JPH11172036A - 多孔膜、多孔膜からなる電池用セパレータ、およびその製造方法 - Google Patents

多孔膜、多孔膜からなる電池用セパレータ、およびその製造方法

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JPH11172036A
JPH11172036A JP9361771A JP36177197A JPH11172036A JP H11172036 A JPH11172036 A JP H11172036A JP 9361771 A JP9361771 A JP 9361771A JP 36177197 A JP36177197 A JP 36177197A JP H11172036 A JPH11172036 A JP H11172036A
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silane
porous membrane
temperature
stretching
polyethylene
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JP9361771A
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Yasuhiro Tada
靖浩 多田
Kazuhiro Meguro
和広 目黒
Masayuki Hino
雅之 日野
Masamichi Akatsu
正道 赤津
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シラン架橋ポリエチレン多孔膜からなり、電
解質イオンの透過抵抗が低く、機械的強度が高く、優れ
た耐熱性を有する多孔膜および多孔膜からなる電池セパ
レータならびにそれらの製造方法を提供すること。 【解決手段】 シラン架橋ポリエチレンからなる多孔膜
であって、ゲル分率が30%以上90%未満であり、1
126cm-1における赤外線吸光度(A)と1090c
-1における赤外線吸光度(B)との比、(A)/
(B)が1以下であることを特徴とする多孔膜およびシ
ラン変性ポリエチレンおよびそれと相溶性を示す有機低
分子物とからなる混合樹脂を原料として、押出工程、延
伸工程、架橋工程及び抽出工程を含んでなるシラン架橋
多孔膜の製造方法において、押出時の混合樹脂温度がシ
ラン変性ポリエチレンと有機低分子物が相溶性を示す温
度から180℃の範囲にあり、延伸工程が架橋工程に先
立つことを特徴とする多孔膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の赤外線吸光
度比およびゲル分率を有するシラン架橋ポリエチレンか
らなる多孔膜、該多孔膜からなる電池用セパレータおよ
び多孔膜の製造方法に関する。より詳しくは、シラン架
橋多孔膜からなり、電解質イオンの透過性、機械的強度
などが優れ、さらに安全性に優れた多孔膜、その多孔膜
からなる電池セパレータおよび多孔膜の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、様々なポリエチレン多孔膜が開発
されており、これらの用途の一つとして電池用セパレー
タ、特にリチウムイオン二次電池などの非水溶液系高エ
ネルギー密度二次電池用のセパレータがある。非水溶液
系高エネルギー密度二次電池用のセパレータには、一定
の温度に達すると自動的に孔が閉塞して実質的に非多孔
膜になる性質(以下「シャットダウン特性」と称する)
と、さらに、それより高い温度ではその膜形状を保持す
る性質(以下「耐熱性と称する」)が要求される。セパ
レータのシャットダウン特性は外部短絡による過大電流
が生じた際に、ジュール熱によって膜材が溶融あるいは
軟化し、孔が閉塞して電流を遮断することにより、それ
以上の危険な発熱を防止する働きをする。セパレータの
耐熱性は、孔が閉塞した後、直ちには温度上昇が収まら
なかった場合、あるいは、何らかの原因で外部から加熱
された場合に正極と負極の絶縁を維持し、危険な発熱を
招く内部短絡を防止する働きをする。一方、非水溶液系
高エネルギー密度二次電池用のセパレータに求められる
別の特性として、突刺強度が高いことが挙げられる。こ
れは電池製造工程において、電極表面に凹凸があった場
合に突起がセパレータを突き抜けて短絡することを防止
するためである。セパレータの突刺強度が高いと電池製
造の際の不良品率を低減させることができる。
【0003】特開平6−212006号公報には、高密
度ポリエチレンを含むポリエチレン、および有機液状体
または固体を混合し、溶融混練後、押出成形または圧縮
成型し、抽出、乾燥、延伸して得られるポリエチレン微
多孔性隔膜が開示されている。該公報には電池隔膜にお
いて電極板表面の微少突起ないし粗さにより隔膜が損傷
し、短絡不良を引き起こすことを防止する性能は、突刺
最大荷重を評価することにより代用され、また、突刺最
大荷重は二軸延伸により向上する旨が記載されている。
しかし、該隔膜は耐熱温度が150〜160℃と比較的
