JP2011232458A - 位相制御回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】低消費電力である可変光減衰器、ならびに温度に依存した波長シフトが生じないDPSK受信回路となる、位相制御回路およびこの位相制御回路を用いた光干渉回路を提供する。
【解決手段】基板上における、2つのモード変換器と、これらを連結する複数の光導波路とからなる位相制御回路であって、複数の光導波路の間または外側に、ある材料を充填した溝を、複数の光導波路の上方および、または複数の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを有する。熱光学定数の絶対値が光導波路の熱光学定数の絶対値より大きい、溝に充填された材料および、または光導波路の周囲の材料を用いることにより、低消費電力である可変光減衰器を実現する位相制御回路を提供する。さらに、上記の位相制御回路および、同様の構造であるが、溝を有さない位相制御回路、ヒータを有さない位相制御回路を複数適宜組み合わせることにより、温度に依存した波長シフトが生じないDPSK受信回路や波長合分波フィルタなどの光干渉回路を提供する。
【選択図】図5
【解決手段】基板上における、2つのモード変換器と、これらを連結する複数の光導波路とからなる位相制御回路であって、複数の光導波路の間または外側に、ある材料を充填した溝を、複数の光導波路の上方および、または複数の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを有する。熱光学定数の絶対値が光導波路の熱光学定数の絶対値より大きい、溝に充填された材料および、または光導波路の周囲の材料を用いることにより、低消費電力である可変光減衰器を実現する位相制御回路を提供する。さらに、上記の位相制御回路および、同様の構造であるが、溝を有さない位相制御回路、ヒータを有さない位相制御回路を複数適宜組み合わせることにより、温度に依存した波長シフトが生じないDPSK受信回路や波長合分波フィルタなどの光干渉回路を提供する。
【選択図】図5
Description
本発明は、熱光学効果を利用した位相制御回路およびこれを用いた光干渉回路に関する。
現在、通信容量を拡大するために、複数の光波長を用いた光波長多重通信システム(WDMシステム)の開発が盛んである。この光波長多重通信システムにおいて、個々の光波長の光強度ばらつきを抑制するための可変光減衰器は重要な光部品である。
従来から広く用いられている、光導波路を用いたマッハツェンダ干渉計型の可変光減衰器の一例を図1に示す。これは、2つの方向性結合器1とそれらを連結するアーム導波路2(光導波路であるが、本発明である位相制御回路の内部で使用される光導波路を除く光導波路を、以下アーム導波路とする)から構成されるマッハツェンダ干渉計から構成されており、2つの方向性結合器1の間のアーム導波路2の上方に光導波路を加熱するための薄膜ヒータ3が装荷されている。薄膜ヒータ3に電流を流すと、薄膜ヒータ3の下方のアーム導波路が加熱されて屈折率が変化し、光信号の位相がこれに伴い変化する。薄膜ヒータに流す電流を調節することによってこのアーム導波路を伝搬する光信号の位相を調整し、マッハツェンダ干渉計から出力される光信号強度を可変できる。
このようなデバイスに用いられる光導波路の作製方法としては、図2に示す通り、次のようなものがある。
シリコン基板4上に火炎堆積法(FHD)5を用いて、SiO2を主体としたアンダークラッド層6、そして、SiO2にGeO2を添加したコア層7を堆積する。そして、コア層7について反応性イオンエッチング法(RIE)8を用いてパターン化し、再び火炎堆積法を用いて、SiO2を主体としたオーバークラッド層9を堆積して埋め込み型光導波路を作製する。
しかしながら、このマッハツェンダ干渉計型の可変光減衰器では、光信号強度を最大限に変化させるためには500mW程度の消費電力が必要であり、複数を集積すると数十Wの消費電力が必要となり、如何にして消費電力を低減するかが課題であった。
