JPH0638769A - プロリンイミノペプチダーゼの遺伝情報を有するdna断片およびその用途 - Google Patents

プロリンイミノペプチダーゼの遺伝情報を有するdna断片およびその用途

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JPH0638769A
JPH0638769A JP4072598A JP7259892A JPH0638769A JP H0638769 A JPH0638769 A JP H0638769A JP 4072598 A JP4072598 A JP 4072598A JP 7259892 A JP7259892 A JP 7259892A JP H0638769 A JPH0638769 A JP H0638769A
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pip
dna
leu
glu
proline iminopeptidase
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Onori Tsuru
大典 鶴
Tadashi Yoshimoto
忠 芳本
Ana Kitazono
アナ キタゾノ
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロリンイミノペプチダーゼを効率的に製造
する方法を提供する。 【構成】 プロリンイミノペプチダーゼの遺伝情報を有
するDNA、該DNAを含有する組み換えベクター、宿
主細胞を該組み換えベクターで形質転換した形質転換体
および該形質転換体を培養して、プロリンイミノペプチ
ダーゼを産生させ、次いで該プロリンイミノペプチダー
ゼを採取することを特徴とするプロリンイミノペプチダ
ーゼの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロリンイミノペプチダ
ーゼ(以下PIPと記載)の遺伝情報を有するDNA,
該DNAを含有する組み換えベクター,該組み換えベク
ターを用いて得られる形質転換体および該形質転換体に
より該DNAの遺伝情報を発現せしめて得られるPIP
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PIP(Proline iminop
eptidase,EC.3.4.11.5)は、L−
プロリンをアミノ末端にもつペプチド,タンパク質から
プロリンを遊離させる酵素であり、種々の動物組織(豚
腎,牛腎)及び植物(アンズ種子,シイタケ子実体),
微生物(大腸菌,枯草菌)にも広く存在することが知ら
れている(蛋白質核酸酵素,29,317〜319(1
984))。しかしながら、これらの従来より知られて
いる動植物及び微生物は、PIPの生産能が極めて低い
ために、経済的なPIPの製造法としては不適であっ
た。また、特開平2−113887にはエシェリヒア属
のPIPをコードしている遺伝子について記載されてい
るが、DNA,アミノ酸配列に関しては明らかにされて
いない。
【0003】PIPの用途としては、本酵素の基質特異
性がPro−X−…のProの後を特異的に切断しX−
…なるペプチドを遊離するところから、リコンビナント
法で先導蛋白質と目的蛋白質を連結した融合蛋白質を蓄
積せしめる場合に、先導蛋白質と目的蛋白質との間にP
roを配置した融合蛋白質として蓄積せしめ、先導蛋白
質部分をアミノペプチダーゼ−Mなどおよびアミノペプ
チダーゼ−Pにより切断し、N末端にProが付加した
目的蛋白質を収得し、しかる後にPIPを作用させるこ
とによりN末端の揃った目的蛋白質を取得することなど
に用いられる。
【0004】よってPIPはタンパク質の配列決定に非
常に有用な酵素である。従来PIPは、例えばバチルス
コアギュランス(Bacillus coagula
ns)より分離・精製されている(The Journ
al of Biochem−istry,79,14
77〜1485(1985))。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】従来より報告されてい
るPIP生産菌は、PIPの生産性が低く製造コスト的
に高価になるという難点があるだけでなく、共存する他
種酵素等の除去が非常に困難で、純度の高い良質なPI
Pを得るため、精製コストが非常に高いものとなり、研
究用試薬として安易に広く用いるには必ずしも満足のい
くものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、該PIP
の生産性向上を計るべく鋭意検討を試みたところ、該P
IP遺伝子の採取ならびに一次構造解析に成功すると共
に遺伝子工学的手法を応用することによって、以下に述
べる如く、高生産性である製造法を確立した。
【0007】すなわち、本発明の要旨はPIPを含むポ
リペプチドのアミノ酸をコードしているDNA,該DN
Aを含有する組み換えベクター,宿主細胞を該組み換え
ベクターで形質転換した形質転換体及び該形質転換体を
培養してPIPを産生させ、次いで該PIPを採取する
ことを特徴とするPIPの製造法に存する。
【0008】本発明の上記DNAとしては、例えば配列
表の配列番号1に記載された塩基配列を有するDNAを
挙げることができる。なお、本発明のDNAは遺伝子組
み換え技術により、基本となるDNAの特定部位に、該
