JPS63125682A

JPS63125682A - Ｃｒ含有鋼加工用工具

Info

Publication number: JPS63125682A
Application number: JP27212786A
Authority: JP
Inventors: Mitsuhiko So; 宗　光彦; Yoshihisa Kato; 喜久加藤
Original assignee: Daido Steel Co Ltd
Current assignee: Daido Steel Co Ltd
Priority date: 1986-11-14
Filing date: 1986-11-14
Publication date: 1988-05-28

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（技術分野）本発明は、Ｃｒ含有鋼加工用工具に係り、特にガイドシ
ューやプラグの如き製管用工具、更には熱間圧延用工具
等の、高温下において無潤滑で用いられるＣｒ含有鋼加
工用工具の改良に関するものである。

（従来技術とその問題点）従来から、加工用工具としては、その加工条件に従って
各種の要求を満たすことが必要とされ、そのために各種
の工具材料の開発が行なわれている。例えば、継目無鋼
管の製造に使用されるガイドシュー等の工具は、一般に
、高温下において無潤滑で用いられるものであるところ
から、管材用材料と接触する表面は、特に高度の耐摩耗
性及び耐焼付性を有することが要求されている。

このため、従来では、ガイドシュー等の工具本体を鋳鋼
で製造し、その接触面にステライト等の硬質合金を肉盛
り溶接してなる工具が開発されているが、これとても、
耐摩耗性や耐焼付性に関して充分な効果が得られず、全
体としてみた場合、工具は高価なものとなっているので
ある。

また、セラミックスとバインダ金属とから構成されるサ
ーメット層を工具表面に形成して、かかる工具に耐摩耗
性と耐焼付性を付与しようとする試みも為されてはいる
が、そのようなザーメソト層を表面に有する工具にあっ
ても、Ｃｒ含有鋼、例えば１３Ｃｒステンレス鋼の圧延
において、工具に焼付きが発生し、製品品質が劣化する
場合があったのである。

（解決手段）ここにおいて、本発明者らは、上記の如き事情に鑑みて
、加工材料に接触する表面を各種の材料にて形成してな
る工具について、無潤滑下におけるＣｒ含有鋼（被加工
材）に対する焼付基礎試験を厳密に行なった結果、工具
の表層部にＣｒ炭化物が含まれる場合において、そのＣ
ｒ炭化物と被加工材とが著しく融合し、焼イ」きを発生
させる事実を見い出したのである。

そして、本発明は、かかる知見乙こ基づいて完成された
ものであって、その特徴とするところは、加工されるべ
きＣｒ含有鋼に接触する部位を少なくとも含む工具部分
において、その少なくとも表層部がＣｒ炭化物を実質的
に含まないサーメット層にて構成されていることからな
るＣｒ含有鋼加工用工具にあり、これによって優れた耐
摩耗性と共に、耐焼付性の向−４−を効果的に実現し得
たのである。

なお、このような本発明に従うＣｒ含有鋼加工用工具に
おけるサーメット層は、好ましくは、工具基材の表面に
、実質的にＣｒ炭化物を含まないか或いは発生させない
セラミックスと耐熱性バインダ金属との混合粉末を、プ
ラズマパウダウェル−ディングにより所定厚さに肉盛り
溶接して、形成されることとなる。

また、本発明に係るＣｒ含有鋼加工用工具は、特に無潤
滑の場合のＣｒ含有鋼に対する焼付防止を図ったものと
して、好適に用いられ得るものであり、ガイドシューや
プラグ等の製管工具、また熱間圧延用工具、更には熱処
理用ボット、レトルト、トレー、スキッドレール等の熱
処理用工具等として好適に用いられ得るものである。

（具体的構成・作用）ところで、かかる本発明に従うＣｒ含有鋼加工用工具に
あっては、その工具全体がＣｒ炭化物を実質的に含まな
いサーメット材料にて構成されるようにすることも可能
であるが、一般に、工具基材（本体）の所定の表面部位
に、かかるサーメット層を所定厚さにおいて設けた構造
が好適に採用されることとなる。なお、この工具基材の
材料には、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、
ＮｉＰ３やＣｏ基の如き超合金等の金属が適宜に用いら
れることとなる。尤も、この基材金属としては、工具で
あるために、一般に靭性の高いものが好ましく、例えば
５ＣＨ１３を挙げることが出来るが、それ程高性能であ
る必要がなければ、より廉価なＧＮｔｌＡであっても何
等差支えない。

