JPH03204106A - 熱間継目無管製造用プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は熱間継目無管製造用プラグ、特にステンレス鋼
などの難加工材料の穿孔や圧延に使用した場合、すぐれ
た耐久性を発揮すると共に、内面性状の良好な継目無素
管を製造できる熱間継目無製造用プラグに関する。

（従来の技術） 継目無管製造方法の一つにマンネスマン穿孔法がある。

この方法では第２図に示すように互いに反対方向に傾斜
して同一方向に回転するコール１ａ及び１ｂと、そのロ
ールの後方に設置されたプラグ２を支持するマンドレル
３を備えた穿孔機が使用される。製管の際にはビレット
４を両ロールの間に送り込み、回転鍛造によりビレット
４の中心部に割れを生じさせ、そこにプラグ２を押し当
てて継目無管５を製造する。さらに、この後穿孔機と同
様の構造を有する傾斜圧延機で延伸圧延をｊテう場合も
ある。

従来、熱間穿孔や傾斜圧延などに用いられているプラグ
は、主に３％Ｃｒ−１％Ｎｉ鋼で作られた母材の表面に
酸化鉄層を形成させたものである。被加工材が炭素鋼の
場合にはそのプラグでも２００パス程度まで使用できる
が、被加工材が高合金化するにつれて寿命が極端に短く
なる０例えば被加工材が１３％Ｃｒ鋼の場合には３〜４
パスで、１８％Ｃｒ　−８％Ｎｉ鋼の場合にはわずか１
パスでプラグ先端部や胴体部にえぐれ（溶損の１種）等
が発生する。そこで高合金鋼用プラグとして、３％Ｃｒ
−１％Ｎｉ系鋳鋼にＭｏを含有させて高温強度を高めた
もの（特公昭６１−２０６２１号公報）、或いは低合金
鋼からなる母材の表面にＭＯ合金層を形成させたもの（
特開昭６３−１９２５０４号公報）などが提案されてい
る。しかし上記プラグでも前述の問題点は完全には解決
されていない。

（発明が解決しようとする課題） 前述のように従来の熱間継目無管製造用プラグでは、被
加工材が高合金化するにつれて寿命が著しく短くなり、
生産性の低下や製造コストの増加を招くという問題があ
る。本発明の目的は、高合金鋼或いはニッケル基合金等
の変形抵抗の大きい合金の継目無管を製造する場合でも
溶損や変形が少なく、寿命の長い熱間継目無管製造用プ
ラグを捉供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者は、ステンレス鋼のような難加工材を穿孔また
は圧延する場合でも優れた耐久性をもつプラグについて
種々検討を重ねた結果、下記の知見を得た。すなわち、 ａ、被加工材が炭素鋼の場合、プラグ表面に形成された
酸化鉄層は、すぐれた断熱効果と潤滑作用を発揮する。

ｂ、しかしステンレス鋼のような難加工材の場合には、
酸化鉄層直下の母材まで高温になり、そこに塑性変形が
生じ簡単に溶損してしまう。

Ｃ，プラグ表面に高温強度の高いＮｉ基合金或いはＣｏ
基合金等を被覆しても酸化鉄層が生成されないので、か
えって温度が上昇し損耗や焼付が発生する。

ｄ、ステンレス鋼等の難加工材の場合には、プラグ表面
に高温強度が高い被覆層を形成させ、更にその表層部に
酸化鉄層を生成させることが必要である。

ｅ、上記被覆層及び酸化鉄層は適切な化学組成の選定と
、適当な熱処理により比較的簡単に作ることができる。

本発明は上記知見にもとづいて成されたものであり、そ
の要旨は下記のとおりである。

第１発明は、少なくとも被加工材と接触するプラグ母材
の表面に、重量％で、 Ｃ：０．１〜１．５％、　　　Ｓｉ　：　０．１〜１．
０％、Ｍｎ　：　０．０５〜１．０％、　　　Ｃｒ　：
　１．０〜７．０％、Ｍｏ＋　Ｗ　：　５．０〜２０．
０％、　Ｖ：０．５〜５．０％、を含有し、残部がＦｅ
及び不可避不純物からなる被覆層を有し、その被覆層の
表面に厚さ３０〜３００μ−の酸化鉄層が形成されてい
ることを特徴とする熱間継目無管製造用プラグ。

