JPWO2003010189A1 - ジペプチドの製造方法、それに用いるペプチド生成酵素、およびペプチド生成酵素の製造方法 - Google Patents

ジペプチドの製造方法、それに用いるペプチド生成酵素、およびペプチド生成酵素の製造方法 Download PDF

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    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)

Abstract

本発明は、安価に入手可能な出発原料を用いて、工業的に有利かつ簡便な経路でジペプチドを製造する方法を提供する。アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、または該微生物の菌体処理物を用いて、アミノ酸エステルおよびアミノ酸からジペプチドを製造する。

Description

技術分野
本発明は、複雑な合成方法を経ることなく、簡便かつ安価にジペプチドを製造する方法に関し、より詳細には、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを製造する方法、当該ジペプチドの製造方法に使用するペプチド生成酵素およびその製造方法に関する。
背景技術
ジペプチドは、医薬品素材、機能性食品等のさまざまな分野で利用されている。例えば、L−アラニル−L−グルタミンは無血清培地の成分として有用であり、L−グルタミンに比べ安定で、水溶性も高いことから輸液成分に用いられる。
ジペプチドの製造法としては従来から化学合成法が知られているが、その製造法は必ずしも簡便なものではなかった。例えば、N−ベンジルオキシカルボニルアラニン(以下Z−アラニンと称する)と保護L−グルタミンを用いる方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,34,739(1961)、Bull.Chem.Soc.Jpn.,35,1966(1962))、Z−アラニンと保護L−グルタミン酸−γ−メチルエステルを用いる方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,37,200(1964))、Z−アラニンエステルと無保護グルタミン酸を用いる方法(特開平1−96194号公報)、2−置換−プロピオニルハロイドを原料として、N−(2−置換)−プロピオニルグルタミン誘導体を中間体として合成する方法(特開平6−234715号公報)等が知られている。
しかしながら、いずれの方法においても、保護基の導入脱離、もしくは中間体の合成が必要であり、工業的に有利で十分に満足できる製造方法ではなかった。
酵素を用いたジペプチドの代表的製造法としては、N保護、C無保護のカルボキシ成分とN無保護、C保護のアミン成分を用いる縮合反応(反応1)、およびN保護、C保護のカルボキシ成分とN無保護、C保護のアミン成分を用いる置換反応(反応2)が知られており、反応1の例としては、Z−アスパラギン酸とフェニルアラニンメチルエステルからのZ−アスパルチルフェニルアラニンメチルエステルの製造方法(特開昭53−92729号公報)、(反応2)の例としてはアセチルフェニルアラニンエチルエステルとロイシンアミドからのアセチルフェニルアラニルロイシンアミドの製造方法(Biochemical J.,163,531(1977))が挙げられる。N無保護、C保護のカルボキシ成分を用いる方法の研究報告例は極めて少なく、N無保護、C保護のカルボキシ成分とN無保護、C保護のアミン成分を用いる置換反応(反応3)の例としては特許WO 90/01555があり、例えばアルギニンエチルエステルとロイシンアミドからのアルギニルロイシンアミドの製造方法が挙げられる。N無保護、C保護のカルボキシ成分とN無保護、C無保護のアミン成分を用いる置換反応(反応4)の例としては、特許EP 278787Aがあり、例えばチロシンエチルエステルとアラニンからのチロシルアラニンの製造方法が挙げられる。これらの方法の中で最も安価な製造方法となり得るのは、当然ながら保護基の数が最も少ない反応4の範疇に入る反応である。
しかしながら、反応4の先行例(特許EP 278787A)に使用する酵素は、Saccharomyces属に属する酵母あるいはカビ、植物に由来する比較的高価なcarboxypeptidase標品の試薬を用いており、また生産されるジペプチドも比較的疎水度の高いアミノ酸を含むものであった。特許EP 278787Aにおいては、細菌およびSaccharomyces属酵母を除く酵母由来の酵素を用いる方法は全く知られておらず、また親水性の高いアラニルグルタミンやアラニルアスパラギンの製造方法については全く知られていなかった。このような背景の下、これらペプチドの工業的安価な製造法の開発が望まれていた。
発明の開示
本発明は、安価に入手可能な出発原料と安価に供給できる酵素源(微生物の培養物、微生物菌体、菌体処理物等)を用いて、工業的に有利かつ簡便な経路でジペプチドを製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは安価に培養できる、ある種の細菌、酵母に属する微生物が、安価に入手可能なL−アミノ酸エステルとL−アミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕 アクロモバクター属、アシネトバクター属、エアロモナス属、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、アースロバクター属、ベイジェリンキア属、ブレビバクテリウム属、クラビバクター属、クリセオバクテリウム属、エシェリヒア属、エンテロバクター属、エルビニア属、フラボバクテリウム属、クルイヘラ属、ミクロバクテリウム属、ミクロコッカス属、ミコプラナ属、パントテア属、プロピオニバクテリウム属、リストネラ属、リゾビウム属、ロドコッカス属、サルモネラ属、ザルチナ属、セラチア属、ステノトロホモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトマイセス属、ビブリオ属、キサントモナス属、ブレラ属、キャンディダ属、クリプトコッカス属、フィロバシディウム属、ジオトリカム属、パキソレン属、ロドスポリジウム属、ロドトルラ属、サッカロミセス属、スポロブロマイセス属、トレメラ属、トルラスポラ属、トルロプシス属、アセトバクター属、グルコノバクター属、グルコンアセトバクター属、アサイア属、ズッカリバクター属、アクチノマデュラ属、キタサトスポリア属、ミクロモノスポーラ属、ノカルディア属、エルスコフィア属、サッカロスリクス属またはストレプトバーティシリウム属に属し、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、アミノ酸エステルとアミノ酸からジペプチドを製造することを特徴とするジペプチドの製造方法。