低いので、さらなる耐熱性が望まれる。
【0004】特開平7−29563号公報には、超高分
子量ポリエチレンから成るバッテリーセパレータが開示
されており、延伸処理により高温膜形状維持能力(本願
発明の耐熱性に相当)が低下する傾向があり、延伸処理
を施していないフィルムまたはシートを使用するのが良
いとの旨が記載されている。しかし、該セパレータは延
伸が十分に行われていないためピン刺し強度(本発明の
突刺強度に相当)が260g/25μm未満であり、電
池製造時に発生する短絡を防止するためには、さらに強
度の優れたバッテリーセパレータの出現が望まれる。
【0005】ポリエチレンの架橋方法としてシラン架橋
が公知である。シラン架橋は、ポリエチレンにビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、および
ビニルトリアセトキシシランなどの不飽和シラン化合物
をグラフト化して得られるグラフト共重合体、またはエ
チレン-エチレン性不飽和シラン化合物共重合体(以下
「シラン変性ポリエチレン」と称する)を所望の形状に
成形した後、この成形物を水に暴露してシラノール縮合
反応を生起させることにより行われる。シラン架橋によ
ればポリエチレンを溶融成形し、延伸した後に架橋させ
ることができ、ポリエチレンを低分子量化させるような
副反応が無く、しかも放射線架橋に比べて設備や装置が
簡便であることから、シラン架橋は延伸多孔膜の架橋方
法として期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、延伸さ
れたシラン架橋多孔膜を得る方法について検討した過程
で以下の問題点が明らかとなった。その第一点は、シラ
ン変性ポリエチレンを溶融成形して得た多孔膜あるいは
多孔化する前段の中間成形体(以下、「原反」と称す
る)は、架橋工程前であっても延伸応力が高く、高倍率
の延伸を行おうとすると破膜し易かったり、延伸が不均
一であったりなど延伸操作をすること自体が困難であ
り、高い突刺強度を得るのに十分な延伸ができないとい
う問題である。第二点は、たとえ延伸ができたとして
も、延伸応力が高いために延伸操作中に空孔がつぶれた
り、あるいは有機低分子物が絞り出されたりして最終的
に得られる多孔膜の透気度が低下し、電池セパレータと
して用いたとき電解質イオンの透過抵抗が高くなり易
く、さらに、加熱された時の熱収縮力が大きいため電池
セパレータとして期待される耐熱性が得られない等、所
望の物性値が得難いという問題である。本発明は上述の
問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的
は、シラン架橋ポリエチレン多孔膜からなり、電解質イ
オンの透過抵抗が低く、機械的強度が高く、且つ、優れ
た耐熱性を有する多孔膜および多孔膜からなる電池セパ
レータならびに多孔膜の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のゲ
ル分率、および特定範囲の赤外線吸光度を有する多孔膜
がかかる課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の第1によればシラ
ン架橋ポリエチレンからなる多孔膜であって、ゲル分率
が30%以上90%未満、1126cm-1における赤外
線吸光度(A)と1090cm-1における赤外線吸光度
(B)との比、(A)/(B)が1以下であることを特
徴とする多孔膜およびそれからなる電池用セパレータが
提供される。また、本発明の第2によれば、シラン変性
ポリエチレンおよびそれと相溶性を示す有機低分子物と
からなる混合樹脂を原料として、押出工程、延伸工程、
架橋工程及び抽出工程を含んでなるシラン架橋多孔膜の
製造方法において、押出時の混合樹脂温度が、シラン変
性ポリエチレンと有機低分子物が相溶性を示す温度から
180℃の範囲にあり、延伸工程が架橋工程に先立つこ
とを特徴とする多孔膜および電池用セパレータの製造方
法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の第1で、シラン架橋ポリエチレン多孔膜を特徴
づける1126cm-1における赤外線吸光度(A)と、
1090cm-1における赤外線吸光度(B)の比、
(A)/(B)が小さいこととは、後述するように溶融
押出成形中に混合樹脂に起こる架橋ないし高分子量化な
どの望ましくない反応が抑制され、突刺強度を効果的に
高め、かつ透気度を損なうことなく延伸された多孔膜で
あることを示す。また、ゲル分率が高いことは、その後
の架橋工程において引き延ばされた分子鎖が耐熱性を高
めるのに十分に架橋され、固定されたことを示す。
【0009】本発明者らの研究によれば、シラン架橋ポ
リエチレンの延伸を困難にしていた主要な原因の一つ
は、原反製造のための高温溶融押出時のシラン変性ポリ
エチレンの架橋ないし高分子量化である。このように製
造された架橋ないし高分子量化したポリエチレン分子を
含む原反は、その延伸に際して、延伸膜の破断を生じた
