JPWO2004052569A1 - 継目無金属管の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、傾斜ロール式の穿孔圧延機による継目無金属管の穿孔圧延方法に関し、ビレットの噛み込み不良を生じさせることなく、マンネスマン破壊と円周方向剪断歪を大幅に抑制することができる。これにより、内面疵の少ない内面品質が良好な製品を高い生産性で製造することが可能になる。さらに、プラグの先端圧延部を強化することによって、プラグの尖頭化が図れ、噛み込み限界を拡大できるとともに、一層、内面品質に優れる製品を効率的に生産することができる。このため、本発明方法は、継目無金属管の穿孔圧延において広い分野で適用することができる。

Description

本発明は、継目無金属管の製造方法に関し、より詳しくは傾斜ロール式の穿孔圧延機による継目無金属管の穿孔圧延方法に関するものである。
継目無金属管の製造方法として広く採用されているマンネスマン製管法では、所定の温度に加熱された中実の丸ビレット(以下、「ビレット」ともいう)を素材とし、一対の主ロールとプラグを有する傾斜ロール式の穿孔圧延機(以下、「ピアサ」という)に送給してその軸心部に孔を明けて中空素管を得る。
次いで、得られた中空素管をそのまま、または必要に応じて前記ピアサと同一構成のエロンゲータミル、若しくはシェルサイザに通して拡径、縮径して定径後、プラグミル、マンドレルミル等の後続する延伸圧延機で延伸圧延する。その後、ストレッチレデューサ、リーラ、サイザ等の仕上げ圧延機で磨管、形状修正およびサイジングを行う精整工程を経て製品管が製造される。
図1は、マンネスマン製管法に用いられるピアサの構成例を示す斜視図である。ピアサは、被穿孔材であるビレット4の送り線となるパスラインX−Xを挟んで互いに逆方向に傾斜させて対向配置された一対のバレル型の主ロール1、1を備え、この主ロール1、1と位相を90°異ならせて前記パスラインX−Xを挟んで対向配置された一対のディスクロール2、2を備えるとともに、パスラインX−X上にプラグ3を芯金5で支持して構成されている。
通常、プラグ3の先端は、主ロール1、1間が最短距離となるゴージ6よりも圧延上流側に位置するように設置され、ゴージ6からの突き出した距離(例えば、後述する図4に示すPL)はプラグリードと呼ばれる。
上記のように構成されたピアサにおいて、主ロール1、1がパスラインX−Xに対して傾斜角βを付与されて同一方向に回転している。このため、パスラインX−Xに沿って白抜き矢符方向に送給されたビレット4は、主ロール1、1間に噛み込れた後は螺進行移動し、プラグ3によりその軸心部に孔を明けられ中空素管となる。
この間、ディスクロール2、2は、圧延中のビレット4の案内部材の役目をすると同時に、プラグ3により穿孔された中空素管の主ロール1、1の対向方向と90°位相した方向への膨らみを抑制して外径形状を整える役目をしている。また、このディスクロール2、2は、穿孔された中空素管との摺動を軽減して焼付きが発生しないようにビレット4の送り出し方向と同方向に回転駆動されている。
さらに、ピアサには、主ロール1、1の形状がコーン型で、そのロール軸心をパスラインX−Xに対して入側で近く、出側で遠くなるように配置することで上記の傾斜角βとは異なる交叉角γを付与した交叉型と称されるピアサもある(後述する図11(b)参照)。
近年、高合金鋼やステンレス鋼等の難加工性材料であっても、マンネスマン製管法を用いて金属管の圧延加工が行われるようになっている。このため、上記のプラグ3には、使用寿命が長いという性能に加え、中空素管に内面疵を発生させないという性能が強く求められている。
中空素管に発生する内面疵を抑制するには、例えば、特開昭57−168711号公報で記載されるように、(a)マンネスマン破壊の発生、および(b)円周方向剪断歪の発生を抑制することが不可欠である。この(a)および(b)の現象は、ピアサ特有の現象であり、これらを抑制しない限り、高合金鋼やステンレス鋼等の難加工性材料を高能率でマンネスマン製管をすることができない。また、使用するプラグの寿命延長も困難である。
上記特開昭57−168711号公報には、主ロールの傾斜角βおよび交叉角γを調整することによって、上記(a)および(b)を抑制する方法が示されているが、プラグの長寿命化は勿論のこと、プラグ自体に上記(a)および(b)を抑制する機能を持たせることは全く考慮されていない。
また、特開平10−137818号公報では、高合金鋼やステンレス鋼等の難加工性材料の穿孔圧延に用いても、寿命延長が図れるプラグ形状が提案されている。図2は、特開平10−137818号公報で提案されたプラグ形状を示す図である。
図2に示すように、提案されたプラグは、全体の形状が単純な砲弾形状のいわゆる2ゾーン型と称されるプラグ(以下、単に「2ゾーン型プラグ」という)であり、図中に示す各部寸法のうちのr、RおよびDのみの関係を、下記の(5)乃至(7)式に示す条件を満たす形状に規定したものである。このため、プラグ自体に上記の(a)および(b)を抑制する機能を持たせることは全く考慮されていない。
