JPH08117815A - プラグ耐用度に優れた継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

プラグ耐用度に優れた継目無鋼管の製造方法

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JPH08117815A
JPH08117815A JP6278460A JP27846094A JPH08117815A JP H08117815 A JPH08117815 A JP H08117815A JP 6278460 A JP6278460 A JP 6278460A JP 27846094 A JP27846094 A JP 27846094A JP H08117815 A JPH08117815 A JP H08117815A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 継目無鋼管製造における穿孔用プラグの耐用
度向上および寿命延長。 【構成】 合金鋼からなるビレットを、穿孔用プラグに
より熱間穿孔して中空素材を調製し、得られた中空素材
を圧延することにより継目無鋼管を製造する。前記プラ
グにより熱間穿孔する前に、予め、鋼板を、前記ビレッ
トの少なくとも穿孔側先端面に、前記ビレットの長手方
向と直交方向に、前記ビレットの外周面から外側に突出
しないように接合し、且つ、前記鋼板の断面積(C)が
下記(1)式を満足する。 S×0.2≦C≦S×1.2・・・(1)。 ただし、S:(プラグ底部半径)2 ×円周率、C:鋼板
の断面積。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、合金鋼、特に、13
Cr鋼、SUS304、SUS316、32Ni鋼等に
代表される高合金鋼からなるビレットから継目無鋼管を
製造する際に、穿孔に使用されるプラグの高耐用度化を
図り、その寿命延長を実現することができる、プラグ耐
用度に優れた継目無鋼管の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管は一般に、断面が円形または
角形状のビレットが、マンネスマン穿孔、プレス穿孔ま
たは熱間押出し等により中空素管に加工され、その後、
エロンゲータ、プラグミルまたはマンドレルミル等の圧
延機により延伸され、最終的にサイザーやストレッチレ
デューサにより定径される工程を経て製品となる。
【0003】マンネスマン穿孔およびプレス穿孔に用い
られるプラグは、1100〜1300℃程度の高温に加
熱されたビレットと常に接触し、更に、高い荷重を受け
るため損傷を受ける。それでも、炭素鋼等の低合金鋼か
らなるビレットを穿孔する場合には、数百回の穿孔に耐
えるが、13Cr鋼、SUS304、SUS316、3
2Ni鋼等に代表される高合金鋼からなるビレットを穿
孔すると激しい損傷を受けるため数回の穿孔にしか耐え
られない。この極端な工具寿命の短かさによる弊害は、
工具原単位の上昇につながる。
【0004】この高合金鋼ビレット穿孔時のプラグ耐用
度劣化の問題を解決するために、従来から、下記〜
に示すように、多くの技術が提案されている。
【0005】 穿孔用プラグとしてビレット素材の合
金鋼よりも高温強度の高いモリブデン(Mo)等の材料
を使用し、プラグの損傷を防ぐ(特公平2−13310
6号公報)(以下、「先行技術1」という)。
【0006】 プラグ表面の一部等から管(ビレッ
ト)とプラグとの間に潤滑剤を適用させることで損傷を
防止する(特開平2−284708号公報)(以下、
「先行技術2」という)。
【0007】 プラグ表面に硬質材等を各種の表面処
理により付着させ、焼付きおよび摩耗を防止し高耐用度
化を図る(特開昭63−192504号公報)(以下、
「先行技術3」という)。
【0008】 酸化処理時に生成するスケールの、厚
みまたは密着性を増すように、熱処理雰囲気等を変化さ
せ高耐用度化を図る(特公昭63−54066号)(以
下、「先行技術4」という)。
【0009】しかしながら、上述した先行技術には現実
に有効に作用するものが極めて少なかった。先行技術2
では、少なくとも1度の穿孔は、被穿孔材(ビレット)
とプラグとの焼付きを防ぐことは可能であると考えられ
るが、更なる潤滑剤の供給が非常に困難である。また、
これ以外の、プラグ頭部からプラグを支えるプラグバー
