JP4964565B2 - ポリエチレン製微多孔膜 - Google Patents
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Description
電子デバイスの中でもリチウムイオン電池用セパレータとして使用する際に微多孔膜に要求される特性としては(1)優れた透過性と機械強度を有すること、(2)耐電解液性・電気化学的耐酸化性に優れること、(3)耐熱性に優れること、(4)良好なヒューズ特性を有すること等が挙げられる。耐熱性とは、セパレータの結晶分散温度から融点付近での熱収縮が低いという低熱収縮性と、セパレータが融点以上に加熱された場合においても破膜しないという耐破膜性のことである。ヒューズ特性とは、電池内部の異常昇温時に、セパレータが溶融することで電極を覆う被膜を形成して電流を遮断する特性のことである。
電池セパレータの耐酸化性を改善する手段としては、例えば特許文献1のようにポリプロピレン等をブレンドする手段が知られている。しかし、ポリエチレンを主成分とする微多孔膜にポリプロピレンなどの非相溶成分をブレンドすることは生産性や機械強度の観点で劣る場合があった。
特許文献3には平均孔径が0.01〜0.03μm、比表面積が95m2/g以上、気孔率が30%以上、有機電解液を滴下したときに5秒以内に透明化する、電解液との親和性に優れる多孔質フィルムが開示されている。しかし、平均孔径が0.01〜0.03μと電池用セパレータとしては小さいため、高温電池特性向上の観点から不十分な点があった。また、特許文献3は耐酸化性改善を目的とした発明ではなく、その示唆も開示も無い。
特許文献4および5には、超高分子量ポリオレフィンまたはこれを含む組成物からなるポリオレフィン微多孔膜及び製造方法が開示されている。しかしながら、何れの発明も耐酸化性の改善を目的とした発明ではなく、耐酸化性の改善効果は十分ではない。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)断面空孔密度が8個/μm以上、平均孔径が0.04〜0.1μm、突刺強度が3.9N/16μm以上であるポリエチレン製微多孔膜。
(2)微多孔膜を構成する樹脂がエチレン単位のみからなるポリエチレンである、上記(1)のポリエチレン製微多孔膜。
(3)MD引張破断伸度が10〜250%である、上記(1)又は(2)のポリエチレン製微多孔膜。
(4)TD熱収縮開始温度が80℃以上である、上記(1)〜(3)いずれかのポリエチレン製微多孔膜。
(5)粘度平均分子量が5万〜40万であるポリエチレン(PEa)を、該微多孔膜中のポリエチレンに対して40〜100wt%含有する、上記(1)〜(4)いずれかのポリエチレン製微多孔膜。
(6)(a)エチレン単位のみからなるポリエチレン、可塑剤を溶融混練する工程、(b)溶融物を押出し、シート状に押出して冷却固化する工程、(c)二軸方向に延伸する工程、(d)可塑剤を抽出する工程、(e)熱固定する工程を含むポリエチレン製微多孔膜の製造方法であって、(a)工程において、ポリエチレンと可塑剤を混合し、樹脂濃度33〜80wt%となるように溶融混練を行い、(c)工程において、MDに6倍以上の二軸延伸を行い、(e)工程における熱固定温度125℃以下、膜のMD及び/又はTDへの低倍率延伸倍率が1倍以上2倍未満であるポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
(7)前記(c)工程において、延伸面倍率が26〜100倍である、上記(6)のポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
(8)前記(a)工程におけるポリエチレン中に、粘度平均分子量5万〜40万であるポリエチレン(PEa)を40〜100wt%含有する、上記(6)又は(7)のポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
(9)上記(6)〜(8)いずれかの製造方法によって得られるポリエチレン製微多孔膜。
(10)上記(1)〜(5)及び(9)いずれかポリエチレン製微多孔膜を用いたリチウムイオン電池用セパレータ。
(11)上記(10)の電池用セパレータを使用した電子デバイス。
(12)上記(10)の電池用セパレータを使用したリチウムイオン電池。
[ポリエチレン製微多孔膜の構造]
本発明のポリエチレン製微多孔膜は、耐酸化性改善の観点から、断面空孔密度(膜厚1μm当りの空孔数、単位は個/μm)が8以上であることが必要であり、好ましくは9以上である。しかし、断面空孔密度が過度に高い場合は電解液透過抵抗が増大し電解液注液性に劣る場合があるため、好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜の平均孔径と見かけ孔数は、後述する方法で測定することが可能である。平均孔径は、高温電池特性向上の観点から0.04μm以上であり、毛細管圧力による電解液含浸性向上の観点から0.1μm以下である。好ましくは0.04〜0.08μm、より好ましくは0.04〜0.06μmである。見かけ孔数は、電池特性の向上の点から100個/μm2以上が好ましく、生産性の点から300個/μm2以下が好ましい。より好ましくは120〜250個/μm2、さらに好ましくは140〜200個/μm2以上、最も好ましくは160〜200個/μm2である。