一方、デジタル値を光の位相に対応させて伝送するデジタル変調方式の一つであるDPSK(差動位相偏移変調)で使用されるDPSK受信回路は、長さの異なる2本のアーム導波路2を有するマッハツェンダ干渉計を利用している。図3は従来型のDPSK受信回路を示す。これは、光信号を入力側の多モード干渉計型結合器11で分離した後、長いアーム導波路2を伝搬する光信号を短いアーム導波路2側を伝搬する信号に比べ1ビット遅延させた後、出力側の多モード干渉計型結合器11で干渉させ、光の位相変調を強度変調へと変換し、位相検出を行うための回路である。ここで、長さの異なる非対称なマッハツェンダ干渉計では、温度によりアーム導波路2の屈折率が変化し、従って2本のアーム導波路2の光路長が温度によって変化する。さらに、2本のアーム導波路2は長さが互いに異なるため、それぞれのアーム導波路2の光路長の差も温度によって変動する。よって、それぞれのアーム導波路2を伝搬した光信号を、後段の多モード干渉計型結合器11で干渉させ、位相検出を行う際に、(1ビット遅延ではなく)その遅延量が温度によって変動し、位相変調を強度変調として変換する際にその強度が温度によってばらつくこととなる。光の強度はその後、フォトダイオードによって電気信号に変換されるが、光強度の温度によるばらつきは、電気信号のばらつきへそのまま変換されるため、DPSKの受信特性が変動することとなり、この温度依存性を解消することが課題であった。尚、DPSK受信回路における、アーム導波路の光路長の差の変動は、DPSK受信回路のフィルタの波長(周波数)特性としては、波長シフトとして観測できるため、以後、光路長の差の変動と波長シフトとは同じ現象を意味していることとする。
<従来技術例1>
消費電力を低減するための一つの方法として、石英ガラスより大きな熱光学効果を有するシリコンを利用した熱光学スイッチが提案されている(非特許文献1)。これは、シリコンの大きな熱光学定数(石英の+20倍)を利用したもので、アーム導波路を構成する3.5μm角の石英導波路の中に0.3μm角のシリコン導波路を埋め込んだ構造をしている。シリコンを埋め込んだ石英導波路ではシリコン導波路内にモードフィールドが多く分布しており、薄膜ヒータにより、石英導波路およびシリコン導波路が加熱され、シリコンの大きな熱光学定数によって、同程度の光の位相変化を得るために薄膜ヒータに流す電流を小さくすることが可能となり、低消費電力化が可能となる。
消費電力を低減するための一つの方法として、石英ガラスより大きな熱光学効果を有するシリコンを利用した熱光学スイッチが提案されている(非特許文献1)。これは、シリコンの大きな熱光学定数(石英の+20倍)を利用したもので、アーム導波路を構成する3.5μm角の石英導波路の中に0.3μm角のシリコン導波路を埋め込んだ構造をしている。シリコンを埋め込んだ石英導波路ではシリコン導波路内にモードフィールドが多く分布しており、薄膜ヒータにより、石英導波路およびシリコン導波路が加熱され、シリコンの大きな熱光学定数によって、同程度の光の位相変化を得るために薄膜ヒータに流す電流を小さくすることが可能となり、低消費電力化が可能となる。
<従来技術例2>
また、消費電力を解消する別の方法として、石英ガラスより大きな熱光学効果を有する有機材料を用いた熱光学スイッチが提案されている(特許文献1)。これは、アーム導波路の途中に、アーム導波路を分断する溝が配置され、溝にアーム導波路の熱光学効果よりも大きな熱光学効果を有する有機材料を用いることによって、従来技術例1と同様に、低消費電力化が可能となる。
また、消費電力を解消する別の方法として、石英ガラスより大きな熱光学効果を有する有機材料を用いた熱光学スイッチが提案されている(特許文献1)。これは、アーム導波路の途中に、アーム導波路を分断する溝が配置され、溝にアーム導波路の熱光学効果よりも大きな熱光学効果を有する有機材料を用いることによって、従来技術例1と同様に、低消費電力化が可能となる。
R. Kasahara et al.,「Extremely low power consumption thermooptic switch (0.6 mW) with suspended ridge and silicon-silica hybrid waveguide structures」,ECOC 2008, 21-25 September 2008, Brussels, Belgium
しかし、従来技術例1においては、シリコン埋め込み光導波路を配置することにおいて、2.8dBの過剰損失が発生するという課題を有していた。
従来技術例2においては、アーム導波路を分断する溝は導波構造がないため、溝に充填された有機材料内を伝搬する光は閉じ込められず放射し、原理的な過剰損失がするという課題を有していた。
従来技術例3においては、DPSK受信回路の温度に依存した波長シフトによってDPSK受信回路の受信特性が温度によって変化し、この温度依存性を解消することが課題であった。
そこで、本発明の目的は、これらの課題を解決し、低消費電力である可変光減衰器、ならびに温度に依存した波長シフトが生じないDPSK受信回路となる、位相制御回路およびこの位相制御回路を用いた光干渉回路を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の位相制御回路およびこの位相制御回路を用いた光干渉回路は、請求項1乃至7であることを特徴とする位相制御回路およびこの位相制御回路を用いた光干渉回路である。
