JP3003785B2 - イソクエン酸脱水素酵素の遺伝子情報を有するdnaおよびその用途 - Google Patents

イソクエン酸脱水素酵素の遺伝子情報を有するdnaおよびその用途

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JP3003785B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソクエン酸脱水素酵素
の遺伝情報を有するDNA、該DNAを含有する組み換
えベクター、該組み換えベクターを用いて得られる形質
転換体および該形質転換体により該DNAはの遺伝情報
を発現せしめて得られるイソクエン酸脱水素酵素の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イソクエン酸脱水素酵素はイソクエン
酸、およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン
酸(酸化型)から2−オキソグルタル酸、二酸化炭素お
よびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(還
元型)を生成する反応を触媒するものであって、微生物
から動植物組織まで細胞のミトコンドリアに存在してい
る。とくにアセトバクター・ペルオキシダンス(Ace
tobacter peroxydans)、ノイロス
ポラ クラッサ(Neurospora crass
a)バイオケミストリー18、3616−3622(1
979)、アカパンカビ、酵母〔ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー 238、2875−28
81(1963)〕、クロカビ、エンドラ芽生え、ウシ
〔バイオケミストリー25、5339−5346(19
78)〕ブタ〔プロシーデング オブザ ナショナル
アカデミー サイエンス USA 75、252−25
5(1978)〕などに存在することが報告されてい
る。
【0003】また、イソクエン酸脱水素酵素はイソクエ
ン酸を基質とし、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ドリン酸の酸化還元反応を利用し、定量したり、又逆反
応では2−オキソグルタル酸を基質とし同じくニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化還元反応を
利用して定量することが出来る。あるいはイソクエン酸
や2−オキソグルタル酸を生じる反応系と共役すること
により、各種酵素活性の測定など研究用試薬、臨床診断
用試薬として極めて有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より報告されてい
るイソクエン酸脱水素酵素生産菌は、イソクエン酸脱水
素酵素の生産性が低く製造コスト的に高価になるという
難点があるだけでなく、共存する他種酵素等の除去が非
常に困難で、純度の高い良質なイソクエン酸脱水素酵素
を得るため、精製コストが非常に高いものとなり、研究
用試薬、臨床診断用試薬として安易に広く用いるには必
ずしも満足のいくものではなかった。また、酵素の保存
安定性においても、必ずしも満足のいくものではなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、該イソク
エン酸脱水素酵素の生産性向上を計るべく鋭意検討を試
みたところ、該イソクエン酸脱水素酵素遺伝子の採取な
らびに一次構造解析に成功すると共に遺伝子工学的手法
を応用することによって、以下に述べる如く、高生産性
である製造法を確立した。
【0006】すなわち、本発明の要旨はイソクエン酸脱
水素酵素を含むポリペプチドのアミノ酸をコードしてい
るDNA、該DNAを含有する組み換えベクター、宿主
細胞を該組み換えベクターで形質転換した形質転換体お
よび該形質転換体を培養して、イソクエン酸脱水素酵素
を産生させ、次いで、該イソクエン酸脱水素酵素を採取
することを特徴とするイソクエン酸脱水素酵素の製造法
に存する。
【0007】本発明の上記DNAとしては、例えば配列
表の配列番号1に記載された塩基配列を有するDNAを
挙げることができる。なお、本発明のDNAは遺伝子組
み換え技術により、基本となるDNAの特定部位に、該
DNAがコードするものの基本的な特性を変化させるこ
となく、あるいはその特性を改善するように人為的に変
異を起こさせたものも含むものである。
【0008】イソクエン酸脱水素酵素遺伝子の供与体で
ある微生物としては、イソクエン酸脱水素酵素産生能を
有する微生物であれば良く、例えばアセトバクター ペ
ロキシダンス(Acetobacter peroxy
dans)、ノイロスポラ・クラッサ(Neurosp
ora crassa)、酵母などから、好熱性菌とし
て知られるバチルス・ステアロサーモフィラス(Bac
