JPH08249B2 - 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材 - Google Patents

耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材

Info

Publication number
JPH08249B2
JPH08249B2 JP8919087A JP8919087A JPH08249B2 JP H08249 B2 JPH08249 B2 JP H08249B2 JP 8919087 A JP8919087 A JP 8919087A JP 8919087 A JP8919087 A JP 8919087A JP H08249 B2 JPH08249 B2 JP H08249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
sliding member
resistance
seizure
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8919087A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63256275A (ja
Inventor
利明 石井
斌 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP8919087A priority Critical patent/JPH08249B2/ja
Publication of JPS63256275A publication Critical patent/JPS63256275A/ja
Publication of JPH08249B2 publication Critical patent/JPH08249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温域における耐焼付性および摩耗抵抗性
にすぐれた摺動部材に関する。
〔従来の技術〕
熱間圧延ラインにおける圧延機周辺部材(例えば、圧
延機入側のサイドガイド部材)、シームレスパイプ製造
ライン関連部材(例えば、穿孔工程において鋼材ビレッ
トや粗管材を保持し案内するガイドシュ)等の摺動部材
は、その表面に摺接する相手材による摩耗や、相手材に
対する焼付抵抗性にすぐれていることが必要である。
従来、これらの摺動部材としては、専ら「ステライ
ト」合金(Cr:30〜32%、W:4〜12%、Fe:0.5〜3%、C:
0.8〜2%、残部Co)、または高Cr高Ni耐熱合金鋼(Cr:
25〜30%、Ni:13〜35%、C:0.1〜1%、残部Fe)が用い
られてきた。これらの摺動部材は、相手材が炭素鋼など
のように、その表面に厚い酸化皮膜が生成するものであ
る場合には、相手材との間に焼付きが生じにくく、安定
した操業が行われる。これは、相手材の表面に生成した
厚い酸化皮膜が、摺動部材と相手材との間の金属同士の
直接接触を遮断するからである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、相手材が前記炭素鋼等と異なって、高温域
でその表面に厚い酸化皮膜を生じないものである場合に
は、その相手材が摺動部材の表面に移着し、その移着現
象が進むことにより早期に焼付が生じる。殊に、13Cr系
ステンレス鋼またはそれ以上の高Cr含有ステンレス鋼材
が相手材である場合の高温度・高面圧および直線運動や
回転運動を伴う摺動条件下に生じる焼付現象は顕著であ
る。それというのは、この種の高Cr系ステンレス鋼は、
高温域で酸化クロム(Cr2O3)等の緻密な酸化皮膜で被
覆されるけれども、その酸化皮膜は薄いため、高い摺動
面圧と、直線運動・回転運動等のすべり作用や外力等が
加わることにより、酸化皮膜が破壊し、摺動部材と相手
材との接触が金属接触となるからである。高速摺動条件
下では、酸化皮膜の破壊とそれに因る焼付が促進される
と共に、摺動面の摩耗も著しくなる。また、摺動部材に
生じる焼付・摩耗等の表面損傷は、後続する相手材の表
面品質を悪くする原因となる。このため、従来の摺動部
材は、早期の取替と頻繁な補修作業を余儀なくされてい
た。
本発明の上記実情に対処するために、摺動部材の耐焼
付性を強化すると共に、摩耗抵抗性を高めることによ
り、相手材の材質の如何を問わず、摺動部材の耐久性を
確保し、併せて相手材の表面品質を安定・向上させるこ
とを目的としてなされたものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の摺動部材は、耐熱合金マトリックスと、該マ
トリックス中に分散相として炭化ニオブ(NbC)粒子が1
0〜70重量%混在している複合組織を有する肉盛層
