JPH10262674A - アルカリホスファターゼをコードする遺伝子 - Google Patents

アルカリホスファターゼをコードする遺伝子

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JPH10262674A
JPH10262674A JP9069650A JP6965097A JPH10262674A JP H10262674 A JPH10262674 A JP H10262674A JP 9069650 A JP9069650 A JP 9069650A JP 6965097 A JP6965097 A JP 6965097A JP H10262674 A JPH10262674 A JP H10262674A
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alkaline phosphatase
ala
thr
lys
asp
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JP9069650A
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English (en)
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Takashi Hattori
隆 服部
Atsushi Sogabe
敦 曽我部
Yoshiaki Nishiya
西矢  芳昭
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】比活性の高いアルカリホスファターゼおよび該
酵素をコードする遺伝子ならびに遺伝子組換え技術によ
る該酵素の製造法の提供。 【解決手段】特定のアミノ酸配列、該配列において1個
または複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加された
アミノ酸配列をコードするアルカリホスファターゼ遺伝
子、該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベク
ターで宿主細胞を形質転換した形質転換体ならびに該形
質転換体を培養し、アルカリホスファターゼを生成さ
せ、該酵素を採取するアルカリホスファターゼの製造法
ならびに該方法により得られた安定性および比活性が優
れたアルカリホスファターゼ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比活性の高いアル
カリホスファターゼおよび該酵素をコードする遺伝子な
らびに遺伝子組換え技術による該酵素の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルカリホスファターゼは、主として抗
原、抗体、核酸等の生体物質量を評価する際に、その評
価物質に結合できる物質量として、または評価する物質
の標識用酵素として、様々なバインディングアッセイに
用いられている。特にエンザイムイムノアッセイの分野
では、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどの
酵素と共に広く利用されており、抗原、抗体では直接
に、またはアビジンやビオチンを介して間接に結合させ
て利用されている。
【0003】抗原、抗体、核酸等の生体物質の検出に適
したアルカリホスファターゼの基質としては、p−ニト
ロフェニルリン酸、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリルリン酸、4−メチルウンベリフェリルリン酸、ジ
オキセタン発光基質が、従来から用いられている。ま
た、これらの基質とアルカリホスファターゼとの反応に
より生じた可視光線、蛍光、発光を測定することによ
り、生体物質量を測定することができる。
【0004】標識用酵素が備える条件として、一般的に
高純度、安定性が高い、ターンオーバーが速い、標識し
やすい官能基を持つ、基質に対するKm値が小さい、バ
ックグランドが低い検出に適した基質があるなどが挙げ
られる。これらの中でアルカリホスファターゼがもつ利
点はバックグラウンドが低いこと、および検出に適した
基質があることなどである。上記した性質を兼ね備え、
最も汎用されているアルカリホスファターゼとして、仔
牛小腸由来のものが挙げられる。
【0005】仔牛小腸由来のアルカリホスファターゼ
は、比活性が3,000U/mg以上であること、また、糖
鎖を有しているため、過ヨウ素酸法で標識できることか
ら、他起源の酵素より優れているとされている。しか
し、安定性に乏しいこと、及び有している糖鎖のために
バックグラウンドが生じることも知られている(Besman,
M.,Coleman,J.E.,J.Biol.Chem.,260,1190(1985),特開昭
60-180584 号公報) 。
【0006】また、大腸菌由来のアルカリホスファター
ゼは安定性が良く、純度の高い標品を容易に入手できる
が、比活性が60U/mgと低く、標識用酵素に適さず、分
子生物学における脱リン酸化用酵素として使用されてい
るに過ぎない(Reid,R.W.,Wilson,I.B.in“The Enzymes
",3rd Ed.373(1971)) 。
【0007】これらの酵素の性質を改善するため、遺伝
子工学的技術を用いて大腸菌アルカリホスファターゼの
アミノ酸を置換し、比活性を向上させる試みがある(特
開平4-349881号公報)。しかし、ここで得られた変異ア
ルカリホスファターゼは、比活性において3.9倍の上
昇が得られたのみであり、仔牛小腸由来のものに大きく
劣る。
【0008】また、自然界から高い比活性を有するアル
カリホスファターゼを獲得しようとする試みもあり、好
アルカリ性バチルス・エスピー(Bacillus.sp.)由来の酵
素(Nomoto,M.et al., Agric.Biol.Chem.,52(7),1643(19
88))、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus lichenif
ormis)由来の酵素に関する報告(Hulett,F.M., J.Gen.Mi
crobiol.,132,2387(1986))がある。しかしながら、前者
は比活性が1,650U/mgであって、仔牛小腸由来酵素
の比活性に匹敵するとはいい難い。また、後者は比活性
が2,115.9U/mgながら、その酵素活性測定は55
℃においてであり、実用的な37℃では、その7割以下
であると予想されるデータが示されている(Hulett,F.M.
