JP2618397B2 - 熱間加工用工具スケール付着法 - Google Patents
熱間加工用工具スケール付着法Info
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C18/00—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
- C23C18/02—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
- C23C18/12—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
- C23C18/1204—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material inorganic material, e.g. non-oxide and non-metallic such as sulfides, nitrides based compounds
- C23C18/1208—Oxides, e.g. ceramics
- C23C18/1216—Metal oxides
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、継目無鋼管製造プロセス等における穿
孔、延伸、圧延或は熱間押出しのように、閉塞された状
態で使用されるプラグ、マンドレルバーといった工具に
よって鋼材特に合金鋼材を熱間塑性加工するときに、工
具の表面の遮熱、潤滑機能を有するスケールを付着させ
る方法に関する。
孔、延伸、圧延或は熱間押出しのように、閉塞された状
態で使用されるプラグ、マンドレルバーといった工具に
よって鋼材特に合金鋼材を熱間塑性加工するときに、工
具の表面の遮熱、潤滑機能を有するスケールを付着させ
る方法に関する。
[従来の技術] たとえば継目無鋼管製造プロセスにおける穿孔、延
伸、圧延のような鋼材の塑性加工においては、工具は、
1000〜1300℃といった高温の被加工材に直接接触しか
つ、高い面圧下に置かれるため、焼付き、損耗が著し
く、これらが、熱間塑性加工製品の表面性状、断面寸法
精度等品質面に直接的な影響を及ぼす。
伸、圧延のような鋼材の塑性加工においては、工具は、
1000〜1300℃といった高温の被加工材に直接接触しか
つ、高い面圧下に置かれるため、焼付き、損耗が著し
く、これらが、熱間塑性加工製品の表面性状、断面寸法
精度等品質面に直接的な影響を及ぼす。
たとえば、管圧延のための工具として、表面にFe
3O4、FeOといったFe系酸化物、所謂黒皮とよばれる黒色
を呈するスケールをその表層部に形成せしめた、3Cr−1
Ni系或は特公昭57−53863号公報に開示されているよう
な、17Cr−2W系さらには5Cr−1Mo系の材質が使用され
る。
3O4、FeOといったFe系酸化物、所謂黒皮とよばれる黒色
を呈するスケールをその表層部に形成せしめた、3Cr−1
Ni系或は特公昭57−53863号公報に開示されているよう
な、17Cr−2W系さらには5Cr−1Mo系の材質が使用され
る。
これらの工具にあっては、圧延過程で生成するスケー
ルが潤滑剤として機能するのみならず、熱の移動を遮断
する機能を有し、工具の長寿命化に大きく寄与してい
る。
ルが潤滑剤として機能するのみならず、熱の移動を遮断
する機能を有し、工具の長寿命化に大きく寄与してい
る。
しかしながら、被塑性加工材が合金鋼であるような場
合は、圧延負荷が高いといったことに起因して工具表層
の酸化物層が剥離し易く、工具と被塑性加工材間に潤滑
剤、遮熱層が存在しない状態に到る。
合は、圧延負荷が高いといったことに起因して工具表層
の酸化物層が剥離し易く、工具と被塑性加工材間に潤滑
剤、遮熱層が存在しない状態に到る。
また、継目無鋼管製造プロセスにおけるマンドレルミ
ルでは、最近は、マンドレルの軸方向移動速度の制御下
に圧延するセミフローティングマンドレルミルが主流を
占めつつあるが、セミフローテイングマンドレルミルで
は、圧延材とマンドレルの相対速度差が大きく、すべり
速度が大きいため、普通鋼の圧延であっても、工具(マ
ンドレルバー)表面の酸化物層が剥離し易い。
ルでは、最近は、マンドレルの軸方向移動速度の制御下
に圧延するセミフローティングマンドレルミルが主流を
占めつつあるが、セミフローテイングマンドレルミルで
