JP4315155B2 - 継目無管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、継目無管の代表的製造方法であるマンネスマン製管法で採用されるピアサー(穿孔圧延機)による継目無管の製造方法に関し、さらに詳しくは、5%以上のCrを含有するビレット並びに非鉄および鉄鋼に限らず連続鋳造法により得られた難加工性の材料をビレットとして穿孔圧延を行う場合であっても、噛み込み不良等のミスロールや全長に亘り内面疵の発生がない継目無管の製造方法に関するものである。
継目無管の代表的な製造方法として用いられている、いわゆるマンネスマン製管法は、所定温度に加熱された中実のビレットをピアサーにより穿孔圧延して中空素管を製造する。次いで、穿孔圧延された中空素管を5スタンドから8スタンドのマンドレルミルに通して延伸圧延し、再加熱、または直接にストレッチレデューサ若しくはサイザミルによって所定の外径寸法にして、さらに精整工程を経て製品となる継目無鋼管を製造する方法である。
ピアサーによる穿孔圧延では、被圧延材であるビレットをパスラインに沿って圧延方向に移動させるように、このパスラインに対してロール軸心線が傾斜した樽形状(バレル形状)またはコーン形状からなる一対の傾斜ロールを対向配置している。さらに、これらの一対の傾斜ロール間に、パスライン上に沿って配されたマンドレルの先端に保持され、穿孔圧延に用いられるプラグが配置されている。
通常、ピアサー用の穿孔ロールとしては、穿孔圧延された被圧延材の品質が優れ、穿孔圧延能率も良好なことからコーン形状の傾斜ロールが用いられる。
図1は、穿孔圧延に用いられるコーン形状の傾斜ロールの配置を模式的に説明する図である。さらに、図2は、前記図1のA−A矢視で示されるコーン形状の傾斜ロールの配置を説明する図である。
傾斜ロール1は、その中間部にロール径Dgなるゴージ部1aと、このゴージ部1aから入側端面に向かうにしたがって外径が小さくなる略円錐台状をなす入口面1bおよび出側端面に向かうにしたがって外径が大きくなる略円錐台状をなす出口面1cとを備え、全体としてコーン形状に形成される。
この傾斜ロール1は、パスラインX−Xに対してロール軸心線がそれぞれ交叉角γをなすように配置されている。さらに、図2に示すように、傾斜ロール1はパスラインX−Xに対して傾斜角βとなるように配置される。一方、図2に示されない他方の傾斜ロール1も、パスラインX−Xを挟んで傾斜角βで逆方向に傾斜させて対向配置される。
ビレット3に旋回運動を加える傾斜ロール1は、それぞれの駆動装置4に直接接合され、これにより、単独にロール軸心線を中心に回転できる。
また、プラグ2は全体として砲弾形状をなし、その後端部をマンドレルバーMの先端部に支持される。さらに、マンドレルバーMの後端部は、図示しないが、軸方向に前後進可能でプラグ2に作用する圧延方向のスラスト力を支えるとともに、プラグ位置を調整するスラストブロック装置に連結される。
上記のように構成されたピアサーにおいて、パスラインX−X上を白抜き矢符方向に送給されたビレット3は、傾斜ロールの間隙を旋回しつつパスラインX−X上を移動している間にプラグ2によりその軸心部に孔を空けられて、傾斜ロール1とプラグ2により肉厚加工が施されながら圧延され中空状の素管となる。
ところが、上述の穿孔圧延では、ビレットは、傾斜ロールに噛み込まれてプラグ先端部に到達するまでの間に、旋回して前進させられながら一対の傾斜ロールで加工を加えられる。このとき、いわゆる回転鍛造効果(マンネスマン効果)によって、ビレットの中心部は脆くなり、穿孔圧延されやすい状態になる。この回転鍛造効果が大き過ぎる場合には、中心部にボイドが発生したり、極端な場合には中心部が破壊されて放射状の割れ疵が発生することがある。
このような場合には、特に、中心偏析やセンタポロシティが生じ易い連続鋳造材や、δフエライトが発生し易い5%以上のCrを含有するステンレス鋼、または銅、銅合金など鋳造組織が残存して加工性の悪い非鉄材料のビレットがピアサーで穿孔圧延されると、ビレットがロールに噛み込まれてプラグ先端に到達するまでの間に回転鍛造効果によりビレット軸心部に割れが発生し、これが圧延後に素管の内面疵として残存することになる。この内面疵の発生をなくすために、従来から種々の方法が提案されている。
