JP4799602B2 - 導波路型光信号処理器 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信システムや光信号処理の分野で用いられる導波路型光信号処理器に関し、より詳しくは、光結合器と光路長差付与部とより構成される導波路型光信号処理器に関する。さらに詳細には、小型に集積し得る導波路型光信号処理器の回路レイアウトに関する。
近年のデータ通信容量の増大に伴い、光通信システムの大容量化、高度化、高機能化が求められている。この要求に対応し、多くの波長に信号をのせて、伝送容量を飛躍的に拡大させる波長分割多重伝送システムの普及が進んでいる。この波長分割多重伝送システムには、送信機側で複数の波長の光信号を合波したり、受信機側で1本の光ファイバ中の複数の光信号を異なるポートに分波する光波長合分波器、群遅延の分散を等化するための分散等化器、減衰した光信号を増幅する光アンプの等化器が広く使用されている。
様々な導波路型光回路構成の中でも、ラティス・フィルタ型回路構成は低損失で任意の波長特性を実現できることから、多く用いられている。ラティス・フィルタを用いた導波路型光信号処理器の例として、インタリーブ・フィルタ(文献1)や分散等化器(文献2)などが報告されている。また、ラティス・フィルタを複数台つないだ多段ラティス・フィルタ型導波路型光信号処理器の例として、1台のラティス・フィルタに2台のラティス・フィルタをつないだ光波長合分波器(文献3)、多数のラティス・フィルタを直列接続、並列接続した光波長合分波器(文献4)、1台のラティス・フィルタに2台のラティス・フィルタをつないだ波長分散補償器(文献5)などが報告されている。また、ラティス・フィルタ回路構成において、光路長差付与部が1つの構成であるマッハツェンダ干渉計回路を多段につないだ多段マッハツェンダ干渉計回路構成を用いた利得等化器(文献6)なども報告されている。
文献1:M. Oguma et al., “Compactly folded waveguide−typeinterleave filter withstabilized couplers,” Optical Fiber CommunicationConference 2002, March2002, 70−72
文献2:K. Takiguchi et al., “Dispersion Slope equaliseron planar lightwave circuit for 40 Gbit/s based WDMtransmission,” Electronics Letters, November 2001,Vol.37, 1469−1470
文献3:M. Oguma et al., “Four−channel flattop andlow−loss filter forwide passband WDMaccess network,” ElectronicsLetters, April 2001,Vol.37, pp.514−515
文献4:Y. Inoue et al., “Low−crosstalk 4−channel coarseWDM filter usingsilica−based planar−lightwave−circuit,” Optical Fiber CommunicationConference 2002, March2002, pp.75−76
文献5:M. Oguma et al., “Multi−channel chromatic dispersioncompensator consisting of modified interleave filter,” Optical FiberCommunication Conference 2003, March 2003,pp.710−711
文献6:K. Suzuki, “PLC−based dynamic gain equaliserconsisting of integrated Mach−Zehnder interferometers with C−and L−bandequalising range,” ElectronicsLetters,August 2002, Vol.38,1030−1031
以下では、導波路型光回路構成の中でも、最近特に注目されているラティス・フィルタ構成を用いたインタリーブ・フィルタを詳細に説明する。インタリーブ・フィルタは信号光を奇数チャネルと偶数チャネルとに分波する機能を持ち、アレイ導波路格子型合分波器(AWG)等のチャネル数を容易に倍増できる。さらに、AWG等の光波長合分器とインタリーブ・フィルタとを組み合わせることにより、透過帯域が平坦になり、クロストークも抑えられる。インタリーブ・フィルタはこれらの利点を有するため、近年ますますその需要が高まっている。また、最近では波長分割多重伝送システムのチャネル間隔の高密度化が進んでおり、それに伴いチャネル間隔の狭いインタリーブ・フィルタが求められている。
(従来技術の第1例)
従来のラティス・フィルタの一例を次に述べる。このラティス・フィルタは、N+1個の光結合器と、これらの光結合器につながる2本の光導波路からなるN個の光路長差付与部とが交互に従属接続され、最初の光結合器に入力導波路が接続され、最後の光結合器に出力導波路が接続された回路構成である。数Nが4個の場合のラティス・フィルタを図36に示す。図36の従来のラティス・フィルタの回路は、N+1=5個の光結合器201〜205と、N=4個の光路長差付与部211〜214と、最初の光結合器201に接続された入力導波路221、222と、最後の光結合器205に接続された出力導波路231、232とより構成される。光路長差付与部211は、光路長の異なる光導波路211A、211Bによって構成されている。同じようにして、光路長差付与部212、213、214は、光導波路212A、212B、光導波路213A、213B、光導波路214A、214Bによってそれぞれ構成されている。
しかし、従来のラティス・フィルタの回路レイアウトでは、回路サイズが大きく、それに伴い収率が低いという問題があった。また、最近では、狭チャネル間隔化が進み、光路長差付与部の光路長差が極めて長くなっている。さらに、製造誤差に対する安定性の高い光結合器(文献1)が使用されているが、従来の方向性結合器などの光結合器に比べて長さが長くなっている。これらの要因により、従来の回路レイアウトでは、ますます回路サイズが大きくなった。たとえば、従来の曲率半径が5mmの石英系光導波路を用いた場合、光路長差付与部の数Nが4個のラティス・フィルタは回路長が長くなり、4インチウエハに収容するのが困難となった。
このように、段数の多いラティス・フィルタ、光路長差付与部の光路長差の大きいラティス・フィルタ、そして、長さの長い光結合器を用いるには、回路サイズを小型化できる回路レイアウトが必要とされていた。
(従来技術の第2例)
回路サイズを小型化するため、図37に示す回路レイアウトが発明された(文献7の図3)。図37に示す回路レイアウトでは、入力導波路221、222から入射した光は、光結合器201を経て、反時計回りに光路長差付与部の光導波路211A、211B、光結合器202、光路長差付与部の光導波路212A、212B、光結合器203、光路長差付与部の光導波路213A、213B、光結合器204、光路長差付与部の光導波路214A、214B、光結合器205を通り、光結合器205に接続された出力導波路231、232へと伝搬する。図37では、光結合器205から出力端までの光導波路を点線で示した。
光結合器201〜205と、光路長差付与部の光導波路211A、211B〜214A、214Bとは、基板240に形成されている。
出力導波路231、232へ伝搬した光は、反時計回りに270度回転し、変曲点250に到達する。光は、変曲点250から今度は時計回りに、これまでと同じ距離だけ伝搬して、最後に出力端面より出射される。このような回路レイアウトにより、従来技術の第1例に比べて回路サイズが小型化された。
このような従来技術の第2例は次の文献7に記載されている。
文献7:特開2003−14960号公報(図3、図13)
先に述べた従来技術の第2例で説明した発明により、回路サイズが小型化されたが、さらに次の問題があった。回路に入射された光は、反時計回りに回路の内側に向かって伝搬して、最後の光結合器205から出力導波路231、232へと伝搬した。
しかし、その後さらに270度回転し、変曲点250を経て、変曲点250からさらにまた、これまでと同じ道のりを伝搬しなければならなかった。ラティス・フィルタの最後の光結合器205に接続された光導波路231、232から光を出力端面に取り出すまでの光導波路が必要になる分(点線で示した部分)、回路の伝搬長が長くなるという問題があった。光導波路の導波路長が長くなれば、伝搬損失が増大し、また光導波路を余分に有する分、回路サイズも大きくなった。さらに、出力導波路231、232は、光路長差付与部に沿って巻かれているため、光路長差付与部の光路長差が大きいラティス・フィルタほど、光導波路の長さが長くなった。
