JP5075575B2 - 高温加工用工具 - Google Patents

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Description

本発明は熱間加工に用いる高温加工用工具に関し、特に、ステンレス継目無鋼管の熱間穿孔圧延で用いられる穿孔プラグのような、工具の冷却や潤滑剤の適用が困難で、かつ工具面圧が高く加工時間も長いといった過酷な加工条件下でも使用可能な高温加工用工具に関する。
高温加工プロセスで用いられる工具には、摩耗、変形、凝着という、工具寿命や製品品質に悪影響をおよぼす問題因子がある。この問題を解決するために従来、工具の冷却方法や潤滑剤、高温強度に優れる工具材質等の新技術が数多く開発されてきた。しかしそれら技術を駆使しても、未だ満足な工具寿命が得られていない高温加工プロセスがある。継目無鋼管の熱間穿孔圧延による穿孔プロセスである。
図1は、継目無鋼管の代表的なマンネスマンマンドレルミル法による製造工程を示すもので、以下のようである。ロータリファーネス等の加熱炉101で高温に加熱(1000℃以上)された丸ビレットである被圧延材102をピアサー103で穿孔し、中空素管とされた被圧延材102は、マンドレルミル104で圧延され、再熱炉で再加熱された後、ストレッチレデューサ105で仕上がり寸法とされ、冷却床で冷却された後、矯正機106で曲がり修正して熱間圧延工程が終了し、検査等を経て継目無鋼管が完成する。
穿孔プロセスは、一般的には1,000℃以上に加熱された丸棒状の鉄鋼素材の中心に、ピアサー103を構成する砲弾形状の工具(以下、穿孔プラグ132という)を素材軸線方向に押し当てて穴を穿つことにより、管状の中間素材を得るものである。
図2は、バレル形状ロールを用いた穿孔工程を示す模式図である。バレル形状ロール131は、互いに傾斜しており、被圧延材102は螺旋状に外径を圧下されることによって圧延方向、すなわち図2に示す矢印方向へと駆動される。穿孔プラグ132は、図1、2からわかるように穿孔圧延の原理上、圧延中は常に被圧延材102の内部に位置する。同時に、穿孔プラグ132の表面は常に高温の被圧延材102と当接ないし至近距離に位置するため、大きな熱負荷が加わっている。
圧延所要時間は一般的に5秒から十数秒と長い。例えば圧延ロールや鍛造金型の場合、被圧延材と連続的に当接する時間は、長くとも2〜3秒程度である。穿孔プラグは他の加工プロセスに比べて格段に長い時間、大きな熱負荷に加え、被圧延材の加工反力にも耐えなければならない。
被圧延材の加工反力が大きいと、穿孔プラグ表面に加わる面圧が高くなるので、トライボロジーでいうところの凝着摩耗やアブレシブ摩耗が生じやすい条件となる。つまり、工具損傷が激しくなり、工具寿命が短くなる。
近年では、耐食性に優れたステンレス鋼に代表される高クロム合金鋼の需要増大にともない、その生産量も拡大している。高クロム合金鋼の熱間変形抵抗値は、炭素鋼や低クロム合金鋼のそれに比べ、一般的に3〜5割ほど高い。本発明者らの実生産ラインにおける経験によれば、ステンレス継目無鋼管製造時の穿孔プラグの耐用度は、炭素鋼や低クロム合金の場合のそれに比べて1/100以下となることもある。穿孔プラグの耐用度の例を示すと、ステンレス継目無鋼管製造時の穿孔プラグの耐用度は十数回、最も劣悪な条件化では2〜3回の穿孔圧延後には穿孔プラグ表面が激しく損傷し、新品との交換を余儀なくされる。頻繁な穿孔プラグ交換は製品の製造能率を大きく下げ、穿孔プラグ表面の損傷は製品の内面品質に悪影響をおよぼす。ステンレス継目無鋼管は市場で高い競争力を有する高級品種であり、継目無鋼管製造各社が強力な穿孔プラグの開発を数多く行ってきた所以である。
従来、穿孔プラグについては、鋼製の穿孔プラグ表面に断熱性と潤滑性を確保するための酸化スケールを設けた穿孔プラグ(以下、従来型穿孔プラグという)や、高温強度に優れる材質が長年にわたって研究・開発されてきた歴史がある。近年では、サーメット材等による表面改質を施した事例も見られる。しかし、酸化スケールだけでは十分な損傷防止効果が得られておらず、前述したように数回から十数回の使用で新品に交換せざるを得ないのが実情である。
高温強度に優れる材質としては、ニッケル基やコバルト基の耐熱超合金による穿孔プラグも一部では用いられている。しかし特に近年では、それら耐熱超合金の原料価格が数倍〜数十倍にまで高騰しており、価格性能比において、鋼製の穿孔プラグに比べて遥かに見劣りする結果となっている。