また、本発明に従うサーメット層を形成するために用い
られるセラミックスとしてば、Ｃｒの炭化物以外の各種
の炭化物、窒化物、ホウ化物、ゲイ化物、酸化物等の硬
質セラミックスが適宜に選択されることとなる。そして
好適には、ＮｂＣ１Ｔ１ＮＸＴ１ＣＸＷＣ，ＶＣ，、Ｚ
ｒ０ｚ　、Ａｄｚ０３　、Ｙ２Ｏ３、Ａｅｚｏｚ　　・
ＭｇＯ等のセラミックスの１種または２種以上が適宜に
組み合わされて、用いられることとなるのである。

さらに、セラミックスと共にサーメット層を構成するバ
インダ金属としては、使用目的に合致した耐熱性を有し
ている限り、任意の工具鋼、耐熱鋼、Ｃｏ基合金、Ｎｉ
基合金等を使用することが出来るが、Ｃｒ炭化物を発生
せしめるＣｒ及びＣを合金成分として含むような金属の
使用は避けなければならない。尤も、ハステロイＣのよ
うに、Ｃｒを含有していてもＣの含有量が著しく少ない
場合、一般に０．０８重量％以下であるような場合にあ
っては、実質的に焼付性に影響をもたらすようなＣｒ炭
化物を発生せしめることがないところから、そのような
金属材料であっても、バインダ金属として用いることは
可能である。

そして、上記の如きセラミックスと耐熱性の／Ｎインダ
金属とは、好適には５０　：　５０〜９５；５（容積）
の混合比において用いられて、目的とする基材金属の表
面上に一体的なサーメットを形成するのである。なお、
かかるセラミックス物質の比率が５０容量％に達しない
場合には、耐摩耗性が不足し、また９５容量％を越える
ようになると、ザーメソト層自体の靭性が不足し、剥離
等のトラブルを惹起することとなる。

また、かかるセラミックスと耐熱性バインダ金属とから
なる−・体的なサーメット層の形成に際しては、公知の
手法が適宜に採用されることとなるが、好適には、プラ
ズマパウダウェルディング手法が有利に採用されること
となる。このプラズマパウダウェルディングは、上記セ
ラミックスの粉末とバインダ金属の粉末とからなる混合
粉末を、所定の不活性キャリアガスに載せて、プラズマ
アーク装置に供給し、よく知られているように、それら
混合粉末をアークにて溶融せしめて、所定の工具基材（
本体）の表面の所定部位に２〜ｌＱ＋＋ｍ程度の厚さに
おいて肉盛り熔接することにより、実施されるものであ
る。

そして、このようにして得られるＣｒ炭化物を実質的に
含まないサーメット層を有するＣｒ含有鋼加工用工具に
あっては、そのサーメット層が加工されるべきＣｒ含有
裾に接触せしめられても、そのような接触部位において
、Ｃｒ炭化物が存在しないために、Ｃｒ含有鋼との間で
融合が何等生ずるものではないところから、全体として
工具と被加工材との間における焼付きが効果的に抑制せ
しめられ得るのであり、またザーメソト層の耐摩耗性も
良好であるところから、工具寿命も効果的に向上せしめ
られ得ることとなるのである。

なお、かかる本発明に従う工具によって加工されるＣｒ
含有鋼としては、Ｃｒを含有する全ての鋼材が対象とさ
れるものであるが、一般にＣｒ含有量が１％程度以上の
ものの加工に有利に用いられ、特にＣｒ含有鋼として代
表的なステンレス鋼の加工に有利に用いられることとな
る。

（実施例）以下に本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具
体的に明らかにすることとするが、本発明がそのような
実施例の記載によって何等の制約をも受けるものでない
ことは、言うまでもないところである。

また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、
改良等を加え得るものであることが理解されるへきであ
る。