[実施例1]
図4に本発明の実施例1にかかる熱光学型可変光減衰器の回路構成を示す。これは、回路から出力される光信号強度を可変する機能を有する。
図4に本発明の実施例1にかかる熱光学型可変光減衰器の回路構成を示す。これは、回路から出力される光信号強度を可変する機能を有する。
実施例1の回路構成を以下に説明する。この可変光減衰器は、2つの方向性結合器1と、これらを連結するアーム導波路2とからなるマッハツェンダ干渉計であり、アーム導波路2に位相制御回路12が配置されている。図5に実施例1にかかる位相制御回路12を示す。この位相制御回路は、2つのモード変換器13と、これらを連結する2本の光導波路とからなり、2つのモード変換器13で挟まれたそれぞれの光導波路は、テーパ導波路14を介して中央部で一旦細くなる構成となっている。中央部の幅の細い光導波路15は1.5μm幅であり、2本の幅の細い光導波路15の間には溝16が形成されており、有機材料が充填されている。2本の幅の細い光導波路15の上方には、加熱用の薄膜ヒータ3が装荷されている。光導波路は、図2に示す作製手順により作製できる、SiO2を主体としたアンダークラッド6およびオーバークラッド9と、SiO2にGeO2を添加したコア10とからなる埋め込み型光導波路を用いた。コア10の屈折率は約1.48、コア10の周囲のアンダークラッドおよびオーバークラッドの屈折率は約1.44、コア10の断面形状は3.5μm角の矩形である。有機材料を充填するための溝16は、フォトリソグラフィにより所望のパターン化を行い、オーバークラッド9からアンダークラッド6にかけて貫通するようにエッチングすることで作製され、この溝16に、屈折率が約1.46であって熱光学定数が石英の−30倍程度の有機材料を充填する。
以下に、動作原理と低消費電力化が可能となる機構を説明する。実施例1の入力導波路に入射した光信号は、第1の方向性結合器1において、2本のアーム導波路2のそれぞれに等しく分配され、アーム導波路2を伝搬する。アーム導波路を伝搬した光信号に、位相制御回路12により図6に示すモード変換が行われる。位相制御回路12のモード変換器13の入力導波路の図6における地点Aでは単峰型のモードフィールドが励振されており、モード変換器13により双峰型のモードフィールドに変換される(図6の地点B)。次に、モード変換器13は2本の光導波路に接続され、所望のモードフィールドを得るためテーパ形状により導波路は狭くなっており、モード変換器の中央部でもモードフィールドは双峰型のモードフィールドとなっている(図6の地点C)。ここで重要なのは、複数の導波路が互いに近接している場合、それぞれの導波路の間にもモードフィールドが多く分布する点である。図6の地点Cにおいて、2本の光導波路の間には、熱光学定数が石英の−30倍の有機材料が充填されており、2本の光導波路の上方の薄膜ヒータを加熱することによって、これらの有機材料および光導波路が加熱される。この時、光のモードフィールドは屈折率の高い2本の光導波路上に極大値を有する双峰型であるが、図6の地点Cの波形の断面図に示すように、2つの極大値間にもモードフィールドが存在しており、充填された有機材料内にも多くモードフィールドが分布している。有機材料が石英の−30倍の熱光学定数を有するため、消費電力を低下させることができる。この機構は後に詳細に述べる。
以上より、薄膜ヒータによる加熱により位相を変化された光信号と、他方のアーム導波路を伝搬した光信号は、第二の方向性結合器で結合され、それぞれのアーム導波路を伝搬した光信号の位相差に応じて二本の出力導波路への分岐比が変化する。
以下に、低消費電力化について、詳細に説明する。図6の地点Cにおけるモードに関して、有機材料内に閉じ込められているモードのパワーの割合を知るために下式で与えられる閉じ込め係数Γを計算した。
ここで、Pはポインティングベクトルの総和、PΩは対象となる領域Ωにおけるポインティングベクトルの総和である。領域Ωは有機材料を充填した領域を示す。図6の地点Cの断面における閉じ込め係数を計算した。計算のための断面のモデル図を図7に示す。図7を参照すると、地点Cの断面は、光導波路であるコア10の断面が横1.5μm、縦が3.5μm、2本のコア10の中心の間隔が4.5μm、有機材料17が充填された溝の幅が3μmの構造をなす。計算の結果、有機材料17内におけるパワー分布(閉じ込め係数)はTE偏波で45.9%、TM偏波で44.7%となった。