R≧−160r+12D ・・・ (5)
R≧18r+3.6D ・・・ (6)
−20r+22D≧R≧90r−15D ・・・ (7)
図3は、長寿命のプラグとして提案された他のプラグ形状を示す図である。このプラグは、ドイツ文献(Neumann著「Stahlrohrnerstellung(鋼管の製造;ドイツ語文献)」、1970年)によって提案されたものであり、曲率半径r、軸方向長さL1の先端部と曲率半径Rの円弧回転面である軸方向長さL3のワーク部との間に、外径d、軸方向長さL2の円柱状の平行部を形成し、この平行部と前記の先端部とからなる先端圧延部を形成した構造である。
図3に示す形状のプラグは、先端圧延部のワーク部近傍部分に被穿孔材が接触しない隙間が形成され、この隙間によりプラグの内部に蓄積された熱が放出される構造であるため、プラグの先端部が溶損しにくく、プラグ寿命が延長されることになる。
そこで、本発明者らは、前記図2に示す2ゾーン型プラグと図3に示す形状のプラグとの使用比較試験をおこなった。その結果、図3に示す形状のプラグの方が、若干長寿命であり内面疵が発生しにくいことが確認されたが、噛み込み不良が発生し易く、生産性が低下するという問題がある。
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、前記図3に示す形状のプラグを用いる際に、噛み込み不良が発生するのを防止するため、プラグリードを小さくした場合、言い換えると、プラグ先端ドラフト率を大きくした場合であっても、内面疵の発生が少ない製品を得ることができる継目無金属管の製造方法を提供する。これと同時に、プラグ先端ドラフト率を小さくした場合であっても、プラグの溶損を発生することなく、プラグ噛み込み限界の拡大が可能な継目無金属管の製造方法を提供することを目的にしている。
図4は、中空素管の穿孔圧延におけるプラグリードおよびプラグ先端ドラフト率を説明する図である。本発明の説明において、プラグリードPLは、図4に示すように、コーン型の主ロール8のゴージ6の位置からプラグ3の先端までの距離をいう。
また、プラグ先端ドラフト率PDR(%)は、ビレット4の外径BDとし、プラグ3の先端位置における主ロール8、8間の最短距離ROPとした場合に、下記(8)式で定義される値である。なお、図4中のROは、ゴージ6の位置における主ロール8、8間の最短距離である。
PDR={(BD−ROP)/BD}×100(%)・・・ (8)
したがって、図4において、プラグをプラグリードPLが小さくなるように設定すると、それにともなって上記(8)式で定義される値は大きくなることから、上述の通り、プラグリードを小さく設定した場合をプラグ先端ドラフト率を大きく設定した場合と言い換えることができる。
本発明は、上記の目的を達成するために開発されたものであり、次の(1)および(2)の継目無金属管の製造方法を要旨としている。
(1)外径d(mm)が軸方向にわたり等径または外径dが軸方向後端に向かうに従って増大するテーパ角度の半角が2°以下の軸方向長さL2(mm)の円柱状で、その先端面が曲率半径r(mm)、軸方向長さL1(mm)の球面状に形成された先端圧延部と、
この先端圧延部に連続して外径が軸方向後端に向かうに従って増大するように曲率半径R(mm)の円弧回転面で形成された軸方向長さL3(mm)のワーク部と、
このワーク部に連続して外径が軸方向後端の最大外径D(mm)に向かうに従って増大するようにテーパ角度2θ(°)で形成されたテーパ円柱状の軸方向長さL4(mm)のリーリング部とを有するプラグを用い、外径BD(mm)の中実丸ビレットを傾斜ロール式の穿孔圧延機で穿孔圧延する継目無鋼金属管の製造方法であって、
前記プラグの外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3と中実丸ビレットの外径BDとの関係が下記の(1)乃至(3)式のいずれも満足することを特徴とする継目無金属管の製造方法である(以下、「第1の発明方法」という)。
0.12≦d/BD≦0.35 ・・・ (1)
0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
・・・ (2)
0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
(2)外径d(mm)が軸方向にわたり等径または外径dが軸方向後端に向かうに従って増大するテーパ角度の半角が2°以下の軸方向長さL2(mm)の円柱状で、その先端面が曲率半径r(mm)、軸方向長さL1(mm)の球面状に形成された先端圧延部と、
この先端圧延部に連続して外径が軸方向後端に向かうに従って増大するように曲率半径R(mm)の円弧回転面で形成された軸方向長さL3(mm)のワーク部と、