DNAがコードするものの基本的な特性を変化させるこ
となく、あるいはその特性を改善するように人為的に変
異を起こさせたものも含むものである。
【0009】PIP遺伝子の供与体である微生物として
は、PIP産生能を有する微生物であれば良く、例えば
バチルス コアギュランスが好適であり、特にバチルス
コアギュランス EK−19(微工研菌寄第1275
8)が好適である。
【0010】また、遺伝子組み換え技術を駆使してPI
P産生能を付与せしめた形質転換微生物もPIP遺伝子
の供与体として利用してもよい。
【0011】本発明のDNAは、例えばPIPを生産す
るPIP遺伝子の供与体である微生物より、該微生物の
DNAを分離・精製した後、超音波,制限酵素などを用
いてDNAを切断したものとリニヤーな発現ベクターと
を両DNAの平滑または接着末端部においてDNAリガ
ーゼなどにより結合閉環させ、こうして得られた組み換
えDNAベクターを複製可能な宿主微生物に移入した
後、ベクターのマーカーとPIPの活性とを指標とし
て、スクリーニングして取得した該組み換えDNAベク
ターを保持する微生物を培養し、該培養菌体から該組み
換えDNAベクターを分離・精製し、次いで該組み換え
DNAベクターからPIP遺伝子であるDNAを採取す
ればよい。
【0012】以下に上記採取方法をより詳細に説明す
る。遺伝子の供与体である微生物に由来するDNAは次
の如くにして採取される。すなわち、供与微生物である
上述した細菌のいずれかを例えば液体培地で約1〜3日
間通気撹拌培養し、得られる培養物を遠心分離して集菌
し、次いでこれを溶菌させることによってPIP遺伝子
の含有溶菌物を調製することができる。溶菌方法として
は例えばリゾチームやβ−グルカナーゼなどの細胞壁溶
解酵素による処理が施され、必要によりプロテアーゼな
どの他の酵素やラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性
剤が併用され、さらに細胞壁の物理的破壊法である凍結
融解やフレンチプレス処理を上述の溶菌法との組み合せ
で行ってもよい。
【0013】この様にして得られた溶菌物からDNAを
分離・精製するには常法に従って例えばフェノール抽出
による除蛋白処理,プロテアーゼ処理,リボヌクレアー
ゼ処理,アルコール沈澱遠心分離などの方法を適宜組み
合わせることにより行うことができる。
【0014】分離・精製された微生物DNAを切断する
方法は、例えば超音波処理,制限酵素処理などにより行
うことができるが、得られるDNA断片とベクターとの
結合を容易ならしめるため制限酵素とりわけ特定ヌクレ
オチド配列に作用する例えばEcoRI,HindII1
,BamHIなどの 型制限酵素が適している。
【0015】ベクターとしては、宿主微生物で自律的に
増殖しうるファージまたはプラスミドから遺伝子組み換
え用として構築されたものが適している。
【0016】ファージとしては、例えばエシェリヒア
コリー(Escherichiacoli)を宿主微生
物とする場合には、λgt・10,λgt・11などが
使用できる。
【0017】また、プラスミドとしては、例えばエシェ
リヒア コリーを宿主微生物とする場合にはpBR32
2,pBR325,pACYCI84,pUC12,p
UC13,pUC18,pUC19などが、バチルス
サブチリス(Bacill−us subtilis)
を宿主微生物とする場合にはpUB110,pC194
などが使用でき、さらにエシェリヒア コリーおよびバ
チルス サブチリスなどのグラム陰陽性にまたがる二種
以上の宿主微生物で自律的に増殖可能なシャトルベクタ
ーを利用することもできる。このようなベクターを、先
に述べたPIP遺伝子供与体である微生物DNAの切断
に使用した制限酵素と同じ制限酵素で切断して、ベクタ
ー断片を得ることが望ましい。
【0018】微生物DNA断片とベクター断片とを結合
させる方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であ
ればよく、例えば微生物DNA断片の接着末端とベクタ
ー断片の接着末端とのアニーリングの後、適当なDNA
リガーゼの使用により微生物DNA断片とベクター断片
との組み換えDNAを作成する。必要ならば、アニーリ
ングの後、宿主微生物に移入して、生体内のDNAリガ
ーゼを利用し、組み換えDNAを作成することもでき
る。
【0019】宿主微生物としては、組み換えDNAが安
定かつ自律的に増殖可能で、且つ外来性DNAの形質が
発現のできるものであればよく、例えば宿主微生物がエ
シェリヒア コリーDHI,エシェリヒア コリーHB
101,エシェリヒア コリーW3110,エシェリヒ
ア コリーC600,エシェリヒア コリーJM83な
どが利用できる。
【0020】宿主微生物に組み換えDNAを移入する方
法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア属に属す
る微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組み
換えDNAの移入を行い、またバチルス属に属する微生
物の場合には、コンピテントセル法またはプロトプラス
ト法などを採用することができ、さらにマイクロインジ
ェクション法を用いても良い。こうして得られた形質転
換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより
多量のPIPを安定して産生し得ることを見出した。
【0021】宿主微生物への目的組み換えDNA移入の
有無についての選択は、目的組み換えDNAを保持する
ベクターの薬剤耐性マーカーとPIPとを同時に発現し
得る微生物を検索すればよく、例えば薬剤耐性マーカー
に基づく選択培地で生育し、かつPIPを生成する微生
物を選択すればよい。
【0022】好ましくは、選択培地に生育したコロニー
について基質としてL−プロリン−p−ニトロアニリド
(L−Proline−p−nitroanilid
e)を用い、PIP活性を指標に酵素遺伝子の入った組
み換えDNAをスクリーニングする。
【0023】上述の方法により得られたPIP遺伝子の
塩基配列はサイエンス(Scie−nce),214,
1205〜1210(1981)に記載されているジデ
オキシ法で解読し、またPIPのアミノ酸配列は塩基配
列より推定した。
【0024】この様にして一度選択されたPIP遺伝子
を保有する組み換えDNAは、形質転換微生物から取り
出され、他の宿主微生物に移入することも容易に実施で
きる。また、PIP遺伝子を保持する組み換えDNAか
ら制限酵素などにより切断して、PIP遺伝子であるD
NAを切り出し、これを同様な方法により切断して得ら
れるベクター断片とを結合させて、宿主微生物に移入す
ることも容易に実施できる。
【0025】形質転換体である宿主微生物の培養形態は
宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すれば
良く、通常多くの場合は液体培養で行うが、工業的には
通気撹拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源とし
ては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用さ
れ得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であれば
よく、例えばグルコ−ス,シュクロース,ラクトース,
マルトース,フラクトース,糖蜜,ピルビン酸などが使
用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であれ
ばよく、例えばペプトン,肉エキス,酵母エキス,カゼ
イン加水分解物,大豆粕アルカリ抽出物などが使用され
る。その他、リン酸塩,炭酸塩,硫酸塩,マグネシウ
ム,カルシウム,カリウム,鉄,マンガン,亜鉛などの
塩類,特定のアミノ酸,特定のビタミンなどが必要に応
じて使用される。 培養温度は菌が発育し、PIPを生
産する範囲で適宜変更し得るが、エシェリヒア コリー
の場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間
は条件によって多少異なるが、PIPが最高収量に達す
る時期を見計らって適当な時期に培養を終了すれば良
く、通常は12〜48時間程度である。培地pHは菌が
発育し、PIPを生産する範囲で適宜変更し得るが、特
に好ましくはpH6.0〜8.0程度である。
【0026】培養物中のPIPは菌体を含む培養液をそ
のまま採取し利用することもできるが、一般には常法に
従ってPIPが培養液中に存在する場合には濾過,遠心
分離などにより、PIP含有溶液と微生物菌体とを分離
した後に利用される。PIPが菌体内に存在する場合に
は、得られた培養物を濾過または遠心分離などの手段に
より、菌体を採取し次いでこの菌体を機械的方法または
リゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また必要に応じ
てEDTA等のキレート剤および/または界面活性剤を
添加してPIPを可溶化し、水溶液として分離採取す
る。
【0027】この様にして得られたPIP含有溶液を、
例えば減圧濃縮,膜濃縮,更に硫酸アンモニウム,硫酸
ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、
例えばメタノール,エタノール,アセトンなどによる分
別沈澱法により沈澱せしめればよい。また、加熱処理や
等電点処理も有効な精製手段である。吸着剤あるいはゲ
ル濾過剤などによるゲル濾過,吸着クロマトグラフィ
ー,イオン交換クロマトグラフィー,アフィニティーク
ロマトグラフィーにより、精製されたPIPを得る。以
下、実施例で本発明を詳細に説明する。
【0028】
【実施例】
実施例1〔染色体DNAの分離〕 バチルス コアギュランス EK−19の染色体DNA
を次の方法で分離した。同菌株を150mlの普通ブイ
ヨン培地で37℃一晩振盪培養後、遠心(8000rp
m,10分)により集菌した。
【0029】10%シュクロース50mMトリス塩酸
(pH8.0),50mM EDTAを含んだ溶液5m
lに懸濁させ、1mlのリゾチーム溶液(10mg/m
l)を加えて37℃,15分間保温し、次いで1mlの
10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶液を加え
た。この懸濁液に等量のクロロホルム・フェノール溶液
(1:1)を加え、撹拌混合し、10,000rpm,
3分間の遠心で水層と溶媒層に分け、水層を合取した。
この水層に2倍量のエタノールを静かに重層し、ガラス
棒でゆっくり撹拌しながらDNAをガラス棒にまきつか
せて分離した。これを10mMトリス塩酸(pH8.