本発明のポリエチレン製微多孔膜を構成する樹脂は、ポリエチレンであることが好ましい。また、本発明で用いるポリエチレンは断面空孔密度向上の観点からエチレン単位のみから構成されるホモポリエチレンであることが好ましい。ポリエチレン以外のポリオレフィン、またはポリオレフィン以外の樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で含有することも可能である。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレンゴム等が上げられる。また、ポリオレフィン以外の樹脂としては脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
本発明で用いるポリエチレンの分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、微多孔膜の成型加工性の観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは5〜15、よりさらに好ましくは6〜10である。必要に応じて、2段重合やブレンド等の手段によってPEaの分子量分布を概ね10〜60の範囲で調整して使用することも可能である。
本発明で用いるポリエチレンにおいては、粘度平均分子量(Mv)が5万〜40万のポリエチレン(PEa)を、微多孔膜を構成するポリエチレン全体を100wt%として40〜100wt%含むことが好ましく、より好ましくは50〜100wt%、さらに好ましくは70〜100wt%、最も好ましくは80〜100wt%である。PEaのMvは、好ましくは5万〜40万であり、より好ましくは10万〜35万であり、さらに好ましくは15万〜30万である。PEaのMvが5万以上であればより高い機械強度の微多孔膜が得られるので好ましい。Mvが40万以下であればセパレータ溶融時の延伸応力緩和がより顕著となり、電池安全性試験における安全性の一層の向上に繋がるので好ましい。PEaを、微多孔膜を構成するポリエチレン総量100wt%に対して40wt%以上含むと、原料樹脂を高濃度で製膜することが可能となり断面空孔密度が高くなることに繋がるので好ましい。
本発明の微多孔膜の膜厚は、機械強度の点から1μm以上が好ましく、電池用セパレータとしての透過性の点から50μm以下が好ましい。より好ましくは3〜30μm、よりさらに好ましくは10〜30μmである。
気孔率は、微多孔膜の電解液保液量が良好となるために25%以上が好ましく、機械強度の観点から60%以下であることが好ましい。より好ましくは40〜55%、よりさらに好ましくは43〜50%、最も好ましくは45〜50%未満である。
透気度は、膜厚16μmあたりに換算した数値で、機械強度の点から50秒/16μm以上が好ましく、電池特性の点から400秒/16μm以下が好ましい。より好ましくは100〜300秒/16μm、さらに好ましくは150〜250秒/16μmである。
突刺強度は、電池作成時の工程不良を抑制する観点から、膜厚16μmあたりに換算した数値で、好ましくは3.9N/16μm以上である。より好ましくは4.1〜6N/16μm、よりさらに好ましくは4.1〜5.5N/16μmである。
微多孔膜の横方向(以下、「TD」という)破断強度は、MDに膜が裂けることを防ぐ観点から20MPa以上であることが好ましく、過度の分子配向による微多孔膜製造時の破断を防ぐ観点から、200MPa以下が好ましい。より好ましくは30〜150MPa、さらに好ましくは40〜120MPaである。TD破断伸度は、電池捲回体の充放電時の膨張収縮に追随する観点から10%以上であることが好ましく、電池に異常な圧力が掛かった際に、セパレータが容易に破断してショート面積を大きくすることにより安全性を確保するために300%以下であることが好ましい。より好ましくは50〜200%、さらに好ましくは70〜200%、最も好ましくは70〜180%である。
微多孔膜の100℃におけるMD熱収縮は、電池安全性試験における安全性確保の観点から20%以下であることが好ましく、より好ましくは18%以下、よりさらに好ましくは15%以下である。TD熱収縮は、18%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下である。
TD熱収縮開始温度は、電池セパレータとして使用する際に電池使用温度において熱収縮を防止するという観点から、80℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、よりさらに好ましくは95℃以上、最も好ましくは100℃以上である。
