JPWO2004092934A1 - 起動時間短縮装置および電子機器 - Google Patents
起動時間短縮装置および電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
非常時稼動部が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部により起動時刻を指示する。それにより、CPUは、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリに格納する。このとき、タイマが計時動作を開始する。その後、ユーザが非常時稼動部の電源をオフにする。起動準備指示部は、タイマにより測定される時刻が起動時刻メモリに格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する。タイマにより測定された時刻が起動時刻メモリに格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部は、CPUに起動準備指示を与える。それにより、非常時稼動部の電源がオンになり、CPUが起動準備を実行する。
Description
本発明は、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮する起動時間短縮装置およびそれを備えた電子機器に関する。
近年、家電機器の多様化およびネットワーク化に伴って、家電機器制御用のプログラムが急速に大規模化している。このため、ユーザが家電機器の起動を指示してから電子機器が使用可能になるまでの時間が長くなっている。
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
本発明の目的は、ユーザの起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる起動時間短縮装置を提供することである。
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮する起動時間短縮装置およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器の多様化およびネットワーク化に伴って、家電機器制御用のプログラムが急速に大規模化している。このため、ユーザが家電機器の起動を指示してから電子機器が使用可能になるまでの時間が長くなっている。
【0003】
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
【0004】
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
【0005】
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
【発明の開示】
本発明の目的は、ユーザの起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる起動時間短縮装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
【0007】
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0008】
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0009】
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0010】
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0011】
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0012】
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0013】
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0014】
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0015】
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0016】
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
【0017】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0018】
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
【0019】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0020】
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
【0021】
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0022】
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0023】
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0024】
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
【0025】
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0026】
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
【0027】
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0028】
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0029】
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0031】
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0032】
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
【0033】
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
【0035】
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0038】
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
【0039】
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
【0040】
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
【0041】
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0042】
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0043】
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0044】
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0045】
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0046】
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0048】
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
【0051】
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
【0052】
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
【0053】
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
【0054】
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
【0055】
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
【0056】
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
【0057】
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
【0058】
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
【0059】
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
【0060】
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
【0061】
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
【0062】
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
【0064】
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
【0065】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0066】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
【0067】
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
【0068】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0069】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0070】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0071】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0072】
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
【0073】
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
【0074】
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0076】
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
【0077】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
【0078】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
【0079】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0080】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
【0082】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0083】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
【0084】
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【0085】
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
【0086】
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
【0087】
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
【0088】
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
【0089】
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
【0090】
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
【0091】
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0092】
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
【0093】
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
【0094】
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
【0095】
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
【0096】
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0097】
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
【0098】
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0099】
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
【0100】
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
【0101】
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
【0102】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0103】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0104】
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
【0105】
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
【0106】
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
【0107】
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
【0108】
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
【0109】
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
【0110】
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0111】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
【0112】
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
【0113】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0114】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0115】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0116】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0117】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0118】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0119】
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
【0120】
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
【0121】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
【0122】
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
【0124】
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
【0125】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0126】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0127】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0128】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0129】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0130】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0131】