を通して潤滑剤を供給するというような潤滑剤供給法に
おいても、プラグ先端の損傷または管材が詰まる等の問
題があり、実機継続使用には耐えられない。
【0010】また、プラグ材質にMoを用いる先行技術
1は、プラグ変形そのものの防止効果が高く、耐焼付き
性も期待できる等有利な点は多い。しかしながら、Mo
は高価であること、および、前記プラグは、脆く割れや
すいので工業的な使用には問題が多い。
【0011】先行技術3についても、硬質材であるが故
に割れやすいことと、表面処理層が剥離するといった点
で実機使用技術が確立されているとは言い難い。
【0012】そのため、従来から使用されている合金鋼
製プラグをそのまま用い且つプラグ寿命を向上させる技
術が必要とされたが、特公平4−8498号公報に、先
行技術4のプラグ素材合金成分の見直しを図った技術が
提案されている(以下、「先行技術5」という)。
【0013】先行技術5は、普通鋼の穿孔に用いられて
いる3Cr−1Ni鋼からなるプラグ(以下、「従来プ
ラグ」という)よりも、一般に断熱および焼付き防止効
果があるとされるプラグ表面酸化スケールに注目し、従
来プラグよりもクロム(Cr)含有量を減らし、Mo、
タングステン(W)、ニオブ(Nb)、コバルト(C
o)およびバナジウム(V)のうちの1種以上を添加す
ることで高温強度を保ち、且つ、緻密で強固な酸化スケ
ールをプラグ表面に生成させるという内容である(以
下、このように構成されたプラグを、従来プラグも含め
て「合金鋼製プラグ」という。)
【0014】先行技術5によれば、合金鋼製プラグは、
上記の元素(Mo、W、Nb、Co、V)の添加によ
り、プラグ寿命は専らCr含有量および酸化処理温度に
左右され、即ち、低Cr化および高温酸化処理等の最適
化を行えば、その寿命は約2.5〜3倍になると記載さ
れている。この先行技術5は、他の従来技術と比較すれ
ば、従来通りの使用法でプラグ寿命の延長が可能とな
り、有効であるといえる。
【0015】しかしながら、先行技術5では、強度を保
つために微量添加する上記の元素が高価なため、工具原
単位の大幅な減少が実現できない。まして、初期酸化ス
ケール被膜生成性のバラツキ、および、穿孔におけるプ
ラグ初期スケールの剥離によるプラグ寿命のバラツキを
考慮すれば、圧延能率および作業性の向上に寄与するこ
とはあっても、製造コストを効果的に減少させることは
できない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた先行技術1
〜5についてまとめれば、以下の通りである。
【0017】穿孔用プラグが合金鋼製プラグの場合、そ
の高温強度が被穿孔材(ビレット)に比べ小さい場合
は、プラグ強度が穿孔中の昇温等により低下し、更に、
穿孔に伴う高荷重によりプラグが溶損状の変形を起こ
す。一方、前記プラグの高温強度が被穿孔材(ビレッ
ト)とほぼ同じ場合でも、素材ビレットとの焼付きによ
りプラグ表面に肌荒れと呼ばれる焼付きに起因する損傷
が生じる。これら損傷の原因となる焼付きおよび昇温を
同時に且つ簡便に防止する手段として、プラグ表面に概
ね形成される酸化被膜を用いる方法が、既に述べた問題
解決の一般的手法として知られている。
【0018】しかしながら、プラグ表面に形成される酸
化被膜においては、その、厚み、保持性および密着性が
重要な因子であるにも拘わらず、高合金鋼からなるビレ
ットの穿孔において、炭素鋼からなるビレットと同程度
の穿孔状態を長期にわたり作りだすことはできない。し
かも、合金鋼製プラグの使用では、損傷を受けることが
やむを得ないような素材を穿孔する場合に、先行技術の
ような表面硬化プラグ、ならびに、耐熱合金、Moおよ
びMo合金等を用いて作られたプラグでは、割れやす
い、あるいは、高価であるといったような理由でプラグ
耐用度の向上および工具原単位の抑制にはつながらな
い。このようなことから、製造コストの低減、圧延能率
の向上およびプラグの寿命延長といったような課題を解
決する手段は、未だ確立できていないといえる。
【0019】以上述べたように、高合金鋼からなるビレ
ットを、従来プラグも含めて合金鋼製プラグにより熱間
穿孔して中空素材を調製し、得られた中空素材を圧延す
ることにより継目無鋼管を製造する方法において、プラ
グ高耐用度化を簡便且つ廉価で実現可能とし、製造コス