illus stearothermophilus)
やサーマス属(Thermus)などの微生物が適宜選
ばれる。特にサーマス・サーモフィラス(Thermu
s thermophilus)HB8が好適である。
また、遺伝子組換え技術を駆使してイソクエン酸脱水素
酵素産生能を付与せしめた形質転換微生物もイソクエン
酸脱水素酵素遺伝子の供与体として利用してもよい。
【0009】本発明のDNAは、例えばイソクエン酸脱
水素酵素を生産するイソクエン酸脱水素酵素遺伝子の供
与体である微生物より、該微生物のDNAを分離精製し
た後、超音波、制限酵素などを用いてDNAを切断した
リニヤーな発現ベクターとを両DNAの平滑または接着
末端部においてDNAリガーゼなどにより結合閉環さ
せ、こうして得られた組換えDNAベクターを複製可能
な宿主微生物に移入した後、ベクターのマーカーとイソ
クエン酸脱水素酵素の活性とを指標として、スクリーニ
ングして取得した該組換えDNAベクターを保持する微
生物を培養し、該培養菌体から該組換えDNAベクター
を分離精製し、次いで該組換えDNAベクターからイソ
クエン酸脱水素酵素遺伝子であるDNAを採取すればよ
い。
【0010】以下に上記採取方法をより詳細に説明す
る。遺伝子の供与体である微生物から由来するDNAは
次の如くにして採取される。即ち、供与微生物である上
述した細菌のいずれかを例えば液体培地で約1〜3日間
通気攪拌培養し、得られる培養物を遠心分離して集菌
し、次いでこれを溶菌させることによってイソクエン酸
脱水素酵素遺伝子の含有溶菌物を調製することができ
る。溶菌方法としては例えばリゾチームやβ−グルカナ
ーゼなどの細胞壁溶解酵素による処理が施され、必要に
よりプロテアーゼなどの他の酵素やラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの界面活性剤が併用され、さらに細胞壁の物理
的破壊法である凍結融解やフレンチプレス処理を上述の
溶菌法との組み合せで行ってもよい。この様にして得ら
れた溶菌物からDNAを分離、精製するには常法に従っ
て例えばフェノール抽出による除蛋白処理、プロテアー
ゼ処理、リボヌクレアーゼ処理、アルコール沈澱遠心分
離などの方法を適宜組合わせることにより行うことがで
きる。
【0011】分離精製された微生物DNAを切断する方
法は、例えば超音波処理、制限酵素処理などにより行う
ことができるが得られるDNA断片とベクターとの結合
を容易ならしめるため制限酵素とりわけ特定ヌクレオチ
ド配列に作用する、例えばEcoRI、HindII
I、BamHIなどのII型制限酵素が適している。
【0012】ベクターとしては、宿主微生物で自律的に
増殖しうるファージまたはプラスミドから遺伝子組換え
用として構築されたものが適している。ファージとして
は、例えば大腸菌(Escherichia col
i)を宿主微生物とする場合には、λgt・10、λg
t・11などが使用できる。また、プラスミドとして
は、例えば大腸菌を宿主微生物とする場合にはpBR3
22、pBR325、pACYCIB4、pUC12、
pUC13、pUC18、pUC19などが、バチルス
ズブチリス(Bacillus subtilis)
を宿主微生物とする場合にはpUB110、pC194
などが使用でき、さらに大腸菌およびバチルス ズブチ
リスなどのグラム陰陽性にまたがる二種以上の宿主微生
物で自律的に増殖可能なシャトルベクターを利用するこ
ともできる。このようなベクターを、先に述べたイソク
エン酸脱水素酵素遺伝子供与体である微生物DNAの切
断に使用した制限酵素と同じ制限酵素で切断して、ベク
ター断片を得ることが好ましい。
【0013】微生物DNA断片とベクター断片とを結合
させる方法は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であ
ればよく、例えば微生物DNA断片の接着末端とベクタ
ー断片の接着末端とのアニーリングの後、適当なDNA
リガーゼの使用により微生物DNA断片とベクター断片
との組換えDNAを作成する。必要ならば、アニーリン
グの後、宿主微生物に移入して、生体内のDNAリガー
ゼを利用し、組換えDNAを作成することもできる。
【0014】宿主微生物としては、組換えDNAが安定
かつ自律的に増殖可能で、且つ外来性DNAの形質が発
現のできるものであればよく、例えば宿主微生物がエシ
ュリシア・コリーDHI、エシュリシア・コリーHB1
01、エシュリシア・コリーW3110、エシュリシア
・コリーC600、エシュリシア・コリーJM105等
が利用出来る。
【0015】宿主微生物に組換えDNAを移入する方法
としては、例えば宿主微生物がエシュリシア属に属する
微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下で組換え
DNAの移入を行ない、またバチルス属に属する微生物