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
【0132】
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
【0133】
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0134】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
【0135】
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0136】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
【0137】
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
【0138】
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
【0139】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0140】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0141】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0142】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0143】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0144】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0145】
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
【0146】
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
【0147】
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
【0148】
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0149】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
【0150】
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0151】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
【0152】
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
【0153】
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
【0154】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0155】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0156】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0157】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0158】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0159】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0160】
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
【0161】
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
【0162】
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0163】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
【0164】
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0165】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
【0166】
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
【0167】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0168】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0169】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0170】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0171】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0172】
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0173】
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
【0174】
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0175】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
【0176】
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0177】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
【0178】
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
【0179】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0180】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0181】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0182】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0183】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0184】
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【0185】
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
【0186】
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
【0187】
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
【0188】
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
【0189】
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
【0190】
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
【0191】
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
【0192】
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【0193】
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
【0194】
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
【0195】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
【0196】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
【0197】
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】 図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図4】 図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【図6】 図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
【図7】 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図8】 図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図10】 図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図12】 図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図14】 図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図16】 図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図18】 図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】 図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図20】 図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮する起動時間短縮装置およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器の多様化およびネットワーク化に伴って、家電機器制御用のプログラムが急速に大規模化している。このため、ユーザが家電機器の起動を指示してから電子機器が使用可能になるまでの時間が長くなっている。
【0003】
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
【0004】
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
【0005】
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
【発明の開示】
本発明の目的は、ユーザの起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる起動時間短縮装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
【0007】
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0008】
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0009】
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0010】
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0011】
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0012】
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0013】
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0014】
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0015】
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0016】
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
【0017】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0018】
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
【0019】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0020】
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
【0021】
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0022】
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0023】
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0024】
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
【0025】
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0026】
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
【0027】
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0028】
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0029】
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0031】
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0032】
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
【0033】
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
【0035】
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0038】
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
【0039】
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
【0040】
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
【0041】
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0042】
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0043】
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0044】
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0045】
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0046】
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0048】
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
【0051】
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
【0052】
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
【0053】
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
【0054】
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
【0055】
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
【0056】
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
【0057】
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
【0058】
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
【0059】
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
【0060】
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
【0061】
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