次に、実施例1において使用する有機材料の熱光学定数は石英の約−30倍であるので、位相変化部における石英の熱光学定数で規格化した実効的な熱光学定数
は下式で与えられる。
これを計算すると、規格化された実効的な熱光学効果
はTE偏波で-13.2、TM偏波で-12.9となる。したがって、図1に示される従来型の熱光学型可変光減衰器に比べ、本発明の実施例1における熱光学型可変光減衰器の消費電力はTE偏波で1/13.2倍、TM偏波で1/12.9倍となり大幅な低消費電力化が可能となる。
位相制御回路の構成としては、実施例1の他の例として図8に示される構成がある。これは、1×2分岐回路18と2×1結合回路19とそれらを結ぶ2本の光導波路15から構成されており、2本の光導波路15間の幅は位相制御回路の中心に近くなるほど狭くなっている。実施例1と同様に2本の光導波路15の間には溝を配置し、石英よりも熱光学効果の大きな有機材料を充填し、2本の導波路15の上方には薄膜ヒータを装荷する。
次に、位相制御回路内の各位置に対するモードフィールドの変化を図9を用いて説明する。位相制御回路内の1×2分岐回路の入力部(図9の地点A)では単峰型のモードフィールドが励振されており、1×2分岐回路により図9の地点Aにおける単峰型と同じ形状の2つのモードフィールドが生成される(図9の地点B)。次に、2本の光導波路に接続され、2本の光導波路は互いに近接し、かつ、テーパ形状により導波路は狭くなる。その結果、中央部におけるモードフィールドは双峰型のモードフィールドとなり(図9の地点C)、本実施例と同様な効果が得られる。
実施例1においては、位相制御回路として、2本の光導波路の間に溝を形成し、熱光学定数の絶対値が石英ガラスに比べ大きな有機材料を充填した。しかしながら、例えば、オーバークラッドを、熱光学定数の絶対値が石英ガラスに比べ大きな有機材料に置き換えることによっても同様の機能が実現できることは明白である。
実施例1では、有機材料として、有機材料の上に薄膜ヒータを作製することが困難な材料を使用したため、有機材料の上に薄膜ヒータを装荷することは困難であったが、上に薄膜ヒータを作成できる有機材料を選別すれば、薄膜ヒータは複数の光導波路の直上だけでなく、光導波路の間の直上(本実施例では溝を形成するため配置できなかった部分)にも薄膜ヒータを形成することが可能となり、有機材料を効率よく加熱できる。
また、有機材料を充填する溝は光導波路の間に作成したが、溝を光導波路の外側に作製しても同様の機能が得られることも明白である。
[実施例2]
図10に本発明の実施例2における温度無依存DPSK受信回路の回路構成を示す。実施例2におけるDPSK受信回路は、2つの多モード干渉計型結合器11と、多モード干渉計型結合器11間に挟まれた長さの異なる2本のアーム導波路2からなるマッハツェンダ干渉計回路であり、それぞれのアーム導波路2内にはそれぞれ位相制御回路12が配置されている。位相制御回路12は実施例1とほぼ同様であるが、異なる点は、長いアーム導波路に配置された位相制御回路12は、薄膜ヒータは有さないが有機材料を充填した溝15を有し、短いアーム導波路に配置された位相制御回路12は、薄膜ヒータも有機材料を充填した溝も有さない。図11にそれぞれの位相制御回路の詳細図を示す。
図10に本発明の実施例2における温度無依存DPSK受信回路の回路構成を示す。実施例2におけるDPSK受信回路は、2つの多モード干渉計型結合器11と、多モード干渉計型結合器11間に挟まれた長さの異なる2本のアーム導波路2からなるマッハツェンダ干渉計回路であり、それぞれのアーム導波路2内にはそれぞれ位相制御回路12が配置されている。位相制御回路12は実施例1とほぼ同様であるが、異なる点は、長いアーム導波路に配置された位相制御回路12は、薄膜ヒータは有さないが有機材料を充填した溝15を有し、短いアーム導波路に配置された位相制御回路12は、薄膜ヒータも有機材料を充填した溝も有さない。図11にそれぞれの位相制御回路の詳細図を示す。
次に、実施例2におけるDPSK受信回路の機能を図10および図11を参照しながら説明する。このDPSK受信回路は、光信号を入力側の多モード干渉計型結合器11で分離した後、長いアーム導波路2を伝搬する光信号を短いアーム導波路2側の信号に比べ1ビット遅延させた後、出力側の多モード干渉計型結合器11で干渉させ、位相検出を行うための回路である。よって、40GbpsのDPSK信号を受信するためには、2本のアーム導波路2に所望の光路長差が必要となる。一般に、この光路長差は物理的な光導波路の長さの差で与えるため、長さの非対称なマッハツェンダ干渉計が必要となる。