は、圧延材とマンドレルの相対速度差が大きく、すべり
速度が大きいため、普通鋼の圧延であっても、工具(マ
ンドレルバー)表面の酸化物層が剥離し易い。
その結果、過大な入熱による工具母材の損耗、圧延材
工具母材の直接接触(金属接触)による焼付きが生じ
る。
工具母材の直接接触(金属接触)による焼付きが生じ
る。
[発明が解決しようとする問題点] この発明は、前述の如き従来技術における問題点を解
決することを目的としてなされたものである。
決することを目的としてなされたものである。
[問題を解決するための手段及び作用] この発明の特徴とする処は、 継目無鋼管熱間塑性加工用工具の表面に、該工具と被
加工材が接する前に、200℃以上で熱分解により酸素を
発生する物質を黒鉛系潤滑剤に添加したものを供給塗布
し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加工用工具ス
ケール付着法であり、 好ましくは、200℃以上で熱分解により酸素を発生す
る物質が黒鉛系潤滑剤に対して0.5〜5重量%添加され
るものであり、 また、継目無鋼管熱間塑性加工用工具の表面に、該工
具と被加工材が接する前に、200℃以上で熱分解により
酸素を発生する物質を塗布したのち、黒鉛系潤滑剤を供
給塗布し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加工用
工具スケール付着法であり、 更に、好ましくは、上記継目無鋼管熱間塑性加工用工
具が、C:0.3〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:
0.5〜1.5%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなるものである。
加工材が接する前に、200℃以上で熱分解により酸素を
発生する物質を黒鉛系潤滑剤に添加したものを供給塗布
し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加工用工具ス
ケール付着法であり、 好ましくは、200℃以上で熱分解により酸素を発生す
る物質が黒鉛系潤滑剤に対して0.5〜5重量%添加され
るものであり、 また、継目無鋼管熱間塑性加工用工具の表面に、該工
具と被加工材が接する前に、200℃以上で熱分解により
酸素を発生する物質を塗布したのち、黒鉛系潤滑剤を供
給塗布し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加工用
工具スケール付着法であり、 更に、好ましくは、上記継目無鋼管熱間塑性加工用工
具が、C:0.3〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:
0.5〜1.5%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなるものである。
以下に、この発明を詳細に説明する。
鋼材等の熱間塑性加工過程において、工具の表面に酸
化物層を生成させ、この酸化物層の存在により被加工材
から工具への熱移動を可及的に遮断し、工具素地の摩
擦、 溶損、焼付き等の発生を極力減少させることによ
り工具の寿命延長を図ることができる。
化物層を生成させ、この酸化物層の存在により被加工材
から工具への熱移動を可及的に遮断し、工具素地の摩
擦、 溶損、焼付き等の発生を極力減少させることによ
り工具の寿命延長を図ることができる。
而して、工具表面に酸化物(スケール)の生成を促進
させるには、高温において酸素を供給することが考えら
れる。しかしながら、継目無鋼管の圧延においては、工
具と被加工材が接触する場での酸素の供給は殆ど無いも
のと考えられ、従って工具表面におけるスケールの生成
は望めず、圧延材(被加工材)のスケールの工具への移
動が期待できるだけである。しかし、高負荷圧延におい
ては、工具がもつスケールの消耗が大きく、工具寿命に
至る。
させるには、高温において酸素を供給することが考えら
れる。しかしながら、継目無鋼管の圧延においては、工
具と被加工材が接触する場での酸素の供給は殆ど無いも
のと考えられ、従って工具表面におけるスケールの生成
は望めず、圧延材(被加工材)のスケールの工具への移
動が期待できるだけである。しかし、高負荷圧延におい
ては、工具がもつスケールの消耗が大きく、工具寿命に
至る。