本発明は、前記の課題を解決し、従来の回路レイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できる回路レイアウトを可能にし、光導波路の伝搬長を短縮することにより伝搬損失が低減でき、回路サイズをさらに小型化することができる導波路型光信号処理器を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、基板上に形成された光導波路であり、光結合器と該光結合器につながる2本の光導波路からなる光路長差付与部とが交互に従属接続された導波路型光回路において、該導波路型光回路の最初の光結合器に入力導波路が接続され、該導波路型光回路の最後の光結合器に出力導波路が接続されており、該導波路型光回路がN+1個(Nは3以上の整数)の光結合器とN個の光路長差付与部とより構成されるラティス・フィルタ、もしくはラティス・フィルタがM台(Mは2以上の整数)つながれた多段ラティス・フィルタ、もしくは2個の光結合器と1個の光長路差付与部より構成されるマッハツェンダ干渉計がM台つながれた多段マッハツェンダ干渉計、もしくはラティス・フィルタとマッハツェンダ干渉計がM台つながれた多段光フィルタのいずれかであり、該光結合器の少なくとも二つが平行にレイアウトされ、残りの光結合器の長さ方向は、該平行にレイアウトされた二つ以上の光結合器の長さ方向に対してθ(0<θ≦π/2)の傾きをなし、前記傾きをなす光結合器の入力側および出力側に接続される光導波路が、円弧からなる光導波路を含み、かつ該円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向が入力側と出力側で逆になるようにレイアウトされ、前記光路長差付与部の各々について、該光路長差付与部を構成する2本の光導波路各々の前記円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計が、該円弧の曲率半径をRとしたとき、それぞれ(θ+π)・Rであることを特徴とする導波路型光信号処理器である。
請求項2の発明は、請求項1記載の導波路型光信号処理器において、前記θの傾きをなす光結合器がラティス・フィルタのk個目(2≦k≦N)の光結合器であり、該k個目の光結合器を挟むk−1個目とk個目の2つの光路長差付与部の相対的な光路長差が互いに逆符号であり、該k個目の光結合器につながるk−1個目とk個目の光路長差付与部を構成する2本の光導波路が夫々円弧からなる光導波路を含み、該k−1個目の光路長差付与部が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向と、該k個目の光路長差付与部が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向が逆になるようレイアウトされていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の導波路型光信号処理器において、前記光結合器の長さをL、光導波路の曲率半径をRとしたとき、tanθが0より大きく、かつ2・R/Lより小さくなるよう前記θが設定されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器において、前記光結合器が、L+1個(Lは自然数)の光結合器と隣接する光結合器に挟まれたL個の光路長差付与部によって構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器において、前記導波路型光回路が石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器において、前記導波路型光信号処理器を内部に有する筐体と、該筐体に保持され、前記導波路型光信号処理器に信号の入出力を行う光ファイバを有することを特徴とする。
本発明の導波路型光信号処理器によれば、導波路型光回路を構成する光結合器の少なくとも二つを平行にレイアウトし、残りの光結合器は、平行にレイアウトされた二つ以上の光結合器に対しθの傾きを与えることにより、従来技術に比べて小型に集積し得る導波路型光信号処理器の回路レイアウトを実現できる。
また、平行にレイアウトされた二つ以上の光結合器に対して傾きを有する光結合器に接続される、一方の光導波路と他方の光導波路とがそれぞれ円弧からなる光導波路を含み、一方の光導波路が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向と、他方の光導波路が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向とが逆になるようレイアウトすることにより、回路を小型にレイアウトすることができる。
さらに、本発明によれば、従来の回路レイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できるため、伝搬損失が低減でき、回路サイズをさらに小型化することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
以下の実施の形態では、平面光導波路を用い、光導波路としてはシリコン基板上に形成した石英系光導波路を使用した導波路型光信号処理器について説明する。これは、平面光導波路が集積性に優れ、導波路型光信号処理器の大規模化や作製費用の低コスト化に優れるためである。さらに、この組み合わせの光導波路が低損失で安定であり、しかも石英系光ファイバとの整合性に優れているためである。しかし、本発明はこれらの組み合わせに限定されるものではない。また、導波路型光信号処理器の説明は、一般的に広く用いられているラティス・フィルタ、多段ラティス・フィルタ、多段マッハツェンダ干渉計を例に取りあげて説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、他のフィルタ構成に関しても同様に適応可能である。
[実施の形態1]
図1に本発明の実施の形態1における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、光結合器11〜14と、光結合器11〜14に挟まれたそれぞれ2本の光導波路21A、21B〜23A、23Bより構成される光路長差付与部21〜23と、入力導波路31、32と、出力導波路33、34とより構成されている。2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。たとえば、光路長差付与部21の光路長差は、
光導波路21Aの光路−光導波路21Bの光路
である。光路長差付与部21〜23の光路長差はΔL、ΔL、ΔLであり、光路長差ΔL、ΔL、ΔLはそれぞれ負、負、正に設定されている。
図2は、図1に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は、4個の光結合器11〜14と、3個の光路長差付与部21〜23とがシリコン基板1に形成されたラティス・フィルタである。4個の光結合器11〜14のうち、光結合器11、12、14は平行にレイアウトされ、残りの光結合器13の長さ方向は、平行にレイアウトされた光結合器11、12、14の長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器13の傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定する。ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対し、θの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタのk=3個目の光結合器13であり、この光結合器13を挟むk−1=2個目とk=3個目の光路長差付与部22、23の相対的な光路長差ΔL、ΔLは互いに逆符号である(図1)。また、k=3個目の光結合器13につながるk−1=2個目とk=3個目の光路長差付与部22、23を構成する2本の光導波路22A、22B、23A、23Bがそれぞれ円弧からなる部分を含み、k−1=2個目の光路長差付与部22が含む円弧からなる光導波路22A、22Bを伝搬する光の回転方向と、k=3個目の光路長差付与部23が含む円弧からなる光導波路23A、23Bを伝搬する光の回転方向とが逆になるよう、レイアウトされている。
図3に本発明の特徴である回路レイアウトの詳細図を示す。ただし、2本の光導波路の間隔をS、光結合器13の長さをL、光路長差付与部22の一方の光導波路22Bと光結合器14に接続された出力導波路34との縦方向の間隔をD、光路長差付与部23の一方の光導波路23Aと光路長差付与部21の一方の光導波路21Aの縦方向の間隔をD、光路長差付与部23を構成する2本の光導波路23A、23Bが含む円弧部分の曲率半径をR、光路長差付与部22を構成する2本の光導波路22A、22Bが含む円弧部分の曲率半径をRとした。また、図3では円弧からなる光導波路を見やすくするため、円弧の部分を太線で表した。
入力導波路31もしくは入力導波路32より光を入力すると、光は光結合器11、光路長差付与部21、光結合器12を経て、光路長差付与部22へと伝搬してくる。光路長差付与部22では、円弧からなる光導波路22A、22Bを伝搬する光は、反時計回りに回転する。つぎに、光は光結合器13を経て、光路長差付与部23へと伝搬する。光路長差付与部23では、円弧からなる部分を伝搬する光は、光路長差付与部22での回転方向とは逆の、時計回りに回転する。
つぎに、各種パラメータ設定について説明する。光導波路が光路長差付与部で交差しないためには、DとDとが正になるようにすればよい。D>0、D>0の条件より、次の2つの式を満たすよう、パラメータを設定すればよい。
tanθ<(R+R)/L+(R−R)/Lcosθ−S(1/cosθ−1)/L
…(1)
tanθ<(R+R)/L−(R−R)/Lcosθ−S(1/cosθ−1)/L
…(2)
回路の曲率半径を一定値Rに設定したとすれば、数式(1)と数式(2)との第2項は0となる。また、通常S<<Lなので、cosθが小さい値を取らない限り、数式(1)と数式(2)との第3項は無視することができる。したがって、tanθは0より大きく、かつ概ね2・R/Lより小さい値を取るように設定すればよい。なお、図3の構成では、光路長差付与部22、23を構成する光導波路22A、22B、23A、23Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計は、それぞれ(θ+π)・Rに設定されている。
さらに、光路長差付与部の光路長差について詳細に説明する。先の図3に示すように、光路長差付与部23に横方向の光路長ΔXを光導波路23Aに与えるとすれば、光路長差は、