〔2〕 アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、アミノ酸エステルとアミノ酸からジペプチドを製造する際に、反応液に金属酵素阻害剤を添加することを特徴とする、上記〔1〕に記載のジペプチドの製造方法。
〔3〕 前記アミノ酸エステルが、L−アラニンエステルであることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載のジペプチドの製造方法。
〔4〕 前記アミノ酸が、L−グルタミンであることを特徴とする、上記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のジペプチドの製造方法。
発明を実施するための最良の形態
本発明のジペプチドの製造方法は、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、または、該微生物の菌体処理物を用いることを特徴とする。本発明のジペプチドの製造方法における反応は下記反応式により表される。下記化学式に例示されるように、本明細書において「ジペプチド」とは、ペプチド結合を1つ有するペプチドポリマーのことをいう。
Figure 2003010189
(Rは置換または無置換の炭化水素鎖、Rはアミノ酸エステルの側鎖、Rはアミノ酸の側鎖を表す)
アミノ酸エステルは、安価に入手可能な化合物である。アミノ酸エステルと無保護アミノ酸を出発原料として、細菌、酵母を酵素源として水溶液中で反応せしめる本発明の方法は、従来にはない新しいジペプチドの製造方法であり、医薬品素材、機能性食品として有用なジペプチドをより安価に提供することを可能とするものである。
以下、本発明のジペプチドの製造方法を、
〔I〕アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物
〔II〕ジペプチドの製造方法
〔III〕ペプチド合成活性を有するタンパク質をコードするDNAの単離等の順に詳細に説明する。
〔I〕アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物
本発明に使用する微生物としては、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物を特に限定なく使用することができる。アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物としては、アクロモバクター属、アシネトバクター属、エアロモナス属、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、アースロバクター属、ベイジェリンキア属、ブレビバクテリウム属、クラビバクター属、クリセオバクテリウム属、エシェリヒア属、エンテロバクター属、エルビニア属、フラボバクテリウム属、クルイヘラ属、ミクロバクテリウム属、ミクロコッカス属、ミコプラナ属、パントテア属、プロピオニバクテリウム属、リストネラ属、リゾビウム属、ロドコッカス属、サルモネラ属、ザルチナ属、セラチア属、ステノトロホモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトマイセス属、ビブリオ属、キサントモナス属、ブレラ属、キャンディダ属、クリプトコッカス属、フィロバシディウム属、ジオトリカム属、パキソレン属、ロドスポリジウム属、ロドトルラ属、サッカロミセス属、スポロブロマイセス属、トレメラ属、トルラスポラ属、またはトルロプシス属、アセトバクター属、グルコノバクター属、グルコンアセトバクター属、アサイア属、ズッカリバクター属、アクチノマデュラ属、キタサトスポリア属、ミクロモノスポーラ属、ノカルディア属、エルスコフィア属、サッカロスリクス属またはストレプトバーティシリウム属に属する微生物を挙げることができるが、具体的には以下のものを例示することができる。
アクロモバクター テルマーベ FERM BP−6988
(Achromobacter delmarvae)
アシネトバクター ジョンソニイ ATCC 9036
(Acinetobacter johnsonii)
エアロモナス サルモニシダ ATCC 14174
(Aeromonas salmonicida)
アグロバクテリウム ツメファシエンス IFO 3058
(Agrobacterium tumefaciens)
アルカリゲネス フェカリス ATCC 8750
(Alcaligenes faecalis)
アースロバクター シトレウス ATCC 11624
(Arthrobacter citreus)
ベイジェリンキア インディカ ATCC 9037
(Beijerinckia indica)
ブレビバクテリウム ローゼウム ATCC 13825
(Brevibacterium roseum)
クラビバクター ミシガネンス ATCC 7429
(Clavibacter michiganense)
クリセオバクテリウム メニンゴセプティカムATCC 13253
(Chryseobacterium meningosepticum)
エシェリヒア コリ ATCC 13071
(Escherichia coli)
エンテロバクター エアロゲネス ATCC 13048
(Enterobacter aerogenes)
エルビニア アミロボーラ IFO 12687
(Erwinia amylovora)
フラボバクテリウム レジノボーラムATCC 12524
(Flavobacterium resinovorum)
クルイヘラ シトロフィラFERM BP−6564
(Kluyvera citrophila)
ミクロバクテリウム インペリアエ ATCC 8365
(Microbacterium imperiale)
ミクロコッカス ルテウス ATCC 11880
(Micrococcus luteus)
ミコプラナ ブラータ ATCC 4278
(Mycoplana bullata)
パントエア アナナティス ATCC 23822
(Pantoea ananatis)
プロピオニバクテリウム シェルマーニ FERM BP−8100
(Propionibacterium shermanii)
リストネラ アングイラーラム ATCC 19264
(Listonella anguillarum)
リゾビウム ラジオバクター ATCC 4720
(Rhizobium radiobacter)
ロドコッカス ロドクラウス ATCC 21198
