JP2972903B2 - ジペプチドの製造法 - Google Patents

ジペプチドの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパク質分解酵素の
逆反応を利用してアミノ酸からジペプチドを製造する方
法に関し、特に基質の流失を防いで効率的な反応を行う
ことの可能なジペプチドの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンパク質分解酵素の逆反応を利用した
ペプチド合成において、酵素による合成反応平衡は低い
ため、生成物を効率よく反応系外に取り出すことで見掛
上の平衡を合成側にシフトさせる方法がとられている。
【0003】上述の酵素によるペプチド合成法としては
沈殿法、微水系反応法、二相系反応法等が知られてい
る。このうち沈殿法は、水溶性基質から水不溶性生成物
を合成する場合に用いられる。このような沈殿法の例と
しては、平田らが二相系で行った沈殿ろ過による連続合
成に関する、化学工学会第20回秋期大会研究発表講演
要旨集(1987年、343頁)の報告がある。
【0004】また微水系反応法は、系内の水量を制限す
ることにより、逆反応である加水分解反応を抑制しよう
とするものである。特開平2−39895号公報には、
この微水系反応法を用いたジペプチドの連続製造法が記
載されている。また小山らはメソッズ・イン・エンザイ
モロジー(Methods in Enzymology;1987 Vol.136 p503-
516)に酵素固定化カラムを用いたジペプチドの製造法
を報告している。
【0005】二相系反応法は水相で酵素反応を行い、有
機相に生成物を抽出する方法であり、生成物側へ平衡を
移動させて純度を向上させることが可能である。例えば
平田らは化学工学論文集17巻3号(1991年、58
6−588頁)においてソルベントリフト型リアクター
を用いた半連続の製造法を報告している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の沈殿法は、生成
物が沈殿するため高純度の生成物を得ることができるが
連続化は困難である。また、沈殿物と酵素とが複合体を
形成することにより、酵素が系外へ漏出するため酵素の
再利用も困難である。
【0007】また微水系反応法については、一般に生成
物の反応平衡度が低いため純度を高めることが困難であ
り、更に有機溶媒中に存在する酵素の安定性にも問題が
ある。上記特開平2−39895号公報においては、カ
ルボキシル基保護の基質Bの濃度をアミノ基保護の基質
Aの濃度よりも高くすることによって基質Aに関しては
高い転換率を得ているが、反応液中の過剰の基質Bにつ
いては再利用ができていない。また前記小山の方法にお
いては、有機溶媒が酵素を失活させる問題が未解決であ
る。
【0008】更に二相系反応法は、前記のように酵素を
触媒とした基質Aと基質Bとの反応を水相で行い、生成
したジペプチドを有機相へ抽出させる方法であるため、
反応生成物が除去される水相においては、平衡を保つた
めに更に反応が進行する理想的なものである。しかしこ
の方法には、ジペプチドと共に基質Bの一部も有機相へ
抽出されるという問題があり、このため有機相から高純
度のジペプチドを得ることは困難である。前記平田らの
報告においてもこの問題は解決されていない。また基質
Bは流失による現象を考慮して、基質Aに比較して高濃
度で反応系に供給されるため、前記有機相への流出によ
る損失量は膨大となる。更に、浮遊する酵素についても
エマルションの形で有機相に巻き込まれるために、この
有機相の取り出しに伴って酵素の一部が漏出してしまう
という難点もあった。
【0009】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、有機相に抽出される前記基質Bを回収して利用
効率を高めることにより、生成物への転換率を高め、ま
た高純度の生成物を得、更に酵素の漏出も防止すること
の可能なジペプチドの製造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、リジン(Lys)、ヒスチジン(Hi