第２発明は、第１発明のプラグの被覆層が上記成分に加
え、さらに０．１〜５．０重量％のＮｉまたは０．１〜
１２．０重量％のＣｏの１種以上を含有することを特徴
とする熱間継目無管製造用プラグ、である。

（作用） 以下、本発明のプラグの化学組成（重量％）および酸化
鉄層の深さを限定する理由を述べる。

Ｃ：Ｏ，１〜１．５％ Ｃは、高温強度を確保するのに有効な元素である。その
含有量が０．１％未満では上記効果が得られず、一方、
１．５％を核えて含有させると靭性と延性が著しく低下
するようになる。したがってその含有量は０．１〜１．
５％と定めた。

Ｓｉ　：　０．１〜１．０％ Ｓｉは、脱酸剤として作用すると共に地金との密着性の
よい断熱性および潤滑性を有する酸化鉄層を形成させる
元素である。その含有量が０．１％未満では上記効果が
発揮されず、１．０％を超えるとその効果が飽和してし
まうので、その含有量は０．１〜１．０％とした。

Ｍｎ　：　０．０５〜１．０％ Ｍｎは、脱酸剤及び脱硫剤として働（が、０．０５％未
満では所望の効果が得られず、一方、１．０％を超えて
含有させてもその効果が飽和するから、その含有量は０
．０５〜１．０％と定めた。

Ｃｒ　：　１．０〜７．０％ Ｃｒは、高温強度を高めるとともに地金との密着性がよ
く断熱性と潤滑性をもつ酸化鉄層を形成させる元素であ
る。しかしその含有量が１．０％未満では上記効果が現
れず、７．０％を超えて含有させると酸化鉄層の生成量
が減少し、また地金との密着性が低下するという悪影響
がでてくるので、その含有量は１．０〜７．０％とした
。

Ｍｏ　＋　Ｗ　：　５．０〜２０．０％ＭｏとＷは、い
ずれも高温強度を高めるのに著しい効果を発揮する元素
である。しかしそれらの合計の含有量が５．０％より少
ないと上記効果が十分に現れず、一方、２０．０％より
多いと靭性と延性が著しく低下するようになるので、そ
れらの合計含有量は５．０〜２０．０％と定めた。

Ｖ：０．５〜５．０％ ■は、高温強度を高め、かつ酸化鉄層の密着性をよくす
る。その含有量が０．５％未満では所望の効果が得られ
ず、５．０％を超えると靭性及び延性に悪影響がおよぶ
ので、その含有量は０．５〜５．０％とした。

Ｎｉ：０．１〜５．０　　％ Ｎｉは、靭性及び延性を高めると共に酸化鉄層の密着性
を高める有効な元素である。その含有量が０．１％未満
では上記効果が少なく、一方、５．０％を超えると高温
強度が低下するようになるので、Ｎｉを使用する場合は
その含有量は０．１〜５．０％が適当である。

Ｃｏ　：　０．１〜１２．０％ Ｃｏは、Ｎｉと同様の働きをする。しかしその含有量が
０．１％未満では靭性および延性の向上が望めず、１２
．０％を趙えると酸化鉄層の生成が少なくなり、また下
地との密着性が却って低下するので、Ｃｏを使用する場
合はその含有量は０．１〜１２．０％とする。

なおＮｉとＣｏは両方を使用してもよく、一方だけを用
いてもよい。

次に被覆層の表面に厚さ３０〜３００μｍの酸化鉄層を
形成させる理由を述べる。酸化鉄層は断熱及び潤滑の性
質をもつので、被加工材とプラグ母材との焼付きを防ぐ
と共に母材の温度上昇を抑制して塑性変形や溶損を防止
する。しかし酸化鉄層の深さが３０μ鋼に満たない場合
には上記の効果が得られない。一方、３００μｍより厚
くなると酸化鉄層が剥離しやすくなり、所望の効果を得
ることができなくなるため、酸化鉄層の厚さは３０〜３
００μ−と定めた。

本発明のプラグでは母材表面に前記化学組成からなる被
覆層を形成させるが、その方法として溶接肉盛りによる
方法、母材表面に前記化学組成の粉末を置き熱間静水圧
プレスにより圧着する方法等があるが、母材との密着が
確実にできるものであればその方法は限定されない、ま
たその厚さは穿孔または圧延中にプラグ表層部の温度が
上昇しても面圧に耐え得るように、１ｍｍ以上とするの
が望ましい。しかし、過度に厚い被覆層を形成すると剥
離しやすくなるため、上限は１０ｍｍ程度が好ましい。