り、破断にまでは至らなくとも均一な延伸膜の生成を妨
げる。また、高い延伸応力の発生により孔のつぶれ、あ
るい有機低分子物の絞り出しを招く。さらに、架橋ない
し高分子量化したポリエチレン分子鎖が後の延伸工程に
おいて引き延ばし可能であっても、熱収縮力が大きな膜
しか得られないか、延伸が困難となる。
【0010】原料であるシラン変性ポリエチレンの赤外
線吸収スペクトルは、ポリエチレン分子鎖に導入された
シラン基の-Si-O-結合に由来して波数1090cm
-1付近に比較的シャープな吸収ピークを示す。一方、シ
ラン変性ポリエチレンと有機低分子物とからなる混合樹
脂温度が180℃を超える溶融押出成形では、成形中に
シラン変性ポリエチレンの架橋ないし高分子量化が進行
する。押出成形物を延伸して得た延伸膜を水に暴露して
シラン架橋を完結させると、波数1115cm-1付近を
ブロードな最大ピークとし、波数1126cm-1付近を
ピークまたはショルダーとする波数980cm-1から1
220cm-1にかけてブロードな吸収を持つ赤外線吸収
スペクトルが得られる。極端な場合には波数1126c
-1をピークとし、波数980cm-1から1220cm
-1にかけてブロードな吸収スペクトルを示すこともあ
る。このとき波数1090cm-1の吸光度は波数112
6cm-1の吸光度よりも小さい値を示す。また、吸収ス
ペクトルの形から未架橋のシラン変性ポリエチレンとシ
ラン架橋ポリエチレンとは区別ができる。すなわち、未
架橋のシラン変性ポリエチレンの膜では波数1090c
-1付近にシャープな最大ピークを示す赤外線吸収スペ
クトルが得られる。
【0011】これに対し、本発明は、従来より低い温度
で溶融押出することにより、原反中の架橋ないし高分子
量化したポリエチレンの生成を抑制し、延伸を容易にし
たものである。即ち、従来より低い温度で溶融押出する
ことにより得られる原反の延伸膜を、水に暴露してシラ
ン架橋を生起、完結させると、波数980cm-1から1
220cm-1にかけてブロードな吸収のなかに波数10
90cm-1から1080cm-1付近にブロードな最大ピ
ークを示す赤外線吸収スペクトルが得られる。このとき
波数1090cm-1の吸光度は波数1126cm-1の吸
光度よりも大きい値を示す。溶融押出成形中に架橋ない
し高分子量化が生じた場合とそうでない場合で、何故、
赤外線吸収スペクトルの違いが生じるのか未だ解明され
ていないが、溶融成形中に生じる架橋反応は、ポリエチ
レンの固相状態で、しかも十分な水の存在下で生起する
シラノール縮合反応とは異なる何らかの副反応であるた
めではないかと考えられる。両者の赤外線吸収スペクト
ルを検討した結果、多孔膜の波数1126cm-1におけ
る赤外線吸光度(A)と波数1090cm-1における赤
外線吸光度(B)との比、(A)/(B)が1以下、好
ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.4〜0.8
である多孔膜は、突刺強度、インピーダンスおよび耐熱
性をバランスよく有する多孔膜であることが判った。ま
た、(A)/(B)が1を超えた多孔膜は、延伸し難か
ったり、その結果として多孔膜の耐熱性が低下するな
ど、突刺強度、インピーダンスおよび耐熱性のバランス
が欠けるので好ましくない。
【0012】本発明においてシラン架橋ポリエチレンと
は、分子鎖に予め導入されたシラン基を有する変性ポリ
エチレンのシラノール縮合反応により架橋されたポリエ
チレンを指す。シラン架橋ポリエチレンの結晶化度は5
0〜80%であることが多孔膜のシャットダウン特性の
観点から好ましい。シラン変性ポリエチレンとしては、
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレンなどのポリエチレンに、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、およびビニル
トリアセトキシシランなどの不飽和シラン化合物をグラ
フト化して得られるグラフト共重合体、またはエチレン
-エチレン性不飽和シラン化合物共重合体をいう。融点
は95〜140℃の範囲にあることが押出加工性の点か
ら好ましい。シラン変性ポリエチレンの不飽和シラン化
合物単位の含量は好ましくは0.001〜5重量%であ
る。
【0013】本発明で用いるシラン変性ポリエチレンの
分子量の目安としてのMFRは0.08〜2g/10m
in.好ましくは0.1〜1.5g/10min.、さ
らに好ましくは0.4〜1.0g/10min.の範囲
のものを用いる。MFRが2g/10min.を超える
と、シラン変性ポリエチレンと有機低分子物の相分離が
粗大となり(有機低分子物を抽出除去後孔が大きく不均
一になる)、多孔膜の機械的強度が低下し易くなる。M
FRが0.08g/10min.未満であると、相分離
が微細化しすぎて電気抵抗が増大しやすい。シラン変性
ポリエチレンの密度は好ましくは0.945g/cm3
上、さらに好ましくは0.955g/cm3以上であれば
よい。密度の上限については、重合可能な限り高密度の