ヒューズ温度は、電池昇温時の安全性の観点から、2℃/minの昇温条件下で145℃未満が好ましい。より好ましくは143℃以下、さらに好ましくは140℃以下である。電池の使用環境を想定して、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。
微多孔膜の電解液含浸性は、電解液浸透性試験で評価可能である。
微多孔膜の電解液浸透性試験における浸透時間は、電池特性向上の観点から30秒以下であることが好ましく、より好ましくは10秒以下、さらに好ましくは5秒以下である。電解液浸透時間が30秒以下であることは、電解液含浸性に優れることを意味し、電池製造工程における注液性の改善、高極性・高粘度の電解液を使用する電池のセパレータにも応用可能であるため好ましい。
本発明の微多孔膜を使用した電池は、適度な平均孔径、高い断面空孔密度と気孔率を有しているために、電解液や電極から発生する劣化物がセパレータの空孔内に詰まる、或いは電解液の液枯れによって起きる電池容量低下を防止することが可能である。後述する60℃電池サイクル試験における容量維持率は電池特性向上の観点から60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
まず、微多孔膜を幅10mm〜100mm、長さ200mm〜2000mmの縦長の形状にする。このセパレータを、正極−セパレータ−負極−セパレータ、または負極−セパレータ−正極−セパレータの順で重ね、円または扁平な渦巻状に巻回する。さらに、この巻回体を電池缶内に収納し、さらに電解液を注入する。
本発明における電子デバイスは、コンデンサ、キャパシタ、電池、燃料電池等のことを意味する。キャパシタとしては、例えば電解質としてアンモニウム塩やイオン性液体を使用する電気二重層キャパシタ、電解質としてリチウム塩を使用するリチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。電池の種類は特に限定されないが、微多孔膜と電解液との親和性の観点から、非水電解液を使用した一次電池または二次電池、であることが好ましい。また、本発明の微多孔膜をセパレータとして使用した場合に優れた安全性を付与できるという観点から、リチウムイオン一次電池または二次電池であることがより好ましく、リチウムイオン二次電池であることがよりさらに好ましい。リチウムイオン一次または二次電池としては、正極、負極、電解液等の構成部材として炭素、リチウム金属、リチウム金属化合物、アルミやスズやケイ素やチタンを含む化合物または合金化合物、リチウム含有遷移金属酸化物、イオン性液体等を使用しているものが挙げられる。
次に本発明の微多孔膜の製造方法について説明する。
本発明の微多孔膜は、(a)エチレン単位のみからなるポリエチレン、可塑剤を溶融混練する工程(溶融混練工程)、(b)溶融物を押出し、シート状に押出して冷却固化する工程(キャスト工程)、(c)二軸方向に延伸を行う工程(延伸工程)、(d)可塑剤を抽出する工程(抽出工程)、(e)熱固定する工程(熱固定工程)を含む製法により好適に製造できる。
これらの工程の順序および回数については特に限定は無いが、好ましくは以下の3種が挙げられる。
1.(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程→(e)工程
2.(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程→(c)工程→(e)工程
3.(a)工程→(b)工程→(d)工程→(c)工程→(e)工程
より好ましくは上記1または2である。
本発明の製造方法におけるポリエチレンは、融点が低い共重合体成分による断面空孔密度の低下を防止する観点から、エチレン単位のみからなるポリエチレンである。
溶融混練工程では樹脂劣化を防止するために酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤の濃度は、原料樹脂の合計量に対して、分子劣化防止の観点から0.1wt%以上であることが好ましく、経済性の観点から3wt%以下であることが好ましい。より好ましくは0.2〜3wt%以下、よりさらに好ましくは0.3〜2wt%である。
酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。なお、2次酸化防止剤も併用して使用可能である。具体的には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリル−チオ−ジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
原料樹脂と可塑剤の合計量に対する原料樹脂濃度は33〜80wt%であり、より好ましくは36〜80wt%、よりさらに好ましくは41〜70wt%、最も好ましくは45〜60wt%である。33wt%以上であれば、得られる微多孔膜の断面空孔密度が高くなり、80wt%以下であれば微多孔膜として適度な透過性が得られる。