トの低減、圧延能率を向上する継目無鋼管の製造方法の
開発が待望されているが、かかる技術は未だ提案されて
いない。
【0020】従って、この発明の目的は、上述の問題を
解決し、プラグ寿命を延長し、圧延能率に影響を及ぼす
ことなく低コストで高合金鋼からなる継目無鋼管を製造
することができるプラグ耐用度に優れた継目無鋼管の製
造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
合金鋼からなるビレットを、穿孔用プラグにより熱間穿
孔して中空素材を調製し、得られた中空素材を圧延する
ことにより継目無鋼管を製造する方法において、前記プ
ラグにより熱間穿孔する前に、予め、鋼板を、前記ビレ
ットの少なくとも穿孔側先端面に、前記ビレットの長手
方向と直交方向に、前記ビレットの外周面から外側に突
出しないように接合し、且つ、前記鋼板の断面積(C)
が下記(1)式、 S×0.2≦C≦S×1.2・・・(1) ただし、 S:(プラグ底部半径)2 ×円周率 C:鋼板の断面積 を満足することに特徴を有するものである。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記鋼板の体積(V)が下記(2)式、 A×0.1≦V≦A×5・・・(2) ただし、 A:ビレットの断面積 V:鋼板の体積 を満足することに特徴を有するものである。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記鋼板が、炭素鋼、または、前
記ビレット素材の合金鋼よりも鉄以外の含有成分の割合
が低い低合金鋼からなることに特徴を有するものであ
る。
【0024】
【作用】次に、上述のように構成されたこの発明の内容
を詳細に説明する。
【0025】 鋼板をビレットに接合することによ
り、プラグの寿命が向上する理由は、以下の通りであ
る。マンネスマンおよびプラグ穿孔といった穿孔法が有
する、プラグに対する欠点は、既に述べたように、焼付
きおよび昇温を防ぐ潤滑剤の供給が外部からは難しい
点、および、潤滑剤を被膜のような形で穿孔前に供給し
ても、厳しい加工である穿孔過程の途中で剥離を起こす
点である。従って、現在、実際の圧延作業において最も
多く用いられている酸化スケールの被膜でさえ数パスし
か保てない問題を解決できない。焼付きを防止するため
プラグに熱処理を施こし酸化被膜を生成させる処理は、
前記の通り穿孔前に行われその皮膜は穿孔により消耗さ
れるからである。
【0026】これに対し、本発明のビレットへの鋼板の
接合により可能となるビレット側からの酸化スケールの
供給は、熱処理による被膜生成処理と同じことを穿孔1
度毎に疑似的に行なうことができるので、これにより、
プラグ寿命の延長に効果があるのである。また、酸化ス
ケールそのものはビレットにも生成し得るが、例えば、
ビレット素材の合金鋼が、ステンレス鋼や耐熱鋼に代表
されるような、酸化スケールの生成量が炭素鋼や低合金
鋼に比べ極端に少ない高合金鋼の場合には、前記効果を
ビレットのみから期待することはできない。従って、こ
れを補助し、生成した酸化スケールを積極的にプラグに
移着させ、潤滑および断熱に用いるために、ビレットの
穿孔側先端面に、必要があれが後端面にも、鋼板を接合
するのである。また、鋼板とビレットとの接合方法に
は、所定の接着材による接着、溶接等があるが、これに
限られないことは言うまでもない。
【0027】 鋼板をビレットに接合した結果問題と
なる点は、穿孔後のプラグを支えるプラグバーに、打ち
抜かれたような鋼板が残ることと、高合金鋼管の内部に
は存在するはずのない成分の鋼、例えば、炭素鋼等が残
ることである。これらは、いずれも作業性の低下を生じ
させる。
【0028】接合した鋼板が管内面に残ることの有無に
拘わらず、接合した鋼板が大きすぎる場合には、ほとん
どの場合輪状の鋼板が残り、これが、次の穿孔時に巻き
込まれ管内面に疵を残す。また、接合した鋼板そのもの
が内面に残存することは、潤滑という面では良好な結果
を生み出すが、高合金鋼管製品として考えれば、最終的
に内面の手入れを行わなければならず、コストの低減に
は役立たない。従って、接合する鋼板のビレットおよび
プラグに対する大きさ、ならびに、必要に応じて、鋼板
の厚みも含めた体積を規定することが重要である。
【0029】 上記で示したとおり、プラグと高合
金鋼からなるビレットとの接触を防ぐことにより、断熱