s)、アルギニン(Arg)、オルニチン(Orn)、
アスパラギン酸(Asp)及びグルタミン酸(Glu)
の群(I群)から選ばれるアミノ酸であって、そのアミ
ノ基が保護基によって保護されたアミノ酸(基質A)
と、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン
(Leu)、イソロイシン(Ile)、メチオニン(M
et)、トリプトファン(Trp)、フェニルアラニン
(Phe)、プロリン(Pro)、グリシン(Gl
y)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、シス
テイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン
(Asn)、グルタミン(Gln)、Lys、His、
Arg、Orn、Asp及びGluの群(II群)から
選ばれるアミノ酸であって、そのカルボキシル基がアル
キルエステル化(但し、このアルキルは炭素数1乃至4
である。)されたアミノ酸(基質B)との組合わせ、又
は前記II群から選ばれるアミノ酸であって、そのアミ
ノ基が保護基によって保護されたアミノ酸(基質A)
と、前記I群から選ばれるアミノ酸であって、そのカル
ボキシル基が前記条件のアルキルエステル化されたアミ
ノ酸(基質B)との組合わせを、二相系の反応槽中で酵
素触媒により反応させるジペプチドの製造法において、
前記反応槽の反応液を水相、及び水と混和しない有機溶
媒からなる有機相の二相から構成し、これら水相又は有
機相のいずれかに前記基質A、基質B及び酵素を供給し
てジペプチドを合成し、この合成されたジペプチドが主
として含有される前記有機相を構成する溶液を、水性の
抽出相を有する抽出槽へ導入し、この導入した溶液から
抽出相へジペプチドを抽出し、抽出後の溶液は前記反応
槽へ戻し、且つ前記反応槽及び/又は抽出槽中の水相及
び有機相が、限外ろ過膜又は低阻止率逆浸透膜を介して
接触するようにする。
【0011】本発明に係る前記基質Aは例えばアミノ基
を保護されたアスパラギン酸であり、また前記基質Bは
例えばフェニルアラニンのアルキルエステル(但し、こ
のアルキルは炭素数1乃至4である。)である。
【0012】
【0013】本発明は上述の二相系反応法に属する連続
式、回分式のどちらにも適用可能な製造法であり、生成
物の純度を上げ、且つ前記基質Bの有機相への流失を防
ぐために反応槽の他に抽出槽を設けたことを特徴として
いる。即ち、反応槽の有機相から直接ジペプチドを取り
出さず、抽出槽において再度水性の抽出相へ移動させ、
有機相中に溶解している基質Bと分離した後に取り出
す。従って、この抽出相から得られるジペプチドは高純
度である。またジペプチドを除去した基質Bを含有する
有機相の溶液は前記反応槽に戻すため、基質Bを無駄に
することもなくその使用量を減らすことができる。な
お、本発明に係る上記反応層及び抽出槽中の水系の相の
pHは、生成するジペプチドの有する側鎖解離基の種類
によって適宜調整する。
【0014】加えて、反応槽及び/又は抽出槽中の水相
及び有機相を限外ろ過膜又は低阻止率逆浸透膜を介して
接触させることによって、浮遊酵素がエマルションの形
で有機相に巻き込まれることを防止することができる。
【0015】図1に本発明の製造法の一例を示す。同図
において、反応槽1は水相2及び水と混和しない有機溶
媒からなる有機相3を擁している。そしてこの水相2は
反応性を良好にするために循環されており、この循環系
4には基質A及び基質Bを供給する手段が設けてある。
また触媒となる酵素は水相2中に予め分散させるか又は
基質A、Bと共に供給される。一方、抽出槽5は、水性
の抽出相6及び前記有機相3から流入する有機溶媒から
なる有機相7を擁している。そして有機相7の溶液流出
口8は有機相3の流入口9へ連結されている。
【0016】図1において、循環系4を通じて反応槽1
の水相2へ供給された基質A及び基質Bは酵素触媒によ