【0062】
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
【0064】
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
【0065】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0066】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
【0067】
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
【0068】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0069】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0070】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0071】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0072】
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
【0073】
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
【0074】
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0076】
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
【0077】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
【0078】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
【0079】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0080】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
【0082】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0083】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
【0084】
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【0085】
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
【0086】
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
【0087】
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
【0088】
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
【0089】
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
【0090】
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
【0091】
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0092】
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
【0093】
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
【0094】
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
【0095】
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
【0096】
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0097】
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
【0098】
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0099】
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
【0100】
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
【0101】
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
【0102】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0103】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0104】
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
【0105】
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
【0106】
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
【0107】
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
【0108】
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
【0109】
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
【0110】
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0111】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
【0112】
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
【0113】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0114】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0115】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0116】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0117】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0118】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0119】
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
【0120】
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
【0121】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
【0122】
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
【0124】
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
【0125】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0126】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0127】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0128】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0129】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0130】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0131】
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
【0132】
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
【0133】
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0134】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
【0135】
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0136】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
【0137】
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
【0138】
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
【0139】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0140】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0141】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0142】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0143】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0144】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0145】
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
【0146】
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
【0147】
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
【0148】
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0149】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
【0150】
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0151】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
【0152】
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
【0153】
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
【0154】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0155】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0156】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0157】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0158】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0159】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0160】
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
【0161】
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
【0162】
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0163】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
【0164】
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0165】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
【0166】
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
【0167】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0168】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0169】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0170】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0171】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0172】
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0173】
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
【0174】
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0175】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
【0176】
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0177】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
【0178】
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
【0179】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0180】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0181】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0182】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0183】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0184】
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【0185】
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
【0186】
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
【0187】
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
【0188】
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
【0189】
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
【0190】
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
【0191】
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
【0192】
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【0193】
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
【0194】
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
【0195】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
【0196】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
【0197】
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】 図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図4】 図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【図6】 図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
