JPWO2002029498A1 - 像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置に用いられ、未定着画像を熱定着させるための発熱源に電磁誘導加熱方式を用いた像加熱装置と、これを用いた画像形成装置に関する。
背景技術
電磁誘導を用いた像加熱装置が特開平2000−181258号公報および特開平2000−206813号公報に開示されている。
図27は、特開平2000−181258号公報に開示されている像加熱装置の断面図であり、図28は該像加熱装置に用いられる定着装置の移動機構を示す正面図である。図27において、101は誘導加熱によって発熱すると共に回転する加熱ローラ、102は加熱ローラ101に圧接する加圧ローラである。両ローラ101,102の間の圧接部を記録材(紙)105が通過することにより記録材105上の未定着像が定着される。103は加熱ローラ101の外周に配置され、高周波磁界を発生する励磁コイル、104は発熱量を調整する磁場遮蔽材である。
未定着のトナー像を担持する記録材105は、加熱ローラ101と加圧ローラとからなるニップ部へ搬送される。そして、加熱ローラ101の熱と、加圧ローラ102の圧力とにより記録材105上のトナー像が定着される。
磁場遮蔽材104は、図28に示すように記録材105の幅方向に複数の部分に分割されている。分割された磁場遮蔽材104は、JIS規格のA4用紙が縦方向に通過する際の通過範囲PA4Lに対応して配置された中央部のケース104aと、その両外側に配置されたケース104b、104cとの3つのケースに分けて収納されている。ケース104b、104cの各外側端の間隔はJIS規格のA4用紙が横方向に通過する際の通過範囲PA4T(PA4T>PA4L)に対応している。両外側のケース104b,104cは、外周にネジ溝が形成された軸106と、該ネジ溝に螺合する雌ねじを備えたスライド部分107とからなるケース移動機構108により上下に移動可能になっている。A4用紙が縦方向に連続して通過するときは、両外側のケース105b,105cを上方に待避させ、これらに収納された磁場遮蔽材104を励磁コイル103から遠ざける。これにより、ケース105b,105cに対向する部分において加熱ローラ101へ到達する磁束が弱まり、該部分での加熱ローラ101の温度上昇を抑えることができる。一方、A4用紙が横方向に通過するときは、両外側のケース105b,105cを下降させることにより、加熱ローラ101の発熱量を全幅にわたってほぼ均一にすることができる。
図29は、特開平2000−206831号公報に開示された画像形成装置の像加熱装置の誘導加熱回路の構成図である。磁性体コア201と誘導加熱コイル202とからなる3組の誘導加熱部が定着ローラ203に対向させて配置されている。中央の誘導加熱部には中央部誘導加熱電源205から電力が供給され、両端の誘導加熱部には端部誘導加熱電源207から電力が供給される。中央部と端部とにそれぞれ温度検出部TH1,TH2が設けられ、検出した温度に応じて各誘導加熱部への電力供給が制御される。これにより、定着ローラ203の中央部に比べて両端部での放熱が激しい時は、端部に対向する誘導加熱コイルにより多くの電力を投入し、幅の狭い用紙を通過させた時のように定着ローラ203の中央部で熱がより多く奪われる時は、端部に対向する誘導加熱コイルへの電力供給を少なくする。このようにして、定着ローラ203の軸方向の温度を均一に保つように構成されている。
しかしながら、特開2000−181258号公報に開示されている像加熱装置(図27,図28)には、以下のような課題がある。
まず、この構成では、励磁コイル103の内周部に磁性材よりなるコアが存在しないため、加熱ローラ101との磁気的結合が悪く、加熱ローラ101を所望する温度に誘導加熱するには大きな電流が必要であり、そのための励磁回路が高価となる。また、通過する用紙の幅に応じて磁場遮蔽材104を移動する構成のため、通過する用紙の種類が多いときは移動する磁場遮蔽材と移動しない磁場遮蔽材との組み合わせが多数になり、移動機構が複数個必要となり、複雑で高価な構成となる。更に磁場遮蔽材104を移動するための空間や、移動機構のための空間が必要となり、定着装置が大きくなり、ひいては画像形成装置全体が大きくなるといった課題を有している。
特開2000−206813号公報に開示されている像加熱装置(図29)には、以下のような課題がある。
まず、磁性体コア201と誘導加熱コイル202とからなる誘導加熱部及び誘導加熱電源をそれぞれ複数個必要とするため、高価になってしまう。しかも、通過する用紙のサイズに応じて誘導加熱部及び誘導加熱電源を設置する構成のため、用紙の種類が多い場合はコスト上昇は顕著になる。例えば、通過する用紙の最大サイズがJIS規格のA3サイズ、最小サイズが葉書サイズで、更にA4サイズ用紙やB5サイズ用紙については縦送りと横送りとを実現しようとすると、誘導加熱部は5から7個必要になり、一層高価になる。また、複数の誘導加熱電源を収納する空間が必要で装置が大型化するといった課題を有している。
発明の開示
本発明はこれら従来の像加熱装置の課題を解決し、発熱ローラを、通過する用紙の幅方向に均一に加熱することができる像加熱装置を提供することを目的とする。また、本発明は、簡単かつ低コストに、通過する用紙の幅に応じて発熱ローラの発熱量を制御することができる、小型かつ軽量の像加熱装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、このような像加熱装置を熱定着装置として備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために以下の構成とする。
本発明の第1の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、前記発熱部材の近傍に配置され、環状の磁束を発生して電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生した磁束を抑制することにより、前記発熱部材の発熱を抑制する発熱抑制手段とを備えたことを特徴とする。
かかる構成により、用紙の幅や発熱部材の温度に対応して幅方向の発熱量を任意の分布に調整することができる。従って、発熱部材を用紙の幅方向に均一に加熱することができる。
上記の第1の像加熱装置において、前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置された導電体を備え、前記導電体は前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導することが好ましい。これにより、簡単かつ低コストに発熱抑制手段を構成することができる。
ここで、前記励磁手段が発生した共通する環状の磁束に対して、複数の前記導電体が設けられていることが好ましい。これにより、発熱抑制手段の作用の調整範囲を拡大することができ、発熱部材の細かい温度調整が可能になる。
前記励磁手段は、前記発熱部材に対向して配置された励磁コイルと、磁性材からなるコアとを備えることが好ましい。これにより、発熱部材を効率よく発熱させることができる。
前記発熱抑制手段は、前記コアに巻回された付加コイルを備えることが好ましい。これにより、励磁手段と発熱抑制手段との磁気的結合が向上し、発熱抑制手段の作用を向上させることができる。また、小型で、簡単かつ低コストに発熱抑制手段を構成することができる。更に、コイルの線材や巻き方を変更することにより、発熱抑制効果を所望するように変更することが容易である。
次に、本発明の第2の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、励磁手段と、発熱抑制手段とを備える。発熱部材は、回転する円筒面を有する。励磁手段は、前記発熱部材に対向して配置された励磁コイル、及び磁性材からなるコアを有し、環状の磁束を発生して電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる。発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生した磁束を抑制することにより、前記発熱部材の発熱を抑制する。そして、前記励磁コイルは、線材を、前記発熱部材の前記円筒面の回転軸方向の端部ではその外周面に沿って、それ以外の部分では前記円筒面の母線方向に沿って、周回して形成されている。前記コアは、前記円筒面の回転方向において前記励磁コイルを覆うように、前記励磁コイルに対して前記発熱部材とは反対側に配置されている。前記コアは、前記励磁コイルを介して前記発熱部材と対向する透磁部と、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部とを備える。前記発熱抑制手段は、前記コアに巻回された付加コイルを備える。
かかる構成により、コアを通過する励磁コイルによる環状の磁束が抑制され、発熱部材の回転軸方向の温度が均一になる。また付加コイルの仕様を変更することにより、励磁手段が発生する磁束を抑制する程度を容易に任意に設定できる。
上記の像加熱装置において、前記付加コイルの両端が短絡されていることが好ましい。これにより、励磁手段が発生する環状の磁束が変化することにより、付加コイル内に誘導電流が発生し、これにより、該環状の磁束を抑制する磁束が生じる。その結果、付加コイルが設けられた部分に対応する発熱部材の部分の発熱を抑制することができる。
また、上記の像加熱装置において、前記発熱抑制手段は、さらに前記付加コイルに直列接続された断続手段を備えることが好ましい。これにより、用紙の幅や発熱部材の温度に対応して発熱部材の回転軸方向の発熱量を任意の時期に調整することができる。
前記付加コイルは前記透磁部に巻回されていることが好ましい。これにより、励磁手段と発熱抑制手段との磁気的結合が向上し、発熱抑制手段の作用を向上させることができる。また、小型で、簡単かつ低コストに発熱抑制手段を構成することができる。更に、コイルの線材や巻き方を変更することにより、発熱抑制効果を所望するように変更することが容易である。
前記コアは複数の前記透磁部を有し、複数の前記透磁部のうちの少なくとも一つに前記付加コイルが巻回されていることが好ましい。これにより、発熱部材の温度を全幅にわたって均一にすることができる。
前記コアの共通する前記透磁部に、複数の前記付加コイルが巻回されていることが好ましい。これにより、より調整範囲の広い、細かい温度調整が可能となる。
前記コアに一対の前記付加コイルが巻回されており、前記一対の付加コイルは相互に反対方向に巻回されていることが好ましい。これにより、コアの両側に設けた付加コイルがそれぞれ磁束を抑制するので、片側のみで抑制する場合に比べて発熱抑制効果が大きい。
前記コアに一対の前記付加コイルが巻回されており、前記一対の付加コイルと断続手段とが直列に接続されていることが好ましい。これにより、一つの開閉手段でコアに設けた一対の付加コイルの作用を切り換えることができる。
前記付加コイルは、表面を絶縁した線材を束ねた線束からなることが好ましい。これにより、付加コイルに高周波の交流電流が誘導された場合の電気抵抗が減少し、同一巻数でより大きな電流が得られて、より大きな磁束の抑制効果が得られる。
前記励磁コイルは、表面を絶縁した前記線材を束ねた線束からなることが好ましい。これにより、励磁コイルの電気抵抗が減少し、供給電力を効率よく発熱部材の発熱に変換させることができる。
前記励磁手段が発生した共通する環状の磁束に対して、複数の前記付加コイルが設けられていることが好ましい。これにより、発熱抑制手段の作用の調整範囲を拡大することができ、発熱部材の細かい温度調整が可能になる。
前記付加コイルが、最小の用紙通過範囲よりも外側に配置されていることが好ましい。これにより、小サイズの用紙を連続通紙した場合に、発熱部材の用紙通過範囲外の温度が上がりすぎることを防止できる。
前記付加コイルが、最小の用紙通過範囲よりも外側に複数配置されており、通過する用紙の幅に応じて前記断続手段を切り換えることが好ましい。これにより、通過させる用紙の幅に対応して発熱抑制手段を作用させることが可能になり、異なるサイズの用紙が通過しても、常に発熱部材の回転軸方向の温度を均一に保つことが可能となる。
さらに、温度検出装置を有し、前記温度検出装置が検出する温度に応じて、前記断続手段を切り換えることが好ましい。これにより、通過する用紙の幅を検知しなくても、常に発熱部材の回転軸方向の温度を均一に維持できる。
用紙が通過しないとき前記断続手段を非接続状態とし、用紙の通過が開始後に前記断続手段を接続状態に切り換えることが好ましい。これにより、発熱部材を回転軸方向に均一に加熱後、用紙幅あるいは温度に応じて断続手段を切り換えることにより、発熱部材の端部の過昇温を防止することができ、また、定着ムラを防止できる。
設定温度以下のとき前記断続手段を非接続状態とし、設定温度に到達後に前記断続手段を接続状態に切り換えることが好ましい。これにより、発熱部材を回転軸方向に均一に加熱後、用紙幅あるいは温度に応じて断続手段を切り換えることにより、発熱部材の端部の過昇温を防止することができ、また、定着ムラを防止できる。
設定温度以下のとき、通過する用紙の幅に応じて前記断続手段を切り換えることが好ましい。これにより、用紙幅に対応した部分をのみを加熱して、電力の削減と昇温時間の短縮とが図れる。
上記の第2の像加熱装置において、前記コアは略U字形状の複数のU字コアを備え、前記複数のU字コアは、前記発熱部材の円筒面を回転方向において覆うように、かつ、前記発熱部材の回転軸方向に相互に離間して、配置されていることが好ましい。これにより、コアの隙間から励磁コイルの放熱が可能であると同時に、コア自身の表面積が大きくなるのでコアからの放熱を促進することができ、コアやコイルの温度上昇を防止できる。
前記コアは、更に、前記複数のU字コアを、磁気的に接続する第2コア部を備え、前記第2コア部は、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部を有することが好ましい。これにより、励磁手段が発生する磁束を発熱部材の回転軸方向に分散させることができ、発熱部材の回転軸方向の発熱量を均一化することができる。
前記付加コイルは、前記複数のU字コアのうちの一部のU字コアにのみ巻回されていることが好ましい。これにより、発熱部材の温度を回転軸方向に均一にすることができる。
前記U字コアの略中央部が前記第2コア部に接続されていることが好ましい。これにより、各U字コアに2つの環状の磁束を発生させることができ、発熱部材を効率よく発熱させることができる。
前記U字コアが、前記発熱部材の回転軸方向に対して傾斜して配置されていることが好ましい。これにより、前記対向部の発熱部材の回転軸方向の位置を分散させ、また、前記対向部の該方向の間隔を狭くすることができるので、発熱部材の回転軸方向の温度ムラを低減できる。