先ず、工具基材として５ＣＨ１３を使用し、円板状の試
験片を用意した。そして、その周縁部に、下記第１表に
示される種々の組成のセラミックスとバインダ合金の粉
末混合物（粒度：１００〜３５０メソシユ）を、アルゴ
ンガスをキャリアガスとして、公知のプラズマパウダウ
ェルディング手法により肉盛り熔接し、厚さが約５龍の
ザーメソト層を形成した。また、比較のために、そのよ
うなサーメット層の形成されていない各種の材料からな
る同様な試験片を準備した。

次いで、このようにして得られた試験円板を大戦式高温
摩耗試験器にかげて、その焼付状態を調べた。なお、相
手材は５ＵＳ４０３　（１３Ｃｒステンレス鋼）であり
、直接通電により９００℃に加熱、保持した。また、そ
れぞれの試験円板の摺接条件は、荷重：３ｋｇ、速度：
　２．５　ｍ　／ｓｅｃ　、距離：５００ｍ、であった
。

かかる焼付試験の結果を下記第１表に併わせ示すが、そ
の結果から明らかなように、本発明に従う、Ｃｒ炭化物
を実質的に含まないサーメット層を有する試験円板（陽
１１〜１３）にあっては、何等の融合、焼付現象も認め
られなかったのに対して、Ｃｒ炭化物の存在するＮ０１
〜４及びＮｏ、　８〜１０の試験円板にあっては、相手
＋ｔ（ＳＵＳ４０３）との間において顕著な融合、焼付
現象が認められた。なお、Ｍ５〜７のハステロイＣ，Ｍ
ｏ及びＷからなる試験円板にあっては、融合、焼付現象
は殆ど認められなかったが、その耐摩耗性が著しく悪く
、工具寿命が低ドして、実用」−充分でないことが認め
られた。

第　　　１　　　表別途、同様にして、上記ＮＯ，１，２，９，１２及び１
３の工具材料を用いて、シームレス鋼管圧延用ガイドシ
ューを製造した。また、レトルト用羽根部品を、０．３
　Ｃ−２，５Ｎ　ｉ−１３Ｃｒ−Ｆ　ｅ材料にて鋳造す
る一方、本発明に従う部品を、ＳＣ■］１３からなる基
材の表面に対して、上記と同様にして、５０％ＮｂＣ−
５０％ハステロイＣからなるサーメット層を形成するこ
とにより、作製した。そして、これら得られたガイドシ
ュー及びレトルト用羽根部品を用いて、実機テストを行
ない、それぞれの寿命が来るまでの焼付状況を調べて、
その結果を下記第２表に示した。

なお、第２表における寿命指数は、ガイドシュー及び羽
根部品のそれぞれの実機テスト品の標準的な一つを基準
として、相対的な比較の数値にて示されている。

第　　　２　　　表かかる第２表の結果から明らかなように、実機テストに
おいても、本発明に従うＣｒ炭化物を実質的に含まない
サーメット層を設けたガイドシューやレトルト羽根部材
にあっては、極めて長時間の耐久性を示し、その寿命指
数の著しく高いものであることが認められる。

（発明の効果）以上の説明から明らかなように、本発明のＣｒ含有鋼加
工用工具にあっては、加工されるべきＣｒ含有鋼に接触
する部位を少なくとも含む工具部分において、その少な
くとも表層部がＣｒ炭化物を実質的に含まないサーメッ
ト層にて構成されているところから、その耐摩耗性が著
しく高められ得て、長寿命化が有利に達成されている一
方、その耐焼付性も格段に改善されており、それによっ
てキズの発生等に基因する製品品質の低下が効果的に抑
制されたのである。

そして、工具寿命が長いことと、製品歩留りが高いこと
が相俟って、本発明は、Ｃｒ含有鋼の加工コストの低減
に著しく寄与するものである。

手続補正書（自発）１．事件の表示昭和６１年　特許側　第２７２１２７号２、発明の名称Ｃｒ含有鋼加工用工具３、補正をする者事件との関係　　　　　特許出願人名　称　　　　（３７１）大同特殊鋼株式会社４、代理
人■４５０（１）　　明細書全文６、補正の内容（１）　　明細書全文を別紙の通り補正する。