溶融混練の方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、一軸押出し機、二軸押出し機等のスクリュー押出し機、ニーダー、バンバリーミキサー等により溶融混練させる方法が挙げられる。溶融混練する方法としては、連続運転可能な押出し機で行うことが好ましい。混練性の観点から二軸押出し機がより好ましい。可塑剤は、上記ヘンシェルミキサー等で原料樹脂と混合しても良い。また、溶融混練時に押出し機に直接フィードしても良い。また溶融混練時は押出し機内の雰囲気を窒素置換することが好ましい。
溶融混練時の温度は分散性の観点より、140℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましく、180℃以上がさらに好ましい。また分子劣化を防ぐ観点から好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下である。
溶融混練工程で得られた混練物をシート状に成形する方法としては、溶融物を冷却により固化させる方法をあげることができる。冷却方法として、冷風や冷却水等の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法等が挙げられる。冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法が、厚み制御が優れる点で好ましい。
延伸方法は二軸延伸であることが必要であり、ロール延伸機とテンターの組み合わせによる逐次二軸延伸、同時二軸テンターやインフレーション成形による同時二軸延伸などが挙げられる。中でも、高強度且つ耐変形性の観点より、同時二軸延伸であることが好ましく、同時二軸テンターによる同時二軸延伸がさらに好ましい。
本発明の製造方法においては、TD熱収縮応力を低減しかつ微多孔膜の強度を向上する観点から、MDに6倍以上延伸することが必要であり、より好ましくは7倍以上である。6倍以上の延伸により、フィブリルが十分に微細化され、断面空孔密度を高くすることが可能となる。
延伸面倍率は、強度向上の観点から26倍以上が好ましく、過度の延伸による熱収縮応力増大を防ぐために100倍以下が好ましい。より好ましくは28〜60倍、よりさらに好ましくは30〜50倍である。
TDに対するMDの延伸倍率比はTD熱収縮を低減する観点から1〜2.5倍が好ましく、より好ましくは1.1〜2倍、よりさらに好ましくは1.4〜2倍である。
延伸温度は原料樹脂濃度を参照して選択することが可能である。延伸温度は過大な延伸応力による破断を防ぐ観点から110℃以上が好ましく、微多孔膜の分子鎖配向による強度向上と断面空孔密度向上の観点から130℃以下が好ましい。より好ましくは115〜128℃、さらに好ましくは118〜125℃である。
抽出溶媒としては、膜を構成するポリオレフィンに対して貧溶媒であり、且つ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点が膜を構成するポリオレフィンの融点よりも低いものが望ましい。このような抽出溶媒としては、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレンや1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ハイドロフロロエーテルやハイドロフロロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。この中から適宜選択し、単独もしくは混合して用いる。中でも塩化メチレンやメチルエチルケトンが好ましい。
可塑剤抽出の方法としては、キャスト工程または延伸工程で得られたシートを、これらの抽出溶媒に浸漬、或いはシャワーすることで可塑剤を抽出し、その後充分に乾燥すればよい。
熱固定工程における低倍率延伸温度および緩和操作温度(以下熱固定温度とする)は125℃以下である。ポリエチレン製微多孔膜において、125℃以下の温度で熱固定することで、断面空孔密度が高くすることが可能となる。
微多孔膜の熱固定工程において過度の熱と応力が加わると、フィブリル切断、フィブリル同士の融着を伴って断面空孔密度の低下が起きるものと考えられる。しかしながら、本発明においては熱固定温度、および当該温度における効果的な低倍率延伸と緩和操作により、フィブリルの微細化による高断面空孔密度化、収縮応力緩和による高TD熱収縮開始温度化が可能となっていると推測される。
熱固定は、テンターやロール延伸機等にて、所定の温度雰囲気において、低倍率延伸と緩和操作を組み合わせて実施される。
低倍率延伸における延伸倍率は、断面空孔密度を高く保ち、かつ膜破断も防ぐという観点から膜のMD及び/或いはTDに対して、1倍以上2倍未満であり、好ましくは1.1倍以上1.8倍以下、より好ましくは1.2倍以上1.7倍以下、最も好ましくは1.3倍以上1.6倍以下である。