あるいは、上記の第2の像加熱装置において、前記コアは略L字形状の複数のL字コアを備え、前記複数のL字コアは、前記発熱部材の円筒面を回転方向において覆うように、かつ、前記発熱部材の回転軸方向に相互に離間して、配置されていても良い。これにより、コアの隙間から励磁コイルの放熱が可能であると同時に、コア自身の表面積が大きくなるのでコアからの放熱を促進することができ、コアやコイルの温度上昇を防止できる。また、コア材料の削減により、小型化、軽量化、コスト削減が可能になる。また、放熱特性が向上するので、L字コアの、発熱部材の回転軸方向の配置間隔を狭くすることができ、その結果、該方向の温度ムラを低減できる。
前記コアは、更に、前記複数のL字コアを、磁気的に接続する第2コア部を備え、前記第2コア部は、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部を有することが好ましい。これにより、励磁手段が発生する磁束を発熱部材の回転軸方向に分散させることができ、発熱部材の回転軸方向の発熱量を均一化することができる。
前記付加コイルは、前記複数のL字コアのうちの一部のL字コアにのみ巻回されていることが好ましい。これにより、発熱部材の温度を回転軸方向に均一にすることができる。
前記L字コアの一方の端部が前記第2コア部に接続されていることが好ましい。これにより、各L字コアに一つの環状の磁束を発生させることができる。従って、L字コアに対向する部分とそれ以外の部分とで、発熱部材の発熱量の差を低減することができ、回転軸方向の温度ムラを低減できる。
前記L字コアは前記第2コア部に対して千鳥状に配置されていることが好ましい。これにより、放熱特性が向上するので、L字コアの、発熱部材の回転軸方向の配置間隔を狭くすることができ、その結果、該方向の温度ムラを低減できる。
前記コアの前記対向部に、前記発熱部材側に突出した凸部が設けられていることが好ましい。これにより、励磁手段と発熱部材との磁気的結合が向上し、発熱部材を効率よく発熱させることができる。
前記第2コア部の前記対向部に、前記発熱部材側に突出した凸部を有し、前記凸部が前記励磁コイルの巻回中心の中空部内に挿入されていることが好ましい。これにより、励磁手段と発熱部材との磁気的結合が向上し、発熱部材を効率よく発熱させることができる。
次に、本発明の第3の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段とを備える。そして、前記導電体内に発生する誘導電流が0近傍の時に前記断続手段を切り換える。
これにより、励磁手段への高周波電流により導電体内に誘起される同波形の電流がほぼ0の瞬間に断続手段を断続することができる。このため、断続手段で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段の断続による導電体での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
本発明の第4の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段とを備える。そして、前記導電体内に発生する誘導電圧が0近傍の時に前記断続手段を切り換えることを特徴とする。
これにより、励磁手段への高周波電流により導電体内に誘起される同波形の電圧がほぼ0の瞬間に断続手段を断続することができる。このため、断続手段で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段の断続による導電体での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
上記において、前記断続手段の切り換え時には前記励磁手段に電流を印加しないことが好ましい。これにより、励磁手段への高周波電流により導電体内に誘起される同波形の電流または電圧が0の状態で断続手段を断続することができる。このため、断続手段で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段の断続による導電体での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
本発明の第5の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、時間的に変化する電流及び電圧を発生させる励磁電源と、前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流及び電圧を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段とを備える。そして、前記励磁手段に供給される電流又は電圧の変化に同期して前記断続手段を切り換える。
これにより、励磁手段への高周波電流により導電体内に誘起される同波形の電流または電圧がほぼ0の瞬間に断続手段を断続することができる。このため、断続手段部で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段の断続による導電体での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
本発明の第6の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段とを備える。そして、前記導電体が1回転を超えて周回された線材からなる。
これにより、磁束の抑制作用が大きくなり、温度分布の制御効果を大きくすることができる。導電体の周回数を増加させれば励磁手段による磁束を抑制する作用はさらに強められる。また、温度の不均一さに対応して周回数を変えることで、発熱部材の回転軸方向の温度均一性を調整することが可能である。
上記において、前記線材が2回転以上周回されており、その周回経路の少なくとも一部が互いに異なることが好ましい。これにより、単一の断続手段で複数の位置の磁束を制御することができる。これにより、より少ない断続手段でより細かい制御ができ、均一な温度分布を実現することができる。
前記線材が相互に離間して周回されていることが好ましい。これにより、少ない線材で導電体の設置範囲を大きくすることができ、この導電体の発熱抑制効果を増大させることができる。
本発明の第7の像加熱装置は、導電性の発熱部材と、時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段とを備える。そして、前記環状の磁束に沿った方向における前記導電体の長さが、前記環状の磁束に沿った方向に垂直な面内での前記導電体の厚さより大きい。
これにより、導電体の発熱抑制作用を十分に確保しながら、導電体を小型にして材料の使用量を低減することができる。
前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生した磁束とは反対向きの磁束を発生することにより、前記励磁手段が発生した磁束を抑制することが好ましい。
より具体的には、前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生した磁束により誘導起電力を生じさせ、電流を誘起させることにより、前記励磁手段が発生した磁束を打ち消す方向の磁束を生じさせることが好ましい。
これにより、簡単な方法で発熱部材の発熱を抑制することができ、用紙の幅や発熱部材の回転軸方向の温度分布に応じて、発熱部材の回転軸方向の発熱量を任意に制御できる。
前記導電体は、前記磁束が通過する中空部を備えることが好ましい。これにより、導電体の使用量を低減した小型の発熱抑制手段で、発熱分布の調整能力を確保することができる。
前記導電体が、巻回された線材からなることが好ましい。これにより、簡単かつ低コストに発熱抑制手段を構成することができる。また、線材や巻き方を変更することにより、発熱抑制効果を所望するように変更することが容易である。
あるいは、前記導電体が、巻回された帯状物であっても良い。これにより、発熱抑制手段の作成と取り付けが容易になる。
前記導電体の電気伝導率は1×107[S/m]以上であることが好ましい。これにより、導電体内に誘起される電流により導電体が発熱するのを防止できる。また、誘起される電流値が大きくなるので、大きな発熱抑制効果を得ることができる。
前記導電体の内側又は近傍に磁性材が設けられていることが好ましい。これにより、励磁手段と導電体との磁気的結合が強くなり、導電体内に誘起される電流による発熱抑制効果を向上させることができる。
前記磁性材の端部と前記導電体との間の前記環状の磁束に沿った距離が、前記導電体の前記環状の磁束に沿った長さより大きいことが好ましい。これにより、導電体の発熱抑制作用を大きくすることができる。
前記導電体が、これを貫通する前記環状の磁束に対して傾斜していることが好ましい。これにより、環状の磁束と直交する方向における、導電体による発熱抑制作用を連続的に変化させることができる。従って、さらに細かい発熱量制御が可能になり、所望する温度分布を実現することができる。
本発明の像加熱装置は、さらに、薄肉の定着ベルトと、前記発熱部材との間で前記定着ベルトを懸架する定着ローラとを備えていても良い。これにより、発熱部材及び定着ベルトのそれぞれの材質・厚さ等を独立して設定することができ、加熱・昇温・定着等のために最適な材料・厚さを設定することが可能になる。
次に、本発明の画像形成装置は、被記録材に未定着画像を形成し担持させる画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に熱定着させる熱定着装置とを有する画像形成装置であって、前記熱定着装置が上記の本発明の像加熱装置であることを特徴とする。これにより、簡単な構成で、多様なサイズの被記録材に対応することができる、低コスト、小型、軽量の画像形成装置を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の像加熱装置の断面図、図2は図1の矢印E方向からみた発熱部の構成図、図3は図2のIII−III線(発熱ローラ1の回転中心軸と、励磁コイル3の巻回中心軸とを含む面)での発熱部の矢視断面図である。
1は発熱部材としての発熱ローラであり、図示しない軸受で図示しない支持側板に回転可能に支持されている。発熱ローラ1は、図示しない装置本体の駆動機構によって回転駆動される。発熱ローラ1は厚さ0.5mmの鉄・ニッケル・クロムの合金からなる磁性材料で構成され、そのキュリー点が300℃以上になるように調整されて製造されている。
発熱ローラ1の表面には離型性を付与するため、フッ素樹脂の厚さ20μmの離型層を設けている。離型層はPTFE(四フッ化エチレン)、PFA(四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、シリコンゴム、フッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるいは混合して被覆してもよい。モノクロ画像の定着用として用いる場合は離型性のみを確保すればよいが、カラー画像の定着用として用いる場合には弾性を付与するのが望ましく、その場合にはさらに厚いゴム層を形成することが好ましい。
2は加圧手段としての加圧ローラであり、硬度がJIS A65度のシリコンゴムで構成され、所定の押圧力(例えば200N)で発熱ローラ1に圧接してニップ部を形成している。その状態で加圧ローラ2は発熱ローラ1の回転により従動回転する。加圧ローラ2の材質は発熱ローラ1と同じ又は別のフッ素樹脂、フッ素ゴム等の耐熱性樹脂やゴムで構成しても良い。また加圧ローラ2の表面には耐摩耗性や離型性を高めるために、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴムを単独であるいは混合して被覆してもよい。また、熱の放散を防ぐため、加圧ローラ2は熱伝導性の小さい材料で構成されることが望ましい。
3は発熱ローラ1の外周の円筒面に対向して配置された、励磁手段を構成する励磁コイルであり、表面を絶縁した外径0.15mmの銅線からなる線材を60本束ねた線束を9回周回して形成されている。線束の断面積は素線の絶縁被覆を含めて約7mm2である。
励磁コイル3の線束は、発熱ローラ1の円筒面の回転軸(図示せず)方向の端部ではその外周面に沿って円弧状に配置され、それ以外の部分では該円筒面の母線方向に沿って配置されている。発熱ローラ1の回転中心軸と直交する断面図である図1に示すように、励磁コイル3の線束は、発熱ローラ1の円筒面を覆うように、発熱ローラ1の回転中心軸を中心軸とする仮想の円筒面上に、重ねることなく(但し、発熱ローラ1の端部を除く)密着して配置されている。また、発熱ローラ1の回転中心軸を含む断面図である図3に示すように、発熱ローラ1の端部に対向する部分では、励磁コイル3の線束を2列に並べて積み重ねて盛り上がっている。従って、励磁コイル3は、全体として鞍の様な形状に形成されている。ここで、励磁コイル3の巻回中心軸3aは、発熱ローラ1の回転中心軸と略直交し、発熱ローラ1の回転軸方向の略中心点を通る直線であり、励磁コイル3は該巻回中心軸3aに対してほぼ対称に形成されている。線束は表面の接着剤により互いに接着され、図示した形状を保っている。励磁コイル3は発熱ローラ1の外周面から約2mmの間隔を設けて対向している。図1の断面図において、励磁コイル3が発熱ローラ1の外周面と対向する角度範囲は、発熱ローラ1の回転中心軸に対して約180度と広い範囲である。
4は背面コアであり、励磁コイル3に対して発熱ローラ1とは反対側に、励磁コイル3と離間して配置される。図1に示すように、背面コア4は、発熱ローラ1の回転軸と励磁コイル3の巻回中心軸3aとを含む面に対して略対称な、U字状である。このような背面コア(U字コア)4は、図2,図3に示すように、発熱ローラ1の回転軸方向に離間して複数個配置されている。本例では、背面コア4の、発熱ローラ1の回転軸方向の幅は10mmで、このような背面コア4が26mm間隔で合計7個配置されている。背面コア4は、励磁コイル3からの外部に漏れる磁束を捕捉する。
図1に示すように、各背面コア4のU字状の両先端部および中央部には、励磁コイル3を介さずに発熱ローラ1と対向する対向部Fが形成されている。一方、対向部Fとは異なり、背面コア4の、励磁コイル3を介して発熱ローラ1と対向する部分を透磁部Tと呼ぶ。本例では、1つの背面コア4は、3つの対向部Fと2つの透磁部Tとを、中央に対して対称に備えている。なお、3つの対向部Fのうち、中央部の対向部をFc、両端部の対向部をFeと呼び、区別する。