り水相2内で反応して下記の平衡状態となる。 基質A+基質B←→ジペプチド そしてここで形成されたジペプチドは有機相3へ移行す
るが、同時に基質Bの一部も移行する。なお、触媒も一
部有機相3に巻き込まれるが、水相2と有機相3との間
に前記限外ろ過膜又は低阻止率逆浸透膜を設けることに
よってこれを阻止することが可能である。
【0017】上記のジペプチド、基質B(及び上記膜を
設けない場合は酵素)の一部を含有する有機相3の溶液
は抽出槽5の有機相7へ送られる。この抽出槽5におい
ては、抽出相6のpHを前記水相2のpHと異なる値に
設定してあるため、有機相7に含まれるジペプチドのみ
が抽出相6へ移行し、基質B(及び酵素)は残留する。
そしてこの基質B(及び酵素)を含有する有機相7の溶
液は有機相3へ戻されて再利用される。なお、前記膜に
ついては、反応槽1に設けなかった場合にはこの抽出槽
5に設けてもよく、反応槽1及び抽出槽5の両方に設け
てもよい。また、反応槽1及び抽出槽5における反応或
いは抽出の温度は、20〜80℃とすることが好まし
い。
【0018】生成物であるジペプチドは、抽出相6のジ
ペプチドを含有する水性液を取り出し、必要に応じて酸
分解等によって保護基をはずし、再結晶等で精製して高
純度の結晶として析出させる。
【0019】本発明の製造法に使用できる基質Aは、前
記のアミノ基を保護されたアミノ酸であり、この保護基
としては、ペプチド合成反応に慣用される例えばジフェ
ニルメチル基、トリフェニルメチル基、芳香族基及び脂
肪族オキシカルボニル基が挙げられ、これらはハロゲ
ン、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基等に
よって置換されていてもよい。その他、ファルマシアレ
ビューNo,3(日本薬学会、1980年)の第31
頁、表1に記載される保護基も好適に使用できるが、最
も好ましい保護基はベンジルオキシカルボニル基であ
る。
【0020】また基質Bとしては、前記のカルボキシル
基がアルキルエステル化(但し、このアルキルは炭素数
1〜4である。)されたアミノ酸である。1モルの基質
Aに対する基質Bの添加モル数は1〜5、好ましくは1
〜2である。このモル数が1未満では基質Bが蓄積し、
また5を超えると基質Bの系外流出が著しくなるため本
発明の目的を達成できないことがある。
【0021】触媒として使用する酵素としては、メタロ
プロティナーゼの一種であるサーモライシンが好適に使
用できるが、その他の酵素の例を挙げれば、Staphyloco
ccalプロティナーゼ(EC 3.4.21)、パパイン(EC 3.4.
22.2)がある。
【0022】前記水相2及び抽出相6には、例えば0.
05モル酢酸緩衝液等、公知の緩衝液を用いて各相のp
Hを調整することができる。また有機相3に使用する有
機溶媒としては、水に殆ど溶解しないものであればどの
ようなものでもよいが、例えばアスパルテーム等の食用
ジペプチドを製造する場合には、食品添加物として認可
されている酢酸エチルを使用することが好ましい。
【0023】本発明に係る反応槽1及び抽出槽5として
は、共に図2に示すような形式の装置を使用することが
できる。同図(a)は攪拌槽型装置の模式図を示したも
のであり、水相及び有機相は攪拌槽10内では攪拌羽根
11によってミキシングされる。そしてこの混合液が分
離槽12に移送されて分離され、水相13の水溶液は攪
拌槽10に戻され、有機相14の有機溶液は先の工程に
送られる。なお、分離槽12における水相13及び有機
相14は各相を構成する水(若しくは緩衝液)及び有機
溶媒の比重次第で上下が逆転する場合があるが、いずれ
にしても水相を攪拌槽10に戻す。
【0024】また同図(b)はソルベントリフト型装置
の模式図示したものであり、例えば水より比重の小さい
有機溶媒を用いる時は、抽出塔15内に水(若しくは緩
衝液)を仕込み、塔底16の仕込口17から有機溶媒を
供給する。この際、邪魔板或いはパルス付与等によって
有機溶媒を小滴状としておく。この有機溶媒は比重差に
よって塔内の水相18中を上昇し塔頂19に達する。分