ΔL=2S(1+sinθ+cosθ)/(1+cosθ)+2ΔX …(3)
より求めることができる。数式(3)より、本発明の回路レイアウトは、傾きθの光結合器13に光路長差付与部を構成する2本の光導波路がつながっているため、従来技術のレイアウトとは異なり、光路長差は傾きθに依存する。そして、光路長ΔXの長さを調整することで、容易に光路長差を設定できる。
もちろん、前記の条件は、光結合器13の傾きθを設定する際の目安であり、その他自由に設定することができる。S≒LやS>>Lとなるパラメータを用いてもよいし、cosθが0に近い値をとってもよい。もし、D=Sに設定したい場合は、
2S=(S+2R)cosθ−Lsinθ …(4)
を満たすようにパラメータを決めればよい。また、D≒Sであっても構わない。
前記の記述は、導波路型光回路を図3に示したレイアウトにした特定の場合について述べており、これ以外の構成を取ったとしても、平行にレイアウトされた二つ以上の光結合器に対し、θの傾きになすようにすれば、導波路型光回路を小型にレイアウトすることができる。また、たとえば、cosθが0に限りなく近い値のとき、すなわち、傾きθがπ/2に近い値の場合や、数式(1)や数式(2)を満たさないパラメータを用いる場合、図3の光路長差付与部23に示す2Sの長さの直線導波路(長さΔXの直線導波路に対して垂直方向の光導波路)の長さを長くし、同様の直線導波路を光路長差付与部23の光導波路23Bに設ければよい。そうすれば、光結合器13の長さLに合わせて直線導波路の長さを調整することで、光路長差付与部22の光導波路22Bと出力導波路34とが交差しないようにすることができる。
また、本実施の形態では、2本の光導波路の間隔を一定値Sに設定したが、たとえば、光路長差付与部23では間隔をS1、光路長差付与部22では間隔をS2というように、異なる場所では異なる値になるよう導波路間隔を設定してもよい。さらに、光路長差付与部23が含む円弧の曲率半径R1と、光路長差付与部22が含む円弧の曲率半径R2とを同一値Rに設定したが、それらが異なる値でも構わない。また、光路長差付与部が含む円弧の曲率半径は場所ごとに異なる値をとってもよい。たとえば、光路長差付与部23を構成する光導波路23Aと光導波路23Bの含む円弧の曲率半径が異なる値であってもよいし、たとえば、光導波路23Aの含む円弧の曲率半径は一定値でなく、異なる曲率半径を有する円弧を複数用いてもよい。
本実施の形態による導波路型光信号処理器に用いた光結合器の構成を図4に示す。この長さLの光結合器は、入力導波路401、402と、近接した2本の光導波路41A、41Bからなる方向性結合器41と、出力導波路403、404とより構成されている。この光結合器では、入力導波路401と入力導波路402との間隔、出力導波路403と出力導波路404との間隔はSに設定してある。この光結合器では、方向性結合器41の近接した2本の光導波路41Aと光導波路41Bとで光が結合もしくは分岐される。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。本実施の形態では、L<<Rとなる値を用いた。2本の光導波路の間隔S=50μm、光結合器13の長さL=2mm、光導波路の曲率半径R=12mm、光結合器13の傾きθ=1.48radに設定し、tanθ=11は2R・L=12より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部22、23を構成する光導波路22A、22B、23A、23Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(1.48+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21〜23の光路長差は、
ΔL=−2ΔL−0.5λc
ΔL=−2ΔL
ΔL=ΔL
にそれぞれ設定し、光結合器11〜14の分岐比は、
=0.1、r=0.4、r=0.1、r=0.5
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.45%、光導波路のコア断面は7×7μm2になるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図5に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路33より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態による回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上、説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
[実施の形態2]
図6に本発明の実施の形態2における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、光結合器11A〜15Aと、光結合器11A〜15Aに挟まれたそれぞれ2本の光導波路21A、21B〜24A、24Bより構成される光路長差付与部21〜24と、入力導波路31、32と、出力導波路33、34とより構成されている。2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、実施の形態1と同じように、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部21〜24の光路長差はΔL、ΔL、ΔL、ΔLであり、光路長差ΔL、ΔL、ΔL、ΔLはそれぞれ負、負、正、正に設定されている。
図7は、図6に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は、5個の光結合器11A〜15Aと、4個の光路長差付与部21〜24とがシリコン基板1に形成されたラティス・フィルタである。5個の光結合器11A〜15Aのうち、光結合器11A、12A、14A、15Aは平行にレイアウトされ、残りの光結合器13Aの長さ方向は、平行にレイアウトされた4つの光結合器11A、12A、14A、15Aの長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器13Aの傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定する。ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて、導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対して、θの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタのk=3個目の光結合器13Aであり、この光結合器13Aを挟むk−1=2個目とk=3個目の光路長差付与部22、23の相対的な光路長差ΔL、ΔLは互いに逆符号である(図6)。また、k=3個目の光結合器13Aにつながるk−1=2個目とk=3個目の光路長差付与部22、23を構成する2本の光導波路22A、22B、23A、23Bがそれぞれ円弧からなる部分を含み、k−1=2個目の光路長差付与部22が含む円弧からなる光導波路22A、22Bを伝搬する光の回転方向と、k=3個目の光路長差付与部23が含む円弧からなる光導波路23A、23Bを伝搬する光の回転方向とが逆になるよう、レイアウトされている。
図8に導波路型光信号処理器に用いた光結合器の構成を示す。この長さLの光結合器は入力導波路40、40と、近接した2本の光導波路41A、41B、42A、42Bからなる2個の方向性結合器41、42と、隣接する方向性結合器41、42に挟まれた1個の微小光路長差付与部4010と、出力導波路40、40とより構成されている。微小光路長差付与部4010は、光導波路4011、4012で構成されている。そして、入力導波路40と入力導波路40との間隔、出力導波路40と出力導波路40との間隔はSに設定してある。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。本実施の形態では、L≒Rとなる値を用いた。2本の光導波路の間隔S=100μm、光結合器13Aの長さL=4.5mm、光導波路の曲率半径R=5mm、光結合器13の傾きθ=1.13radに設定し、tanθ=2.1は2R・L=2.2より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部22、23を構成する光導波路22A、22B、23A、23Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(1.13+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21〜24の光路長差は、
ΔL=−2ΔL
ΔL=−2ΔL−0.5λc
ΔL=2ΔL
ΔL=ΔL
にそれぞれ設定し、光結合器11A〜15Aの分岐比は、
=0.2、r=0.6、r=0.1、r=0.1、r=0.5
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図9に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路33より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性(出力2)を示す。本実施の形態による回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
