モード干渉によって自己結像する位置が互いに異なることに基づき、複数のモードの光を分波面32の互いに異なる位置に、第二マルチモード導波路26のコア部R0同士の所定の間隔以上の間隔をあけて自己結像させることができる。また、第三実施形態の光分波器10Cによれば、分波面32の互いに異なる位置に自己結合した各次数のモードの光をモードごとに異なる第二マルチモード導波路26に出力させることができるので、多モード光MLから所望かつ複数の0次モードや各高次のモードを容易に分波することができる。
 したがって、第三実施形態の光分波器10Cによれば、第一実施形態の光分波器10Aと同様の作用効果が得られる。
 さらに、第三実施形態の光分波器10Cによれば、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P1,P2のそれぞれにおいて隣り合う第二マルチモード導波路26の入射側の端部IE26が接続されている端部OE同士のD1方向における距離を自己結像点差ΔLMMIの2倍に拡大することができるので、第二マルチモード導波路26のコア部R0の幅Woutを確保し易く、クロストークおよび過剰損失の低減を図ることができる。
 なお、第三実施形態の光分波器10Cにおいても、第二実施形態の光分波器10Bと同様に、第一マルチモード導波路22のコア部R0には、多モード光MLに含まれる複数の導波モードのうち最高次数と同数のスリットS22が第一マルチモード導波路22の軸線J22に沿って形成されていてもよい。また、複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれには、出力される光の導波モードの次数と同数のスリットS26がそれぞれの第二マルチモード導波路26の軸線J26に沿って形成されていてもよい。第三実施形態の光分波器10Cにおいて上述のようにスリットS22,S26を形成することで、第一実施形態の光分波器10Aと同様の作用効果に加えて第二実施形態の光分波器10Bと同様の作用効果を得ることができる。
[光合波器]
 上述した第一実施形態の光分波器10Aにおける光の分波は可逆である。図4に示す光分波器10Aの構成で説明すると、二本のマルチモード導波路26A,26Bのうちマルチモード導波路26Aの出射側の端部OE26からマルチモード導波路26Aに0次モードの光Mを入力することができ、マルチモード導波路26Bの出射側の端部OE26からマルチモード導波路26Bに1次モードの光Mを入力することができる。すなわち、複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれに適し、かつ第二マルチモード導波路26ごとに異なる次数のモードの光が複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれに入力可能である。
 本発明を適用した光合波器40は、入力部42と、モード干渉部44と、出力部46と、を備えている。なお、図10に示す光合波器40の構成要素において、図1に示す第一実施形態の光分波器10Aの構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
 図10に示すように、入力部42は、複数の第二マルチモード導波路26で構成されている。複数の第二マルチモード導波路26は、それぞれ互いに異なる次数のモードの光を入力可能に構成されている。モード干渉部44は、マルチモード導波路24で構成されている。出力部46は、第一マルチモード導波路22で構成されている。
 第二マルチモード導波路26のマルチモード導波路26A,26Bの入射側の端部IE26のそれぞれに0次モードの光と1次モードの光のそれぞれが入力されると、0次モードの光Mはマルチモード導波路26Aのコア部R0で軸線J26に沿って伝搬し、1次モードの光Mはマルチモード導波路26Bのコア部R0で軸線J26に沿って伝搬する。続いて、各次数のモードの光M,Mは、マルチモード導波路24の出射側の端部OE24からコア部R0に拡がり、端面P1,P2の近傍で全反射を繰り返しつつ、多モード干渉し、D1方向に沿って伝搬する。D1方向とは反対の方向に沿ってマルチモード導波路24のコア部R0を伝搬した0次モードの光Mおよび1次モードの光Mは、マルチモード導波路24の出射側の端部OE24で強められ、互いに同じ位置で結像し、マルチモード導波路22のコア部R0に入射する。マルチモード導波路22に入射した0次モードの光Mおよび1次モードの光Mは、マルチモード導波路22のコア部R0で重ね合わされ、マルチモード導波路22の出射側の端部OE26から多モード光MLとして出力される。
 すなわち、マルチモード導波路24のコア部R0は、複数の第二マルチモード導波路26のそれぞれから出射した各次数のモードの光M,Mが干渉する干渉領域30となっている。上述したように0次モードの光Mのグースヘンシェンシフトと1次モードの光Mのグースヘンシェンシフトは異なり、各次数のモードの光M,Mが互いにグースヘンシェンシフトに基づく自己結像点差ΔLMMIに等しい間隔をおいて位置する端部OE26からマルチモード導波路24のコア部R0に出射される。そのため、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P3に沿って各次数のモードの光M,Mがそれぞれ自己結合する位置は互いに重なる。つまり、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P3が、干渉領域30で干渉した各次数のモードの光(複数の導波モードの光)M,Mが同一の位置で強まる合波面34となっている。このように、マルチモード導波路24で構成されているモード干渉部14は、干渉領域30と、合波面34と、を備えている。