また、サーメットの強化機構と1000℃を超える高温域での使用を考えた場合、強化粒子の強度は室温ではなく高温域において求められる。そこで強化粒子としてタングステン、モリブデン等の高融点金属を用いたPTA(Plasma Transferred Arc)肉盛層が開示されている(特許文献1)。
特開2001−1182号公報
しかし、特許文献1に開示されたPTA肉盛層は、純タングステン(W)と、1以上のW以外の成分より構成されるバインダ材とが、全成分のうちWを最大重量成分となるような配合比とされ、バインダ材は、タングステン粒子を均質に結合するためのもので、コバルト基合金(ステライト等)、ニッケル基合金(ハステロイ等)、またはステンレス等により構成されている。
しかし、金属タングステンは比重が大きいので、PTA溶接中に重力の影響により、その分布が偏ってしまい、金属タングステン粒の分布が局部的に低くなっている箇所で延性破壊が発生し、穿孔圧延で穿孔プラグ頭部が激しく焼付き、PTA肉盛層が損傷するという問題がある。
従って、本発明は、上述した全ての問題点を解決するために、すなわち1000℃を越えるような高温域の加工に供しても耐焼付き性と耐摩耗性に優れ、かつ熱亀裂感受性が低く、切削加工も可能な表層を有する高温加工用の工具を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するため、工具基材と、前記工具基材の表面に形成された肉盛層と、を有し、前記肉盛層は、金属粒、前記金属粒と異なる材質の金属粒、及び結合材から形成され、当該複数種の金属粒は前記肉盛層に溶接後も金属粒として残存していることを特徴とする高温加工用工具を提供する。
[2]前記金属粒は、金属タングステンまたはその合金からなる1種以上の金属粒であり、前記金属粒と異なる材質の金属粒は、モリブデン、タンタル、ニオブおよびそれらの合金からなる金属粒のうち1種以上の金属粒であり、前記肉盛層は、前記金属粒全てを合算した存在密度が体積%に換算して55%以上80%以下であり、かつ、前記金属粒の粒度はいずれも50μm〜200μmであることを特徴とする上記[1]に記載の高温加工用工具であってもよい。
[3]また、前記肉盛層は、工具基材の表面に形成された厚みが1mm以上であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の高温加工用工具であってもよい。
[4]また、前記結合材は、コバルトまたはニッケル基の耐熱合金であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の高温加工用工具であってもよい。
[5]また、前記工具基材と前記肉盛層との間に1mm以上の厚みの中間層を有し、前記中間層は、前記肉盛層で用いた結合材と同一の結合材で形成されていることを特徴とする上記[1]から[4]のいずれかに記載の高温加工用工具であってもよい。
本発明によれば、1000℃を越えるような高温域の加工に供しても耐焼付き性と耐摩耗性に優れ、かつ熱亀裂感受性が低く、切削加工も可能な表層を有する高温加工用の工具を提供することができる。
(本発明の第1の実施の形態に係る高温加工用工具)
図3は、高温加工用工具の構成を示す断面図である。本発明に係る高温加工用工具である穿孔プラグ132は、工具基材133と、工具基材133の表面に形成された肉盛層134とを有して構成され、肉盛層134は、金属粒およびこの金属粒と異なる材質の金属粒を含む結合材から形成されている。
金属粒は、金属タングステンまたはその合金からなる金属粒のうち1種以上で構成される。一方、異なる材質の金属粒は、モリブデン、タンタル、ニオブおよびそれらの合金からなる金属粒のうち1種以上で構成される。これら金属粒は、結合材により工具基材133の表層に溶接または溶射により肉盛層134として所定の厚さ(例えば、1〜3mm)に形成される。例えば、タングステン粒とモリブデン粒とを含有させて肉盛層134を構成する場合、タングステン粒とモリブデン粒の比は、15:1〜1:1の範囲であることが好ましく、これら金属粒を全て合算した存在密度は、体積%に換算して55%以上80%以下、好ましくは60%以上80%以下であり、かつ、これら金属粒の粒度は、いずれも50μm〜200μmに設定されている。