本発明者等は、工具と被加工材が接触する場での酸素
の供給手段について検討を重ねた結果、比較的低温で分
解し酸素を発生する物質を、予め工具表面に塗布、乾燥
しておき、熱間塑性加工を行うことにより生成したスケ
ール(黒皮)を、工具と被加工材間の高い圧力で工具表
面に強固に付着せしめる効果と相俟って前述の問題をよ
りよく解決し得ることを突き止めた。尚、熱間塑性加工
に際し潤滑剤を適用する場合は、熱分解により酸素を発
生する物質をその潤滑剤に混入すれば、使用上効率がよ
くその目的を達成する。
の供給手段について検討を重ねた結果、比較的低温で分
解し酸素を発生する物質を、予め工具表面に塗布、乾燥
しておき、熱間塑性加工を行うことにより生成したスケ
ール(黒皮)を、工具と被加工材間の高い圧力で工具表
面に強固に付着せしめる効果と相俟って前述の問題をよ
りよく解決し得ることを突き止めた。尚、熱間塑性加工
に際し潤滑剤を適用する場合は、熱分解により酸素を発
生する物質をその潤滑剤に混入すれば、使用上効率がよ
くその目的を達成する。
また、一度工具表面か黒皮が無くなった場合、例え
ば、合金鋼継目無鋼管を圧延する場合等、早期に黒皮生
成が可能となる。
ば、合金鋼継目無鋼管を圧延する場合等、早期に黒皮生
成が可能となる。
熱分解により酸素を発生する物質によって工具と被加
工材が接触する場で酸素を供給する手段を採る場合、発
生する酸素量次第では被加工材内面のスケールを増加さ
せ塑性加工製品の内面性状を悪くする傾向がある。一
方、潤滑剤に熱分解により酸素を発生する物質を混入し
て用いる場合、潤滑剤組成中に黒鉛を含む場合は高温下
で酸素が黒鉛と反応して黒鉛を消耗し、本来の潤滑性能
を損なう傾向がある。
工材が接触する場で酸素を供給する手段を採る場合、発
生する酸素量次第では被加工材内面のスケールを増加さ
せ塑性加工製品の内面性状を悪くする傾向がある。一
方、潤滑剤に熱分解により酸素を発生する物質を混入し
て用いる場合、潤滑剤組成中に黒鉛を含む場合は高温下
で酸素が黒鉛と反応して黒鉛を消耗し、本来の潤滑性能
を損なう傾向がある。
酸素を発生する物質としては、冷却後圧延に供される
までの工具温度以上であり、かつ圧延使用時に工具表面
がさらされる温度以下で分解することが必要である。さ
らに、マンドレルミル等では圧延前に潤滑剤を塗布し、
その温度が80〜150℃であることから約200℃以上で熱分
解することが必要となり、常温で分解するH2O2や低温側
で分解する有機過酸化物は利用できない。
までの工具温度以上であり、かつ圧延使用時に工具表面
がさらされる温度以下で分解することが必要である。さ
らに、マンドレルミル等では圧延前に潤滑剤を塗布し、
その温度が80〜150℃であることから約200℃以上で熱分
解することが必要となり、常温で分解するH2O2や低温側
で分解する有機過酸化物は利用できない。
本発明者等は、さらに検討を重ね数百℃といった温度
で分解し酸素を発生する物質として過マンガン酸カリ
(KMnO4)を選定し、継目無鋼管製造プロセスにおける
マンドレルミルによる圧延において、マンドレンバーに
塗布する黒鉛系潤滑剤(黒鉛と樹脂バインダーを主成分
とする水溶液)に、好ましくは0.5〜5重量%添加する
ことにより、少ない圧延本数でマンドレルバー表面の黒
皮(スケール)の生成が大いに促進されかつ、潤滑性能
の劣化もなく、圧延材内面性状(内表面性状)への悪影
響もないことも見出した。
で分解し酸素を発生する物質として過マンガン酸カリ
(KMnO4)を選定し、継目無鋼管製造プロセスにおける
マンドレルミルによる圧延において、マンドレンバーに
塗布する黒鉛系潤滑剤(黒鉛と樹脂バインダーを主成分
とする水溶液)に、好ましくは0.5〜5重量%添加する
ことにより、少ない圧延本数でマンドレルバー表面の黒
皮(スケール)の生成が大いに促進されかつ、潤滑性能
の劣化もなく、圧延材内面性状(内表面性状)への悪影
響もないことも見出した。
熱分解により酸素を発生する物質としては、KMnO
4(分解温度約240℃)の他にNaNO3(分解温度約380
℃)、CaO2(分解温度約275℃)、MnO2(分解温度約530
℃)、NaClO3(分解温度約300℃)等も同様な効果を発
揮する。
4(分解温度約240℃)の他にNaNO3(分解温度約380
℃)、CaO2(分解温度約275℃)、MnO2(分解温度約530
℃)、NaClO3(分解温度約300℃)等も同様な効果を発