全文補正明細書 ■８発明の名称Ｃｒ含有鋼加工用工具２、特許請求の範囲れるべきＣｒ含有鋼１１４に接触する部位を少なくとも
含む工具部分において、その少なくとも表層部がユＣｒ
炭化物を実質的に含まないサーメット層にて構成されて
いることを特徴とするＣｒ含有鋼加工用工具。

（２）前記サーメット層が、工具基材の表面に、実質的
にＣｒ炭化物を含まないか或いは発生させないセラミッ
クスと耐熱性バインダ金属との混合粉末を、プラズマパ
ウダウェルディングにより所定厚さに肉盛り溶接して形
成されたものである特許請求の範囲第１項記載のＣｒ含
有鋼加工用工具。

３、発明の詳細な説明（技術分野） ■ 本発明はＣｒ含有鋼加工用工具に係り、特にプラグの如
き製管用工具（但し、製管用ガイドシューを除＜）、更
には熱間圧延用工具、熱処理用工具等の、高温下におい
て無潤滑で用いられるＣｒ含有鋼加工用工具、熱処理用
工具の改良に関するものである。

（従来技術とその問題点）従来から、加工用工具としては、その加工条件に従って
各種の要求を満たずことが必要とされ、そのために各種
の工具材料の開発が行なわれている。例えば、鋼材の熱
処理に使用されるボット、レトルト等の工具は、一般に
、高温下において無潤滑で用いられるものであるところ
から、加工材料と接触する表面は、特に高度の耐摩耗性
及び耐焼付性を有することが要求されている。

このため、従来では、ポット、レトルト等の工具本体を
鋳鋼で製造し、その接触面にステライト等の硬質合金を
肉盛り溶接してなる工具が開発されているが、これとて
も、耐摩耗性や耐焼付性に関して充分な効果が得られず
、全体としてみた場合、工具は高価なものとなっている
のである。

また、セラミックスとバインダ金属とから構成されるサ
ーメット層を工具表面に形成して、かかる工具に耐摩耗
性と耐焼付性を付与しようとする試みも為されてはいる
が、そのようなサーメット層を表面に有する工具にあっ
ても、Ｃｒ含有鋼、例えば１３Ｃｒステンレス鋼の圧延
において、工具に焼付きが発生し、製品品質が劣化する
場合があったのである。

（解決手段）ここにおいて、本発明者らは、上記の如き事情に鑑みて
、加工材料に接触する表面を各種の材料にて形成してな
る工具について、無潤滑下におけるＣｒ含有鋼（被加工
材）に対する焼付基礎試験を厳密に行なった結果、工具
の表層部にＣｒ炭化物が含まれる場合において、そのＣ
ｒ炭化物と被加工材とが著しく融合し、焼付きを発生さ
せる事実を見い出したのである。

そして、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたも
のであって、その特徴とするところは、加工されるべき
Ｃｒ含有鋼材料に接触する部位を少なくとも含む工具部
分において、その少なくとも表層部が、Ｃｒ炭化物を実
質的に含まないサーメット層にて構成されていることか
らなるＣｒ含有鋼加工用工具（但し、製管用ガイドシュ
ーを除く）にあり、これによって、優れた耐摩耗性と共
に、耐焼付性の向上を効果的に実現し得たのである。

なお、このような本発明に従うＣｒ含有鋼加工用工具に
おけるサーメット層は、好ましくは、工具基材の表面に
、実質的にＣｒ炭化物を含まないか或いは発生させない
セラミックスと耐熱性バインダ金属との混合粉末を、プ
ラズマパウダウェルディングにより所定厚さに肉盛り溶
接して、形成されることとなる。

また、本発明に係るＣｒ含有鋼加工用工具は、特に無潤
滑の場合のＣｒ含有鋼材料に対する焼付防止を図ったも
のとして、好適に用いられ得るものであり、プラグ等の
製管用工具、また熱間圧延用工具、更には熱処理用ポッ
ト、レトルト、トレー、スキッドレール等の熱処理用工
具等として好適に用いられ得るものである。