延伸時の温度は、延伸による膜破断を防止するために105℃以上が好ましく、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは113℃以上である。また、上述の理由から125℃以下であり、好ましくは123℃以下、より好ましくは120℃以下、最も好ましくは118℃以下である。
緩和時の温度は、熱収縮率低減の観点より、110℃以上であることが好ましく、より好ましくは113℃以上、さらに好ましくは115℃以上である。また、上述の理由から125℃以下であり、好ましくは123℃以下、さらに好ましくは121℃以下、最も好ましくは120℃以下である。
元の膜幅に対する緩和後の膜幅は、微多孔膜の小孔径化と断面空孔密度低下を防止する観点から1.0倍以上であることが好ましく、より好ましくは1.05倍以上、さらに好ましくは1.1倍以上である。
なお、必要に応じて、電子線照射、プラズマ照射、イオンビーム照射、界面活性剤塗布、化学的改質などの表面処理を本発明の効果を損なわない程度に施すことが可能である。
(1)断面空孔密度(個/μm)
微多孔膜を四酸化ルテニウム(RuO4)で染色処理した後、該微多孔膜内に電子顕微鏡用エポキシ樹脂を減圧脱泡処理によって完全に含浸させ、エポキシ樹脂を硬化させることで樹脂包埋物を得た。得られた樹脂包埋物を微多孔膜のMDに平行方向に切削することで平滑な微多孔膜断面を得た。次に、得られた微多孔膜断面の表面から2〜3μmまでの反射電子像(撮影倍率3万倍)を、走査型電子顕微鏡「S−5500」(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、商標)を用いて、加速電圧1.5kVにて得た。
得られた反射電子像の横1920×縦1480画素の電子画像を取得し、旭化成(株)製画像処理システムIP−1000PC型を用いてフィブリル部が白、空孔部が黒になるような2値化画像を取得した。(画像解像度は1280×960画素以上であることがより詳細な解析をするために好ましい)
次に微多孔膜の膜平面に対して法線方向に、画像中の微多孔膜全体を横切る線を引き、線を横切る空孔部の個数を求め、これを倍率換算した微多孔膜全体を横切る線の長さ(単位はμm)で割ることで単位断面あたりの空孔数(個/μm)を求めた。この操作を画像中の平均的な数値が得られるように10回行い、得られた数値の平均値の小数点第1位を四捨五入した値を断面空孔密度(個/μm)と定義した。
図1に実施例2で得られた微多孔膜断面の走査型電子顕微鏡像を示し、図2に2値化後の画像を示す。
ポリエチレンおよび微多孔膜の粘度平均分子量は、溶剤としてデカリンを用い、測定温度135℃で測定し、粘度[η]から次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67(Chiangの式)
(3)密度(g/cm3)
ASTM−D1505に準拠し、密度勾配管法(23℃)で測定した。
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)を用いて室温23℃で測定した。
(5)気孔率(%)
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて計算した。
気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100
なお、膜密度は0.95(g/cm3)として算出した。
(6)透気度(sec)
JIS P−8117に準拠し、東洋精器(株)製のガーレー式透気度計、G−B2(商標)により測定した。
カトーテック製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の突刺強度(N)を得た。これに16(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより16μm膜厚換算突刺強度(N/16μm)を算出した。
JIS K7127に準拠し、島津製作所製の引張試験機、オートグラフAG−A型(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(形状;幅10mm×長さ100mm)について測定した。また、サンプルはチャック間距離を50mmとし、サンプルの両端部(各25mm)の片面にセロハンテープ(日東電工包装システム(株)製、商品名:N.29) を貼ったものを用いた。さらに、試験中のサンプル滑りを防止するために、引張試験機のチャック内側に厚み1mmのフッ素ゴムを貼り付けた。
破断伸度(%)は、破断に至るまでの伸び量(mm)をチャック間距離(50mm)で除して100を乗じることにより求めた。破断強度(MPa)は、破断時の強度を、試験前のサンプル断面積で除すことで求めた。
なお、測定は、温度;23±2℃、チャック圧0.30MPa、引張速度;200mm/minで行った。
破断強度比はMD破断強度をTD破断強度で除して求めた。