0)、1mM EDTAを含んだ溶液(以下TEと記
載)で溶解した。これを等量のクロロホルム・フェノー
ル溶液で処理後、遠心により水層を分取し、2倍量のエ
タノールを加えて、上記の方法でもう一度DNAを分離
し2mlのTEで溶解した。
【0030】エシェリヒア コリーDH ,エシェリヒ
ア コリーJM83のコンピテントセルはHanaha
nの方法により作成し、ライブラリー作成の宿主として
用いた。
【0031】実施例2〔PIPをコードする遺伝子を含
有するDNA断片及び該DNA断片を有する組み換えベ
クターの調製〕 実施例1で得たDNA1μgを制限酵素HindIII
(東洋紡製)10ユニットで37℃,1時間反応させ完
全に分解した後、同様にしてHindIII で切断したp
BR322 0.5μgにT4 −DNAリガーゼ(東洋
紡製)1ユニットで16℃,12時間反応させDNAを
連結した。連結したDNAは、エシェリヒア コリーD
HIのコンピテントセルを用いて形質転換した。使用し
たDNA1μg当り約1×106 個の形質転換体のコロ
ニーが得られた。得られたコロニーは50μg/mlア
ンピシリン入りN培地(1%ポリペプトン,1%肉エキ
ス,0.5%塩化ナトリウム)で37℃で18時間培養
し、菌体破砕液を用いて以下の方法によりPIP活性を
測定した。
【0032】(試薬) A.0.1M トリス−塩酸緩衝液(pH7.0) B.1mM L−プロリン−p−ニトロアニリド
溶液 C.1M 酢酸緩衝液(pH4.0)
【0033】(方法)A液2.0mlにB液0.5ml
を加え、30℃で約5分予備加温する。酵素溶液0.5
mlを加え、30℃で正確に10分間反応させる。その
後C液1.0mlを加え、反応を止める。 この液につ
き410nmにおける吸光度を測定する。酵素活性の1
単位は、この条件下で1分間当り1μmolのp−ニト
ロアニリンを生成する酵素量とした。
【0034】上記方法により約3,000個のコロニー
のPIP活性を測定したところ、1個のPIP活性を有
するコロニーを得た。この保有するプラスミドには約1
2kbpの挿入DNA断片が存在しており、このプラス
ミドをp1とした。 次いでp1より挿入DNA断片を
種々の制限酵素により切断またはディレーションを行っ
た後、pUC19にサブクローニングし、エシェリヒア
コリーJM83を形質転換した。種々の組み換えプラ
スミドの挿入DNA及びエシェリヒア コリーDH
(p1)のPIP生産性を1とした場合のPIP生産性
の向上を図1に示した。
【0035】実施例3〔塩基配列の決定〕 p10の約2.1kbpの挿入DNA断片について、T
AKARA kilosequence deleti
on kitを用いてdeletion mutant
の作製を行った。 deletion mutantは
常法に従い一本鎖DNAとし、得られた一本鎖DNAに
ついて、M13シークエンシングキット(M13 Se
quen−cing kit、東洋紡製)を用いて、塩
基配列の決定を行った。決定した塩基配列及びアミノ酸
配列を配列表1に示した。
【0036】実施例4〔PIPの製造〕 前記のN培地6lを10lジャーファメンターに分注
し、121℃,15分間オートクレーブを行い放冷後、
50mg/mlアンピシリン(ナカライテスク製)を6
ml添加した。この培地に上記と同一組成の培地で予め
37℃で18時間振盪培養したエシェリヒア コリーJ
M83(p5b)の培養液60mlを接種し、37℃で
18時間通気撹拌培養した。培養終了後のPIP活性
は、4.0unit/mlであった。
【0037】培養液6lを遠心分離にて集菌し、20m
M トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)200mlに懸
濁し、常法によりDyno−Millで破砕した後、1
5,000rpmで20分間遠心分離してPIPの粗酵
素液を得た。
【0038】このようにして得た粗酵素液にプロタミン
を用いて処理を施した後、硫酸アンモニウムを用いた塩
析分画を行った。塩析沈澱物を50mlの20mM ト
リス−塩酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、DEAE−
Toyopearl(東ソー)クロマトグラフィーに供
して、PIP活性画分を得た。
【0039】この活性画分をPCMB−Sepharo
seに供し、20mMの2−メルカプトエタノールで溶
出した後、HiLoad 16/60 Superde
x200(ファルマシアLKB)でゲル濾過し、純化さ
れたPIPを得た。収率は25%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によって、PIP遺伝子の塩基配
列およびPIPのアミノ酸配列が明らかになり、また遺
伝子工学的手法による効率的なPIPの製造法を提供し
た。また本発明のPIP遺伝子と種々の遺伝子工学的手
法とを用いることにより、より効率的なPIPの製造法
をもたらしめるものである。