および潤滑作用をプラグに保たせることが本発明の目的
であり特徴の1つであるから、ビレットと焼付きやすい
鋼板を接合しても効果は得られない。従って、スケール
潤滑の主体を為す、例えば、FeOまたは珪素酸化物と
鉄との化合物等を主に高温下で生成する成分の鋼板、例
えば、一般炭素鋼、高珪素鋼、および、ビレット素材よ
りも鉄以外の含有成分の割合が低い低合金鋼を接合する
ことが望ましい(請求項3)。
【0030】かくして、請求項1記載の発明は、かかる
ビレットの少なくとも先端面に鋼板を接合することを特
徴とし、かかる鋼板の大きさが、ビレットおよびプラグ
の大きさに関係して規定されることを特徴とするもので
ある。
【0031】即ち、鋼板は、前記ビレットの長手方向と
直交方向に、ビレットの外周面から外側に突出しないよ
うに接合し且つ、前記鋼板の断面積(C)が下記(1)
式、 S×0.2≦C≦S×1.2・・・(1) ただし、 S:(プラグ底部半径)2 ×円周率 C:鋼板の断面積 を満足する値とすべきである。
【0032】鋼板の断面積(C)が、“S×0.2>
C”では、プラグ寿命延長効果に所望の効果が得られ
ず、一方、“C>S×1.2”では、穿孔後のプラグを
支えるプラグバーに、打ち抜かれたような輪状の鋼板が
残り、これが次の穿孔時に巻き込まれ管内面に疵を残
す。また、鋼板をビレット端面に密着させるには、鋼板
をビレットの長手方向(ビレットが円柱状ならば軸線方
向)と直交する方向に配置するのは当然であり、更に、
接合鋼板がビレットの外周面から外側に突出しないよう
に規定したのは、突出するとビレット搬送中などの脱落
が起こり得るなど穿孔技術上不利となるからである。
【0033】請求項2記載の発明は、鋼板の体積(V)
をも更に規定し、穿孔後においても手入れ等の問題を起
こさず、プラグ寿命の延長を行うことを特徴するもので
ある。
【0034】即ち、 鋼板の体積(V)は、下記(2)
式、 A×0.1≦V≦A×5・・・(2) ただし、 A:ビレットの断面積 V:鋼板の体積 を満足する値とすべきである。
【0035】穿孔後の管内面に残る接合した鋼板の長さ
は鋼板の体積(V)に関係し、(V)がビレット断面積
“A×5”超えでは、通常のクロップ以上に切断する
か、管内面の手入れを行わねばならない。また、鋼板の
体積(V)がビレット断面積“A×0.1”未満では、
プラグ寿命延長効果がない。
【0036】なお、以上の説明においては、高合金鋼ビ
レットを被穿孔材として説明したが、前記高合金鋼以外
の合金鋼、および、鋼以外の合金からなるビレットの穿
孔においても、本発明を適用可能である。このような合
金としては、 JIS NCF600{(Inconel 60
0)72Ni−14Cr−6〜10Fe} JIS NCF825{(Incoloy 82
5)38〜46Ni−19.5〜23.5Cr−Fe} 等がある。
【0037】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、付加価値は高いが加工が難しい、高合金鋼ビレット
を用いて継目無鋼管を製造する際に問題となるプラグの
耐用度を、ビレット端面に鋼板を接合させるという簡便
な方法によって飛躍的に向上させることができる。従っ
て、高合金鋼継目無鋼管を、従来と全く変わらない製管
法を用い、従来プラグも含めて合金鋼製プラグを使用し
てもその寿命を飛躍的に向上させることができる。さら
に、製管後においても、従来と何ら違いのない工程によ
って製品を仕上げることができ、圧延能率が向上しコス
ト低減化が実現される。
【0038】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら説明す
る。
【0039】〔実施例1〕13Cr鋼からなる高合金鋼
ビレットを使用した。前記ビレットの穿孔側先端面、穿
孔側後端面または両端面に、一般炭素鋼からなる鋼板
を、ビレットの長手方向と直交方向に、ビレットの外周
面から外側に突出しないように接合してビレットの供試
体を調製した。各供試体は、接合鋼板の断面積を表1に
示すように各々変化させた。そして、このように鋼板を
接合したビレットの供試体、および、鋼板を接合しない
ビレットの供試体の各々に対して、従来から使用されて
いる3Cr−1Ni鋼からなる穿孔用プラグを使用して
熱間穿孔して中空素材を調製し、得られた中空素材を圧