et al.,Biochemistry,10(8),1364(1971))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで上記酵素より高
純度であって、安定性が高く、しかも仔牛小腸由来の酵
素程度の比活性を有するアルカリホスファターゼが求め
られていた。本発明者らは、これらの問題点を解決する
ために鋭意検討した結果、バチルス属に属する細菌が、
安定性に優れ、仔牛小腸由来の酵素と同等の比活性を有
するアルカリホスファターゼを生産することを見い出し
た(特願平 8-953号)。しかしながら、さらに安定性が
高く、比活性の高いアルカリホスファターゼが要望され
ている。また、前記バチルス属細菌からのアルカリホス
ファターゼの生産量は低いことから、製造コストが高く
なるという問題もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため、アルカリホスファターゼ生産菌とし
て、バチルス・バディウス(Bacillus badius) TE35
93(FERM BP−5330)を選び、該菌体より
抽出した染色体DNAよりアルカリホスファターゼ遺伝
子の単離に成功し、そのDNAの前塩基配列を決定し
た。さらに、アルカリホスファターゼ遺伝子を遺伝子組
換え技術によって生産されるアルカリホスファターゼ
は、該菌体より生産されるアルカリホスファターゼより
も、安定性が高く、しかも比活性の高いアルカリホスフ
ァターゼとなることが判明した。さらに、形質転換体に
高生産させることに成功し、高純度なアルカリホスファ
ターゼを安価に大量供給することを可能にした。
【0011】すなわち、本発明は以下の(a)または
(b)のタンパク質であるアルカリホスファターゼをコ
ードする遺伝子である。 (a)配列表・配列番号1に記載されたアミノ酸配列か
らなるタンパク質 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつ、アルカリホスファターゼ活性を有する
タンパク質
【0012】また、本発明は以下の(c)、(d)又は
(e)のDNAからなるアルカリホスファターゼをコー
ドする遺伝子である。 (c)配列表・配列番号2に記載される塩基配列からな
るDNA (d)上記(c)の塩基配列において、1もしくは複数
の塩基が付加、欠失または置換されており、かつ、アル
カリホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードし
ているDNA (e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、アルカリ
ホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードする細
菌由来のDNA
【0013】さらに、本発明は上記アルカリホスファタ
ーゼをコードする遺伝子を含有する組換えベクターであ
る。
【0014】本発明は上記組換えベクターで宿主細胞を
形質転換した形質転換体である。
【0015】また、本発明は上記形質転換体を培養し、
アルカリホスファターゼを生成させ、該アルカリホスフ
ァターゼを採取することを特徴とするアルカリホスファ
ターゼの製造法である。
【0016】さらに、本発明は上記製造法により製造さ
れた、比活性が3,300〜3,900U/mgである
アルカリホスファターゼである。
【0017】
【発明の実施態様】本発明のアルカリホスファターゼを
コードする遺伝子は、アルカリホスファターゼ生産微生
物、例えばバチルス・バディウス(Bacillus badius) T
E3593(FERM BP−5330)などから抽出
しても良く、または化学的に合成することもできる。
【0018】上記遺伝子としては、例えば(a)配列表
・配列番号1に記載されたアミノ酸配列からなるタンパ
ク質をコードするDNA、または(b)アミノ酸配列
(a)において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ア
ルカリホスファターゼ活性を有するタンパク質をコード
するDNAがある。DNAの欠失、置換、付加の程度に
ついては、基本的な特性を変化させることなく、あるい
はその特性を改善するようにしたものを含む。これらの
変異体を製造する方法は、従来から公知である方法に従
う。
【0019】または、(c)配列表・配列番号2に記載
される塩基配列からなるDNA、(d)上記(c)の塩
基配列において、1もしくは複数の塩基が付加、欠失ま
たは置換されており、かつ、アルカリホスファターゼ活
性を有するタンパク質をコードしているDNAまたは
(e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、アルカリ
ホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードする細
菌由来のDNAがある。ここで、ストリンジェントな条
件とは、×2SSC(300mM NaCl、30mM
クエン酸)、65℃、16時間である。
【0020】本発明のアルカリホスファターゼをコード
する遺伝子を得る方法としては、例えばバチルス・バデ
ィウス(Bacillus badius) TE3593(FERM B
P−5330)の染色体DNAを分離、精製した後、超
音波破砕、制限酵素処理等を用いて、DNAを断片化し
たものと、リニアーな発現ベクターとを両DNAの平滑
末端または接着末端においてDNAリガーゼなどにより
結合閉鎖させて組換ベクターを構築する。こうして得ら
れた組換えベクターは複製可能な宿主微生物に移入した
後、ベクターのマーカーとしてアルカリホスファターゼ
活性の発現を指標としてスクリーニングして、組換えベ
クターを保持する微生物を得る。次いで該微生物を培養
し、該培養菌体から該組換えベクターを分離・精製し、
該組換えベクターからアルカリホスファターゼ遺伝子を
採取すれば良い。
【0021】遺伝子供与体であるバチルス・バディウス
(Bacillus badius) TE3593(FERM BP−5
330)に由来するDNAは、具体的には以下のように
採取される。すなわち、供与微生物を例えば、1〜3日
間攪拌培養して得られた培養物を遠心分離にて集菌し、
次いでこれを溶菌させることによりアルカリホスファタ
ーゼ遺伝子の含有溶菌物を調製することができる。溶菌
方法としては、例えばリゾチームやβ−グルカナーゼ等
の溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテア
ーゼや他の酵素やラウリル硫酸ナトリウム(SDS)等
の界面活性剤が併用され、さらに凍結融解やフレンチプ
レス処理のような物理的破砕方法と組み合わせても良
い。
【0022】このようにして得られた溶菌物からDNA
を分離・精製するには常法、例えばフェノール処理やプ
ロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌクレアーゼ
処理、アルコール沈殿処理などの方法を適宜組み合わせ
ることにより行うことができる。微生物から分離・精製
されたDNAを切断する方法は、例えば超音波処理、制
限酵素処理などにより行うことができる。好ましくは特