【0041】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1432 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類: genomic DNA 起源 生物名:バチルス コアギュランス(Bacillus coagula
ns) 株名:EK−19 配列の特徴 261〜264 S RBS 271〜1131 P CDS TGGTAATCTT TGTCGGAATT GGACTAATAT TTGGTATAAT CGGATGGAAA AAGAAACAAT 60 ACGCTAAAAT GTATGGTGGG TTCGGTCATT TTTTCGGTGT TATCATCAGC TGGATCTTAA 120 GTGTCCTTGT TAGTTTGGAT GATCCCAGCA AGGGAATTGC CATTATGGTT CTTTATCCGC 180 TATTTTCTAT CGGGGGCTGG TTAATTGGTT TGCACTTTGG GAAAGAAAAG GATAAGCGTA 240 CTAGGGATTA ACAATAAGGG GGAATGAAGT 270 TTG TAT ACG GAA GGA TTT ATC GAT GTT ACC GGC GGT AGG GTT TCT TTT 318 Met Tyr Thr Glu Gly Phe Ile Asp Val Thr Gly Gly Arg Val Ser Phe 1 5 10 15 CAA AAA TTT GAT GAA AAC GGC GGG GGT ACC TTT ATT GTT TTG CAC GGG 366 Gln Lys Phe Asp Glu Asn Gly Gly Gly Thr Phe Ile Val Leu His Gly 20 25 30 GGT CCG GGG TCT TCT TGT TAT TCG CTG CTT GGT TTA AAG GCG CTC GCA 414 Gly Pro Gly Ser Ser Cis Tyr Ser Leu Leu Gly Leu Lys Ala Leu Ala 35 40 45 AAG GAT CGG CCA GTA ATT TTA TAT GAC CAA TTG GGA TGC GGA AAG TCC 462 Lys Asp Arg Pro Val Ile Leu Tyr Asp Gln Leu Gly Cis Gly Lys Ser 50 55 60 1T CGG CCA ATG GAT ACG ACG TTA TGG CGC CTC GAC CGT TTT GTA GAA 510 Asp Arg Pro Met Asp Thr Thr Leu Trp Arg Leu Asp Arg Phe Val Glu 65 70 75 80 GAA TTA GCA CAA ATT AGA CAG GCG CTT AAC CTT GAT GAA GTA CAT ATC 558 Glu Leu Ala Gln Ile Arg Gln Ala Leu Asn Leu Asp Glu Val His Ile 85 90 95 TCG GTC ACT CCT GGG GAC TAC GCT CGC AGC TGC TTA TTG CTT AAC GAA 606 Ser Val Thr Pro Gly Asp Tyr Ala Arg Ser Cis Leu Leu Leu Asn Glu 100 105 110 GCC AAG CGT GTG AAA AGT GTA ATT TTT TCA AGT CCA TGT CTC AGT GCG 654 Ala Lys Arg Val Lys Ser Val Ile Phe Ser Ser Pro Cis Leu Ser Ala 115 120 125 CCG TTA TGG GAA CAG GAC CAA AAG CGA AAT CTA AAG AAA TTG CCG CTT 702 Pro Leu Trp Glu Gln Asp Gln Lys Arg Asn Leu Lys Lys Leu Pro Leu 130 135 140 GAT GTG CAG GAA ACC ATC AAC CGC TGT GAA GAA AAT GGC ACG ACC GAT 750 Asp Val Gln Glu Thr Ile Asn Arg Cis Glu Glu Asn Gly Thr Thr Asp 145 150 155 160 TCA GAA GAA TTT GCA GCG GCC ATT GAG GTA TTT GGA AAG CAT TTT GTT 798 Ser Glu Glu Phe Ala Ala Ala Ile Glu Val Phe Gly Lys His Phe Val 165 170 175 AAT CGG CTT GAG AAG CAG CCG GAA TGG CTG GAG CAA AAA CCA TCA GGA 846 Asn Arg Leu Glu Lys Gln Pro Glu Trp Leu Glu Gln Lys Pro Ser Gly 180 185 190 TAT