本実施の形態のラティス・フィルタは、図36、37に示した従来技術と等価の回路構成である。本実施の形態の回路レイアウトを適用することにより、従来のレイアウトと比較して、光導波路の伝搬長を大幅に短縮できたことが明らかである。また、光導波路の伝搬長が短くなったので、伝搬損失が低減でき、さらに回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できたことが明瞭に分かる。
[実施の形態3]
図10に本発明の実施の形態3における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、光結合器11B〜14Bと、光結合器11B〜14Bに挟まれたそれぞれ2本の光導波路21A、21B〜23A、23Bより構成される光路長差付与部21〜23と、入力導波路31、32と、出力導波路33、34とより構成されている。2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部21〜23の光路長差ΔL、ΔL、ΔLは、それぞれ負、負、正に設定されている。
図11は図10に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は、4個の光結合器11B〜14Bと、3個の光路長差付与部21〜23とより構成されるラティス・フィルタである。4個の光結合器11B〜14Bのうち、光結合器11B、12B、14Bは平行にレイアウトされ、残りの光結合器13Bの長さ方向は、平行にレイアウトされた3つの光結合器11B、12B、14Bの長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器13Bの傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定する。ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対し、θの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタのk=3個目の光結合器13Bであり、この光結合器13Bを挟むk−1=2個目とk=3個目の光路長差付与部22、23の相対的な光路長差ΔL、ΔLは互いに逆符号である(図10)。また、k=3個目の光結合器13Bにつながるk−1=2個目と、k=3個目の光路長差付与部22、23を構成する2本の光導波路がそれぞれ円弧からなる部分を含み、k−1=2個目の光路長差付与部22が含む円弧からなる光導波路22A、22Bを伝搬する光の回転方向と、k=3個目の光路長差付与部23が含む円弧からなる光導波路23A、23Bを伝搬する光の回転方向が逆になるようレイアウトされている。
本実施の形態による導波路型光信号処理器に用いた光結合器の構成を図12示す。この長さLの光結合器は、入力導波路40、40と、近接した2本の光導波路41A、41B〜44A、44Bからなる4個の方向性結合器41〜44と、隣接する方向性結合器41〜44に挟まれた3個の微小光路長差付与部4010〜4030と、出力導波路40、40とより構成されている。微小光路長差付与部4010〜4030は、光導波路4011、4012〜4031、4032で構成されている。この光結合器では、入力導波路40と入力導波路40との間隔、出力導波路40と出力導波路40との間隔はSに設定してある。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。本実施の形態では、L>>Rとなる値を用いた。2本の光導波路の間隔S=250μm、光結合器13Bの長さL=15mm、光導波路の曲率半径R=2mm、光結合器13Bの角度θ=0.21radに設定し、tanθ=0.2は2R・L=0.3より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部22、23を構成する光導波路22A、22B、23A、23Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(0.21+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21〜23の光路長差は、
ΔL=−2ΔL−O.5λc
ΔL=−2ΔL
ΔL=ΔL
にそれぞれ設定し、光結合器11B〜14Bの分岐比は、
=0.1、r=0.4、r=0.1、r=0.5
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図13に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路33より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
[実施の形態4]
図14に本発明の実施の形態4における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、3台のラティス・フィルタ(M=3)つないだ多段ラティス・フィルタであり、m=1台目の導波路型光回路111の2本の出力導波路にそれぞれ第1(m+1台目)および第2(m+2台目)導波路型光回路112、113が接続されている。図15は、図14に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。
m=1台目の導波路型光回路111の2本の入力導波路を本回路の入力導波路111B、111Cとして用い、m+1=2台目の導波路型光回路112の入力導波路を本回路の入力導波路111Aとして用い、m+2=3台目の導波路型光回路113の入力導波路を本回路の入力導波路111Dとして用いた。また、2台目の導波路型光回路112の2本の出力導波路を本回路の出力導波路112A、112Bとして用い、3台目の導波路型光回路113の2本の出力導波路を本回路の出力導波路113A、113Bとして用いた。そして、本回路で用いた導波路型光回路111〜113は、実施の形態3で説明したラティス・フィルタを用いている。
このように、本発明のレイアウトの導波路型光回路を、本実施の形態のように多段に接続した場合も、従来のレイアウトに比べて、導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
実施の形態3で示した設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図16に、入力導波路111Bより光を入力し、出力導波路112Bより出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路113Aより出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。また、図17に示すレイアウトの場合にも、同じ透過波形が得られることを確認した。もちろん、図15や図17に示すレイアウトは本発明の適用例であり、ここで説明した以外の構成をとっても構わない。
従来技術の回路レイアウト(文献7の図13に類する構成)で本実施の形態の導波路型光信号処理器に相当する光回路をレイアウトした場合、光路長差付与部の光路長差が長いため、回路の横方向の長さが80mmを超え、4インチウエハで作製するのは困難であった。もちろん、(文献7の図3に類する構成)に示す従来技術の回路レイアウトで個々のラティス・フィルタをレイアウトし、それらを3台つなぐことにより、4インチウエハで作製することもできるが、そうすると、今度は個々のラティス・フィルタでそれぞれ伝搬長が増えるため、伝搬損失が増し、回路サイズが大きくなった。
それに対し、図15に示す本実施の形態の回路レイアウトでは、チャネル間隔が狭く、ラティス・フィルタを3台つないだ狭チャネル多段ラティス・フィルタでも、チップサイズが75×15mmとなったため、4インチウエハ上に容易に収容できた。
以上、説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。また、チャネル間隔が狭く、ラティス・フィルタを多段につないだ狭チャネル多段ラティス・フィルタでも、従来技術に比べて回路サイズを小型にすることができた。
[実施の形態5]
図18に本発明の実施の形態5における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、光結合器11〜15と、光結合器11〜15に挟まれたそれぞれ2本の光導波路21A、21B〜24A、24Bにより構成される光路長差付与部21〜24と、入力導波路31、32と、出力導波路33、34とより構成されている。2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部21〜24の光路長差ΔL、ΔL、ΔL、ΔLはそれぞれ負、正、負、正に設定されている。
図19は図18に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は、5個の光結合器11〜15と、4個の光路長差付与部21〜24とより構成されるラティス・フィルタであり、5個の光結合器のうち光結合器11、13、15は平行にレイアウトされ、残りの光結合器12、14の長さ方向は、平行にレイアウトされた3つの光結合器11、13、15の長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器12、14の傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定し、それぞれθ、θとする。
ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて、導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対し、θとθの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタのk=2個目の光結合器12とk=4個目の光結合器14である。光結合器12を挟むk−1=1個目とk=2個目の光路長差付与部21、22の相対的な光路長差ΔL、ΔLは互いに逆符号であり、光結合器14を挟むk−1=3個目とk=4個目の光路長差付与部23、24の相対的な光路長差ΔL、ΔLは互いに逆符号である(図18)。