【図7】 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図8】 図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図10】 図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図12】 図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図14】 図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図16】 図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図18】 図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】 図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図20】 図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮する起動時間短縮装置およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器の多様化およびネットワーク化に伴って、家電機器制御用のプログラムが急速に大規模化している。このため、ユーザが家電機器の起動を指示してから電子機器が使用可能になるまでの時間が長くなっている。
【0003】
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
【0004】
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
【0005】
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
【発明の開示】
本発明の目的は、ユーザの起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる起動時間短縮装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
【0007】
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0008】
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0009】
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0010】
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0011】
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0012】
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0013】
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0014】
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0015】
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0016】
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
【0017】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0018】
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
【0019】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0020】
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
【0021】
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0022】
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0023】
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0024】
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
【0025】
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0026】
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
【0027】
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0028】
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0029】
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0031】
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0032】
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
【0033】
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
【0035】
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0038】
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
【0039】
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
【0040】
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
【0041】
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0042】
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0043】
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0044】
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0045】
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0046】
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0048】
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
【0051】
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
【0052】
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
【0053】
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
【0054】
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
【0055】
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
【0056】
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
【0057】
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
【0058】
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
【0059】
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
【0060】
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
【0061】
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
【0062】
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
【0064】
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
【0065】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0066】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
【0067】
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
【0068】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0069】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0070】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0071】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0072】
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
【0073】
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
【0074】
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0076】
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
【0077】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
【0078】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
【0079】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0080】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
【0082】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0083】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
【0084】
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【0085】
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
【0086】
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
【0087】
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
【0088】
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
【0089】
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
【0090】
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
【0091】
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0092】
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
【0093】
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
【0094】
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
【0095】
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
【0096】
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0097】
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
【0098】
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0099】
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
【0100】
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
【0101】
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
【0102】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0103】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0104】
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
【0105】
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
【0106】
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
【0107】
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
【0108】
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
【0109】
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
【0110】
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0111】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
【0112】
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
【0113】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0114】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0115】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0116】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0117】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0118】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0119】
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
【0120】
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
【0121】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
【0122】
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
【0124】
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
【0125】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0126】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0127】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0128】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0129】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0130】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0131】
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
【0132】
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
【0133】
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0134】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
【0135】
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0136】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
【0137】