((以下、「複合肉盛層」)を以てその摺動面が形成さ
れていることを特徴としている。
本発明の摺動部材の摺動面を形成している複合肉盛層
は、厚く強固な酸化皮膜で被覆されており、該酸化皮膜
によって、摺動部材の摺動面と相手材との間の金属接触
が遮断され、かつその酸化皮膜が潤滑膜としての効果を
奏することにより、摺動面に対する相手材の移着すなわ
ち焼付が効果的に阻止される。この摺動面(複合肉盛層
表面)を被覆する強固で厚い酸化皮膜の生成は、複合組
織中に混在する炭化ニオブと密接な関係を有している。
すなわち、肉盛層が耐熱合金のみからなる単相組織であ
る場合の肉盛層表面に生成する酸化皮膜は、膜厚が薄
く、相手材の摺接により容易に破壊するので、摺動部材
と相手材との金属接触を遮断する保護膜としての安定し
た機能を期待することはできないが、本発明に従って耐
熱合金に炭化ニオブ粒子を混在させた場合には、炭化ニ
オブ粒子が、耐熱合金マトリックス表面における該合金
元素の酸化を促す触媒的な働きをなすことにより、強固
で緻密な厚い膜厚の酸化皮膜を生成せしめるのである。
しかも、炭化ニオブ粒子自体の変化はなく、炭化物系セ
ラミック粒子として、極めて硬質で化学的にも安定な分
散相として耐熱合金との複合組織を形成する。従って、
その複合肉盛層は、炭化ニオブ粒子の分散強化効果によ
り、高温度域(例えば1000〜1200℃)において、高温部
材として必要な強度と、耐摩耗材としてすぐれて高い摩
耗抵抗性とを兼ね備えているのである。
金属マトリックスに分散相として混在させるセラミッ
クには、酸化物系、窒化物系、炭化物系等の種々のセラ
ミックがあるけれども、本発明において特に炭化ニオブ
に特定したのは、上記のように、炭化ニオブ粒子が、金
属マトリックスに対する分散強化効果(高温域での強
度、摩耗抵抗性等の増強)のみならず、金属マトリック
ス表面酸化を促進し、摺動部材表面に強固で安定した保
護膜を形成せしめる特殊な働きをなすという知見に基づ
くものである。本発明は、その複合組織に占める炭化ニ
オブ粒子量(混合割合)の下限値を10重量%とする。炭
化ニオブ粒子による酸化皮膜の生成促進という点から
は、それより少ない量(例えば、5重量%程度)でも十
分ではあるが、それでは分散強化作用が不足するため、
10重量%を下限値とし、それによって、分散強化作用を
も併せて確保せしめたのである。他方、その上限値を70
重量%に規定したのは、70重量%をこえると、その複合
肉盛層を溶接肉盛法等により形成する肉盛施行工程にお
いて、肉盛ビードの酸化損耗が著しくなり、肉盛ビード
の品質が劣化し、構造部材としての適性が損なわれるか
らである。なお、炭化ニオブ粒子の粒径は特に限定され
ないが、酸化皮膜生成および分散強化作用の両面から、
おおむね50〜200μm程度が適当である。
複合肉盛層のマトリックス金属を耐熱合金とするの
は、高温部材として必要な強度、耐酸化性等を確保する
ためである。その材質は特に限定されないが、その具体
例として、 C:0.2%以下、Ni:40%以下、Cr:30%以下、残部Fe、
またはFeの一部が10%以下のMo、3%以下のW、3%以
下のCu、1%以下のTi、1%以下のAl、3%以下のNb、
5%以下のCoの群から選ばれる1種もしくは2種以上の
元素を以て置換された鉄基合金、 C:0.2%以下、Fe:50%以下、Cr:10〜25%、残部Ni、
またはNiの一部が、10%以下のW、20%以下のMo、4%
以下のNb、3%以下のTi、2%以下のAlの群から選ばれ
る1種もしくは2種以上の元素を以て置換されたNi基合
金、 C:0.5%以下、Cr:5〜30%、Fe:50%以下、残部Co、ま
たはCoの一部が、15%以下のNi、10%以下のWの群から
選ばれる1種もしくは2種の元素を以て置換されたCo基
合金 などが挙げられる。
本発明の摺動部材は、マトリックスとなる耐熱合金粉
末と分散相となる炭化ニオブ粉末とを、所定の配合割合
で混合して調製した混合物を肉盛材料とし、別途準備し
た基材(炭素鋼、合金鋼等)の表面に、移行アーク型プ
ラズマ溶接法(PTA)等の溶接肉盛法により、炭化ニオ
ブ粒子を含む耐熱合金ビードを1層盛りまたは多層盛り
することにより製造される。また、溶接法に代え、溶射
法を用い、上記混合粉末を基材表面に溶射する方法によ
ることもできる。更に、別法として、焼結法を利用し、
基材表面に焼結体としての肉盛層を形成する方法による
こともできる。なお、複合肉盛層の層厚は、目的とする
摺動部材の使用条件や要求特性に応じて適宜決めればよ
いが、一般的には3〜10mmであれば十分である。
〔実施例〕
〔I)肉盛層の形成 炭素鋼ディスク(φ50×10t,mm)を基材とし、その片
側面に、PTA溶接法により、耐熱合金マトリックスと炭
化ニオブ粒子からなる含応肉盛層を形成して供試材Aを
得た。
そのマトリックス金属組成は、Co:40%、Fe:41%、C