ものまで使用可能である。通常は0.97g/cm3のも
のまでが重合しやすく、本発明において好適に用いられ
る。密度が低いと最大孔径の増大、電気抵抗の増大、機
械的強度の低下を招く。好ましい例として、密度0.9
58g/cm3、融点130℃、MFR0.8g/10m
in.のシラン変性ポリエチレン(三菱化学株式会社
製;リンクロンHF-700N)、密度0.945g/cm3
融点130℃、MFR0.4g/10min.のシラン
変性ポリエチレン(三菱化学株式会社製;リンクロンHE
-707)、密度0.946g/cm3、融点130℃、MF
R0.45g/10min.のシラン変性ポリエチレン
(住友ベークライト株式会社製;モルデックスS-241H)
を挙げることができる。
【0014】本発明で用いる有機低分子物とは、シラン
変性ポリエチレンと混合した場合、好ましくは80〜1
80℃、さらに好ましくは110〜180℃の温度にお
いて相溶性を示す有機化合物である。相溶する温度が低
すぎると中間成形体(混合樹脂が押出工程を経て押し出
されてから架橋工程または抽出工程を経て最終製品とな
るまでの成形体を云い、原反と云うこともある。)とし
て相分離が得難いので好ましくない。また、相溶する温
度とは、180℃以下であればよい。本発明において相
溶性を示すか否かは溶融混合樹脂が目視でおおむね透明
であれば相溶していると判断する。かかる相溶性を示す
有機低分子物としては、パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、合成ワックス、流動パラフィン
の群から選ばれた少なくとも1種類を主成分とする有機
低分子物が好ましく、抽出性の観点からパラフィンワッ
クス、流動パラフィンがさらに好ましい。
【0015】以下、本発明のシラン架橋多孔膜の製造方
法について説明する。シラン変性ポリエチレンと有機低
分子物の混合割合は、好ましくはシラン変性ポリエチレ
ンが20〜80重量%、有機低分子物が80〜20重量
%の割合であり、さらに好ましくはシラン変性ポリエチ
レンが30〜70重量%、有機低分子物が70〜30重
量%の割合である。有機低分子物が20重量%未満であ
ると、押出成形において溶融粘度が高すぎて本発明の第
2である製造方法の発明の必須要件である混合樹脂温度
180℃では押出すことが困難になる恐れがある。有機
低分子物が80重量%を超えると得られる多孔膜の空孔
率が大きすぎて機械的強度が低下する。原料の混合方法
は有機低分子物が均一に混合されるものであれば特に制
限はない。たとえば、リボンブレンダー、ヘンシェルミ
キサー、固定式V型ブレンダー、タンブラーなどによる
混合後押出機で溶融混練する方法、押出機に両者を同時
に投入し直接溶融混練する方法などがある。
【0016】シラン変性ポリエチレンと有機低分子物を
溶融混合してフィルムあるいはシート状に賦形する方法
としては、両者を押出機に供給してスリット状のダイか
ら押し出す方法が生産性の観点から好ましい。本発明に
おいては、シラン変性ポリエチレンと有機低分子物の混
合物は、溶融混合する際の混合樹脂温度が、シラン変性
ポリエチレンと有機低分子物が相溶する温度〜180
℃、好ましくはシラン変性ポリエチレンと有機低分子物
が相溶する温度〜170℃の範囲で成形される。シラン
変性ポリエチレンと有機低分子物が相溶する温度未満の
温度では中間成形体の成形が困難になる。混合樹脂温度
が180℃を超えると、押出成形中に架橋ないし高分子
量化が生じて延伸に好適な中間成形体が得られない。押
出された溶融状態の中間成形体はシラン変性ポリエチレ
ンと有機低分子物との相分離温度以下の温度で冷却固化
される。
【0017】ここで、溶融混合樹脂の相分離温度とは、
シラン変性ポリエチレンと有機低分子物との混合溶融樹
脂をDSC(示差走査型熱量計)を用いて冷却速度毎分
10℃で冷却したときのDSC曲線におけるシラン変性
ポリエチレンの結晶化を示すピークの温度を云う。相分
離温度は、それぞれ選択された原料の組み合わせ、配合
割合量などにより異なってくるが、おおよその目安とな
る温度としては20〜130℃、好ましくは50〜12
0℃、さらに好ましくは50〜115℃の範囲である。
冷却は冷却ドラム、あるいは水などの冷媒中に導入する
ことにより好ましく行うことができる。偏肉を少なくす
る観点から冷却ドラムを用いる方法がさらに好ましい。
冷却温度としては、たとえば有機低分子物としてパラフ
ィンワックスを用いた場合、好ましくは110℃以下、
さらに好ましくは0〜100℃、最も好ましくは20〜
90℃の範囲である。
【0018】中間成形体の延伸は、架橋される前に行わ
れることが必要である。また、抽出前の中間成形体の段
階で延伸してもよいし、抽出後の多孔化した段階で行っ
てもよいし、あるいは抽出の途中で行ってもよい。延伸
は、延伸温度、好ましくは50〜150℃、さらに好ま
しくは70〜130℃において、面積倍率が好ましくは
2倍以上、さらに好ましくは3〜100倍、最も好まし
くは4〜64倍の条件で一軸または二軸の延伸を行う。
温度50℃以上であることにより、延伸応力が高いため