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
【0138】
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
【0139】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0140】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0141】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0142】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0143】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0144】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0145】
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
【0146】
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
【0147】
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
【0148】
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0149】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
【0150】
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0151】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
【0152】
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
【0153】
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
【0154】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0155】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0156】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0157】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0158】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0159】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0160】
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
【0161】
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
【0162】
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0163】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
【0164】
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0165】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
【0166】
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
【0167】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0168】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0169】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0170】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0171】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0172】
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0173】
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
【0174】
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0175】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
【0176】
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0177】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
【0178】
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
【0179】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0180】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0181】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0182】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0183】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0184】
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【0185】
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
【0186】
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
【0187】
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
【0188】
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
【0189】
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
【0190】
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
【0191】
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
【0192】
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【0193】
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
【0194】
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
【0195】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
【0196】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
【0197】
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】 図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図4】 図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【図6】 図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
【図7】 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図8】 図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図10】 図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図12】 図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図14】 図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図16】 図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図18】 図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】 図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図20】 図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮する起動時間短縮装置およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器の多様化およびネットワーク化に伴って、家電機器制御用のプログラムが急速に大規模化している。このため、ユーザが家電機器の起動を指示してから電子機器が使用可能になるまでの時間が長くなっている。
【0003】
また、大規模化したプログラムを格納するために必要なプログラム格納用メモリの容量を小さくするために、プログラムを圧縮する場合が多い。この場合、家電機器の起動時に、圧縮されたプログラムを展開するための時間が必要となる。それにより、さらに起動時間が長くなる。
【0004】
ところで、マスタ装置およびスレーブ装置により構成される画像形成システムにおいて、スレーブ装置のウォームアップを予測する技術が提案されている(特開2001−7961号公報参照)。この画像形成システムでは、消費電力を低減する目的でマスタ装置だけ起動しておき、処理時間が長いジョブを実行する場合に、マスタ装置は、ジョブの処理時間とスレーブ装置のウォームアップの予測時間とを比較し、比較結果に基づいてマスタ装置が単独でジョブを実行するかまたはマスタ装置およびスレーブ装置が並行してジョブを実行するかを決定している。
【0005】
しかしながら、この画像形成システムの技術は、消費電力を低減することを目的としており、起動時間の短縮化にはつながらない。
【発明の開示】
本発明の目的は、ユーザの起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる起動時間短縮装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザの起動指示から使用可能になるまでの時間が短縮された電子機器を提供することである。
【0007】
本発明の一局面に従う起動時間短縮装置は、起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、起動指示に応答して電子機器の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0008】
その起動時間短縮装置においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により電子機器の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0009】
このようにして、電子機器の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0010】
起動時間短縮装置は、予め電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、起動準備指示部は、設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0011】
この場合、予め設定された電子機器の起動タイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0012】
起動時間短縮装置は、電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、起動準備指示部は、記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0013】
この場合、電子機器が前に起動されたタイミングに基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0014】
起動時間短縮装置は、ユーザの操作により電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、起動準備指示部は、ユーザが操作装置を操作することを予測する予測部と、予測部による予測に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0015】
この場合、ユーザが操作装置を操作することが予測され、その予測に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0016】
予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含んでもよい。
【0017】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが圧力の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0018】
予測部は、温度の変化に基づいてユーザが操作装置に接触したことを検知する温度センサを含んでもよい。
【0019】
この場合、ユーザが操作装置に接触したことが温度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0020】
予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含んでもよい。
【0021】
この場合、ユーザが操作装置を移動させたことが角速度の変化に基づいて検知される。それにより、ユーザが操作装置を操作することが予測される。
【0022】
起動準備指示部は、人の存在または接近を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含んでもよい。
【0023】
この場合、人の存在または接近が検知部により検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0024】
検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含んでもよい。
【0025】
この場合、赤外線により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0026】
検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含んでもよい。
【0027】
この場合、音声の入力により人の存在または接近が検知される。それにより、起動指示の発生が予測される。
【0028】
検知部は、予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、指示発生部は、判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0029】
この場合、予め登録された人の声紋に関する情報が記憶装置に記憶され、音声入力装置により入力された音声と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近が判定される。予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0030】
検知部は、予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、無線装置からの信号を受信する受信部と、受信部により受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、指示発生部は、判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0031】
この場合、予め登録された無線装置を識別するための情報が記憶装置に記憶され、無線装置からの信号が受信され、受信された信号と記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近が判定される。予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0032】
検知部は、電子機器の消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含んでもよい。
【0033】
この場合、人の存在または接近が電子機器の消費電力の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含んでもよい。
【0035】
この場合、人の存在または接近が光量の変化に基づいて検知され、検知結果に基づいて起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
電子機器は、プログラムを格納するプログラム格納装置と、主記憶装置と、プログラム格納装置に格納されたプログラムを主記憶装置で実行する処理装置とを含み、起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