の場合には、コンピテントセル法またはプロトプラスト
法などを採用することができ、さらにマイクロインジャ
クション法を用いても良い。こうして得られた形質転換
体である微生物は、栄養培地に培養されることにより多
量のイソクエン酸脱水素酵素を安定して産生し得ること
を見出した。
【0016】宿主微生物への目的組換えDNA移入の有
無についての選択は、目的組換えDNAを保持するベク
ターの薬剤耐性マーカーとイソクエン酸脱水素酵素とを
同時に発現し得る微生物を検索すればよく、例えば薬剤
耐性マーカーに基づく選択培地で生育し、かつイソクエ
ン酸脱水素酵素を生成する微生物を選択すればよい。
【0017】好ましくは、精製したイソクエン酸脱水素
酵素のリシルエンドペプチダーゼ分解による部分ペプチ
ドのアミノ酸配列をもとにして、合成オリゴヌクレオチ
ドを作成し、アイソトープで標識をつけて、これをプロ
ーブとしゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション
を行う。そして、それを元に適当な遺伝子ライブラリー
を作成し、コロニーハイブリダイゼーションを行った
後、目的とする遺伝子の入った組換えDNAをスクリー
ニングする。
【0018】上述の方法により得られたイソクエン酸脱
水素酵素遺伝子の塩基配列はサイエンス(Scienc
e)214、1205〜1210(1981)に記載さ
れているジデオキシ法で解読し、またイソクエン酸脱水
素酵素のアミノ酸配列は塩基配列より推定した。一方、
別にイソクエン酸脱水素酵素の部分アミノ酸配列は、以
下の如くにして決定した。即ちリシルエンドペプチダー
ゼでイソクエン酸脱水素酵素を完全加水分解した部分ペ
プチドを単離し、そのアミノ酸配列をエドマン法によっ
て決定した。
【0019】この様にして一度選択されたイソクエン酸
脱水素酵素遺伝子を保有する組換えDNAは、形質転換
微生物から取り出され、他の宿主微生物に移入すること
も容易に実施できる。また、イソクエン酸脱水素酵素遺
伝子を保持する組換えDNAから制限酵素などにより、
切断して、イソクエン酸脱水素酵素遺伝子であるDNA
を切り出し、これを同様な方法により切断して得られる
ベクター断片とを結合させて、宿主微生物に移入するこ
とも容易に実施できる。
【0020】形質転換体である宿主微生物の培養形態は
宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すれば
良く、通常多くの場合は液体培養で行うが、工業的には
上部通気攪拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源
としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使
用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であ
れば良く、例えばグルコース、シュクロース、ラクトー
ス、マルトース、フルクトース、糖蜜、ピルビン酸など
が使用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物で
あれば良く、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、
カゼイン加水分解物などが使用される。その他、リン酸
塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリ
ウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ
酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。培
養温度は菌が発育し、イソクエン酸脱水素酵素を生産す
る範囲で適宜変更し得るが、エシュリシア・コリーの場
合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条
件によって多少異なるが、イソクエン酸脱水素酵素が最
高収量に達する時期を見計らって適当な時期に培養を終
了すれば良く、通常は12〜48時間程度である。培地
pHは菌が発育し、イソクエン酸脱水素酵素を生産する
範囲で適宜変更し得るが、特に好ましくはpH6.0〜
8.0程度である。
【0021】培養物中のイソクエン酸脱水素酵素は菌体
を含む培養液そのままを採取し利用することもできる
が、一般には常法に従ってイソクエン酸脱水素酵素が培
養液中に存在する場合には濾過、遠心分離などにより、
イソクエン酸脱水素酵素含有溶液と微生物菌体とを分離
した後に利用される。イソクエン酸脱水素酵素が菌体内
に存在する場合には、得られた培養物を濾過または遠心
分離などの手段により、菌体を採取し次いでこの菌体を
機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊
し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤および/
または界面活性剤を添加してイソクエン酸脱水素酵素を
可溶化し、水溶液として分離採取する。
【0022】この様にして得られたイソクエン酸脱水素
酵素含有溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、更に硫安、
硫酸ナトリウムなどの塩折処理、あるいは親水性有機溶
媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによ
る分別沈澱法により沈澱せしめればよい。又、加熱処理
や等電点処理も有効な精製手段である。吸着剤あるいは
ゲル濾過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーにより精製し、これ
らの手段を用いて得られるイソクエン酸脱水素酵素含有
溶液は減圧濃縮、凍結乾燥等の処理により、精製された
イソクエン酸脱水素酵素として得られる。以下、実施例
で本発明を詳細に説明する。
【0023】
【実施例】実施例1〔染色体DNAの分離〕 サーマス・サーモフィラス(Thermus ther
mophilus)HB8の染色体DNAを次の方法で
分離した。同菌株を150mlの普通ブイヨン培地で7
5℃一晩振盪培養後遠心(3000rpm10分)によ
り集菌した。10%シュクロース50mMトリス塩酸
(pH8.0)50mM EDTAを含んだ溶液5ml
に懸濁させ、1mlのリゾチーム溶液(10mg/m
l)を加えて37℃、15分間保温し、次いで1mlの
10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶液を加え
た。この懸濁液に等量のクロロホルム・フェノール溶液
(1:1)を加え、攪拌混合し、10000rpm3分
間の遠心で水層と溶媒層に分け、水層を合取した。この
水層に2倍量のエタノールを静かに重層し、ガラス棒で
ゆっくり攪拌しながらDNAをガラス棒にまきつかせて
分離した。これを10mMトリス塩酸(pH8.0)、
1mM EDTAを含んだ溶液(以下TEと略す)で溶
解した。これを等量のクロロホルム・フェノール溶液で
処理後、遠心により水層を分取し、2倍量のエタノール
を加えて、上記の方法でもう一度DNAを分離し2ml
のTEで溶解した。Escherichia coli
HB101のコンピテントセルはHanahanの方
法により作成しライブラリー作成の宿主として用いた。
【0024】実施例2〔ハイブリダイゼーション〕実施
例1で得たDNAを制限酵素HindIII、BamH
I、SacI、BglII等の数種類の制限酵素で完全
に分解したのち、0.8%アガロースゲル電気泳動によ
り分離し、ナイロン膜にブロッティングした。一方、サ
ーマスサーモフィラスHB8由来の精製したイソクエン
酸脱水素酵素のリシルエンドペプチダーゼの部分ペプチ
ドのアミノ酸配列をもとにして50merの合成オリゴ
ヌクレオチドを作成し、T4ポリヌクレオチドキナーゼ
により5′末端を〔γ32・p〕ATPでラベル後プロー
ブとして、ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリ
ダイゼーションは900mM NaCl,90mM T
ris−Cl、6mM EDTA、0.4%ポリビニル
ピロリドン、0.4%Ficol 400、0.4%B
SA、0.2%SDS、200μg/ml herri
ngsperm、DNA プローブ中で60℃、12時
間行った。その後フィルターを900mM NaCl、
90mMクエン酸ナトリウム、0.1%SDS中で70
℃、20分洗浄し、オートラジオグラムをとった。この
結果プローブはHindIII断片の5.5kb付近に
強くハイブリダイズした。
【0025】実施例3〔コロニーハイブリダイゼーショ
ン〕 実施例2の結果に基づき、サーマス サーモフィラスH
B8遺伝子のHindIIIライブラリーを作成し、コ
ロニーハイブリダイゼーションを行なった。常法によ
り、ライブラリーおよびフィルターを作成後、約400
0コロニーをスクリーニングした結果、1つの陽性クロ
ーンが得られた。以後、このクローンの塩基配列解析を
おこなった。
【0026】実施例4〔塩基配列決定〕DNAの塩基配
列はジデオキシ法に従い、アプライド・バイオシステム
ズ社370A自動蛍光シークエンサーによりおこなっ
た。この際プロメガ社製の自動蛍光シークエンサー用7
−deaza dGTP,Taq polymeras
eシークエンシングキットを用い、高いDNAのGC含
量に由来する配列決定の困難を克服した。データは配列
表に記す。
【0027】実施例5〔イソクエン酸脱水素酵素の製
造〕 タンパク質コード領域の約60b上流に存在するStu
Iサイトと下流のSacIサイトを利用し、pUC11
9に連結したサブクローン体pTID3を作成した(図
1)。この組み換えプラスミドをE.col JM10