延し、継目無鋼管を製造した。そして、使用したプラグ
の寿命および継目無鋼管の性状を調べた。その結果を、
表1および図1に示す。表1には、各供試体に接合した
鋼板の断面積、厚さおよび接合部位のデータを併せて示
した。プラグ寿命比は、鋼板を接合しないビレット(1
3Cr鋼製)を穿孔した場合を基準とした。なお、表1
における接合鋼板の断面積は、実際には、鋼板の表面積
を測定することによって得た。また、“(プラグ底部半
径)2 ×円周率”=“プラグ底部面積”は、実際には、
プラグ底部の投影面積の測定によって得た。なお、穿孔
条件は、下記の通りである。 ゴージ圧下率:7〜15% 加熱温度 :1050〜1300℃(ビレット鋼種に
より変更) ビレット素材:13Cr鋼 ビレット径 :170φまたは230φ 穿孔用プラグ:従来プラグ(3Cr−1Ni鋼からなる
プラグ) 接合鋼板素材:一般炭素鋼。
【0040】
【表1】
【0041】表1および図1から、本発明例2、3と参
考例との比較により、同一の大きさを有する鋼板を使用
するならば、鋼板の接合部位は、ビレット穿孔側後端
(参考例)よりも、ビレットの穿孔側先端面(本発明例
2)または両端面(本発明例3)のほうが、プラグの寿
命延長が図れることがわかる。なお、参考例のように、
鋼板をビレット穿孔側後端に接合してもビレット寿命延
長効果があらわれる。
【0042】本発明例1〜6に示すように、鋼板の大き
さが本発明範囲内であれば、プラグの寿命延長効果が高
く、作業性に優れることがわかる。中でも、 S×0.3≦C≦S×0.9 ただし、S:(プラグ底部半径)2 ×円周率、C:鋼板
の断面積、である本発明例2、3および4は、プラグ寿
命が他と比して特に長く、安定して良好な評価(◎印)
を得ることができた。従って、本発明例1、6の評価は
○印とする。
【0043】鋼板が本発明範囲を外れて大きい比較例3
は、寿命延長効果は本発明例とほぼ同じでも、プラグバ
ーに鋼板の一部が残存し、その結果として、管内面に疵
を発生させる等の問題が発生し、作業性が低下した。従
って、寿命延長効果には問題ないが、評価結果は不良
(×印)であった。
【0044】鋼板を接合したがその大きさが本発明範囲
を外れて小さい比較例2は、鋼板を接合しない比較例1
とプラグ寿命がほとんど変わらず、評価は不良(×印)
であった。
【0045】〔実施例2〕実施例1と同じ穿孔条件で、
ビレット素材および鋼板の断面積を種々変えて、継目無
鋼管を製造した。そして、鋼板接合の有無および鋼板の
大きさの違いによる寿命延長効果について調べた。その
結果を表2に示す。プラグ寿命比は、鋼板を接合しない
13Cr鋼ビレットを穿孔した場合を基準とした。
【0046】
【表2】
【0047】表2から明らかなように、いずれの鋼種か
らなるビレットでも、鋼板の大きさが本発明範囲内の本
発明例6〜12は、鋼板接合無しの場合に比べ、5〜1
0倍近く寿命が延長されることがわかる。
【0048】32Ni鋼からなるビレットを穿孔した実
施例12と比較例6との比較では、鋼板接合無しでは穿
孔不可能の評価(××印)であったものが少なくとも1
パス以上穿孔可能の評価(◎印)になった。
【0049】〔実施例3〕実施例1と同じ条件で、ビレ
ット素材は13Cr鋼とし、鋼板の体積および断面積を
種々変えて、継目無鋼管を製造した。そして、鋼板接合
の有無および鋼板の体積の違いによる寿命延長効果につ
いて調べた。その結果を表3および図2に示す。プラグ
寿命比は、鋼板を接合しない13Cr鋼ビレットを穿孔
した場合を基準とした。
【0050】
【表3】
【0051】プラグ寿命を延長させるに当たり、接合す
る鋼板体積の良好な範囲は、図2に示される通り広範で
ある。これは、接合面積と厚みとの両方が係わることか
ら発生しているが、この範囲内でも、特に、 A×0.3≦V≦A×2.5 ただし、A:ビレットの断面積、V:鋼板の体積、であ
る本発明例15〜18は、穿孔性および管内面に付着す
る接合された鋼の量のいずれを取っても、作業性および
品質に全く影響を及ぼさず評価は良好(◎印)であっ
た。なお、ビレットの断面積とは、ビレットの長手方向
と直交する方向に切断した平面の断面積である。
【0052】〔実施例4〕実施例1と同じ条件で、ビレ
ット素材は13Cr鋼とし、ビレットに接合する鋼板の
品種を種々変えて、継目無鋼管を製造した。なお、鋼板
の体積Vに関しては、本発明範囲内の(V=A×1.