この場合、プログラム格納装置に格納されたプログラムが主記憶装置で実行される。予測された起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングでプログラムの展開、プログラム格納装置から主記憶装置へのプログラムの転送およびプログラムの一部の実行のうち少なくとも1つが実行される。それにより、起動指示から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0038】
制御部は、電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に起動処理を解除してもよい。
【0039】
この場合、予測された起動指示が電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に発生しない場合に起動処理が解除される。したがって、無駄な電力消費を低減することができる。
【0040】
電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答してパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行してもよい。
【0041】
この場合、予測されたテレビモジュールの起動指示のタイミングよりも所定時間前のタイミングで、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部が実行される。それにより、起動指示からテレビモジュールおよびパーソナルコンピュータが使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0042】
本発明の他の局面に従う電子機器は、所定の動作を行う動作部と、起動指示に応答して動作部の起動処理を実行する制御部と、起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、制御部は、起動準備指示部の指示に応答して動作部の起動処理の少なくとも一部を実行するものである。
【0043】
この電子機器においては、起動準備指示部により起動指示の発生が予測され、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。その指示に応答して制御部により動作部の起動処理の少なくとも一部が実行される。
【0044】
このようにして、動作部の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から動作部が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0045】
電子機器は、他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、起動準備指示部は、制御部に起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0046】
この場合、電子機器の制御部に起動処理の少なくとも一部の実行が指示されるとともに、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、電子機器に接続される他の1または複数の装置の起動指示の発生よりも前に起動処理の少なくとも一部が実行されるので、起動指示から電子機器に接続される他の1または複数の装置が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
起動準備指示部は、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求を与え、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示してもよい。
【0048】
この場合、インターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に送信要求が与えられ、他の1または複数の装置からの送信許可に応答してインターフェイスバスを通して他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が指示される。それにより、他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行が確実に指示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、電子機器は、非常時稼動部100および常時稼動部200により構成される。非常時稼動部100は、電子機器の常時稼動していない部分に相当し、起動指示に応答して稼動を開始する。ここで、起動指示は、ユーザにより電子機器の電源スイッチがオンされることにより発生し、ユーザによるリモコンの操作により発生し、またはタイマ予約により設定された時刻に発生する。本実施の形態では、起動指示は、タイマ予約により設定された時刻に発生する。
【0051】
常時稼動部200は、電子機器の常時稼動している部分に相当し、非常時稼動部100に対して起動準備指示を与える。起動準備については、後述する。
【0052】
非常時稼動部100は、CPU(中央演算処理装置)101、プログラム格納メモリ102、主記憶装置103、動作部104および起動時刻指示部300を備える。常時稼動部200は、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203を備える。
【0053】
CPU101は、電子機器の全体の制御を行う。本実施の形態においては、CPU101は、起動準備指示部202からの起動準備指示に応答して起動準備を実行する。
【0054】
プログラム格納メモリ102は、CPU101のためのプログラムを格納する蓄積装置である。プログラム格納メモリ102は、ハードディスク等の外部記憶装置であってもよく、またはROM(リードオンリメモリ)等の半導体メモリであってもよい。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムは、記憶容量を削減するために圧縮されてもよく、または圧縮されなくてもよい。ただし、非常時稼動部100の起動処理に最小限必要なプログラム部分は圧縮されていない。プログラム格納メモリ102に格納されるプログラムが圧縮されている場合には、起動準備時にCPU101または図示しない補助装置により圧縮されたプログラムが展開され、主記憶装置103に転送される。
【0055】
主記憶装置103は、CPU101のワークメモリとして機能し、実行可能なプログラムを記憶する。
【0056】
動作部104は、電子機器の使用目的に応じて所定の動作を行う。電子機器がテレビ受像機である場合には、動作部104は、チューナ、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。電子機器がDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置等のデータ再生装置である場合には、動作部104は、記録媒体駆動装置、復調回路、映像処理回路、音声処理回路、表示装置、および音声出力装置等を含む。
【0057】
起動時刻指示部300は、リモコンまたはテンキー等からなり、ユーザの操作に従って起動時刻をCPU101に指示する。CPU101は、起動時刻指示部300により指示された起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する。ここで、起動時刻は、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻であり、ユーザの操作により設定される。起動準備時刻は、起動準備指示に従って起動準備を開始する時刻であり、ユーザが電子機器の使用を開始する時刻よりも電子機器の起動準備に必要な時間だけ前の時刻に設定される。
【0058】
ここで、起動準備とは、プログラム格納メモリ102に格納された圧縮されたプログラムを展開する動作、プログラム格納メモリ102に格納されたプログラムを主記憶装置103に転送する動作およびCPU101によりプログラムの一部を実行する動作のうち一部または全部を含む。
【0059】
なお、起動時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。同様に、起動準備時刻は、ある時点を基準とした相対的な経過時間で表されてもよく、絶対的な時刻であってもよい。ある時点とは、例えば、ユーザが電子機器の起動時刻をタイマ予約した時点である。
【0060】
タイマ201は、CPU101の制御に従って動作し、時刻を測定する。起動準備指示部202は、タイマ201により測定された時刻と起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻とを比較することにより起動準備時刻であるか否かを判定し、起動準備時刻になると起動準備指示をCPU101に与える。起動準備指示部202は、比較器、またはマイクロコンピュータ等からなる。
【0061】
図1の電子機器においては、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202、起動時刻メモリ203および起動時刻指示部300が起動時間短縮装置を構成する。
【0062】
図2は図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
図2および後述する図4、図8、図10、図12、図14、図16、図18および図20において、点線のブロックはユーザが行う操作を示し、他の実線のブロックは非常時稼動部100および常時稼動部200の各部が実行する処理を示す。
【0064】
まず、非常時稼動部100が稼動している状態でユーザが起動時刻指示部300により起動時刻を指示する。それにより、CPU101は、起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻および起動準備時刻を起動時刻メモリ203に格納する(ステップS11)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS12)。
【0065】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS13)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0066】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻と一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS15)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS16)。
【0067】
CPU101による起動準備の完了後、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻になると、電子機器が起動する。
【0068】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザにより予め設定される電子機器の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0069】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0070】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻指示部300が設定装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0071】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0072】
図3の電子機器が図1の電子機器と異なるのは次の点である。図3の電子機器においては、図1の起動時刻指示部300が設けられておらず、起動時刻メモリ203に電子機器の過去の起動時刻が格納される。CPU101は、起動時刻メモリ203に格納された過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻を予測し、起動時刻メモリ203に格納する。具体的には、CPU101は、過去の起動時刻よりも電子機器の起動準備に要する時間だけ前の時刻を起動準備時刻として決定する。
【0073】
本実施の形態では、CPU101、タイマ201、起動準備指示部202および起動時刻メモリ203が起動時間短縮装置を構成する。
【0074】
図4は図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、起動時刻メモリ203に1回分の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0076】
CPU101は、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動準備時刻を算出し、起動時刻メモリ203に前回の起動時刻および起動準備時刻を格納する(ステップS21)。このとき、タイマ201が計時動作を開始する(ステップS22)。
【0077】
その後、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS23)。起動準備指示部202は、タイマ201により測定される時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致するか否かを判定する(ステップS24)。
【0078】
タイマ201により測定された時刻が起動時刻メモリ203に格納された起動準備時刻に一致した場合には、起動準備指示部202は、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS25)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS26)。
【0079】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0080】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の前回の起動時刻に基づいて起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0081】
また、電子機器の過去の起動時刻に基づいて起動準備時刻が自動的に決定される。したがって、ユーザの起動準備時刻の設定の手間を省くことができる。
【0082】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0083】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、以下に説明するように、起動準備が解除される。
【0084】
図5は図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【0085】
CPU101は、起動準備を実行した後(ステップS31)、リモコン等によりユーザの起動指示が与えられたか否かを判定する(ステップS32)。
【0086】
ユーザの起動指示が与えられた場合には、CPU101は、非常時稼動部100を起動処理を実行する(ステップS33)。この場合、既に起動準備が完了しているので、起動時間が短縮される。
【0087】
ユーザの起動指示が与えられない場合には、CPU101は、起動準備の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS34)。
【0088】
起動準備の開始から所定時間が経過していない場合には、ステップS32に戻る。起動準備開始から所定時間が経過した場合には、CPU101は起動準備を解除する(ステップS35)。
【0089】
ここで、起動準備の解除とは、例えば、プログラムの終了処理を行い、非常時稼動部100の電源をオフにする動作をいう。
【0090】
このようにして、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、起動準備が自動的に解除される。したがって、消費電力の無駄が低減される。
【0091】
次に、起動時刻メモリ203に複数の起動時刻を格納する場合の動作について説明する。
【0092】
図6は起動時刻メモリ203に複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。図6には、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻および使用フラグ(used flag)の状態が示されるが、起動時刻メモリ203には、各起動時刻に対応して起動準備時刻も格納される。使用フラグは、各起動時刻の新しさを示しており、値が大きいほど現時点に近いタイミングで起動が行われたことを示す。
【0093】
本例では、起動時刻メモリ203に3回分の起動時刻が格納されるが、起動時刻メモリ203に格納される起動時刻の数はこれに限定されず、任意の数の起動時刻を起動時刻メモリ203に格納することができる。。
【0094】
図6(a)に示すように、初期状態では、起動時刻メモリ203に起動時刻が格納されていない。図6(b)に示すように、電子機器が9時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時」が格納されるとともに、起動時刻「9時」に使用フラグとして「3」が付される。
【0095】
次に、図6(c)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「12時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「12時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、既に格納されている起動時刻「9時」の使用フラグは「2」に更新される。
【0096】
