JP2011158730A - 温度無依存光回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで低損失な、温度に依存しない導波路型光干渉計を提供する。
【解決手段】光分岐部、複数の長さの異なる光導波路、及び光結合部から構成される光干渉計が開示される。前記複数の長さの異なる光導波路の光路長の温度依存性を等しくするため、前記複数の長さの異なる光導波路の長手方向に平均したコア幅は、互いに異なるように調整される。
【選択図】図1
【解決手段】光分岐部、複数の長さの異なる光導波路、及び光結合部から構成される光干渉計が開示される。前記複数の長さの異なる光導波路の光路長の温度依存性を等しくするため、前記複数の長さの異なる光導波路の長手方向に平均したコア幅は、互いに異なるように調整される。
【選択図】図1
Description
本発明は、温度依存性を抑制した光回路に関する。
現在、通信容量の拡大のために複数の光波長を用いた光波長多重通信システム(WDMシステム)の開発が盛んである。この光波長多重通信システムにおいて、送信側で複数の波長の光信号を合波し、受信側で1本の光ファイバ中の複数の光信号を異なるポートに分波する光波長合分波器として、アレイ導波路格子型光波長合分波器(以下、AWGと略す)が広く使用されている。従来のAWGの回路構成を図7に示す。入力導波路701に入射された光は、第1のスラブ導波路702で基板と水平方向に回折し、複数のアレイ導波路703に結合する。隣接するアレイ導波路703はそれぞれ一定の光路長差を有しているため、第2のスラブ導波路704に結合する際に、複数の光ビームは波長に依存する位相差を持つ。この結果として、複数の光ビームの干渉で生じる焦点は波長に依存して位置が変化する。その焦点位置に予め複数の出力導波路705を配置しておくことにより、AWGは複数光波長を一括して合分波する光波長合分波器として機能する。
ここで、AWGの中心波長は、以下の式で表される。
ここで、AWGの中心波長は、以下の式で表される。
ここで、λはAWGの中心波長、nは実効的な屈折率、ΔLは隣接するアレイ導波路の長さの差、mは回折次数(整数)である。
中心波長の温度依存性は数1の両辺を温度tで微分すると得られ、
となる。従って、AWGの中心波長は、ΔLに依存した温度依存性を有し、このことが従来からの課題であった。
(従来技術の第一例)
AWGの中心波長の温度依存性を解消する一つの方法として、アレイ導波路の一部に熱光学効果が異なるポリマー材料を載せる手法が提案されている(特許文献1を参照)。このAWGでは、ポリマー材料の熱光学効果が導波路を伝搬する光波に影響を与える構造、及び影響を与えない構造を用いて温度無依存性を実現している。
AWGの中心波長の温度依存性を解消する一つの方法として、アレイ導波路の一部に熱光学効果が異なるポリマー材料を載せる手法が提案されている(特許文献1を参照)。このAWGでは、ポリマー材料の熱光学効果が導波路を伝搬する光波に影響を与える構造、及び影響を与えない構造を用いて温度無依存性を実現している。
(従来技術の第二例)
AWGの中心波長の温度依存性を解消する別の方法として、コアの熱光学係数と正負が逆となる特性のオーバークラッドを用いる手法が提案されている(特許文献2を参照)。このAWGでは、オーバークラッドへの光の沁み出し量をコア形状で変化させることで、一本あたりの導波路の光路長の温度依存性を解消している。
AWGの中心波長の温度依存性を解消する別の方法として、コアの熱光学係数と正負が逆となる特性のオーバークラッドを用いる手法が提案されている(特許文献2を参照)。このAWGでは、オーバークラッドへの光の沁み出し量をコア形状で変化させることで、一本あたりの導波路の光路長の温度依存性を解消している。
(従来技術の第三例)
AWGの中心波長の温度依存性を解消する別の方法として、アレイ導波路の一部に溝を形成し、この溝に光導波路材料の熱光学効果と正負が逆となる特性を有する有機系材料を充填する手法が提案されている(非特許文献1を参照)。このAWGでは、正の熱光学効果を有する石英系光導波路と、負の熱光学効果を有する有機系材料を用いて、光導波路の熱光学効果と溝に充填した有機系材料の熱光学効果とをキャンセルさせることにより、温度依存性を解消している。