定のヌクレオチド配列に作用するII型制限酵素が適して
いる。
【0023】ベクターとしては、宿主微生物内で自律的
に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換
え用として構築されたものが適している。ファージとし
ては、例えばエシェリヒア・コリー(Escherichia coli)
を宿主微生物とする場合には、λgt・10、λgt・
11などが使用できる。またプラスミドとしては、例え
ばエシェリヒア・コリー(Escherichia coli)を宿主微生
物とする場合には、pBR322、pUC19、pBl
uescriptなどが使用できる。このようなベクタ
ーを、上述したアルカリホスファターゼ遺伝子供与体で
ある微生物DNAの切断に使用した制限酵素で切断して
ベクター断片を得ることができるが、必ずしも該微生物
DNAの切断に使用した制限酵素と同一の制限酵素を用
いる必要はない。微生物DNA断片とベクターDNA断
片とを結合させる方法は、公知のDNAリガーゼを用い
る方法であれば良く、例えば微生物DNA断片の接着末
端とのアニーリングの後、適当なDNAリガーゼの使用
により微生物DNA断片とベクターDNA断片との組換
えベクターを作成する。必要なら、アニーリングの後、
宿主微生物に移入して生体内のDNAリガーゼを利用し
組換えベクターを作成することもできる。
【0024】宿主微生物としては、組換えベクターが安
定、かつ自律増殖可能で外来性遺伝子の形質発現できる
ものであれば良く、一般的にはエシェリヒア・コリーW
3110、エシェリヒア・コリーC600、エシェリヒ
ア・コリーHB101、エシェリヒア・コリーJM10
9などを用いることができる。
【0025】宿主微生物に組換えベクターを移入するう
方法としては、例えば宿主微生物がエシュリヒア・コリ
ーの場合には、カルシウム処理によるコンピテントセル
法やエレクトロポレーション法などが用いることができ
る。
【0026】このようにして得られた形質転換体である
微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量のア
ルカリホスファターゼを安定に生産し得る。宿主微生物
への目的組換えベクターの移入の有無についての選択
は、目的とするDNAを保持するベクターの薬剤耐性マ
ーカーとアルカリホスファターゼ活性を同時に発現する
微生物を検索すれば良く、例えば薬剤耐性マーカーに基
づく選択培地で生育し、且つアルカリホスファターゼを
生成する微生物を選択すれば良い。
【0027】上記の方法により得られたアルカリホスフ
ァターゼ遺伝子の塩基配列は、サイエンス(Science,21
4,1205-1210,1981)に記載されたジデオキシ法により解
読し、またアルカリホスファターゼのアミノ酸配列は、
決定した塩基配列より推定した。このようにして一度選
択されたアルカリホスファターゼ遺伝子を保有する組換
えベクターは、形質転換微生物から取り出され、他の微
生物に移入することも容易に実施することができる。ま
た、アルカリホスファターゼ遺伝子を保有する組換えベ
クターから制限酵素やPCR法によりアルカリホスファ
ターゼ遺伝子であるDNAを回収し、他のベクター断片
と結合させ、宿主微生物に移入することも容易に実施で
きる。
【0028】形質転換体である宿主微生物の培養形態
は、宿主の栄養生理学的性質を考慮して培養条件を選択
すれば良く、通常、多くの場合は液体培養で行うが、工
業的には通気攪拌培養を行うのが有利である。培地の炭
素源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広
く使用される。宿主微生物が資化可能であれば良く、た
とえばグルコース、シュークロース、ラクトース、マル
トース、フラクトース、糖蜜、ピルビン酸などが使用で
きる。窒素源としては、宿主微生物が利用可能な窒素化
合物であれば良く、例えばペプトン、肉エキス、カゼイ
ン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物のような有機窒素
化合物や、硫安、塩安のよおおうな無機窒素化合物が使
用できる。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネ
シウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛な
どの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要
に応じて使用できる。培養温度は宿主微生物が生育し、
アルカリホスファターゼを生産する範囲で適宜変更し得
るが、エシェリヒア・コリーの場合、好ましくは20〜
42℃程度である。培養時間は培養条件により多少変動
するが、アルカリホスファターゼが最高収量に達する時
期を見計らって適当な時期に終了すれば良く、通常20
〜48時間程度である。培地pHは宿主微生物が生育
し、アルカリホスファターゼを生産する範囲で適宜変更
し得るが、通常好ましくはpH6.0〜9.0程度であ
る。
【0029】培養液より菌体を回収する方法は、通常、
用いられる方法により行えば良く、例えば遠心分離、濾
過などにより回収することができる。培養液中のアルカ
リホスファターゼが菌体外にに分泌される場合は、この
菌体分離液を用いれば良く、下記の菌体破砕後の方法に
準じてアルカリホスファターゼを分離・精製できる。ア
ルカリホスファターゼが菌体内に存在する場合は、前述
したような酵素的または物理的破砕方法により破砕抽出
することができる。このようにして得られた粗酵素抽出
液から例えば硫安沈殿によりアルカリホスファターゼ画
分を回収する。この粗酵素液を通常、用いる精製方法、
例えば半透膜を用いた透析やセファデックスG−25
(ファルマシア バイオテク)ゲル濾過などにより脱塩
を行うことができる。この操作の後、例えばDEAEセ
ファロースCL−6B(ファルマシア バイオテク)フ
ェニルセファロースCL−6B(ファルマシア バイオ
テク)、フェニルトヨパール650(東ソー)カラムク
ロマトグラフィーにより分離・精製し精製酵素標品を得
ることができる。この精製酵素標品は電気泳動(SDS-PAG
E)的にほぼ単一なバンドを示す程度に純化されている。
【0030】本発明の製法により得られたアルカリホス
ファターゼ活性を有するタンパク質の一例は、下記理化
学的性質を有する。 作用:水の存在下にオルソリン酸モノエステルに作用し
て、アルコールおよびオルソリン酸を生成する。 至適温度:約60〜65℃ 至適pH:約10.5〜11.5 熱安定性:約65℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:約7.5〜12(25℃,24時間) Km値:0.2〜0.4mM(p−ニトロフェニルリン
酸に対する) 分子量:146,000〜148,000(ゲル濾過) 60,000〜62,000(SDS-PAGE) 比活性:3,300〜3,900U/mg
【0031】本発明のアルカリホスファターゼと公知の
アルカリホスファターゼとの性質を比較した結果を表1