このワーク部に連続して外径が軸方向後端の最大外径D(mm)に向かうに従って増大するようにテーパ角度2θ(°)で形成されたテーパ円柱状の軸方向長さL4(mm)のリーリング部とを有し、
少なくとも前記先端圧延部の1100℃における引張強度が50MPa以上であるプラグを用い、外径BD(mm)の中実丸ビレットを傾斜ロール式の穿孔圧延機で穿孔圧延する継目無鋼金属管の製造方法であって、
前記プラグの外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3と中実丸ビレットの外径BDとの関係が下記の(2)乃至(4)式のいずれも満足することを特徴とする継目無金属管の製造方法である(以下、「第2の発明方法」という)。
0.06≦d/BD≦0.12 ・・・ (4)
0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
・・・ (2)
0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
上記の第2の発明方法では、プラグの先端圧延部を取り替え可能にするのが望ましい。また、上記プラグの先端圧延部をワーク部およびリーリング部を構成する母材にスケールを形成させた部材とし、該スケール厚を前記ワーク部およびリーリング部のスケール厚の1.5倍から3倍の範囲とするのが望ましい。
上記の第1および第2の発明方法において、通常、プラグ寿命を確保する観点から、ワーク部およびリーリング部を構成する母材のスケール厚さは200μm〜1000μmの範囲とするのが望ましい。
さらに、上記の第1および第2の発明方法においては、傾斜ロール式の穿孔圧延機として、主ロールの形状がコーン型で、そのロール軸心とパスラインとの離間距離が入側で小さく、出側で大きい交叉型の傾斜ロール式穿孔圧延機を用いるのが望ましく、この場合には生産性を一段と向上させることができる。
図1は、マンネスマン製管法に用いられるピアサの構成例を示す斜視図である。
図2は、全体の形状が単純な砲弾形状からなる2ゾーン型プラグの一例を示す図である。
図3は、本発明で用いるプラグ形状を示す図である。
図4は、中空素管の穿孔圧延におけるプラグリードおよびプラグ先端ドラフト率を説明する図である。
図5は、モデルミルによるマンネスマン破壊の発生状況を調査する方法を説明する図である。
図6は、モデルミルによる円周方向剪断歪の発生状況を調査する方法を説明する図である。
図7は、前記図3に示すプラグの形状を特定するためのパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」と、円周方向剪断歪量(rθ/t)およびマンネスマン破壊の大きさMCとの関係を示す図である。
図8は、プラグのプラグ先端ドラフト率PDR(%)を種々変化させた場合における、プラグ先端ドラフト率PDRと、円周方向剪断歪量(rθ/t)およびマンネスマン破壊MCとの関係を示す図である。
図9は、穿孔圧延過程でのプラグの軸方向各部における回転周速度および主ロールの軸方向各部の回転周速度を示す図である。
図10は、プラグを組立法により製造した場合の分割プラグの構成例を示す図である。
図11は、モデルミルの主ロールの構成とプラグとの設定状況を示す図である。
以下、本発明を上記のように規定した理由を添付図面に基づき、第1の発明方法および第2の発明方法に区分して説明する。
1.第1の発明方法
前述の通り、ピアサによる穿孔圧延における内面疵の発生は、(a)マンネスマン破壊の発生、および(b)円周方向剪断歪の発生に起因する。具体的には、プラグの先端よりも上流側のビレット軸心部にマンネスマン破壊が発生し、このマンネスマン破壊が主ロールとプラグによる肉厚加工時に生じる円周方向の剪断歪を受け、発生した変形の成長にともなって内面疵の発生に至る。
そこで、本発明者らは、前記図3に示す形状のプラグを用いた場合における(a)マンネスマン破壊の発生、および(b)円周方向剪断歪の発生状況を把握するため、モデルミルを用いて種々の条件で穿孔圧延の実験を実施した。
ここで、前記図3に示す形状のプラグは、外径dの軸方向長さL2の円柱状で、その先端面が曲率半径r、軸方向長さL1の球面状に形成された先端圧延部と、この先端圧延部に連続して外径が軸方向後端に向かうに従って増大するように曲率半径Rの円弧回転面で形成された軸方向長さL3のワーク部と、このワーク部に連続して外径が軸方向後端の最大外径Dに向かうに従って増大するようにテーパ角度2θで形成されたテーパ円柱状の軸方向長さL4のリーリング部とを有する。
図5は、モデルミルによるマンネスマン破壊の発生状況を調査する方法を説明する図である。モデルミルでの実験には、鉛快削鋼のビレットを用いた。図5に示すように、マンネスマン破壊の発生状況は、穿孔圧延を途中止めし、得られた材料を縦割りして、プラグ先端直前のマンネスマン破壊の発生状況を調査した。得られた材料は、ビレット4の部分と中空素管7の部分に区分される。