AWGの中心波長の温度依存性を解消する別の方法として、アレイ導波路の一部に溝を形成し、この溝に光導波路材料の熱光学効果と正負が逆となる特性を有する有機系材料を充填する手法が提案されている(非特許文献1を参照)。このAWGでは、正の熱光学効果を有する石英系光導波路と、負の熱光学効果を有する有機系材料を用いて、光導波路の熱光学効果と溝に充填した有機系材料の熱光学効果とをキャンセルさせることにより、温度依存性を解消している。
しかし、従来技術の第一例と第三例においては、ポリマー材料を所望の箇所に充填するといった付加的な作業が必要であり、課題であった。また、従来技術の第二例においては、オーバークラッドとコアの熱光学係数を正負逆にする必要があり、これが、材料の選択に大きな制限となる問題があった。
また、従来技術の第三例においては、光導波路を溝が分断するため、放射損失が発生し、損失増大を招くという欠点もある。
A. Kaneko‘Athermal silica-based arrayed-waveguide grating(AWG) multi/demultiplexers with new low loss groove design’, Electronics Letters 17 Feb 2000
本発明の目的は、上記の課題を解決し、低コストで低損失な、温度に依存しない導波路型光干渉計を提供することにある。
本発明は、基板主面上に構成される光干渉計であって、光干渉計は、光分岐部、光結合部、及び光分岐部と光結合部とに挟まれたそれぞれ長さの異なる複数の光導波路から構成され、複数の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、複数の光導波路の光路長の温度依存性が等しくなるように、互いに異なるように調整されることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、導波路型光干渉計は、光分岐部をスラブ導波路、光結合部をスラブ導波路、複数の光導波路を複数のアレイ導波路とする、アレイ導波路格子型光波長合分波器であり、複数のアレイ導波路の各々の長手方向に平均したコア幅は、各アレイ導波路の長さに応じて互いに異なり、且つ、スラブ導波路との接続部を除き一定の幅であることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、導波路型光干渉計は、光分岐部をスラブ導波路、光結合部をスラブ導波路、複数の光導波路を複数のアレイ導波路とする、アレイ導波路格子型光波長合分波器であり、複数のアレイ導波路は、スラブ導波路との接続部を除き2種類のコア幅の導波路で構成されており、各アレイ導波路における2種類のコア幅の導波路の長さの比は、互いに異なることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、複数のアレイ導波路の各導波路における、2種類のコア幅の導波路は、幅が徐々に変化するテーパ導波路で接続されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、複数のアレイ光導波路の長手方向に平均したコア幅は、各々のアレイ導波路の長さが複数のアレイ光導波路の中で相対的に短いアレイ光導波路ほど広く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より高くなっていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、複数のアレイ光導波路の長手方向に平均したコア幅は、各々のアレイ導波路の長さが複数のアレイ光導波路の中で相対的に短いアレイ光導波路ほど狭く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より低くなっていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、導波路型光干渉計は、2つの多モード干渉計型結合器と、2つの多モード干渉計型結合器間に挟まれて2つの多モード干渉計型結合器を接続する互いに長さの異なる2本のアーム導波路とからなるマッハツェンダ光干渉計であり、2本のアーム導波路のコア幅は、少なくとも一部において互いに異なることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、2本の