 すなわち、本発明を適用した光合波器40は、複数の導波モードの光を導波モードごとに入力可能に構成された入力部42と、入力部42から出射した複数の導波モードの光が干渉する干渉領域30と干渉領域30で干渉した複数の導波モードの光が同一の位置で強まる合波面34とを有するモード干渉部44と、合波面34の同一の位置で強まった複数の導波モードの光を含む多モード光MLを出力可能に構成された出力部46と、を備えている。
 上述の光合波器40によれば、第一マルチモード導波路22に入力した多モード光MLに含まれる複数のモードの光を、軸線J24に対して所定の角度θをなす方向からマルチモード導波路(すなわち、MMI導波路)24に入射させ、異なる次数のモードの光が多重モード干渉によって自己結像する位置が互いに重なることに基づき、複数のモードの光を合波面34の同一の位置に自己結像させることができる。また、光分波器40によれば、合波面34の同一の位置に自己結合した各次数のモードの光を第一マルチモード導波路22に出力させることができるので、所望かつ複数の0次モードや各高次のモードの光を多モード光MLとして容易に合波することができる。
 したがって、光合波器40は、モード多重伝送に適用可能である。また、光合波器40によれば、複数の導波モードの光が共通の干渉領域30で干渉するので、合波対象の多モード光に含まれる導波モードの種類が増大しても、光合波器40の大きさを急増させずに済む。そのため、光合波器40によれば、小型化および集積化を容易に図ることができる。また、光合波器40には直線形状あるいは矩形形状のマルチモード導波路を用いることが可能であることから、設計および製造工程が煩雑にならず、量産化が容易になり、製造コストも抑えることができる。さらに、光合波器40によれば、前述の多モード干渉によって強まった光が第一マルチモード導波路22に出力されるので、異なる次数のモードの光同士のクロストークを低減することができる。
 なお、以上では、図4に示す光分波器10Aの構成に基づいた光合波器40について説明したが、第二実施形態及び第三実施形態の光分波器10B,10Cや本発明を適用した光分波器における光の分波は可逆であり、これらの光分波器の構成に基づいて光合波器としても構わない。
[光通信システム]
 本発明を適用した光通信システムは、本発明を適用した光分波器および光合波器を備えている。例えば、図11には、本発明を適用した光通信システムにおいて光信号の分波・合波などを行う主要部のみを取り出して図示している。図11に示すように、本発明を適用した光通信システムの主要部には、DEMUX52として上述の第一実施形態から第三実施形態のいずれか一実施形態の光分波器10A/10B/10Cが設けられ、MUX54として、上述の光合波器40や第二実施形態及び第三実施形態の光分波器10B,10Cの構成に基づく光合波器が設けられている。
 上述の光通信システムによれば、不図示の基幹の光通信ネットワークなどに接続されている入力用マルチモードファイバ60から、光信号(光)XMは、DEMUX52に入力される。光信号(光)XMには複数(図11では四種類)のモードの光が含まれ、各次数のモードの光には互いに異なる情報が予め付与されている。DEMUX52に入力された光信号XMは、光分波器10A/10B/10Cの第一マルチモード導波路22に入力される。第一マルチモード導波路22に入力された光信号XMは、多モード光MLとして光分波器10A/10B/10Cによって、各次数のモードごとに分波される。ユーザU1,U2はそれぞれ、不図示の専用の回線を介して定められた互いに異なる次数のモードの光M,M(n,iは定められた所定のモードの次数を表す)を受信し、必要に応じて受信した次数のモードの光に情報を追加し、不図示の専用の回線を介してMUX54に送信する。MUX54に送信された光信号XMは、光分波器40の第二マルチモード導波路26のうち光Mのモードの次数nに応じたマルチモードファイバに入力される。第二マルチモード導波路26に入力された光信号XMは、光合波器40によって、他の光信号XMとともに光信号XMとして合波される。合波された光信号XMは、基幹の光通信ネットワークなどに接続されている出力用マルチモードファイバ62によって、基幹の光通信ネットワークに戻される。
 上述のように、第一実施形態から第三実施形態のいずれか一実施形態の光分波器10A/10B/10Cおよび光合波器40を用いてOptical Add/Drop Multiplexing(OADM)を容易に実現することができる。本発明を適用した光通信システムによれば、光分波器10A/10B/10Cおよび光合波器40を備えたOADMを用いてモード多重伝送技術およびSDMを実現することができる。また、本発明を適用した光通信システムによれば、光分波器10A/10B/10Cおよび光合波器40を備えていることで、MUX/DEMUXの小型化および集積化を容易に図り、MUX/DEMUXの量産化を進め、製造コストも抑えることができ、異なる次数のモードの光同士のクロストークを低減し、分波特性および合波特性を向上させることができる。