図6は、モデルミルによる円周方向剪断歪の発生状況を調査する方法を説明する図であり、(a)はビレットの斜視図であり、(b)は中空素管の端面を示す図である。円周方向剪断歪の発生は、放電加工によってビレット4の半径線上3箇所にピン4aを埋め込み、穿孔圧延して得られた中空素管7の横断面を酸洗後観察して3箇のピン4aの位置を確認することにより、円周方向の剪断歪量(rθ/t)として調査した。
図7および図8は、モデルミルによる調査結果を概念的に説明する図である。
まず、図7は前記図3に示すプラグの形状を特定するために、本発明者らが創出した無次元量のパラメータである「(d/2BD)/(R/L3)」と、円周方向剪断歪量(rθ/t)およびマンネスマン破壊の大きさMCとの関係を示す図である。図7において、プラグの形状は、上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」が小さくなると尖頭化し、大きくなると鈍頭化する。
次に、図8は、プラグのプラグ先端ドラフト率PDR(%)を変化させた場合における、プラグ先端ドラフト率PDRと、円周方向剪断歪量(rθ/t)およびマンネスマン破壊の大きさMCとの関係を示す図である。
図8に示すように、プラグのプラグ先端ドラフト率PDR(%)を増加させると、それにともなって円周方向剪断歪量(rθ/t)およびマンネスマン破壊の大きさMCも増加する関係がある。
前記図7に示す関係において、マンネスマン破壊は、パラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」が小さいほど抑制される。その理由は、プラグの形状が尖頭化するのにともなって、ビレットに対するプラグからの軸方向反力が低下し、ビレットの前進速度が増すため、ビレットが主ロールに噛み込れてからプラグの先端に達するまでの時間が短縮することによる。その結果、回転鍛造回数が減少して、マンネスマン破壊が生じにくくなる。
これに対し、円周方向剪断歪量(rθ/t)は、上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」が大きいほど抑制される。その理由を、次の図9を用いて説明する。
図9は、穿孔圧延過程でのプラグの軸方向各部における回転周速度および主ロールの軸方向各部の回転周速度を示す図である。同図に点線で示すように、パラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」を小さくする場合には、肉厚圧下がおこなわれるゴージまでの間のプラグのワーク部における主ロールとプラグとの回転周速度差が大きくなり、これに伴って円周方向剪断歪量(rθ/t)も大きくなる。
これに対し、同図に実線で示すように、パラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」を大きくする場合には、両者の回転周速度差が小さくなり、これに伴って円周方向剪断歪量(rθ/t)も小さくなる。
また、図9ではバレル型ロール(実線で示す)およびコーン型ロール(点線で示す)に区分して示しているが、バレル型の主ロールの回転周速度は、ゴージの位置で最大となり、入側と出側に向かう従って減少する。
これに対し、コーン型の主ロールの回転周速度は、入側から出側に向かって増大する。このため、主ロールとプラグとの回転周速度差は、主ロールがコーン型の場合の方が小さくなる。
したがって、上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」が同じであるプラグの場合、コーン型の主ロールを備えたピアサを用いれば、円周方向剪断歪の発生を顕著に抑制することができる。
さらに、主ロールとプラグとの回転周速度差を小さくするには、図9中に二点鎖線で示すように、ゴージ位置からのプラグリードPLを大きくする、すなわち、プラグ先端ドラフト率PDRを小さくする方法がある。
プラグリードPLを大きくすることにより、ビレットが主ロールに噛み込まれてからプラグの先端に到達するまでの距離が短縮されるので、マンネスマン破壊の発生が抑制される。しかし、この場合には、ビレットが噛み込み不良を起こし易くなる。
ところで、前記図3に示す形状のプラグの各部寸法のうち、先端圧延部の外径dがビレット外径BDの0.35倍以下、軸方向長さL1+L2がdの0.5倍以上で、かつ、曲率半径RとL3が上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」で0.046以下を満たす形状にすると、プラグ先端ドラフト率PDRを、2ゾーン型プラグの限界値以上に小さくしても噛み込み不良が発生せず、マンネスマン破壊と円周方向剪断歪が抑制されて、内面疵のない中空素管を効率的に製造可能なことが判明した。