CGG AAT GCT GAC ATT TAC AAT ATT ATG TGG GGA CCG TCT GAA TTT 894 Tyr Arg Asn Ala Asp Ile Tyr Asn Ile Met Trp Gly Pro Ser Glu Phe 195 200 905 ACC GTG CTT GGA AAT TTG AAG AAT TTT GAT TGC ACC ACA CAA TTA AAA 942 Thr Val Leu Gly Asn Leu Lys Asn Phe Asp Cis Thr Thr Gln Leu Lys 210 215 220 GAA ATT ACC TGC CCC TCT CTA TAT ACG TGT GGG CGT TTT GAC GAA GCT 990 Glu Ile Thr Cis Pro Ser Leu Tyr Thr Cis Gly Arg Phe Asp Glu Ala 225 230 235 240 ACA CCG GAA ACG ACG GAG TAT TAC AGC AGC CTG ACA CCG AAG TCG AAA 1038 Thr Pro Glu Thr Thr Glu Tyr Tyr Ser Ser Leu Thr Pro Lys Ser Lys 245 250 255 TTC CAT GTT TTT GAA AAA AGT GCA CAC ATG CCA TAC ATT GAG GAG CCG 1086 Phe His Val Phe Glu Lys Ser Ala His Met Pro Tyr Ile Glu Glu Pro 260 265 270 GAG GAG TAT TTA GCG GTA ATT GGA GAT TTT CTT AAT TCT ATT TAA TAA 1134 Glu Glu Tyr Leu Ala Val Ile Gly Asp Phe Leu Asn Ser Ile 275 280 285 TCTTTTAGTT CGAAGCGATT AAAGGAGTGG AGCTGATCCC TTTCAGGTTC CACTCCTTTT 1194 TTATGTGAAA ATGGGAAAAT AAAACCATCT CAGCATCAAT TATCAATAAT CAGTTAATTA 1254 TATGGACCAA TTAAACCAGG AATAAAGGAT TATTTTTGGA AAATATAGGA ATCAAACCCT 1314 ATGAAAAATG TAAGAAAATA GTTATAAAGT TTTATTTTAA ACACAAAACA AGGTCTGTCT 1374 ACATGCACTT GGACCAATTT TCCATTTTTC CCAACAACAA CCAAACTATC ATTTTCCT 1432
【図面の簡単な説明】
【図1】p1,p2,p3,p4,p5a,p5b,p
10,p14の挿入DNA及び各PIP生産性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/48 C12R 1:19)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNAが配列表の配列番号1に記載され
    た塩基配列をコードしているプロリンイミノペプチダー
    ゼの遺伝情報を有するDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAを含有する組み換
    えベクター。
  3. 【請求項3】 宿主細胞を請求項2記載の組み換えベク
    ターで形質転換した形質転換体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の形質転換体を培養して、
    プロリンイミノペプチダーゼを産生させ、次いで該プロ
    リンイミノペプチダーゼを採取することを特徴とするプ
    ロリンイミノペプチダーゼの製造法。
JP4072598A 1992-02-21 1992-02-21 プロリンイミノペプチダーゼの遺伝情報を有するdna断片およびその用途 Pending JPH0638769A (ja)

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JP4072598A JPH0638769A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 プロリンイミノペプチダーゼの遺伝情報を有するdna断片およびその用途

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7618796B2 (en) 2001-07-26 2009-11-17 Ajinomoto Co., Inc. Peptide-forming enzyme gene, peptide-forming enzyme, and peptide producing method

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