揮する。
熱分解により酸素を発生する物質としてKMnO4を潤滑
剤に混入して使用する場合、重量%で0.5%未満ではそ
の効果が明確でなく、5%を超えると発生する酸素量が
多く被加工材の表面スケールが多くなり、疵発生等の原
因になる恐れがあり好ましくない。
剤に混入して使用する場合、重量%で0.5%未満ではそ
の効果が明確でなく、5%を超えると発生する酸素量が
多く被加工材の表面スケールが多くなり、疵発生等の原
因になる恐れがあり好ましくない。
次に、この発明を適用するときの好ましい工具材質に
ついて説明する。
ついて説明する。
合金鋼継目無管を製造するプロセスにおける穿孔、延
伸、圧延のように高負荷の熱間塑性加工を行う場合に
は、例えば、C:0.30〜2.0%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%、C
r≦20%さらに、Ni,Mo,W,Ti,Vの1種または2種以上を
合計量で5%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる工具が好ましい。
伸、圧延のように高負荷の熱間塑性加工を行う場合に
は、例えば、C:0.30〜2.0%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%、C
r≦20%さらに、Ni,Mo,W,Ti,Vの1種または2種以上を
合計量で5%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる工具が好ましい。
この成分限定理由について説明する。
上記高負荷の熱間塑性加工を行う場合には、工具の表
面酸化をより促進せしめ、工具表面をよりタイトな鉄酸
化物およびクロマイトよりなる直接酸化膜で覆うことが
肝要である。この発明を上記組成をもつ工具に適用する
ことでタイトな直接酸化膜を工具表面に形成せしめ得る
が、さらに水蒸気を存在せしめることにより工具の表面
酸化がさらに促進される。
面酸化をより促進せしめ、工具表面をよりタイトな鉄酸
化物およびクロマイトよりなる直接酸化膜で覆うことが
肝要である。この発明を上記組成をもつ工具に適用する
ことでタイトな直接酸化膜を工具表面に形成せしめ得る
が、さらに水蒸気を存在せしめることにより工具の表面
酸化がさらに促進される。
工具成分は、高温での耐圧性、軟化抵抗性を維持する
ために、Cr、W、Ti、V等の炭化物を基地中に分散析出
させるとともにNi、Moを添加して高温強度を向上させる
のが良い。
ために、Cr、W、Ti、V等の炭化物を基地中に分散析出
させるとともにNi、Moを添加して高温強度を向上させる
のが良い。
Cは、Cr、W、Ti、V等のM7C3、M23C6、MC型炭化物
形成元素として重要であり、少なくとも0.3%の含有が
必要である。一方、2%を超えると、炭化物の量が多く
なり、かえって靭性を損ない、工具の耐熱衝撃性を悪く
する。
形成元素として重要であり、少なくとも0.3%の含有が
必要である。一方、2%を超えると、炭化物の量が多く
なり、かえって靭性を損ない、工具の耐熱衝撃性を悪く
する。
Crは、その含有量が20%を超えると、炭化物量が過多
となり工具の靭性を損なう。
となり工具の靭性を損なう。
Mo、W、Ti、Vは、高温強度を改善し、さらにW、T
i、Vは、炭化物の形成により耐摩耗性を改善するが、
その結果および経済性を考慮してこれらの1種または2
種以上の合計量で0.2〜5.0%が好適である。
i、Vは、炭化物の形成により耐摩耗性を改善するが、
その結果および経済性を考慮してこれらの1種または2
種以上の合計量で0.2〜5.0%が好適である。
Niは、酸化スケール(黒皮)を工具母材境界に密着せ
しめ、維持する機能を有し、0.2〜2.0%の範囲でその効
果が大きい。2%を超えると、逆に工具の表面酸化を阻
止する作用が大きくなる。
しめ、維持する機能を有し、0.2〜2.0%の範囲でその効
果が大きい。2%を超えると、逆に工具の表面酸化を阻
止する作用が大きくなる。
上述のように、本発明で使用する好ましい工具成分
は、C:0.3〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:0.
5〜1.5%である。
は、C:0.3〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:0.