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、アーム導波路の長さが2本のアーム光導波路の中で相対的に短いアーム導波路ほど広く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より高くなっていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、2本の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、アーム導波路の長さが2本のアーム光導波路の中で相対的に短いアーム導波路ほど狭く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より低くなっていることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、導波路型光干渉計は、基板がシリコンで構成され、アンダークラッドが石英ガラスで構成され、導波路がシリコンで構成され、且つ、オーバークラッドが石英ガラスで構成されることを特徴とする。
本発明により、低コストで低損失な、温度に依存しない導波路型光干渉計を実現することができる。
また、本発明により、クラッドとコアの熱光学係数が同符号であっても、温度に依存しない導波路型光干渉計を実現することができる。これは、従来技術の第二例に比べ、クラッド・コアの材料を選択する上で、大きな制限を与えないため、非常に有利となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の第1の実施形態に係る温度無依存AWGの回路構成を示す。このAWGは、100本のアレイ導波路103を備える。二つのスラブ導波路102、104との接続部のテーパ(図示せず)を除いた、アレイ導波路103の各々のコア幅は、1本1本異なる。その他の構成は、図7のAWGと同様である。即ち、入力導波路101に入射された光は、第1のスラブ導波路102で基板と水平方向に回折し、100本のアレイ導波路103に結合し、第2のスラブ導波路104に結合して、出力導波路105から出力される。図1に示すように、アレイ導波路103のコア幅は、内側(導波路の長さが短いアレイ導波路側)から外側(導波路の長さが長いアレイ導波路側)に向けて徐々に細くなるよう設計されている。導波路はシリコン、アンダークラッド、オーバークラッドは石英ガラスを用いて作成した。本実施例に係る温度無依存AWGは、100GHz間隔の光信号を合分波するための機能を有する。
次に、本発明を実現する上で重要となる、屈折率の温度依存性に関するコア幅依存性について説明する。導波路をシリコン、クラッドを石英ガラスとした場合の伝搬モードについて、伝播モードが導波路に占める割合(モード占有率)Mを次式で定義する。
ここで、P(s)は位置ベクトルsにおけるポインティングベクトルである。
モード占有率Mと導波路幅wの関係について計算した結果を図2に示す。導波路幅が広いほど、モード占有率Mは大きくなり、シリコン導波路内にポインティングベクトルが多く分布している。
図3からもわかる通り、規格化した実効的な熱光学係数は、導波路幅が広くなるほど、大きくなる。つまり、導波路幅が広いほど、温度に対して実効的な屈折率が大きく変化する。これを利用して、下式を満たすパラメータを選択することによって、複数の導波路の温度依存性を一定にすることが可能となる。
ここで、Lは導波路の長さ、dxは光導波路に沿った長さを表すパラメータ、Cは定数を示す。
一般に、AWGは複数の長さの異なるアレイ導波路から構成されている。長さの長い導波路は長さの短い導波路に比べ、一本のアレイ導波路全体の光路長は、長さに比例して温度に対して大きく変化する。そこで、短い導波路ほど、コア幅を太くすることによって、複数のアレイ導波路の温度依存性を同じにすることができ、このことが本特許の主旨となる。
次に、導波路の作製方法を、図4を用いて説明する。本実施例に係る導波路は、第1のシリコン層410と、石英ガラス層420と、第2のシリコン層410とから構成されるSilicon On Insulator(SOI)基板を用いて作製した。始めに、電子ビーム露光とプラズマエッチングによって、シリコン導波路430を形成する。次に、CVD(化学気相成長)法によって、石英系ガラス層440を堆積し、シリコン導波路430を埋め込む。以上の工程により、導波路はシリコン、クラッドは石英ガラスである導波路構造が完成する。なお、本明細書では、導波路の周囲の領域をクラッドと定義している。