ここで、I0は入力光の光強度、nは実効屈折率、L1は短い方のアーム導波路2の長さ、ΔLは二本のアーム導波路2の長さの差、λは光信号の波長、cは光速を示す。これより、スルーポートに最も透過する光信号波長λcは下式で表すことができる。
さらに、これの温度依存性は、温度Tで微分して、下式となる。
ここで、dn/dtは屈折率の温度依存性(熱光学定数)を示す。つまり、非対称なマッハツェンダ干渉計では温度により屈折率が変化して、これに伴い波長シフトが発生しDPSK受信回路の性能が温度により変化することとなり、この温度依存性を解消することが課題であった。これを解消するため、本特許に記載の位相制御回路を利用する。
これらの結果を用いて、DPSK受信回路の設計を行なった。
次に、1ビットの遅延を与えるためには、下式を満たす必要がある。
ここで、ngは群屈折率、cは光速、BitRateは光信号のビットレートを示す。
以上より、式(a)および(b)を満たすようなパラメータを選択すれば、温度無依存なDPSK受信回路を設計・作製することが可能となる。
具体的な設計パラメータは、ΔLは5.04mm、Δlは355μmとなる。
本実施例においては、導波路およびクラッドいずれも石英ガラスを主体とした材料を用いたが、この組み合わせに限らず、たとえば、導波路をシリコン、石英ガラス、半導体、ポリマーのいずれかとし、クラッドを石英ガラス、半導体、ポリマーのいずれかとした場合でも、同様な効果が得られることは明白である
実施例2においては、位相制御回路として、二本の光導波路の間に溝を形成し、熱光学定数が正負逆となる有機材料を配置した。しかしながら、例えば、オーバークラッドを熱光学定数が正負逆となる有機材料に置き換えることによっても同様な機能が実現できることは明白である。
実施例2においては、位相制御回路として、二本の光導波路の間に溝を形成し、熱光学定数が正負逆となる有機材料を配置した。しかしながら、例えば、オーバークラッドを熱光学定数が正負逆となる有機材料に置き換えることによっても同様な機能が実現できることは明白である。
このようにして、本発明である位相制御回路を、位相制御回路内の光導波路の間に溝を有するまたは有しない、およびヒータを有するまたは有しない、および正または負の熱光学定数を有する有機材料、および正または負の熱光学定数を有するクラッドを有する位相制御回路を、光干渉回路によって適宜組み合わせることによって光干渉回路に組み込み、DPSK受信回路などの光干渉計で生じる温度による波長シフトを解消することができる。また、DPSK受信回路に限らず、アレイ導波路回折格子などの、2つの結合、分岐回路とそれらを接続する長さの互いに異なる導波路からなる波長合分波フィルタの温度による波長シフトについても、実施例2と同様の方法で本発明である位相制御回路を用いることによって、温度依存性を解消することができる。
1 方向性指示器
2 アーム導波路
3 薄膜ヒータ
4 シリコン基板
5 火炎堆積法(FHD)
6 アンダークラッド層
7 コア層
8 反応性イオンエッチング法(RIE)
9 オーバークラッド層
10 コア
11 多モード干渉計型結合器
12 位相制御回路
13 モード変換機
14 テーパ導波路
15 光導波路
16 溝
17 有機材料
18 1×2分岐回路
19 2×1結合回路
2 アーム導波路
3 薄膜ヒータ
4 シリコン基板
5 火炎堆積法(FHD)
6 アンダークラッド層
7 コア層
8 反応性イオンエッチング法(RIE)
9 オーバークラッド層
10 コア
11 多モード干渉計型結合器
12 位相制御回路
13 モード変換機
14 テーパ導波路
15 光導波路
16 溝
17 有機材料
18 1×2分岐回路
19 2×1結合回路
Claims (9)
- 基板上の光導波路で構成される光回路において使用される位相制御回路であって、
基本モードを高次モードに変換する第1のモード変換部と、
前記第1のモード変換部に連結され、前記第1のモード変換部によって変換された前記高次モードの光を伝達させる複数本の光導波路と、
前記複数本の光導波路を連結し、前記高次モードを基本モードに変換する第二のモード変換部と
を備え、前記複数本の光導波路の間を構成する材料の熱光学定数の絶対値が、前記複数本の光導波路が構成する材料の熱光学定数の絶対値よりも大きいことを特徴とする位相制御回路。 - 前記複数本の光導波路の上方または前記複数本の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを装荷したことを特徴とする請求項1に記載の位相制御回路。
- 基板上の光導波路で構成される光回路において使用される位相制御回路であって、