背面コア4の材料として、例えばフェライトを用いることができる。背面コア4の材料としては、フェライトやパーマロイ等の高透磁率で抵抗率の高い材料が望ましいが、透磁率が多少低くても磁性材であれば用いることができる。
7は付加コイルであり、表面を絶縁した外径0.1mmの銅線からなる線材を20本束ねた線束を、図1に示すように、背面コア4の両側の透磁部Tにそれぞれ2回巻き付けてある。図2に示すように、背面コア4に設けられた一対の付加コイル7の線材の巻回方向は相互に逆向きである。また、付加コイル7は、両外側から3番目に位置する2つの背面コア4aのみに設けられる。該背面コア4aは発熱ローラ1の回転軸方向の中央部に対して略対称の位置に配置される。各付加コイル7は、その両端を短絡されて、発熱抑制手段8を構成している。なお、以下の説明において、背面コア4のうち、付加コイル7を設けた背面コアを、これを設けていない背面コアと特に区別する必要があるときは、符号「4a」を用いる。
9は厚さが1mmで、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱温度の高い樹脂からなる断熱部材である。
励磁コイル3には電圧共振形インバータである励磁回路10から30kHzの交流電流が印加される。励磁コイル3に印加される交流電流は、発熱ローラ1の表面に接触させて保持された温度センサ11により得られる温度信号に基づいて、発熱ローラ1の表面が所定の定着設定温度である摂氏170度になるように制御される。
本実施の形態では、最大用紙幅として、JIS規格のA4用紙を縦向きに通過させる場合を想定している。従って、該A4用紙の短辺幅(210mm)を考慮して、発熱ローラ1の長さは260mm、最も外側に配置された2つの背面コア4の最外端の間隔は226mm、励磁コイル3の両最外端間の幅は245mm、断熱部材9の幅は250mmである。
以上のように構成された熱定着装置を有する画像形成装置においては、図示しない画像形成手段により、記録紙(被記録材、以下「用紙」という場合もある)12の表面に未定着のトナー像を形成した後、図1に示すように、該記録紙12を矢印Aの方向から突入させ、記録紙12上のトナー13を定着させることにより、記録画像が得られる。
本実施の形態では、上記の励磁コイル3が電磁誘導により、発熱ローラ1を発熱させる。以下にその作用を図4を用いて説明する。
励磁回路10からの交流電流により励磁コイル3により生じた磁束Mは背面コア4の先端部の対向部Feから発熱ローラ1へ入り、発熱ローラ1の磁性のため、図の破線Mに示すように発熱ローラ1内を円周方向に通過する。そして、発熱ローラ1との対向部Fcから背面コア4に入り、透磁部Tを経て先端部の対向部Feに至る。各背面コア4ごとにこのような環状の磁束Mが対称に一対形成される。一対の磁束Mの向きは互いに逆向きである。該磁束Mは、励磁回路10の交流電流により生成消滅を繰り返す。この磁束Mの変化により発生する誘導電流は、表皮効果によってほとんど発熱ローラ1の表面にのみ流れ、ジュール熱を発生させる。
本実施の形態では、図2に示すように幅の狭い背面コア4を均等な間隔を設けて発熱ローラ1の回転軸方向に複数個配列している。背面コア4を設けるのみでは、励磁コイル3の背面側(励磁コイル3に対して発熱ローラ1とは反対側)で円周方向に流れる磁束は背面コア4に集中し、隣り合う背面コア4の間の空気中にはほとんど流れない。このため、発熱ローラ1に入る磁束は背面コア4と対向する部分に集中しやすい。従って、発熱ローラ1の発熱量は、背面コア4との対向部で大きくなる傾向がある。
次に、付加コイル7の作用について図5を用いて説明する。励磁コイル3に通電されたある瞬間を捉えると、励磁コイル3による矢印方向の一対の磁束Mが発生している。この磁束Mが背面コア4a内を通過すると、磁束Mの経路の途中の背面コア4aの外周に巻回された付加コイル7には、磁束Mの変化により誘導起電力が発生する。付加コイル7の両端は短絡されているから、その誘導起電力により付加コイル7には磁束Mと鎖交するループ状の誘導電流が発生する。該電流により背面コア4a内に磁束Mの向きとは反対向き(即ち、磁束Mを打ち消す向き)の磁束Pが生じる。
背面コア4aに巻回された一対の付加コイル7は、既述のように相互に逆方向に巻回されている。従って、一対の付加コイル7によって発生された各磁束Pは、対応する一対の磁束Mの向きに対していずれも反対向きである。その結果、図5において、背面コア4aの左右にそれぞれ発生した磁束Mは、左右の付加コイル7に生じた誘導起電力による磁束Pによりそれぞれ抑制される。従って、付加コイル7を設けた背面コア4a内の磁束Mは、付加コイル7を設けていない背面コア4内の磁束Mよりも小さくなる。よって、発熱ローラ1の回転軸方向において、付加コイル7を設けた背面コア4aに対向する部分の発熱量は、付加コイル7を設けていない背面コア4に対向する部分の発熱量よりも小さくなる。
発熱ローラ1の両端部の温度は、図示しない軸受部等による伝熱によって熱を奪われるため低くなりがちである。本実施の形態では、回転軸方向に配置された7つの背面コアのうち、中央部に近い2つの背面コア4aに付加コイル7を設けている(図2)。これにより、発熱ローラ1の中央部の発熱量が抑えられる。その結果、発熱ローラ1の全幅にわたって均一な温度が得られる。
付加コイル7として素線を20本束ねた線束を使用しており、付加コイル7の高周波の交流に対する電気抵抗が小さいため、大きな誘導電流が得られて、大きな磁束の抑制作用が得られる。
一般に、付加コイル7に使用する線束としては外径φ0.1mm〜0.5mmの素線を、1本から50本を束ねたものを使用することができる。素線の外径が0.1mm未満では、機械的な負荷により断線するおそれがある。逆に素線の外径が0.5mmを超えると、高周波の交流に対する電気抵抗が大きくなり、付加コイル7の発熱が過大になるおそれがある。線束を構成する素線の本数が多い場合には、線束が太くなり任意の形状に付加コイル7を巻くことが困難で、かつ所定の空間内で所定の効果を得ることが困難になる。おおむね、線束の外径を2mm以下とすることにより、これらの条件を満たすことができる。
本実施の形態では、付加コイル7を背面コア4に2回周回させているが、2巻目は短絡させるため引き出しており、磁気回路的に有効な巻数は1から1.5巻である。この巻数を増加させれば励磁コイル3による磁束Mを抑制する作用をさらに強めることができる。従って、発熱ローラ1の回転軸方向の温度の不均一さの程度に応じて、巻数を変えて発熱ローラ1の回転軸方向の温度均一性を調整することが可能である。
本実施の形態では、付加コイル7として、外径0.1mmの線材を20本束ねた線束を使用したが、線束を構成する素線の本数を増減しても付加コイル7による磁束Mの抑制作用を増減することが可能である。さらに、素線を束ねた線束を使用したが、単線(例えば、表面を絶縁した外径0.5mmの銅線)を使用し、巻数を多くしても同様の作用が得られる。
本実施の形態によれば、励磁コイル3の線束を互いに密着させて周回させているので、磁束が線束の間を通過しない。さらに、発熱ローラ1の円周方向に約180度に渡って励磁コイル3が対向しているので、発熱ローラ1の広い範囲を磁束Mが円周方向に貫通することになる。これにより、発熱ローラ1の広い範囲が発熱するので、コイル電流が小さく、発生する磁束が少なくても、所定の電力を投入することができる。
更に、発熱ローラ1内を通過せずに線束の間を通過する磁束がないので、励磁コイル3に与えた電磁エネルギーが漏れなく発熱ローラ1へ伝達される。このため、少ない電流で発熱ローラ1に所定の電力を効率よく投入することができる。さらに、線束を密着させることにより、励磁コイル3を小型化することができる。
また、励磁コイル3の全ての線束が発熱ローラ1の近傍に位置するため、コイル電流が発生させる磁束Mが発熱ローラ1へ効率よく伝達される。この磁束により発熱ローラ1に生じる渦電流は、コイル電流による磁界Mの変化をうち消すように流れる。コイル電流と発熱ローラ1に生じる渦電流とが近接しているので、打ち消し合う効果が大きく、全体の電流によって周辺空間に生じる磁界が抑制される。
励磁コイル3に使用する線束としては外径φ0.1mm〜0.3mmの素線を、50本から200本を束ねたものでも同様に構成することができる。素線の外径が0.01mm未満では、機械的な負荷により断線するおそれがある。逆に素線の外径が0.3mmを超えると、高周波の交流に対する電気抵抗が大きくなり、励磁コイル3の発熱が過大になるおそれがある。線束を構成する素線の本数が50本未満では断面積が小さいために電気抵抗が大きくなり、励磁コイル3の発熱が過大になる。逆に200本を超えると、線束が太くなり任意の形状に励磁コイル3を巻くことが困難で、かつ所定の空間内で所定の周回数を得ることが困難になる。おおむね、線束の外径を5mm以下とすることにより、これらの条件を満たすことができ、狭い空間内で励磁コイル3の巻数を多くすることができる。このため、小型の励磁コイル3を用いて必要な電力を発熱ローラ1へ投入することができる。
背面コア4を配設しているため、磁束が透磁率の低い空気中を通過するのは、発熱ローラ1と背面コア4の間隙部分(対向部F)だけである。このため、励磁コイル3のインダクタンスが増加するとともに、励磁コイル3によって発生する磁束Mがより多く発熱ローラ1へ導かれるので、発熱ローラ1と励磁コイル3との磁気的結合がよくなる。これにより、同じ電流でもより多くの電力を発熱ローラ1へ投入することができる。
また、励磁コイル3の背面側の磁束がほぼすべて背面コア4の内部を通過するので、磁束が更に後ろ側へ漏れることを防止できる。これにより、周辺の導電性部材の電磁誘導による発熱を防止できると同時に、不要な電磁波の放射を防止することができる。
また、励磁コイル3の背面の磁束がすべて背面コア4の内部を通過するので、背面コア4の透磁部Tに付加コイル7を設けることで、周方向に発熱ローラ1内を通過する磁束Mを抑制することができる。これにより、非常に小型の付加コイル7で発熱ローラ1の発熱分布の制御が可能である。
背面コア4の透磁部Tの磁束Mの方向に垂直な面での断面積は、励磁コイル3によって発生する磁束Mの密度が、背面コア4の材料の飽和磁束密度を越えないように設定している。より具体的には、磁束Mが最大時における磁束密度が、背面コア4の材料であるフェライトの飽和磁束密度の約80%となるようにしている。磁束Mが最大時での磁束密度の飽和磁束密度に対する割合は100%以下であれば良いが、実用的には50%から85%の範囲に設定することが望ましい。この割合が高すぎると、環境や部材のバラツキで磁束Mの密度が飽和磁束密度を越えてしまうことがある。この場合には磁束Mが背面コア4よりも後ろ側に流れ、周囲の部材を加熱してしまう。逆にこの割合が低すぎる場合には、高価なフェライトを必要以上に使用していることになるので、装置が高価なものになってしまう。
また、発熱ローラ1の回転軸方向において、同一サイズの複数の背面コア4が大きな均一距離を隔てて配置されているので、背面コア4、励磁コイル3、及び付加コイル7に熱が蓄積することがない。さらに背面コア4、励磁コイル3、及び付加コイル7の各外表面からの放熱を妨げるものが無い。このため、蓄熱による温度上昇により背面コア4の材料であるフェライトの飽和磁束密度が低下して、全体としての透磁率が急激に減少することを防止できる。また、励磁コイル3及び付加コイル7を構成する素線の絶縁被覆が熔解して素線同士が短絡することを防止できる。これらにより、安定して長時間発熱ローラ1を所定の温度に保つことができる。
また、励磁コイル3は、発熱ローラ1の回転軸方向の両端部において線束を重ねて形成されているので、該回転軸方向の制限された寸法の中で、より広い範囲に励磁コイル3を該回転軸方向に均一に配置することができる。これにより発熱ローラ1の回転軸方向における発熱分布を均一化できる。換言すれば、発熱ローラ1を回転軸方向に均一に発熱させることができる範囲を確保しながら、励磁コイル3の該方向の寸法を小さくできるので、装置全体を小型に構成することができる。
さらに本実施の形態では、発熱ローラ1の回転軸方向における寸法が小さいものから大きいものへ順に列記すると、最大用紙幅、最も外側の両背面コア4の最外端間隔、励磁コイル3の最外端間距離、断熱部材9の幅、発熱ローラ1の長さ、である。断熱部材9の幅が、励磁コイル3の幅や最も外側の両背面コア4の最外端間隔よりも大きい。このため、背面コア4は断熱部材9を介して発熱ローラ1と対向することになるので、背面コア4を発熱ローラ1に近接させても背面コア4の温度上昇を防止することができる。
また、励磁コイル3の幅が発熱ローラ1の長さよりも大きい場合には、図示しない側板などの発熱ローラ1の端部に配置された導電性部材中を磁束が通過する。このため、周囲の構成部材が発熱するとともに、発熱ローラ1へのエネルギーの伝達割合が減少してしまう。本実施の形態では、発熱ローラ1の長さが励磁コイル3の幅よりも大きいので、励磁コイル3から生じた磁束がほぼ全て発熱ローラ1へ到達する。これにより、励磁コイル3に与えた電磁エネルギーを効率よく発熱ローラ1へ伝達することができる。また、励磁コイル3の幅が発熱ローラ1よりも長いと、発熱ローラ1の端面から軸方向に磁束が通過し、発熱ローラ1の端面の渦電流密度が高くなる。この結果、端面の発熱が大きくなり過ぎるという問題も生じる。発熱ローラ1の長さを励磁コイル3の幅よりも大きくすることにより、このような問題の発生も防止できる。
背面コア4としては、上記のような略U字形の均一厚さのフェライトを複数個配列した構成に限定されない。例えば、発熱ローラ1の回転軸方向に連続した一体の背面コアに複数の孔を設けた構成としてもよい。また、複数のフェライトのブロックを、励磁コイル3の背面側にそれぞれ孤立して分布するように設置してもよい。
上記の説明では、発熱抑制手段を付加コイル7を用いて構成する例を説明したが、本発明の発明抑制手段は、励磁コイル3が発生する環状の磁束Mの経路の途中に配置された導電体であって、磁束Mによって磁束Mと鎖交するループ状の電流を誘導することができれば、付加コイル7に限定されない。
例えば、図6に示すように、付加コイル7の線材の外径と同等の厚さで、付加コイル7の設置範囲と同等の幅の薄肉の板金をループ状に形成した付加リング14を背面コア4の透磁部Tに配置してもよい。このような付加リング14を背面コア4に設けることにより、上述の付加コイル7と同様に、該背面コア4に対向する発熱ローラ1の部分の発熱量を抑制して温度分布を均一にする効果が得られる。更に、この構成では、コイルを複数回巻回する必要がないので、製造工程を簡略にできる。