また、k=2個目の光結合器12につながるk−1=1個目とk=2個目の光路長差付与部21、22を構成する2本の光導波路21A、21B、22A、22Bがそれぞれ円弧からなる部分を含み、k−1=1個目の光路長差付与部21が含む円弧からなる光導波路21A、21Bを伝搬する光の回転方向と、k=2個目の光路長差付与部22が含む円弧からなる光導波路22A、22Bを伝搬する光の回転方向とが逆になるようレイアウトされている。
また、k=4個目の光結合器14につながるk−1=3個目とk=4個目の光路長差付与部23、24を構成する2本の光導波路23A、23B、24A、24Bがそれぞれ円弧からなる部分を含み、k−1=3個目の光路長差付与部23が含む円弧からなる光導波路23A、23Bを伝搬する光の回転方向と、k=4個目の光路長差付与部24が含む円弧からなる光導波路24A、24Bを伝搬する光の回転方向とが逆になるようレイアウトされている。
本実施の形態では、個々の光結合器として図4に示した光結合器を用いた。また、光結合器12の長さはL、光結合器14の長さはLとした。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。本実施形態では、L≒Rとなる値を用いた。2本の光導波路の間隔S=250μm、光結合器12、14の長さL=3mm、L=2mm、光導波路の曲率半径R=2mm、光結合器12、14の角度はそれぞれθ=0.80rad、θ=1.00radに設定し、tanθ=1.0は2R・L=1.3より小さく、tanθ=1.6は2R・L=2.0より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部21、22を構成する光導波路21A、21B、22A、22Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(0.80+π)・Rになり、光路長差付与部23、24を構成する光導波路23A、23B、24A、24Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(1.00+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21〜24の光路長差は、
ΔL=−2ΔL−O.5λc
ΔL=−2ΔL
ΔL=2ΔL+0.5λc
ΔL=ΔL+0.5λc
にそれぞれ設定し、光結合器11〜15の分岐比は、
=0.4、r=0.3、r=0.1、r=0.7、r=0.5
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図20に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路33より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上、説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
本実施の形態では、光路長差付与部が4個で光結合器が5個のラティス・フィルタを用い、5個の光結合器のうち3個の光結合器11、13、15が平行で、2個の光結合器12、14がそれに対してθ、θの角度で傾くようレイアウトしたが、例えば2個の光結合器12、14を平行にし、3個の光結合器11、13、15をθ、θ、θの角度に傾けてレイアウトしても良い。また、光路長差付与部が3個で光結合器が4個のラティス・フィルタに適用してもよいし、光路長差付与部が5個以上で光結合器が6個以上のラティス・フィルタに適用してもよい。
[実施の形態6]
図21に本発明の実施の形態6における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、光結合器11A〜13Aと、光結合器11A〜13Aに挟まれたそれぞれ2本の光導波路21A、21B、22A、22Bより構成される光路長差付与部21、22と、入力導波路31、32と、出力導波路33、34とより構成されている。2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部21、22の光路長差ΔL、ΔLはそれぞれ正、正に設定されている。
図22は図21に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は3個の光結合器と2個の光路長差付与部とより構成されるラティス・フィルタであり、3個の光結合器のうち光結合器12A、13Aは平行にレイアウトされ、残りの光結合器11Aの長さ方向は、平行にレイアウトされた2つの光結合器12A、13Aの長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器11Aの傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定する。ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対し、θの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタの1個目の光結合器11Aである。この光結合器11Aにつながる1個目の光路長差付与部21を構成する2本の光導波路21A、21Bが円弧からなる部分を含み、かつ、この光結合器11Aにつながる入力導波路31、32を構成する光導波路が円弧からなる部分を含み、1個目の光路長差付与部21が含む円弧からなる光導波路21A、21Bを伝搬する光の回転方向と、入力導波路31、32が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向とが逆になるようレイアウトされている。
本実施の形態では、個々の光結合器として図8に示した光結合器を用いた。光結合器11Aの長さはLとした。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。本実施の形態では、L≒Rとなる値を用いた。2本の光導波路の間隔S=500μm、光結合器11Aの長さL=6mm、光導波路の曲率半径R=5mm、光結合器11Aの角度θ=0.90radに設定し、tanθ=1.3は2R・L=1.7より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部21を構成する光導波路21A、21Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(0.90+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21、22の光路長差は、
ΔL=ΔL
ΔL=2ΔL+0.5λc
にそれぞれ設定し、光結合器11A、12A、13Aの分岐比は、
=0.5、r=0.8、r=0.1
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図23に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路33より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上、説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて、光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
本実施の形態では、光路長差付与部が2個のラティス・フィルタを用いたが、光路長差付与部の数が3個以上であってもよい。また、本実施の形態では、平行にレイアウトされた複数の光結合器に対し、θの傾きをなす光結合器はラティス・フィルタの1個目の光結合器であったが、それがN+1個目の光結合器であってもよい。
[実施の形態7]
図24に本発明の実施の形態7における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、3台のラティス・フィルタ121〜123(M=3)をつないだ多段ラティス・フィルタであり、m=1台目のラティス・フィルタに第1(m+1台目)および第2(m+2台目)ラティス・フィルタが接続されている。
1台目のラティス・フィルタ121は、光結合器11A〜13Aと、これらの光結合器11A〜13Aに挟まれたそれぞれ2本の光導波路より構成される光路長差付与部21、22と、光結合器11Aに接続された入力導波路32、33とより構成される。
第1(m+1台目)のラティス・フィルタ122は、光結合器11A〜13Aと、光結合器11A〜13Aに挟まれたそれぞれ2本の光導波路より構成される光路長差付与部部21、22と、光結合器11Aに接続された入力導波路31と、光結合器13Aに接続された出力導波路35、36とより構成される。
第2(m+2台目)のラティス・フィルタ123は、光結合器11A〜13Aと、光結合器11A〜13Aに挟まれたそれぞれ2本の光導波路より構成される光路長差付与部21、22と、光結合器11Aに接続された入力導波路34と、光結合器13Aに接続された出力導波路37、38とより構成される。
ラティス・フィルタ121の光路長差付与部21は光導波路21A、21Bで構成され、光路長差付与部22は光導波路22A、22Bで構成されている。
ラティス・フィルタ122の光路長差付与部21は光導波路21A、21Bで構成され、光路長差付与部22は光導波路22A、22Bで構成されている。
ラティス・フィルタ123の光路長差付与部21は光導波路21A、21Bで構成され、光路長差付与部22は光導波路22A、22Bで構成されている。