キャピラリー内部の流体は、流体の平均自由工程がキャピラリーの孔径より大きいときはクヌーセンの流れに、小さい時はポアズイユの流れに従うことが知られている。そこで、微多孔膜の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、また微多孔膜の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに従うと仮定する。
この場合、平均孔径d(μm)と屈曲率τ(無次元)は、空気の透過速度定数Rgas(m3/(m2・sec・Pa))、水の透過速度定数Rliq(m3/(m2・sec・Pa))、空気の分子速度ν(m/sec)、水の粘度η(Pa・sec)、標準圧力Ps(=101325Pa)、気孔率ε(%)、膜厚L(μm)から、次式を用いて求めることができる。
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×106
τ=(d×(ε/100)×ν/(3L×Ps×Rgas))1/2
ここで、Rgasは透気度(sec)から次式を用いて求められる。
Rgas=0.0001/(透気度×(6.424×10−4)×(0.01276×101325))
また、Rliqは透水度(cm3/(cm2・sec・Pa))から次式を用いて求められる。
Rliq=透水度/100
また、νは気体定数R(=8.314)、絶対温度T(K)、円周率π、空気の平均分子量M(=2.896×10−2kg/mol)から次式を用いて求められる。
ν=((8R×T)/(π×M))1/2
さらに、孔数B(個/μm2)は、次式より求められる。
B=4×(ε/100)/(π×d2×τ)
図3(A)にヒューズ温度の測定装置の概略図を示す。1は微多孔膜であり、2A及び2Bは厚さ10μmのニッケル箔、3A及び3Bはガラス板である。4は電気抵抗測定装置(安藤電気製LCRメーター「AG−4311」(商標))でありニッケル箔2A、2Bと接続されている。5は熱電対であり温度計6と接続されている。7はデーターコレクターであり、電気抵抗装置4及び温度計6と接続されている。8はオーブンであり、微多孔膜を加熱する。
さらに詳細に説明すると、図3(B)に示すようにニッケル箔2A上に微多孔膜1を重ねて、縦方向に「テフロン(登録商標)テープ」(図の斜線部)でニッケル箔2Aに固定する。微多孔膜1には電解液として1mol/リットルのホウフッ化リチウム溶液(溶媒:プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/γ−ブチルラクトン=1/1/2)が含浸されている。ニッケル箔2B上には図3(C)に示すように「テフロン(登録商標)テープ」(図の斜線部)を貼り合わせ、箔2Bの中央部分に15mm×10mmの窓の部分を残してマスキングした。
2枚のガラス板は市販のダブルクリップではさむことにより固定した。熱電対5は「テフロン(登録商標)テープ」でガラス板に固定した。
このような装置で連続的に温度と電気抵抗を測定する。なお、温度は25℃から200℃まで2℃/minの速度にて昇温させ、電気抵抗値は1V、1kHzの交流にて測定した。ヒューズ温度とは微多孔膜の電気抵抗値が103Ωに達するときの温度と定義した。また、ヒューズの後、電気抵抗値が再び103Ωを下回るときの温度を破膜(ショート)温度とした。
微多孔膜を各辺がMDとTDに平行となるように100mm四方に切り取り、100℃に温調したオーブン内に1時間放置した後に、MD、TD熱収縮率を測定した。
(12)TD熱収縮開始温度(℃)、140℃TD熱収縮力(mN)
島津製作所製TMA50(商標)を用いて測定した。サンプル幅をMDに3mm、チャック間距離がTDに10mmとなるようにチャックに固定し、専用プローブにセットした。初期荷重を9.8mN(1.0g)とし、30℃から200℃まで10℃/minの昇温速度で加熱した。この際に、11.8mN(1.2g)以上の荷重が発生した温度をTD熱収縮開始温度とし、140℃における荷重を140℃TD熱収縮力とした。
(13)電解液浸透性
電解液としてエチレンカーボネートを20wt%、プロピレンカーボネートを80wt%の混合液体を用い、高さ30mmよりスポイトで一滴垂らし、混合液体が膜に浸透して透明になるときの時間を測定した。5秒以内で透明化した場合を◎、20秒以内を○、21〜120秒以内に若干の浸透がみられた場合を△、浸透しなかった場合を×とした。
a.正極の作製
活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を92.2wt%、導電剤としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3wt%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2wt%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にダイコーターで塗付し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗付量は250g/m2,活物質嵩密度は3.00g/cm3になるようにした。作成した正極を面積2.00cm2の円形に打ち抜いた。