配はこの上昇中に両液の接触により生ずるため、分配後
の有機溶媒を塔頂19から取り出すことができる。
【0025】更に同図(c)は膜型装置の模式図を示し
たものであり、接触槽20内は限外ろ過膜或いは低阻止
率逆浸透膜等の膜21を介して有機相22及び水相23
が接触している。この装置を反応槽1として用いる場合
には、水相23側に各原料基質及び酵素を導入すること
が好ましい。なお、膜型装置は前記攪拌槽型に比較して
二相を分離する時間が不要であるという特徴がある。
【0026】上記膜型装置に使用する膜21は、疎水性
膜及び親水性膜のいずれも使用可能であるが、pH調整
の点で疎水性膜がより好ましい。即ち、疎水性の膜21
を用いると、膜の組織内には水性液が侵入し難いため、
例えば水相のpHを7に設定した場合に、膜組織内のp
Hが6.5となるようなpHの不一致あるいはpH値の
安定に時間が掛かる等の問題を軽減することができる。
【0027】上記3種の装置の特性を下記(表1)に示
す。反応槽1又は抽出槽5の一方或いは双方を膜型装置
とすると、浮遊酵素の漏出を抑えることができるため特
に好ましい。
【0028】
【表1】
【0029】
【作用】本発明の製造法は、有機相から生成物であるジ
ペプチドを直接取り出さず、この有機相の溶液を抽出槽
へ移し、ジペプチドを再度水性の抽出相へ移動してから
取り出すため、有機相中に溶解している基質Bと製品で
あるジペプチドとを容易に分離することができる。また
ジペプチドを除去した基質Bを含有する溶液は前記反応
槽に戻すため、基質Bを無駄にすることもなくなる。
【0030】
【実施例】以下に本発明に基づく実施例を説明する。実施例 本実施例は生成物としてアスパルテーム(L-アスパルチ
ル-L-フェニルアラニンメチルエステル)を合成した例
である。反応槽1として膜型の装置を設置し、水相2用
の緩衝液(0.05モル酢酸緩衝液、pH5)中に、基
質Aとしてベンジルオキシカルボニル基でアミノ基を保
護したアスパラギン酸(試薬特級;和光純薬(株)製)
を5ミリモル、また基質Bとしてフェニルアラニンのメ
チルエステル(試薬特級;アルドリッヒ(Aldrich Chemi
cal Company Inc.)製)を同じく5ミリモル添加し、更
に触媒用の酵素としてサーモライシン(「サモアー
ゼ」;大和化成(株)製)を8Kg/m3用いて反応用
水溶液を調製した。また有機相形成用の有機溶媒として
酢酸エチルを用い、反応槽1の有機相3へ仕込んだ。そ
して上記反応用水溶液を1L/分の速度で供給、循環し
て水相2とし、また上記有機相3の酢酸エチルも1L/
分の速度で循環させた。
【0031】更に、上記反応槽1とは別に抽出槽5を設
置し、1規定の水酸化ナトリウムによってpH7に調製
した抽出液をこの抽出槽5の抽出相6に送液した。また
反応槽1の有機相3から流出した有機溶媒は抽出槽5の
有機相7に導入し、ここからの流出液は有機相3に戻す
ようにした。
【0032】上述の状態を24時間継続して平衡状態と
し、この時の各成分の濃度を下記(表2)に示した。本
実施例においては、基質Bの流失がないため、基質Aに
対して基質Bを過剰に添加する必要はなかった。また得
られたアスパルテームの純度は89.3%、基質を基準
としたアスパルテームへの転換率は94.4%、装置の
単位容積当たりの生産性は36モル/(m3・日)であっ
た。
【0033】
【表2】
【0034】比較例 ソルベントリフト型反応器を用いて、pHが約5.2の
水中に、基質Aを25ミリモル、基質Bを100ミリモ
ル、更にサーモライシンを20Kg/m3加えて調製し
た反応液を0.001L/分の速度で有機相に供給し
た。なお、上記基質A、基質B、サーモライシン及び有
機溶剤については実施例1と同様のものを使用した。
【0035】上述の状態を24時間継続して平衡状態と
なった時の各成分の濃度を下記(表3)に示した。得ら
れたアスパルテームの純度は17.6%、基質Aを基準
としたアスパルテームへの転換率は60.0%、装置の
単位容積当たりの生産性は80モル/(m3・日)であっ
た。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造法によ