しかしながら、dをBDの0.12倍未満にすると、先端圧延部が溶損し易くなってプラグ寿命が低下する。さらに、L1+L2をdの3倍超にすると、先端圧延部が変形し易くなるのに加え、プラグの全長が長くなりすぎ正常なプラグ設定ができない。
また、RとL3が上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」で0.020未満となる形状にすると、2ゾーン型プラグ以上の円周方向剪断歪の発生を抑制する効果が得られないことも判明した。
したがって、第1の発明方法では、ビレットの外径をBDとしたとき、前記図3に示す形状のプラグの各部寸法のうち、少なくとも前記の外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3とが、下記(1)乃至(3)式のいずれも満足する形状のプラグを用いることにした。
0.12≦d/BD≦0.35 ・・・ (1)
0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
・・・ (2)
0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
なお、軸方向長さがL1+L2の先端圧延部を構成する先端球面の曲率半径rは、0.5d(L1=r)とするのが最も好ましいが、必ずしもr=0.5dとする必要はなく、r>0.5dであってもよい。しかし、rが過大になると、その先端面が平滑面に近くなり、ビレットに対するプラグからの軸方向反力が増してビレットの前進速度が遅くなって回転鍛造回数が増加し、マンネスマン破壊を発生し易くなるので、rの上限は大きくともr=d程度に留めるのが望ましい。
また、先端圧延部の外径d、軸方向長さL2の円柱状部分は、必ずしも軸方向にわたり等径である必要はなく、改削と熱処理を繰り返して再使用することを考慮し、外径dの軸方向の先端から後端に向かうに従って増大するテーパ角度の半角が2°以下のテーパ円柱状としてもよい。
さらに、リーリング部は材料の肉厚を一定にするために設けられた部位であり、ここでは積極的に肉厚加工を行わない。このため、リーリング部の角度は、ロール出側の面角とほぼ同じにするのが望ましい。
2.第2の発明方法
前記図8に示すように、ビレットの穿孔圧延過程でマンネスマン破壊の発生を抑制して、内面疵のない中空素管を製造するには、設定時のプラグ先端ドラフト率PDR(%)を小さくするとともに、穿孔効率を高めることが有効である。先端ドラフト率PDR(%)の低減によって、ビレットが主ロールに噛み込れてからプラグの先端に到達するまでの距離が短縮され、回転鍛造回数の低減が図れ、マンネスマン破壊の発生が抑制されることによる。
上記の穿孔効率FEは、圧延ロール出側におけるビレット速度の軸方向成分をVs、ロール周速の軸方向成分をVrとし、主ロールの傾斜角をβとした場合に、下記(9)式によって規定される。
FE=Vs/Vr×sinβ×100(%) ・・・ (9)
穿孔効率FEを向上させることによって、同様に、回転鍛造回数を低減でき、マンネスマン破壊の発生を低減することが可能になる。
しかしながら、プラグ先端ドラフト率PDR(%)を小さくすると、ビレットが噛み込み不良を起こし易くなり、プラグ先端ドラフト率PDR(%)の低減には噛み込み限界が存在する。噛み込み不良が発生すると、そのビレットを除去するために穿孔圧延機の停止を余儀なくされ、生産性が著しく低下することになる。
これに対し、本発明者らの検討によれば、前記図3に示す形状のプラグにおいて、プラグ形状の改善として先端圧延部を尖頭化すれば、噛み込み限界を拡大できるとともに、プラグ先端ドラフト率PDR(%)を低減させた状態で、高い穿孔効率FEを維持できることが明らかになった。
ところが、プラグの先端圧延部を尖頭化すると、熱容量の低下をともない先端圧延部が溶損し易くなる。そこで、さらに検討を加えた結果、先端圧延部に所定の高温強度が確保できれば、さらに尖頭化しても先端圧延部が溶損することなく、噛み込み限界を拡大できることが明確になる。
具体的には、少なくともプラグ先端圧延部の1100℃における引張強度が50MPa以上にすることである。ここで、目標とする温度を1100℃としているのは、スケールを表面に形成した状態で先端圧延部を構成する部材を上昇し得る最高温度である。
このとき必要とされる強度を50MPa以上としたのは、一般的にプラグ材料として使用される3%Cr−1%Ni鋼の1100℃における引張強度と比較して、1.2〜2倍以上の強度を有することが必要としたためである。これは、前記した強度以上の特性が確保できなければ、後述するモデルミルテストにおいてプラグ寿命に優位性が見いだせなかったことによる。
第2の発明方法において、上記の高温強度は、少なくともプラグ先端圧延部で確保する必要がある。したがって、ここで使用するプラグは、これを満足する限りにおいて、先端圧延部以外の部分、すなわち、ワーク部およびリーリング部を構成する母材部の強度は、通常のプラグ強度を満足するものであればよい。