b.負極の作製
活物質として人造グラファイト96.9wt%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4wt%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7wt%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の両面にダイコーターで塗付し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗付量は106g/m2,活物質嵩密度は1.35g/cm3になるようにした。作成した負極を面積2.05cm2の円形に打ち抜いた。
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/リットルとなるように溶解させて調整した。
d.電池組立
正極と負極の活物質面が対向するよう、下から負極、セパレータ、正極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収納する。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミ箔と接している。この容器内に前記した非水電解液を注入して密閉する。室温にて1日放置した後、25℃雰囲気下、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、計6時間の初充電を行った。その後3mA(0.5C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
25℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行った。次に6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
次に、70℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。次に、4.2V保持するように充電を続けた状態にて70℃雰囲気下で4日間保存を行った後、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
f.耐酸化性評価
この電池からセパレータを取り出し、付着物を取り除くためにジメトキシエタン、エタノール、及び1規定の塩酸中で各15分間の超音波洗浄を行った。その後、空気中にて乾燥し、セパレータの正極接触面側の黒変色具合を目視にて観察し、耐酸化性評価を行った。黒変色した割合が面積あたりで5%以下のものを◎、10%以下のものを○、10%を超えるものを×と判定した。
前項(14)のa〜dまでを同様に行った後、60℃雰囲気下、6mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、さらに4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行い、そして6mAの電流値で電池電圧3.0Vまで放電するというサイクルを100回繰り返す。
このサイクルにおける1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の割合(%)が60%以上を維持していた場合を○、60%未満であった場合を×と判断した。
PEa(Mv25万、密度0.95g/cm3、ホモポリマー)99.7wt%に、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。フィーダーおよび二軸延伸機内の雰囲気を窒素で置換し、得られた混合物をフィーダーにより二軸押出機へ供給し、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
溶融混練で押し出される全混合物中に占める樹脂濃度が50wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練は、設定温度200℃、スクリュー回転数70rpm、吐出量12kg/hにて行った。
続いて、溶融混練物をT−ダイを経て表面温度80℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、厚み1200μmのゲルシートを得た。
次に、このゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行った。延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.4倍、設定温度124℃とした。
その後、このシートをメチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬させて流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、このシートをTDテンターに導き、延伸温度113℃、延伸倍率1.45倍で低倍率延伸し、さらに緩和温度118℃、緩和率0.79倍にて熱固定を行った。