（具体的構成・作用）ところで、かかる本発明に従うＣｒ含有鋼加工用工具に
あっては、その工具全体がＣｒ炭化物を実質的に含まな
いサーメット材料にて構成されるようにすることも可能
であるが、一般に、工具基材（本体）の所定の表面部位
に、かかるサーメット層を所定厚さにおいて設けた構造
が好適に採用されることとなる。なお、この工具基材の
材料には、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、
Ｎｉ基やＣｏ基の如き超合金等の金属が適宜に用いられ
ることとなる。尤も、この基材金属としては、工具であ
るために、一般に靭性の高いものが好ましく、例えば５
ＣＨ１３を挙げることが出来るが、それ程高性能である
必要がなければ、より廉価な鋳鋼であっても河岸差支え
ない。

また、本発明に従うサーメット層を形成するために用い
られるセラミックスとしては、Ｃｒの炭化物以外の各種
の炭化物、窒化物、ホう化物、ケイ化物、酸化物等の硬
質セラミックスが適宜に選択されることとなる。そして
好適には、ＮｂＣ１ＴｉＮ、ＴｉＣ，ＷＣ，ＶＣ，Ｚｒ
０ｚ　、Ａｊ！ｚ０３、Ｙ２Ｏ３、ＡＩＩＺ○、・Ｍｇ
Ｏ等のセラミックスの１種または２種以上が適宜に組み
合わされて、用いられることとなるのである。

さらに、セラミックスと共にサーメット層を構成するバ
インダ金属としては、使用目的に合致した耐熱性を有し
ている限り、任意の工具鋼、耐熱鋼、ＣＯ基合金、Ｎｉ
基合金等を使用することが出来るが、Ｃｒ炭化物を発生
せしめるＣｒ及びＣを合金成分として含むような金属の
使用は避けなければならない。尤も、ハステロイＣのよ
うに、Ｃｒを含有していてもＣの含有量が著しく少ない
場合、一般に０．０８重重量以下であるような場合にあ
っては、実質的に焼付性に影響をもたらすようなＣｒ炭
化物を発生せしめることがないところから、そのような
金属材料であっても、バインダ金属として用いることは
可能である。

そして、上記の如きセラミックスと耐熱性のバインダ金
属とは、好適にはｓｏ：ｓｏ〜９５：５（容積）の混合
比において用いられて、目的とする基材金属の表面上に
一体的なサーメットを形成するのである。なお、かかる
セラミックス物質の比率が５０容量％に達しない場合に
は、耐摩耗性が不足し、また９５容量％を越えるように
なると、サーメット層自体の靭性が不足し、剥離等のト
ラブルを惹起することとなる。

また、かかるセラミックスと耐熱性バインダ金属とから
なる一体的なサーメット層の形成に際しては、公知の手
法が適宜に採用されることとなるが、好適には、プラズ
マパウダウェルディング手法が有利に採用されることと
なる。このプラズマパウダウェルディングは、上記セラ
ミックスの粉末とバインダ金属の粉末とからなる混合粉
末を、所定の不活性キャリアガスに載せて、プラズマア
ーク装置に供給し、よく知られているように、それら混
合粉末をアークにて溶融せしめて、所定の工具基材（本
体）の表面の所定部位に２〜１０ｍｍ程度の厚さにおい
て肉盛り溶接することにより、実施されるものである。

そして、このようにして得られるＣｒ炭化物を実質的に
含まないサーメット層を有するＣｒ含有鋼加工用工具に
あっては、そのサーメット層が加工されるべきＣｒ含有
鋼材料に接触せしめられても、そのような接触部位にお
いて、Ｃｒ炭化物が存在しないために、Ｃｒ含有鋼材料
との間で融合が河岸生ずるものではないところから、全
体として工具と被加工材との間における焼付きが効果的
に抑制せしめられ得るのであり、またサーメット層の耐
摩耗性も良好であるところから、工具寿命も効果的に向
上せしめられ得ることとなるのである。

なお、かかる本発明に従う工具によって加工されるＣｒ
含有鋼材料としては、Ｃｒを含有する全ての鋼材が対象
とされるものであるが、一般にＣｒ含有量が１％程度以
上のものの加工に有利に用いられ、特にＣｒ含有鋼とし
て代表的なステンレス鋼の加工に有利に用いられること
となる。