被覆層の表層部に酸化鉄層を生成させる方法としては、
例えば母材表面に被覆層を形成させたプラグを酸化雰囲
気の炉内に装入し、７５０〜１　、２００″Ｃの温度に
適正時間保持する方法や、水蒸気雰囲気中で８５０〜１
　、０５０℃の温度で熱処理する方法等がある。特に後
者の方法によれば密着性の優れた酸化鉄層を生成させる
ことができる。なお本発明のプラグの母材としては、炭
素鋼、低合金鋼、耐熱鋼などを用いることができる。

（実施例） 以下、実施例により本発明の継目無管製造用プラグにつ
いて説明する。第１図に示すような形状の低合金製のプ
ラグ２の母材２ａの表面に、第１表面に示す化学組成か
らなる厚さ２＋ｎｍの被覆層２ｂを粉体肉盛り溶接法で
形成した。そしてこのプラグを機械加工により胴部の最
大直径が５抛剛になるように仕上げたあと、水蒸気雰囲
気中で９５０°Ｃの温度で熱処理を施し、被覆層の表層
部に同表に示す厚さの酸化鉄層２ｃを生成させた。この
プラグ２を用いてマンネスマン穿孔試験を行い、プラグ
に溶損、えぐれ、クランク等が発生して使用できなくな
るまでの穿孔パス回数を調べた。なおこの試験で用いた
ビレットは、直径６０ｍｍのステンレス鋼（鋼種：　Ｓ
Ｏ５３０４）であり、製造された素管は外径６２ｍｍ、
内径５３ｓａ＋、長さ１．２ｍである。

結果を第１表の穿孔パス回数の欄に示す、これから明ら
かなように、本発明例として示すプラグ（Ａ−Ｍ）は４
〜９のパスに耐えた。これに対し本発明で規定する範囲
から外れた比較例のプラグ（Ｎ−Ｗ）は、１〜２回のパ
スで溶損やクランクが発生して使用できなくなった。ま
た第１表には記載していないが、母材表面に酸化鉄層を
生成させただけの従来の３％Ｃｒ−１％Ｎｉ［製のプラ
グの場合も１パスの寿命であった。

この実施例はステンレス鋼（ＳＵＳ　３０４）を穿孔し
た場合であるが、これより合金元素含有量の低いフェラ
イトステンレス鋼、或いは合金元素含有量の高い二相ス
テンレス鋼の場合にも同様の結果が得られることが確認
された。また本発明のプラグを穿孔用のみならず、圧延
用に用いても同じ効果が得られた。

（以下、余白） （発明の効果） 本発明の継目無管製造用プラグは、高温強度が高い上に
すぐれた断熱性と潤滑性を備えている。

したがってステンレス鋼のような難加工材の穿孔や圧延
に用いても耐久性があり、生産性を著しく向上させるこ
とができる。しかも潤滑性がよいので製品管の内面性状
もきわめて良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の継目無管製造用プラグの縦断面図、 第２図は、マンネスマン穿孔機によりビレットを穿孔し
ている状態を示す図、 １ａおよび１ｂはロール、２はプラグ、２ａは母材、２
ｂは被覆層、２ｃは酸化鉄層、３はマンドレル。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも被加工材と接触するプラグ母材の表面
   に、重量％で、 Ｃ：０．１〜１．５％、Ｓｉ：０．１〜１．０％、Ｍｎ
   ：０．０５〜１．０％、Ｃｒ：１．０〜７．０％、Ｍｏ
   ＋Ｗ：５．０〜２０．０％、Ｖ：０．５〜５．０％、を
   含有し、残部がＦｅ及び不可避不純物からなる被覆層を
   有し、その被覆１の表面に厚さ３０〜３００μｍの酸化
   鉄層が形成されていることを特徴とする熱間継目無管製
   造用プラグ。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載の被覆層が前記の成分
   に加え、さらに０．１〜５．０重量％のＮｉまたは０．
   １〜１２．０重量％のＣｏの１種以上を含有することを
   特徴とする熱間継目無管製造用プラグ。