(Rhodococcus rhodochrous)
サルモネラ チフィムリウム FERM BP−6566
(Salmonella typhimurium)
ザルチナ ルテア FERM BP−6562
(Sarcina lutea)
セラチア グリメシイ ATCC 14460
(Serratia grimesii)
スタフィロコッカス アウレウス ATCC 12600
(Staphylococcus aureus)
ステノトロホモナス マルトフィリアATCC 13270
(Stenotrophomonas maltophilia)
ストレプトマイセス ラベンデュラエ ATCC 11924
(Streptomyces lavendulae)
ビブリオ チロゲネス FERM BP−5848
(Vibrio tyrogenes)
キサントモナス マルトフィリア FERM BP−5568
(Xanthomonas maltophilia)
ブレラ アルバ FERM BP−8099
(Bullera alba)
キャンディダ クルゼイ IFO 0011
(Candida krusei)
クリプトコッカス テレウス IFO 0727
(Cryptococcus terreus)
フィロバシディウム カプスリゲナム IFO 1119
(Filobacidium capsuligenum)
ジオトリクム アミセリウム ATCC 56046
(Geotrichum amycelium)
パキソレン タンノフィラス IFO 1007
(Pachysolen tannophilus)
ロドスポリジウム ディオボバータム IFO 1829
(Rhodosporidium diobovatum)
ロドトルラ ミヌタ IFO 0879
(Rhodotorula minuta)
サッカロミセス ユニスポーラス IFO 0724
(Saccharomyces unisporus)
スポロボロミセス サルモニカラー IFO 1038
(Sporoboromyces salmonicolor)
トレメラ フォリアセ IFO 9297
(Tremella foliacea)
トルラスポーラ デルブルッキ IFO 1083
(Torulaspora delbrueckii)
トルロプシス インゲニオーサ FERM BP−8098
(Torulopsis ingeniosa)
グルコンアセトバクター リクエファシエンス IFO12388
(Gluconacetobacter liquefaciens)
アセトバクター オルレアネンシス IFO3223
(Acetobacter orleanensis)
アセトバクター パスツーリアヌス ATCC9325
(Acetobacter pasteurianus)
グルコノバクター オキシダンス ATCC621
(Gluconobacter oxydans)
グルコノバクター オキシダンス IFO3171
(Gluconobacter oxydans)
グルコンアセトバクター ハンゼニイ JCM7643
(Gluconacetobacter hansenii)
アサイア エタノリファシエンス FERM BP−6751
(Asaia ethanolifaciens)
ズッカリバクター フロリコーラ FERM BP−6752
(Zucharibacter floricola)
アクチノマデュラ マデュラエ ATCC 19425
(Actinomadura madurae)
キタサトスポリア グリセオラ IFO 14371
(Katasatosporia griseola)
ミクロモノスポーラ チェルシナ ATCC 53710
(Micromonospora chersina)
ノカルディア グロベルラ ATCC 21602
(Nocardia globerula)
エルネコフィア ツルバータ FERM BP−8122
(Oerskovia turbata)
サッカロスリクス オーストラリエンシス IFO 14444
(Saccharothrix australiensis)
ストレプトバーティシリウム モバラエンシス IFO−13819
(Streptoverticillium mobaraensis)
上記菌株のうち、ATCC番号が記載されているものは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(P.O.Box 1549 Manassas,VA 20110)に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。上記菌株のうち、IFO番号が記載されているものは、財団法人発酵研究所(〒532−8686 大阪市淀川区十三本町2丁目17−85)に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。上記菌株のうち、JCM番号が記載されているものは、理化学研究所(〒351−0106 埼玉県和光市広沢2−1)に寄託されており、各番号を参照して分譲を受けることができる。
上記菌株のうち、FERM番号が記載されているものは、独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センター(〒305−8566 茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に寄託され、受託番号が付与された微生物である。アクロモバクター デルマーベ FERM BP−6988は、1998年1月16日に原寄託がなされ2000年1月6日に国際寄託に移管されている。クルイヘラ シトロフィラ FERM BP−6564は、1985年4月23日に原寄託がなされ、1998年11月2日に国際寄託に移管されている。プロピオニバクテリウム シェルマーニ FERM BP−8100は、1987年12月4日に原寄託がされ、2002年7月1日に国際寄託に移管されている。サルモネラ チフィムリウム FERM BP−6566は、1987年7月11日に原寄託がなされ、1998年11月2日に国際寄託に移管されている。ザルチナ ルテア FERM BP−6562は、1984年1月20日に原寄託がなされ、1998年11月2日に国際寄託に移管されている。ビブリオ チロゲネス FERM BP−5848は、1983年4月25日に原寄託がなされ、1997年3月4日に国際寄託に移管されている。キサントモナス マルトフィリア FERM BP−5568は、1995年6月14日に原寄託がなされ、1996年6月14日に国際寄託に移管されている。ブレラ アルバ FERM BP−8099は、1984年12月24日に原寄託がなされ、2002年7月1日に国際寄託に移管されている。トルロプシス インゲニオーサ FERM BP−8098は、1970年8月24日に原寄託がなされ、2002年7月5日に国際寄託に移管されている。アサイア エタノリファシエンス FERM BP−6751(微生物の表示;Bacterium P528 AJ14757)、および、ズッカリバクター フロリコーラ FERM BP−6752(微生物の表示;Bacterium S877 AJ14758)は、1998年6月18日に原寄託がなされ、1999年6月14日に国際寄託に移管されている。エルスコフィア ツルバータ FERM BP−8122は、2002年7月22日に国際寄託されている。