さらに、図6(d)に示すように、電子機器が17時に起動されると、起動時刻メモリ203に起動時刻として「17時」がさらに格納されるとともに、起動時刻「17時」に使用フラグとして「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、最も前に格納された起動時刻「9時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0097】
次いで、図6(e)に示すように、電子機器が12時に起動されると、起動時刻メモリ203に既に起動時刻「12時」が格納されているので、起動時刻メモリ203に格納された起動時刻は変化せず、起動時刻「12時」の使用フラグが「3」に更新され、起動時刻「17時」の使用フラグが「2」に更新される。
【0098】
その後、図6(f)に示すように、電子機器が15時に起動されると、最も以前に格納された起動時刻「9時」が起動時刻「15時」で置き換えられるとともに起動時刻「15時」に使用フラグ「3」が付される。このとき、前回格納された起動時刻「12時」の使用フラグが「2」に更新され、前々回格納された起動時刻「17時」の使用フラグが「1」に更新される。
【0099】
このようにして、起動時刻メモリ203に順次電子機器の起動時刻が格納されるとともに最も新しい起動時刻に最も大きな値の使用フラグが付され、最も前に格納された起動時刻に最も小さい値の使用フラグが付される。電子機器が起動されるごとに、最も小さい値の使用フラグが付された起動時刻が新たな起動時刻で書き替えられる。それにより、常に最も新しい複数の起動時刻に基づいて起動準備時刻が予測される。
【0100】
なお、ユーザの都合により分単位で起動時刻が異なる場合に、起動時刻メモリ203に分の1の位以下を無視して起動時刻を格納してもよい。
【0101】
例えば、ユーザが電子機器を9時52分に起動した場合および9時59分に起動した場合に、起動時刻メモリ203に起動時刻として「9時50分」を格納する。起動準備に要する時間が10分であると、起動準備時刻は9時40分に設定される。この場合には、起動準備から起動解除までの時間を10分よりも長い時間に設定する必要がある。
【0102】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、起動時刻メモリ203が記憶装置に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0103】
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0104】
図7の電子機器が図3の電子機器と異なるのは次の点である。図7の電子機器においては、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。また、リモコン500は、起動準備指示部202およびセンサ501を含む。
【0105】
センサ501は、圧力を検知する圧力センサ、温度を検知する温度センサ、または角速度を検知するジャイロセンサ等からなる。センサ501として圧力センサを用いた場合には、センサ501はユーザがリモコン500を握ることによる圧力を検知し、圧力を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501として温度センサを用いた場合には、センサ501はユーザの体温により上昇したリモコン500の温度を検知し、温度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。センサ501としてジャイロセンサを用いた場合には、センサ501はリモコン500の空間的な移動による角速度を検知し、角速度を示す出力信号を起動準備指示部202に与える。
【0106】
センサ501として、ユーザがリモコン500に接触したことを検知する他のセンサを用いてもよい。センサ501としてレーザ光を用いたセンサ、超音波を用いたセンサ、磁気を用いたセンサ、赤外線を用いたセンサ等を用いることができる。
【0107】
起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいて起動準備指示を常時稼動部200のリモコン受信部400に送信する。起動準備指示部202は、例えば、マイクロコンピュータおよび送信回路からなる。センサ501が圧力センサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される圧力が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501が温度センサ501である場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される温度が上昇したときにユーザがリモコン500に接触したと判定し、起動準備指示を送信する。センサ501がジャイロセンサである場合には、起動準備指示部202は、センサ501により検知される角速度が上昇したときにユーザがリモコン500を移動させたと判定し、起動準備指示を送信する。
【0108】
リモコン受信部400は、ユーザが電子機器の動作を指示するためのリモコン500からの一般的な信号を受信する機能に加えて、リモコン500の起動準備指示部202から送信される起動準備指示を受信し、その起動準備指示をCPU101に与える。
【0109】
本実施の形態では、CPU101、リモコン受信部400、起動準備指示部202およびセンサ500が起動時間短縮装置を構成する。
【0110】
図8は図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0111】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS41)。その後、リモコン受信部400は、リモコン500の起動準備指示部202から起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS42)。
【0112】
リモコン受信部400は、起動準備指示を受信した場合に、CPU101に起動準備指示を与える(ステップS43)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS44)。
【0113】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン500を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0114】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、ユーザがリモコン500に接触したことを検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0115】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0116】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0117】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、リモコン500が操作装置に相当し、センサ501が予測部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0118】
(第4の実施の形態)
図9は本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0119】
図9の電子機器が図7の電子機器と異なるのは次の点である。図9の電子機器においては、常時稼動部200が起動準備指示部202および赤外線センサ601を含む。
【0120】
赤外線センサ601は、赤外線により電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合に、非常時稼動部100のCPU101に起動準備指示を与える。
【0121】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および赤外線センサ601が起動時間短縮装置を構成する。
【0122】
図10は図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS51)。その後、起動準備指示部202は、赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知したか否かを判定する(ステップS52)。
【0124】
赤外線センサ601がユーザの存在または接近を検知した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS53)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS54)。
【0125】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0126】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を赤外線を用いて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0127】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0128】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0129】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、赤外線センサ601が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0130】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0131】
図11の電子機器が図9の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、人声識別部602、マイク603および声紋情報メモリ604を含む。
【0132】
マイク603は、電子機器の周辺で発生する音声を音声データとして人声識別部602に入力する。声紋情報メモリ604は、予め登録された人の声紋に関する情報(以下、声紋情報と呼ぶ)を格納する。人声識別部602は、マイク603により入力された音声データと声紋情報メモリ604に格納された声紋情報とを比較することにより登録された人の存在または接近を検知する。
【0133】
起動準備指示部202は、登録された人の存在または接近が人声識別部602により検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0134】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、マイク603、人声識別部602および声紋情報メモリ604が起動時間短縮装置を構成する。
【0135】
図12は図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0136】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS61)。その後、人声識別部602は、マイク603により音声が音声データとして入力されたか否かを判定する(ステップS62)。
【0137】
マイク603により音声が音声データとして入力された場合には、人声識別部602はマイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致するか否かを判定する(ステップS63)。
【0138】
マイク603により入力された音声データが声紋情報メモリ604に格納された声紋情報と一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS64)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS65)。
【0139】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0140】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺における登録されたユーザの存在または接近を音声に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0141】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0142】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0143】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、マイク603が検知部または音声入力装置に相当し、声紋情報メモリ604が記憶装置に相当し、人声識別部602が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0144】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0145】
図13の電子機器が図11の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202、無線ID(識別子)識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607を含む。
【0146】
予め登録された無線装置608から送信される無線信号には、その無線装置608を識別するためのID(識別子)が含まれる。無線装置608は、携帯電話、ブルーツース(blue tooth;登録商標)規格に従う無線機器等からなる。
【0147】
無線受信部606は、無線装置600が発生する無線信号を受信する。無線IDメモリ607は、予め登録された無線装置608のIDを格納する。
【0148】
無線ID識別部605は、無線受信部606により受信された無線信号に含まれるIDと無線IDメモリ607に格納されたIDとを比較することにより予め登録された無線装置608の存在または接近を検知する。起動準備指示部202は、無線ID識別部605により予め登録された無線装置608の存在または接近が検知された場合に、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0149】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202、無線ID識別部605、無線受信部606および無線IDメモリ607が起動時間短縮装置を構成する。
【0150】
図14は図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0151】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS71)。その後、無線ID識別部605は、無線受信部606が無線信号を受信したか否かを判定する(ステップS72)。
【0152】
無線受信部606が無線信号を受信した場合には、無線ID識別部605は、無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致するか否かを判定する(ステップS73)。
【0153】
無線受信部606により受信された無線信号のIDが無線IDメモリ607内の登録されたIDと一致した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備を指示する(ステップS74)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS75)。
【0154】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0155】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在または接近を登録された無線装置608からのIDに基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0156】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0157】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0158】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、無線受信部606が検知部または受信部に相当し、無線IDメモリ607が記憶装置に相当し、無線ID識別部605が判定部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0159】
(第7の実施の形態)
図15は本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0160】
図15の電子機器が図13の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および消費電力測定部609を含む。
【0161】
この電子機器は、電力線を使用した通信を行うことができる。消費電力測定部609は、電力線を使用した電源との通信により消費電力量の情報を得ることができる。
【0162】
起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加した場合に人が存在するとみなすことにより人の存在を検知し、起動準備を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0163】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および消費電力測定部609が起動時間短縮装置を構成する。
【0164】