5に導入し、イソクエン酸脱水素酵素の発現化を試みた
ところ、大量の酵素を得ることができた。本酵素は70
℃、10分間の加熱処理後、上清をブチル・トヨパール
(東ソ−)に通すことにより電気泳動的に単一の標品に
精製することができた。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、イソクエン酸脱水素酵
素遺伝子およびイソクエン酸脱水素酵素のアミノ酸配列
が明らかになり、また遺伝子工学手法による効率的なイ
ソクエン酸脱水素酵素の製造方法を提供した。また本発
明のイソクエン酸脱水素酵素遺伝子と種々の遺伝子工学
的手法とを用いることにより、より効率的なイソクエン
酸脱水素酵素の製造方法をもたらしめるものである。
【配列表】
【0029】配列番号:1 配列の長さ :2146 配列の型:核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類: genomic DNA 起源 生物名 :サーマス サーモフィラス(Thermus thermoph
ilus) 株名 :HB8 配列の特徴 464〜468 S RBS 476〜1963 P CDS 479〜1960 S mat peptide 配列 CCATGGGGCC GAAGGTGGCG TAGGCCAGGC CCTCCTCCCT AAAGGGCACC TTCCTTTGGG 60 CCTCCGCCAG GGAGAGCTTC TCCACGGGGA CCCCCAGGGC CTTCTGCACC CTTAGGGCCT 120 CTTCCTGGGC CTCGGCCTGG GCCTCGGGCA CCAGGAAGAG GTAGCCCGTA GCCGATAGGC 180 GGCCTCGGGG ATTTCCCGGT ACTCCAGGAT GGAACGGTAG GAGAGGAGGA CGTTCGAGGG 240 CTCGGAGAAC TGCACCCGCA CCCCGGCGGC GCTTTTCCCG GTGGACCCTT GGGCGTAGGT 300 GGCCTCCTTC TCCAGGACCA AGACCCTAAG CCCCTTTTCC GCCAGGCGGT AGGCCGAGGC 360 CGCCCCTACG ATCCCCGCCC CCACCACGAC CACCCGGGCC ACGCCCCGAG TTTACAAGGC 420 CTCAAGCCCC CTGGTGTAGT GTAAAGGGGG CGATTCCGCC CCCGGAGGTG AACCCATG 478 CCC CTG ATC ACC ACG GAA ACC GGC AAG AAG ATG CAC GTT CTC GAG GAC 526 Pro Leu Ile Thr Thr Glu Thr Gly Lys Lys Met His Val Leu Glu Asp 1 5 10 15 GGG CGC AAG CTC ATC ACC GTC ATC CCC GGA GAC GGC ATC GGG CCC GAG 574 Gly Arg Lys Leu Ile Thr Val Ile Pro Gly Asp Gly Ile Gly Pro Glu 20 25 30 TGC GTG GAG GCT ACC CTC AAG GTC CTA GAG GCG GCC AAG GCC CCC CTG 622 Cys Val Glu Ala Thr Leu Lys Val Leu Glu Ala Ala Lys Ala Pro Leu 35 40 45 GCC TAC GAG GTG CGA GAG GCG GGG GCG AGC GTC TTC CGG CGG GGC ATC 670 Ala Tyr Glu Val Arg Glu Ala Gly Ala Ser Val Phe Arg Arg Gly Ile 50 55 60 GCC TCG GGC GTT CCC CAG GAG ACC ATT GAG TCC ATC CGC AAG ACC CGG 718 Ala Ser Gly Val Pro Gln Glu Thr Ile Glu Ser Ile Arg Lys Thr Arg 65 70 75 80 GTG GTC CTG AAG GGT CCC CTG GAA ACC CCG GTG GGC TAC GGG GAG AAG 766 Val Val Leu Lys Gly Pro Leu Glu Thr Pro Val Gly Tyr Gly Glu Lys 85 90 95 AGC GCC AAC GTC ACC CTA AGG AAG CTC TTT GAG ACC TAC GCC AAC GTC 814 Ser Ala Asn Val Thr Leu Arg Lys Leu Phe Glu Thr Tyr Ala Asn Val 100 105 110 CGC CCC GTG CGG GAG TTC CCC AAC GTC CCC ACC CCC TAT GCG GGC CGG 862 