これらの微生物としては、野生株または変異株のいずれを用いてもよいし、また、細胞融合もしくは遺伝子操作などの遺伝学的手法により誘導される組み換え株等も用いることができる。
このような微生物の菌体を得るには、当該微生物を適当な培地で培養増殖せしめるとよい。このための培地はその微生物が増殖し得るものであれば特に制限はなく、通常の炭素源、窒素源、リン源、硫黄源、無機イオン、更に必要に応じ有機栄養源を含む通常の培地でよい。
例えば、炭素源としては上記微生物が利用可能であればいずれも使用でき、具体的には、グルコース、フラクトース、マルトース、アミロース等の糖類、ソルビトール、エタノール、グリセロール等のアルコール類、フマル酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類及びこれらの塩類、パラフィンなどの炭水化物類あるいはこれらの混合物などを使用することができる。
窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどの無機塩のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの有機酸のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの硝酸塩、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの有機窒素化合物あるいはこれらの混合物を使用することができる。
他に無機塩類、微量金属塩、ビタミン類等、通常の培地に用いられる栄養源を適宜混合して用いることができる。
培養条件にも格別の制限はなく、例えば、好気的条件下にてpH5〜8、温度15〜40℃の範囲でpHおよび温度を適当に制限しつつ12〜48時間程度培養を行えばよい。
〔II〕ジペプチドの製造方法
本発明のジペプチドの製造方法は、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、アミノ酸エステルおよびアミノ酸からジペプチドを製造するものである。
上記微生物の産生するペプチド生成酵素は、アミノ酸エステルとアミノ酸を基質としてジペプチドを生成する活性を有するものである。
上記微生物の産生するペプチド生成酵素をアミノ酸エステルおよびアミノ酸に作用せしめる方法としては、上記微生物を培養しながら、培養液中に直接基質を添加してもよいし、培養終了後の培養液あるいは微生物培養物から遠心分離等により菌体を分離し、これをそのままもしくは洗浄した後、緩衝液に再懸濁したものにアミノ酸エステルとアミノ酸を添加して反応させてもよい。あるいは、ポリアクリルアミドゲル法、カラギーナン法、アルギン酸ゲル法等の公知の方法で固定化した菌体を用いることができる。
また、微生物菌体の処理物として、菌体破砕物、アセトン処理菌体、凍結乾燥菌体を用いてもよい。菌体破砕には超音波破砕、フレンチプレス破砕、ガラスビーズ破砕等の方法を用いることができ、また溶菌させる場合には卵白リゾチームや、ペプチターゼ処理、またはこれらを適宜組み合わせた方法が用いられる。
さらに、当該微生物菌体処理物からペプチド生成酵素を回収し、粗酵素液として使用してもよいし、必要に応じて、酵素を精製して用いてもよい。培養物からの精製法としては通常の酵素精製法をもちいることができる。具体的には遠心分離等によって菌体を集め、超音波処理、ガラスビーズ、ダイノミルなどの機械的方法によって菌体を破砕し、細胞片等の固形物を遠心分離によって除き、粗酵素を得て、超遠心分離分画、塩析、有機溶媒沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー等を行うことによって上述のペプチド生成酵素が精製される。
なお、「微生物に由来するペプチド生成酵素」とは、当該微生物菌体処理物から上記精製工程を経て得られた酵素のみならず、当該酵素の遺伝子を異種または同種の宿主において発現させることによる、いわゆる遺伝子工学的手法によって生産された酵素をも含む。
すなわち、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する活性を有する画分であれば、酵素と当該酵素含有物全てを使用することが可能である。ここで、「酵素含有物」とは、当該酵素を含有するものであればよく、具体的形態としては、当該酵素を生産する微生物の培養物、当該培養物から分離された微生物菌体、菌体処理物などが含まれる。微生物の培養物とは、微生物を培養して得られる物のことであり、より具体的には、微生物菌体、その微生物の培養に用いた培地および培養された微生物により生成された物質の混合物などのことをいう。また、微生物菌体は洗浄し、洗浄菌体として用いてもよい。また、菌体処理物には、菌体を破砕、溶菌、凍結乾燥したものなどが含まれ、さらに菌体などを処理して回収される粗酵素、さらに精製した精製酵素なども含まれる。精製処理された酵素としては、各種精製法によって得られる部分精製酵素等を使用してもよいし、これらを共有結合法、吸着法、包括法等によって固定化した固定化酵素を使用してもよい。また、使用する微生物によっては、培養中に一部、溶菌するものもあるので、この場合には培養液上清も酵素含有物として利用できる。
なお、培養物、培養菌体、洗浄菌体、菌体を破砕あるいは溶菌させた菌体処理物を用いる場合には、ペプチドの生成に関与せずに生成ペプチドを分解する酵素が存在することが多く、この場合には、金属酵素阻害剤、例えばエチレンジアミンン四酢酸(EDTA)のような金属プロテアーゼ阻害剤などを添加するほうが好ましい場合がある。添加量は、0.1mMから100mMの範囲で、好ましくは1mMから50mMである。
酵素または酵素含有物の使用量は、目的とする効果を発揮する量(有効量)であればよく、この有効量は当業者であれば簡単な予備実験により容易に求められるが、例えば洗浄菌体を用いる場合は反応液1リットル当たり1〜500gである。