れば、有機相から生成物であるジペプチドを直接取り出
さず、この有機相の溶液を抽出槽へ移し、ジペプチドを
再度水性の抽出相へ移動してから取り出すため、有機相
中に溶解している基質Bとジペプチドとを容易に分離す
ることができる。また、上記のような手段をとるため抽
出相から得られるジペプチドの純度は高くなる。更に、
上記ジペプチドを除去した基質Bを含有する有機相は、
前記反応槽に戻すため基質Bの無駄を防げ、その使用量
を減らすことができる。
【0038】加えて、反応槽及び/又は抽出槽中の水相
及び有機相を限外ろ過膜又は低阻止率逆浸透膜を介して
接触させることによって、浮遊酵素がエマルションの形
態で有機相に巻き込まれることを防ぎ、これにより酵素
再利用効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法の一例を示す模式図
【図2】本発明に係る(a)攪拌槽型装置、(b)ソル
ベントリフト型装置及び(c)膜型装置の各模式図
【符号の説明】
1…反応槽、2、13、23…水相、3、7、14、2
2…有機相、4…循環系、5…抽出槽、6…抽出相、1
0…攪拌槽、12…分離槽、15…抽出塔、18、20
…接触槽、21…膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 明 埼玉県越谷市越谷本町3−4 (72)発明者 礒野 康幸 茨城県稲敷郡茎崎町若葉1−8 コンド レアB−A (72)発明者 荒谷 弦一郎 東京都北区志茂5−27−7 山上荘 (56)参考文献 特開 平3−87195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/00 - 21/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Lys、His、Arg、Orn、As
    p及びGluの群(I群)から選ばれるアミノ酸であっ
    て、そのアミノ基が保護基によって保護されたアミノ酸
    (基質A)と、Ala、Val、Leu、Ile、Me
    t、Trp、Phe、Pro、Gly、Ser、Th
    r、Cys、Tyr、Asn、Gln、Lys、Hi
    s、Arg、Orn、Asp及びGluの群(II群)
    から選ばれるアミノ酸であって、そのカルボキシル基が
    アルキルエステル化(但し、このアルキルは炭素数1乃
    至4である。)されたアミノ酸(基質B)との組合わ
    せ、又は前記II群から選ばれるアミノ酸であって、そ
    のアミノ基が保護基によって保護されたアミノ酸(基質
    A)と、前記I群から選ばれるアミノ酸であって、その
    カルボキシル基が前記条件のアルキルエステル化された
    アミノ酸(基質B)との組合わせを、二相系の反応槽中
    で酵素触媒により反応させるジペプチドの製造法におい
    て、前記反応槽の反応液を水相、及び水と混和しない有
    機溶媒からなる有機相の二相から構成し、これら水相又
    は有機相のいずれかに前記基質A、基質B及び酵素を供
    給してジペプチドを合成し、この合成されたジペプチド
    が主として含有される前記有機相を構成する溶液を、水
    性の抽出相を有する抽出槽へ導入し、この導入した溶液
    から抽出相へジペプチドを抽出し、抽出後の溶液は前記
    反応槽へ戻し、且つ前記反応槽及び/又は抽出槽中の水
    相及び有機相が、限外ろ過膜又は低阻止率逆浸透膜を介
    して接触していることを特徴とするジペプチドの製造
    法。
  2. 【請求項2】 前記基質Aはアミノ基を保護されたアス
    パラギン酸であり、前記基質Bはフェニルアラニンのア
    ルキルエステル(但し、このアルキルは炭素数1乃至4
    である。)であることを特徴とする請求項1記載のジペ
    プチドの製造法。
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