Arg Pro Val Arg Glu Phe Pro Asn Val Pro Thr Pro Tyr Ala Gly Arg 115 120 125 GGC ATT GAC CTC GTG GTG GTG CGG GAG AAC GTG GAG GAC CTC TAC GCC 910 Gly Ile Asp Leu Val Val Val Arg Glu Asn Val Glu Asp Leu Tyr Ala 130 135 140 GGG ATT GAG CAC ATG CAG ACC CCG AGC GTG GCC CAG ACC CTC AAG CTC 958 Gly Ile Glu His Met Gln Thr Pro Ser Val Ala Gln Thr Leu Lys Leu 145 150 155 160 ATC TCC TGG AAG GGA TCG GAG AAG ATC GTC CGC TTC GCC TTT GAG CTG 1006 Ile Ser Trp Lys Gly Ser Glu Lys Ile Val Arg Phe Ala Phe Glu Leu 165 170 175 GCC CGG GCC GAG GGG CGG AAG AAG GTC CAC TGC GCC ACC AAG TCC AAC 1054 Ala Arg Ala Glu Gly Arg Lys Lys Val His Cys Ala Thr Lys Ser Asn 180 185 190 ATC ATG AAG CTC GCC GAA GGA CCC AAG CGG GCC TTT GAG CAG GTG GCC 1102 Ile Met Lys Leu Ala Glu Gly Pro Lys Arg Ala Phe Glu Gln Val Ala 195 200 205 CAG GAG TAC CCC GAC ATA GAA GCG GTC CAC ATC ATC GTG GAC AAC GCT 1150 Gln Glu Tyr Pro Asp Ile Glu Ala Val His Ile Ile Val Asp Asn Ala 210 215 220 GCC CAC CAG CTG GTG AAA AGG CCC GAG CAG TTT GAG GTG ATC GTC ACC 1198 Ala His Gln Leu Val Lys Arg Pro Glu Gln Phe Glu Val Ile Val Thr 225 230 235 240 ACC AAC ATG AAC GGA GAC ATC CTC TCC GAC CTC ACC TCG GGG CTC ATT 1246 Thr Asn Met Asn Gly Asp Ile Leu Ser Asp Leu Thr Ser Gly Leu Ile 245 250 255 GGG GGC CTG GGC TTC GCT CCC TCG GCC AAC ATC GGC AAC GAG GTG GCC 1294 Gly Gly Leu Gly Phe Ala Pro Ser Ala Asn Ile Gly Asn Glu Val Ala 260 265 270 ATC TTT GAG GCC GTC CAC GGT TCC GCC CCC AAG TAC GCC GGG AAG AAC 1342 Ile Phe Glu Ala Val His Gly Ser Ala Pro Lys Tyr Ala Gly Lys Asn 275 280 285 GTC ATC AAC CCC ACC GCG GTC CTC CTC TCG GCG GTG ATG ATG CTC CGC 1390 Val Ile Asn Pro Thr Ala Val Leu Leu Ser Ala Val Met Met Leu Arg 290 295 300 TAC CTG GAG GAG TTC GCC ACG GCG GAC CTT ATA GAG AAC GCC CTC CTC 1438 Tyr Leu Glu Glu Phe Ala Thr Ala Asp Leu Ile Glu Asn Ala Leu Leu 305 310 315 320 TAC ACC CTC GAG GAG GGC CGG GTC CTC ACG GGG GAC GTG GTG GGC TAC 1486 Tyr Thr Leu Glu Glu Gly Arg Val Leu Thr Gly Asp Val Val Gly Tyr 325 330 335 GAC CGG GGG GCC AAG ACC ACG GAG TAC ACC GAG GCC ATC ATC CAG AAC 1534 Asp Arg Gly Ala Lys Thr Thr Glu Tyr Thr Glu Ala Ile Ile Gln Asn 340 345 350 CTG GGC AAG ACC CCA AGG AAG ACC CAG GTG CGG GGC TAC AAG