アミノ酸エステルとしては、当該ペプチド生成酵素の基質特異性においてL−アミノ酸とジペプチドを生成できるアミノ酸エステルであればいかなるものも使用でき、例えば、L−アミノ酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、iso−プロピルエステル、n−ブチルエステル、iso−ブチルエステル、tert−ブチルエステル等が挙げられる。また、天然型のアミノ酸に対応したL−アミノ酸エステルだけでなく、非天然型のアミノ酸もしくはその誘導体に対応するL−アミノ酸エステルまたはD−アミノ酸エステルも使用可能である。本発明において、アミノ酸エステルとして好ましくは、L−アラニンエステルを用いることができる。アミノ酸としては、当該ペプチド生成酵素の基質特異性においてアミノ酸エステルとジペプチドを形成するものであれば特に限定なく公知のものを使用できる。例えば、アミノ酸エステルとしては、L−アミノ酸、C保護L−アミノ酸、D−アミノ酸、C保護D−アミノ酸、アミン等が挙げられる。また、アミンとしては、天然型アミンだけでなく、非天然型のアミンもしくはその誘導体などが例示される。また、アミノ酸としては、天然型アミノ酸だけではなく非天然型アミノ酸もしくはその誘導体も例示される。α−アミノ酸の他、アミノ基の結合位置の異なる、β−、γ−、ω−等のアミノ酸なども例示される。本発明においては、アミノ酸として好ましくは、L−グルタミンを用いることができる。
出発原料であるアミノ酸エステルおよびアミノ酸の濃度は各々1mM〜10M、好ましくは0.05M〜2Mであるが、アミノ酸エステルに対してアミノ酸を等量以上添加したほうが好ましい場合がある。また、必要ならば、例えば基質が高濃度だと反応を阻害するような場合には、反応中にこれらを阻害しない濃度にして逐次添加する事ができる。
反応温度は3〜70℃、好ましくは5〜50℃であり、反応pHはpH2〜12好ましくはpH3〜11である。かくして2〜48時間程度反応を行うことにより、反応混合物中にジペプチドが生成蓄積する。生成されたジペプチドは、定法により回収し、必要に応じて精製することができる。
〔III〕ペプチド合成活性を有するタンパク質をコードするDNAの単離等
〔III―1〕DNAの単離
本発明で用いられる微生物は、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有しており、上記の微生物群などから遺伝子工学的な手法を用いて、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成するタンパク質をコードするDNA単離し、形質転換体を作製することにより、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成するタンパク質(ペプチド合成酵素)を得ることもできる。以下に、例として、微生物からL−アミノ酸エステルとL−アミノ酸とからジペプチドを生成するタンパク質をコードするDNA単離し、形質転換体を作製する方法についての実施形態を説明する。
はじめに、上記の微生物から上記〔II〕の欄で説明したようにして生成酵素を得て、精製されたペプチド生成酵素のアミノ酸配列を決定する。エドマン法(Edman,P.,Acta Chem.Scand.4,227(1950))を用いてアミノ酸配列を決定することができる。またApplied Biosystems社製のシークエンサーを用いてアミノ酸配列を決定することができる。精製されたペプチド生成酵素について、N末端から30残基のアミノ酸配列を決定し、明らかとなったアミノ酸配列に基づいて、これをコードするDNAの塩基配列を演繹できる。DNAの塩基配列を演繹するには、ユニバーサルコドンを採用する。
演繹された塩基配列に基づいて、30塩基対程度のDNA分子を合成する。該DNA分子を合成する方法はTetrahedron Letters,22,1859(1981)に開示されている。また、Applied Biosystems社製のシンセサイザーを用いて該DNA分子を合成できる。該DNA分子は、微生物菌体からペプチド生成酵素をコードするDNA全長を、染色体遺伝子ライブラリーから単離する際に、プローブとして利用できる。あるいは、ペプチド生成酵素をコードするDNAをPCR法で増幅する際に、プライマーとして利用できる。ただし、PCR法を用いて増幅されるDNAは、ペプチド生成酵素をコードするDNA全長を含んでいないので、PCR法を用いて増幅されるDNAをプローブとして用いて、ペプチド生成酵素をコードするDNA全長を微生物の染色体遺伝子ライブラリーから単離する。
PCR法の操作については、White,T.J.et al.,Trends Genet.5,185(1989)等に記載されている。染色体DNAを調製する方法、さらにDNA分子をプローブとして用いて、遺伝子ライブラリーから目的とするDNA分子を単離する方法については、Molecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)等に記載されている。
単離されたペプチド生成酵素をコードするDNAの塩基配列を決定する方法は、A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley & Sons,Inc.(1985)に記載されている。また、Applied Biosystems社製のDNAシークエンサーを用いて、塩基配列を決定することができる。
本発明で用い得るDNAは、上記のようにして得られるDNAのみではない。ある特定の菌体の染色体DNAから単離されたペプチド生成酵素をコードするDNAに人工的に変異を加えたDNAであっても、ペプチド生成酵素をコードする場合には、本発明で用い得るDNAである。人工的に変異を加える方法として頻繁に用いられるものとして、Method.in Enzymol.,154(1987)に記載されている部位特異的変異導入法がある。
さらに、上記のようにして染色体DNAなどから単離されたDNAの塩基配列と相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し、ペプチド生成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAも本発明で用いることができるDNAである。ここで「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC、0.1%SDS、このましくは、60℃、0.1×SSC、0.1%SDS、さらに好ましくは65℃、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度でハイブリダイズする条件があげられる。ペプチド生成酵素の活性については既に上記にて説明したとおりである。ただし、相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列の場合には、50℃、pH8の条件下で元のアミノ酸配列を有するタンパク質の10%以上、より好ましくは50%以上の酵素活性を保持していることが望ましい。