通常、ピアサーによる穿孔圧延では、プラグ位置と傾斜ロール開度を調節してプラグ先端位置でのビレットの圧下率(プラグ先端ドラフト率)が小さくなるよう設定されている。例えば、特開平03−13222号公報では、ビレットが傾斜ロールに噛み込まれた後、ビレットの中間部圧延時のプラグ先端ドラフト率が、ビレットのトップ部およびボトム部圧延時のプラグ先端ドラフト率よりも小さくなるように、傾斜ロール開度とプラグ先進量とを同時に変更して穿孔圧延する方法が開示されている。
上記特開平03−13222号公報で開示された圧延方法によれば、噛み込み不良等のミスロールは防止でき、かつ素管のトップ部およびボトム部を除いて、過剰な回転鍛造効果に起因する内面疵の発生を防止することができるかもしれない。しかし、ビレットのトップ部では噛み込み性を重視しているので、素管のトップ部での内面疵の発生を十分に防止できないことが予想される。また、穿孔圧延中に傾斜ロールの設定を変更可能な、新たな設備の開発が必要になる。
次に、特開昭61−3605号公報では、ビレット重量および素管目標寸法に基づいて、プラグ先端ドラフト率が目標値になるように、傾斜ロール開度、プラグリードの設定を制御して内面疵の発生を防止する穿孔圧延方法が提案されている。ここで提案された制御方法によれば、被圧延材の鋼種、傾斜ロールの形状、穿孔圧延条件等の変動にともなって傾斜ロール開度、プラグリードを目標値に設定しても、素管の内面疵の発生を防止できるかも知れないが、噛み込み不良等のミスロールの発生を十分に防ぐことができないことが予想される。
さらに、特開2000−140911号公報では、傾斜ロールの傾斜角を12〜14°にすると共に、ビレットの噛み込み位置からプラグ先端部までの距離とビレット径との比が特定条件になるように穿孔圧延機を運転することにより、内面疵の発生を防止する穿孔圧延方法が開示されている。
上記特開2000−140911号公報で開示された穿孔圧延方法では、ミスロールや内面疵の発生を防止することができるかも知れないが、上記特開平03−13222号公報の圧延方法と同様に、素管の内面疵の発生防止については、素管のトップ部での内面疵の発生を十分に防止できないことが予想される。
このため、前述した連続鋳造材やδフエライトが生じ易い5%以上のCrを含有するステンレス鋼等の難加工性の材料を穿孔圧延する場合には、素管のトップ部に内面疵が多発するおそれがある。さらに、穿孔圧延中にロール設定を変更可能な、新たな設備の開発が必要となる。
ピアサーによるビレットのトップ部の穿孔圧延では、噛み込み不良等のミスロールとともに、過剰な回転鍛造効果に起因する内面疵が懸念される。これに対し、従来技術では十分に対応できていない。
すなわち、上記特開昭61−3605号公報で提案された制御方法では、内面疵を防止できるが、噛み込み不良の発生は防ぐことができないと思われる。一方、上記特開平03−13222号および特開2000−140911号の各公報で開示された穿孔圧延方法では、噛み込み不良を防止できるが、素管のトップ部での内面疵は防止できないと思われる。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、噛み込み不良等のミスロールを発生させることなく、同時に、回転鍛造効果を適切に制御して、特に被圧延材のトップ部の温度低下による熱間加工性の劣化による回転転造効果に起因する内面疵の発生をなくし、トップ部以降においても、穿孔圧延の設定条件を変更することなく内面疵の発生を防止することができる継目無管の製造方法、言い換えると、ミスロールや被圧延材の全長に亘り内面疵の発生がない継目無管の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、ピアサーによる穿孔圧延に関し、種々の検討を加えた。その結果、ミスロールやトップ部を含む全長に亘り過大な回転鍛造効果による内面疵の発生には、ビレットが傾斜ロールと接触を開始する位置での入口ロール径と傾斜ロールゴージ部のロール径との比、および噛み込み時のビレット回転数とビレットの外径圧下率との比が大きく影響していることを見出した。