 以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
 例えば、本発明を適用した光分波器の入力部12の構成は、第一マルチモード導波路22に限定されず、多モード光MLをモード干渉部14に入射させることが可能であれば特に限定されない。
 また、モード干渉部14の構成は、所定の長さおよび所定の幅を有するマルチモード導波路24に限定されず、干渉領域30および分波面32を備えていれば特に限定されない。一例として、モード干渉部14は、端面P1,P2,P3,P4の少なくとも一つが湾曲している導波路などで構成されていても構わない。
 また、出力部16の構成は、第二マルチモード導波路26に限定されず、多モード光MLから分波された各次数のモードごとの光を個別に出力させることが可能であれば特に限定されない。さらに、多モード光MLに含まれる光のモードの次数は、上述の第一実施形態から第三実施形態で例示したように0次モードから3次モードまでに限定されず、4次モードより高次モードであってもよい。第二マルチモード導波路26の数は、多モード光MLに含まれる光のモードの次数の種類に合わせて変更される。
 例えば、本発明を適用した光合波器の入力部42の構成は、第一マルチモード導波路26に限定されず、各次数のモードごとの光を個別に入力させることが可能であれば特に限定されない。
 また、モード干渉部44の構成は、所定の長さおよび所定の幅を有するマルチモード導波路24に限定されず、干渉領域30および合波面34を備えていれば特に限定されず、前述のように端面P1,P2,P3,P4の少なくとも一つが湾曲している導波路などで構成されていても構わない。
 また、出力部46の構成は、第二マルチモード導波路22に限定されず、各次数のモードごとの光が合波されてなる多モード光MLを出力させることが可能であれば特に限定されない。
 例えば、本発明を適用した光分波器および光合波器は、複数のモードの光をモードごとに分波する、または合波する必要があるシステムであれば、広く適用することができる。また、本発明を適用した光通信システムは、OADMを備えた光通信システムに限定されず、SDMを用いたあらゆる光通信システムに適用可能である。
 本発明を適用した光分波器、光合波器および光通信システムによれば、モード多重伝送に適用し、集積化および量産化を図り、光信号同士のクロストークを低減することができる。したがって、本発明を適用した光分波器、光合波器は、モード多重伝送を用いた光通信システム、SDMに適用可能である。また、本発明を適用した光分波器、光合波器は、複数のモードの光をモードごとに分波する、または合波する必要があるシステムであれば、あらゆるシステムに適用可能であり、複数のモードの光をモードごとにおよび操作する必要が生じる分野への広い展開が期待される。本発明を適用した光通信システムは、モード多重伝送およびSDMに関する分野への広い展開が期待される。
 次いで、本発明を適用した実施形態の光分波器の効果を裏付けるために行った実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
 図4に示す光分波器10Aの構成において、図12に示すように複数の第二マルチモード導波路26のうち、0次モードの光Mおよび1次モードの光M1のそれぞれを出力するマルチモード導波路26A,26Bのみを残した光分波器10A´の構成についてシミュレーションを行い、分波特性を確認した。ただし、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P3,P4は、第一マルチモード導波路22の軸線J22に対して直交する方向に向くように変更した。これにより、図13Bに示すように、1次モードの光Mが出力されるマルチモード導波路26Bの入射側の端部IE26は、マルチモード導波路24のコア部R0の端面P4の端面P1側に接続されている。マルチモード導波路24のコア部R0の端面P4は、分波面32として機能する。
 シミュレーションでは、0次モードおよび1次モードの光M,Mの波長を1550μmとした。マルチモード導波路24のコア部R0の屈折率nを3.48とし、屈折率nを1.44とした。マルチモード導波路24のコア部R0のD1方向における長さLaを21196μmとし、マルチモード導波路24のコア部R0のD2方向における長さLbを30μmとした。0次モードおよび1次モードの光M,Mの自己結像点差ΔLMMIは78μmとなる。そこで、1次モードの光Mが出力されるマルチモード導波路24Bのコア部R0の幅Woutを8μmとし、(2)式に基づいて角度θを6°とした。
 図13Aおよび図13Bに示すように、第一マルチモード導波路22の入射側の端部IE22から第一マルチモード導波路22に入力された0次モードの光Mは、マルチモード導波路24のコア部R0、すなわち干渉領域30で多モード干渉し、マルチモード導波路26Aの入射側の端部IE26が接続されているマルチモード導波路24のコア部R0の端面P4で自己結像し、マルチモード導波路26Aに出力されていることがわかる。
 図14Aおよび図14Bに示すように、第一マルチモード導波路22の入射側の端部IE22から第一マルチモード導波路22に入力された1次モードの光Mは、干渉領域30で多モード干渉し、マルチモード導波路26Bの入射側の端部IE26が接続されているマルチモード導波路24のコア部R0の端面P1で自己結像し、マルチモード導波路26Bに出力されていることがわかる。