の破断のおそれを低減し、温度150℃以下であること
により、均一な延伸が期待できる。本発明において、上
記延伸は、少なくとも一方向に行えばよく、たとえば一
軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸を行うことができ
る。一軸延伸によれば、得られる膜は、延伸方向と垂直
の方向の熱収縮率が小さいという利点がある。二軸延伸
によれば延伸中の孔のつぶれや有機低分子物の絞り出し
が少ないという利点があり、また得られる二軸延伸膜は
面方向での配向均一性が良いため機械的特性の異方性が
少ないという利点がある。
【0019】延伸は、一軸方向でのロール延伸、テンタ
ー法による一軸または二軸延伸、ロール延伸とテンター
法の組み合わせの二軸延伸など各種の様態で行うことが
できる。またロール圧延によっても延伸と同様の効果が
期待できる。また、延伸は同一方向に2回以上に分けて
行ってもよい。たとえば比較的高い温度での延伸と、そ
れより低い温度、好ましくはそれより10℃以上低い温
度、さらに好ましくはそれより20℃以上低い温度での
延伸を組み合わせた二段延伸が挙げられる。比較的高い
温度で延伸すると透気度が増加し難い(ガーレー値が大
きくなり難い)利点があるが、反面、延伸倍率の割には
突刺強度の改善度合いが低い欠点がある。一方、比較的
低い温度で延伸すると突刺強度は高まるが、延伸中の孔
のつぶれや有機低分子物の絞り出しが生じ易い欠点があ
る。延伸を2度以上に分けてそれぞれ異なる温度で行う
ことで上記欠点を補いつつ突刺強度を高めることができ
る。
【0020】有機低分子物の抽出は、押出され冷却固化
した中間成形体の段階、延伸された段階、架橋された段
階、または延伸あるいは架橋の途中のいずれの段階で行
ってもよい。有機低分子物を抽出する方法としては中間
成形体を抽出溶媒に浸漬あるいは暴露する方法を使用す
る。抽出溶媒はシラン変性ポリエチレンに対して貧溶媒
あるいは非溶媒であり、かつ有機低分子物に対して良溶
媒であればよく、たとえば有機低分子物がパラフィンワ
ックスであれば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、イソデカン、シクロヘキサン等の炭化水素類、メ
チルシクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル等
のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、四塩化炭素、パークロロエチレン、クロ
ロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が好適に用いられ
る。抽出温度や抽出時間などは抽出溶媒の沸点や蒸気
圧、有機低分子物の溶解性、中間成形体の厚みなどを考
慮して適宜決定できる。有機低分子物を抽出し多孔化が
完了したら、得られた多孔膜を乾燥して抽出溶媒を除去
する。乾燥は温度50℃〜ポリエチレンの融点で、時間
1秒間〜1時間で行えばよい。
【0021】シラン架橋は、延伸の後に行うことが必要
である。延伸後であれば抽出前の段階、抽出後の多孔化
した段階、あるいは抽出の途中の段階のいずれで行って
もよい。シラン架橋を延伸の後に行うことにより、延伸
により引き延ばされた分子鎖が架橋点により固定される
ため、突刺強度を効果的に高めつつ熱収縮を抑制するこ
とができる。シラン架橋は中間成形体あるいは多孔膜を
水に暴露させることにより生起する。この際、シラノー
ル縮合触媒を使用すれば架橋反応が促進され短時間で架
橋を完了できる。水に対する暴露は延伸された中間成形
体あるいは多孔膜を常温〜130℃の水または水蒸気ま
たは空気中の水分と0.1秒〜1週間、通常は1秒〜1
時間程度接触させればよい。シラノール縮合触媒は一般
に錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルトなどの金属のカルボン酸
塩、有機塩基、無機酸、及び有機酸である。シラノール
縮合触媒の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、
酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カプリ
ル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、エチルアミン、ジブチ
ルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩酸など
の無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、
マレイン酸などの有機酸がある。
【0022】シラノール縮合触媒の使用方法としては、
シラノール縮合触媒を原料樹脂組成物に配合して製膜す
る方法、シラノール縮合触媒の溶液または分散液を中間
成形体あるいは多孔膜に塗布する方法などがある。触媒
を原料樹脂組成物に配合する場合の触媒配合量は、シラ