r:15%、Ni:4%であり、炭化物粒子(平均粒径:約100
μm)の混合割合は50重量%である。
比較例として、上記と同じディスク(基板)にステラ
イト合金(Cr:30%、W:4%、Fe:2%、C:1%、残部Co)
からなる溶接肉盛層を形成して供試材Bを得、また高Cr
高Ni耐熱鋳鋼(Cr:30%、Ni:30%、W:1%、C:0.4%、残
部Fe)の鋳造材からなる供試材Cを得た。
上記供試材A、BおよびCのいずれも、その肉盛層表
面に機械加工および研磨加工を加えた。肉盛層厚はいず
れも5mmである。
〔II〕高温摺動試験および試験結果 各供試材(A)〜(C)について第1図に示す摺動試
験機による高温摺動試験を行った。図中、(1)は試験
片取付け支柱、(2)は該支柱(1)の下部に取付けら
れたトルク検出器(ロードセル)、(3)は相手材固定
用回転支柱、(5)は加熱炉である。試験片取付け支柱
(1)の頂部には、供試材(A)(またはB,C)がその
肉盛層(斜線部)を上に向けて取付けられている。相手
材固定用回転支柱(2)の下部には相手材として2本の
ピン(φ6×20l,mm)(4,4)が、その回転中心に対称
な位置に垂設されている。相手材(ピン)の材質は、22
Cr−6Ni−3Mo−Feの二相ステンレス鋼である。
図示のように、試験片取付け支柱(1)に取付けられ
た供試材A(または、B、C)の肉盛層(斜線部)表面
に、相手材であるピン(4,4)の端面を押付け、該支柱
(3)の軸心を回転中心として供試材の肉盛層表面に摺
接させる。但し、肉盛層表面に対するピンの面圧は0.6k
g/mm2、すべり速度は、0.6m/秒であり、試験温度は600
℃、800℃および1000℃の3通りとし、各試験条件下で
の焼付有無を、トルク検出器(2)により検出した。第
2図はトルク検出器により検出されるトルクと焼付の有
無の関係を示している。焼付が発生していない状態で
は、曲線(a)に示すように、トルクの経時曲線は平坦
で滑らかであるのに対し、焼付が発生すると、曲線
(b)に示すように急激なトルク変動を示すので、精度
よく焼付の有無を検出測定することができる。
第1表に上記高温摺動試験結果を示す。表中、「○」
は焼付なし、「×」は焼付発生を表ししている。
従来材である供試材B(ステライト合金肉盛層)およ
び供試材C(高Cr高Ni耐熱鋼肉盛層)は、試験温度600
℃ですでに焼付が発生しているのに対し、発明例である
供試材Aは、1000℃においても焼付は皆無であり、卓抜
した耐焼付性を有している。
また、別途行った高温摩耗試験(温度:800℃、相手
材:FCD50、面圧:0.6kg/mm2、すべり速度:0.6m/秒)にお
いて測定された肉盛層表面の摩耗量は、供試材B(ステ
ライト合金肉盛層)の758mg/m2、供試材C(高Cr高Ni耐
熱鋳鋼)の1516mg/m2に対し、発明例である供試材Aの
それは76mg/m2と極めて軽微であり、耐摩耗性の点で
も、従来材をはるかに凌駕することが確認された。
〔発明の効果〕
発明の摺動部材は、高温域における高面圧・高速摺接
条件下、高Cr系ステンレス鋼材などのように焼付の生じ
易い相手材に対しても、従来材(ステライト合金や高Cr
高Ni耐熱鋼性摺動部材)を大きく凌ぐすぐれた耐焼付性
を示し、かつ高度の摩耗抵抗性を兼備している。従っ
て、本発明摺動部材は、熱間圧延ラインにおけるサイド
ガイド部材等の圧延機周辺部材、あるいは穿孔圧延材の
ガイドシューなどのシームレスパイプ製造ライン関連部
材等とし有用であり、従来材では得られない耐久性の向
上とそれに伴うメンテナンスの負担の軽減、および相手
材の表面品質の安定・向上等の効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は高温摺動試験要領説明図、第2図は焼付発生の
有無を判定するためのトルク曲線を示すグラフである。 1:試験片取付け支柱、2:トルク検出器、3:相手材固定用
回転支柱、4:相手材、5:加熱炉。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱合金マトリックスと、分散相である10
    〜70重量%の炭化ニオブ粒子とからなる複合組織を有す
    る肉盛層を以て摺動面を形成してなる耐焼付性耐摩耗性
    にすぐれた摺動部材。
JP8919087A 1987-04-11 1987-04-11 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材 Expired - Lifetime JPH08249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8919087A JPH08249B2 (ja) 1987-04-11 1987-04-11 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8919087A JPH08249B2 (ja) 1987-04-11 1987-04-11 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63256275A JPS63256275A (ja) 1988-10-24