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】本発明のアルカリホスファターゼは、安定
性に優れ、かつ比活性が高い酵素であって、酵素免疫測
定法、遺伝子診断、分子生物学の分野で標識用酵素に使
用される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例中、アルカリホスファターゼの活性は、以下
のようにして測定した。まず、下記反応混液をキュベッ
トに調製し、37℃で約5分予備加温する。 反応混液: 3.0ml 0.1mM CoCl2 および 1.0mM MgCl2 を含む 1M ジエタノールアミン緩衝液、pH9.8 0.05ml 0.67M p−ニトロフェニルリン酸溶液
【0035】次に、酵素溶液0.05mlを加え、穏や
かに混和後、水を対照に37℃で制御された分光光度計
で405nmの吸光度変化を3〜4分間記録し、その初
期直線部分から1分間あたりの吸光度変化を求める。盲
検は反応混液に酵素溶液の代わりに酵素希釈液(0.1
mM CoCl2 及び1.0mM MgCl2 を含む3
0mM トリエタノールアミン緩衝液、pH7.6)を
加え、上記と同様に操作を行って、1分間あたりの吸光
度変化を求める。上記条件下で1分間に1マイクロモル
のp−ニトロフェノールを生成する酵素量を1単位
(U)とする。
【0036】実施例1 バチルス・バディウスからの染
色体DNAの分離 バチルス・バディウス(Bacillus badius) TE3593
(FERM BP−5330)の染色体DNAを次の方
法で分離した。該菌株を150mlの普通ブイヨン培地
で30℃一晩振とう培養した後、遠心分離(8000r
pm,10分間)により集菌した。10% シュークロ
ース、50mM EDTAを含む50mM トリス塩酸
緩衝液(pH8.0)に懸濁し、1mlのリゾチーム溶
液(10mg/ml)を加えて、37℃、15分間保温
し、次いで1mlの10%SDS溶液を加えた。この溶
液に等量のクロロホルム・フェノール溶液(1:1)を
加え、攪拌混合し、10,000rpm、3分間の遠心
で水層と溶媒層を分離し、水層を分取した。この水層に
2倍量のエタノールを静かに重層し、ガラス棒でゆっく
り攪拌しながらDNAをガラス棒に巻き付かせて分離し
た。
【0037】このDNAを1mM EDTAを含んだ1
0mMトリス塩酸、pH8.0溶液(以下TEと略記)
で溶解した。これを等量のクロロホルム・フェノール溶
液で処理後遠心分離により水層を分取し、2倍量のエタ
ノールを加えて上記方法でもう一度DNAを分離し、2
mlのTEで溶解した。
【0038】実施例2 アルカリホスファターゼをコー
ドする遺伝子を含有するDNA断片 及び該DNA断片を
有する組換えベクターの調製 実施例1で得たDNA20μgを制限酵素Sau3AI
(東洋紡製)部分分解し、シュークロース密度勾配遠心
分離法により3〜7kbpの断片を回収した。一方制限
酵素BamHI(東洋紡製)で切断したpBluesc
ript KS(−)をバクテリアル・アルカリホスフ
ァターゼ(東洋紡製)により脱リン酸化処理した後、両
DNAをT4DNAリガーゼ(東洋紡製)1ユニットで
16℃、12時間反応させDNAを連結した。連結した
DNAはエシェリヒア・コリーJM109のコンピテン
トセル(東洋紡製)を用いて形質転換し、アルカリホス
ファターゼ活性検出用寒天培地[0.5%酵母エキス、
1.0%ポリペプトン、1.0%NaCl、50μg/
ml 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォス
フェート、50μg/mlアンピシリン、1.5%寒
天]に塗布した。アルカリホスファターゼ活性の検出
は、上記培地に生育し、かつ青色に染色されるコロニー
を指標に行った。使用したDNA1μg当たり1×10
5 個の形質転換体のコロニーがえられた。
【0039】約8000個のコロニーをスクリーニング
した結果、15株の青色に染色されるコロニーを見いだ
した。これらの株をLB液体培地[1.0%ポリペプト
ン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl、50μg
/mlアンピシリン]で培養し、アルカリホスファター
ゼ活性を測定したところ、10株からアルカリホスファ
ターゼが検出された。これらの株のうち、最もアルカリ
ホスファターゼ活性の高かった株の保有するプラスミド
には、約6.5kbpの挿入DNA断片が存在してお
り、このプラスミドをpLPP10とした。このpLP
P10の挿入DNAの制限酵素地図を図1に示した。
【0040】次にpLPP10の挿入DNAを制限酵素
HincIII (東洋紡製)にて切り出し、同制限酵素で
切断したpBluescript KS(−)に連結し
て、pLPP11を作成した。
【0041】実施例3 塩基配列の決定 pLPP11の約3.0kbpの挿入DNA断片につい
て、種々の制限酵素にてサブクローンを調製した。種々
のサブクローンは常法に従い、Radioactive
Sequencing Kit(東洋紡製)を用いて
塩基配列を決定した。決定した塩基配列及びアミノ酸配
列を配列表に示した。アミノ酸配列から求められる蛋白
質の分子量は約55.000であった。
【0042】実施例4 形質転換体の作成 大腸菌の形質転換体の作成はエシェリヒア・コリーJM
109のコンピテントセル(東洋紡製)をpLPP11
で形質転換し、形質転換体エシュリヒア・コリーJM1
09(pLPP11)を得た。
【0043】実施例5 エシェリヒア・コリーJM10
9(pLPP11)からのアルカリフ ォスファターゼの
製造 アルカリホスファターゼ生産培地[1.4%ポリペプト
ン、0.25%酵母エキス、6%ソルビトール、0.4
mMCoCl2 )6Lを10Lジャーファメンターに分
注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷
後、別途無菌濾過した50mg/mlアンピシリン(ナ
カライテスク製)を6ml添加した。この培地にLB培
地であらかじめ30℃16時間振とう培養したエシェリ
ヒア・コリーJM109(pLPP11)の培養液60
mlを接種し、30℃で24時間通気攪拌培養した。培
養終了時のアルカリホスファターゼ活性は38.4U/
mlであった。上記菌体を遠心分離にて集菌し、50m
Mリン酸緩衝液pH7.5に懸濁した。
【0044】上記菌体をダイノミル破砕機で破砕し、遠
心分離を行い上清液を得た。得られた粗酵素液をポリエ
チレンイミン凝集、さらに硫安沈殿による除蛋白後セフ
ァデックスG−25(ファルマシア バイオテク)ゲル
濾過により脱塩し、DEAEセファロースCL−6B
(ファルマシア バイオテク)カラムクロマトグラフィ
ー、フェニルセファロースCL−6B(ファルマシア
バイオテク)カラムクロマトグラフィー、フェニルトヨ
パール650(東ソー)カラムクロマトグラフィーによ
り精製し、精製酵素標品を得た。本方法により得られた
アルカリホスファターゼ標品は比活性3598U/mg
蛋白質であった。
【0045】得られた酵素の理化学的性質を以下に示
す。 反応:水の存在下にオルソリン酸モノエステルに作用し