5〜1.5%である。
Si、Mnは、低めがよく、Siについては1.5%以下、Mn
については1.0%以下であれば問題ない。
については1.0%以下であれば問題ない。
[実 施 例] 実施例1 継目無鋼管製造プロセスにおけるマンドレルミルによ
る圧延において、C:0.4%、Cr:5%、V:1%、Si:1.0%、
Mn:0.5%、残部Feおよび不可避的不純物からなるマンド
レルに、初期黒皮(スケール)生成処理を行ない、黒鉛
系潤滑剤にKMnO4を重量%で1%ならびに3%添加した
条件と、添加しない条件さらに予めKMnO4の1%水溶液
を塗布したのち、無添加の黒鉛系潤滑剤を塗布した条件
で圧延を行った。
る圧延において、C:0.4%、Cr:5%、V:1%、Si:1.0%、
Mn:0.5%、残部Feおよび不可避的不純物からなるマンド
レルに、初期黒皮(スケール)生成処理を行ない、黒鉛
系潤滑剤にKMnO4を重量%で1%ならびに3%添加した
条件と、添加しない条件さらに予めKMnO4の1%水溶液
を塗布したのち、無添加の黒鉛系潤滑剤を塗布した条件
で圧延を行った。
そのときの条件は、以下の通りであった。
(a) パススケジュール:素材60.5φ×8.5t(材質:
普通鋼) 1パス目54.0φ×6.7t→ 2パス目52.5φ×5.75t (b) 圧延本数:各条件とも36本 (c) マンドレル径:41mmφ (d) マンドレル速度/ロール速度:0.6 KMnO4添加有(1%,3%)、無添加で普通鋼管を36本
圧延した後のマンドレル表面黒皮(スケール)厚さを比
較し、評価した。同時に、潤滑性能を示すマンドレルス
ラスト力をマンドレルつかみ部近傍に貼付した歪ゲージ
にて測定するとともに鋼管内部表面性状を比較観察し
た。また鋼管内部表面性状も比較した。
普通鋼) 1パス目54.0φ×6.7t→ 2パス目52.5φ×5.75t (b) 圧延本数:各条件とも36本 (c) マンドレル径:41mmφ (d) マンドレル速度/ロール速度:0.6 KMnO4添加有(1%,3%)、無添加で普通鋼管を36本
圧延した後のマンドレル表面黒皮(スケール)厚さを比
較し、評価した。同時に、潤滑性能を示すマンドレルス
ラスト力をマンドレルつかみ部近傍に貼付した歪ゲージ
にて測定するとともに鋼管内部表面性状を比較観察し
た。また鋼管内部表面性状も比較した。
第1図(a)にKMnO43%添加した場合の黒皮(スケー
ル)の状況を示し同(b)に無添加の場合を示す。第2
図にマンドレルスラスト力の比較を示す。第1表に、工
具表面のスケール厚さを示す。
ル)の状況を示し同(b)に無添加の場合を示す。第2
図にマンドレルスラスト力の比較を示す。第1表に、工
具表面のスケール厚さを示す。
第1図(b)から明らかなように、KMnO4を添加しな
い場合、マンドレル表面に部分的に黒皮が存在しない欠
落部S′の状況がみられ、存在する部分もスケールSの
厚みは約5μmと少ないのに対し、KMnO4を添加したも
のあるいは予め塗布したものは、第1図(a)に示す如
くマンドレル全体に黒皮が存在し、スケールSの厚みは
8〜15μmと厚い。図中Aは母材、Oはスケール外層
(Fe系酸化物)、iは同内層(合金系酸化物)を示す。
い場合、マンドレル表面に部分的に黒皮が存在しない欠
落部S′の状況がみられ、存在する部分もスケールSの
厚みは約5μmと少ないのに対し、KMnO4を添加したも
のあるいは予め塗布したものは、第1図(a)に示す如
くマンドレル全体に黒皮が存在し、スケールSの厚みは
8〜15μmと厚い。図中Aは母材、Oはスケール外層
(Fe系酸化物)、iは同内層(合金系酸化物)を示す。
第2図から、マンドレルスラスト力はKMnO4を添加あ
るいは予め塗布したものが若干低く、黒鉛の酸化消耗に
よる潤滑性能の劣化はみられない。また、KMnO4添加な
し、1,3%添加、予め1%塗布で圧延材内面性状に差は
なく、圧延材内面(内部表面)のスケール増による内表
面性状への悪影響もないことが明らかである。
るいは予め塗布したものが若干低く、黒鉛の酸化消耗に
よる潤滑性能の劣化はみられない。また、KMnO4添加な
し、1,3%添加、予め1%塗布で圧延材内面性状に差は
なく、圧延材内面(内部表面)のスケール増による内表
面性状への悪影響もないことが明らかである。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明は、熱分解により酸素を発
生する物質を活用することにより、熱間塑性加工を行う
ときの工具スケール表面の生成を大幅に促進可能であ
り、それによって工具寿命を大きく向上せしめ得、工具
原単位を低下させるとともに設備稼動率を向上させる等
大きな効果を奏する。
生する物質を活用することにより、熱間塑性加工を行う
ときの工具スケール表面の生成を大幅に促進可能であ
り、それによって工具寿命を大きく向上せしめ得、工具
原単位を低下させるとともに設備稼動率を向上させる等
大きな効果を奏する。
第1図(a),(b)は、この発明を実施したときとそ
うでないときの比較を示す工具表面の図、第2図は、こ
の発明を実施したときとそうでないときのマンドレルス
ラスト力(圧延中マンドレルにかかる力)の比較を示す
図である。