JPH08249B2 true JPH08249B2 (ja) 1996-01-10

Family

ID=13963800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8919087A Expired - Lifetime JPH08249B2 (ja) 1987-04-11 1987-04-11 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08249B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU658371B2 (en) * 1990-10-02 1995-04-13 Broken Hill Proprietary Company Limited, The Nickel or cobalt based cermet with dispersed niobium carbide
CN1096234A (zh) * 1992-11-18 1994-12-14 布罗肯希尔有限公司 复合轧辊
JP2005320557A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Daido Steel Co Ltd 耐摩耗性部材およびその製造方法
JP4736773B2 (ja) * 2005-12-13 2011-07-27 住友金属工業株式会社 継目無鋼管の製造方法
ES2802401T3 (es) * 2017-05-05 2021-01-19 Hyperion Materials & Tech Sweden Ab Cuerpo que comprende una pieza de cermet y procedimiento de fabricación del mismo

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63256275A (ja) 1988-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4075392A (en) Alloy-coated ferrous metal substrate
TWI302949B (ja)
JP4483585B2 (ja) 熱間圧延用ロール外層材および熱間圧延用複合ロール
JPH08249B2 (ja) 耐焼付性耐摩耗性にすぐれた摺動部材
JPH0238516A (ja) スキッドレール
EP2198065A1 (en) The use and method of producing a dispersion strengthened steel as material in a roller for a roller hearth furnace
JPS58176095A (ja) 耐溶接割れ性のすぐれた硬質肉盛溶接用Co基合金
JP2528668B2 (ja) プラズマ粉体溶接肉盛用複合溶接材
JP4428214B2 (ja) 熱間圧延用高Cr系ロール外層材および熱間圧延用高Cr系複合ロール
JPS62134193A (ja) 溶接肉盛用複合粉末溶接材
JP2527581B2 (ja) シ―ムレスパイプ熱間傾斜圧延機用ガイドシュ―
JP4569122B2 (ja) 熱間圧延用ロール外層材および熱間圧延用複合ロール
JPS6333108A (ja) 高温耐摩耗性にすぐれたロ−ル
JPH0418956B2 (ja)
JPS63126613A (ja) 製管用ガイドシュ−
JPH10280101A (ja) 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法
JPS63260619A (ja) 熱間圧延ラインの熱延鋼板センタリング用サイドガイド部材
JPS6314849A (ja) 継目無鋼管製管用ガイドシュー
JP2006255738A (ja) 高温部材搬送用ロールおよびその製造方法と溶射材料
JPH0230774A (ja) Cr含有鋼を熱間加工するための加工用工具
JP2802768B2 (ja) 複合焼結合金および加熱炉内鋼材支持部材
JPS6024297A (ja) 継目無鋼管製管用ガイドシユ−
JPS63125682A (ja) Cr含有鋼加工用工具
JPS62289397A (ja) 肉盛用Co基合金
JPH069755B2 (ja) 溶接金属の全面に炭化物が晶出した組織を形成するための溶接材料