て、アルコールおよびオルソリン酸を生成する。 至適温度:60〜65℃ 至適pH:10.5〜11.5 熱安定性:約65℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:約7.5〜12(25℃、24時間) Km値:0.2〜0.4mM(p−ニトロフェニルリン
酸に対する) 分子量:146,000〜148,000(ゲル濾過) 60,000〜62,000(SDS-PAGE)
【0046】参考例1 バチルス・バディウスからのア
ルカリホスファターゼの製造 アルカリホスファターゼ生産培地[3.0%グリセロー
ル、1.0%ポリペプトン、0.1%酵母エキス、0.
02%硫酸マグネシウム、0.002%リン酸一カリウ
ム、0.3%塩化ナトリウム]6Lを10Lジャーファ
メンターに分注し、121℃、20分間オートクレーブ
後、放冷する。この培地に上記組成の培地であらかじ
め、30℃、20時間振とう培養したバチルス・バディ
ウス(Bacillus badius) TE3593(FERM BP
−5330)の培養液100mlを接種し、30℃、2
0時間振とう培養した。得られた培養液について遠心分
離を行い上清液を得た。培養終了時のアルカリホスファ
ターゼ活性は10.2U/mlであった。本液を硫安分
画、DEAEセファロースCL−6B(ファルマシアバ
イオテク)カラムクロマトグラフィー、フェニルセファ
ロースCL−6B(ファルマシア バイオテク)セファ
デックスG−200(ファルマシア バイオテク)ゲル
濾過カラムクロマトグラフィーにより精製し、精製酵素
標品を得た。本法により得られたアルカリホスファター
ゼ標品は、比活性2,790U/mg蛋白質であった。
【0047】実施例5の酵素と参考例1の酵素を対比し
た結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2から明らかなように、本発明の酵素は
バチルス・バディウス(Bacillus badius) TE3593
(FERM BP−5330)から採取した酵素と比べ
て、安定性と比活性が優れる。
【0050】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:520 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名:バチルス・バディウス(Bacillus badius) 株名:TE3593(FERM-P14684) 配列 Ala Glu Val Glu Lys Pro Thr Lys Pro Thr Asn Val Ile Met Leu Val 1 5 10 15 Met Asp Gly Ser Ser Asn Asn Ala Val Ser Leu Ser Arg Trp Tyr Lys 20 25 30 Gly Glu Asn Leu Ala Met Asp Glu Ile Leu Thr Gly Gly Val Arg Thr 35 40 45 Tyr Ser Ala Glu Ser Ala Ile Thr Asp Ser Ala Pro Ala Ala Thr Ala 50 55 60 Leu Ala Thr Gly His Lys Ser Asn Asp Lys Phe Val Gly Val Leu Pro 65 70 75 80 Ala Thr Val Ser Ser Pro Gly Leu Glu Gln Val Ala Lys Glu Asp Ala 85 90 95 Phe Lys Pro Val Ala Asn Val Leu Glu Gly Ala Lys Gln Gln Gly Lys 100 105 110 Ala Thr Gly Leu Ile Ser Thr Ser Glu Ile Gln His Ala Thr Pro Ala 115 120 125 Gly Phe Ser Ala His Ala Ser Asn Arg Ser Gln Tyr Asp Asn Ile Ala 130 135 140 Glu Gln Gln Val Tyr Gln Asn Ile Asp Val Val Leu Gly Gly Gly Ser 145 150 155 160 Glu Ser Leu Thr Pro Gly Thr Thr Lys Asn Ala Arg Lys Asp Gly Glu 165 170 175 Asn Leu Val Asp Val Leu Asn Glu Lys Asn Tyr Asp Phe Val Lys Thr 180 185 190 Arg Asp Glu Leu Leu Asn Ser Thr Ser Ser Lys Ile Trp Gly Ser Phe 195 200 205 Ala Pro Ser Ala Leu Ala Tyr Asp Leu Asp Arg Ala Lyr Thr Lyr Pro 210 215 220 Thr Glu Pro Thr Leu Ala Glu Met Thr Gly Lyr Ala Ile Asp Thr Leu 225 230 235 240 Lys Lys Asp Glu Asp Gly Phe Phe Leu Phe Val Glu Gly Ser Lys Val 245 250 255 Asp Trp Ala Ala His Lys Asn Asp Thr Ile Gly Ile Ile Ser Asp Ile 260 265 270 Leu Ser Phe Asp Asp Ala Val Lys Glu Ala Val Asp Phe Ala Lys Glu 275 280 285 Asp Gly Asn Thr Met Asp Ile Ala Val Thr Asp His Gly Ser Asn Gly 290 295 300 Ile Thr Met Gly Asn Ala Asn Thr Ser Ser Thr Tyr Ser Ser Ile Pro 305 310 315 320 Val Ser Thr Tyr Ile Asp Pro Leu Lys Lys Ala Thr Met Thr Val Glu 325 330 335 Gly Ala Leu Ser Gln Leu Lys Glu Asp Lys Ser Asn Leu Val Glu Val 340 345 350 Ala Ala Leu Tyr Gly Leu Asp Asp Leu The Glu Glu Leu Ala Thr Leu 355 360 365 Lys Ser Ala Lys Asp Ile Gly Asp Glu Met Val Lys Met Leu Ala Asn 370 375 380 Arg Ala Asn Ile Gly Tyr Thr Thr Gly Gly His Thr Gly Glu Asp Val 385 390 395 400 Phe Leu Tyr Ser Tyr Gly Pro Ser Lys Ile Thr Gly Leu Val Glu Asn 405 410 415 Thr Asp Leu Ala His Ser Met Ala Gln Phe Met Gly Phe Asp Leu Asn 420 425 430 Lys Leu Thr Asp Asp Leu Tyr Ile Pro Ala Thr Lys Ala Phe Lys Asp 435 440 445 Lys Gly Tyr Thr Thr Lys Ile Asp Leu Ala Asp Lys Glu Asn Pro Lys 450 455 460 Phe Ile Ala Gln Lys Asp Asp Val Thr Phe Thr Ile Pro Val Asn Lys 465 470 475 480 Asn Thr Leu Ile Tyr Glu Asp Ala Ser Thr Lys Thr Thr Lys Thr His 485 490 495 Thr Phe Asp Thr Ile Asn Val Tyr Asn Gly Thr Glu Phe Tyr Val Ser 500 505 510 Lys Lys Val Leu Asp Val Ile Lys 515 520