基本モードを高次モードに変換する第1のモード変換部と、
前記第1のモード変換部に連結され、前記第1のモード変換部によって変換された前記高次モードの光を伝達させる複数本の光導波路と、
前記複数本の光導波路を連結し、前記高次モードを基本モードに変換する第二のモード変換部と
を備え、前記複数本の光導波路の間を構成する材料の熱光学定数が、前記複数本の光導波路が構成する材料の熱光学定数に対して正負逆であることを特徴とする位相制御回路。 - 前記複数本の光導波路の上方または前記複数本の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを装荷したことを特徴とする請求項3に記載の位相制御回路。
- 基板上の光導波路で構成される光回路において使用される位相制御回路であって、
基本モードを高次モードに変換する第1のモード変換部と、
前記第1のモード変換部に連結され、前記第1のモード変換部によって変換された前記高次モードの光を伝達させる複数本の光導波路と、
前記複数本の光導波路を連結し、前記高次モードを基本モードに変換する第二のモード変換部と
を備え、前記複数本の光導波路の間、または外側に溝が配置され、前記溝の中に前記複数本の光導波路が構成する材料の熱光学定数の絶対値よりも大きい熱光学定数を有する材料を充填したことを特徴とする位相制御回路。 - 前記複数本の光導波路の上方または前記複数本の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを装荷したことを特徴とする請求項5に記載の位相制御回路。
- 基板上の光導波路で構成される光回路において使用される位相制御回路であって、
基本モードを高次モードに変換する第1のモード変換部と、
前記第1のモード変換部に連結され、前記第1のモード変換部によって変換された前記高次モードの光を伝達させる複数本の光導波路と、
前記複数本の光導波路を連結し、前記高次モードを基本モードに変換する第二のモード変換部と
を備え、前記複数本の光導波路の間、または外側に溝が配置され、前記溝の中に前記複数本の光導波路が構成する材料の熱光学定数に対して正負逆である熱光学定数を有する材料を充填したことを特徴とする位相制御回路。 - 前記複数本の光導波路の上方または前記複数本の光導波路の間の上方に薄膜ヒータを装荷したことを特徴とする請求項7に記載の位相制御回路。
- 基板上の光導波路で構成される光干渉回路であって、
光分岐部と、
1つまたは複数の、請求項1乃至8に記載の位相制御光回路と、
光結合部と、
前記光分岐部と、前記1つまたは複数の、請求項1乃至8に記載の位相制御光回路との間、および前記1つまたは複数の、請求項1乃至8に記載の位相制御光回路と、前記光結合部との間をそれぞれ連結する複数本の光導波路と
を備え、前記1つまたは複数の、請求項1乃至8に記載の位相制御光回路を適宜選択し用いることによって光干渉回路の温度依存性によって生じる波長シフトを解消することを特徴とする光干渉回路。
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---|---|---|---|---|
CN103941428A (zh) * | 2014-05-05 | 2014-07-23 | 浙江大学 | 一种二氧化硅与聚合物混合集成光波导型热光调制器 |
CN110308506A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-10-08 | 中兴光电子技术有限公司 | 一种粗波分复用滤波器 |
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2010
- 2010-04-26 JP JP2010101238A patent/JP2011232458A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103941428A (zh) * | 2014-05-05 | 2014-07-23 | 浙江大学 | 一种二氧化硅与聚合物混合集成光波导型热光调制器 |
CN110308506A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-10-08 | 中兴光电子技术有限公司 | 一种粗波分复用滤波器 |
CN110308506B (zh) * | 2019-05-24 | 2022-03-01 | 中兴光电子技术有限公司 | 一种粗波分复用滤波器 |
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