1台目のラティス・フィルタ121のN+1個目の光結合器13Aと第1(m+1台目)のラティス・フィルタ122の1個目の光結合器11Aを光導波路121でつないでおり、m=1台目のラティス・フィルタ121のN+1個目の光結合器13Aと第2(m+2台目)のラティス・フィルタ123の1個目の光結合器11Aを光導波路121でつないでいる。
2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表している。光路長差付与部21、22、21、22、21、22の光路長差ΔL、ΔL、ΔL、ΔL、ΔL、ΔLはそれぞれ負、負、正、正、正、正に設定されている。
図25は図24に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は9個の光結合器と6個の光路長差付与部とより構成される多段ラティス・フィルタであり、9個の光結合器のうち光結合器11A、12A、12A、13A、12A、13Aは平行にレイアウトされ、残りの光結合器13A、11A、11Aの長さ方向は、平行にレイアウトされた6つの光結合器の長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器の傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定し、それぞれθ、θ、θとする。
ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本実施の形態のレイアウトをさらに詳しく説明すると、本実施の形態の導波路型光回路を構成するm=1台目の光回路(導波路型光回路121)のN+1=3個目の光結合器13Aに接続された出力導波路121、121に、それぞれ第1(m+1台目)光回路(導波路型光回路122)と第2(m+2台目)光回路(導波路型光回路123)とが接続されている。
m=1台目の光回路と第1(m+1台目)光回路とをつなぐ光導波路121と、この光導波路121につながる第1(m+1台目)光回路の1個目の光結合器11Aと、m=1台目の光回路と第2(m+2台目)光回路とをつなぐ光導波路121と、光導波路121につながる第2(m+2台目)光回路の1個目の光結合器11Aと、第1(m+1台目)光回路と第2(m+2台目)光回路につながるm=1台目の光回路のN+1=3個目の光結合器13Aと、第1(m+1台目)光回路と第2(m+2台目)光回路の1個目の光結合器11A、11Aとm=1台目の光回路のN+1=3個目の光結合器13Aにつながるその他の光導波路を一つの光結合器とみなしたとき(図26)、この光結合器が、平行にレイアウトされた光結合器11A、12A、12A、13A、12A、13Aに対し、Θ(0<Θ≦π/2)の傾きをなしている。
Θの傾きをなす光結合器につながるm=1台目の光回路のN=2個目の光路長差付与部22を構成する2本の光導波路22A、22Bが円弧からなる光導波路を含み、かつ、Θの傾きをなす光結合器につながる第1(m+1台目)の光回路と第2(m+2台目)の光回路の1個目の光路長差付与部21、21を構成する2本の光導波路がそれぞれ円弧からなる光導波路を含む。そして、m=1台目の光回路のN=2個目の光路長差付与部22が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向と、第1(m+1台目)の光回路と第2(m+2台目)の光回路の1個目の光路長差付与部21、21がそれぞれ含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向とが逆になるようレイアウトされている。
本実施の形態では、個々の光結合器として図8に示した光結合器を用いた。また、図26に示す、傾きΘをなす光結合器の長さは、入力導波路と出力導波路とを含めてLとした。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。2本の光導波路の間隔S=100μm、傾きΘをなす光結合器(図26)の長さL=10mm、光導波路の曲率半径R=5mm、傾きΘをなす光結合器の角度Θ=0.77radに設定し、tanΘ=0.97は2R・L=1.00より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部22、21、21を構成する光導波路22A、22B、21A、21B、21A、21Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(0.77+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21、22、21、22、21、22の光路長差は、
ΔL=−2ΔL−0.5λc
ΔL=−ΔL
ΔL=ΔL
ΔL=2ΔL+0.5λc
ΔL=ΔL
ΔL=2ΔL+0.5λc
にそれぞれ設定し、光結合器11A〜13A、11A〜13A、11A〜13Aの分岐比は、
=0.1、r=0.8、r=0.5
=0.5、r=0.8、r=0.1
=0.5、r=0.8、r=0.1
にそれぞれ設定した。そして、導波路型光回路121の中心波長と導波路型光回路122、123の中心波長とが互いに1チャネル分異なるように設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は0.75%、光導波路のコア断面は6×6μm2になるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図27に入力導波路33より光を入力し、出力導波路36より出力された透過率の波長依存性(出力1)と、出力導波路38より出力された透過率の波長依存性(出力2)とを示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上、説明したように、本発明のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
本実施の形態では、光路長差付与部が2個のラティス・フィルタを3台用い、1台目のラティス・フィルタの出力に2台のラティス・フィルタを並列接続したが、マッハツェンダ干渉計を複数台並列接続しても構わないし、前段の1台目の光回路と後段の2台目と3台目の光路長差付与部の数は異なっていてもよく、ラティス・フィルタとマッハツェンダ干渉計を組み合わせて複数台並列接続してもよい。また、ラティス・フィルタの光路長差付与部の数は3個以上であっても構わないし、4台以上を接続して多段ラティス・フィルタや多段光フィルタを構成してもよい。
[実施の形態8]
図28に本発明の実施の形態8における導波路型光信号処理器の回路構成図を示す。本回路は、3台のマッハツェンダ干渉計(M=3)をつないだ多段マッハツェンダ干渉計である。
1台目のマッハツェンダ干渉計は、光結合器11A、12Aと、光結合器11A、12Aに挟まれた2本の光導波路21A、21Bより構成される光路長差付与部21と、光結合器11Aに接続された入力導波路31、32と、光結合器12Aに接続された出力導波路34Aとより構成される。
2台目のマッハツェンダ干渉計は、光結合器13A、14Aと、光結合器13A、14Aに挟まれた2本の光導波路22A、22Bより構成される光路長差付与部22と、光結合器13Aに接続された入力導波路31Aと、光結合器14Aに接続された出力導波路33Aとより構成される。
3台目のマッハツェンダ干渉計は、光結合器15A、16Aと、光結合器15A、16Aに挟まれた2本の光導波路23A、23Bより構成される光路長差付与部23と、光結合器15Aに接続された入力導波路31Bと、光結合器16Aに接続された出力導波路33、34とより構成される。
本実施の形態では、途中、入力導波路31Bと出力導波路33Aとは交差し、交差導波路30となっている。そして、1台目のマッハツェンダ干渉計の光結合器12Aと2台目のマッハツェンダ干渉計の光結合器13Aとを光導波路30でつないでおり、2台目のマッハツェンダ干渉計の光結合器14Aと3台目のマッハツェンダ干渉計の光結合器15Aとを光導波路30でつないでいる。
2本の光導波路からなる光路長差付与部の光路長差は、一方の光導波路(図では下側の光路)に対する他方の光導波路(図では上側の光路)の相対的な光路長差を表しており、光路長差付与部21〜23の光路長差ΔL、ΔL、ΔLはそれぞれ負、正、正に設定されている。
図29は図28に示した回路構成に本発明を適用した場合の導波路型光信号処理器の回路レイアウトである。本回路は6個の光結合器11A〜16Aと3個の光路長差付与部21〜23とより構成される多段マッハツェンダ干渉計であり、6個の光結合器11A〜16Aのうち光結合器11A、14A、15A、16Aは平行にレイアウトされ、残りの光結合器12A、13Aの長さ方向は、平行にレイアウトされた4つの光結合器11A、14A、15A、16Aの長さ方向に対し、θ(θ≠0)の傾きをなしている。ただし、光結合器12A、13Aの傾きθは、0<θ≦π/2となる値を取るように設定し、それぞれθ、θとする。
ラティス・フィルタをこのようにレイアウトすることにより、従来のレイアウトに比べて、導波路の伝搬長を短縮でき、回路サイズを小型化できる。
本発明のレイアウトをさらに詳しく説明すると、本実施の形態の導波路型光回路を構成するm=1台目の光回路の2個目の光結合器に接続された出力導波路にm+1=2台目の光回路が接続されている。
そして、導波路型光回路を構成するm=1台目の光回路とm+1=2台目の光回路をつなぐ光導波路30と、この光導波路30につながるm=1台目の光回路の2個目の光結合器12Aと、この光導波路302につながるm+1=2台目の光回路の1個目の光結合器13Aと、m=1台目の光回路の2個目の光結合器12Aとm+1=2台目の光回路の1個目の光結合器13Aにつながる光導波路を一つの光結合器とみなしたとき(図30)、この光結合器が、平行にレイアウトされた4つの光結合器11A、14A、15A、16Aに対し、Θ(0<Θ≦π/2)の傾きをなしている(図29)。