CCC TTC 1582 Leu Gly Lys Thr Pro Arg Lys Thr Gln Val Arg Gly Tyr Lys Pro Phe 355 360 365 CGC CTG CCC CAG GTG GAC GGG GCC ATC GCC CCC ATC GTC CCT AGG AGC 1630 Arg Leu Pro Gln Val Asp Gly Ala Ile Ala Pro Ile Val Pro Arg Ser 370 375 380 CGC CGG GTT GTG GGG GTG GAC GTC TTC GTG GAA ACC AAC CTC CTG CCC 1678 Arg Arg Val Val Gly Val Asp Val Phe Val Glu Thr Asn Leu Leu Pro 385 390 395 400 GAG GCC CTG GGA AAG GCC CTG GAG GAC CTT GCC GCG GGC ACC CCC TTC 1726 Glu Ala Leu Gly Lys Ala Leu Glu Asp Leu Ala Ala Gly Thr Pro Phe 405 410 415 CGG CTC AAG ATG ATC TCC AAC CGG GGC ACC CAG GTC TAC CCC CCC ACC 1774 Arg Leu Lys Met Ile Ser Asn Arg Gly Thr Gln Val Tyr Pro Pro Thr 420 425 430 GGC GGG CTC ACG GAC CTG GTG GAC CAC TAC CGC TGC CGC TTC CTC TAC 1822 Gly Gly Leu Thr Asp Leu Val Asp His Tyr Arg Cys Arg Phe Leu Tyr 435 440 445 ACG GGG GAG GGG GAG GCT AAG GAC CCG GAG ATC CTG GAC CTC GTA AGC 1870 Thr Gly Glu Gly Glu Ala Lys Asp Pro Glu Ile Leu Asp Leu Val Ser 450 455 460 CGG GTG GCA AGC CGC TTC CGC TGG ATG CAC CTG GAG AAG CTC CAG GAA 1918 Arg Val Ala Ser Arg Phe Arg Trp Met His Leu Glu Lys Leu Gln Glu 465 470 475 480 TTT GAC GGC GAG CCC GGC TTC ACC AAG GCC CAA GGG GAA GAC TAAGGCCACC 1970 Phe Asp Gly Glu Pro Gly Phe Thr Lys Ala Gln Gly Glu Asp 485 490 CCATGCCGGC TTGGGCCGGC ATGGGGCCCG GCATGGCCCC GAGCCTGATG CGGCGCCTAG 2030 ACCAGGGCGA AGCGGGCCTC GAGGGCCGGA AGGTCCGCCT CCAGGAAGCG GAGGCGGGCC 2090 TCGGCGTTCA GGGGAAGGGC CTTGGGCAGG GCCACCTGGG CGGAAAGCCC GAGCTC 2146
【図面の簡単な説明】
【図1】pTID3ベクターの構成を示す模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12N 9/04 C12R 1:19) (56)参考文献 特開 昭62−166890(JP,A) 特開 昭63−214189(JP,A) Biochimica et Bio physica Acta.Vol. 990(1989),p.133−137 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12N 1/00 - 1/38 C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソクエン酸脱水素酵素を含むポリペプ
    チドのアミノ酸配列をコードしている配列表の配列番号
    1に記載された塩基配列を有するDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAを含有する組み換
    えベクター。
  3. 【請求項3】 宿主細胞を請求項2記載の組み換えベク
    ターで形質転換した形質転換体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の形質転換体を培養して、
    イソクエン酸脱水素酵素を産生させ、次いで該イソクエ
    ン酸脱水素酵素を採取することを特徴とするイソクエン
    酸脱水素酵素の製造法。
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