さらに、発熱抑制手段の別の実施形態として、図7に示すように磁束Mが空気中を通過する空間(対向部Fe)に、非磁性の導電性材料からなる薄肉の板金15を断熱部材9に接着しても良く、この場合も上述と同様の発熱量を調整する効果が得られる。この構成では、上述した付加コイル7や付加リング14のように磁束Mが通過する中空部を板金15の内部に設ける必要はない。図7の矢印A方向から板金15と背面コア4を見た部分拡大図を図8に示す。この導電体である板金15を貫通する磁束Mの変化は、磁束Mの周囲にループ状の電流Iを誘起し、この電流Iによる磁束が励磁コイル3から生じる磁束Mをうち消すように作用する。従って、磁束Mと鎖交するループ状の電流Iの発生を妨げることがないように、板金15の外周端は外側に凸形状のループを構成することが望ましい。この例のように発熱抑制手段がコイル形状やリング形状でない構成では、コイルやリングを形成する必要がないので製造工程を更に簡略にできる。
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2の像加熱装置を熱定着装置として用いた画像形成装置の断面図である。図10は本発明の第2の実施の形態の像加熱装置の断面図、図11は図10において矢印G方向から見た発熱部の構成図、図12は図11のXII−XII線(発熱ローラ1の回転中心軸と、励磁コイル3の巻回中心軸3aとを含む面)での発熱部の矢視断面図である。第1の実施の形態と同一の作用を持つ部材には同一の符号を与え、それらについての重複する説明を省略し、以下にこの装置の構成と動作を説明する。
図9において、15は電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という)である。感光ドラム15は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器16によりマイナスの暗電位V0に一様に帯電される。17はレーザビームスキャナであり、画像情報の信号に対応したレーザビーム18を出力する。帯電された感光ドラム15の表面を、このレーザビーム18が走査し露光する。これにより、感光ドラム15の露光部分は電位絶対値が低下して明電位VLとなり、静電潜像が形成される。この潜像は現像器19の負帯電のトナーにより現像されて顕像化される。
現像器19は回転駆動される現像ローラ20を有する。現像ローラ20は、その外周面にトナーの薄層が形成され、感光ドラム15と対向している。現像ローラ20にはその絶対値が感光ドラム15の暗電位V0より小さく、明電位VLより大きな現像バイアス電圧が印加されている。
一方、給紙部21からは記録紙12が一枚ずつ給送され、一対のレジストローラ22の間を通過し、感光ドラム15と転写ローラ23とからなるニップ部へ、感光ドラム15の回転と同期した適切なタイミングで送られる。転写バイアス電圧の印加された転写ローラ23によって、感光ドラム15上のトナー像は記録紙12に順次転写される。記録紙12と分離後の感光ドラム15の外周面は、クリーニング装置24で転写残りトナー等の残留物を除去され、繰り返し次の作像に供される。
25は定着ガイドであり、転写後の記録紙12を熱定着装置26へ案内する。記録紙12は感光ドラム15から分離され、熱定着装置26へ搬送され、転写トナー像の定着が行われる。27は排紙ガイドであり、熱定着装置26を通過した記録紙12を装置外部へ案内する。記録紙を案内する定着ガイド25及び排紙ガイド27はABSなどの樹脂またはアルミニウムなどの非磁性の金属材料で構成されている。定着されて像が固定された記録紙12は排紙トレイ28へ排出される。
29は装置本体の底板であり、30は装置本体の天板、31は本体シャーシであり、これらは一体として装置本体の強度を担うものである。これらの強度部材は、磁性材料である鋼を基材として亜鉛メッキを施した材料で構成されいている。
32は冷却ファンであり、装置内に気流を発生させる。33はアルミなどの非磁性の材料からなるコイルカバーであり、熱定着装置26を構成する励磁コイル3の背面コア4を覆うように構成されている。
次に、上記熱定着装置26として使用される本実施の形態2の像加熱装置を詳細に説明する。
図10において、薄肉の定着ベルト36はエンドレスのベルトで、直径50mm、厚さ80μmである。定着ベルト36の基材はポリイミド樹脂からなり、この上に厚さ200μmのシリコンゴム層が設けられ、更にこの上に、表面に離型性を付与するため、厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が被覆してある。基材の材質としては耐熱性のあるポリイミドやフッ素樹脂等の他、電鋳で製作したニッケル等のごく薄い金属を用いることもできる。また、表面の離型層はPTFE、PFA、FEP、シリコンゴム、フッ素ゴム等の離型性の良好な樹脂やゴムを単独であるいは混合して被覆してもよい。モノクロ画像の定着用として用いる場合は離型性のみを確保すればよいが、カラー画像の定着用として用いる場合には弾性を付与するのが望ましく、その場合には上記のようにシリコンゴム層を形成することが好ましい。
発熱ローラ1は、図12に示すように、両端に嵌入されたベークライト等の熱伝導性の小さな耐熱樹脂で構成されたフランジ38とその中心を貫通する中心軸39とで支持され、図示しない軸受により図示しない支持側板に回転可能に支持されている。フランジ38には、定着ベルト36の蛇行を防止するために、発熱ローラ1の外径より大きな径を有するリブ38aが設けられている。発熱ローラ1は直径が20mmで、厚さ0.3mmの鉄・ニッケル・クロムの合金からなる磁性材料で構成され、そのキュリー点が300℃以上になるように調整されて製造されている。
励磁手段を構成する励磁コイル3は、実施の形態1で説明したのと同様に、表面を絶縁した外径0.15mmの銅線からなる線材を60本束ねた線束を9回周回して形成されている。線束の断面積は素線の絶縁被覆を含めて約7mm2である。
励磁コイル3の線束は、発熱ローラ1の円筒面の回転軸方向の端部ではその外周面に沿って円弧状に配置され、それ以外の部分では該円筒面の母線方向に沿って配置されている。発熱ローラ1の回転中心軸と直交する断面図である図10に示すように、励磁コイル3の線束は、発熱ローラ1の外周面に巻き付いた定着ベルト36を覆うように、発熱ローラ1の回転中心軸を中心軸とする仮想の円筒面上に、重ねることなく(但し、発熱ローラ1の端部を除く)密着して配置されている。また、発熱ローラ1の回転中心軸を含む断面図である図12に示すように、発熱ローラ1の端部に対向する部分では、励磁コイル3の線束を2列に並べて積み重ねて盛り上がっている。従って、励磁コイル3は、全体として鞍の様な形状に形成されている。ここで、励磁コイル3の巻回中心軸3aは、発熱ローラ1の回転中心軸と略直交し、発熱ローラ1の回転軸方向の略中心点を通る直線であり、励磁コイル3は該巻回中心軸3aに対してほぼ対称に形成されている。
4は背面コアであり、励磁コイル3の巻回中心軸3aを通り、発熱ローラ1の回転中心軸と平行に配置された棒状の中心コア(第2コア部)5と、励磁コイル3に対して発熱ローラ1とは反対側に、励磁コイル3と離間して配置された略U字状のU字コア6とからなる。中心コア5とU字コア6とは磁気的に接続されている。図10に示すように、U字コア6は、発熱ローラ1の回転中心軸と励磁コイル3の巻回中心軸3aとを含む面に対して略対称な、U字状である。このようなU字コア6は、図11,図12に示すように、発熱ローラ1の回転軸方向に離間して複数個配置されている。本例では、U字コア6の、発熱ローラ1の回転軸方向の幅は10mmで、このようなU字コア6が29mm間隔で合計9個配置されている。U字コア6は、励磁コイル3からの外部に漏れる磁束を捕捉する。
図10に示すように、各U字コア6の両先端は、励磁コイル3と対向しない範囲にまで延長され、励磁コイル3を介さずに発熱ローラ1と対向する対向部Fが形成されている。一方、対向部Fとは異なり、U字コア6の、励磁コイル3を介して発熱ローラ1と対向する部分を透磁部Tと呼ぶ。また、中心コア5は、励磁コイル3を介さずに発熱ローラ1と対向し、かつ、U字コア6よりも発熱ローラ1側に突出して対向部Nを形成している。突出した中心コア5の対向部Nは、励磁コイル3の巻回中心の中空部内に挿入されている。中心コア5の断面形状は4mm×10mmである。背面コア4の材料は、実施の形態1と同様である。
9は厚さが1mmで、PEEKやPPSなどの耐熱温度の高い樹脂からなる断熱部材である。
8は発熱抑制手段であり、U字コア6に配設してある付加コイル7と、その両端に接続された、例えば電気的なON/OFF接続を行うスイッチ又はリレーなどの断続手段40より構成されている。付加コイル7は表面を絶縁した外径0.1mmの銅線からなる線材を20本束ねた線束を、図10に示すように、U字コア6の両側の透磁部Tにそれぞれ2回巻き付けてある。U字コア6に設けられた一対の付加コイル7の線材の巻回方向は、図11に示すように相互に逆向きである。各付加コイル7の両端は断続手段40にそれぞれ接続されている。発熱抑制手段8は、図11に示すように、両外側の各3つのU字コア6a、6b、6cのみに設けられ、該U字コア6a、6b、6cは発熱ローラ1の回転軸方向の中央部に対して略対称の位置に配置される。なお、以下の説明において、U字コア6のうち、付加コイル7を設けたU字コアを、これを設けていないU字コアと特に区別する必要があるときは、添字「a」,「b」,「c」を付す。
励磁コイル3への交流電流の供給は上記の実施の形態1と同様である。励磁コイル3に印加される交流電流は、定着ベルト36の表面に接触させて保持された温度センサ11により得られる温度信号に基づいて、定着ベルト36の表面が所定の定着設定温度である摂氏190度になるように制御される。
図13に励磁回路10に用いられる1石式共振型インバータの基本回路を示す。商用電源24からの交流を整流回路23で整流し、インバータへ印加する。インバータではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子20のスイッチングと共振用コンデンサ22とにより、高周波電流が励磁コイル3へ印加される。21はダイオードである。
図10に示すように、定着ベルト36は、表面が低硬度(JIS A30度)の弾力性ある発泡体のシリコンゴムで構成された直径20mmの低熱伝導性の定着ローラ37と、発熱ローラ1との間に所定の張力をもって懸架され、矢印方向に回転移動可能となっている。
加圧手段としての加圧ローラ2は、定着ベルト36を介して定着ローラ37に対して所定の押圧力(例えば400N)で圧接してニップ部を形成している。
本実施の形態では、最大用紙幅として、JIS規格のA3用紙を縦向きに通過させる場合を想定している。従って、該A3用紙の短辺幅(297mm)を考慮して、定着ベルト36の幅は350mm、発熱ローラ1の長さは360mm、最も外側に配置された2つのU字コア6(U字コア6c)の最外端の間隔は322mm、励磁コイル3の両最外端間の幅は342mm、断熱部材9の幅は355mmである。
以上のように構成された熱定着装置に、表面に未定着のトナー像を担持する記録紙12を、図10に示したように矢印Bの方向から突入させ、記録紙12上のトナー13を定着させる。
上記の励磁コイル3、背面コア4及び発熱ローラ1の構成によって、励磁コイル3が電磁誘導により発熱ローラ1を発熱させる。以下にその作用を発熱部の断面図を示した図14を用いて説明する。
励磁回路10からの交流電流により励磁コイル3に生じた磁束MはU字コア6の先端部の対向部Fから発熱ローラ1へ入り、発熱ローラ1の磁性のため、図の破線Mに示すように発熱ローラ1内を円周方向に通過する。そして、発熱ローラ1と対向した対向部Nを通り中心コア5に入り、U字コア6の透磁部Tを経て先端部の対向部Fに至る。各U字コア6においてこのような環状の磁束Mが対称に一対形成される。一対の磁束Mの向きは互いに逆向きである。該磁束Mは、励磁回路10の交流電流により生成消滅を繰り返す。この磁束Mの変化により発生する誘導電流は、表皮効果によってほとんど発熱ローラ1の表面にのみ流れ、ジュール熱を発生させる。
本実施の形態では、図11に示すように幅の狭いU字コア6を均等な間隔を設けて発熱ローラ1の回転軸方向に複数個配列している。U字コア6を設けるのみでは、励磁コイル3の背面側(励磁コイル3に対して発熱ローラ1とは反対側)で円周方向に流れる磁束はU字コア6に集中し、隣り合うU字コア6の間の空気中にはほとんど流れない。このため、発熱ローラ1に入る磁束はU字コア6と対向する部分に集中しやすい。従って、発熱ローラ1の発熱量は、U字コア6との対向部で大きくなる傾向がある。
しかしながら、本実施の形態では、対向部Nを形成する中心コア5は、各U字コア6と磁気的に接続され、かつ、発熱ローラ1の回転軸方向と平行に連続して配置されている。従って、U字コア6の対向部Fから発熱ローラ1に入った磁束Mは発熱ローラ1内ではその回転軸方向にも流れる。よって、発熱ローラ1内を通過する磁束Mの回転軸方向の分布が均一化される。このため、発熱ローラ1の発熱量の回転軸方向の不均一さが緩和される。
次に、本実施の形態における発熱抑制手段8の作用について説明する。
まず最大幅の用紙を通過させる場合、即ち、JIS規格のA3用紙を縦方向に通過させる場合を説明する。この場合は、断続手段40を全て非接続状態(開状態)に設定する。この状態で励磁コイル3に通電すると、付加コイル7には励磁コイル3による磁束Mの変化により誘導起電力が発生するが、付加コイル7の両端が非接続状態のため誘導電流は流れない。従って、付加コイル7は、誘導起電力による磁束を発生させず、発熱ローラ1の発熱部のほぼ全域が回転軸方向に均一に加熱される。図11に示すように、A3用紙の通過範囲PA3Lに対して、最も両外側のU字コア6c,6cはその外側に、両外側から2番目のU字コア6b,6bはその内側に配置されている。通過するA3用紙がほぼ全幅にわたって熱を奪うため、励磁コイル3による磁束Mにより定着ベルト36の温度は幅方向に均一には保たれる。
次に、葉書(幅105mm)のような幅の狭い用紙を通過させる場合を説明する。図11に示すように、両外側の3対のU字コア6a,6b,6cは葉書の通過範囲PPCよりも外側に配置されている。この場合、両側のU字コア6a,6b、6cに配設した断続手段40を全て接続状態(閉状態)に切り換える。図14において、この状態で励磁コイル3に通電されたある瞬間を捉えると、U字コア6内には、励磁コイル3による矢印方向の一対の磁束Mが発生している。磁束Mの経路の途中のU字コア6の外周に巻回された付加コイル7には、磁束Mの変化により誘導起電力が発生する。付加コイル7の両端は接続されているから、その誘導起電力により付加コイル7には磁束Mと鎖交するループ状の誘導電流が発生する。該電流によりU字コア6内に磁束Mの向きとは反対向き(即ち、磁束Mを打ち消す向き)の磁束Pが生じる。この結果、付加コイル7を配設してあるU字コア6a,6b,6cを通過する磁束Mを減少させ、発熱ローラ1のこれらに対向する部分近傍の発熱量を抑制させる。本実施の形態では葉書の通過範囲PPCより外側のU字コア6a,6b,6cに付加コイル7を配設してある。従って、葉書に熱を奪われない、発熱ローラ1の両端部の発熱量を抑えることにより、該両端部の温度を中央部の温度とほとんど同じ温度に保つことができる。