【0051】配列番号:2 配列の長さ:1566 配列の型:DNA(核酸) 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:バチルス・バディウス 株名:TE3593 (微工研寄託番号FERM P-14684) 配列 GCTGAGGTAG AAAAACCAAC AAAACCAACT AATGTTATTA TGCTCGTGAT GGATGGTAGT 60 AGTAATAATG CCGTATCACT TTCTCGTTGG TACAAAGGTG AAAACTTGGC CATGGACGAA 120 ATTTTAACAG GTGGCGTACG TACGTATTCT GCTGAATCAG CAATTACAGA CTCAGCTCCT 180 GCCGCTACTG CGTTAGCAAC TGGTCATAAA TCCAATGATA AATTTGTCGG TGTGTTACCA 240 GCTACGGTTA GTTCACCTGG GCTAGAGCAA GTTGCTAAAG AGGATGCCTT TAAACCTGTA 300 GCCAATGTGT TAGAAGGGGC GAAACAACAA GGCAAGGCAA CTGGATTGAT TTCTACTTCC 360 GAAATTCAAC ATGCGACACC AGCAGGCTTC TCTGCACATG CTTCTAATAG AAGCCAATAT 420 GATAACATCG CTGAGCAGCA AGTTTATCAA AACATTGATG TTGTGTTAGG TGGCGGATCG 480 GAGTCACTGA CGCCAGGCAC AACAAAAAAT GCTCGTAAAG ATGGCGAGAA TTTAGTGGAT 540 GTCCTAAATG AAAAAAATTA TGACTTCGTC AAAACACGTG ATGAGCTCCT AAATAGTACT 600 TCATCAAAAA TTTGGGGAAG CTTTGCTCCA AGTGCTCTTG CCTACGATTT AGATCGTGCT 660 AAAACTAAAC CAACTGAGCC AACGCTTGCT GAAATGACTG GTAAAGCTAT TGATACCCTT 720 AAAAAGGATG AGGACGGCTT CTTCTTATTT GTAGAAGGCA GTAAGGTAGA CTGGGCAGCT 780 CACAAAAATG ACACAATCGG CATAATTTCC GATATTTTAT CGTTTGATGA TGCTGTCAAA 840 GAAGCCGTTG ATTTTGCAAA AGAAGATGGC AATACCATGG TCATTGCTGT TACAGACCAT 900 GGTAATAGTG GTATTACGAT GGGTAATGCT AACACGTCAA GTACTTACTC TAGCATCCCT 960 GTATCTGCTT ATATCGACCC TCTGAAGAAA GCTACGATGA CAGTTGAAGG TGCGCTAAGC 1020 CAATTAAAAG AAGATAAATC AAATCTTGTA GAAGTCGCGG CACTTTATGG ATTAGATGAT 1080 TTAACGGAGG ACGAGCTTGC AACACTAAAA TCGGCTAAAG ACATCGGCGA CGAAATGGTA 1140 AAAATGCTTG CAAATCGTGC AAACATTGGC TATACAACTG GTGGACATAC TGGTGAGGAT 1200 GTATTCTTAT ACTCATACGG ACCATCTAAA ATTACAGGAC TTGTCGAAAA CACAGACTTA 1260 GCACATTCAA TGGCACAGTT TATGGGCTTT GATTTAAACA AGCTTACAGA TGATTTATAT 1320 ATCCCAGCTA CAAAAGCATT CAAAGATAAA GGCTACACAA CTAAAATTGA CTTAGCTGAC 1380 AAAGAAAACC CTAAGTTTAT TGCACAAAAA GATGATGTAA CGTTTACAAT TCCAGTGAAT 1440 AAAAACACGT TGATTTATGA GGATGCATCA ACAAAAACGA CAAAGACTCA TACGTTTGAC 1500 ACAATCAATG TCTACAACGG CACTGAATTT TACGTTTCAA AAAAAGTTTT AAATGTAATC 1560 AAATAA 1566
【0052】配列番号:3 配列の長さ:521 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名:バチルス・バディウス 株名:TE3593(微工研寄託番号FERM P-14684) 配列 GCT GAG GTA GAA AAA CCA ACA AAA CCA ACT AAT GTT ATT ATG CTC GTG 48 Ala Glu Val Glu Lys Pro Thr Lys Pro Thr Asn Val Ile Met Leu Val 1 5 10 15 ATG GAT GGT AGT AGT AAT AAT GCC GTA TCA CTT TCT CGT TGG TAC AAA 96 Met Asp Gly Ser Ser Asn Asn Ala Val Ser Leu Ser Arg Trp Tyr Lys 20 25 30 GGT GAA AAC TTG GCC ATG GAC GAA ATT TTA ACA GGT GGC GTA CGT ACG 144 Gly Glu Asn Leu Ala Met Asp Glu Ile Leu Thr Gly Gly Val Arg Thr 35 40 45 TAT TCT GCT GAA TCA GCA ATT ACA GAC TCA GCT CCT GCC GCT ACT GCG 192 Tyr Ser Ala Glu Ser Ala Ile Thr Asp Ser Ala Pro Ala Ala Thr Ala 50 55 60 TTA GCA ACT GGT CAT AAA TCC AAT GAT AAA TTT GTC GGT GTG TTA CCA 240 Leu Ala Thr Gly His Lys Ser Asn Asp Lys Phe Val Gly Val Leu Pro 65 70 75 80 GCT ACG GTT AGT TCA