うでないときの比較を示す工具表面の図、第2図は、こ
の発明を実施したときとそうでないときのマンドレルス
ラスト力(圧延中マンドレルにかかる力)の比較を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 一郎 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式會社第3技術研究所内 (56)参考文献 特公 昭60−36327(JP,B2) 特公 昭53−27741(JP,B2)
Claims (5)
- 【請求項1】継目無鋼管熱間塑性加工用工具の表面に、
該工具と被加工材が接する前に、200℃以上で熱分解に
より酸素を発生する物質を黒鉛系潤滑剤に添加したもの
を供給塗布し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加
工用工具スケール付着法。 - 【請求項2】200℃以上で熱分解により酸素を発生する
物質が黒鉛系潤滑剤に対して0.5〜5重量%添加される
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の熱間加
工用工具スケール付着法。 - 【請求項3】継目無鋼管熱間塑性加工用工具が、C:0.3
〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:0.5〜1.5
%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする特許請求の範囲第
1項又は第2項に記載の熱間加工用工具スケール付着
法。 - 【請求項4】継目無鋼管熱間塑性加工用工具の表面に、
該工具と被加工材が接する前に、200℃以上で熱分解に
より酸素を発生する物質を塗布したのち、黒鉛系潤滑剤
を供給塗布し、熱間加工を行うことを特徴とする熱間加
工用工具スケール付着法。 - 【請求項5】継目無鋼管熱間塑性加工用工具が、C:0.3
〜1.8%、Cr:3〜18%、Mo:1.0〜3.0%、Ni:0.5〜1.5
%、Si≦1.5%、Mn≦1.0%を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする特許請求の範囲第
4項に記載の熱間加工用工具スケール付着法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62163158A JP2618397B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 熱間加工用工具スケール付着法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62163158A JP2618397B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 熱間加工用工具スケール付着法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS648276A JPS648276A (en) | 1989-01-12 |
JP2618397B2 true JP2618397B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=15768333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62163158A Expired - Lifetime JP2618397B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 熱間加工用工具スケール付着法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2618397B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07136703A (ja) * | 1993-11-17 | 1995-05-30 | Nippon Steel Corp | シームレスパイプ圧延方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5327741A (en) * | 1976-08-26 | 1978-03-15 | Fuji Electric Co Ltd | Ignition circuit for internal combustion engine |
JPS6036327A (ja) * | 1983-08-10 | 1985-02-25 | Showa Koki Kk | アルミン酸アルカリを含む苛性アルカリ水溶液中の鉄化合物の析出抑制方法 |
-
1987
- 1987-06-30 JP JP62163158A patent/JP2618397B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS648276A (en) | 1989-01-12 |
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