上記の知見に基づいて、プラグ先端圧延部の高温強度を確保して、前記図3に示す形状のプラグの各部寸法のうち、先端圧延部の外径dがビレット外径BDの0.12倍以下、軸方向長さL1+L2がdの0.5倍以上で、かつ、曲率半径RとL3が上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」で0.046以下を満たす形状にすると、プラグ先端ドラフト率PDRを、前記第1の発明方法で用いるプラグの限界値以上に小さくしても噛み込み不良が発生せず、先端圧延部の溶損は見られず、しかも内面疵のない中空素管を効率的に製造できた。
一方、前述した第1の発明方法と同様に、dをBDの0.06倍未満にすると、如何に先端圧延部の強化を図っても、熱容量が小さいため溶損し易くなる。さらに、L1+L2をdの3倍超にする先端圧延部が変形し易くなるのに加え、プラグ全体の長さが長くなりすぎて正常なプラグ設定ができない。
また、RとL3が上記のパラメータ「(d/2BD)/(R/L3)」で0.020未満となる形状にすると、2ゾーン型プラグ以上の円周方向剪断歪の抑制効果が得られない。
したがって、第2の発明方法では、ビレットの外径をBDとしたとき、前記図3に示す形状のプラグの各部寸法のうち、少なくとも前記の外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3とが、下記(2)乃至(4)式のいずれも満足する形状のプラグを用いることとした。
0.06≦d/BD≦0.12 ・・・ (4)
0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
・・・ (2)
0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
第2の発明方法で使用するプラグにおいて、所定の高温強度を必要とするのは当該プラグの先端圧延部である。このため、当該プラグを先端圧延部に用いる部材と、ワーク部およびリーリング部を構成する母材とに分割するのが有効である。
そのため、プラグの製造に際しては、鋳ぐるみ法および組立法のいずれも適用できる。しかし、プラグの先端圧延部を溶接肉盛で構成するのは、母材部に熱影響が及ぶため、プラグの製造方法として採用することができない。
図10は、プラグを組立法により製造した分割プラグの構成例を示す図である。同図(a)では先端圧延部は円筒状に構成されて組み立てられているのに対し、同図(b)では先端圧延部は円筒部に加え肩部を構成して組み立てられている。
同図(a)に示す円筒状の先端圧延部であると、リーリング部での損傷が大きくなるため、穿孔圧延の条件に応じて、(a)および(b)に示される先端圧延部を適宜選択するのが望ましい。さらに、プラグの保守性の観点からは、プラグの先端圧延部を取り替え可能とするのが望ましい。
通常、プラグの母材としては0.5%Cr−1.5%Ni−3.0%W系鋼を用いるのが望ましい。この場合に、母材のスケール厚さは、スケールの密着性やプラグ寿命の観点から、200μm〜1000μmの範囲とするのが望ましい。また、先端圧延部に用いる部材としてはW、Moを含有した高強度鋼、Nb−10%W−2.5%ZrのNb合金、または、Mo−0.5%Ti−0.08%ZrのMo合金を用いるのが望ましい。これらは、充分に要求される高温強度を満足することができるからである。
さらに、先端圧延部に用いる部材として、母材に厚スケールを形成させた部材を使用することもできる。厚スケールを形成し部材表面を被覆することによって、耐熱性が確保でき溶損の抑制に有効であるとともに、厚スケールは穿孔圧延時での潤滑性にも優れた作用を及ぼす。
厚スケールを形成する場合には、その部材のスケール厚さを母材のスケール厚さの1.5倍から3倍の範囲とするのが望ましい。1.5倍未満では耐熱性を確保することができず、3倍を超えると部材の径細りが発生し取付が困難になる。
本発明におけるスケール処理は、特に使用する炉の種類を限定する必要がなく、通常の加熱処理炉を用いて実施すればよい。スケール処理は、例えば、1000℃〜1100℃の温度範囲で行うことができ、スケール厚さは処理時間によって調整できる。
以下に、本発明の第1、第2の発明方法の具体的な内容を、実施例に基づいて説明する。
実施例1では、モデルミルを用いた穿孔圧延によって、第1の発明方法の効果を確認した。使用するプラグとして2ゾーン型プラグと、前記図3に示す形状のプラグを準備し、それらのプラグ各部の寸法を表1に示した。2ゾーン型プラグは1種類(表1中の代符F)とした。いずれのプラグも、材質は0.5%Cr−1.5%Mo−3.0%W系のステンレス鋼とした。
モデルミルの主ロールは、いずれもゴージ部の外径が410mm、傾斜角βを0°、交叉角γを後述する各角度に設定した状態で、主ロールの入側面とパスラインX−Xに平行な直線とがなす角度である入側面角と、主ロールの出側面とパスラインX−Xに平行な直線とがなす角度である出側面角が、ともに3.5°の4種類(バレル型1種類、コーン型3種類)を準備した。