CCT GGG CTA GAG CAA GTT GCT AAA GAG GAT GCC 288 Ala Thr Val Ser Ser Pro Gly Leu Glu Gln Val Ala Lys Glu Asp Ala 85 90 95 TTT AAA CCT GTA GCC AAT GTG TTA GAA GGG GCG AAA CAA CAA GGC AAG 336 Phe Lys Pro Val Ala Asn Val Leu Glu Gly Ala Lys Gln Gln Gly Lys 100 105 110 GCA ACT GGA TTG ATT TCT ACT TCC GAA ATT CAA CAT GCG ACA CCA GCA 384 Ala Thr Gly Leu Ile Ser Thr Ser Glu Ile Gln His Ala Thr Pro Ala 115 120 125 GGC TTC TCT GCA CAT GCT TCT AAT AGA AGC CAA TAT GAT AAC ATC GCT 432 Gly Phe Ser Ala His Ala Ser Asn Arg Ser Gln Tyr Asp Asn Ile Ala 130 135 140 GAG CAG CAA GTT TAT CAA AAC ATT GAT GTT GTG TTA GGT GGC GGA TCG 480 Glu Gln Gln Val Tyr Gln Asn Ile Asp Val Val Leu Gly Gly Gly Ser 145 150 155 160 GAG TCA CTG ACG CCA GGC ACA ACA AAA AAT GCT CGT AAA GAT GGC GAG 528 Glu Ser Leu Thr Pro Gly Thr Thr Lys Asn Ala Arg Lys Asp Gly Glu 165 170 175 AAT TTA GTG GAT GTC CTA AAT GAA AAA AAT TAT GAC TTC GTC AAA ACA 576 Asn Leu Val Asp Val Leu Asn Glu Lys Asn Tyr Asp Phe Val Lys Thr 180 185 190 CGT GAT GAG CTC CTA AAT AGT ACT TCA TCA AAA ATT TGG GGA AGC TTT 624 Arg Asp Glu Leu Leu Asn Ser Thr Ser Ser Lys Ile Trp Gly Ser Phe 195 200 205 GCT CCA AGT GCT CTT GCC TAC GAT TTA GAT CGT GCT AAA ACT AAA CCA 672 Ala Pro Ser Ala Leu Ala Tyr Asp Leu Asp Arg Ala Lys Thr Lys Pro 210 215 220 ACT GAG CCA ACG CTT GCT GAA ATG ACT GGT AAA GCT ATT GAT ACC CTT 720 Thr Glu Pro Thr Leu Ala Glu Met Thr Gly Lys Ala Ile Asp Thr Leu 225 230 235 240 AAA AAG GAT GAG GAC GGC TTC TTC TTA TTT GTA GAA GGC AGT AAG GTA 768 Lys Lys Asp Glu Asp Gly Phe Phe Leu Phe Val Glu Gly Ser Lys Val 245 250 255 GAC TGG GCA GCT CAC AAA AAT GAC ACA ATC GGC ATA ATT TCC GAT ATT 816 Asp Trp Ala Ala His Lys Asn Asp Thr Ile Gly Ile Ile Ser Asp Ile 260 265 270 TTA TCG TTT GAT GAT GCT GTC AAA GAA GCC GTT GAT TTT GCA AAA GAA 864 Leu Ser Phe Asp Asp Ala Val Lys Glu Ala Val Asp Phe Ala Lys Glu 275 280 285 GAT GGC AAT ACC ATG GTC ATT GCT GTT ACA GAC CAT GGT AAT AGT GGT 912 Asp Gly Asn Thr Met Val Ile Ala Val Thr Asp His Gly Asn Ser Gly 290 295 300 ATT ACG ATG GGT AAT GCT AAC ACG TCA AGT ACT TAC TCT AGC ATC CCT 960 Ile Thr Met Gly Asn Ala Asn Thr Ser Ser Thr Tyr Ser Ser Ile Pro 305 310 315 320 GTA TCT GCT TAT ATC GAC CCT CTG AAG AAA GCT ACG ATG ACA GTT GAA 1008 Val Ser Ala Tyr Ile Asp Pro Leu Lys Lys Ala Thr Met Thr Val Glu 325 330 335 GGT GCG CTA AGC CAA TTA AAA GAA GAT AAA TCA AAT CTT GTA GAA GTC 1056 Gly Ala Leu Ser Gln Leu Lys Glu Asp Lys Ser Asn Leu Val Glu Val 340 345 350 GCG GCA CTT TAT GGA TTA GAT GAT TTA ACG GAG GAC GAG CTT GCA ACA 1104 Ala Ala Leu Tyr Gly Leu Asp Asp Leu Thr Glu Asp Glu Leu Ala Thr 355 360 365 CTA AAA TCG GCT AAA GAC ATC GGC GAC GAA ATG GTA AAA ATG CTT GCA 1152 Leu Lys Ser Ala Lys Asp Ile Gly Asp Glu Met Val Lys Met Leu Ala 370 375 380 AAT CGT GCA AAC ATT GGC TAT ACA ACT GGT GGA CAT ACT GGT GAG GAT 1200 Asn Arg Ala Asn Ile Gly Tyr Thr Thr Gly Gly His Thr Gly Glu Asp 385 390 395 400 GTA TTC TTA TAC TCA TAC GGA CCA TCT AAA ATT ACA GGA CTT GTC GAA 1248 Val Phe Leu Tyr Ser Tyr Gly Pro Ser Lys Ile Thr Gly Leu Val Glu 405 410 415 AAC ACA GAC TTA GCA CAT TCA ATG GCA CAG TTT ATG GGC TTT GAT TTA 1296 Asn Thr Asp Leu Ala His Ser Met Ala Gln Phe Met Gly Phe Asp Leu 420 425 430 AAC AAG CTT ACA GAT