ン変性ポリエチレンの変性の程度、有機低分子物の割合
などにより適当に決定すればよいが、一般的には原料樹
脂組成物に対して0.0001〜5重量%の範囲であ
る。触媒を塗布する場合の触媒濃度は、溶媒または分散
媒の種類、塗布方法などによっても影響されるが、溶液
または分散液に対して0.001〜30重量%の範囲で
適宜決定できる。
【0023】上記工程を通じて最終的に得られる多孔膜
は、好ましくは厚み10〜100μm、さらに好ましく
は15〜50μmの多孔膜として得られる。上記製造方
法により、本発明の第1に述べた性状を有する多孔膜、
すなわちゲル分率が30%以上90%未満、1126c
-1における赤外線吸光度(A)と1090cm-1にお
ける赤外線吸光度(B)の比、(A)/(B)が1以
下、好ましくは0.85以下であることを特徴とする多
孔膜が得られる。この多孔膜は電解質イオンの透過抵抗
が低く、機械的強度が高く、優れた耐熱性を有する電池
セパレータとして好適に用いられる。
【0024】本発明の多孔膜のゲル分率は30%以上9
0%未満、好ましくは40%以上、85%未満、さらに
好ましくは50%以上、80%未満である。ゲル分率が
30%未満であると、結晶の融解温度以上の温度におい
て熱収縮力に対する抵抗力が小さいため破膜する恐れが
ある。一方、90%以上であると多孔膜が脆くなり電池
の組み立て時などに破れやすくなるなど取り扱いが困難
になる。
【0025】本発明の多孔膜の広角X線回折による配向
度は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%
以上である。安定した突刺強度が得られる点で、配向度
が70%以上であることが好ましい。本発明の多孔膜の
空孔率は、好ましくは20〜60%の範囲であり、さら
に好ましくは30〜50%の範囲である。空孔率が低す
ぎると透気度(ガーレー値)を下げることができず、そ
の結果、電気抵抗が増大するおそれがある。また、空孔
率が大きすぎると機械的強度が下がる。空孔率は20%
以上、60%以下が好ましい。
【0026】本発明の多孔膜の最大孔径は好ましくは1
μm以下であり、さらに好ましくは0.05〜0.90
μmであり、最も好ましくは0.05〜0.5μmであ
る。最大孔径が1μmを超えると導電性の微粒子が多孔
膜を通過して導通が起こる機会が増えるなど、導電性微
粒子に対する障壁性が低下することがある。多孔膜の透
気度は、電気抵抗の増大をさける観点から、好ましくは
ガーレー値として1000秒以下であり、さらに好まし
くは800秒以下である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の実施例に記載の原料および多孔膜の物性につ
いては、以下の測定方法により求めたものであり、本明
細書に記載の原料および多孔膜の物性も、その測定結果
に準拠している。
【0028】(MFR)JIS K 6760に準拠し
て、試験温度190℃、試験荷重2.16kgfにて測
定した。 (密度)JIS K 6760に準拠して、試験温度2
3℃にて測定した。 (赤外線吸光度比)(株)島津製作所社製FTIR-820
0を使用して分解能4cm-1で試料多孔膜の赤外線吸収
スペクトルを測定し、チャート紙に記録された吸光度ス
ペクトルから1126cm-1における赤外線吸光度
(A)と、1090cm-1における赤外線吸光度(B)
を読み取り、その比、(A)/(B)を算出した。
【0029】(配向度)理学電機株式会社発行のX線回
折の手引き改訂第三版(1985年6月30日発行)の第81
ページ記載の繊維試料測定装置による配向度の測定方法
を基に測定した。試料多孔膜のEnd(フィルム面に平行
かつ長手方向にも平行な方向)またはEdge(フィルム面
に平行かつ幅方向にも平行な方向)からX線を入射し、
多孔膜試料に適用する方法により求めた(110)面か
らの回折により得られるEnd像(またはEdge像)として
の6点像のうち、赤道線上の2点についての半値幅wi
(度)の合計値Σwi(度)から次式;配向度A%=[(3
60−ΣWi)/360]×100と定義して求めた。即ち、延伸方
向をそろえた幅1mm、長さ15mmの短冊状の多孔膜
数十枚をシアノアクリレート系接着剤を用いて高さ2m
mとなるように重ね合わせ測定試料とした。この測定試
料を繊維試料台にセットし、膜面に沿ってX線を入射し
ながら360度回転させ(110)面回折リングの強度
をシンチレーションカウンタにより測定した。X線発生
装置は理学電機株式会社製ロータフレックスRU-200Bを
用い、30kV−150mAでNiフィルターを通した
Cu−Kα線をX線源とした。
【0030】(空孔率)一辺が40mmの正方形に切り
出した試料多孔膜を秤量し(この重量をW1とする)、つ
いでミネラルオイル(Aldrich Chemical社製Mineral oi
l,white,light)に室温中で6時間浸漬した後、試料多
孔膜を取り出して表面のミネラルオイルを拭き取り、再
び秤量し(この重量をW2とする)、下式から空孔率
(%)を算出した。ここでρ1は、シラン変性ポリエチ