製膜条件を表1に、測定結果を表2に示す。
なお、実施例1の微多孔膜について島津製作所製比表面積/細孔分布測定装置ASAP−2400を用いて、窒素ガス吸着法によりBET比表面積とBJH法の脱着側平均孔径を測定した。その結果、各々67.0m2/gと0.035μmであった。
実施例1と同様な手順で、表1に示すような条件に変更して行った。なお、2種類以上の原料を用いる場合は、あらかじめタンブラーブレンダーでドライブレンドを行った。また、実施例5にて使用したPEaはMv30万、密度0.95g/cm3、炭素原子10000個あたりの末端ビニル基濃度10個のホモポリマーポリエチレンである。
製膜条件を表1に測定結果を表2に示す。実施例2と6における電解液含浸性評価の浸透時間はそれぞれ10秒と5秒であった。また実施例1および3〜5の電解液含浸性評価の浸透時間は実施例6に比べて短く、電解液含浸性が優れていた。
実施例と同様な手順で、表3に示すような条件に変更した。得られた膜の物性を測定した。その結果を表4に示す。なお、比較例1における原料組成は特許第3681720号公報の実施例3の記載と同様で行っており、エチレンとα−オレフィンの共重合体を使用している。また、その他条件においても記載と同様にした。
国際公開第00/49073号パンフレットの実施例4に記載の条件にて追試を行った。
断面空孔密度6、平均孔径0.046μm、突刺強度3.6N/16μであった。評価の結果、電解液浸透性の判定は×、耐酸化性評価の判定は×であり、60℃電池サイクル試験の結果は×であった。
国際公開第00/49074号パンフレットの実施例10に記載の条件にて追試を行った。
断面空孔密度7、平均孔径0.035μmであった。評価の結果、電解液浸透性の判定は△、耐酸化性評価の判定は×であり、60℃電池サイクル試験の結果は×であった。
以上の結果より次のことが明らかである。
実施例1〜6と比較例1から、エチレンから構成されるポリエチレンのみを使用することにより、樹脂融点が低下することによる断面空孔密度低下を防ぐことが可能であることがわかる。実施例1〜6と比較例2、3から、熱処理工程における条件を本発明の範囲とすることにより、耐酸化性に優れた微多孔膜の作製が可能となることがわかる。実施例1〜6と比較例4、5からは、本発明の微多孔膜は従来技術よりも、電解液含浸性に優れ、かつ平均孔径が適度に大きいため、耐酸化性と高温電池特性に優れることがわかる。
Claims (11)
- 断面空孔密度が8個/μm以上、平均孔径が0.04〜0.1μm、突刺強度が3.9N/16μm以上であって、微多孔膜を構成する樹脂がエチレン単位のみからなるポリエチレンであるポリエチレン製微多孔膜。
- MD引張破断伸度が10〜250%である、請求項1に記載のポリエチレン製微多孔膜。
- TD熱収縮開始温度が80℃以上である、請求項1又は2に記載のポリエチレン製微多孔膜。
- 粘度平均分子量が5万〜40万であるポリエチレン(PEa)を、該微多孔膜中のポリエチレンに対して40〜100wt%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレン製微多孔膜。
- (a)エチレン単位のみからなるポリエチレン、可塑剤を溶融混練する工程、(b)溶融物を押出し、シート状に押出して冷却固化する工程、(c)二軸方向に延伸する工程、(d)可塑剤を抽出する工程、(e)熱固定する工程を含むポリエチレン製微多孔膜の製造方法であって、(a)工程において、ポリエチレンと可塑剤を混合し、樹脂濃度33〜80wt%となるように溶融混練を行い、(c)工程において、MDに6倍以上の二軸延伸を行い、(e)工程における熱固定温度125℃以下、膜のMD及び/又はTDへの低倍率延伸倍率が1倍以上2倍未満であるポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
- 前記(c)工程において、延伸面倍率が26〜100倍である、請求項5に記載のポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
- 前記(a)工程におけるポリエチレン中に、粘度平均分子量5万〜40万であるポリエチレン(PEa)を40〜100wt%含有する、請求項5又は6に記載のポリエチレン製微多孔膜の製造方法。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって得られるポリエチレン製微多孔膜。
- 請求項1〜4及び8のいずれか1項に記載のポリエチレン製微多孔膜を用いたリチウムイオン電池用セパレータ。
- 請求項9に記載の電池用セパレータを使用した電子デバイス。
- 請求項9に記載の電池用セパレータを使用したリチウムイオン電池。
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