さらに、単離されたDNAでコードされるタンパク質と実質的に同一のタンパク質も本発明で用いることができる。したがって、単離されたDNAでコードされるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、L−アミノ酸エステルとL−アミノ酸からジペプチドを生成する反応を触媒するペプチド生成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAも本発明において用いることができる。ここで「数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造や、ペプチド生成酵素活性を大きく損なわない範囲のものであり、具体的には、2〜50個、好ましくは2〜30個、さらに好ましくは2〜10個である。また、ペプチド生成酵素の活性については、既に説明した通りである。ただし、アミノ酸配列において1または数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加または逆位を含むアミノ酸配列の場合には、50℃、pH8の条件下で元のアミノ酸配列を有するタンパク質の10%以上、より好ましくは50%以上の酵素活性を保持していることが望ましい。
上記のように、微生物からDNAを単離した場合、本発明では下記のDNAを好適に用いることができる。なお、例として、単離されたDNAの特定された塩基配列を塩基配列yとし、当該塩基配列でコードされるアミノ酸配列をアミノ酸配列Yという。
(i)塩基配列yからなるDNA。
(ii)塩基配列yと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつL−アミノ酸エステルとL−アミノ酸からジペプチドを生成する反応を触媒するペプチド生成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(iii)アミノ酸配列Yを有するタンパク質をコードするDNA。
(iv)アミノ酸配列Yにおいて、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、L−アミノ酸エステルとL−アミノ酸からジペプチドを生成する反応を触媒するペプチド生成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA。
〔III−2〕形質転換体の作製
次に、ペプチド生成酵素活性を有するタンパク質を発現する形質転換体の作製について説明する。組み換えDNA技術を利用して酵素、生理活性物質等の有用タンパク質を製造する例は数多く知られており、組み換えDNA技術を用いることで、天然に微量に存在する有用タンパク質を大量生産できる。
本発明の方法で用いることができる形質転換体としては、例えば下記(A)、(B)または(C)などのタンパク質を発現することができる形質転換体が好適なものとして挙げられる。
(A)アミノ酸配列Yを有するタンパク質。
(B)アミノ酸配列Yにおいて、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、かつ、L−アミノ酸エステルとL−アミノ酸からジペプチドを生成する反応を触媒するペプチド生成酵素活性を有するタンパク質。
(C)塩基配列yと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつL−アミノ酸エステルとL−アミノ酸からジペプチドを生成する反応を触媒するペプチド生成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNAでコードされるタンパク質。
上記(A)〜(C)のペプチド生成酵素活性を有するタンパク質を発現する形質転換体を作製するためには、上記〔III―1〕の欄に示した(i)〜(iv)のDNAを宿主細胞に導入すればよい。すなわち、(i)、(ii)、(iii)または(iv)のDNAを宿主細胞で発現可能な発現ベクターに組み込み、これを宿主細胞に導入する。
上記(B)に示されるような変異は、例えば部位特異的変異法によって、本酵素遺伝子の特定の部位のアミノ酸が置換、欠失、挿入、付加されるように塩基配列を改変することによって得られる。また、上記のような改変されたDNAは、従来知られている突然変異処理によっても取得され得る。突然変異処理としては、本酵素をコードするDNAをヒドロキシルアミン等でインビトロ処理する方法、及び本酵素をコードするDNAを保持するエシェリヒア属細菌を、紫外線照射またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常人工突然変異に用いられている変異剤によって処理する方法などが挙げられる。
タンパク質を組み換えDNA技術を用いて大量生産する場合、該タンパク質を生産する形質転換体内で該タンパク質が会合し、タンパク質の封入体(inclusion body)を形成させる形態も好ましい一実施形態として挙げられる。この発現生産方法の利点は、目的のタンパク質を菌体内に存在するプロテアーゼによる消化から保護する点および目的のタンパク質を菌体破砕に続く遠心分離操作によって簡単に精製できる点等である。
このようにして得られるタンパク質封入体は、タンパク質変性剤により可溶化され、主にその変性剤を除去することによる活性再生操作を経た後、正しく折り畳まれた生理的に活性なタンパク質に変換される。例えば、ヒトインターロイキン−2の活性再生(特開昭61−257931号公報)等多くの例がある。
タンパク質封入体から活性型タンパク質を得るためには、可溶化・活性再生等の一連の操作が必要であり、直接活性型タンパク質を生産する場合よりも操作が複雑になる。しかし、菌体の生育に影響を及ぼすようなタンパク質を菌体内で大量に生産させる場合は、不活性なタンパク質封入体として菌体内に蓄積させることにより、その影響を抑えることができる。
目的タンパク質を封入体として大量生産させる方法として、強力なプロモータの制御下、目的のタンパク質を単独で発現させる方法の他、大量発現することが知られているタンパク質との融合タンパク質として発現させる方法がある。
さらに、融合タンパク質として発現させた後に、目的のタンパク質を切り出すため、制限プロテアーゼの認識配列を適当な位置に配しておくことも有効である。