図11は、モデルミルの主ロールの構成とプラグとの設定状況を示す図であり、同図(a)はバレル型ロールの場合、同図(b)はコーン型ロールの場合を示している。なお、具体的な寸法の記載は省略したが、図11(b)に示すコーン型の主ロールの入側径DFと出側径DRは、後述する交叉角γ(5°、10°および15°)毎に異なる径にした。
準備したプラグと主ロールは、モデルミルに設定し、外径70mm、長さ300mmの18%Cr−8%Ni−1%Nbのオーステナイト系ステンレス鋼からなるビレットを1250℃に加熱し、外径74mm、肉厚5.8mm、長さ930mmの中空素管を得る穿孔圧延試験をおこなった。この18%Cr−8%Ni−1%Nb鋼は、熱間加工性が劣るオーステナイト系ステンレス鋼のなかでも特に熱間加工性の劣悪な材料として選択した。
穿孔圧延試験の際、主ロールの傾斜角βは全て10°とし、コーン型の主ロールの交叉角γはそれぞれ5°、10°、15°とした。また、プラグ先端ドラフト率PDRは、3%、4%、5%、6%、7%の5段階に変化させた。その時の主ロール間の最短距離ROとROP、およびプラグリードPL(いずれも図8参照)の設定寸法を表2に示す。
試験の結果を表3に示す。本発明で規定する条件を満たすプラグ(代符B〜D)を用いた場合には、プラグ先端ドラフト率PDRを3%と低くしても、噛み込み不良は起こらず、しかも内面疵のない中空素管が得られている。
これに対して、本発明で規定する条件を満たさないプラグ(代符A、E、G)および2ゾーン型のプラグ(代符F)を用いた場合には、プラグ先端ドラフト率PDRが3%ではいずれも噛み込み不良が起こっており、プラグによってはプラグ先端ドラフト率PDRを4%以上に大きくしても噛み込み不良が起こっている。また、(1)式と(2)式を満たさないプラグ(代符H)は、いずれの条件においても先端が溶損している。
さらに、本発明で規定する条件を満たすプラグ(代符B〜D)を用いた場合、主ロールがバレル型で交叉角γが0°のピアサでは、内面疵が発生しないプラグ先端ドラフト率PDRの最大値は6%であるが、本発明で規定する条件を満たさないプラグを用いた場合の最大値は4%と低い。
また、主ロールがコーン型で交叉角γが5°のピアサでは、内面疵が発生しないプラグ先端ドラフト率PDRの最大値は7%であるが、本発明で規定する条件を満たさないプラグを用いた場合の最大値は5%と低く、この傾向は交叉角γが大きいピアサほど顕著である。これに対して、2ゾーン型プラグを用いた場合の内面疵が発生しないプラグ先端ドラフト率PDRは、交叉角γが10°と15°のピアサにおける5%のみである。
Figure 2004052569
Figure 2004052569
実施例2では、同じモデルミルを用いて第2の発明方法の効果を確認した。使用するプラグとして、前記図3に示す形状のプラグの3種類を準備し、そのプラグ各部の寸法を次頁の表4に示した。
いずれのプラグも母材は3.0%Cr−1.0%Ni系鋼として、その強度は1100℃の引張強度で30MPaであった。また、先頭圧延部にはNb−10%W−2.5%ZrのNb合金、Mo−0.5%Ti−0.08%ZrのMo合金および鉄系の高強度鋼4種の母材にスケールを施した部材を使用した。
使用したプラグの物性として、先端圧延部の1100℃における引張強度および母材のスケール厚さを測定し、表5(1)〜(3)に示す。このときのスケール処理は1000℃〜1100℃の温度範囲で行い、スケール厚さは処理時間を調整することにより、変化させている。スケール処理炉は、通常の加熱処理炉を用いた。
プラグの構造は、先端圧延部を取り替え可能として、プラグの分割方式は前記図10(a)または(b)に示す方式から選択して、分割構成例を(a)または(b)に区分して表5(1)〜(3)に示す。
モデルミルの主ロールは、実施例1で用いたコーン型ロールと同じ条件で設定し、穿孔圧延試験の際、主ロールの傾斜角βは10°とし、コーン型の主ロールの交叉角γは5°とした。また、プラグ先端ドラフト率PDRは、2.0%〜7.0%の範囲で7段階に変化させた。
穿孔圧延試験に用いたビレットも、実施例1と同じとし、外径70mm、長さ300mmの18%Cr−8%Ni−1%Nbのオーステナイト系ステンレス鋼からなるビレットを1250℃に加熱し、外径74mm、肉厚5.8mm、長さ930mmの中空素管を穿孔圧延し、その試験結果を表5(1)〜(3)に示す。
Figure 2004052569
Figure 2004052569
Figure 2004052569
Figure 2004052569
前記表5(1)、(2)の結果から、本発明で規定する関係を満たすプラグ(代符I、J)であって、先端圧延部の1100℃における引張強度も満足する場合には、プラグ先端ドラフト率PDRを2.5%と低くしても、噛み込み不良を発生することなく、中空素管が得られた。しかし、スケール厚さが薄すぎたり、または厚スケールを形成した部材では、プラグ先端ドラフト率PDRが2.0%〜2.5%で溶損の発生が見られた。