 0次モードの光Mのクロストーク(すなわち、マルチモード導波路26Aに出力された1次モードの光Mのパワーに対する0次モードの光Mのパワーの比)は-25dBであった。また、1次モードの光M1のクロストーク(すなわち、マルチモード導波路26Aにおいて、0次モードの光Mのパワーに対する1次モードの光Mのパワーの比)は-15dBであった。
 以上説明した結果から、光分波器10A´はコンパクトに構成されており、光分波器10A´によれば小型化を容易に図ることができると考えられる。また、光分波器10A´によれば、多モード干渉によって強まった光が導波モードごとに互いに異なるマルチモード導波路26A,26Bに出力されるので、異なる次数のモードの光同士のクロストークを低減することができることを確認した。
10A,10A´,10B,10C 光分波器
12,42 入力部
14,44 モード干渉部
16,46 出力部
22 第一マルチモード導波路
24 マルチモード導波路
26 第二マルチモード導波路
26A,26B,26C,26D マルチモード導波路
30 干渉領域
32 分波面
34 合波面
40 光合波器

Claims (9)

  1.  複数の導波モードの光を含む多モード光を入力可能に構成された入力部と、
     前記入力部から出射した前記複数の導波モードの光が干渉する干渉領域と前記干渉領域で干渉した前記複数の導波モードの光が導波モードごとに互いに異なる位置で強め合う分波面とを有するモード干渉部と、
     前記分波面で互いに異なる位置で強まった前記複数の導波モードの光を導波モードごとに出力可能に構成された出力部と、
     を備えていることを特徴とする光分波器。
  2.  前記入力部は第一マルチモード導波路で構成され、
     前記モード干渉部は所定の長さおよび所定の幅を有するマルチモード導波路で構成され、
     前記出力部は複数の第二マルチモード導波路で構成され、
     前記第一マルチモード導波路の出力側の端部は前記マルチモード導波路の入射側の端部に接続され、
     前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれの入射側の端部は前記マルチモード導波路の前記分波面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光分波器。
  3.  前記第一マルチモード導波路の出射側の端部を通る軸線および前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれの入射側の端部を通る軸線が前記マルチモード導波路の長さ方向の軸線に対して互いに同一の角度をなすように交差していることを特徴とする請求項2に記載の光分波器。
  4.  前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれに出力される光の導波モードは、前記第一マルチモード導波路との離間距離が小さくなる程、高くなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光分波器。
  5.  前記第一マルチモード導波路のコア部には、前記多モード光に含まれる光の前記複数の導波モードのうち最高次数の導波モードと同数のスリットが前記第一マルチモード導波路の軸線に沿って形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の光分波器。
  6.  前記複数の第二マルチモード導波路のそれぞれのコア部には、出力される光の導波モードの次数と同数のスリットがそれぞれの前記第二マルチモード導波路の軸線に沿って形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の光分波器。
  7.  前記モード干渉部は複数の前記分波面を有し、
     前記複数の導波モードの光のうち0次の導波モードの光または偶数の導波モードの光が出力される前記出力部は前記複数の分波面のうち第一の分波面に接続され、
     前記複数の導波モードの光のうち奇数の導波モードの光が出力される前記出力部は前記複数の分波面のうち前記第一の分波面とは異なる第二の分波面に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の光分波器。
  8.  複数の導波モードの光を導波モードごとに入力可能に構成された入力部と、
     前記入力部から出射した前記複数の導波モードの光が干渉する干渉領域と前記干渉領域で干渉した前記複数の導波モードの光が同一の位置で強まる合波面とを有するモード干渉部と、
     前記合波面の同一の位置で強まった前記複数の導波モードの光を含む多モード光を出力可能に構成された出力部と、
     を備えていることを特徴とする光合波器。
  9.  請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光分波器および請求項8に記載の光合波器を備えていることを特徴とする光通信システム。
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