タンパク質を組み換えDNA技術を用いて大量生産する場合、形質転換される宿主細胞としては、細菌細胞、放線菌細胞、酵母細胞、カビ細胞、植物細胞、動物細胞等を用いることができるが、一般に大腸菌などの腸内細菌、好ましくは大腸菌(エシェリヒア コリ、Escherichia coli)が用いられる。大腸菌などの腸内細菌を用いてタンパクを大量生産する技術について数多くの知見があるためである。以下、形質転換された大腸菌を用いてペプチド生成酵素を製造する方法の一形態を説明する。
ペプチド生成酵素をコードするDNAを発現させるプロモータとしては、通常大腸菌における異種タンパク質生産に用いられるプロモータを使用することができ、例えば、T7プロモータ、lacプロモータ、trpプロモータ、trcプロモータ、tacプロモータ、ラムダファージのPプロモータ、Pプロモータ等の強力なプロモータが挙げられる。
ペプチド生成酵素を融合タンパク質封入体として生産させるためには、ペプチド生成酵素遺伝子の上流あるいは下流に、他のタンパク質、好ましくは親水性であるペプチドをコードする遺伝子を連結して、融合タンパク質遺伝子とする。このような他のタンパク質をコードする遺伝子としては、融合タンパク質の蓄積量を増加させ、変性・再生工程後に融合タンパク質の溶解性を高めるものであればよく、例えば、T7gene 10、β−ガラクトシダーゼ遺伝子、デヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、インターフェロンγ遺伝子、インターロイキン−2遺伝子、プロキモシン遺伝子等が候補として挙げられる。
これらの遺伝子とペプチド生成酵素をコードする遺伝子とを連結する際には、コドンの読み取りフレームが一致するようにする。適当な制限酵素部位で連結するか、あるいは適当な配列の合成DNAを利用すればよい。
また、生産量を増大させるためには、融合タンパク質遺伝子の下流に転写終結配列であるターミネーターを連結することが好ましい場合がある。このターミネータとしては、T7ターミネータ、fdファージターミネータ、T4ターミネータ、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネータ、大腸菌trpA遺伝子のターミネータ等が挙げられる。
ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子を大腸菌に導入するためのベクターとしては、いわゆるマルチコピー型のものが好ましく、ColE1由来の複製開始点を有するプラスミド、例えばpUC系のプラスミドやpBR322系のプラスミドあるいはその誘導体が挙げられる。ここで、「誘導体」とは、塩基の置換、欠失、挿入、付加または逆位などによってプラスミドに改変を施したものを意味する。なお、ここでいう改変とは、変異剤やUV照射などによる変異処理、あるいは自然変異などによる改変をも含む。より具体的には、ベクターとしては、例えば、pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218等を用いることができる。他にもファージDNA、トランスポゾンDNAのベクターも利用できる。
また、形質転換体を選別するために、該ベクターがアンピシリン耐性遺伝子等のマーカーを有することが好ましい。このようなプラスミドとして、強力なプロモーターを持つ発現ベクターが市販されている(pUC系(宝酒造(株)製)、pPROK系(クローンテック製)、pKK233−2(クローンテック製)ほか)。
プロモータ、ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子、ターミネータの順に連結したDNA断片と、ベクターDNAとを連結して組み換えDNAを得る。
該組み換えDNAを用いて大腸菌を形質転換し、この大腸菌を培養すると、ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質が発現生産される。形質転換される宿主は、異種遺伝子の発現に通常用いられる株を使用することができるが、例えばエシェリヒア コリ JM109株が好ましい。形質転換を行う方法、および形質転換体を選別する方法はMolecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)等に記載されている。
融合タンパク質として発現させた場合、血液凝固因子Xa、カリクレインなどの、ペプチド生成酵素内に存在しない配列を認識配列とする制限プロテアーゼを用いてペプチド生成酵素を切り出せるようにしてもよい。
生産培地としては、M9−カザミノ酸培地、LB培地など、大腸菌を培養するために通常用いる培地を用いてもよい。また、培養条件、生産誘導条件は、用いたベクターのマーカー、プロモータ、宿主菌等の種類に応じて適宜選択する。
ペプチド生成酵素またはペプチド生成酵素と他のタンパク質との融合タンパク質を回収するには、以下の方法などがある。ペプチド生成酵素あるいはその融合タンパク質が菌体内に可溶化されていれば、菌体を回収した後、菌体を破砕あるいは溶菌させ、粗酵素液として使用できる。さらに、必要に応じて、通常の沈澱、濾過、カラムクロマトグラフィー等の手法によりペプチド生成酵素あるいはその融合タンパク質を精製して用いることも可能である。この場合、ペプチド生成酵素あるいは融合タンパク質の抗体を利用した精製法も利用できる。
タンパク質封入体が形成される場合には、変性剤でこれを可溶化する。菌体タンパク質とともに可溶化してもよいが、以降の精製操作を考慮すると、封入体を取り出して、これを可溶化するのが好ましい。封入体を菌体から回収するには、従来公知の方法で行えばよい。例えば、菌体を破壊し、遠心分離操作等によって封入体を回収する。タンパク質封入体を可溶化させる変性剤としては、グアニジン塩酸(例えば、6M、pH5〜8)や尿素(例えば8M)などが挙げられる。
これらの変性剤を透析等により除くと、活性を有するタンパク質として再生される。透析に用いる透析溶液としては、トリス塩酸緩衝液やリン酸緩衝液などを用いればよく、濃度としては20mM〜0.5M、pHとしては5〜8が挙げられる。
再生工程時のタンパク質濃度は、500μg/ml程度以下に抑えるのが好ましい。再生したペプチド生成酵素が自己架橋を行うのを抑えるために、透析温度は5℃以下であることが好ましい。また、変性剤除去の方法として、この透析法のほか、希釈法、限外濾過法などがあり、いずれを用いても活性の再生が期待できる。
なお、遺伝子工学的な手法については、例えばMolecular Cloning,2nd edition,Cold Spring Harbor press(1989)などの文献に記載された手法に準拠して実施することができる。
実施例