また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、
改良等を加え得るものであることが理解されるべきであ
る。

先ず、工具基材として５ＣＨ１３を使用し、円板状の試
験片を用意した。そして、その周縁部に、下記第１表に
示される種々の組成のセラミックスとバインダ合金の粉
末混合物（粒度：１００〜３５０メソシユ）を、アルゴ
ンガスをキャリアガスとして、公知のプラズマパウダウ
ェルディング手法により肉盛り溶接し、厚さが約５Ｒの
サーメット層を形成した。また、比較のために、そのよ
うなサーメット層の形成されていない各種の材料からな
る同様な試験片を準備した。

次いで、このようにして得られた試験円板を大戦式高温
摩耗試験器にかけて、その焼付状態を調べた。なお、相
手材は５ＵＳ４０３　（１３Ｃｒステンレス鋼）であり
、直接通電により９００℃に加熱、保持した。また、そ
れぞれの試験円板の摺接条件は、荷重：３ｋｇ、速度：
　２．５　ｍ　／ｓｅｃ　、距離：ｓｏｏｍ、であった
。

かかる焼付試験の結果を下記第１表に併わせ示すが、そ
の結果から明らかなように、本発明に従う、Ｃｒ炭化物
を実質的に含まないサーメット層を有する試験円板（Ｍ
１１〜１３）にあっては、何等の融合、焼付現象も認め
られなかったのに対して、Ｃｒ炭化物の存在する患１〜
４及び陽８〜１０の試験円板にあっては、相手材（ＳＵ
Ｓ４０３）との間において顕著な融合、焼付現象が認め
られた。なお、Ｎｏ、　５〜７のハステロイＣ，，ＭＯ
及びＷからなる試験円板にあっては、融合、焼付現象は
殆ど認められなかったが、その耐摩耗性が著しく悪く、
工具寿命が低下して、実用上充分でないことが認められ
た。

第　　　１　　　表別途、同様にして、上記１１ｈｌ、２．９．１２及び１
３の工具材料を用いて、鋼材熱処理炉用スキッドレール
を製造した。また、レトルト用羽根部品を、０．３Ｃ−
２，５Ｎｉ−１３Ｃｒ−Ｆｅ材料にて鋳造する一方、本
発明に従う部品を、５ＣＨＩ３からなる基材の表面に対
して、上記と同様にして、５０％ＮｂＣ−５０％ハステ
ロイＣからなるサーメット層を形成することにより、作
製した。

そして、これら得られたスキッドレール及びレトルト用
羽根部品を用いて、実機テストを行ない、それぞれの寿
命が来るまでの焼付状況を調べて、その結果を下記第２
表に示した。なお、スキッドレールの実機テストは、弱
酸化性或いは非酸化性雰囲気炉にて実施した。

なお、第２表における寿命指数は、スキッドレール及び
羽根部品のそれぞれの実機テスト品の標準的な一つを基
準として、相対的な比較の数値にて示されている。

第　　　２　　　表かかる第２表の結果から明らかなように、実機テストに
おいても、本発明に従うＣｒ炭化物を実質的に含まない
サーメット層を設けたスキッドレールやレトルト羽根部
材にあっては、極めて長時間の耐久性を示し、その寿命
指数の著しく高いものであることが認められる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）加工されるべきＣｒ含有鋼に接触する部位を少な
くとも含む工具部分において、その少なくとも表層部が
Ｃｒ炭化物を実質的に含まないサーメット層にて構成さ
れていることを特徴とするＣｒ含有鋼加工用工具。
（２）前記サーメット層が、工具基材の表面に、実質的
にＣｒ炭化物を含まないか或いは発生させないセラミッ
クスと耐熱性バインダ金属との混合粉末を、プラズマパ
ウダウェルディングにより所定厚さに肉盛り溶接して形
成されたものである特許請求の範囲第１項記載のＣｒ含
有鋼加工用工具。
（３）工具が製管用ガイドシューであって、Ｃｒ含有鋼
からなる管材用素材と接触する表面部分に、前記サーメ
ット層が形成されている特許請求の範囲第１項または第
２項記載のＣｒ含有鋼加工用工具。