このΘの傾きをなす光結合器につながるm=1台目とm+1=2台目の光回路の光路長差付与部21Aと22Aとを構成する2本の光導波路21A、21B、22A、22Bがそれぞれ円弧からなる部分を含み、このm=1台目の光回路の光路長差付与部21が含む円弧からなる光導波路21A、21Bを伝搬する光の回転方向と、このm+1=2台目の光回路の光路長差付与部22が含む円弧からなる部分を伝搬する光の回転方向が逆になるようレイアウトされている。
本実施の形態では、個々の光結合器として図8に示した光結合器を用いた。また、図30に示す傾きΘをなす光結合器の長さは、入力と出力導波路を含めてLとした。
つぎに、作製した導波路型光信号処理器の設計例を示す。2本の光導波路の間隔S=250μm、傾きΘをなす光結合器の長さL=10mm、光導波路の曲率半径R=2mm、傾きΘをなす光結合器の角度Θ=0.31radに設定し、tanΘ=0.3は2R・L=0.4より小さい値となった。なお、本実施の形態では、光路長差付与部21、22を構成する光導波路21A、21B、22A、22Bが含む円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計はそれぞれ(0.31+π)・Rになった。ここで、単位光路長差をΔL、用いる波長の中心波長をλcとすると、光路長差付与部21〜23の光路長差は、
ΔL=−ΔL、ΔL=ΔL、ΔL=ΔL
にそれぞれ設定し、光結合器11A〜16Aの分岐比は、
=0.5、r=0.5、r=0.5
=0.5、r=0.5、r=0.5
にそれぞれ設定した。
前記の設計値に基づき、火炎堆積法、フォトリソグラフィ技術、反応性イオンエッチングを用いて、石英系光導波路回路を作製した。光導波路の比屈折率は1.5%、光導波路のコア断面は4.5×4.5μmになるよう作製した。
この導波路型光信号処理器が作製されたチップをダイシングにより切り出し、その透過特性を評価した。図31に、入力導波路31より光を入力し、出力導波路34より出力された透過率の波長依存性を示す。本実施の形態の回路レイアウトを採用することにより、波形に劣化が生じないことが確認できた。
以上、説明したように、本実施の形態のレイアウトを適用することにより、従来のレイアウトに比べて光導波路の伝搬長を短縮できたので、伝搬損失が低減でき、さらに、回路サイズも従来レイアウトに比べて小型化できた。
本実施の形態では光路長差付与部が1個のマッハツェンダ干渉計を3台用い、1台目のマッハツェンダ干渉計の出力に2台目のマッハツェンダ干渉計を直列接続し、2台目のマッハツェンダ干渉計の出力に3台目のマッハツェンダ干渉計を直列接続したが、ラティス・フィルタを複数台直列接続してもよいし、ラティス・フィルタとマッハツェンダ干渉計を組み合わせて複数台直列接続してもよい。また、直列接続と並列接続を併用して回路を構成し、本実施の形態の回路レイアウトを適用してもよい。
以上に述べた本発明の実施の形態1〜8で説明した導波路型光信号処理器は、本発明の構成例の一つであり、これらの構成に限定されるものではない。たとえば、図32に示したように回路をレイアウトしてもよい。また、各実施の形態で説明した構成を複数組み合わせてもよい。たとえば、図33は、4つの光結合器11〜14と3つの光路長差付与部21〜23とより構成されるラティス・フィルタであり、そのk=2個目の光結合器12とk=4個目の光結合器14とが平行にレイアウトされており、その1個目の光結合器11が、平行にレイアウトされた二つの光結合器12、14に対し、θの傾きをなしている(例えば実施の形態6)と同時に、そのk=3個目の光結合器13が、平行にレイアウトされた二つの光結合器12、14に対し、θの傾きをなしている(例えば実施の形態1)。
また、以上に述べた各実施の形態では、図34に示すように、導波路型光信号処理器をシリコン基板1上に形成された石英系光導波路を用いて作製した。すなわち、シリコン基板1上に火炎堆積法でSiOを主体にした下部クラッドガラススート2、SiOにGeOを添加したコアガラススート3を堆積した(図34(a))。その後、1000℃以上の高温でガラス透明化を行った。このときに、下部クラッドガラス層2Aとコアガラス3Aとが、設計した厚さとなるように、ガラスの堆積を行った(図34(b))。
引き続き、フォトリソグラフィ技術を用いて、コアガラス3A上にエッチングマスク4を形成し(図34(c))、反応性イオンエッチングによってコアガラス3Aのパターン化を行った(図34(d))。
エッチングマスク4を除去した後、上部クラッドガラス5を再度火炎堆積法で形成した。上部クラッドガラス5にはBやPなどのドーパントを添加してガラス転移温度を下げ、それぞれのコアガラス3Aとコアガラス3Aの狭い隙間にも上部クラッドガラス5が入り込むようにした(図34(e))。
こうして、各実施の形態の導波路型光信号処理器を作製した。
ところで、各実施の形態で述べた導波路型光信号処理器のチップを用いて、次のように光モジュールを組み立てた。図35に示すように、光モジュールは、熱伝導性の良い筐体151の内部にペルチェ保持板152を固定ネジ153で固定し、図示を省略しているが、ペルチェ保持板152を掘削して作製した、凹部にペルチェ素子と温度センサ(熱伝対)とをその近傍に配置している。ペルチェ素子および温度センサの直上に、PLCチップ154が来るように配置している。PLCチップ154の端部には、ガラス板155を接着剤で接着し、ファイバ156を保持しているファイバブロック157と光結合するように接着している。
ファイバ156は、筐体151の縁に設けた凹部に断熱性弾性接着剤158で接着してあり、さらに、ファイバコード159を有するファイバブーツ160を筐体151に埋め込むように保持している。PLCチップ154はペルチェ保持板152に断熱性弾性接着剤158で接着されている。
最後に、これらを被うように蓋をかぶせてネジ止めし、本発明の光モジュールを組み立てた。なお、蓋とネジ止め部とは図示を省略している。本発明の回路は異なるチップとして作製する場合もあるが、それらをチップ間で直接接続することにより、一つのチップにしてもよいし、複数チップ間で光を結合させ、光モジュールを形成してもよい。また、それぞれのチップごとに別々の光モジュールを作製し、光モジュール間をファイバで結合してもよい。さらに、一つの筐体内部に前記の2つ以上のチップをそれぞれペルチェ保持板の上に保持させた光モジュールを作製してもよい。
また、本発明の導波路型光信号処理器の構成は光導波路の種類、形状、材料、屈折率、作製法によらない。たとえば、その導波路材料がポリイミド、シリコン、半導体、LiNbOなどであってもよいし、基板材質が石英などであってもよい。また、たとえば、その製造方法が、スピンコート法、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法、イオン拡散法、イオンビーム直接描画法などであっても本発明は適用可能である。また、本発明の各実施の形態では正方形の光導波路を用いたが、長方形、多角形、円形など任意の形状を用いることができる。たとえば、光導波路のコア幅を部分的に変え、屈折率を他の部分と異なる値にすることができる。また、光導波路に応力を付与し、屈折率の値を変化させることもできる。さらに、本回路は石英系光導波路を用いたが、異なる材料を透過するようにしてもよい。たとえば、光導波路中にシリコン樹脂などの材料を含んでもよいし、ポリイミド波長板を含んでもよい。また、各種温度補償法や偏波依存性低減法を適用してよい。
以上、各実施の形態では、ある入力導波路より光を入力し、ある出力導波路より出力される透過特性を示したが、もちろん、任意の入力導波路もしくは出力導波路から光を入力し、任意の入力導波路もしくは出力導波路より光を出力してもよい。また、たとえば、各実施の形態では左側の光導波路を入力導波路とし、右側を出力導波路としたが、右側の光導波路を入力導波路とし、左側を出力導波路としてもよい。さらに、実施形態4、7、8では多段回路構成を説明したが、これらは多段回路構成の一例である。任意の導波路同士を互いにつないで多段回路を構成し、本発明の回路レイアウトを適用してもよいし、台数も3台にかぎらず、2台を多段に接続してもよいし、4台以上を多段に接続してもよい。そして、任意の入力もしくは出力導波路より光を入力し、任意の入力導波路もしくは出力導波路より光を出力してもよい。
以上、各実施の形態では、導波路型光回路をインタリーブ・フィルタとして用いた場合の設計例を示したが、任意の機能を有するラティス・フィルタ、多段ラティス・フィルタ、多段マッハツェンダ干渉計、多段光フィルタに適用することができる。たとえば、インタリーブ・フィルタ以外に、分散等化器、光波長合分波器、波長分散補償器、偏波モード分散補償器、光スイッチ等の機能を有することができる。また、本発明は、光結合器と、2本の光導波路からなる光路長差付与部とが交互に従属接続される導波路型光信号処理器であるが、たとえば、トランスバーサル型回路構成、リング付ラティス・フィルタ構成、リング付マッハツェンダ干渉計構成など、これ以外の構成の導波路型光回路にも本発明の回路レイアウトを適用することができ、同様の効果が得られる。
また、レーザ照射などの光照射法や薄膜ヒータなどによる局所加熱法などを用いて、光導波路の屈折率を局所的に変化させ、光学的な光路長差や光結合器の結合特性などを調整することもできる。そして、光照射領域や加熱処理領域の形状は任意であるし、光照射方法、光照射条件、加熱処理方法、加熱処理条件なども任意である。また、これらの手法に限らず、たとえば、電気光学効果、磁気光学効果などを用いてもよい。