以下、実施例をあげて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例におけるL−アラニン、L−アラニル−L−グルタミンの定量は高速液体クロマトグラフィーを用いる方法(カラム:GLサイエンス社製 InertsiL ODS−2、溶離液:リン酸水溶液(pH2.2、5.0mM 1−オクタンスルホン酸ナトリウム溶液/メタノール=100/15、流量:1.0mL/min、検出210nm)により行った。
(実施例1) L−アラニル−L−グルタミンを生成する微生物
細菌、放線菌の培養には、1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10gを含む培地(pH7.0)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、115℃で15分殺菌したものを用いた。これに1L中にグルコース 5g、酵母エキス 10g、ペプトン 10g、NaCl 5gを含む斜面寒天培地(寒天20g/L、pH7.0)にて30℃、24時間培養した表1(a)および表1(b)に示す微生物を1白金耳接種し、30℃、120往復/分、で17時間振とう培養を行った。培養後菌体を遠心分離し、湿菌体として100g/Lになるように10mMのEDTAを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)にて懸濁した。酵母の培養には、1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g、酵母エキス 5g、マルツエキス 5g、ペプトン 10gを含む培地(pH6.0)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、115℃で15分殺菌したものを用いた。これに1L中にグルコース 5g、酵母エキス 5g、マルツエキス 5g、ペプトン 10g、NaCl 5gを含む斜面寒天培地(寒天20g/L、pH6.0)にて30℃、24時間培養した下表に示す酵母を1白金耳接種し、25℃、120往復/分、で17時間振とう培養を行った。培養終了後、これらの培養液から菌体を遠心分離し、湿菌体として100g/Lになるように10mMのEDTAを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)にて懸濁した。酢酸菌の培養には、1L中にグルコース 5g、硫酸アンモニウム 5g、リン酸一カリウム 1g、リン酸二カリウム 3g、硫酸マグネシウム 0.5g(別殺菌)、酵母エキス 5g、ペプトン 5gを含む培地(pH7.0)50mLを500mL坂口フラスコに分注し、120℃で20分殺菌したものを用いた。これに1L中にグルコース 5g、酵母エキス 10g、ペプトン10gを含む斜面寒天培地(寒天20g/L、pH7.0)にて30℃、24時間培養した表1(c)に示す微生物を1白金耳接種し、30℃、120往復/分、で24時間振とう培養を行った。この培養液1mlを上記培地(50ml/500mL坂口フラスコ)に添加し、30℃、24時間培養した。培養後菌体を遠心分離し、湿菌体として100g/Lになるように10mMのEDTAを含む0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)にて懸濁した。これらの微生物の菌体懸濁液0.1mLに、EDTA10mM、L−アラニンメチルエステル塩酸塩200mM、及びL−グルタミン400mMを含む100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)0.1mLをそれぞれ添加し、全量を0.2mLとした後、25℃にて2時間反応をおこなった。このときのL−アラニル−L−グルタミン(Ala−Gln)の生成量(mM)を表1(a)、(b)、(c)に示す。
Figure 2003010189
Figure 2003010189
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産業上の利用の可能性
本発明のジペプチドの製造方法により、複雑な合成方法を経ることなく、安価に入手可能なアミノ酸エステルとアミノ酸を用いてジペプチドを製造することができ、医薬品素材、機能性食品等として有用なジペプチドの製造コストダウンが可能となる。また、本発明のジペプチドの製造方法によれば、様々な種類のアミノ酸エステルおよびアミノ酸を原料として、種々のタイプのジペプチドを生成することができる。

Claims (4)

  1. アクロモバクター属、アシネトバクター属、エアロモナス属、アグロバクテリウム属、アルカリゲネス属、アースロバクター属、ベイジェリンキア属、ブレビバクテリウム属、クラビバクター属、クリセオバクテリウム属、エシェリヒア属、エンテロバクター属、エルビニア属、フラボバクテリウム属、クルイヘラ属、ミクロバクテリウム属、ミクロコッカス属、ミコプラナ属、パントテア属、プロピオニバクテリウム属、リストネラ属、リゾビウム属、ロドコッカス属、サルモネラ属、ザルチナ属、セラチア属、ステノトロホモナス属、スタフィロコッカス属、ストレプトマイセス属、ビブリオ属、キサントモナス属、ブレラ属、キャンディダ属、クリプトコッカス属、フィロバシディウム属、ジオトリカム属、パキソレン属、ロドスポリジウム属、ロドトルラ属、サッカロミセス属、スポロブロマイセス属、トレメラ属、トルラスポラ属、トルロプシス属、アセトバクター属、グルコノバクター属、グルコンアセトバクター属、アサイア属、ズッカリバクター属、アクチノマデュラ属、キタサトスポリア属、ミクロモノスポーラ属、ノカルディア属、エルスコフィア属、サッカロスリクス属またはストレプトバーティシリウム属に属し、アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、アミノ酸エステルとアミノ酸からジペプチドを製造することを特徴とするジペプチドの製造方法。
  2. アミノ酸エステルとアミノ酸とからジペプチドを生成する能力を有する微生物の培養物、該培養物より分離した微生物菌体、該微生物の菌体処理物、または、該微生物に由来するペプチド生成酵素を用いて、アミノ酸エステルとアミノ酸からジペプチドを製造する際に、反応液に金属酵素阻害剤を添加することを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のジペプチドの製造方法。
  3. 前記アミノ酸エステルが、L−アラニンエステルであることを特徴とする、請求範囲第1項または第2項に記載のジペプチドの製造方法。
  4. 前記アミノ酸が、L−グルタミンであることを特徴とする、請求範囲第1項から第3項のいずれかに記載のジペプチドの製造方法。
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