ここで、噛み込み時のビレット回転数は、ビレット先端部がロールに噛み込まれた後、プラグ先端部に到達するまでの間に傾斜ロールによって圧下を受ける回数である。
図3は、パスライン周りに対向配置された一対の傾斜ロールの間にプラグを配してビレットを穿孔圧延する状況を模式的に説明する図である。同図では、傾斜ロール1の傾斜角度βがゼロの状態で設定されている。コーン型の傾斜ロール1のゴージ部1aは、傾斜ロール1の入口面1bと出口面1cとが交叉する位置であり、一対の傾斜ロール1、1の間隙が最小となる位置である。
ロールゴージ部1aではロール径Dg(mm)となる。傾斜ロール1の入口面1bの形状は、2段以上の勾配角度を持つ断面形状であってもよく、また曲線の断面形状であってもよい。
さらに、図3に示す傾斜角度βがゼロの状態の幾何学2次元平面おいて、ビレット3が傾斜ロール入口面1bと接触を開始するA点での傾斜ロール径は入口ロール径Dl(mm)として示す。また、同じA点からプラグ2の先端部位置までのパスラインX−Xに平行な距離(パスライン方向の距離)をLd(mm)で示す。このプラグ先端位置での傾斜ロール間隙をRpg(mm)とし、パスラインX−Xと傾斜ロール入口面1bとがなす角度(以下、「入口面角度」という)をθ1で示す。
次に、被圧延材であるビレット3の外径Bd(mm)とし、傾斜ロールの傾斜角β(°)とする場合に、噛み込み時のビレット回転数Nおよびビレットの外径圧下率Dfは、次の関係式で表すことができる。
N=2Ld/(π・Bd・tanβ)
Df={(Bd−Rpg)/Bd}×100
そこで、本発明者らは、材質が0.2%C鋼の連続鋳造鋳片の外径190mmの中心部より削り出して外径70mmと60mmのビレットを作製して、表1に示す条件で穿孔圧延を行い、噛み込み不良等のミスロール発生状況と内面疵の発生有無について調査した。
さらに、上記の関係式から算出されるビレット外径圧下率Dfおよびビレット回転数N、さらにロール形状も種々変更して、穿孔圧延実験を実施した。このとき得られるロール径比Dg/Dl、およびビレット回転数Nとビレット外径圧下率Dfとの比N/Dfとの関係を表2に示す。
Figure 0004315155
Figure 0004315155
表2における評価は、酸洗後の目視観察の結果による。この評価において、○印は圧延された中空素管の全長に亘って内面疵の発生がなく、ミスロールも発生せず問題なく穿孔圧延できた場合を示している。●印は中空素管に内面疵が発生した場合を示している。
次に、ミスロールに関して、表2中の×印は穿孔圧延20本の内3本を超えてミスロールが発生した場合を、▲印は穿孔圧延20本の内2〜3本がミスロールとなった場合を、△印は穿孔圧延20本の内1本がミスロールとなった場合を示している。
前頁の表2に示す結果から、ロール径比Dg/Dlが小さい範囲では、ビレット回転数Nとビレット外径圧下率Dfとの比N/Dfが小さい場合でも、大きい場合でも内面疵が発生し易くなる。ロール径比Dg/Dlが大きい範囲では、内面疵の発生を抑制できるが、ビレット回転数Nとビレット外径圧下率Dfとの比N/Dfが小さいとミスロールの発生比率が増加する。
さらに、表2では示していないが、接触開始位置での入口ロール径Dlとビレット外径Bdとの比D1/Bdが小さい範囲、例えば2.5未満になると、ビレットの噛み込み状態が不安定になり易く、ミスロールが多発する傾向になることも分かった。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたものであり、次の継目無管の製造方法を要旨としている。すなわち、パスライン周りに対向配置された一対のコーン型の傾斜ロールの間にパスラインに沿ってプラグを配し、被圧延材であるビレットを旋回移動させつつ穿孔圧延して継目無管を製造する方法において、入口ロール径Dl(mm)と傾斜ロールゴージ部のロール径Dg(mm)との比Dg/Dl、および前記ビレットの噛み込みからプラグ先端に至るビレット回転数Nとビレットの外径圧下率Df(%)との比N/Dfが下記(1)式〜(3)式のいずれかを満足する条件で穿孔圧延することを特徴とする継目無管の製造方法である。