図15は葉書を連続通過させた場合の、定着ベルト36の移動方向に垂直な方向(発熱ローラ1の回転軸方向と平行な方向)の温度分布を示し、縦軸は温度、横軸は定着ベルト36上の幅方向の位置(中央部を原点とする)を示す。実線は全ての断続手段を接続状態として、発熱抑制手段8を作動させた場合、破線は全ての断続手段を非接続状態として、発熱抑制手段8を作動させない場合を示す。発熱抑制手段8を作動させた場合(実線)、葉書の通過範囲PPCより外側の温度は該通過範囲PPC内の温度より僅かに低い温度になっている。発熱抑制手段8を作動させない場合(破線)、葉書の通過範囲PPCより外側の温度は該通過範囲PPC内の温度より遙かに高い温度になっており、定着ベルト36や軸受等の耐熱温度を超えて破損や劣化を生ずる。
JIS規格のA4用紙(短辺長さ210mm)を縦方向に通過させる場合を説明する。図11に示すように、A4用紙の通過範囲PA4Lに対して、両外側から2番目のU字コア6b,6bはその外側に、両外側から3番目のU字コア6a,6aはその内側に配置されている。従って、この場合は、両端の2対のU字コア6b,6cに配設した断続手段40を接続状態に切り換え、両外側から3番目のU字コア6aに配設した断続手段40を非接続状態に設定する。この状態で励磁コイル3に通電すると、発熱ローラ1のU字コア6b,6cに対向する部分近傍の発熱量が上記と同様に抑制される。用紙が通過せず、そのために用紙によって熱を奪われない部分の発熱ローラ1の発熱量を抑えることにより、最大用紙の通過範囲PA3Lにわたって定着ベルト36の温度を均一に保つことができる。
これにより、用紙に熱を奪われない両端部の温度が上がりすぎることによる、定着ベルト36や軸受などの部材が耐熱温度を超えて破損、劣化することを防止できる。さらに、小サイズ用紙を連続して通過させた直後に、最大サイズ用紙を通過させても、定着ベルト36は常に最大用紙通過範囲PA3Lにわたって温度が均一に維持されているので、ホットオフセットが生じることを防止できる。
本実施の形態では、断続手段40の切り換えは用紙の通過開始後に行なう。つまり、励磁コイル3への通電開始時や待機時には、断続手段40は全て非接続状態となっている。この構成により、通電開始時や待機時には、定着ベルト36は全幅にわたって均一に加熱される。そして通紙開始後に断続手段40を用紙幅に対応して切り換えて、端部の温度上昇を抑制し、通紙時も全幅にわたって均一な温度を得ている。
あるいは、励磁コイル3への通電開始時や待機時には、断続手段40は全て非接続状態とし、定着ベルト36が設定温度に昇温後に断続手段40を切り換える構成としても、同様に定着ベルト36の均一な温度が得られる。
さらに本実施の形態では、発熱ローラ1の回転軸方向における寸法が小さいものから大きいものへ順に列記すると、最大用紙幅、最も外側の両U字コア6(U字コア6c)の最外端間隔、励磁コイル3の最外端間距離、定着ベルト36の幅、断熱部材9の幅、発熱ローラ1の長さ、である。断熱部材9の幅が、励磁コイル3の幅や最も外側の両U字コア6の最外端間隔よりも大きい。このため、背面コア4は断熱部材9を介して発熱ローラ1及び定着ベルト36と対向することになるので、背面コア4を発熱ローラ1に近接させても背面コア4の温度上昇を防止することができる。また、冷却気流が定着ベルト36に接触して、定着ベルト36が冷却されることを防止できる。
また、図9に示すように、コイルカバー33を設けることにより、背面コア4の後ろ側にわずかに漏れる磁束や励磁コイル3から発生する高周波の電磁波が装置内外に伝搬することを防止できる。これにより、装置内外の電気回路が電磁ノイズにより誤動作することを防止できる。
さらに、このコイルカバー33と断熱部材9とに囲まれた空間を通風路として、冷却ファン32による空気流が流れる。このため、空気流が発熱ローラ1及び定着ベルト36を冷却することなく、励磁コイル3と背面コア4を冷却することができる。
また、装置本体の底板29、天板30、本体シャーシ31を構成する磁性部材は、励磁コイル3との間隔を最も近いものでも20mmとしている。これにより、背面コア4の内部を通過している磁束が対向部F及び対向部N以外の箇所から外側へ放射されて、シャーシ31などの磁性部材へ入射することを防止できる。これにより、装置の構成部材を無駄に加熱することなく、励磁コイル3に与えた電磁エネルギーを効率よく発熱ローラ1へ投入することができる。なお、励磁コイル3と装置本体を構成するシャーシ31などの磁性部材からなる強度部材との間隔は20mmとしたが、背面コア4とこれらの強度部材との間隔は、対向部F及び対向部Nにおける背面コア4と発熱ローラ1との間隔以上、望ましくはその間隔の1.5倍以上であれば、背面コア4の外側への磁束の漏れを防止できる。本実施の形態では、熱定着装置26に最も接近せざるを得ない定着ガイド25及び排紙ガイド27を樹脂で構成しているので、背面コア4と他の磁性部材との間隔を大きく確保することが容易である。
また、発熱ローラ1が定着ベルト36の内側にあり、一方、励磁コイル3、背面コア4、付加コイル7は定着ベルト36の外側に設置されている。従って、外側の励磁コイル3等が発熱部から熱を受けて昇温しにくい。よって、発熱ローラ1の発熱量を安定に保つことができるとともに、背面コア4等の過昇温による発熱量の変化を防止することができる。
また、発熱ローラ1の断面積よりも大きな断面積の励磁コイル3を用いることができるので、熱容量の小さい発熱ローラ1に対して、巻き数が多い励磁コイル3と適当な量のフェライトからなる背面コア4とを組み合わせて用いることができる。このため、熱定着装置の熱容量を抑制しながら、所定の電流で大電力を投入することができる。これにより、励磁回路10のコストが安価で、昇温の早い熱定着装置を実現することができる。本実施の形態では、励磁回路10からの交流電流が実効値電圧140V(電圧振幅500V)、実効値電流22A(ピーク電流55A)で850Wの電力を得ることができる。
また、外側の励磁コイル3は発熱ローラ1の表面を発熱させるので、その表面に接触する定着ベルト36は発熱ローラ1の最も発熱量の大きい部分に接触することとなる。従って、最大発熱部が定着ベルト36への熱伝達部となり、発生した熱を発熱ローラ1内への伝導を少なくして定着ベルト36へ伝達することができる。熱伝達距離が小さいので、定着ベルト36の温度変動に対して応答の早い制御が可能である。
また、定着ベルト36の発熱ローラ1との接触部を通り過ぎた位置の近傍に温度センサ11を設けている。この部分の温度を一定に制御することによって、ニップ部に突入する定着ベルト36の温度を常に一定にすることができる。これにより、連続して通過する用紙の枚数に関わらず安定した定着が可能となる。
さらに、励磁コイル3及び背面コア4が発熱ローラ1の円筒面のほぼ半分を覆っているので、定着ベルト36と発熱ローラ1との接触部のほぼ全域が発熱する。このため、励磁コイル3から発熱ローラ1へ電磁誘導により伝達される加熱エネルギーをより多く定着ベルト36へ伝達することができる。
また、本実施の形態の構成では、発熱ローラ1と定着ベルト36の材質及び厚さ等は各々独立して設定できる。このため、発熱ローラ1の材質及び厚さは、励磁コイル3の電磁誘導による加熱を行うために最適な材料及び厚さを選ぶことができる。また、定着ベルト36の材質及び厚さは定着を行うために最適に設定できる。
本実施の形態では、ウォームアップ時間を短縮するという目的を達成するために、定着ベルト36の熱容量を極力小さく設定するとともに、発熱ローラ1の厚さと外径を小さくしてその熱容量を小さく設定している。このため、断続手段40が全て非接続状態のとき、投入電力850Wで、定着のための昇温の開始から約18秒で定着設定温度である摂氏190度にすることができる。また、断続手段40を全て接続状態のときは、励磁回路10の設定を上記と同一にした状態で、投入電力820Wで、昇温の開始から約15秒で定着設定温度である摂氏190度にすることができる。付加コイル7と断続手段40よりなる発熱抑制手段8を設け、用紙の幅に対応して、断続手段40を切り換えることにより、昇温対象範囲を狭くし、その範囲に集中して電力を投入することにより、上記のように、省電力とウォームアップ時間の短縮をはかれる。このように、励磁コイル3への通電開始時に、通過用紙幅に対応して断続手段40を切り換えることにより、昇温時間の短縮と電力の低減とが可能である。
また、本実施の形態では定着ベルト36の基材を樹脂で構成したが、これに代えてニッケルなどの導電性の強磁性金属を用いると、電磁誘導による発熱の一部はこの定着ベルト36内で発生する。この場合には定着ベルト36そのものも加熱できるので、加熱エネルギーを定着ベルト36へより有効に伝えることができる。
また、装置本体の底板29、天板30、シャーシ31は磁性材料で構成したが、樹脂材料で構成することもできる。この場合には、装置の強度を担う部材が磁力線に影響を与えないので、背面コア4の近傍にこれらの部材を配置することができる。このため、装置全体を小型化できる。
本実施の形態においては、図14に示すように、付加コイル7は、付加コイル7の設置範囲(長さL2)において励磁コイル3が発生する環状の磁束Mを抑制する。従って、磁束Mの経路に沿った方向における付加コイル7の設置範囲長さL2が大きい方が、断続手段40が接続状態のときの発熱抑制効果が大きくなる。本実施の形態では、付加コイル7がU字コア6を1.5回周回している。このため、付加コイル(導電体)7と鎖交する磁束Mに沿った方向における付加コイル7の設置範囲の長さL2が、該磁束Mに沿った方向に垂直な面内での付加コイル7の厚さ(これはコイル線材の太さに等しい)よりも大きい。これにより、付加コイル7を小型で材料の使用量も低減しながら、付加コイル7の発熱抑制効果を十分に確保することができる。
図16に示すように、付加コイル7の周回数を同じにしながら、付加コイル7を構成する線束を互いに離間して巻回しても良い。このようにすることにより、線束を密着させて巻回する場合に比べて、少ない線材で付加コイル7の設置範囲長さL2を大きくすることができる。これにより、付加コイル7の発熱制御効果を十分に大きくすることができる。
本実施の形態では、付加コイル7がU字コア6の周囲に巻回されている。このため、付加コイル7の中央の空間の透磁率が高くなる。これにより、励磁コイル3から付加コイル7への磁気的結合が強くなり、付加コイル7に誘起される電流による発熱抑制効果を十分に大きくすることができる。
本実施の形態では、付加コイル7の材料として銅線を用いたが、一般に付加コイル7の材料の電気抵抗値は低いことが望ましい。具体的には、電気伝導率が1×107[S/m]以上であれば、誘起される電流による発熱を防止できると同時に、誘起電流も大きくなるので、発熱制御効果を十分に得ることができる。
付加コイル7は、図14の長さL2の範囲においてU字コア6内を磁束Mが通過することを抑制する。より詳細には、断続手段40が接続状態のとき、磁束Mは、付加コイル7の直前でU字コア6から発熱ローラ1側へ漏れようとする。この漏れ出た磁束は、対向部Fや対向部N以外のU字コア6と発熱ローラ1との空間距離が長い部分を通過するので、U字コア6と発熱ローラ1との磁気的結合が弱められる。また、発熱ローラ1中を磁束Mが通過する範囲が狭くなる。これらにより、発熱ローラ1の発熱が抑制される。このため、付加コイル7をU字コア6の端部に設けると、磁束MはU字コア6の端部近傍まで通過できるので、付加コイル7による発熱抑制効果は低減する。逆に、付加コイル7がU字コア6の端部から離れているほど、断続手段40の接続状態時と非接続状態時との間で、磁束MがU字コア6内を通過する距離の差が大きくなり、付加コイル7による発熱抑制効果が顕著となる。本実施の形態では、U字コア6の端部から付加コイル7のU字コア6の該端部側の端までの磁束Mに沿った方向における距離L1が、付加コイル7の設置範囲長さL2よりも大きい。これにより、付加コイル7に接続された断続手段40の断続による磁気回路の変化がより大きくなり、付加コイル7による発熱抑制効果を大きくすることができる。
付加コイル7に接続された断続手段40の切り換えを励磁コイル3に高周波電流を印加中に行なうと、不要な電磁ノイズが発生したり、断続手段40の動作が不良になったりすることがある。これは、励磁コイル3に印加された高周波電流による磁束Mの変化が誘起する付加コイル7の電流及び電圧が大きい状態のときに断続操作を行なうことが原因である。
詳細に述べると、断続手段40が接続状態のとき、励磁コイル3に印加した高周波電流により付加コイル7にはほぼ同じ波形の高周波電流が発生する。付加コイル7に誘起された電流が大きいときに断続手段40を切断した場合、付加コイル7の電流が急激に0になるという急峻な変化が生じる。このために、付加コイル7を切断する断続手段40に過大な電圧が発生して、スパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたりする。
一方、断続手段40が非接続状態のときにも、励磁コイル3に印加された高周波電流による磁束Mの変化が誘起する電圧が付加コイル7の両端に発生する。この誘起される電圧波形は、励磁コイル3に印加される高周波の電圧の波形とほぼ同じである。この誘起された電圧が大きいときに断続手段40を接続すると、その接続の瞬間にスパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたり、大きな電流が流れたりする。
上記の課題を解決するために、本実施の形態では断続手段40の断続操作を行なう時に、励磁コイル3への高周波電流の印加を停止している。これにより、付加コイル7を断続する断続手段40で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段40の断続による付加コイル7での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
本実施の形態では、付加コイル7として素線を20本束ねた線束を使用しており、付加コイル7に発生する高周波の交流に対する電気抵抗が小さいため、大きな誘導電流が得られて、磁束Mに対して大きな抑制作用が得られる。
また、本実施の形態では、付加コイル7をU字コア6に2回周回させているが、2巻目は断続手段40に接続するため引き出しており、磁気回路的に有効な巻数は1から1.5巻である。この巻数を増加させれば励磁コイル3による磁束Mを抑制する作用をさらに強めることができる。従って、発熱ローラ1の回転軸方向の温度の不均一さの程度に応じて、巻数を変えて発熱ローラ1の回転軸方向の温度均一性を調整することが可能である。