次に設計パラメータについて具体的に説明する。本実施例において、中心波長は次式で表記できる。
ここで、Lk、Lk+1はk番目及びk+1番目のアレイ導波路の長さ、wk、wk+1はk番目及びk+1番目のアレイ導波路の導波路幅、ne(wk)、ne(wk+1)は導波路幅がwk、wk+1の時の実効的な屈折率、mは回折次数、λは中心波長を示す。
また、本実施例においては、隣接したk番目及びk+1番目のアレイ導波路について、温度無依存化の式数5を満たす必要があるので、下式を導出することができる。
ここで、dne(wk)/dt、dne(wk+1)/dtは実効的な熱光学係数を示す。
数7は、本実施例に沿って書き下せば、
となる。数8を満たすためには、短い導波路ほど実効的な屈折率の温度依存性は大きくする必要があり、コア幅wを太くすることでこれらの効果が得られる。本実施例においては、最小のコア幅を400ナノメートル、最大のコア幅は666ナノメートルとし、数6及び数8を満たすように順次アレイ導波路の幅を決定していった。その際、従来のAWGのように隣接するアレイ導波路の物理的な距離ΔLは一定ではなく、数6及び数8を満たすために、変化させる必要がある。
従来技術の第二例においては、一本あたりの導波路の光路長の温度依存性を解消する必要があるため、クラッドとコアの熱光学係数を正負逆にする必要があった。しかしながら、本実施例においては、複数の導波路の相対的な光路長の温度依存性を一定にすることによって、AWGの温度無依存性を実現している。その結果、クラッドとコアの熱光学係数が同符号であっても、各導波路の光路長が温度に対して、同程度だけ動けば(即ち、各導波路が数5を満たせば)、光路長の差の温度依存性はゼロとなり、温度無依存化が可能となる。
図5に本発明の第2の実施形態に係る温度無依存AWGの回路構成を示す。このAWGには100本のアレイ導波路503が配置されており、二つのスラブ導波路502、504との接続部のテーパ(図示せず)を除き、各アレイ導波路が異なる二つの導波路幅から構成されている。一方の導波路幅を400nmとし、もう一方の導波路幅を666nmとした。その他の構成は、図7のAWGと同様である。即ち、入力導波路501に入射された光は、第1のスラブ導波路502で基板と水平方向に回折し、100本のアレイ導波路503に結合し、第2のスラブ導波路504に結合して、出力導波路505から出力される。
本実施例においても数1及び数5を満たすことによって、温度無依存のAWGを作製することができる。数1及び数5を本実施例にそって書き下すと次式のように表すことができる。
ここで、Lk、Lk+1はk番目、k+1番目のアレイ導波路の長さ、lk、lk+1はk番目、k+1番目のアレイ導波路における導波路幅が666nmの部分の導波路の長さ、nnは導波路幅400nmの実効的な屈折率、nwは導波路幅666nmの実効的な屈折率、dnn/dtは導波路幅400nmの実効的な屈折率温度依存性、dnw/dtは導波路幅666nmの実効的な屈折率温度依存性、mは回折次数、λは中心波長を示す。
次に、隣接するアレイ導波路間の長さの差をΔL、隣接するアレイ導波路における導波路幅が666nmの部分の導波路の長さの差をδlと定義すると、それらは式数9、数10のパラメータを使って次のように記述することができる。
が得られる。本実施例では、数13、数14を満たすように導波路の設計を行った。具体的なパラメータは、δlは−170μm、ΔLは73μm、nnは400nm、nwは666nmと設定した。
図6に本発明の第3の実施形態に係る温度無依存DPSK受信回路の構成を示す。本実施例に係るDPSK受信回路は、二つの多モード干渉計型結合器601と、多モード干渉計型結合器間に挟まれた長さの異なる二本のアーム導波路602、603からなるマッハツェンダ干渉計回路である。図6に示すように、外側の長いアーム導波路602は、単一の幅のアーム導波路であり、内側の短いアーム導波路603は、太幅アーム導波路と狭幅アーム導波路とから構成される。また、アーム導波路603の、太幅アーム導波路と狭幅アーム導波路との間は、幅が徐々に変化するテーパ導波路604を用いて接続されている。