さらに、平面型光導波路に限らず、たとえば、積層光導波路を用いて光導波路を構成してもよいし、複数種類の光導波路を組み合わせて構成してもよい。また、光導波路にグレーティングが形成されていてもよいし、光導波路が途中で分割、分断されていてもよい。さらに、導波路型光回路の近傍に、本回路とは異なる光導波路が形成されていてもよい。また、光導波路近傍にマーカが形成されていてもよいし、基板表面に薄膜ヒータとそれにつながる電気配線とがパターン化されていてもよい。
以上、各実施の形態で用いた光結合器はひとつの例であり、その他の光結合器を用いてもよい。さらに、光結合器として、本発明の実施の形態でも述べた方向性結合器以外にも、マルチモード干渉カプラ、可変カプラ、X分岐カプラ、Y分岐カプラなど任意の種類のものを用いることができるし、また、それらを組み合わせることもできる。さらにまた、前記の光結合器に与えた結合率や光路長差付与部の光路長差の値も一つの例である。
本発明の実施の形態1における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態1における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態1の導波路型光信号処理器の回路レイアウトの詳細を説明する模式図である。 実施の形態1における導波路型光信号処理器に用いた光結合器を示す模式図である。 実施の形態1における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態2における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態2における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態2における導波路型光信号処理器に用いた光結合器を示す模式図である。 実施の形態2における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態3における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態3における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態3における導波路型光信号処理器に用いた光結合器を示す模式図である。 実施の形態3における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態4における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態4における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態4における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 実施の形態4における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 本発明の実施の形態5における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態5における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態5における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態6における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態6における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態6における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態7における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態7における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態7における導波路型光信号処理器の光結合器を示す模式図である。 実施の形態7における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明の実施の形態8における導波路型光信号処理器を示す回路構成図である。 実施の形態8における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 実施の形態8における導波路型光信号処理器の光結合器を示す模式図である。 実施の形態8における導波路型光信号処理器の透過特性を示す図である。 本発明のその他の実施の形態における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す図である。 本発明のその他の実施の形態における導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す図である。 本発明による導波路型光信号処理器の作製工程を説明する模式図である。 本発明の導波路型光信号処理器を用いた光モジュールの模式図である。 従来の導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。 従来の導波路型光信号処理器の回路レイアウトを示す模式図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 下部クラッドガラススート
2A 下部クラッドガラス層
3 コアガラススート
3A コアガラス
4 エッチングマスク
5 上部クラッドガラス
11〜15、11A〜16A、11B〜14B 光結合器
11A1〜13A1、11A2〜13A2、11A3〜13A3 光結合器
21〜24、211、221、212、222、213、223 光路長差付与部
21A、21B〜24A、24B、302、303 光導波路
4011、4012〜4031、4032 光導波路
41A、41B、〜、44A、44B 光導波路
301 交差導波路
31、31A、31B、32、401、402 入力導波路
33、33A、34A、34、403、404 出力導波路
4010〜4030 微小光路長差付与部
41〜44 方向性結合器
111〜113 導波路型光回路
121〜123 ラティス・フィルタ

Claims (6)

  1. 基板上に形成された光導波路であり、
    光結合器と該光結合器につながる2本の光導波路からなる光路長差付与部とが交互に従属接続された導波路型光回路において、
    該導波路型光回路の最初の光結合器に入力導波路が接続され、
    該導波路型光回路の最後の光結合器に出力導波路が接続されており、
    該導波路型光回路がN+1個(Nは3以上の整数)の光結合器とN個の光路長差付与部とより構成されるラティス・フィルタ、もしくはラティス・フィルタがM台(Mは2以上の整数)つながれた多段ラティス・フィルタ、もしくは2個の光結合器と1個の光長路差付与部より構成されるマッハツェンダ干渉計がM台つながれた多段マッハツェンダ干渉計、もしくはラティス・フィルタとマッハツェンダ干渉計がM台つながれた多段光フィルタのいずれかであり、
    該光結合器の少なくとも二つが平行にレイアウトされ、残りの光結合器の長さ方向は、該平行にレイアウトされた二つ以上の光結合器の長さ方向に対してθ(0<θ≦π/2)の傾きをなし、
    前記傾きをなす光結合器の入力側および出力側に接続される光導波路が、円弧からなる光導波路を含み、かつ該円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向が入力側と出力側で逆になるようにレイアウトされ、
    前記光路長差付与部の各々について、該光路長差付与部を構成する2本の光導波路各々の前記円弧からなる光導波路の円弧部分の長さの合計が、該円弧の曲率半径をRとしたとき、それぞれ(θ+π)・Rである
    ことを特徴とする導波路型光信号処理器。
  2. 前記θの傾きをなす光結合器がラティス・フィルタのk個目(2≦k≦N)の光結合器であり、
    該k個目の光結合器を挟むk−1個目とk個目の2つの光路長差付与部の相対的な光路長差が互いに逆符号であり、
    該k個目の光結合器につながるk−1個目とk個目の光路長差付与部を構成する2本の光導波路が夫々円弧からなる光導波路を含み、該k−1個目の光路長差付与部が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向と、該k個目の光路長差付与部が含む円弧からなる光導波路を伝搬する光の回転方向が逆になるようレイアウトされていることを特徴とする請求項1記載の導波路型光信号処理器。
  3. 前記光結合器の長さをL、光導波路の曲率半径をRとしたとき、tanθが0より大きく、かつ2・R/Lより小さくなるよう前記θが設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導波路型光信号処理器。
  4. 前記光結合器が、L+1個(Lは自然数)の光結合器と隣接する光結合器に挟まれたL個の光路長差付与部によって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器。
  5. 前記導波路型光回路が石英系ガラス光導波路で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器。
  6. 前記導波路型光信号処理器を内部に有する筐体と、該筐体に保持され、前記導波路型光信号処理器に信号の入出力を行う光ファイバを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導波路型光信号処理器。
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