本実施の形態では、付加コイル7として、外径0.1mmの線材を20本束ねた線束を使用したが、線束を構成する素線の本数を増減しても付加コイル7による磁束Mの抑制作用を増減することが可能である。さらに、素線を束ねた線束を使用したが、単線(例えば、表面を絶縁した外径0.5mmの銅線)を使用し、巻数を多くしても同様の作用が得られる。
なお、背面コア4のU字コア6を発熱ローラ1の回転軸に対して斜めに設置してもよい。この場合にはU字コア6の両端の対向部Fの該回転軸方向の位置が互いに異なることになる。このため、磁束が集中する箇所が回転軸方向に分散されるので、発熱ローラ1の回転軸方向の発熱ムラを抑制することができる。
(実施の形態3)
図17は本発明の第3の実施の形態の像加熱装置の発熱部の構成図である。第2の実施の形態と同一の作用を持つ部材には同一の符号を与え、それらについての重複する説明を省略する。
本実施の形態においては第2の実施の形態と異なり、同一のU字コア6に配設された1対の付加コイル7を直列に接続し、さらにこれに断続手段40を直列に接続している。また、2つの温度センサー11a,11bを配設してあり、一方の温度センサー11aは最小サイズ用紙の通過範囲Pmin内に、他方の温度センサー11bは最小サイズ用紙の通過範囲Pmin外にそれぞれ配設し、それぞれが定着ベルト36の温度を検知する構成となっている。用紙通過時の両温度センサー11a、11bの温度信号により、断続手段40を切り換えて磁束Mを調整し、発熱量を調整する。上記以外の構成は実施の形態2と同様である。
第2の実施の形態では、同一のU字コア6内に発生する2つの磁束Mに対して2個の付加コイル7が設けられ、それぞれに対応して2個の断続手段40が接続されて、2個の閉回路が形成された。そして、各閉回路内に発生する2つのループ状の誘導電流による磁束Pで、励磁コイル3による2つの磁束Mを別々に抑制していた。
これに対して、本実施の形態では、同一のU字コア6に設けられた2個の付加コイル7と1個の断続手段40とで1個の閉回路が形成される。そして、1つの閉回路内に発生する1つのループ状の誘導電流による磁束Pで、励磁コイル3による2つの磁束Mを抑制する。本実施の形態では、実施の形態2に対して、付加コイル7内に発生する誘導電流に僅かの差は生じるが、付加コイル7を構成する線束の本数や巻数を変更することにより、実施の形態2と同等の発熱抑制作用が得られる。
本実施の形態の構成により、第2の実施の形態では一つのU字コア6に対して2個必要であった断続手段が1個で足りる。このため装置が簡素になり、コストダウンが可能になる。
このように、本実施の形態では、励磁コイル3によって発生した複数の環状の磁束Mに対してそれぞれ設けた付加コイル7を、一つの断続手段に直列接続したので、単一の断続手段40で異なる位置に発生した複数の磁束Mを制御することができる。これにより、少ない断続手段40でより細かい制御ができ、均一な温度分布を実現することができる。
加えて、定着ベルト36の温度を、最小サイズ用紙の通過範囲内と範囲外とにそれぞれ設けた複数の温度センサー11a,11bにて検出し、その温度信号により断続手段40を切り換えるので、より一層定着ベルト36の発熱ローラ1の回転軸方向の温度均一性が向上する。
温度センサーの数量は上記のように2個に限らず、3個以上に増やすことができる。例えば、通過させる用紙サイズに対応させて、発熱抑制手段8と温度センサーとを設けても良い。これにより、より一層温度ムラの少ない、均一な温度が得られる。
一方、通過させる用紙サイズの種類が少ない場合には、隣り合うU字コア6に配設された付加コイル7を更に直列に接続し、これらに1個の断続手段40を直列に接続しても良い。これにより、1個の断続手段40の切り換えで、2個(又は3個以上)のU字コア6に対応する範囲の発熱量を制御することが可能となり、一層装置が簡素となり、コストの低減も可能となる。
本実施の形態では、断続手段40を断続操作するタイミングを、励磁回路10の電圧共振型インバータから励磁コイル3へ供給される高周波電流(又は高周波電圧)の変動に同期させている。これは、励磁コイル3に供給される高周波電流(又は高周波電圧)による磁束Mの変化が誘起する付加コイル7の電流(又は電圧)が大きい状態のときに断続手段40の断続操作を行なうと、不要な電磁ノイズが発生したり、断続手段40の動作が不良になったりするという問題が発生するためである。
詳細に述べると、断続手段40が接続状態のとき、励磁コイル3に印加した高周波電流により付加コイル7にはほぼ同じ波形の高周波電流が発生する。付加コイル7に誘起された電流が大きいときに断続手段40を切断した場合、付加コイル7の電流が急激に0になるという急峻な変化が生じる。このために、付加コイル7を切断する断続手段40に過大な電圧が発生して、スパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたりする。
一方、断続手段40が非接続状態のときにも、励磁コイル3に印加された高周波電流による磁束Mの変化が誘起する電圧が付加コイル7の両端に発生する。この誘起される電圧波形は、励磁コイル3に印加される高周波の電圧の波形とほぼ同じである。この誘起された電圧が大きいときに断続手段40を接続すると、その接続の瞬間にスパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたり、大きな電流が流れたりする。
上記の課題を解決するために、本実施の形態では断続手段40の断続操作を行なうタイミングを、励磁回路10の電圧共振型インバータから励磁コイル3へ供給される高周波電流の変動に同期させている。これにより、励磁コイル3へ供給される高周波電流により付加コイル7に誘起される同波形の電流または電圧がほぼ0の瞬間に、断続手段40の断続操作を行なうことができる。このため、付加コイル7を断続する断続手段40で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段40の断続による付加コイル7での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
断続手段40の断続タイミングを励磁コイル3へ供給される高周波電流の変動に同期させることは、励磁回路10のインバータのスイッチング素子のスイッチングタイミングと断続手段40の断続タイミングとを合わせることにより実現できる。この場合、断続手段40の断続とスイッチングとを完全に同時とする必要はなく、所定の時間ずらしてもよい。
なお、断続手段40の断続は1回の記録動作中に1回と限るものではない。記録動作中の温度の変化に合わせて複数回の断続動作を行うことも可能である。さらに、断続動作を一秒間に10回〜数千回行うことも可能である。断続動作を数多く行う場合には、不要な電磁波のノイズが発生し易いため、断続手段40の断続タイミングを励磁コイル3へ供給される高周波電流の変動に同期させることは特に重要である。断続手段40の断続動作としては記録動作1回あたり1回から、該高周波電流の周波数に対応する回数頻度まで行うことができる。
(実施の形態4)
図18は本発明の第4の実施の形態の像加熱装置の発熱部の断面図、図19は図18において矢印H方向からみた発熱部の構成図である。第3の実施の形態と同一の作用を持つ部材には同一の符号を与え、それらについての重複する説明を省略する。
本実施の形態においては第3の実施の形態と異なり、U字コア6aに二対の発熱抑制手段8を配設してある。
付加コイル7aは表面を絶縁した外径0.1mmの銅線からなる線材を25本束ねた線束を、U字コア6aの両側の透磁部Tにそれぞれ2回巻き付けてある。一対の付加コイル7aの線材の巻回方向は、相互に逆向きである。一対の付加コイル7aは直列に接続され、さらに断続手段40aと直列に接続されている。
付加コイル7bは第3の実施の形態の付加コイル7と同じである。一対の付加コイル7bは直列に接続され、さらに断続手段40bと直列に接続されている。 U字コア6b、6cに配設された発熱抑制手段8は第3の実施の形態と同じである。
この構成により、U字コア6aを通る磁束について、4種類の状態に切り換えることができる。
第1の状態では、付加コイル7aに接続された断続手段40aを接続状態とし、付加コイル7bに接続された断続手段40bも接続状態とする。図18において、付加コイル7aに生じる誘導電流によって磁束Pa(磁束の向きは磁束Mの向きと逆)が発生し、付加コイル7bに生じる誘導電流によって磁束Pb(磁束の向きは磁束Mの向きと逆)が発生し、両磁束が加算されて励磁コイル3による磁束Mを大きく抑制する。
第2の状態では、付加コイル7aに接続された断続手段40aを接続状態とし、付加コイル7bに接続された断続手段40bを非接続状態とする。この場合、付加コイル7aに生じる誘導電流によって磁束Paが発生するが、付加コイル7bには誘導電流が生じないため磁束Pbも発生しない。この結果、付加コイル7aによる磁束Paのみによって励磁コイル3による磁束Mが抑制される。従って、断続手段40a,40bの両方が接続状態である上記第1の状態と比較して、励磁コイル3による磁束Mを抑制する作用は小さい。
第3の状態では、付加コイル7aに接続された断続手段40aを非接続状態とし、付加コイル7bに接続された断続手段40bを接続状態とする。この場合、付加コイル7bに生じる誘導電流によって磁束Pbが発生するが、付加コイル7aには誘導電流が生じないため磁束Paも発生しない。この結果、付加コイル7bによる磁束Pbのみによって励磁コイル3による磁束Mが抑制される。付加コイル7aの方が付加コイル7bより、素線の本数が多く、その分発生する誘導電圧が大きい。従って、上記第2の状態で発生する磁束Paの方が、本第3の状態で発生する磁束Pbより大きい。よって、励磁コイル3による磁束Mに対する抑制作用は、上記第2の状態の場合に比べて、本第3の状態の場合の方が小さい。
第4の状態では、付加コイル7aに接続された断続手段40aを非接続状態とし、付加コイル7bに接続された断続手段40bも非接続状態とする。この場合、両付加コイル7a、7bは磁束Pa、Pbを発生せず、励磁コイル3による磁束Mがそのまま発熱に作用する。
以上のように、付加コイル7a,7bによる磁束Pa,Pbによって励磁コイル3による磁束Mが抑制される場合(第1の状態)と、付加コイル7a,7bによる磁束Pa,Pbのうちのいずれか一方によって励磁コイル3による磁束Mが抑制される場合(第2の状態、第3の状態)と、付加コイル7a,7bによる磁束Pa,Pbによって励磁コイル3による磁束Mが抑制されない場合(第4の状態)との、4種類の状態に切り換えることができる。
この構成により、より一層きめの細かい温度調整が可能となり、一層定着ベルト36の発熱ローラ1の回転軸方向の温度均一性が向上する。
なお、上記の例では、U字コア6aに構成が異なる2種類の発熱抑制手段を設けたが、3種類以上の発熱抑制手段を設けても良い。また、同一構成の発熱抑制手段を一つのU字コアに設けても良い。また、U字コア6aに代えて、またはこれに加えて、他のU字コア6b,6cに対して同様の発熱抑制手段を設けても良い。
(実施の形態5)
図20は本発明の第5の実施の形態の像加熱装置の発熱部の断面図、図21は図20において矢印I方向からみた発熱部の構成図である。図20は、図21のXX−XX線での矢視断面図である。第2の実施の形態と同様の構成で同じ機能を有する部材には同一の符号を与え、それらについての重複する説明を省略する。
本実施の形態においては、第2の実施の形態のU字コア6に代えて、略L状のL字コア41を用いている。L字コア41は発熱ローラ1の外周面に対向させて配置される。図20の断面図において、L字コア41が発熱ローラ1の外周面と対向する角度範囲は、発熱ローラ1の回転中心軸に対して約90度である。
発熱ローラ1の外周面に対向して、発熱ローラ1の回転中心軸と平行に棒状の中心コア(第2コア部)5が配置されるのは実施の形態2と同様である。
L字コア41の一方の端部は中心コア5に磁気的に接続される。励磁コア3の巻回中心軸3aと平行な方向から見た図21に示すように、発熱ローラ1の回転中心軸方向に離間して配列された11個のL字コア41は、中心コア5に対して設置方向を交互に逆にして、即ち千鳥状に、配置されている。
本実施の形態が想定している最大記録幅は実施の形態2と同様であり、発熱ローラ1の長さは同一である。同一サイズの発熱ローラ1に対して、実施の形態2では9個のU字コア6を発熱ローラ1の回転中心軸方向に等間隔に配置していた。これに対して、本実施の形態では11個のL字コア41を該方向に等間隔に配置している。従って、本実施の形態における隣り合うL字コア41の間隔は、実施の形態2における隣り合うU字コア6の間隔より狭い。
L字コア41の、中心コア5と接続されない側の先端は、励磁コイル3と対向しない範囲にまで延長され、励磁コイル3を介さずに発熱ローラ1と対向する対向部Fが形成されている。本実施の形態では、対向部Fを形成するL字コア41の先端部分を発熱ローラ1側に突出させて、磁気的結合を向上させている。また、実施の形態2と同様に、中心コア5は、励磁コイル3を介さずに発熱ローラ1と対向し、かつ、L字コア41よりも発熱ローラ1側に突出して対向部Nを形成している。突出した中心コア5の対向部Nは、励磁コイル3の巻回中心の中空部内に挿入されている。
本実施の形態では、上述の通り、複数のL字コア41の設置方向を中心コア5に対して交互に逆向きにした。従って、図21に示すように、励磁コア3の巻回中心軸3aと平行な方向から対向部Nの配置を見ると、実施の形態2と異なり、中心コア5に対して対向部Nが非対称に(即ち、千鳥状に)配置されている。
11個のL字コア41のうち、両外側から4番目までのL字コア41a,41b,41c,41dには付加コイル7と断続手段40とからなる発熱抑制手段8が配設されている。
第2の実施の形態では、各U字コア6の両端の2つの対向部Fの、発熱ローラ1の回転軸方向の位置は一致している。従って、ある一つのU字コア6の両端の2つの対向部Fが、回転する発熱ローラ1の外表面上にそれぞれ描く軌跡は一致する。該軌跡が形成される発熱ローラ1の表面部分は2つの対向部Fと対向し、それと回転軸方向位置が異なる表面部分は対向部Fと対向することなく回転する。従って、両位置間で発熱量の差が生じ、回転軸方向の温度分布にムラが生じやすい。
これに対して、本実施の形態では、中心コア5に対して対向部Nが千鳥状に配置されているために、発熱ローラ1の表面上のある部分は1つの対向部Fと対向して回転する。従って、第2の実施の形態に比べて、発熱ローラ1の外表面のうち、対向部Nと対向する部分と対向しない部分との間で発熱量の差が生じにくく、回転軸方向の温度分布のムラが生じにくい。