本実施例に係るDPSK受信回路は、光信号を前段の多モード干渉計型結合器で分離した後、第1のアーム導波路602を伝播する光信号を第2のアーム導波路603を伝播する光信号に比べ1ビット遅延させた後、後段の多モード干渉計型結合器で干渉させ、位相検出を行うための回路である。よって、40GbpsのDPSK信号を受信するためには、二本のアーム導波路に所望の光路長差が必要となる。一般に、この光路長差は物理的な導波路の長さの差で与えるため、長さの非対称なマッハツェンダ干渉計が必要となる。
ここで、I0は入力光の光強度、nは実効屈折率、L1は短い方のアーム導波路の長さ、ΔLは二本のアーム導波路の長さの差、λは光信号の波長を示す。これより、スルーポートに最も透過する光信号波長λcは下式で表すことができる。
さらに、数16の両辺を、温度tで微分して、次式を得る。
ここで、dn/dtは屈折率の温度依存性を示す。数17より、非対称なマッハツェンダ干渉計は有限な温度に依存した波長シフトが発生することがわかる。このことは、DPSK受信回路の性能が温度により変化することとなり、課題である。この課題を解消するため、実効的な熱光学係数の導波路幅依存性を利用する。
本実施例では、dn/dtの導波路幅依存性を用いて、DPSK受信回路の温度依存性の解消を行った。本実施例においても数5を満たせば、温度無依存性を実現することができる。数5を本実施例に当てはめれば、次式が得られる。本実施例が、実施例1、2と大きく異なる点は、結合器を接続する遅延導波路が二本と少ないことである。
数18を本実施例の構成に則って、書き直して次式を得る。
ここで、dnn/dtは狭幅導波路の実効屈折率の温度依存性、dnw/dtは太幅導波路の実効屈折率の温度依存性、lは太幅導波路の長さである。
次に、1ビットの遅延を与えるためには、次式を満たす必要がある。
ここで、ngは群屈折率、cは光速、BitRateは光信号のビットレートを示す。
数20を本実施例に基づいて、書き下すと次式となる。
数20を本実施例に基づいて、書き下すと次式となる。
以上より、数19及び数21を満たすようなパラメータを選択すれば、温度無依存なDPSK受信回路を設計及び作製することができる。
具体的なパラメータは、細幅導波路の導波路幅を400nm、太幅導波路の導波路幅を666nm、ΔLを6mm、lを10mmと設定した。
本実施例においては、いずれも導波路をシリコン、クラッドを石英ガラスとしたが、この組み合わせに限らず、たとえば、導波路を石英ガラス、半導体、ポリマーのいずれかとし、クラッドを石英ガラス、半導体、ポリマーのいずれかとした場合でも、導波路とクラッドの熱光学効果が大きく異なるものであれば、同様な効果が得られることは明白である。
本実施例においては、コアをシリコン、クラッドを石英ガラスとした。この場合、シリコンの方が、石英ガラスに比べ、熱光学効果が約18倍大きい。従って、導波路幅を太くすると、光のモードフィールドがシリコン導波路に集中し、実効的な熱光学効果は大きくなる。そして、複数の光導波路のうち、短い光導波路ほど導波路幅を太くすることによって、温度による光路長の変化を複数の光導波路で等しくすることができる。
一方、コアを負の熱光学効果を持つポリマー材料とし、クラッドを負でコアより大きな熱光学効果を持つポリマー材料を使用したとしても、同様な考え方で温度無依存化が可能となるため、簡単に説明する(ここで、大きな熱光学効果とは、熱光学効果の絶対値が大きいことを意味する)。
この場合、導波路幅を太くすると、光のモードフィールドがコアに集中し、実効的な熱光学効果は小さくなる。従って、本実施例とは逆に、複数の光導波路のうち、長い導波路ほど、導波路幅を太くすることによって、温度による光路長の変化を複数の光導波路で等しくすることができ、温度無依存化が可能となる。
101、501、701:入力導波路
102、104、502、504、702、704:スラブ導波路
103、503、703:アレイ導波路
105、505、705:出力導波路
410:シリコン層
420、440:石英ガラス層
430:シリコン導波路
601、801:多モード干渉計型結合器
602、603、802:アーム導波路
604:テーパ導波路
102、104、502、504、702、704:スラブ導波路
103、503、703:アレイ導波路
105、505、705:出力導波路
410:シリコン層
420、440:石英ガラス層