レンの比重(密度)を表し、ρ2はミネラルオイルの比
重(密度)を表す。 空孔率(%)=[ρ1(W2-W1)/{ρ2W1+ρ1(W2-W1)}]×1
00
【0031】(最大孔径)ASTM E−128−61
に準拠し、エタノール中のバブルポイントより算出し
た。 (透気度、ガーレー値とも云う)JIS P 8117
に準拠して、B型ガーレー式デンソメータを用いて測定
した。
【0032】(電気抵抗)測定セルの構造を図1に示
す。CR2032型コイン電池のステンレス製缶体(1a,1b)
に直径15mmのステンレス製円板(2a,2b)を電極として
取り付け、両電極の間に電解液を含浸させた試料多孔膜
(3)をはさみ、空間部にも電解液を満たして、テフロ
ン製のパッキン(4)を介して缶体をかしめて測定セル
を組み立てた。さらにパッキン部分は封止剤(商品名
「アラルダイト」)(5)で封止してセルの密閉性を高
めた。なお、一方の電極(2a)はステンレス製のバネ
(6)を介して缶体(1a)に取り付けてあるので電極と
試料多孔膜は隙間なく接触する。電解液は富山薬品社製
のLIPASTE-EP3BLF7を用いた。この電解液は、エチレン
カーボネート20.9重量%、プロピレンカーボネート18.9
重量%、γ-ブチロラクトン52.8重量%の混合溶媒に電
解質としてLiBF4を7.4重量%溶解したものである(重量
%はいずれも電解液を100重量%としたとき)。横河ヒ
ューレットパッカード社製4274A MULTI-FREQUENCY LCR
METERを用いて、周波数100kHz、印加電圧0.1Vの交流電
圧を印加して、交流インピーダンス(抵抗R)を測定し
た。
【0033】(突刺強度)東洋ボールドウィン社製テン
シロンRTM-100を用いて、直径1mm、先端Rが
0.5mmのステンレス製ピンにより、クロスヘッド速
度200mm/minで試料多孔膜を突刺し、最大荷重
を試料多孔膜の厚みで除した値を突刺強度とした。 (厚み)厚み計であるソニー社製デジタルマイクロメー
タM-30を用いて測定した。
【0034】(結晶化度)メトラー社製TA-3000型熱分
析システムを用い、試料多孔膜約10mgを測定セルに
セットして、窒素ガス雰囲気中で温度30℃から毎分1
0℃で温度200℃まで昇温して、DSC曲線を測定し
た。このDSC曲線における結晶の融解による吸熱ピー
クの面積から融解エンタルピーΔH(J/g)を求めた。
結晶化度は 次式:結晶化度(%)=(ΔH/ΔH0)×100 により算出した。ここでΔH0はポリエチレン完全結晶
の融解エンタルピーであり、本実施例においては28
8.8J/gとする。
【0035】(ゲル分率)試験管に秤量した試料多孔膜
約70mg(この重量をWOmgとする)と1,2,4
−トリクロロベンゼン約10mlを入れ、温度130℃
で2時間加熱した。この溶液と未溶解成分を100メッ
シュの金網で濾過し、分離した未溶解成分を50℃の熱
風オーブン内で12時間乾燥させた。乾燥した未溶解成
分を秤量し(この重量をWmgとする)、次式、ゲル分率
(%)=(W/WO)×100からゲル分率(%)を算
出した。
【0036】(シャットダウン特性および耐熱性)前記
の電気抵抗を測定したセルを使用して、前記LCRメー
ターを用いて、周波数100kHz、印加電圧0.1V
の交流電圧を印加しつつ、測定セルを室温から毎分15
℃で昇温して交流インピーダンス(抵抗Rおよびリアク
タンスX)を測定した。シャットダウン(SD)温度は
抵抗Rが急激に増大して数百Ωに達し、リアクタンスX
がオーバーフロー(OF;レンジオーバー、測定限界2
0MΩ)する温度である。抵抗Rが数百Ωを示し、この
ときリアクタンスXがオーバーフローするときは測定セ
ルが微少容量のコンデンサーと同じ状態となったことを
示すものであり、試料多孔膜が非多孔質の絶縁膜に変化
したことを示す。なお、このLCRメーターはリアクタ
ンスXがオーバーフローしていると抵抗Rの測定確度は
保証されないため、インピーダンスの増大幅については
定量性が欠けている。耐熱性が消失する温度、すなわち
破膜温度は抵抗Rが再び減少して数十Ω以下になる温度
である。なお、この測定セルは240〜300℃まで昇
温したとき破裂し、それ以上の温度ではインピーダンス
が測定できない。
【0037】(実施例1)シラン変性ポリエチレン(三
菱化学株式会社製;リンクロンHF-700N、MFR0.8g/10mi
n、密度0.958g/cc)50重量%と、パラフィンワックス
(日本精蝋株式会社製;パラフィンワックス135)50
重量%を、30mmφ二軸押出機に供給して、混合樹脂温
度160℃で溶融混合し、幅350mmのTダイより押
出し、溶融状態のまま表面温度30℃に維持された冷却
ドラム上に導き、そこで冷却固化して厚み60μmの中
間成形体を得た。次に、中間成形体を2枚重ね合わせて
ロール表面温度110℃に調節したロール式縦延伸機に
より縦方向に3.5倍に一軸延伸し、引き続いてロール
表面温度80℃に調節したロール式縦延伸機により縦方
向に1.4倍に一軸延伸した。この延伸された中間成形