また、L字コア41は中心コア5に対して千鳥状に配置されるので、放熱特性が向上する。従って、L字コア41の発熱ローラ1の回転軸方向の配置間隔を狭く設計することが容易である。この場合には、対向部Nの発熱ローラ1の回転軸方向の配置間隔も狭くなるので、より一層温度分布ムラを抑えることができる。 更に、L字コア41の体積は、U字コア6の体積に比べて半分近くに小さい。従って、コストや重量を低減することができる。
加えて、発熱抑制手段8の作用により、各種サイズの用紙を通過させた時も、発熱ローラ1及び定着ベルト36を温度ムラがない均一な温度に維持することができる。
また、対向部Fにおいて、L字コア41に発熱ローラ1側に突出した凸部を設けたので、L字コア41と発熱ローラ1との間隔がより一層小さくなり、励磁コイル3からの磁束が完全に発熱ローラ1へ導かれ、発熱ローラ1と励磁コイル3との磁気的結合がよくなる。なお、励磁コイル3と背面コア4は接触させても、1mm程度の隙間を設けても実施可能である。隙間を設けた場合は励磁コイル3と背面コア4との相互に対向する部分の温度上昇を防止することができる。
また、発熱ローラ1を回転方向に約90度の角度範囲で覆うL字コア41を用いることにより、重量の低減と、表面積の増加による放熱の促進が達成される。このため、内部に局所的に熱が蓄積しない。これにより装置の小型化・軽量化と同時にコストの低減を実現することができる。
また、断熱部材9と励磁コイル3との間を気流が通過するように構成すれば、励磁コイル3の放熱をさらに促進することができる。
さらに、上記の例では、全てのL字コア41は、発熱ローラ1の回転軸方向の幅が均一で同一形状とし、該回転軸方向に等間隔で配設したが、幅を変えたり、間隔を変えたり、あるいは、発熱ローラ1との対向部Fを回転軸方向に連続した形状にしても良く、いずれの場合もより一層温度ムラのない、均一な温度を得られる。
(実施の形態6)
図22は本発明の第6の実施の形態の像加熱装置の断面図、図23は図22において矢印J方向からみたコアの側面図である。第2の実施の形態と同様の材料で同じ役割を有する部分には同一の符号を与え、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態においては、第2の実施の形態と異なり、略直方体形のコア50の外周に励磁コイル3を周回し、これを導電性材料からなる円筒状の発熱ローラ1の内部に設置している。図22に示すように、コア50の高さは、発熱ローラ1の内径よりわずかに小さい。また、図23におけるコア50の横方向の寸法(長手方向長さ)は発熱ローラ1の長さに略一致する。本実施の形態では、異なるサイズの用紙を通過させるとき、常に図23の左端が基準となる。従って、小幅紙を通過させるときは、図23の右側のみが非通紙領域となる。
この非通紙領域に対応して、図23に示すコア50の右端には付加コイル7と断続手段40とからなる発熱抑制手段8が配設されている。小サイズ用紙の通過領域の端部にほぼ対応する位置に上方より切り込み52を入れ、切り込み52とコア50の右側端面との間に付加コイル7を周回させている。付加コイル7は右側端面からコア50に密着して周回し、完全に1回転周回した後も略1周し、その両端を右側端部へ引き出している。そして、引き出した端部を断続手段40に接続している。
ここで付加コイル7の作用について図22を用いて説明する。
付加コイル7を断続する断続手段40が非接続状態のとき、励磁コイル3により、コア50を上下方向に貫通し、上下の端面から発熱ローラ1内に入り、発熱ローラ1内を円周方向に通過する、環状の磁束S1が形成される。このような磁束S1は、コア50の長手方向の全幅にわたって形成される。磁束S1は、励磁回路10の交流電流により生成消滅を繰り返す。この結果、発熱ローラ1は回転軸方向の全幅にわたって発熱する。
一方、付加コイル7を断続する断続手段40が接続状態のとき、磁束S1の経路の途中に巻回された付加コイル7には、磁束S1の変化により誘導起電力が発生する。その誘導起電力により付加コイル7には磁束S1と鎖交するループ状の誘導電流が発生し、コア50内に磁束S1の向きとは反対向きの磁束(図示せず)が生じる。この反対向きの磁束は、付加コイル7の内部を磁束S1が通過することを抑制するので、破線S2で示すように、コア50の付加コイル7の直前から空気中を経て、発熱ローラ1へ入る磁束の経路が形成される。空気中は透磁率が低いために、励磁コイル3と発熱ローラ1との磁気的結合が弱くなる。さらに、発熱ローラ1中を磁束が通過する範囲が狭くなることも加わって、付加コイル7を設置した領域の発熱量が抑制される。
断続手段40が接続状態のとき、励磁コイル3に印加した高周波電流により付加コイル7にはほぼ同じ波形の高周波電流が発生する。付加コイル7に誘起された電流が大きいときに断続手段40を切断した場合、付加コイル7の電流が急激に0になるという急峻な変化が生じる。このために、付加コイル7を切断する断続手段40に過大な電圧が発生して、スパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたりする。
一方、断続手段40が非接続状態のときにも、励磁コイル3に印加された高周波電流による磁束S1の変化が誘起する電圧が付加コイル7の両端に発生する。この誘起される電圧波形は、励磁コイル3に印加される高周波の電圧の波形とほほ同じである。この誘起された電圧が大きいときに断続手段40を接続すると、その接続の瞬間にスパークが発生したり、絶縁破壊が引き起こされたり、大きな電流が流れたりする。
上記の課題を解決するために、本実施の形態では、付加コイル7に誘起される電流が0の時に断続手段40の非接続状態への切り換えを行なっている。さらに、付加コイル7に誘起される電圧が0の時に断続手段40の接続状態への切り換えを行なっている。これにより、付加コイル7を断続する断続手段40で過大な電圧が発生したり、スパークや絶縁破壊が発生したりするのを防止することができる。同時に、断続手段40の断続による付加コイル7での電流や電圧の急激な変化を防止することにより、不要な電磁波ノイズの発生も防止することができる。
なお、断続手段40の断続は1回の記録動作中に1回と限るものではない。記録動作中の温度の変化に合わせて複数回の断続動作を行うことも可能である。さらに、断続動作を一秒間に10回〜数千回行うことも可能である。断続動作を数多く行う場合には、不要な電磁波のノイズが発生し易いため、断続手段40の断続タイミングを励磁コイル3へ供給される高周波電流の変動に同期させることは特に重要である。断続手段40の断続動作としては記録動作1回あたり1回から、該高周波電流の周波数に対応する回数頻度まで行うことができる。
また本実施の形態では、付加コイル7を略2周して構成しているので、1周のみの場合に比べて大きな効果が得られる。
付加コイル7は、図23の長さL2の範囲においてコア50内を磁束S1が通過することを抑制する。このため、付加コイル7をコア50の上端部に設けると、磁束S2はコア50の上端部付近まで通過できるので、磁束S2が空気中を通過する距離が短くなって、付加コイル7による発熱抑制効果が低減する。逆に、付加コイル7が上端部から離れているほど、断続手段40の接続状態時と非接続状態時との間で、磁束S2がコア50内を通過する距離の差が大きくなり、付加コイル7による発熱抑制効果が顕著となる。本実施の形態では、コア50の上端から付加コイル7のコア50の該上端側の端までの磁束S1に沿った方向における距離L1が、付加コイル7の磁束S1に沿った方向における設置範囲長さL2よりも大きい。これにより、付加コイル7に接続された断続手段40の断続による磁気回路の変化がより大きくなり、付加コイル7による発熱抑制効果を大きくすることができる。
本実施の形態においては、図23に示すように、付加コイル7は、付加コイル7の設置範囲(長さL2)において励磁コイル3が発生する環状の磁束S1を抑制する。従って、磁束S1の経路に沿った方向における付加コイル7の設置範囲長さL2が大きい方が、断続手段40が接続状態のときの発熱抑制効果が大きくなる。本実施の形態では、付加コイル7がコア50を略2回周回している。このため、付加コイル(導電体)7と鎖交する磁束S1に沿った方向における付加コイル7の設置範囲の長さL2が、該磁束S1に沿った方向に垂直な面内での付加コイル7の厚さ(これはコイル線材の太さに等しい)よりも大きい。これにより、付加コイル7を小型で材料の使用量も低減しながら、付加コイル7の発熱抑制効果を十分に確保することができる。
なお、付加コイル7の線材の外径と同等の厚さで、付加コイル7の設置範囲長さL2と同等の幅の薄肉の板金をループ状にしてコア50に巻き付けても、設置部分に対応する発熱ローラ1の領域の発熱量を抑制して温度分布を均一にする効果が得られる。
なお、上記の例では、略2回周回させた付加コイル7の周回の経路がほぼ完全に一致していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図24に示すごとく、コア50に上端から2つの切り欠き52a,52bを形成し、付加コイル7を切り欠き52aと切り欠き52bとの間の領域54aで一回周回させた後、コア50の右側端部に引き出しても良い。この構成では、切り欠き52aと切り欠き52bとの間の、付加コイルが2回周回された領域54aの方が、これより右側端部寄りの付加コイルが1回周回された領域54bよりも、断続手段40が接続状態の場合の付加コイル7による磁束S1の抑制効果が大きい。このため、領域54aの方が、発熱抑制効果は大きい。本構成の効果は以下の通りである。小サイズの用紙を通過させる場合、領域54a、54bに対応する非通紙領域での発熱ローラ1の発熱量を抑える必要がある。一方、発熱ローラ1の回転軸方向の端部では放熱が大きく温度が低下しやすい。上記の構成では、端側である領域54bの発熱抑制効果が内側の領域54aの発熱抑制効果より弱いので、端部での放熱による温度の低下を抑えながら、用紙が通過しない領域の発熱を抑制することができ、この結果、発熱ローラ1の回転軸方向での温度分布を均一に維持することができる。
また、上記の例では、付加コイル7をコア50の長手方向と平行に設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図25に示すごとく、付加コイル7の周回数を1周とし、励磁コイル3との距離が、切り欠き52側で近く、コア50の右側端部側で遠くなるように、付加コイル7を傾斜させても良い。本例では、付加コイル7からコア50の上端までの距離は、コア50の右側端部で5mm、切り欠き52の位置で10mmとしている。本構成の効果は以下の通りである。断続手段40が接続状態の場合、コア50の付加コイル7より上端側の部分には、励磁コイル3によって発生した磁束は通過しない。付加コイル7を上記のように該磁束の経路に対して斜めに配置したことにより、該磁束がコア50内を通過する距離は切り欠き52から右側端部にいくにしたがって次第に長くなる。従って、付加コイル7の発熱抑制効果は、切り欠き52から右側端部にいくにしたがって次第に弱くなる。このため、放熱が大きい端部の温度の低下を抑えながら、用紙が通過しない領域の発熱を抑制することができ、この結果、発熱ローラ1の回転軸方向での温度分布を均一に維持することができる。なお、付加コイル7の周回数を上記のような1回ではなく、これより多く周回させても同様に温度ムラを抑制する効果が得られることはもちろんである。
また、上記の例では、付加コイル7を周回させるとき、線束を互いに密着させたが、図26に示すように、隣り合う線束を離間させて周回しても良い。この構成では、少ない線材で付加コイル7の設置範囲長さL2を大きくすることができる。これにより、付加コイル7に誘起される電流による発熱分布の制御効果を十分に大きくすることができる。なお、図26は、図24において付加コイル7を離間させて周回させる例を示したが、図23の構成でも同様に離間して周回させることができ、同様の効果を得ることができる。
また、発熱ローラ1を、厚さを薄くした、いわゆるチューブ形態として、強度を付与する保持部材を設けても実現可能である。
また、本実施の形態では、サイズが異なる用紙を通過させる場合には、発熱ローラ1の回転軸方向の一方の端部を基準とする構成を示したが、実施の形態2のように、中央部を基準とすることも可能である。この場合には、コア50の両端部に付加コイル7を有する発熱抑制手段40を設ければよい。
以上の実施の形態1〜6より明らかなように、本発明によれば、発熱抑制手段により、発熱ローラ1の回転軸方向の発熱量を自在に調整することが可能であり、発熱ローラ1の回転軸方向の温度を均一に維持することができる。従って、幅の狭い用紙が通過しても、端部の温度が高くなり構成部材が破損したり劣化したりすることがない。
また、小サイズ用紙を連続して通過させた直後に最大幅の用紙を通過させてもホットオフセットを生ずることがない。
更に、用紙幅に対応した範囲を重点的に加熱することも可能で、この場合には電力の削減と昇温時間の短縮が図れる。
本発明の発熱抑制手段は、その構成部材に可動部分がなく構成が簡素なため装置の小型化・軽量化が可能で、コストの低減も可能である。
以上に説明した実施の形態は、いずれもあくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものであって、本発明はこのような具体例にのみ限定して解釈されるものではなく、その発明の精神と請求の範囲に記載する範囲内でいろいろと変更して実施することができ、本発明を広義に解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態の像加熱装置の断面図である。
図2は、図1の矢印E方向からみた発熱部の構成図である。
図3は、図2のIII−III線での発熱部の矢視断面図である。
図4は、本発明の第1の実施の形態の像加熱装置において、励磁コイルが電磁誘導により発熱ローラを発熱させるしくみを説明するための断面図である。
図5は、本発明の第1の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段の作用を説明するための断面図である。
図6は、本発明の第1の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段の別の構成例を示した断面図である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段の更に別の構成例を示した断面図である。
図8は、図7の矢印A方向から発熱抑制手段を見た部分拡大図である。
図9は、本発明の第2の実施の形態の像加熱装置を熱定着装置として用いた画像形成装置の断面図である。