一方、前記表5(3)の結果から、本発明で規定する条件を満たさないプラグ(代符K)を用いた場合には、いずれの条件においても先端が溶損しており、Nb合金、Mo合金による部材であっても、広い範囲で溶損の発生があった。
産業上の利用の可能性
本発明の継目無金属管の製造方法によれば、ビレットの噛み込み不良を生じさせることなく、マンネスマン破壊と円周方向剪断歪を大幅に抑制することができる。これにより、内面疵の少ない内面品質が良好な製品を高い生産性で製造することが可能になる。さらに、プラグの先端圧延部を強化することによって、プラグの尖頭化が図れ、噛み込み限界を拡大できるとともに、一層、内面品質に優れる製品を効率的に生産することができる。これに基づき、継目無金属管の穿孔圧延において広い分野で適用することができる。

Claims (6)

  1. 外径d(mm)が軸方向にわたり等径または外径dが軸方向後端に向かうに従って増大するテーパ角度の半角が2°以下の軸方向長さL2(mm)の円柱状で、その先端面が曲率半径r(mm)、軸方向長さL1(mm)の球面状に形成された先端圧延部と、
    この先端圧延部に連続して外径が軸方向後端に向かうに従って増大するように曲率半径R(mm)の円弧回転面で形成された軸方向長さL3(mm)のワーク部と、
    このワーク部に連続して外径が軸方向後端の最大外径D(mm)に向かうに従って増大するようにテーパ角度2θ(°)で形成されたテーパ円柱状の軸方向長さL4(mm)のリーリング部とを有するプラグを用い、外径BD(mm)の中実丸ビレットを傾斜ロール式の穿孔圧延機で穿孔圧延する継目無鋼金属管の製造方法であって、
    前記プラグの外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3と中実丸ビレットの外径BDとの関係が下記の(1)乃至(3)式のいずれも満足することを特徴とする継目無金属管の製造方法。
    0.12≦d/BD≦0.35 ・・・ (1)
    0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
    ・・・ (2)
    0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
  2. 外径d(mm)が軸方向にわたり等径または外径dが軸方向後端に向かうに従って増大するテーパ角度の半角が2°以下の軸方向長さL2(mm)の円柱状で、その先端面が曲率半径r(mm)、軸方向長さL1(mm)の球面状に形成された先端圧延部と、
    この先端圧延部に連続して外径が軸方向後端に向かうに従って増大するように曲率半径R(mm)の円弧回転面で形成された軸方向長さL3(mm)のワーク部と、
    このワーク部に連続して外径が軸方向後端の最大外径D(mm)に向かうに従って増大するようにテーパ角度2θ(°)で形成されたテーパ円柱状の軸方向長さL4(mm)のリーリング部とを有し、
    少なくとも前記先端圧延部の1100℃における引張強度が50MPa以上であるプラグを用い、外径BD(mm)の中実丸ビレットを傾斜ロール式の穿孔圧延機で穿孔圧延する継目無鋼金属管の製造方法であって、前記プラグの外径d、曲率半径R、軸方向長さL1、L2およびL3と中実丸ビレットの外径BDとの関係が下記の(2)乃至(4)式のいずれも満足することを特徴とする継目無金属管の製造方法。
    0.06≦d/BD≦0.12 ・・・ (4)
    0.020≦(d/2BD)/(R/L3)≦0.046
    ・・・ (2)
    0.5d≦L1+L2≦3d ・・・ (3)
  3. 上記プラグの先端圧延部が取り替え可能であることを特徴とする請求項2に記載の継目無金属管の製造方法。
  4. 上記ワーク部およびリーリング部を構成する母材のスケール厚さが200μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の継目無金属管の製造方法。
  5. 上記プラグの先端圧延部がワーク部およびリーリング部を構成する母材にスケールを形成させた部材であり、該スケール厚を前記ワーク部およびリーリング部のスケール厚の1.5倍から3倍の範囲とすることを特徴とする請求項2乃至4にいずれかに記載の継目無金属管の製造方法。
  6. 上記傾斜ロール式の穿孔圧延機は主ロールの形状がコーン型であり、そのロール軸心とパスラインとの離間距離が入側で小さく、出側で大きい交叉型の傾斜ロール式穿孔圧延機を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の継目無金属管の製造方法。
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