GAT TTA TAT ATC CCA GCT ACA AAA GCA TTC AAA 1344 Asn Lys Leu Thr Asp Asp Leu Tyr Ile Pro Ala Thr Lys Ala Phe Lys 435 440 445 GAT AAA GGC TAC ACA ACT AAA ATT GAC TTA GCT GAC AAA GAA AAC CCT 1392 Asp Lys Gly Tyr Thr Thr Lys Ile Asp Leu Ala Asp Lys Glu Asn Pro 450 455 460 AAG TTT ATT GCA CAA AAA GAT GAT GTA ACG TTT ACA ATT CCA GTG AAT 1440 Lys Phe Ile Ala Gln Lys Asp Asp Val Thr Phe Thr Ile Pro Val Asn 465 470 475 480 AAA AAC ACG TTG ATT TAT GAG GAT GCA TCA ACA AAA ACG ACA AAG ACT 1488 Lys Asn Thr Leu Ile Tyr Glu Asp Ala Ser Thr Lys Thr Thr Lys Thr 485 490 495 CAT ACG TTT GAC ACA ATC AAT GTC TAC AAC GGC ACT GAA TTT TAC GTT 1536 His Thr Phe Asp Thr Ile Asn Val Tyr Asn Gly Thr Glu Phe Tyr Val 500 505 510 TCA AAA AAA GTT TTA AAT GTA ATC AAA 1563 Ser Lys Lys Val Leu Asn Val Ile Lys 515 520 521
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:07) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/16 C12R 1:19) (72)発明者 川村 良久 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)のタンパク質
    であるアルカリホスファターゼをコードする遺伝子。 (a)配列表・配列番号1に記載されたアミノ酸配列か
    らなるタンパク質 (b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは複数の
    アミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列
    からなり、かつ、アルカリホスファターゼ活性を有する
    タンパク質
  2. 【請求項2】 配列表・配列番号1に記載されるアミノ
    酸配列からなるタンパク質であるアルカリホスファター
    ゼをコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】 以下の(c)、(d)又は(e)のDN
    Aからなるアルカリホスファターゼをコードする遺伝
    子。 (c)配列表・配列番号2に記載される塩基配列からな
    るDNA (d)上記(c)の塩基配列において、1もしくは複数
    の塩基が付加、欠失または置換されており、かつ、アル
    カリホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードし
    ているDNA (e)上記(c)の塩基配列からなるDNAとストリン
    ジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、アルカリ
    ホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードする細
    菌由来のDNA
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のアルカリホ
    スファターゼをコードする遺伝子を含有する組換えベク
    ター。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組換えベクターで宿主細
    胞を形質転換した形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培養し、ア
    ルカリホスファターゼを生成させ、該アルカリホスファ
    ターゼを採取することを特徴とするアルカリホスファタ
    ーゼの製造法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の製造法により製造され
    た、比活性が3,300〜3,900U/mgであるア
    ルカリホスファターゼ。
  8. 【請求項8】 下記理化学的性質を有することを特徴と
    するアルカリホスファターゼ。 作用:水の存在下にオルソリン酸モノエステルに作用し
    て、アルコールおよびオルソリン酸を生成する。 至適温度:約60〜65℃ 至適pH:約10.5〜11.5 熱安定性:約65℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:約7.5〜12(25℃,24時間) Km値:0.2〜0.4mM(p−ニトロフェニルリン
    酸に対する) 分子量:146,000〜148,000(ゲル濾過) 60,000〜62,000(SDS-PAGE) 比活性:3,300〜3,900U/mg
JP9069650A 1997-03-24 1997-03-24 アルカリホスファターゼをコードする遺伝子 Pending JPH10262674A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020067122A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法
WO2020067120A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 脱リン酸化試薬の品質を評価する方法及び標的核酸を検出する方法
WO2020067121A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法

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WO2020067122A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法
WO2020067120A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 脱リン酸化試薬の品質を評価する方法及び標的核酸を検出する方法
WO2020067121A1 (ja) 2018-09-25 2020-04-02 東レ株式会社 アルカリホスファターゼ組成物並びに脱リン酸化核酸及び標識化核酸の製造方法

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