図10は、本発明の第2の実施の形態の像加熱装置の断面図である。
図11は、図10の矢印G方向から見た発熱部の構成図である。
図12は、図11のXII−XII線での発熱部の矢視断面図である。
図13は、本発明の像加熱装置に用いられる励磁回路の基本構成の一例を示した回路図である。
図14は、本発明の第2の実施の形態の像加熱装置において、発熱ローラが発熱するしくみと、発熱抑制手段の作用とを説明するための断面図である。
図15は、本発明の第2の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段の効果を説明するための温度分布図である。
図16は、本発明の第2の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段を構成する付加コイルの別の構成例を示した概略図である。
図17は、本発明の第3の実施の形態の像加熱装置の発熱部の構成図である。
図18は、本発明の第4の実施の形態の像加熱装置の発熱部の断面図である。
図19は、図18において矢印H方向からみた発熱部の構成図である。
図20は、本発明の第5の実施の形態の像加熱装置の発熱部の断面図である。
図21は、図20において矢印I方向からみた発熱部の構成図である。
図22は、本発明の第6の実施の形態の像加熱装置の断面図である。
図23は、図22において矢印J方向からみたコアの側面図である。
図24は、本発明の第6の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段を構成する付加コイルの別の構成例を示した側面図である。
図25は、本発明の第6の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段を構成する付加コイルの更に別の構成例を示した側面図である。
図26は、本発明の第6の実施の形態の像加熱装置において、発熱抑制手段を構成する付加コイルの更に別の構成例を示した側面図である。
図27は、従来の像加熱装置の断面図である。
図28、図27に示した像加熱装置に用いられる定着装置の移動機構を示す正面図である。
図29は、従来の画像形成装置の像加熱装置の誘導加熱回路の構成図である。
Claims (53)
- 導電性の発熱部材と、
前記発熱部材の近傍に配置され、環状の磁束を発生して電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生した磁束を抑制することにより、前記発熱部材の発熱を抑制する発熱抑制手段と
を備えたことを特徴とする像加熱装置。 - 前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置された導電体を備え、前記導電体は前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する請求項1に記載の像加熱装置。
- 前記励磁手段が発生した共通する環状の磁束に対して、複数の前記導電体が設けられている請求項2に記載の像加熱装置。
- 前記励磁手段は、前記発熱部材に対向して配置された励磁コイルと、磁性材からなるコアとを備える請求項1に記載の像加熱装置。
- 前記発熱抑制手段は、前記コアに巻回された付加コイルを備える請求項4に記載の像加熱装置。
- 回転する円筒面を有する導電性の発熱部材と、
前記発熱部材に対向して配置された励磁コイル、及び磁性材からなるコアを有し、環状の磁束を発生して電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生した磁束を抑制することにより、前記発熱部材の発熱を抑制する発熱抑制手段とを備え、
前記励磁コイルは、線材を、前記発熱部材の前記円筒面の回転軸方向の端部ではその外周面に沿って、それ以外の部分では前記円筒面の母線方向に沿って、周回して形成されており、
前記コアは、前記円筒面の回転方向において前記励磁コイルを覆うように、前記励磁コイルに対して前記発熱部材とは反対側に配置されており、
前記コアは、前記励磁コイルを介して前記発熱部材と対向する透磁部と、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部とを備え、
前記発熱抑制手段は、前記コアに巻回された付加コイルを備えることを特徴とする像加熱装置。 - 前記付加コイルの両端が短絡されている請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記発熱抑制手段は、さらに前記付加コイルに直列接続された断続手段を備える請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルは前記透磁部に巻回されている請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記コアは複数の前記透磁部を有し、複数の前記透磁部のうちの少なくとも一つに前記付加コイルが巻回されている請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記コアの共通する前記透磁部に、複数の前記付加コイルが巻回されている請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記コアに一対の前記付加コイルが巻回されており、前記一対の付加コイルは相互に反対方向に巻回されている請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記コアに一対の前記付加コイルが巻回されており、前記一対の付加コイルと断続手段とが直列に接続されている請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルは、表面を絶縁した線材を束ねた線束からなる請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記励磁コイルは、表面を絶縁した前記線材を束ねた線束からなる請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記励磁手段が発生した共通する環状の磁束に対して、複数の前記付加コイルが設けられている請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルが、最小の用紙通過範囲よりも外側に配置されている請求項5又は6に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルが、最小の用紙通過範囲よりも外側に複数配置されており、通過する用紙の幅に応じて前記断続手段を切り換える請求項8に記載の像加熱装置。
- さらに、温度検出装置を有し、
前記温度検出装置が検出する温度に応じて、前記断続手段を切り換える請求項8に記載の像加熱装置。 - 用紙が通過しないとき前記断続手段を非接続状態とし、用紙の通過が開始後に前記断続手段を接続状態に切り換える請求項8に記載の像加熱装置。
- 設定温度以下のとき前記断続手段を非接続状態とし、設定温度に到達後に前記断続手段を接続状態に切り換える請求項8に記載の像加熱装置。
- 設定温度以下のとき、通過する用紙の幅に応じて前記断続手段を切り換える請求項8に記載の像加熱装置。
- 前記コアは略U字形状の複数のU字コアを備え、
前記複数のU字コアは、前記発熱部材の円筒面を回転方向において覆うように、かつ、前記発熱部材の回転軸方向に相互に離間して、配置されている請求項6に記載の像加熱装置。 - 前記コアは、更に、前記複数のU字コアを、磁気的に接続する第2コア部を備え、前記第2コア部は、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部を有する請求項23に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルは、前記複数のU字コアのうちの一部のU字コアにのみ巻回されている請求項23に記載の像加熱装置。
- 前記U字コアの略中央部が前記第2コア部に接続されている請求項24に記載の像加熱装置。
- 前記U字コアが、前記発熱部材の回転軸方向に対して傾斜して配置されている請求項23に記載の像加熱装置。
- 前記コアは略L字形状の複数のL字コアを備え、
前記複数のL字コアは、前記発熱部材の円筒面を回転方向において覆うように、かつ、前記発熱部材の回転軸方向に相互に離間して、配置されている請求項6に記載の像加熱装置。 - 前記コアは、更に、前記複数のL字コアを、磁気的に接続する第2コア部を備え、前記第2コア部は、前記励磁コイルを介することなく前記発熱部材と対向する対向部を有する請求項28に記載の像加熱装置。
- 前記付加コイルは、前記複数のL字コアのうちの一部のL字コアにのみ巻回されている請求項28に記載の像加熱装置。
- 前記L字コアの一方の端部が前記第2コア部に接続されている請求項29に記載の像加熱装置。
- 前記L字コアは前記第2コア部に対して千鳥状に配置されている請求項31に記載の像加熱装置。
- 前記コアの前記対向部に、前記発熱部材側に突出した凸部が設けられている請求項6に記載の像加熱装置。
- 前記第2コア部の前記対向部に、前記発熱部材側に突出した凸部を有し、前記凸部が前記励磁コイルの巻回中心の中空部内に挿入されている請求項24又は29に記載の像加熱装置。
- 導電性の発熱部材と、
時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、
前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段と
を備え、
前記導電体内に発生する誘導電流が0近傍の時に前記断続手段を切り換えることを特徴とする像加熱装置。 - 導電性の発熱部材と、
時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、
前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段と
を備え、
前記導電体内に発生する誘導電圧が0近傍の時に前記断続手段を切り換えることを特徴とする像加熱装置。 - 前記断続手段の切り換え時には前記励磁手段に電流を印加しない請求項35又は36に記載の像加熱装置。
- 導電性の発熱部材と、
時間的に変化する電流及び電圧を発生させる励磁電源と、
前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流及び電圧を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段と
を備え、
前記励磁手段に供給される電流又は電圧の変化に同期して前記断続手段を切り換えることを特徴とする像加熱装置。 - 導電性の発熱部材と、
時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、
前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段と
を備え、
前記導電体が1回転を超えて周回された線材からなることを特徴とする像加熱装置。 - 前記線材が2回転以上周回されており、その周回経路の少なくとも一部が互いに異なる請求項39に記載の像加熱装置。
- 前記線材が相互に離間して周回されている請求項39に記載の像加熱装置。
- 導電性の発熱部材と、
時間的に変化する電流を発生させる励磁電源と、
前記発熱部材の近傍に配置され、前記励磁電源より電流を供給されて環状の磁束を発生し、電磁誘導により前記発熱部材を発熱させる励磁手段と、
前記励磁手段が発生する環状の磁束の経路の途中に配置され、前記磁束によって前記磁束と鎖交するループ状の電流を誘導する導電体、及び前記電流を断続する断続手段を有する発熱抑制手段と
を備え、
前記環状の磁束に沿った方向における前記導電体の長さが、前記環状の磁束に沿った方向に垂直な面内での前記導電体の厚さより大きいことを特徴とする像加熱装置。 - 前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生した磁束とは反対向きの磁束を発生することにより、前記励磁手段が発生した磁束を抑制する請求項1、6、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記発熱抑制手段は、前記励磁手段が発生した磁束により誘導起電力を生じさせ、電流を誘起させることにより、前記励磁手段が発生した磁束を打ち消す方向の磁束を生じさせる請求項1、6、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記導電体は、前記磁束が通過する中空部を備える請求項2、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記導電体が、巻回された線材からなる請求項2、35、36、38、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記導電体が、巻回された帯状物からなる請求項2、35、36、38、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記導電体の電気伝導率が1×107[S/m]以上である請求項2、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記導電体の内側又は近傍に磁性材が設けられている請求項2、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 前記磁性材の端部と前記導電体との間の前記環状の磁束に沿った距離が、前記導電体の前記環状の磁束に沿った長さより大きい請求項49に記載の像加熱装置。
- 前記導電体が、これを貫通する前記環状の磁束に対して傾斜している請求項2、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- さらに、薄肉の定着ベルトと、前記発熱部材との間で前記定着ベルトを懸架する定着ローラとを備える請求項1、6、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置。
- 被記録材に未定着画像を形成し担持させる画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に熱定着させる熱定着装置とを有する画像形成装置であって、前記熱定着装置が請求項1、6、35、36、38、39、又は42に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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