Dg/Dl<1.1のとき、
23≦N/(Df/100)≦40 ・・・ (1)
1.1≦Dg/Dl<1.5のとき、
20≦N/(Df/100)≦44 ・・・ (2)
1.5≦Dg/Dl≦1.8のとき、
20≦N/(Df/100)≦48 ・・・ (3)
ただし、Ld:ビッレト噛み込み点からプラグ先端部までのパスライン方向の距離(mm)、Bd:ビレット外径、β:傾斜ロールの傾斜角(°)、およびRpg:プラグ先端位置での傾斜ロール間隙(mm)とした場合に、次の関係が成り立つものとする
N=2Ld/(π・Bd・tanβ)
Df={(Bd−Rpg)/Bd}×100
図1は、穿孔圧延に用いられるコーン形状の傾斜ロールの配置を模式的に説明する図である。
図2は、前記図1のA−A矢視で示されるコーン形状の傾斜ロールの配置を説明する図である。
図3は、パスライン周りに対向配置された一対の傾斜ロールの間にプラグを配してビレットを穿孔圧延する状況を模式的に説明する図である。
本発明の製造方法では、圧延された中空素管のトップ部を含む全長に亘って、内面疵の発生を防止するため、ロール径比Dg/Dlの範囲に応じて、次の(1)式〜(3)式のいずれかを満足することを特徴としている。通常、ロール径比Dg/Dlの値が大きくなると、内面疵の発生防止には有効であるが、その上限は設備的な制約から制限される。
例えば、ロールゴージ部のロール径Dg(mm)が大きくなると、設備規模も大きくなり、設備コストが増加する。一方、傾斜ロールの入口ロール径D1(mm)が小さくなると、圧延入側の軸受け強度が小さくなるなどの設備的な問題が生じると同時に、ロール径比Dg/Dlが大きくなるにしたがって、入口ロール径D1とビレット外径Bdとの比D1/Bdが小さくなり、これにともないミスロールが多発する傾向になるので、ロール径比Dg/Dlにも上限があり、その上限を1.8とした。
Dg/Dl<1.1のとき、
23≦N/(Df/100)≦40 ・・・ (1)
1.1≦Dg/Dl<1.5のとき、
20≦N/(Df/100)≦44 ・・・ (2)
1.5≦Dg/Dl≦1.8のとき、
20≦N/(Df/100)≦48 ・・・ (3)
実機ミルでの穿孔圧延では、ビレットの外径圧下率Dfは4%〜8%を適正範囲として操業している。したがって、噛み込み時のビレット回転数Nとビレットの外径圧下率Dfとの比N/Dfを上記(1)式〜(3)式のいずれかに適合させる場合に、外径圧下率Dfが4%〜8%である条件も具備させるのが望ましい。
さらに本発明の製造方法では、ビレットの噛み込み不良等のミスロールを防止するために、入口ロール径D1とビレット外径Bdとの比D1/Bdを2.5以上にするのが望ましい。一方、D1/Bdの上限は、設備的な面から制限され、6.5以下とするのが望ましい。
実機ミルでの穿孔圧延では、前記図3に示した入口角度θ1は大きすぎても小さすぎてもビレットの噛み込み性が悪くなり、穿孔圧延中の被圧延材の振れ回りが大きくなり、穿孔圧延が安定せず、偏肉を悪化させるなどの支障をきたすことになる。このため、入口角度θ1は2.5°〜3.6°にするのが望ましい。
本発明の製造方法では、前述の通り、圧延された素管品質に優れるとともに、穿孔圧延能率も良好なことからコーン形状の傾斜ロールを対象としている。バレル形状の傾斜ロールを対象としないのは、単に品質面、能率面で差があるだけでなく、バレル形状の傾斜ロールではロール径比Dg/Dlが1.03以下と制限され、技術的にも本発明の製造方法に適用するのが困難であることによる。
本発明の製造方法では、特に、中心偏析やセンタポロシティが生じ易い連続鋳造材や、δフエライトが生じ易い5%以上のCrを含有するステンレス鋼、さらに非鉄では銅、銅合金など鋳造組織が残存して加工性の悪い材料を傾斜穿孔圧延機を用いて穿孔圧延する場合に、顕著な効果を発揮することができる。