体の両面にジブチル錫ジラウレートの30重量%水分散
液を塗布し、次いで温度85℃に維持された温水に1時
間浸してシラン架橋を完了した。次に、この中間成形体
をシクロヘキサンに室温で30分間浸漬して、パラフィ
ンワックスを抽出し、次いで温度80℃のオーブン内で
30分間乾燥して抽出溶媒を除去し、厚み25μmのシ
ラン架橋ポリエチレン多孔膜を得た。製造条件を表1
に、得られた多孔膜の物性を表2にそれぞれ示す。
【0038】(実施例2)実施例1で使用したシラン変
性ポリエチレン45重量%とパラフィンワックス55重
量%を原料として、実施例1と同様に押出成形した厚み
100μmの中間成形体を5枚重ね合わせてロール表面
温度100℃に調節したロール式縦延伸機により縦方向
に5倍に延伸し、引き続いて雰囲気温度90℃に調節し
たテンタークリップ式横延伸機により横方向に4倍に延
伸した。この延伸された中間成形体を実施例1と同様に
してシラン架橋し、次いで有機低分子物を抽出、乾燥し
て、厚み25μmのシラン架橋ポリエチレン多孔膜を得
た。製造条件を表1に、得られた多孔膜の物性を表2に
それぞれ示す。
【0039】(比較例1)押出成形における混合樹脂温
度を220℃とした以外は実施例1と同様にして厚み6
0μmの中間成形体を得た。この中間成形体を2枚重ね
て実施例1と同様にして一軸延伸したところ、破断しや
すく、面積倍率2倍以上の延伸は困難であった。
【0040】(比較例2)押出成形における混合樹脂温
度を200℃とした以外は実施例1と同様にして厚み6
0μmの中間成形体を得た。この中間成形体を2枚重ね
て実施例1と同様にして一軸延伸し、次いでシラン架橋
し、次いで有機低分子物を抽出、乾燥して、厚み25μ
mのシラン架橋ポリエチレン多孔膜を得た。製造条件を
表1に、得られた多孔膜の物性を表2にそれぞれ示す。
【0041】(比較例3)押出成形における混合樹脂温
度を200℃とした以外は実施例1と同様にして厚み1
00μmの中間成形体を得た。この中間成形体を実施例
2と同様にして二軸延伸し、次いでシラン架橋し、次い
で有機低分子物を抽出、乾燥して、厚み25μmのシラ
ン架橋ポリエチレン多孔膜を得た。製造条件を表1に、
得られた多孔膜の物性を表2にそれぞれ示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、実施例で示したように
電解質イオンの透過抵抗が低く、機械的強度が高く、優
れた耐熱性を有する多孔膜および多孔膜からなる電池セ
パレータが提供される。また、シラン変性ポリエチレン
を特定温度範囲で押出成形することと延伸後に架橋処理
を行うことの組み合わせにより、効果的に機械的強度を
高めた耐熱性を有する多孔膜の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐熱特性を測定するための測定セルを示す断
面図である。
【符号の説明】
1a:缶体(ふた) 1b:缶体(底) 2a:正電極(SUS) 2b:負電極(SUS) 3:多孔膜(セパレータ) 4:パッキン(テフロン) 5:封止剤 6:バネ(SUS)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 正道 茨城県新治郡千代田町稲吉東3丁目13−15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シラン架橋ポリエチレンからなる多孔膜で
    あって、ゲル分率が30%以上90%未満であり、11
    26cm-1における赤外線吸光度(A)と1090cm
    -1における赤外線吸光度(B)との比、(A)/(B)
    が1以下であることを特徴とする多孔膜。
  2. 【請求項2】広角X線回折による配向度が70%以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の多孔膜。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の多孔膜からなる電
    池用セパレータ。
  4. 【請求項4】シラン変性ポリエチレンおよびそれと相溶
    性を示す有機低分子物とからなる混合樹脂を原料とし
    て、押出工程、延伸工程、架橋工程及び抽出工程を含ん
    でなるシラン架橋多孔膜の製造方法において、押出時の
    混合樹脂温度がシラン変性ポリエチレンと有機低分子物
    が相溶性を示す温度から180℃の範囲にあり、延伸工
    程が架橋工程に先立つことを特徴とする多孔膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】シラン変性ポリエチレンが20〜80重量
    %、有機低分子物が80〜20重量%の割合の混合樹脂
    を原料とする請求項4記載の多孔膜の製造方法。
  6. 【請求項6】多孔膜が電池用セパレータである請求項4
    記載の多孔膜の製造方法。
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