肉盛層134は、図3では、工具基材133の外周面全体に、均一厚さで形成されているが、工具基材133の外周面の一部に形成されていてもよく、また、厚さは均一でなく所定の厚さで分布した構成とされていてもよい。肉盛層134は、穿孔圧延実験機等の試験結果またはシミュレーション等に基づいて、形成範囲および肉盛層厚さを適宜変更し、必要な部分に必要な厚さで形成することができる。
結合材は、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)基の合金を使用することができるが、特にこれらに限定するものではない。Ni基の合金として、ハステロイC(ハステロイ(HASTELLOY(R))はおもにニッケル基の耐熱・耐食合金の登録商標)が挙げられる。
工具基材133は、熱間工具鋼等の工具鋼を使用することができるが、特にこれらに限定するものではなく、例えば、耐熱鋳鋼、ニッケル基の合金鋼等も使用できる。
(本発明の第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1)肉盛層134は、金属粒およびこの金属粒と異なる材質の金属粒を含む結合材から形成されている。金属粒として使用する、例えば、金属タングステンは比重が大きいので、PTA溶接中に重力の影響により、その分布が偏って、金属タングステン粒の分布が局部的に低くなっている箇所で延性破壊が発生し、穿孔圧延で穿孔プラグ頭部が激しく焼付き、PTA肉盛層が損傷するという問題が従来は生じていた。しかし、本発明の第1の実施の形態では、新たに、金属粒(金属タングステン粒)と異なる材質の金属粒(金属モリブデン粒)を加えているので、PTA肉盛層内で金属粒が均一に分布し易くなり、特に、延性破壊、焼付き、肉盛層の損傷、熱亀裂等の発生を効果的に抑制できる。
(2)金属粒として、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブまたはその合金を用いているので、それらの金属粒の溶融点が高く、溶接後も金属粒として残存し、かつ高温での強度が高いので、強化粒子として有効に作用する。
(3)金属粒を全てを合算した存在密度は、体積%に換算して55%以上、好ましくは60%以上に設定されているので、肉盛層134の耐摩耗・耐溶損性に優れると共に、80%以下に設定されているので、溶接性が著しく劣化して溶接施工が困難となることがなく、溶接性が良好である。
(4)すべての金属粒の粒度を50μm〜200μmに規定しているので、溶接後も金属粒として残存しやすい。また、200μmより大きくなると、溶接時の作業性に著しい問題が生じ溶接が困難となるが、200μm以下に規定しているので、溶接性も良好である。
(本発明の第2の実施の形態に係る高温加工用工具)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る高温加工用工具の構成を示す断面図である。本発明に係る高温加工用工具である穿孔プラグ132は、工具基材133と、工具基材133の表面に形成された中間層135、この中間層135の表面に形成された肉盛層134とを有して構成され、肉盛層134は、金属粒およびこの金属粒と異なる材質の金属粒を含む結合材から形成されている。また、中間層135は、結合材と同一材質で構成されている。
結合材は、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)基の合金を使用することができるが、特にこれらに限定するものではない。Ni基の合金として、ハステロイC(ハステロイ(HASTELLOY(R))はおもにニッケル基の耐熱・耐食合金の登録商標)が挙げられる。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
(本発明の第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、次のような効果を有する。すなわち、工具基材133と肉盛層134との熱収縮率に違いがある場合に、工具基材133と肉盛層134との間に中間層135が存在するので、工具基材133と肉盛層134の熱収縮の差が緩和されることで、熱亀裂を大幅に抑制することができる。