本発明の効果を確認するため、本発明方法を用いて実施例1および実施例2の条件で穿孔圧延を行って、中空素管を製造した結果を説明する。
前記図1および図2に示す構成のピアサーを用いて、材質が13%Crを含有するマルテンサイトステンレス鋼で外径70mm〜100mmのビレットを素材として、表3に示す条件で穿孔圧延を実施した。
Figure 0004315155
穿孔圧延により素管を製造した結果を、次頁の表4に示す。表4の内面疵発生状況における○印は、中空素管の単位長さ1m当たりに内面疵の個数が2個以下である場合を示し、同様に、●印は中空素管の単位長さ1m当たりに内面疵が3個以上発生した場合を示している。ミスロール発生率(%)は、各ロール設定・圧延条件で20本のビレットを用いて穿孔圧延を行った結果として、発生した本数比率で示している。
後述する表4の結果から明らかなように、本発明例ではロール径比Dg/Dlに基づいて、上記(1)式〜(3)式のいずれかを満足しているので、ミスロールの発生がなく、中空素管の全長に亘って内面疵の発生を防止できた。
一方、比較例では、上記(1)式〜(3)式のいずれの条件も満足させることができなかったため、製造No.7、8材では内面疵の多発があり、製造No.9材ではミスロールの多発があった。
Figure 0004315155
同様に、前記図1および図2に示す構成のピアサーにより、13%Crを含有するマルテンサイトステンレス鋼で外径225mmのビレット100本を用いて、表5に示す条件で穿孔圧延を実施した。圧延条件はいずれも本発明で規定する条件とし、穿孔圧延による噛み込み状態と、最終圧延後の中空素管トップ部の内面観察を行った。
Figure 0004315155
上記表5に示す条件による穿孔圧延では、噛み込み不良が全く発生せず、さらに最終の鋼管製品として問題となる内面疵の発生がなく、安定した穿孔圧延を実施することができた。
本発明の継目無管の製造方法によれば、噛み込み不良等のミスロールを発生させることなく、同時に回転鍛造効果を適切に抑制して、被圧延材のトップ部の熱間加工性の低下に起因する内面疵の発生をなくし、続くトップ部以降においても、穿孔圧延の設定条件を変更することなく内面疵の発生を防止することができる。
したがって、中心偏析やセンタポロシティが生じ易い連続鋳造材や、δフエライトが生じ易い5%以上のCrを含有するステンレス鋼、さらに非鉄では銅、銅合金など鋳造組織が残存して加工性の悪い材料を穿孔圧延する場合でも、ミスロールや被圧延材の全長に亘り内面疵の発生がない継目無管を製造できる。このため、本発明は、優れた継目無管の製造方法として広く適用することができる。

Claims (1)

  1. パスライン周りに対向配置された一対のコーン型の傾斜ロールの間にパスラインに沿ってプラグを配し、被圧延材であるビレットを旋回移動させつつ穿孔圧延して継目無管を製造する方法において、
    前記傾斜ロールの入口ロール径Dl(mm)と傾斜ロールゴージ部のロール径Dg(mm)との比Dg/Dl、および前記ビレットの噛み込みからプラグ先端に至るビレット回転数Nとビレットの外径圧下率Df(%)との比N/Dfが下記(1)式〜(3)式のいずれかを満足する条件で穿孔圧延することを特徴とする継目無管の製造方法。
    Dg/Dl<1.1のとき、
    23≦N/(Df/100)≦40 ・・・ (1)
    1.1≦Dg/Dl<1.5のとき、
    20≦N/(Df/100)≦44 ・・・ (2)
    1.5≦Dg/Dl≦1.8のとき、
    20≦N/(Df/100)≦48 ・・・ (3)
    ただし、Ld:ビッレト噛み込み点からプラグ先端部までのパスライン方向の距離(mm)、Bd:ビレット外径、β:傾斜ロールの傾斜角(°)、およびRpg:プラグ先端位置での傾斜ロール間隙(mm)とした場合に、次の関係が成り立つものとする
    N=2Ld/(π・Bd・tanβ)
    Df={(Bd−Rpg)/Bd}×100
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