430:シリコン導波路
601、801:多モード干渉計型結合器
602、603、802:アーム導波路
604:テーパ導波路
Claims (10)
- 基板主面上に構成される光干渉計であって、
前記光干渉計は、光分岐部、光結合部、及び前記光分岐部と前記光結合部とに挟まれたそれぞれ長さの異なる複数の光導波路から構成され、
前記複数の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、前記複数の光導波路の光路長の温度依存性が等しくなるように、互いに異なるように調整されることを特徴とする導波路型光干渉計。 - 前記導波路型光干渉計は、前記光分岐部をスラブ導波路、前記光結合部をスラブ導波路、前記複数の光導波路を複数のアレイ導波路とする、アレイ導波路格子型光波長合分波器であり、
前記複数のアレイ導波路の各々の長手方向に平均したコア幅は、各アレイ導波路の長さに応じて互いに異なり、且つ、前記スラブ導波路との接続部を除き一定の幅であることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光干渉計。 - 前記導波路型光干渉計は、前記光分岐部をスラブ導波路、前記光結合部をスラブ導波路、前記複数の光導波路を複数のアレイ導波路とする、アレイ導波路格子型光波長合分波器であり、
前記複数のアレイ導波路は、スラブ導波路との接続部を除き2種類のコア幅の導波路で構成されており、各アレイ導波路における前記2種類のコア幅の導波路の長さの比は、互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光干渉計。 - 前記複数のアレイ導波路の各導波路において、前記2種類のコア幅の導波路は、幅が徐々に変化するテーパ導波路で接続されていることを特徴とする請求項3に記載の導波路型光干渉計。
- 前記複数のアレイ光導波路の長手方向に平均したコア幅は、各々のアレイ導波路の長さが前記複数のアレイ光導波路の中で相対的に短いアレイ光導波路ほど広く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より高くなっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の導波路型光干渉計。
- 前記複数のアレイ光導波路の長手方向に平均したコア幅は、各々のアレイ導波路の長さが前記複数のアレイ光導波路の中で相対的に短いアレイ光導波路ほど狭く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より低くなっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の導波路型光干渉計。
- 前記導波路型光干渉計は、2つの多モード干渉計型結合器と、前記2つの多モード干渉計型結合器間に挟まれて前記2つの多モード干渉計型結合器を接続する互いに長さの異なる2本のアーム導波路とからなるマッハツェンダ光干渉計であり、
前記2本のアーム導波路のコア幅は、少なくとも一部において互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光干渉計。 - 前記2本の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、前記アーム導波路の長さが前記2本のアーム光導波路の中で相対的に短いアーム導波路ほど広く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より高くなっていることを特徴とする請求項7に記載の導波路型光干渉計。
- 前記2本の光導波路の長手方向に平均したコア幅は、前記アーム導波路の長さが前記2本のアーム光導波路の中で相対的に短いアーム導波路ほど狭く、且つ、導波路材料の熱光学効果がクラッド材料の熱光学効果より低くなっていることを特徴とする請求項7に記載の導波路型光干渉計。
- 前記導波路型光干渉計は、前記基板がシリコンで構成され、アンダークラッドが石英ガラスで構成され、前記導波路がシリコンで構成され、且つ、オーバークラッドが石英ガラスで構成されることを特徴とする請求項1乃至9に記載の導波路型光干渉計。
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