0)を使用した。そして、接合鋼板の品種の違いによる
寿命延長効果について調べた。その結果を表4に示す。
プラグ寿命比は、鋼板を接合しない13Cr鋼ビレット
を穿孔した場合を基準とした。
【0053】
【表4】
【0054】表4から、比較例10〜13は、鋼板の成
分組成がビレット素材の13Cr鋼と近く、寿命延長効
果がほとんどなく、むしろ低下しているものもあり評価
は不良(××印)であることがわかる。一方、鋼板が一
般炭素鋼からなる実施例19は、プラグ寿命延長効果が
顕著に優れており良好な評価(◎印)を得た。また、1
〜5Cr鋼程度の低合金鋼からなる実施例20〜22
も、プラグ寿命延長効果が優れており良好な評価(○
印)を得た。
【0055】上述した実施例1〜4においては、高合金
鋼ビレットが使用されているが、ビレット素材が、前記
高合金鋼に対する低合金鋼、または、合金鋼以外の合
金、例えば、Ni基合金を用いた場合においても、高合
金鋼をビレット素材として用いた場合と同様の結果がも
たらされることを我々は確認している。
【0056】また、実施例1〜4では、穿孔用プラグと
して従来プラグ(3Cr−1Ni鋼からなるプラグ)を
使用したが、穿孔用プラグとして合金鋼製プラグ(従来
プラグより2倍程度高寿命)を使用すれば、本実施例同
様またはそれ以上の良好な結果となる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、付加価値は高いが加工が難しい、高合金鋼ビレット
を用いた継目無鋼管の製造において、ビレット端面に鋼
板を接合させるという簡便な方法により、穿孔用プラグ
の耐用度を飛躍的に向上させて寿命延長を図ることがで
き、従来と全く変わらない製管法およびプラグを使用す
ることができ、圧延能率が向上しコスト低減化が実現さ
れ、更に、穿孔後においても、従来と同様の工程によっ
て製品を仕上げることができ、かくして、工業上有用な
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合された鋼板の断面積とプラグ寿命比との関
係を示すグラフである。
【図2】接合された鋼板の体積とプラグ寿命比との関係
を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金鋼からなるビレットを、穿孔用プラ
    グにより熱間穿孔して中空素材を調製し、得られた中空
    素材を圧延することにより継目無鋼管を製造する方法に
    おいて、 前記プラグにより熱間穿孔する前に、予め、鋼板を、前
    記ビレットの少なくとも穿孔側先端面に、前記ビレット
    の長手方向と直交方向に、前記ビレットの外周面から外
    側に突出しないように接合し、且つ、前記鋼板の断面積
    (C)が下記(1)式、 S×0.2≦C≦S×1.2・・・(1) ただし、 S:(プラグ底部半径)2 ×円周率 C:鋼板の断面積 を満足することを特徴とするプラグ耐用度に優れた継目
    無鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼板の体積(V)が下記(2)式、 A×0.1≦V≦A×5・・・(2) ただし、 A:ビレットの断面積 V:鋼板の体積 を満足することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記鋼板が、炭素鋼、または、前記ビレ
    ット素材の合金鋼よりも鉄以外の含有成分の割合が低い
    低合金鋼からなる請求項1または2記載の製造方法。
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