例えば、工具基材133として耐熱鋳鋼、肉盛層134を構成する結合材がニッケル基の合金(ハステロイC)の場合は、熱収縮の差が大きいので、同一の結合材を中間層135として溶接し、この表層に肉盛層134を溶接することで熱亀裂を大幅に抑制することができる。尚、中間層135は、結合材と同一材料のものが好ましいが、これに限定されず、工具基材133と肉盛層134との間の熱収縮の差を緩和できるものであれば使用できる。
(実施例)
本発明の第1の実施の形態に示した構成の高温加工用工具として、金属粒を、金属タングステン、および金属モリブデンとして構成とした。金属タングステンは比重が大きいので、PTA溶接中に重力の影響により、その分布が偏ってしまうが、新たに金属モリブデン粒を加えれば、PTA肉盛層内で金属タングステン粒と金属モリブデン粒が均一に分布することを見出した。そこで、強化粒子として金属タングステン粒と金属モリブデン粒、結合材としてハステロイCを用いたPTA肉盛層を有する穿孔プラグ132を試作し、被圧延材102を13%クロム鋼として熱間穿孔圧延実験を行った。
図5は、金属タングステン粒と金属モリブデン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグの、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合の、(a)実験前、(b)9回圧延後の外観写真である。9回の穿孔圧延後においても穿孔プラグ132の表面に焼付きや損傷はなく、熱亀裂も認められなかった。
(比較例1)
図6は、強化粒子としてNbC粒を、結合材として高速度工具鋼を用いたPTA肉盛層を施した穿孔プラグ132の、(a)実験前、(b)1回圧延後の外観写真である。NbCが高硬度であるため、PTA溶接後に旋盤加工を適用できず、グラインダ加工のみによって整形したため肉盛溶接後の形状がうまく整わなかった。実験の結果、わずか1回の穿孔圧延でPTA肉盛層が破壊された。破壊面付近のPTA肉盛層を詳細に調べると、まだ破壊に至っていないPTA肉盛層において、既に破壊したNbC粒が幾つか観察された。よって、高硬度で破壊靭性値が劣る窒化物や炭化物系の強化粒子を含むサーメット層は、穿孔プラグには不適である。
(比較例2)
図7は、金属タングステン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグの、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合の、(a)実験前、(b)1回圧延後の外観写真である。
すなわち、この比較例では、金属粒として金属タングステン粒のみが使用されている。ハステロイCを穿孔プラグ132の工具基材133とし、PTA肉盛層には強化粒子として金属タングステン粒、結合材としてハステロイCを用いたPTA肉盛層を有する穿孔プラグを試作し、熱間穿孔圧延実験を行った。
結果は、図7に示されるように、わずか1回の穿孔圧延で穿孔プラグ頭部が激しく焼付き、PTA肉盛層が損傷した。損傷部を詳細に調べると、破壊形態が延性破壊であったことから、熱亀裂による損傷ではないことが判った。更に、この破壊の起点が、金属タングステン粒の分布が局部的に低くなっている箇所であることも判明した。
(全金属粒を合算した存在密度(体積%)の検討)
次に、経済的な面を考慮し、強化粒子の量、すなわち肉盛材料において金属タングステン粒と金属モリブデン粒の合計が占める割合を、体積%で40、60、80%の3条件とした穿孔プラグを試作し、次式により得られる無次元穿孔プラグ長さLiを用いて穿孔プラグの性能評価を行った。
Li = li / lo
ここで、Liはi回目の穿孔後の無次元穿孔プラグ長さ、liはi回目の穿孔後のプラグ長さの測定値、loは実験前のプラグ長さの測定値である。
図8は、金属タングステン粒と金属モリブデン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグを、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合において、金属粒が肉盛素材に占める体積%と無次元穿孔プラグ長さの関係を示す図である。
この結果から、強化粒子の体積%が55%、好ましくは60%以上であれば、従来型穿孔プラグに比べ、約5倍の耐摩耗性を示した。一方、当該体積%が40%の場合は、従来型穿孔プラグより耐摩耗性に劣る結果となった。よってPTA肉盛層を有する穿孔プラグでは、強化粒子の体積%をおよそ55%以上、好ましくは60%以上とすれば、耐摩耗性向上の効果が得られることが判明した。