図16は図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0165】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS81)。その後、起動準備指示部202は、消費電力測定部609により測定される消費電力が増加したか否かを判定する(ステップS82)。
【0166】
消費電力が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動指示を与える(ステップS83)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS84)。
【0167】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0168】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を消費電力の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0169】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0170】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0171】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、消費電力測定部600が検出部または電力測定器に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0172】
(第8の実施の形態)
図17は本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【0173】
図17の電子機器が図15の電子機器と異なるのは次の点である。常時稼動部200は、起動準備指示部202および光センサ610を含む。
【0174】
光センサ610は、電子機器の周辺の光量を測定する。起動準備指示部202は、光センサ610により測定される光量の変動に基づいて人の存在を検知する。すなわち、起動準備指示部202は、電子機器の周辺の光量が増加した場合に人が部屋に入って照明器具を電灯させたものと判定することにより人の存在を検知し、起動準備指示を非常時稼動部100のCPU101に与える。
【0175】
本実施の形態では、CPU101、起動準備指示部202および光センサ610が起動時間短縮装置を構成する。
【0176】
図18は図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【0177】
まず、ユーザが非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS91)。その後、起動準備指示部202は、光センサ610により検知された光量が増加したか否かを判定する(ステップS92)。
【0178】
光センサ610により検知された光量が増加した場合には、起動準備指示部202はCPU101に起動準備指示を与える(ステップS93)。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、CPU101が起動準備を実行する(ステップS94)。
【0179】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン等を用いて電子機器の起動を指示すると、電子機器が起動する。
【0180】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、電子機器の周辺におけるユーザの存在を周辺の光量の増加に基づいて検知することにより起動指示の発生が予測される。それにより、電子機器の起動時刻よりも前に起動準備を開始することができるので、起動時刻から電子機器が使用可能になるまでの時間を短縮することができる。
【0181】
特に、電子機器がパーソナルコンピュータおよびデジタルテレビモジュールにより構成される場合、デジタルテレビモジュールの起動時刻よりも前に、起動に時間がかかるパーソナルコンピュータの起動準備を開始することができるので、電子機器の起動時間を短縮することができる。
【0182】
なお、起動準備の完了から一定時間経過までにユーザが電子機器の起動を指示しない場合には、第2の実施の形態と同様に、起動準備が解除される。
【0183】
本実施の形態では、CPU101が制御部および処理装置に相当し、光センサ610が検知部に相当し、起動準備指示部202が指示発生部に相当し、プログラム格納メモリ102がプログラム格納装置に相当する。
【0184】
(第9の実施の形態)
図19は本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【0185】
図19に示すように、電子機器は、デジタルテレビ700およびDVD(デジタルバーサタイルディスク)再生装置801,802,803により構成される。デジタルテレビ700は非常時稼動部100および常時稼動部200を含む。DVD再生装置801,802,803は非常時稼動部に相当する。
【0186】
デジタルテレビ700には、デジタルテレビ700用のリモコン701、DVD再生装置801用のリモコン811、DVD再生装置802用のリモコン812またはDVD再生装置803用のリモコン813により無線信号が与えられる。
【0187】
本実施の形態では、リモコン701,811,812,813が図7の起動準備指示部202およびセンサ501を含み、常時稼動部200がリモコン受信部400を含む。起動準備指示部202は、センサ501の出力信号に基づいてユーザがリモコン701,811,812,813に接触したことを検知し、常時稼動部200のリモコン受信部400を介して非常時稼動部100に起動準備指示を与える。非常時稼動部100に起動準備指示を与える方法としては、上記の第1〜第8の実施の形態のうちいずれの方法を用いてもよい。
【0188】
デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803とは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格と呼ばれるデジタルインターフェイス規格に従うHDMIインターフェイスケーブルCAにより接続されている。HDMIインターフェイスケーブルCAは、データラインD1,D2,D3、ピクセルクロックラインCKおよびコントロールラインCTを含む。
【0189】
HDMI規格によれば、映像データを送信するとともに、映像データのブランキング期間(垂直ブランキング期間および水平ブランキング期間)に補足データを送信することができる。補足データには、音声データ(音声パケット)、およびInfoFrame(情報フレーム)と呼ばれるデータパケットが含まれる。このInfoFrameを利用して種々の情報(付加データ)を送信することができる。
【0190】
DVD再生装置801,802,803からデジタルテレビ700にデータラインD1,D2,D3を通してピクセルコンポーネントB(青色映像データ)、ピクセルコンポーネントG(緑色映像データ)およびピクセルコンポーネントR(赤色映像データ)がピクセルクロックラインCKのピクセルクロックに同期して転送される。
【0191】
また、デジタルテレビ700とDVD再生装置801,802,803との間では、コントロールラインCTを介して各種指示を双方向に送信することができる。
【0192】
図20は図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
【0193】
まず、ユーザがデジタルテレビ700、およびDVD再生装置801,802,803の非常時稼動部100の電源をオフにする(ステップS111)。その後、常時稼動部200は、リモコン701,811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信したか否かを判定する(ステップS112)。
【0194】
リモコン701から起動準備指示を受信した場合には、常時稼動部200は非常時稼動部100に起動準備指示を与える(ステップS113)。また、リモコン811,812,813のうちいずれかから起動準備指示を受信した場合には、デジタルテレビ700は、起動準備指示を送信したリモコンに対応するDVD再生装置にコントロールラインCTを通して送信要求を行い、DVD再生装置から送信許可を受け取る。その後、常時稼動部200はDVD再生装置に起動準備指示をHDMIインターフェイスケーブルCAのコントロールラインCTを通して与える。それにより、非常時稼動部100の電源がオンになり、非常時稼動部100が起動準備を実行する(ステップS115)。また、DVD再生装置も起動準備を実行する。
【0195】
CPU101による起動準備の完了後、ユーザがリモコン701,811,812,813のうちいずれかを用いてデジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803のうちいずれかの起動を指示すると、デジタルテレビ700またはDVD再生装置801,802,803が起動する。
【0196】
本実施の形態に係る起動時間短縮装置によれば、リモコン701,811,812,813のいずれかを用いてHDMIインターフェイスケーブルCAで接続されるデジタルテレビ700およびDVD再生装置801,802,803の起動準備を開始することができる。
【0197】
本実施の形態では、デジタルテレビ700が電子機器に相当し、DVD再生装置801,802,803が1または複数の装置に相当し、HDMIインターフェイスケーブルCAがインターフェイスバスまたは双方向インターフェイスバスに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】 図2は、図1の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図4】 図4は、図3の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5は、図3の電子機器の起動時間短縮装置における起動準備の解除動作を示すフローチャートである。
【図6】 図6は、起動時刻メモリに複数回の起動時刻を格納する場合の動作を説明するための模式図である。
【図7】 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図8】 図8は、図7の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図10】 図10は、図9の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図12】 図12は、図11の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13は、本発明の第6の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図14】 図14は、図13の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 図15は、本発明の第7の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図16】 図16は、図15の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 図17は、本発明の第8の実施の形態に係る起動時間短縮装置を備えた電子機器の構成を示すブロック図である。
【図18】 図18は、図17の電子機器の起動時間短縮装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】 図19は、本発明の第9の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図20】 図20は、図19の電子機器の動作を示すフローチャートである。
Claims (20)
- 起動指示に応答して起動される電子機器の起動時間を短縮する起動時間短縮装置であって、
起動指示に応答して前記電子機器の起動処理を実行する制御部と、
前記起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、
前記制御部は、前記起動準備指示部の指示に応答して前記電子機器の起動処理の少なくとも一部を実行する、起動時間短縮装置。 - 予め前記電子機器の起動タイミングを設定する設定装置をさらに備え、
前記起動準備指示部は、前記設定装置により設定された起動タイミングよりも所定時間前のタイミングで前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - 前記電子機器が起動されたタイミングを記憶する記憶装置をさらに備え、
前記起動準備指示部は、前記記憶装置に記憶されたタイミングよりも所定時間前のタイミングで前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - ユーザの操作により前記電子機器の起動指示を発生する操作装置をさらに備え、
前記起動準備指示部は、
ユーザが前記操作装置を操作することを予測する予測部と、
前記予測部による予測に基づいて前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含む、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - 前記予測部は、圧力の変化に基づいてユーザが前記操作装置に接触したことを検知する圧力センサを含む、請求項4記載の起動時間短縮装置。
- 前記予測部は、温度の変化に基づいてユーザが前記操作装置に接触したことを検知する温度センサを含む、請求項4記載の起動時間短縮装置。
- 前記予測部は、角速度の変化に基づいてユーザが前記操作装置を移動させたことを検知するジャイロセンサを含む、請求項4記載の起動時間短縮装置。
- 前記起動準備指示部は、
人の存在または接近を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する指示発生部とを含む、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - 前記検知部は、赤外線により人の存在または接近を検知する赤外線センサを含む、請求項8記載の起動時間短縮装置。
- 前記検知部は、音声の入力に基づいて人の存在または接近を検知する音声入力装置を含む、請求項8記載の起動時間短縮装置。
- 前記検知部は、
予め登録された人の声紋に関する情報を記憶する記憶装置と、
前記音声入力装置により入力された音声と前記記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された人の存在または接近を判定する判定部とをさらに含み、
前記指示発生部は、前記判定部により予め登録された人が存在することまたは接近したことが判定された場合に、前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項10記載の起動時間短縮装置。 - 前記検知部は、
予め登録された無線装置を識別するための情報を記憶する記憶装置と、
無線装置からの信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された信号と前記記憶装置に記憶された情報との比較により予め登録された無線装置の存在または接近を判定する判定部とを含み、
前記指示発生部は、前記判定部により予め登録された無線装置が存在することまたは接近したことが判定された場合に、前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項8記載の起動時間短縮装置。 - 前記検知部は、消費電力の変化に基づいて人の存在または接近を検知する電力測定器を含む、請求項8記載の起動時間短縮装置。
- 前記検知部は、光量の変化に基づいて人の存在または接近を検知する光センサを含む、請求項8記載の起動時間短縮装置。
- 前記電子機器は、
プログラムを格納するプログラム格納装置と、
主記憶装置と、
前記プログラム格納装置に格納されたプログラムを前記主記憶装置で実行する処理装置とを含み、
前記起動処理の少なくとも一部は、プログラムの展開、前記プログラム格納装置から前記主記憶装置へのプログラムの転送および前記プログラムの一部の実行のうち少なくとも1つを含む、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - 前記制御部は、前記電子機器の起動処理の少なくとも一部の実行開始から所定時間内に起動指示を受けない場合に前記起動処理を解除する、請求項1記載の起動時間短縮装置。
- 前記電子機器は、テレビ番組を表示するテレビモジュールと、前記テレビモジュールに接続されるパーソナルコンピュータとを備え、
前記制御部は、前記起動準備指示部の指示に応答して前記パーソナルコンピュータの起動処理の少なくとも一部を実行する、請求項1記載の起動時間短縮装置。 - 所定の動作を行う動作部と、
起動指示に応答して前記動作部の起動処理を実行する制御部と、
前記起動指示の発生を予測し、予測された起動指示のタイミングよりも前のタイミングで前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示する起動準備指示部とを備え、
前記制御部は、前記起動準備指示部の指示に応答して前記動作部の起動処理の少なくとも一部を実行する、電子機器。 - 他の1または複数の装置と通信を行うインターフェイスバスをさらに備え、
前記起動準備指示部は、前記制御部に前記起動処理の少なくとも一部の実行を指示するとともに、インターフェイスバスを通して前記他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項18記載の電子機器。 - 前記起動準備指示部は、前記インターフェイスバスを通して前記他の1または複数の装置に送信要求を与え、前記他の1または複数の装置からの送信許可に応答して前記インターフェイスバスを通して前記他の1または複数の装置に起動処理の少なくとも一部の実行を指示する、請求項19記載の電子機器。
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