(実生産ラインにおける熱間穿孔圧延実験の結果)
最後に、実生産ラインにおいて熱間穿孔圧延実験を行った。実験条件は、穿孔プラグの寸法を直径134mmで長さが300mm、PTA肉盛層の厚さは3mmとした。最終的に6回の実生産ラインにおける熱間穿孔圧延実験を通して、前述してきた全ての問題を解決できることを確認した。すなわち、熱間継目無管製造ラインのマンネスマン穿孔機にて、本発明による穿孔プラグ132を用い、1200℃の13%クロム鋼を延伸比2.24、穿孔圧延時間11秒の圧延設定にて圧延した。その結果、本発明による穿孔プラグは従来型穿孔プラグの10倍以上の耐用度、具体的には従来型プラグで4回の耐用度であったところを40回の穿孔圧延に耐え、更に継続して使用可能な表面状態であることを確認した。
図1は、マンネスマン型穿孔機の全体工程図である。 図2は、バレル形状ロールを用いた穿孔工程を示す模式図である。 図3は、高温加工用工具の構成を示す断面図である。 図4は、高温加工用工具の構成を示す断面図である。 図5は、金属タングステン粒と金属モリブデン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグの、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合の、(a)実験前、(b)9回圧延後の外観写真である。 図6は、NbCと高速度工具鋼からなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグの、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合の、(a)実験前、(b)1回圧延後の外観写真である。 図7は、金属タングステン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグの、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合の、(a)実験前、(b)1回圧延後の外観写真である。 図8は、金属タングステン粒と金属モリブデン粒とハステロイCからなるPTA肉盛層を施した穿孔プラグを、穿孔圧延実験機にて13%クロム鋼を用いて実験した場合において、金属粒が肉盛素材に占める体積%と無次元穿孔プラグ長さの関係を示す図である。
符号の説明
101 加熱炉
102 被圧延材
103 ピアサー
104 マンドレルミル
105 ストレッチレデューサ
106 矯正機
131 バレル形状ロール
132 穿孔プラグ
133 工具基材
134 肉盛層
135 中間層

Claims (5)

  1. 工具基材と、
    前記工具基材の表面に形成された肉盛層と、を有し、
    前記肉盛層は、金属粒、前記金属粒と異なる材質の金属粒、及び結合材から形成され当該複数種の金属粒は前記肉盛層に溶接後も金属粒として残存していることを特徴とする高温加工用工具。
  2. 前記金属粒は、金属タングステンまたはその合金からなる1種以上の金属粒であり、
    前記金属粒と異なる材質の金属粒は、モリブデン、タンタル、ニオブおよびそれらの合金からなる金属粒のうち1種以上の金属粒であり、
    前記肉盛層は、前記金属粒全てを合算した存在密度が体積%に換算して55%以上80%以下であり、かつ、前記金属粒の粒度はいずれも50μm〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の高温加工用工具。
  3. 前記肉盛層は、工具基材の表面に形成された厚みが1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の高温加工用工具。
  4. 前記結合材は、コバルトまたはニッケル基の耐熱合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の高温加工用工具。
  5. 前記工具基材と前記肉盛層との間に1mm以上の厚みの中間層を有し、前記中間層は、前記肉盛層で用いた結合材と同一の結合材で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高温加工用工具。
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